JP2931961B2 - ソルボサーマルイオン交換法による層状岩塩型リチウムフェライトの製造方法 - Google Patents
ソルボサーマルイオン交換法による層状岩塩型リチウムフェライトの製造方法Info
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
正極材料などとして有用なリチウムフェライト系粉末
(層状岩塩型LiFeO2)の製造方法に関する。
正極材料などとして有用なリチウムフェライト系粉末
(層状岩塩型LiFeO2)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ポータブルタイプの電子・電気機
器の可充電電源として使用されているリチウム二次電池
用の正極材料として、層状岩塩型(α-NaFeO2)構造を
有するリチウムコバルトおよびニッケル酸化物(LiCo
O2、LiNiO2およびその固溶体)が研究開発され、実用化
されている。しかしながら、これらの正極材料は、高作
動電圧かつ高容量である反面、希少金属であるCo或いは
Niを含んでいて高価であるため、これらを用いるリチウ
ム二次電池(電池中で正極材料のコストは、約1/3を占
める)の市場拡大の障害となっている。
器の可充電電源として使用されているリチウム二次電池
用の正極材料として、層状岩塩型(α-NaFeO2)構造を
有するリチウムコバルトおよびニッケル酸化物(LiCo
O2、LiNiO2およびその固溶体)が研究開発され、実用化
されている。しかしながら、これらの正極材料は、高作
動電圧かつ高容量である反面、希少金属であるCo或いは
Niを含んでいて高価であるため、これらを用いるリチウ
ム二次電池(電池中で正極材料のコストは、約1/3を占
める)の市場拡大の障害となっている。
【0003】また、次世代の低コスト4V級の正極材料と
して、LiMn2O4などのリチウムマンガンスピネルおよび
リチウムフェライト(LiFeO2)が注目され、その研究開
発が行われつつある。特に、リチウムフェライトは、資
源的に極めて豊富なFeを用いるので、次世代の低コスト
正極材料として最も期待されている。しかしながら、こ
の化合物を従来から行われている種々のリチウム化合物
と3価の鉄化合物を300〜900℃で固相反応させる方法
{例えば、J.C.Anderson and M.Schieber,J.Phys.Chem.
Solids,25(1964)961-968}で製造する場合には、陽イオ
ンがランダム分布したα-LiFeO2或いはLiCoO2とは異な
る規則構造を有するγ-LiFeO2しか得られない。そし
て、これらの相は、充放電時のLiの拡散経路が確保され
ていないため、正極特性を示さない。従って、LiNiO2或
いはLiCoO2と同一の結晶構造を有する層状岩塩型LiFeO2
の製造方法の確立が急務とされている。現在のところ、
この化合物の合成は、通常の固相反応法で合成したα-N
aFeO2をLiイオンを含む溶融塩中でイオン交換に供する
ことにより行われているが{例えば、T.Shirane,R.Kann
o,Y.Kawamoto,Y.Takeda,M.Takano,T.Kamiya and F.Izum
i,Solid State Ionics,79(1995)227-233}、工業的プロ
セスとしては、大量生産が困難であるなどの問題があ
り、新たな実用的プロセスの開発が望まれている。
して、LiMn2O4などのリチウムマンガンスピネルおよび
リチウムフェライト(LiFeO2)が注目され、その研究開
発が行われつつある。特に、リチウムフェライトは、資
源的に極めて豊富なFeを用いるので、次世代の低コスト
正極材料として最も期待されている。しかしながら、こ
の化合物を従来から行われている種々のリチウム化合物
と3価の鉄化合物を300〜900℃で固相反応させる方法
{例えば、J.C.Anderson and M.Schieber,J.Phys.Chem.
