JP2935478B2 - 純光学的光変調器 - Google Patents

純光学的光変調器

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JP2935478B2 JP3058113A JP5811391A JP2935478B2 JP 2935478 B2 JP2935478 B2 JP 2935478B2 JP 3058113 A JP3058113 A JP 3058113A JP 5811391 A JP5811391 A JP 5811391A JP 2935478 B2 JP2935478 B2 JP 2935478B2
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/015Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on semiconductor elements having potential barriers, e.g. having a PN or PIN junction
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信などの分野で好
適に用いられ、純光学的な手段により高速度の光の変調
を可能とする光変調器ないし光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、短い波長(例えば800nm)の
光に載った情報を長い波長(例えば1.55μm)のビ
ームに変換して載せる方法として、幾つか提案されてい
る。1つの例は、短波長光が光検出器で検出され、これ
が接続された制御回路により長波長発振レーザからのレ
ーザ光を電気的に変調して長波長変調光を得るものであ
る。これには、直接的に長波長発振レーザの駆動電流を
変調して発振光を変調するものと、長波長発振レーザを
一定電流で連続発振させておいて、位相シフトや光吸収
などを行なって光を変調する外部変調器(電気光学結晶
などを用いる)を用いるものとがある。
【0003】しかし、こうした例では、光検出器、制御
ロジック、変調器、レーザなどを1つの基板に全て集積
化するには幾つか困難がある。1つは、1.55μmの
波長に関係するレーザや変調器(InGaAs、InS
bなどで構成される)が800nmの波長で機能するも
の(AlGaAsなどの材料で構成される)とは異なる
材料で構成されるので、これらの素子を集積化するには
問題があると言うことである。これらは、材料のバンド
ギャップが接近しているので光の吸収が問題になり、ま
た材料が格子不整合であるので作製上問題が起こって結
晶構造の劣化が生じ、結局、変調を受ける光の散乱が起
こって好ましくない。
【0004】更に、1.55μmのレーザを直接変調す
る場合、変調速度は波長のチャーピングやその他の好ま
しくない緩和効果で制限されてしまう。
【0005】連続発振(CW)される1.55μmのレ
ーザと外部変調器を用いる場合、上記の直接変調の場合
と同様、変調器のRC時定数により変調速度が制限され
る。これらのことは、1.55μmのビームを800n
mのビームで制御する電気・光システムを構成する時に
常に解決しなければならない問題である。
【0006】従来の純光学的ないしそれに準ずるシステ
ムにはこうした欠点が無い。しかし、これらは同じ様な
波長領域のビームを用いていて、制御ビームから左程離
れた波長のビームの制御・変調をするものではない。1
例として、SEED(Self Electroopt
ic Device)がある。これでは、光ビームが入
射するとデバイスに直列的に接続された外部抵抗を介し
てフォトカレントが流れ、これにより誘起される電圧降
下が利用されている。この電圧降下は、バンドエネルギ
ー構造の傾斜を変化させて吸収端をシフトさせ、これで
この入射ビーム自身或は他の光ビームが強度変調され
る。しかし、SEEDデバイスを用いては、1.55μ
mのビームは800nmのビームでは強度変調できな
い。結局、屈折率変化を誘起する為に電圧の変化を用い
ることは出来ても、外部抵抗回路を用いているのでRC
時定数が大きく、困難な問題が生じる。
【0007】更に、強度変調を可能とするものとして、
光学的に誘起される屈折率格子を利用して変調ビームを
偏向するものがある。この場合、大きなon/offコ
ントラスト比を得るには、格子の回折効率は相当の大き
さである必要がある。これを実現する為には、大強度の
