JP2936481B1 - 単結晶SiCおよびその製造方法 - Google Patents

単結晶SiCおよびその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 高純度であるとともに、マイクロパイプ欠陥
及び不純物の混入による格子欠陥等の発生もなく非常に
高品質で、かつ、大型の単結晶SiCを非常に生産性よ
く製造することができるようにする。 【解決手段】 α−SiC単結晶基板1と熱CVD法に
より成膜されるβ−SiC多結晶板3との界面に、Si
原子、C原子及びSiCが混在する結晶性の悪いSiC
層2を熱CVD法により成膜し挟み込んだ状態で、それ
ら両板1,3及びSiC層2を不活性ガス雰囲気、か
つ、SiC飽和蒸気圧の雰囲気下で熱処理することによ
り、結晶性の悪いSiC層2から蒸発したSi原子及び
C原子並びにβ−SiC多結晶板2から蒸発したSi及
びC原子を低温側のα−SiC単結晶基板1側に順次拡
散移動させ、かつ、α−SiC単結晶基板1の表面で再
配列させてα−SiC単結晶基板1の結晶方位に倣った
単結晶を一体に成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶SiCおよ
びその製造方法に関するもので、詳しくは、発光ダイオ
ードやX線光学素子、高温半導体電子素子の基板ウエハ
などとして用いられる単結晶SiCおよびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SiC(炭化珪素)は、耐熱性および機
械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さ
らに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容
易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のS
iC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で
3.26eV)ために、Si(シリコン)やGaAs
(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料では実現する
ことができない高温、高周波、耐電圧、耐環境性を実現
することが可能で、次世代のパワーデバイス用半導体材
料として注目され、かつ期待されている。
【0003】この種のSiC単結晶の成長(製造)方法
として、従来、黒鉛るつぼ内で原料のSiC粉末を昇華
させ、その昇華ガスをるつぼ内の低温部に再結晶させる
昇華再結晶法(レーリー法)や、黒鉛るつぼ内の低温側
に種結晶を配置し、原料となるSiCから昇華したガス
を閉鎖空間内で拡散輸送させて低温に設定されている種
結晶上に再結晶させる改良型昇華再結晶法(改良レーリ
ー法)、さらにSi(シリコン)基板上に化学気相成長
法(CVD法)を用いてエピタキシャル成長させること
により立方晶のSiC単結晶(β−SiC)を成長させ
る高温エピタキシャル方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の製造方法のうち、昇華再結晶法や改良型昇華再
結晶法にあっては、単結晶の大形化に困難を伴うばかり
でなく、結晶成長の過程で不純物が混入しやすくて純度
が低い上に、同一結晶内に二つ以上のポリタイプ(結晶
多形)が混在して、そのポリタイプ界面に結晶欠陥が導
入されやすい。近年では、改良型昇華再結晶法の研究開
発の進歩によって、結晶成長速度の進展および単結晶の
大型単結晶成長が可能になってきているものの、マイク
ロパイプ欠陥と呼ばれ半導体デバイスを作製した際の漏
れ電流等の原因となる結晶の成長方向に貫通する直径数
ミクロンのピンホールが100〜1000/cm2 程度
成長結晶中に残存しやすくて、品質的には未だ十分なも
のが得られないという問題がある。また、エピタキシャ
ル方法は、基板温度が高い上に、基板が高温なため再蒸
発量も多く、高純度の還元性雰囲気を作ることも必要で
設備的に非常に困難であり、さらに、エピタキシャル成
長のため結晶成長速度にも自ずと限界があって、単結晶
SiCの生産性が非常に悪いという問題があり、このこ
とが既述のようにSiやGaAsなどの既存の半導体材
料に比べて多くの優れた特徴を有しながらも、その実用