Solids,25(1964)961-968}で製造する場合には、陽イオ
ンがランダム分布したα-LiFeO2或いはLiCoO2とは異な
る規則構造を有するγ-LiFeO2しか得られない。そし
て、これらの相は、充放電時のLiの拡散経路が確保され
ていないため、正極特性を示さない。従って、LiNiO2或
いはLiCoO2と同一の結晶構造を有する層状岩塩型LiFeO2
の製造方法の確立が急務とされている。現在のところ、
この化合物の合成は、通常の固相反応法で合成したα-N
aFeO2をLiイオンを含む溶融塩中でイオン交換に供する
ことにより行われているが{例えば、T.Shirane,R.Kann
o,Y.Kawamoto,Y.Takeda,M.Takano,T.Kamiya and F.Izum
i,Solid State Ionics,79(1995)227-233}、工業的プロ
セスとしては、大量生産が困難であるなどの問題があ
り、新たな実用的プロセスの開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、低
コストのリチウム二次電池用正極材料としての層状岩塩
型LiFeO2を大量生産しうる新たな製造方法を提供するこ
とを主な目的とする。
コストのリチウム二次電池用正極材料としての層状岩塩
型LiFeO2を大量生産しうる新たな製造方法を提供するこ
とを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、次世
代の二次リチウム電池正極材料用として有望視されてい
るリチウム含有遷移金属酸化物の1種である層状岩塩型
LiFeO2をソルボサーマルイオン交換法により製造する技
術を確立することに成功した。
従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、次世
代の二次リチウム電池正極材料用として有望視されてい
るリチウム含有遷移金属酸化物の1種である層状岩塩型
LiFeO2をソルボサーマルイオン交換法により製造する技
術を確立することに成功した。
【0006】すなわち、本発明は、下記のソルボサーマ
ルイオン交換法による層状岩塩型LiFeO2の製造方法を提
供するものである: 1.α-FeOOHを水酸化ナトリウム水溶液中で130〜300℃
で水熱処理することによりα-NaFeO2を得た後、これを
非水溶媒中において無機リチウム塩とともに130〜300℃
でソルボサーマル処理することを特徴とする層状岩塩型
LiFeO2の製造方法。
ルイオン交換法による層状岩塩型LiFeO2の製造方法を提
供するものである: 1.α-FeOOHを水酸化ナトリウム水溶液中で130〜300℃
で水熱処理することによりα-NaFeO2を得た後、これを
非水溶媒中において無機リチウム塩とともに130〜300℃
でソルボサーマル処理することを特徴とする層状岩塩型
LiFeO2の製造方法。
【0007】2.非水溶媒がメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、アセトンおよびヘキサンか
らなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項1に
記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
プロパノール、ブタノール、アセトンおよびヘキサンか
らなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項1に
記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
【0008】3.無機リチウム塩が、塩化リチウム、フ
ッ化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、水酸化
リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物からなる
群から選ばれた少なくとも1種である上記項1に記載の
層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
ッ化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、水酸化
リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物からなる
群から選ばれた少なくとも1種である上記項1に記載の
層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
【0009】4.ナトリウム化合物と3価の鉄化合物と
の直接反応によりα-NaFeO2を得た後、これを非水溶媒
中において無機リチウム塩とともに130〜300℃でソルボ
サーマル処理することを特徴とする層状岩塩型LiFeO2の
製造方法。
の直接反応によりα-NaFeO2を得た後、これを非水溶媒
中において無機リチウム塩とともに130〜300℃でソルボ