光或は大きな電気光学係数を持つ強誘電体物質を用いね
ばならない。しかし、使用可能な強誘電体物質は秒のオ
ーダー或はそれより遅いレスポンス速度しか有しないの
で、光通信システムに用いるのは全く不適当である。
【0008】次に、PR効果を利用するものがある。P
R効果即ち光誘起屈折率効果(photorefrac
tive effect)とは、或る不純物準位(通
常、浅い準位であるドナー準位やアクセプタ準位に対し
て室温の熱エネルギー(26meV)に比べ十分大きな
エネルギーギャップを持つ深い準位と呼ばれるもの)に
ある電子を光学的に伝導帯に励起した時の該電子の伝導
帯での拡散及びドリフトと、その後の捕獲準位(通常は
該不純物準位のイオン化準位)での捕獲により生じる空
間電界を利用して、電気光学的効果(ポッケルス効果)
を介して起こる現象である非線形屈折率変化現象であ
る。PR効果を持つ半導体を用いれば応答時間が相当速
くなって良いが、しかし残念ながら、回折効率が低くて
低コントラストの純光学的デバイスとなってしまう。こ
うした屈折率格子デバイス(光誘起屈折率結晶)の更な
る欠点は、グレーティングを書くのに2つのコヒーレン
トな光束を必要とすることである。800nmの信号光
は、通常、集積化された導波路に閉じ込められているの
で、これら導波路を含むデバイスを2ビーム屈折率格子
デバイスに接続することは困難である。
【0009】最近、2つのコヒーレントなビームを使っ
て格子を書くことを要求しない新しい光誘起屈折率効果
が見出された。これでは、グレーディドギャップ(バン
ドギャップがバリア層方向に変化している構造)量子井
戸構造の屈折率の変化が光電場によるキャリア発生によ
り誘起される。キャリアはグレーディドギャップで生じ
た内部電場により走行し最終的に量子井戸でトラップさ
れる。また、対応する正孔もこうしたプロセスで、しか
しもっと遅い速さで走行し、よって電子と正孔間に空間
電荷分離が生じ、過渡的に空間電界が生じ電気光学効果
を介して屈折率の変化が起きる。これについては、「R
alph et.al.,Physical Revi
ew Letters 63 2272−2275(1
989)」を参照されたい。しかし、この提案例では、
屈折率変化を起こすのに2つのビームは必要としなくな
ったが、キャリアが励起位置からトラップ位置である井
戸まで走行する時間などによりレスポンスタイムが制限
されるので、未だこの問題が解決されたとは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、上記の課題に鑑み、量子井戸構造でのキャリアの実
励起による空間電界生成を用いて電気光学効果を介して
量子井戸構造の光学的屈折率異方性を励起し、この光学
的屈折率異方性により量子井戸構造を伝搬する光の偏光
状態を変化させることで十分応答時間が速くそして高い
on/offコントラスト比を得られる様に構成された
光変調器ないし光スイッチを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による光変調器ないし光スイッチにおいては、半導体
量子井戸構造部を有し、静電界の印加された該量子井戸
構造部中にポンプ光を導いて実励起を起こし、これによ
る静電界スクリーニング現象を用いて該量子井戸構造部
での電気光学効果(ポッケルス効果)を介して該量子井
戸構造部を伝搬するプローブ光の偏光状態を変化せし
め、このプローブ光の変調を純光学的に行なう様に構成
されたことを特徴とする純光学的光変調器となってい
る。
【0012】より具体的には、前記ポンプ光とプローブ
光は独立に前記量子井戸構造部に入射させられたり、前
記ポンプ光とプローブ光は同一であったり、前記プロー
ブ光の偏光状態ないし位相シフト状態の変化を光強度の
変化に変換する為に、偏光子と位相板を備えたり、前記
量子井戸構造部は、n−ドープGaAs基板、n−ドー
プGaAsバッファ層、ノンドープAlGaAsないし
AlAs下部クラッド層、ノンドープ多重量子井戸構造
層(MQW)、ノンドープAlGaAsないしAlAs
上部クラッド層、p−ドープAlAs層、p−ドープA
lGaAsないしGaAsキャップ層、デバイス上下面
側に積層された電極を有する半導体デバイス中に形成さ
れていたり、1.55μmの波長のプローブ光が、前記
MQWのバンドギャップに対応する波長(〜800n
m)の情報を載せたポンプ光により強度変調されたり、
純光学的に変調されるプローブ光に対して、殆ど吸収損
