JP2932969B2 - 表面欠陥のない打ち抜き加工性と成形性に優れた冷延鋼板 - Google Patents

表面欠陥のない打ち抜き加工性と成形性に優れた冷延鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面欠陥がなく、しか
も深絞りや張り出し形成等の複雑なプレス成形部位を有
する家電製品のシャーシやケース等を製造する際におい
て、打ち抜き加工を施したときの鋼板端面に形成される
バリ高さを可及的に少なく抑えることのできる冷延鋼板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷延鋼板は優れた加工性を有していると
ころから、自動車部品や家庭用電気製品等を始めとして
広く実用化されている。中でも家電製品のシャーシやケ
ース等に用いる場合は、打ち抜き加工等を施して摺動部
分に適用されることが多い為、打ち抜いた後の端面の返
りが一定高さ以上にならないこと及び寸法精度を悪化さ
せないことが望まれる。また部品状態で積層されること
が多いため、摩耗粉による電気回路への悪影響等、最終
製品の性能に悪影響を及ぼさないことが必要となる。こ
の様な打ち抜き加工が施される用途に用いられる鋼板と
しては、従来よりSPCDやSPCEグレードの箱焼鈍
タイプの低炭素Alキルド冷延鋼板が使用されてきた。
【0003】箱焼鈍タイプの低炭素Alキルド冷延鋼板
は、10時間以上に渡る焼鈍過程でCが脆弱なセメンタ
イトとして結晶粒界や粒内に粗大に析出し、このセメン
タイトが打ち抜き加工時における亀裂発生の起点となる
ところから、バリの発生量が少なくて型摩耗も少なく且
つ剪断荷重も小さくなることが知られている。またMn
S析出物も同様の作用を有することが確認されている。
しかしながら、打ち抜き作業の効率向上のためには更な
る打ち抜き加工性の向上が望まれる。
【0004】打ち抜き加工性改善のための手段として
は、これまで加工技術面ではクリアランスの適性化やポ
ンチ・ダイス形状の工夫が行なわれており、また被加工
材である鋼材については、例えば鋼板そのものや鋼板表
面を硬質化する方法が提案されている。鋼板そのものを
硬化させる方法としては、P等の固溶強化元素を添加す
る方法が提案されており、また鋼板表面を硬化させる方
法としては、焼鈍後の鋼板に圧延等により表層部に塑性
歪みを導入する方法(特開平1−255625号公
報)、あるいは窒化処理や浸炭処理によって鋼板表面を
硬質化する方法(特開平1−255626号公報、特開
平2−133561号公報、特開平3−199343号
公報、特開平3−202442号公報)が試みられてい
る。
【0005】ところが前者の方法では、打ち抜き加工性
はある程度改善されるものの、それに伴って鋼板本来の
要求特性である伸びやr値等の機械的特性が著しく劣化
するという問題があり、また後者の方法では、窒化処理
や浸炭処理のために特別の設備と工程を必要とし、設備
的にもまた生産性の点でも得策とはいい難い。
【0006】また、Mn,Sを添加することによってM
nS析出物を多量に生成させる方法(特開平1−230
748号、同6−73457号公報)も提案されている
が、、この方法では、高S化に伴って加工時に熱間加工
割れを起こしたり、内部にブローホールやブリスターと
呼ばれる点状欠陥やスリバーと呼ばれる点状の表面欠陥
が頻繁に発生するという問題が生じてくる。
【0007】また家電製品のコストダウンを目的とし
て、シャーシ部品等では打ち抜き工程や組み立て工程の
省略化が進められており、従来は複数の部品で組立・構
成していたものを、プレス一体成形品化する動向も見ら
れる。例えばシャーシ板面に取り付けるプーリー用軸
は、これまでは別工程の機械切削により作製していたも
のを打ち抜き穴に嵌め込んでからかしめていたが、最近
では、張り出しや深絞りの一体成形法が主流となってき
ている。そのため、シャーシ等の用途に用いられる鋼板
においても、優れた成形性が要望される。冶金学的に考
えると、打ち抜き加工性は亀裂発生の起点となるセメン
タイトやMnSの存在や鋼板自体の硬さに影響を受ける