サーマル処理することを特徴とする層状岩塩型LiFeO2の
製造方法。
【0010】5.ナトリウム化合物がNaOH、Na2O2およ
びNa2CO3からなる群から選ばれた少なくとも1種である
上記項4に記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
びNa2CO3からなる群から選ばれた少なくとも1種である
上記項4に記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
【0011】6.3価の鉄化合物がγ-Fe2O3、γ-FeOO
H、α-Fe2O3およびα-FeOOHからなる群から選ばれた少
なくとも1種である上記項4に記載の層状岩塩型LiFeO2
の製造方法。
H、α-Fe2O3およびα-FeOOHからなる群から選ばれた少
なくとも1種である上記項4に記載の層状岩塩型LiFeO2
の製造方法。
【0012】7.非水溶媒がメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、アセトンおよびヘキサンか
らなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項4に
記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
プロパノール、ブタノール、アセトンおよびヘキサンか
らなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項4に
記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
【0013】8.無機リチウム塩が、塩化リチウム、フ
ッ化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、水酸化
リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物からなる
群から選ばれた少なくとも1種である上記項4に記載の
層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
ッ化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、水酸化
リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物からなる
群から選ばれた少なくとも1種である上記項4に記載の
層状岩塩型LiFeO2の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明方法には、α-NaFeO2の製
造方法の相違による2つの態様が存在するので、以下に
それぞれの態様について、詳細に説明する。
造方法の相違による2つの態様が存在するので、以下に
それぞれの態様について、詳細に説明する。
【0015】1.形態I この方法においては、まず鉄源原料と水酸化ナトリウム
溶液との水熱反応により、α-NaFeO2を合成する。
溶液との水熱反応により、α-NaFeO2を合成する。
【0016】鉄源原料としては、特に限定されるもので
はないが、3価の鉄の酸化水酸化物(α-FeOOHなど)お
よび金属鉄が好ましい。ただし、鉄の硝酸塩、硫酸塩、
塩化物などは、水酸化ナトリウム溶液と急激に反応する
ため、好ましくない。
はないが、3価の鉄の酸化水酸化物(α-FeOOHなど)お
よび金属鉄が好ましい。ただし、鉄の硝酸塩、硫酸塩、
塩化物などは、水酸化ナトリウム溶液と急激に反応する
ため、好ましくない。
【0017】反応に際しては、α-FeOOHなどの鉄源材料
と濃水酸化ナトリウム溶液(30〜70N程度)とを混合し
た後、混合物をオートクレーブなどの水熱反応炉中に静
置して、130〜300℃程度の温度で1時間〜7日間程度(よ
り好ましくは150〜220℃程度の温度で1時間〜7日間程
度)水熱処理する。鉄源原料と水酸化ナトリウムとの割
合は、後者が過剰となる様に配合し、通常は鉄源原料:
水酸化ナトリウム=1:2〜50(モル比)程度、より好ま
しくは1:20〜30(モル比)程度である。反応生成物で
あるα-NaFeO2は、過剰の水酸化ナトリウムを含んでい
るので、例えば、エタノールなどのアルコール類で洗浄
し、濾過し、乾燥する。反応生成物の水による洗浄は、
α-NaFeO2中のナトリウムを溶出させ、その分解を促進
するので、好ましくない。
と濃水酸化ナトリウム溶液(30〜70N程度)とを混合し
た後、混合物をオートクレーブなどの水熱反応炉中に静
置して、130〜300℃程度の温度で1時間〜7日間程度(よ
り好ましくは150〜220℃程度の温度で1時間〜7日間程
度)水熱処理する。鉄源原料と水酸化ナトリウムとの割
合は、後者が過剰となる様に配合し、通常は鉄源原料:
水酸化ナトリウム=1:2〜50(モル比)程度、より好ま
しくは1:20〜30(モル比)程度である。反応生成物で
あるα-NaFeO2は、過剰の水酸化ナトリウムを含んでい