失が無い様に前記量子井戸構造部が形成されていたり、
前記ポンプ光の強度のみに依存する前記量子井戸構造部
の屈折率変化を利用してプローブ光を変調したりする。
上記構成では、実励起された電子・正孔対が半導体量
子井戸構造部に印加された静電界の為に空間的に分離さ
れ、電荷分極が生じる現象を利用するので、十分に速い
応答速度が得られ、更に実励起に関わるので左程の強度
のポンプ光を用いなくても十分なon/offコントラ
スト比の変調が達成できる。
【0013】本発明は実励起を用いるものであるが、こ
れを仮想励起のものと比較してみる。この仮想励起のも
のでは、バンドギャップから少し離調したエネルギに対
応する波長のポンプ光ビームにより仮想キャリアが発生
し、これを利用する。仮想キャリアはピコ秒以下で外部
DC電界により空間的に分離される。この空間分離され
た電荷による電界は外部DC電界と反対方向を向いてお
り、よってこの外部電界をスクリーンして電圧変化を生
じさせる。この電圧変化は電気光学効果を介して屈折率
を変化させ、これが、例えば、1.55μmのビームで
検出される。レスポンスタイムはサブピコ秒が可能であ
り、屈折率変化を起こすのに1つの制御ビームが必要と
されるのみである。また、AlGaAs材料システムを
用いれば1.55μmでの吸収は非常に低い。しかし、
ポンプ光の強度としてGW/cm2オーダーのものが必
要とされ、プローブ光の位相変化も比較的小さくなる
(例えば、0.01°オーダー)。これに対し、本発明
では次の様になる。光ディスクなどの800nmの光で
コード化された情報を伝送するデバイスを考えると、ソ
ースの情報信号光が適度のレートで変調されているので
フェトム秒fsほどの応答時間は必要としない。このこ
とは、現在のローカルエリアネットワーク、コンパクト
ディスクプレーヤー、レーザディスクプレーヤなどでも
そうである。本発明では、仮想キャリアタイプと同様の
構成を用いるが、バンドギャップエネルギ以上の波長の
ポンプ光を用いて実キャリアを生じさせる。この方法に
よれば、キャリアにより十分なスクリーニング電界を得
るのに、ポンプ光の強度は仮想励起のものよりずっと小
さくて良い。サブピコ秒の応答時間は得られないが、共
鳴ポンプを用い実キャリアを達成することで、キャリア
で生じるスクリーニングは仮想キャリアのものと比べて
ずっと大きくなる。これにより、屈折率が大きく変化し
プローブ光には大きな位相シフトが生じる。この位相シ
フト手段を強度変調装置に用いると、量子井戸構造部で
の全位相シフトが増大できてon/offコントラスト
比が向上する。本発明の構成では、例えば、1.45°
の位相シフトが得られる。プローブ光を、例えば、MQ
Wコアで形成されたシングルモード導波路の層に平行に
通すと、相互作用の距離が長くなり、全位相シフトが大
きく増加する。従って、応答時間に対する要求が、それ
ほど厳しくなく適度なものであるが、外部回路のRC時
定数による制限を持つデバイスでは満足できない程高い
時は、吸収が小さい波長のビームの変調は本発明のデバ
イスで好適に行なわれる。また、適度に応答時間が遅い
ということで、ポンプ光やプローブ光が超短パルスであ
る場合でも、波長の違いによる分散によってポンプ光に
よる屈折率変化がプローブ光で検知されなくなると言う
様な問題も起こりにくくしている。
【0014】
【実施例】先ず、量子井戸中での電荷分極励起の現象に
ついて説明する(山西正道 応用物理 第58巻196
9−1707(1989)参照)。図1はDC(静)電
界Eext が印加されたMQW構造の傾斜したエネルギー
バンドを示す(ここでは1つの井戸18とこれに接する
バリア14のみを示す)。今、800nmの波長域の情
報担持(信号)光(ポンプ光)19が、この特定の使用
波長のところに吸収ピークを持つ様に設定されたMQW
構造に入射する場合を考える。こうした吸収ピークは、
井戸18の厚さを適当に選ぶことで達成される。ポンプ
光19はキャリア13、15(正孔13、電子15)を
発生し、これらのキャリアは図1に示す如く外部電界で
互いに反対方向に駆動されて井戸18の厚さだけ空間的
に分離して井戸18内に閉じ込められ(バリア14はこ
れを可能にする程十分高い)、外部電界Eextをスクリ
ーニングする方向に反電界ないしスクリーン電界Es
生み出す。通常、MQW域に隣接する層はドープされて
いて、電圧降下の殆どがアンドープMQW域で生じる様
に設計されている。理想的には、この為にMQW層に隣