化を阻止する要因になっている。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、高純度であるとともに、不純物の混入による格子欠
陥、さらにはマイクロパイプ欠陥等の発生がなくて非常
に高品質で、かつ、大型の単結晶を非常に効率よく育成
し製造することができ、半導体材料としての実用化を促
進できる単結晶SiC及びその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る単結晶SiCは、Si
C単結晶基板とSi原子及びC原子により構成された多
結晶板との間に、Si原子、C原子及びSiCが混在す
る結晶性の悪いSiC層を挟み込んだ状態で、大気圧以
下の不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽和蒸気雰囲気下
で熱処理することにより、上記多結晶板を構成するSi
原子及びC原子並びに結晶性の悪いSiC層のSi原子
及びC原子を拡散移動させ上記SiC単結晶基板の表面
で再配列させてSiC単結晶基板の結晶方位に倣った単
結晶が一体に成長されていることを特徴とするものであ
り、また、請求項3に記載の発明に係る単結晶SiCの
製造方法は、SiC単結晶基板の表面上にSi原子、C
原子及びSiCが混在する結晶性の悪いSiC層を形成
するとともに、この結晶性の悪いSiC層の表面上にS
i原子及びC原子により構成された多結晶板材を積層さ
せた後、それらSiC単結晶基板、結晶性の悪いSiC
層及び多結晶板材を大気圧以下の不活性ガス雰囲気、か
つ、SiC飽和蒸気雰囲気下で熱処理することにより、
上記多結晶板材を構成するSi原子及びC原子並びに結
晶性の悪いSiC層のSi原子及びC原子を拡散移動さ
せ上記SiC単結晶基板の表面で再配列させて該SiC
単結晶基板の結晶方位に倣った単結晶を一体に成長させ
ることを特徴とするものである。
【0007】上記のような構成要件を有する請求項1及
び請求項5に記載の発明によれば、SiC単結晶基板と
Si原子及びC原子により構成された多結晶板との間
に、Si原子、C原子及びSiCが混在する結晶性の悪
い、つまり、C原子とSi原子とが大きな結晶粒子を構
成せず、Si原子及びC原子の一部またはほとんど全部
の原子が単体で存在するSiC層を挟み込んだ状態で熱
処理することによって、SiC単結晶基板と多結晶板と
の界面でSi及びC原子が容易かつ素早く拡散移動され
ることになるとともに、その拡散移動したSi及びC原
子が低温側に位置するSiC単結晶基板表面のほぼ全域
においてほぼ一斉に該SiC単結晶基板の結晶方位に倣
って容易かつ迅速に再配列されるといった固相成長によ
り単結晶が一体に成長されることになる。また、SiC
飽和蒸気雰囲気下で熱処理することにより、その熱処理
時にSiの外部放出が抑制されてSiC単結晶基板及び
多結晶板のやせ細りが防止されるとともに、雰囲気から
界面への不純物の混入も防止される。
【0008】上記のように、最も単結晶化しにくい界面
に結晶性の悪いSiC層を介在させて熱処理することに
より、その結晶性の悪いSiC層に混在されているSi
及びC原子が素早く低温側のSiC単結晶基板の表面に
拡散移動され、かつ、その低温表面での原子の再配列に
よる単結晶化が促進されるといったように、単結晶成長
時間の短縮を図ることが可能であるとともに、界面のほ
ぼ全域に亘る一斉の固相成長であって、うずまき成長で
みられるようなマイクロパイプ欠陥の発生がない上に、
雰囲気からの不純物の混入に起因した歪みによる格子欠
陥等の発生もなく、これによって、高純度、高品質で、
かつ、量的にも安定した大型の単結晶を効率よく一体成
長させることが可能である。
【0009】上記請求項1に記載の発明に係る単結晶S
iC及び請求項3に記載の発明に係る単結晶SiCの製
造方法において、上記結晶性の悪いSiC層及び多結晶
板を共に、請求項2及び請求項4に記載のように、Si
C単結晶基板表面及び結晶性の悪いSiC層表面に対す
る互いに異なる温度及び速度条件での熱化学的蒸着法に
より上下に連続する層状に成膜する場合は、結晶性の悪
いSiC層及び多結晶板を熱化学的蒸着法という単一の
成膜手段を用いて連続的に形成することが可能で、所定
の単結晶SiCの製造工程数及び必要設備を削減し製造
能率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【0010】なお、上記結晶性の悪いSiC層及び多結