るので、例えば、エタノールなどのアルコール類で洗浄
し、濾過し、乾燥する。反応生成物の水による洗浄は、
α-NaFeO2中のナトリウムを溶出させ、その分解を促進
するので、好ましくない。
【0018】次いで、得られたα-NaFeO2を非水溶媒中
で無機リチウム塩とともに130〜300℃で1〜10時間程度
(より好ましくは200〜250℃で2〜5時間程度)ソルボサ
ーマル処理する。非水溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサ
ンなどが使用でき、これらは単独で或いは2種以上混合
して使用される。無機リチウム塩としては、塩化リチウ
ム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、
水酸化リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物な
どが使用される。無機リチウム塩も、それぞれの単独或
いは2種以上の混合物を使用することができる。α-NaF
eO2と無機リチウム塩の割合は、特に限定されるもので
はないが、通常前者:後者=1:20〜100(モル比)程度
であり、より好ましくは1:30〜50(モル比)程度であ
る。反応により得られる粉末生成物を蒸留水で、洗浄
し、濾過し、乾燥することにより、層状岩塩型LiFeO2を
得る。
で無機リチウム塩とともに130〜300℃で1〜10時間程度
(より好ましくは200〜250℃で2〜5時間程度)ソルボサ
ーマル処理する。非水溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサ
ンなどが使用でき、これらは単独で或いは2種以上混合
して使用される。無機リチウム塩としては、塩化リチウ
ム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、
水酸化リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物な
どが使用される。無機リチウム塩も、それぞれの単独或
いは2種以上の混合物を使用することができる。α-NaF
eO2と無機リチウム塩の割合は、特に限定されるもので
はないが、通常前者:後者=1:20〜100(モル比)程度
であり、より好ましくは1:30〜50(モル比)程度であ
る。反応により得られる粉末生成物を蒸留水で、洗浄
し、濾過し、乾燥することにより、層状岩塩型LiFeO2を
得る。
【0019】2.形態II この方法においては、まずナトリウム源原料と鉄源原料
である3価の鉄化合物との直接反応により、α-NaFeO2
を合成する。
である3価の鉄化合物との直接反応により、α-NaFeO2
を合成する。
【0020】ナトリウム源原料としては、NaOH、Na
2O2、Na2CO3などが挙げられ、その1種または2種以上
の混合物を使用することができる。鉄源原料としては、
γ-Fe2O3、γ-FeOOH、α-Fe2O3、α-FeOOHなどが挙げら
れ、その1種または2種以上の混合物を使用することが
できる。
2O2、Na2CO3などが挙げられ、その1種または2種以上
の混合物を使用することができる。鉄源原料としては、
γ-Fe2O3、γ-FeOOH、α-Fe2O3、α-FeOOHなどが挙げら
れ、その1種または2種以上の混合物を使用することが
できる。
【0021】反応に際しては、Na/Fe=1〜1.5、より好
ましくは1.1(原子比)となる様にナトリウム源原料と
鉄源原料とを秤量し、少量の水とともに混合した後、大
気中、350〜700℃程度で5〜24時間程度(より好ましく
は550〜650℃程度で8〜15時間程度)焼成し、生成物
(α-NaFeO2)を粉砕する。
ましくは1.1(原子比)となる様にナトリウム源原料と
鉄源原料とを秤量し、少量の水とともに混合した後、大
気中、350〜700℃程度で5〜24時間程度(より好ましく
は550〜650℃程度で8〜15時間程度)焼成し、生成物
(α-NaFeO2)を粉砕する。
【0022】直接得られたα-NaFeO2と無機リチウム塩
とを非水溶媒中でソルボサーマル反応させ、層状岩塩型
LiFeO2を合成させる工程は、上記の形態Iの場合と同様
である。
とを非水溶媒中でソルボサーマル反応させ、層状岩塩型
LiFeO2を合成させる工程は、上記の形態Iの場合と同様
である。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、これまで低コストで工
業的に製造することが困難であった層状岩塩型LiFeO2を
大量生産することが可能となったので、LiFeO2を正極材
料とするリチウム二次電池の開発が一層促進される。
業的に製造することが困難であった層状岩塩型LiFeO2を
大量生産することが可能となったので、LiFeO2を正極材
料とするリチウム二次電池の開発が一層促進される。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。なお、実施例で得られた試