が、これらは何れも成形性にとっては有害であり、打ち
抜き性と成形性を両立させることは困難なこととされて
いた。
【0008】更に、焼鈍工程の能率向上、表面性状や内
部品質の向上を目的として、従来の箱焼鈍から短時間焼
鈍の可能な連続焼鈍への移行が急速に進みつつある現
在、連続焼鈍工程においても打ち抜き加工性と優れた成
形性を兼ね備えた鋼板の開発が急務となっている。
【0009】他方、Ti,Nb等の炭窒化物形成元素を
添加し、CやNを固定した所謂IF系冷延鋼板は、伸び
やr値が高く且つ降伏応力が低いなど、加工性に優れた
ものであり、自動車車体等の難加工部品に広く用いられ
ており、このIF系冷延鋼板は、特に連続焼鈍法を採用
することによってその特性を十二分に発揮する。ところ
が、加工性は良好であるものの低炭素Alキルド冷延鋼
板に比べて打ち抜き加工性が悪く、打ち抜き加工後の端
面のバリ高さが大きくなるという問題があり、シャーシ
やケース等の用途には不向きである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、鋼材
の化学成分をうまく調整することにより、従来のIF系
冷延鋼板で得られる様な優れた成形性と機械的特性を確
保しつつ、また内部欠陥や表面欠陥等の問題を生じるこ
となく、打ち抜き加工性が良好でバリの問題を生じるこ
とのない様な冷延鋼板を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するこ
とのできた本発明に係る冷延鋼板の構成は、mass%
で C≦0.008% Si≦1.0% 0.025%≦Mn≦1.0% P≦0.1% 0.010%≦S<0.025% Al≦0.1% N≦0.01% Ti≦0.2% の要件を満たし、且つ 4≦Ti*/C 但し、Ti*=Ti−[(48/14)N+(48/3
2)S] を満足すると共に、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなり、機械的特性等の劣化や表面欠陥等を生じること
なく、特に打ち抜き加工性を高めたところに要旨を有す
るものである。
【0012】
【作用】本発明に係る冷延鋼板は、上記の様に各含有元
素の種類と量を規定すると共に、C,N,Sの含有量と
の関係を加味してTiの含有量を定めている。これは、
本発明が、優れたプレス成形性を有する極低炭素IF鋼
をベース組成とし、その特徴を保ちつつ欠点として指摘
されていた打ち抜き加工性を改善するためであり、個々
の元素の作用やそれらの含有率を定めた理由は追って詳
述するが、中でも重要な技術的特徴点は下記の通りであ
る。
【0013】即ち、IF系冷延鋼板が本来有している優
れた成形性を保ちつつ、打ち抜き性を改善するには、打
ち抜き加工時における亀裂発生の起点となる析出物、具
体的にはTi422 の存在が不可欠であり、そのサ
イズや分散状態を適正に制御すれは、優れた成形性と打
ち抜き加工性、更には表面性状を同時に満足する冷延鋼
板が得られる、という本発明者らによって確認された新
たな知見にベースを置く。極低炭素IF系鋼板中に存在
する析出物や介在物には、Ti添加系ではTiC,Ti
422 ,TiS,TiN,FeTiP,TiO2
が、またNb添加系ではNb(C,N)等があるが、こ
れらの析出物や介在物のうち、特に成形性と打ち抜き加
工性、表面性状に顕著な好影響を及ぼすのはTi42
2 であることが確認された。そして該Ti422
以外の析出物や介在物は、次の様な傾向を有しているこ
とを併せて確認した。
【0014】TiC,Nb(C,N):析出物としての
サイズが非常に小さいため、成形性を大幅に劣化させる
傾向があり、しかも打ち抜き性改善効果も少ない。 FeTiP:サイズはTi422 と同程度であり、
打ち抜き性改善効果は有しているが、成形性を大幅に劣
化させる。
【0015】TiS,TiN:Ti422 よりもや
や大きい程度で、サイズ的には打ち抜き性向上効果を期
待できる様に思われるが、軟質であるため実質的な改善
効果は少ない。また、S含有量を高めた場合Ti42
2 量は増大するが、ある一定量(CがTi422