接する層は多くドープされねばならない。しかし、層に
平行にポンプ光とプローブ光ビームのうちの1つ又は両
方が伝搬する時には、MQW層の導波特性については、
導波MQW層に接するクラッド層が大きくドープされて
いるとここでの光損失が大きくなることを考慮する必要
がある。従って、こうした場合は導波MQW層に接する
クラッド層もまたアンドープとなっているのが良い。た
だ、これらのクラッド層は非常に薄いので、電圧降下の
殆どはいずれにせよMQW層で起こる。
【0015】ところで、量子井戸構造を構成する半導体
は、通常、静電界 extに対する構成原子配置での電気
光学効果(ポッケルス効果)を有しているので、もとも
と印加されているDC電界による電気光学効果に加えて
上記の反電界Esによって電気光学効果の変化が生じる
ことになる。このことは、既にDC電界の印加により誘
起されている上記量子井戸構造の光学的異方性が反電界
sの発生により更に変化することを意味する。
【0016】各井戸18でのこの反電界Esによる電圧
降下変化Vで生じる光学的異方性による屈折率の相対変
化量Δnは次式で与えられる。 Δn=1/2・qn3 0 effV・・・・・・(1)
ここで、n0は電圧降下前の屈折率、qは結晶方位
とDC電界Eextとの相対関係に依存する定数、reff
実効的な電気光学係数(m/V)である。
【0017】ポンプ光19がオン状態にあるかぎり、キ
ャリア13、15は井戸18内にある。ポンプ光がオフ
になると、キャリア13、15はその状況での寿命で決
められるレートで再結合する。寿命は実際の電界強度に
依存する。上記の相対的な屈折率変化量はプローブ光で
検出されるが、ここで注意すべきことは、AlGaAs
などのMQW構造物質が、バンドギャップに対応する波
長よりずっと大きい波長に対しては十分透明であること
である。上記屈折率変化はプローブ光で検出され、その
時の相対位相変化量Δψは次式で与えられる。 Δψ=2π/λ・qn3 0effV・・・・・・(2) ここで、λはプローブ光の真空中での波長である。
【0018】ここで、図2に沿って位相変調部であるM
QW構造を含むデバイスの具体例を説明する。<001
>方位のn+−GaAs基板24(負の導電極性のドー
パントはSiであり、n+濃度は2×1018cm-3)上
には、n+−GaAsバッファ層25が0.2μmの厚
さで、n−AlAs電極層26が5μmの厚さで、φ−
AlAs下部クラッド層27が0.4μmの厚さで、φ
−多重量子井戸構造(MQW)領域28(120Å厚の
井戸21と80Å厚のバリア22とが200周期積層さ
れて成る)が4μmの厚さで、φ−AlAs上部クラッ
ド層29が0.4μmの厚さで、p−電極層30が0.
5μmの厚さで、積層されている。更にその上には、p
+−GaAsキャップ層31、及び0.25μm厚のC
r32と0.25μm厚のAu33からなる0.5μm
厚の電極が設けられている。基板24の裏面には、もう
一方の電極23が積層されている。n、p、及びp+
ドーピング濃度は、夫々、2×1017、2×1017、2
×1018cm-3であり、pドーパントはBeである。
【0019】上記デバイスを含む強度変調器の全体構造
が図3に示されている。ポンプ光35とプローブ光36
が、外部DC電界37でバイアスされた図2に示す如き
位相変調デバイス34に入射される。位相変調光は位相
板39及び偏光子38を通り、強度変調出力40に変換
される。こうして、DC電界37の印加された量子井戸
構造を持つ材料34に、前記の実励起電荷分極が誘起さ
れる適当な波長と光強度を有するポンプ光35を入射さ
せ、これによりこの量子井戸構造に電圧変化を誘起させ
る。この電圧変化による上記の相対位相変化Δψ(上記
(2)式参照)は次の如く検出される。
【0020】即ち、該量子井戸構造材料34に対して十
分に透明な波長で且つ該量子井戸構造材料34の結晶軸
方向に対して適当な偏光状態(例えば、図3のz軸を<
001>方位とするとx軸の<110>方位とy軸<1
00>方位に同じ大きさの成分を有する偏光)のプロー
ブ光36で該量子井戸構造での位相変化Δψを検出す
る。この場合、該プローブ光36は、この量子井戸構造
材料34で光吸収を受けないが電気光学効果に対して十
分感度のある波長を用いる様にするのが好ましい。こう
して、プローブ透過光40は、位相板39と偏光板38
により、その位相変化が光強度の変化として検出される