料の結晶相は、X線回折分析により評価した。
ころをより一層明確にする。なお、実施例で得られた試
料の結晶相は、X線回折分析により評価した。
【0025】実施例1 ポリテトラフルオロエチレン製ビーカー中に水酸化ナト
リウム300gを秤量し、蒸留水150mlを加え、十分に混合
溶解した。溶解時には、かなりの発熱を伴うので、溶液
を100℃以下に冷却した後、FeOOH 30gを加え、均一に混
合した。反応混合物を入れたビーカーを水熱炉(オート
クレーブ)に静置し、220℃で7時間水熱処理した。水熱
処理終了後、ビーカー内容物の温度が100℃程度に下が
った時点で、ビーカーをオートクレーブ外に取り出し、
生成している粉末をエタノールで洗浄して過剰に存在す
る水酸化ナトリウムを除去し、濾過し、乾燥することに
より、α-NaFeO230gを得た。最終生成物のX線回折パタ
ーンを図1に示す。全ての回折ピークは、α-NaFeO2の
単位胞(六方晶系)で指数付けすることができ、格子定
数(a=3.02517±0.00008Å、c=16.0916±0.006Å)は、
報告値に近いものであった。
リウム300gを秤量し、蒸留水150mlを加え、十分に混合
溶解した。溶解時には、かなりの発熱を伴うので、溶液
を100℃以下に冷却した後、FeOOH 30gを加え、均一に混
合した。反応混合物を入れたビーカーを水熱炉(オート
クレーブ)に静置し、220℃で7時間水熱処理した。水熱
処理終了後、ビーカー内容物の温度が100℃程度に下が
った時点で、ビーカーをオートクレーブ外に取り出し、
生成している粉末をエタノールで洗浄して過剰に存在す
る水酸化ナトリウムを除去し、濾過し、乾燥することに
より、α-NaFeO230gを得た。最終生成物のX線回折パタ
ーンを図1に示す。全ての回折ピークは、α-NaFeO2の
単位胞(六方晶系)で指数付けすることができ、格子定
数(a=3.02517±0.00008Å、c=16.0916±0.006Å)は、
報告値に近いものであった。
【0026】次いで、得られたα-NaFeO21gをエタノー
ル中に分散された塩化リチウム約15gとともにポリテト
ラフルオロエチレン製ビーカーに入れ、ビーカーを水を
入れていない水熱炉内に静置し、220℃で3時間ソルボサ
ーマル処理した後、生成物を取り出し、蒸留水で5回洗
浄して過剰の塩化リチウムを除去し、濾過し、乾燥する
ことにより、層状岩塩型LiFeO2粉末を得た。
ル中に分散された塩化リチウム約15gとともにポリテト
ラフルオロエチレン製ビーカーに入れ、ビーカーを水を
入れていない水熱炉内に静置し、220℃で3時間ソルボサ
ーマル処理した後、生成物を取り出し、蒸留水で5回洗
浄して過剰の塩化リチウムを除去し、濾過し、乾燥する
ことにより、層状岩塩型LiFeO2粉末を得た。
【0027】この様にして得られた粉末のX線回折パタ
ーンを図2に示す。α-NaFeO2の残留は、認められず、
全ての回折ピークは、以前から報告されている{前記の
Solid State Ionics,79(1995)227-233参照}六方晶系の
層状岩塩型LiFeO2の単位胞で指数付けすることができ
た。
ーンを図2に示す。α-NaFeO2の残留は、認められず、
全ての回折ピークは、以前から報告されている{前記の
Solid State Ionics,79(1995)227-233参照}六方晶系の
層状岩塩型LiFeO2の単位胞で指数付けすることができ
た。
【0028】なお、本実施例において、α-NaFeO2を製
造するに際し、FeOOHに代えて金属鉄粉末を使用する場
合にも、上記とほぼ同様の結果が得られる。
造するに際し、FeOOHに代えて金属鉄粉末を使用する場
合にも、上記とほぼ同様の結果が得られる。
【0029】実施例2 少量の水に溶解させたNaOH0.9gとγ-Fe2O32gとを均一に
混合し、100℃で乾燥させた後、アルミナ製ルツボに入
れ、大気中600℃で12時間焼成した。冷却後焼成生成物
をルツボから取り出し、粉砕してα-NaFeO2を得た。生
成物のX線回折パターンは、実施例1の図1と同様であ
り、生成物がα-NaFeO2単相であることを示していた。
混合し、100℃で乾燥させた後、アルミナ製ルツボに入
れ、大気中600℃で12時間焼成した。冷却後焼成生成物
をルツボから取り出し、粉砕してα-NaFeO2を得た。生
成物のX線回折パターンは、実施例1の図1と同様であ
り、生成物がα-NaFeO2単相であることを示していた。
【0030】次いで、得られたα-NaFeO21gをエタノー
ル中に分散された塩化リチウム約15gとともにポリテト
ラフルオロエチレン製ビーカーに入れ、ビーカーを水を
入れていない水熱炉内に静置し、220℃で3時間ソルボサ
ーマル処理した後、生成物を取り出し、蒸留水で5回洗
浄して過剰の塩化リチウムを除去し、濾過し、乾燥する
ことにより、層状岩塩型LiFeO2粉末を得た。
ル中に分散された塩化リチウム約15gとともにポリテト
ラフルオロエチレン製ビーカーに入れ、ビーカーを水を