の生成に消費されている間)まではTiSの生成が起こ
らず、Cが消費された後にTiSの生成が起こるが、T
iSは表面欠陥の原因になるため好ましくない。また実
用鋼ではN量の制御が困難であり、TiN量を適正に制
御することは非常に難しい。
【0016】TiO2 :サイズがTi422 よりも
1桁大きく、打ち抜き性向上効果が小さいばかりでなく
表面欠陥の原因にもなるので好ましくない。 MnS:Ti422 と同程度の打ち抜き性改善効果
が期待できる。
【0017】以上の様な理由から本発明では、極低炭素
Ti添加系IF鋼板におけるTi422 の生成量や
分散状態を制御することにより、成形性と打ち抜き性、
更には表面性状の全てを満足する冷延鋼板を得ることに
成功したものである。尚、極低炭素IF鋼板において成
形性と打ち抜き性を改善する技術としては、特開平6−
73457号に記載されている様にTiとNbを複合添
加する方法があるが、本発明者らが検討したところで
は、Nbを0.003〜0.03%の範囲で添加する
と、Nb(C,N)が生成して鋼中のCを消費してしま
うため、打ち抜き性向上に有効なTi422 が生成
し得なくなる。しかもこの方法では、打ち抜き性の向上
に0.02%以上のSを必須としており、これはTiS
の生成によっって表面欠陥の発生率を高めるという問題
を有しており、実用性を欠く。以下、本発明において鋼
材の成分組成を定めた理由を詳細に説明にする。
【0018】Cは、強化元素として鋼材の強度向上に寄
与するが、多過ぎると伸びやr値等が低下して加工性が
悪化するのでの、良好な加工性を確保するため上限を
0.008%と定めた。
【0019】Siは、延性を低下させることなく強度を
高める有効な元素であるが、多過ぎると焼鈍時に生成す
る酸化皮膜が増大し、その後に行なわれることの多い化
成処理に悪影響を及ぼしたり、また電気めっきを行なう
ときはめっき厚が不均一となってめっきムラを生じると
いった問題が生じてくるので、Si量は1.0%以下に
抑えるべきである。殊に、該冷延鋼板を溶融亜鉛めっき
する場合は、酸化皮膜の形成によって不めっき部が生じ
易くなるので、好ましくはSi量を0.3%以下に抑え
ることが望ましい。
【0020】Pは、鋼中に固溶して鋼を強化する作用を
有しているので、要求強度に応じて適量含有させること
が有効であるが、多過ぎると偏析を起こして加工性に悪
影響を及ぼす様になるので、0.1%を上限とする。
【0021】Nは、含有量が多くなると伸びやr値等の
機械的性質に悪影響を及ぼすので、0.01%以下に抑
えなければならない。Alは脱酸剤として有効に作用す
るが、多過ぎると非金属系介在物の生成源となって機械
的性質や加工性に悪影響を及ぼす様になるので、0.1
%以下に抑えなければならない。
【0022】Sは、後述するTiと共に本発明鋼板にお
ける極めて重要な元素である。即ち優れた打ち抜き性を
得るには、前述の様な理由から鋼中に適当量のTi42
2を生成分散させることは必要であり、そのためには
Sを少なくとも0.01%以上含有させなければならな
い。しかし0.025%を超えて過度に含有させると表
面欠陥の発生率が増大してくるので、これ以下に抑えな
ければならない。
【0023】ちなみに図1は、C:0.0052%,S
i:0.01%,Mn:0.4%,P:0.014%,
Al:0.03%,Ti:0.08%,N:0.006
%を含有する基本組成の冷延鋼板について、S含有量を
0.002%から0.037%に変化させた場合の打ち
抜き加工性とr値を示したものである。尚この図には、
優れた打ち抜き性と機械的性質を有するものとされてい
る箱焼鈍型Alキルド冷延鋼板(C:0.044%,A
l:0.045%)の結果を、比較例として併記した。
また図2には、S含有量と表面欠陥発生率との関係を示
している。
【0024】尚、物性試験法は次の通りとした。即ち、
実験室的に真空溶解・鋳造した40kgの鋼塊を120
0℃に加熱した後、30mmt に粗圧延する。次いで、
このスラブを1200℃に加熱した後、板厚:4mm
t 、仕上げ温度:920℃以上、巻取り温度:680℃
の条件で熱間圧延し、3.2mmt に研削した後、0.