晶板を熱化学的蒸着法(以下、熱CVD法と称する)に
よる成膜手段で連続層状に形成する場合、それら結晶性
の悪いSiC層と多結晶板とを明瞭に区別しないで、両
者の性状を積層方向で傾斜的に変化させながら形成して
もよい。
【0011】また、上記の結晶性の悪いSiC層として
は、C原子、Si原子単体の存在率が多ければ多いほど
熱処理時における原子単体が低温で拡散移動されて、単
結晶成長時間のより一層の短縮化が図れるけれども、層
全体がSi及びC原子単体の集合体である必要はなく、
Si原子及びC原子の単体とそれら両原子の一部が共有
結合されたSiCとが混在するものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る単結晶Si
Cの製造に際して使用される素材の説明図であり、この
実施の形態では、SiC単結晶基板として、六方晶系
(6H型)のα−SiC単結晶基板1を使用する。この
六方晶系(6H型)のα−SiC単結晶基板1は、図5
に示すように、アチソン法により作られたα−SiC単
結晶塊1Aから多数の板状SiC単結晶片1Bを切出し
たとき、その切出された板状SiC単結晶片1BのC軸
方向の(0001)面に沿って表面粗度RMS10オン
グストロームに研磨して平滑な表面に調整された平板状
のものを用いる。
【0013】上記平板状のα−SiC単結晶基板1の表
面に対して、CH3 SiCl3 及びH2 ガスの雰囲気下
で1300℃及び50mmbar の温度圧力条件の熱CVD
法により約50μm厚さのβ−SiC層2を成膜する。
この成膜されたβ−SiC層2をX線回折したところ、
β−111,β−220の結晶方位が共に認められると
ともに、その半値幅が小さいことから大きな結晶粒子が
構成されてなく、微細な結晶粒子であることが認められ
た。また、ラマン分光分析からもSi原子及びC原子の
単体の存在が確認された。すなわち、1300℃の温度
条件下で、かつ急速な熱CVDにより成膜されたβ−S
iC層2はSi原子、C原子およびSiCが混在する結
晶性の悪いSiC層である。
【0014】続いて、上記のβ−SiC層2の表面上
に、Si原子及びC原子により構成される多結晶板材の
一例として、CH3 SiCl3 及びH2 ガスの雰囲気で
1400℃及び50mmbar の温度圧力条件の熱CVD法
により立方晶系のβ−SiC多結晶板3を約400μm
厚さに成膜して図2に示すような複合体4を得る。この
成膜されたβ−SiC多結晶板3をX線回折したとこ
ろ、β−111もしくはβ−220面に高配向し、他の
方位にはピークが認められなかった。また、ラマン分光
分析からもSi原子及びC原子の単体の存在はほとんど
認められなかった。すなわち、1400の温度条件下
で、かつ遅速な熱CVDにより成膜されたβ−SiC多
結晶板3はSi原子とC原子とにより大きな立方晶系の
結晶粒子を構成する結晶性の良い層である。
【0015】次に、上記複合体4を、図3に示すよう
に、抵抗発熱炉(全体図は周知であるため、省略する)
内に挿入して上記α−SiC単結晶基板1、結晶性の悪
いβ−SiC層2及びβ−SiC多結晶板3を炉内のカ
ーボン支持板5上に共に水平姿勢となるように支持させ
ることにより、熱処理時において下側に位置する上記α
−SiC単結晶基板1側がβ−SiC多結晶板3よりも
100℃程度低温に保たれるように配置し、かつ、複合
体4の周囲には小豆ぐらいの大きさのSiC塊6…を取
り囲み配置する。
【0016】この状態で、Arなどの不活性ガス気流を
炉内に1atom程度注入するとともに、炉内温度が210
0〜2300℃、好ましくは、炉内中心温度が2150
℃に達するまで1時間かけて平均速度で昇温させ、か
つ、その2150℃で30分間程度保持させるといった
ように、大気圧下の不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽
和蒸気雰囲気下で熱処理を施すことにより、結晶性の悪
いβ−SiC層2に混在されているSi原子、C原子が
素早く低温側のα−SiC単結晶基板1の表面に拡散移
動され、それら拡散移動したSi及びC原子の配列が上
記α−SiC単結晶基板1の低温表面の全域で一斉に変
えられて該α−SiC単結晶基板1の結晶方位に倣って
単結晶化される。
【0017】そして、結晶性の悪いβ−SiC層2全体