入れていない水熱炉内に静置し、220℃で3時間ソルボサ
ーマル処理した後、生成物を取り出し、蒸留水で5回洗
浄して過剰の塩化リチウムを除去し、濾過し、乾燥する
ことにより、層状岩塩型LiFeO2粉末を得た。
【0031】この様にして得られた粉末のX線回折パタ
ーンは、実施例1の図2と同様であり、α-NaFeO2の残
留のない層状岩塩型LiFeO2単相であることを示してい
た。
ーンは、実施例1の図2と同様であり、α-NaFeO2の残
留のない層状岩塩型LiFeO2単相であることを示してい
た。
【図1】実施例1において得られたα-NaFeO2のX線回
折結果を示すパターンである。
折結果を示すパターンである。
【図2】実施例1において得られた層状岩塩型LiFeO2粉
末のX線回折結果を示すパターンである。
末のX線回折結果を示すパターンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 治 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 49/00
Claims (8)
- 【請求項1】α-FeOOHを水酸化ナトリウム水溶液中で13
0〜300℃で水熱処理することによりα-NaFeO2を得た
後、これを非水溶媒中において無機リチウム塩とともに
130〜300℃でソルボサーマル処理することを特徴とする
層状岩塩型LiFeO2の製造方法。 - 【請求項2】非水溶媒がメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、アセトンおよびヘキサンからな
る群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載
の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。 - 【請求項3】無機リチウム塩が、塩化リチウム、フッ化
リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、水酸化リチ
ウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の層状
岩塩型LiFeO2の製造方法。 - 【請求項4】ナトリウム化合物と3価の鉄化合物との直
接反応によりα-NaFeO2を得た後、これを非水溶媒中に
おいて無機リチウム塩とともに130〜300℃でソルボサー
マル処理することを特徴とする層状岩塩型LiFeO2の製造
方法。 - 【請求項5】ナトリウム化合物がNaOH、Na2O2およびNa2
CO3からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求
項4に記載の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。 - 【請求項6】3価の鉄化合物がγ-Fe2O3、γ-FeOOH、α
-Fe2O3およびα-FeOOHからなる群から選ばれた少なくと
も1種である請求項4に記載の層状岩塩型LiFeO2の製造
方法。 - 【請求項7】非水溶媒がメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、アセトンおよびヘキサンからな
る群から選ばれた少なくとも1種である請求項4に記載
の層状岩塩型LiFeO2の製造方法。 - 【請求項8】無機リチウム塩が、塩化リチウム、フッ化
リチウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、水酸化リチ
ウム、硝酸リチウムおよびこれらの水和物からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種である請求項4に記載の層状
岩塩型LiFeO2の製造方法。
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JP8245558A JP2931961B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | ソルボサーマルイオン交換法による層状岩塩型リチウムフェライトの製造方法 |
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JP8245558A JP2931961B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | ソルボサーマルイオン交換法による層状岩塩型リチウムフェライトの製造方法 |
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- 1996-08-27 JP JP8245558A patent/JP2931961B2/ja not_active Expired - Lifetime
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