が、この光強度は、次式で書くことができる。 I=1/2・I0{1+sin2θ・cosψ}・・・・(3) ここで、I0は位相シフトが無い時のプローブ透過光の
全強度、θはx軸方向に対する偏光板38の透過軸方位
の角度、ψは、位相板39のx軸方位とy軸方位との相
対位相差をφとして入射プローブ光36のx軸方位とy
軸方位との相対位相差をρ、そして量子井戸構造材料3
4での入射プローブ光がないときの光学的異方性のx軸
方位とy軸方位との相対位相差をεとすると、 ψ=Δψ+ρ+φ+ε・・・・(4) と表わせる。従って、偏光板38の透過軸方位の角度θ
=π/4として位相板39の位相差φを、 φ=−ρ−ε±π/2・・・・(5) となる様に設定すると、 I=1/2・I0{1±sinΔψ}・・・・(6) となる。ここで注意することは、相対位相変化量Δψの
変化を最も感度良くする為にバイアス点をψ=±π/2
に設定したことである。上述の例では、プローブ光の両
直交偏光成分の位相差を任意としていたが、(5)式を
満足する様に予め位相差ρを与えておいても良い。こう
した場合には、位相板39は図3の位置に置く必要は無
くなる。即ち、位相板39を量子井戸構造材料34より
も前に置いて(5)式を満たす様にしても良い。
【0021】ここで、この構造で可能な最大相対位相シ
フトを計算する。最大位相変調深さは、外部DC電界が
キャリア誘起された反電界により完全にスクリーンされ
る時に起こる。よって、井戸構造内の全電界の最大変化
は、最大バイアスDC電界強度で決められ、これは降伏
電界EBD=300kV・cm-1で与えられる。今の構造
の場合、120Åの厚さのGaAs井戸21と80Åの
厚さのAlAsバリア22が200周期形成され、全電
圧降下がMQW領域28で起きると仮定すると、井戸構
造内のキャリアを用いて外部電界を完全にスクリーンで
きる時に、電界強度の最大変化が起こる。そのために
は、印加可能な最大外部電界と同じ大きさの強度の反電
界を誘起する必要がある(即ち、300kV・cm-1
反電界)。これは、ポアッソン方程式によりこの反電界
と対応付けられる一定のキャリア密度を井戸構造内に生
じさせる必要があることを意味する。
【0022】このキャリア密度を達成するのに要される
ポンプ光強度I0を計算する。井戸端で誘起される電荷
ΔQは次の式で与えられる。 ΔQ=(eI0τr/(hc/λ)){1−exp(−αLz)} ここで、αは吸収係数、Lzは井戸の厚さである。上記
キャリア密度に対応するスクリーン電界Esは、ポアッ
ソン方程式を解いて次の如く求められる。 ΔQ=ε0εDCS ここでε0、εDC、ESは、夫々、真空誘電率、GaAs
のDC誘電率(=13.1)、所望のスクリーン電界強
度である。I0についてこれら2つの方程式を解くこと
で、300kV/cmのスクリーン電界ESを生じるの
に必要なポンプ光強度I0が求まる。これは、キャリア
の寿命τrが50nsとすると、適当な集光で通常の半
導体レーザから簡単に得られる値である275W・cm
-2となる。50nsのキャリアの寿命は、電界全部のス
クリーニングが起きる時は実際にはもっと短い(10n
s)。10nsの再結合時間は、おおよそ100Mb/
sのビットレートに対応し、これは上記の本発明の適用
例のいずれのものより速い。
【0023】上記の最大スクリーニング電界Esmaxは井
戸構造層での全電圧降下72Vを生じる(72V=E
smax×200×120Å)。上記方程式から、対応する
位相シフトは、q=1とすると1.44度になる。これ
は0.11dBの強度コントラストに対応する。この値
はまだ低いが、仮想励起のものよりは大きい。この原理
により働く理想的な変調器は180度の位相シフトを実
現できる。今の場合、プローブ光は層に垂直に伝搬する
ので、位相シフトを起こす相互作用距離は僅か200×
120Å=2.4μmである。よって、対応する位相シ
フトは6000°・cm-1である。ポンプビームは層に
平行でも垂直でも、プローブ光は導波路内を平行に伝搬
させることができるので、この伝搬方式を用いると、単
位長さ当りの上記位相シフト量を用いて、300μmの
長さのデバイスで180°の相対位相シフトを生じさせ
得ることが分かる。これは理論的に可能な最大コントラ
ストである。
【0024】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、D
C(静)電界印加した量子井戸を有する半導体量子井戸
構造において、例えば超短パルスの光により量子井戸中
に電荷(電子・正孔対)を実励起して量子井戸中でのD