の単結晶化と同時並行する状態で、β−SiC多結晶板
3から蒸発したSi原子及びC原子も低温側のα−Si
C単結晶基板1の表面に順次拡散移動してそれらの配列
が上記α−SiC単結晶基板1の低温表面の全域で一斉
に変えられて該α−SiC単結晶基板1の結晶方位に倣
って単結晶化され、最終的には図4に示すように、上記
結晶性の悪いβ−SiC層2及びβ−SiC多結晶板3
の全てのSi原子及びC原子がα−SiC単結晶基板1
の表面に拡散移動し、かつ、該α−SiC単結晶基板1
の表面全域でその結晶方位に倣って一斉に再配列が進行
してα−SiC単結晶基板1の単結晶部分1´と一体化
されたα−6H−SiC単結晶部分3´が得られる。
【0018】また、上記複合体4の周囲に小豆ぐらいの
大きさのSiC塊6…を取り囲み配置してSiCの飽和
蒸気雰囲気下で熱処理することにより、α−SiC単結
晶基板1及びβ−SiC多結晶板3からのSiの放出が
抑制されて、α−SiC単結晶基板1及びβ−SiC多
結晶板3のやせ細りが防止されると共に、雰囲気から界
面への不純物の混入も防止されるので、結晶成長の途中
で、その中に取り込まれる不純物や熱に起因する歪みに
よってマイクロパイプ欠陥や格子欠陥等が発生すること
もなく、これによって、高純度、高品質で、かつ、量的
にも安定した大型の単結晶を効率よく一体成長させるこ
とが可能である。
【0019】因みに、上記のようにして得られた単結晶
部分3´に関して偏光顕微鏡で観察したところ、結晶性
の悪いβ−SiC層2を含めて熱CVD法により成膜さ
れた層全体についてα−SiC単結晶基板1の単結晶部
分1´と同色の干渉色が確認された。このことからも明
らかなように、一体成長された単結晶部分1´,3´か
らなる単結晶SiCは高純度かつ高品質であることが確
認された。
【0020】特に、上記実施の形態では、上記結晶性の
悪いSiC層2及びβ−SiC多結晶板3を共に、温度
及び速度条件の異なる熱CVD法という一連の成膜手段
を用いて連続的に形成したものであり、これによって、
所定の単結晶SiCの製造工程数及び必要設備を削減し
製造能率の向上及び製造コストの低減を図ることができ
る。
【0021】なお、上記実施の形態では、上記α−Si
C単結晶基板1として6H型のものを用いたが、4H型
のものを使用してもよい。
【0022】また、上記実施の形態では、Si原子及び
C原子により構成される多結晶板として、熱CVD法に
より成膜されるβ−SiC多結晶板3を用いたもので説
明したが、これに代えて、高純度(1014atm /cm3
以下)のSiCアモルファス板、高純度SiC焼結体を
熱CVD法による成膜手段でなく、単なる積層手段で使
用しても、上記と同様な高純度、高品質の単結晶SiC
を得ることが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項3に
記載の発明によれば、SiC単結晶基板とSi原子及び
C原子により構成された多結晶板との間に、C原子とS
i原子とが大きな結晶粒子を構成せず、Si原子及びC
原子の一部またはほとんど全部の原子が単体で存在する
結晶性の悪いSiC層を挟み込んだ状態で熱処理するこ
とにより、熱処理開始当初では最も単結晶化しにくい条
件にある界面に存在する結晶性の悪いSiC層に混在の
Si及びC原子を容易にかつ素早く低温側のSiC単結
晶基板の表面に拡散移動させるとともに、その拡散移動
したSi及びC原子をSiC単結晶基板の低温表面のほ
ぼ全域でほぼ一斉に該SiC単結晶基板の結晶方位に倣
って容易かつ迅速に再配列させて単結晶化を促進するこ
とができるので、単結晶成長時間の短縮を図ることがで
きる。しかも、界面のほぼ全域に亘る一斉の固相成長
で、うずまき成長でみられるようなマイクロパイプ欠陥
の発生がない上に、SiC飽和蒸気雰囲気下での熱処理
により、その熱処理時にSiの外部放出が抑制されてS
iC単結晶基板及び多結晶板のやせ細りを防止できると
ともに、雰囲気からの不純物の混入に起因した歪みによ
る格子欠陥等の発生もなく、高純度、高品質で、かつ、
量的にも安定した大型の単結晶を効率よく一体成長させ
ることができる。これによって、Si(シリコン)やG
aAs(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料に比べ
て高温、高周波、耐電圧、耐環境性に優れパワーデバイ
ス用半導体材料として期待されている単結晶SiCの実