8mmt に冷間圧延し、均熱温度800℃で1分間の連
続焼鈍を施してから1%の調質圧延を行なって供試用冷
延鋼板とした。そしてr値は、10mm×110mmの
試験片を用い、0%と15%の引張歪を付与した時の幅
と板厚を測定して求めた。また打ち抜き加工性は、0.
8mmt の冷延鋼板をクリアランス9%で10mmφに
打ち抜いた端面のバリ高さを測定して評価した。また表
面疵は、得られた各冷延鋼板の表面を目視観察し、一定
長さにおける表面疵発生率によって評価した。
【0025】図1,2からも明らかである様に、S含有
量が0.008%未満では打ち抜き加工時のバリの高さ
が非常に大きくなって本発明の目的を果たすことができ
ず、一方S含有量が0.02%以上になると、表面疵の
発生が顕著となってやはり本発明の目的に添わなくな
る。ところがS含有量が0.007以上0.02%未満
の範囲のものでは、表面疵やバリ高さが可及的に抑えら
れると共に高レベルのr値を確保し得ることが分かる。
【0026】鋼板の打ち抜き加工部をミクロ的に観察す
ると、ポンチと鋼板の接触以降ポンチの下降に伴ってま
ず鋼板の表裏面に剪断破面が形成され、それに伴い残部
は局部的に強剪断変形を受けることによりボイドが発生
してクラックとなり、表裏面からクラックが合体して加
工が終了する。従って、打ち抜き加工後のバリを小さく
するには、前述のボイドの形成とクラックの進展を促進
することが有効と思われるが、上記Ti422 は比
較的大きな析出物であるため、鋼板が強剪断変形を受け
たときに該析出物の近傍におけるボイドおよびクラック
の形成とその進展が促進され、結果的にバリが小さくな
るものと思われる。
【0027】他方Tiは、CやSと結合してTi42
2 やTiを生成する他、Nとも結合するため、前記範
囲のNを完全に固定し得る量が必要であり、且つ成形性
や耐時効性を付与するには、Cを固定するに足る量のT
iも必要となる。こうした観点から本発明では、Tiの
添加量として前述の如く 4≦Ti*/C 但し、Ti*=Ti−[(48/14)N+(48/3
2)S] と定めた。
【0028】但し、上記の様なTi添加効果は約0.2
%で飽和し、それ以上に添加することは経済的に無駄で
あるばかりでなく、再結晶温度が上昇するというマイナ
ス効果も現れてくるので、0.2%を上限として定め
た。
【0029】またMnも、上記の様にMnSよりなる粗
大な析出物を生成して打ち抜き加工性の向上に寄与する
元素であり、その効果を有効に発揮させるには0.25
%以上含有させなければならない。しかし多過ぎると、
鋼板が硬質化し過ぎて加工性に悪影響が現れてくるの
で、1.0%を上限とする。
【0030】本発明に係る冷延鋼板は、前記成分組成の
要件を満足する鋼材を溶製し、常法に従って鋳造した
後、熱間圧延、酸洗、冷間圧延性、焼鈍調質圧延等を順
次行なって任意の厚さの板状に成形すればよく、得られ
る冷延鋼板は、表面疵等の表面欠陥がなく且つ優れた機
械的特性と加工性並びに打ち抜き加工性を備えたものと
なる。この時、加工性を一段と高めるには、熱間圧延時
のスラブ加熱温度を1200℃程度以下の低温に抑える
のがよく、焼鈍については、材質の均質性や形状の観点
から連続焼鈍が望ましい。
【0031】かくして得られる本発明の冷延鋼板は、そ
のままで商品化することも勿論可能であるが、防錆など
を目的として電気めっきや溶融亜鉛めっき、あるいはり
ん酸塩処理やクロメート処理等の化成処理を施したり、
更には有機樹脂塗装処理等の表面処理を施すこと勿論有
効である。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実
施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣
旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施すること
も可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含
まれる。
【0033】実施例 実験室的に真空溶解した表1に示す成分組成の40kg
鋼塊を1200℃に加熱した後、30mmt に粗圧延
し、次いでこのスラブを1200℃に加熱後、板厚4m
t 、仕上げ温度920℃以上、巻取り温度680℃の
条件で熱間圧延した。その後3.2mmt に研削してか
ら0.8mmt に冷間延圧し、800℃で1分間均熱の
ための連続焼鈍を施した後、1%の調質圧延を行なっ
た。
【0034】得られた各調質圧延材について、表面性状
および表面欠陥の有無を調べると共に、JIS・5号引
張試験片により引張特性を調べ、更に100℃で60分
間処理した後の降伏点上昇量によって耐時効性(A.