C電界を該超短パルスにより変調することで、該変調さ
れた電界により該量子井戸を構成する半導体が有する電
気光学効果を介して該量子井戸構造の光学的異方性の大
きさを変調し、該量子井戸構造中を伝搬する光の偏光状
態を変調する様にしているので、比較的速い応答時間の
光の位相及び強度変調が高いコントラスト比で可能とな
る純光学的光変調器ないしスイッチが実現できる。
【0025】また、800nmの波長のシステムでコー
ド化された情報を1.55μmの波長に変換するものが
適用例として考えられる。具体的には、光ディスクメモ
リから取り出されたデータを電話回線ネットワークファ
イバ(1.55μm)で伝送したり、アナログビデオ、
デジタルサウンド、その他適度の変調速度しか要求しな
いソースを、標準的な1.55μmの電話ネットワーク
を使用している加入者に直接(ファイバから家庭へ)供
給したりする時に用いられる。一般に、遠隔又は通信シ
ステムの条件が1.55μmの波長を除き全てのシステ
ムを使えないものとする時、そして伝送されるべき情報
が800nmでコード化されている場合などに、上記デ
バイスは力を発揮するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における実電荷励起を説明する
為に傾斜したエネルギーバンド構造を示す図である。
【図2】多重量子井戸構造部を含むデバイスの断面を示
す図である。
【図3】本発明による位相変調を光強度変調に変換する
為の構成を示す図である。
【符号の説明】
13 正孔 14,22 バリア 15 電子 18,21 井戸 19,35 ポンプ光 24 基板 25 バッファ層 26,30 電極層 27 下部クラッド層 28 多重量子井戸構造層 29 上部クラッド層 31 キャップ層 23,32,33 電極 34 位相変調デバイス 36 入射プローブ光 37 外部DC電界 38 偏光板 39 位相板 40 プローブ透過光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/015 - 1/025 G02F 1/35 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体量子井戸構造部を有し、静電界の
    印加された該量子井戸構造部中にポンプ光を導いて実励
    起を起こし、これによる静電界スクリーニング現象を用
    いて該量子井戸構造部での電気光学効果(ポッケルス効
    果)を介して該量子井戸構造部を伝搬するプローブ光の
    偏光状態を変化せしめ、このプローブ光の変調を純光学
    的に行なう様に構成されたことを特徴とする純光学的光
    変調器。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ光とプローブ光は独立に前記
    量子井戸構造部に入射させられる請求項1記載の光変調
    器。
  3. 【請求項3】 前記ポンプ光とプローブ光は同一である
    請求項1記載の光変調器。
  4. 【請求項4】 前記プローブ光の偏光状態の変化を光強
    度の変化に変換する為に、偏光子と位相板を備える請求
    項1記載の光変調器。
  5. 【請求項5】 前記量子井戸構造部は、n−ドープGa
    As基板、n−ドープGaAsバッファ層、ノンドープ
    AlGaAs下部クラッド層、ノンドープ多重量子井戸
    構造層(MQW)、ノンドープAlGaAs上部クラッ
    ド層、p−ドープAlAs層、p−ドープAlGaAs
    キャップ層、デバイス上下面側に積層された電極を有す
    る半導体デバイス中に形成されている請求項1記載の光
    変調器。
  6. 【請求項6】 1.55μmの波長のプローブ光が、前
    記MQWのバンドギャップに対応する波長(〜800n
    m)の情報を載せたポンプ光により強度変調される請求
    項5記載の光変調器。
  7. 【請求項7】 純光学的に変調されるプローブ光に対し
    て、殆ど吸収損失が無い様に前記量子井戸構造部が形成
    されている請求項1記載の光変調器。
  8. 【請求項8】 前記ポンプ光の強度のみに依存する前記
    量子井戸構造部の屈折率変化を利用してプローブ光を変
    調する請求項1記載の光変調器。
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