用化を促進することができるという効果を奏する。
【0024】特に、結晶性の悪いSiC層及び多結晶板
を共に、SiC単結晶基板表面及び結晶性の悪いSiC
層表面に対する互いに異なる温度及び速度条件での熱C
VD法により上下に連続する層状に成膜する場合は、結
晶性の悪いSiC層及び多結晶板を一連の成膜手段を用
いて連続的に形成することが可能であり、所定の単結晶
SiCの製造工程数及び必要設備を削減して製造能率の
向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶SiCの製造に際して使用
される素材の説明図である。
【図2】本発明に係る単結晶SiCの熱処理前の複合体
を示す模式図である。
【図3】本発明に係る単結晶SiCの熱処理状態を示す
模式図である。
【図4】本発明に係る単結晶SiCの熱処理後の状態を
示す模式図である。
【図5】単結晶SiCの製造方法に使用するα−SiC
単結晶基板の作製に際して作られたα−SiC単結晶塊
の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 α−SiC単結晶基板 1´,3´ 育成された単結晶部分 2 結晶性の悪いSiC層 3 β−SiC多結晶板(Si原子とC原子により構成
される板材の一例)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiC単結晶基板とSi原子及びC原子
    により構成された多結晶板との間に、Si原子、C原子
    及びSiCが混在する結晶性の悪いSiC層を挟み込ん
    だ状態で、大気圧以下の不活性ガス雰囲気、かつ、Si
    C飽和蒸気雰囲気下で熱処理することにより、上記多結
    晶板を構成するSi原子及びC原子並びに結晶性の悪い
    SiC層のSi原子及びC原子を拡散移動させ上記Si
    C単結晶基板の表面で再配列させてSiC単結晶基板の
    結晶方位に倣った単結晶が一体に成長されていることを
    特徴とする単結晶SiC。
  2. 【請求項2】 上記結晶性の悪いSiC層及び多結晶板
    が共に、SiC単結晶基板表面及び結晶性の悪いSiC
    層表面に対して、互いに異なる温度及び速度条件での熱
    化学的蒸着法により上下に連続する層状に成膜されたも
    のである請求項1に記載の単結晶SiC。
  3. 【請求項3】 SiC単結晶基板の表面上にSi原子、
    C原子及びSiCが混在する結晶性の悪いSiC層を形
    成するとともに、 この結晶性の悪いSiC層の表面上にSi原子及びC原
    子により構成された多結晶板材を積層させた後、 それらSiC単結晶基板、結晶性の悪いSiC層及び多
    結晶板材を大気圧以下の不活性ガス雰囲気、かつ、Si
    C飽和蒸気雰囲気下で熱処理することにより、上記多結
    晶板材を構成するSi原子及びC原子並びに結晶性の悪
    いSiC層のSi原子及びC原子を拡散移動させ上記S
    iC単結晶基板の表面で再配列させて該SiC単結晶基
    板の結晶方位に倣った単結晶を一体に成長させることを
    特徴とする単結晶SiCの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記結晶性の悪いSiC層が、SiC単
    結晶基板表面に対する低温、高速条件での熱化学的蒸着
    法により成膜されたものであり、かつ、上記多結晶板
    が、成膜後の結晶性の悪いSiC層表面に対する高温、
    低速条件での熱化学的蒸着法により上下に連続する層状
    に成膜されたものである請求項3に記載の単結晶SiC
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記結晶性の悪いSiC層の蒸着温度が
    1100〜1300℃、上記多結晶板の蒸着温度が12
    00〜1400℃の範囲に設定されている請求項4に記
    載の単結晶SiCの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記熱処理温度は、2100〜2300
    ℃の範囲に設定されている請求項3ないし5のいずれか
    に記載の単結晶SiCの製造方法。
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