I)を評価した。またr値は、10mm×110mmの
試験片を用い、0%と15%の引張歪を付与した時の幅
と板厚を測定して求めた。更に打ち抜き加工性は、0.
8mmt の各冷延鋼板をクリアランス9%で10mmφ
に打ち抜いた端面のバリ高さを測定して評価した。また
めっき性の評価として、片面付着量10g/m2 の亜鉛
電気めっきを行い、表面性状を調べた。結果を表2に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1,2より次の様に考察することができ
る。鋼種A,B,Iは軟鋼系、鋼種Eは高強度鋼系で何
れも本発明の規定要件を全て満足する実施例であり、強
度(TS)、伸び(El)、r値、A.I(耐時効
性)、バリ高さ、表面欠陥、表面性状の全てにおいて平
均して良好な結果が得られている。
【0038】これらに対しCは、鋼種Aに比較してC量
が多く本発明の規定範囲を超える比較例であって伸びと
r値が低く、鋼種Dは、S量が多過ぎるため表面にブリ
スターやスリバー等の表面欠陥見られる。また鋼種F
は、鋼種Eに対してSi量が多く規定範囲を超えている
ため、電気めっきを行なったときに酸化皮膜の生成によ
ってめっきムラを生じる。
【0039】鋼種FはSi量が規定範囲を超えるため表
面性状が悪く、またその後に行なわれる化成処理性を阻
害したり電気めっきの均一性を阻害する恐れがある。鋼
種Gは、鋼種Aに対してS量が不足する比較例であり、
打ち抜き加工によって発生するバリが高く、本発明の目
的に合致せず、また鋼種HはTi*/Cの比率が本発明
の要件を満たしていないため、満足な伸び、r値および
耐時効性が得られていない。鋼種Jは、鋼種Iに対して
N量が規定範囲を超えているため、伸びやr値が悪くな
っており、また鋼種Kは、鋼種Aに対してMn量が少な
く、本発明の規定量に満たないため打ち抜き加工性が悪
く、バリ高さ低減の目的が果たせていない。
【0040】鋼種Lは、鋼種Eに対してMn量が多過ぎ
る比較例であり、伸びとr値が悪く、また鋼種Mは、鋼
種Eに対してP量が多過ぎる比較例であり、やはり伸び
とr値が低い。鋼種Nは、鋼種Aに対してAl量が多過
ぎる比較例であり、伸びやr値が低く且つ表面欠陥が見
られ、鋼種Oは、鋼種Bに対してTi量が多過ぎるため
r値が悪くなっている。
【0041】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、鋼
材の成分組成、殊にS,Mn,Tiなどの含有量を規制
すると共に、S,NおよびC量とTi量の関係を適正に
コントロールすることによって、表面欠陥がなく且つ強
度特性や打ち抜き加工性の全てに優れた冷延鋼板を提供
し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼材中ののS含有量が打ち抜き加工時に形成さ
れるバリ高さとr値に与える影響を示すグラフである。
【図2】鋼材中のS含有量と冷延鋼板の表面疵発生率の
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 政一 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (56)参考文献 特開 平6−306532(JP,A) 特開 平6−73457(JP,A) 特開 平3−199343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で C≦0.008% Si≦1.0% 0.25%≦Mn≦1.0% P≦0.1% 0.01≦S<0.025% Al≦0.1% N≦0.01% Ti≦0.2% の要件を満たし、且つ 4≦Ti*/C 但し、Ti*=Ti−[(48/14)N+(48/3
    2)S] を満足すると共に、残部がFeおよび不可避的不純物か
    らなることを特徴とする表面欠陥のない打ち抜き加工性
    と成形性に優れた冷延鋼板。
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