JP2929612B2 - 色盲検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、色盲を検査する装置に関する。

［従来の技術］ 従来、色盲の検査は、色のついた円を用いて特定のパ
ターンを形成したものを使用していた。即ち、被検査者
が前記パターンから読み取る数字などが適当かどうかで
色盲を判断していた。

［発明が解決しようとする課題］ 色盲には総ての色覚が欠如している全色盲と、一部の
色覚が欠如している部分色盲（色弱）がある。全色盲は
稀であり、色盲の人の大部分は部分色盲である。赤色盲
は赤と青緑色とが灰色に見え、緑色盲は緑と紫紅色とが
灰色に見えて、いづれも赤と緑とを混同する色覚を有す
る（赤緑色盲）。また、稀には黄青色盲もある。

色盲の大部分は赤緑色盲であるが、その程度は人によ
ってかなり異なる。赤や緑が灰色に見え日常生活に支障
がある程度から、日常生活には支障はないが特別な条件
の時、瞬時的に赤が緑に見える軽度の色盲まである。

しかし、従来の色盲の検査方法では、全色盲か部分色
盲か、部分色盲の場合には赤緑色盲か黄青色盲かが判る
程度であり、例えば赤緑色盲の場合に前述したように色
々な色盲の程度があるが、それらの程度を定量的尺度で
検査することができないという問題点があった。従って
本発明の目的は、前記問題点を解決し、定量的に色盲の
検査を行うことができる装置を提案することである。

［課題を解決するための手段］ 本発明の色盲検査装置は前記問題点を解決するための
ものであり、 1.可視光を点滅させることができ、かつ互いの距離を可
変可能な２つの光源を備えたことを特徴とする。

2.更に前記２つの光源から発する可視光の点滅時間をそ
れぞれ独立に設定可能としたことを特徴とする。

［実施例］ 本発明の詳細を実施例により説明する。第１図は本発
明による実施例である。第１図において１は色盲検査装
置の框体であり、２、３は２つのLEDからなる光源であ
る。２つの光源の波長は任意に設定でき、また点滅の時
間も任意に設定できる。また前記２つの光源は左右方向
に可動であり、４は光源の可動範囲を示している。

本発明による色盲検査装置を用いた色盲の検査は、例
えば赤緑色盲の被験者の場合次のように行われる。色盲
の被験者は色盲検査装置から１〜2m離れて座る。色盲検
査装置の２つの光源の波長は先ず700nmの赤色に設定
し、数十msecの点灯を数秒サイクルで繰り返す。初めは
前記２つの光源の点滅は完全に同期し同時に点滅するよ
うに設定する。被験者は右側の光源を見つめるようにす
るが、左側の光源は被験者は視角範囲にありその色を視
認できる。この時もし被験者が強度の赤緑色盲ならば、
右側の光源の色を「赤」であると認識できても、左側の
光源の色は「赤」であることが同定できないだろう。多
分左側の光源の色は緑色か黄緑色に見えるはずである。
あるいは赤く見えたり緑に見えたりするかも知れない。

もし被験者が程度の軽い赤緑色盲なら、左側の光源の
色も「赤」であることが解るたろう。このような場合は
光源が点灯する時間を短くする、点滅のサイクル時間を
変える、左側の光源の波長を変える。２つの光源の距離
を変えることなどにより、被験者がどのような色盲検査
装置の条件の時左の光源の色を誤認するか調べることが
できる。

黄青色盲の被験者を検査する場合は、本発明による色
盲検査装置の光源の波長を400nmに初期設定し、前述し
た赤緑色盲の検査と同様に行うことができる。

［発明の効果］ 従来の色盲検査装置では、被験者の色盲の程度が定性
的にしか解らなかったが、本発明による色盲検査装置で
は前記程度を定量的に把握することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による色盲検査装置。 １……色盲検査装置の框体 ２、３……光源

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】可視光を点滅させることができ、かつ互い
   の距離を可変可能な２つの光源を備えた色盲検査装置。
2. 【請求項２】前記２つの光源から発する可視光の点滅時
   間をそれぞれ独立に設定可能としたことを特徴とする請
   求項１に記載の色盲検査装置。