JP2926414B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するも
のであり、詳しくは染色された親水性コロイド層を有す
るハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものであ
り、更には画像の鮮鋭度に優れかつ迅速処理性と低補充
性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するも
のである。
(従来の技術) ハロゲン化銀写真感光材料において、特定の波長域の
光を吸収させる目的で、写真感光層またはその他の層を
染料等により着色することがしばしば行なわれる。
写真感光層およびその他の層を光が通過する際、例え
ばそこに存在するハロゲン化銀粒子により散乱を受けた
り、写真層と支持体との界面あるいは写真層と反対側の
界面で反射されて再び写真感光層に入射することによ
り、感光材料に対する本来の入射光の位置とは異なる位
置において乳剤が感光し画像を形成することにより、画
像がぼけたり滲んだりすることがある。これを防止する
ために写真感光層を着色するのも、その目的の一つであ
る。
特に、反射性の支持体を使用する例えばカラー印画紙
のような写真感光材料においては、支持体そのものがあ
る限定された特性の範囲において強い反射性を有するた
めに、プリント露光時に写真感光層およびその他の層で
吸収されずに通過した光が支持体表面で様々な方向に乱
反射されて再び写真感光層に入射して吸収され、本来の
入射光の位置より滲んだ位置において乳剤が感光し画像
を形成することが非常に起き易いことが知られている。
従って、当業者においてはこのような写真感光材料系の
場合にはその親水性コロイド層に適当量の染料を含有さ
せることで、画像がぼけたり滲んだりすることを防止す
ることが周知のこととして行われている。
一方、画像が滲んだりぼけたりする現象を防止する別
の重要因子の一つとして知られているのは写真感光層中
に存在するハロゲン化銀粒子そのものによる入射光の散
乱を防止することである。ハロゲン化銀粒子による光の
散乱については写真感光層における特性も含めてザ・セ
オリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(Th
e Theory of the Photographic Process)第4版第580
〜590頁に記載されている。またこのような成書の記述
によらずとも、当業者においては写真感光層中のハロゲ
ン化銀粒子の塗布量を極力減少させること、またハロゲ
ン化銀粒子のサイズと光波長に関する光散乱特性を考慮
して、光散乱に不利な粒子サイズおよびサイズ分布を極
力避けること等が有利であることは十分知られている。
更には最近では、米国特許第4,434,226号、同第4,439,5
20号、同第4,433,048号、同第4,386,156号、同第4,399,
215号、同第4,400,463号等に開示されているように、平
版状のハロゲン化銀粒子を写真層膜面に対して平行に用
いることでハロゲン化銀写真感光材料の写真層内で生ず
るイラジエーションを大きく減少させ、鮮鋭度を向上さ
せることも知られている。
反射性の支持体を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいても、写真層膜面に入射した光が写真層内のハロゲ
ン化銀乳剤粒子により散乱されてぼけた画像を形成さ
せ、鮮鋭度を低下させる現象を生じていることに変わり
はない。従って、反射性の支持体を有するハロゲン化銀
写真感光材料においても、前述のような写真感光層中の
ハロゲン化銀粒子の塗布量を極力減少させること、また
ハロゲン化銀粒子のサイズと光波長に関する光散乱特性
を考慮して、光散乱に不利な粒子サイズおよびサイズ分
布を極力避けること等は、やはり有利であると考えられ
る。
(本発明が解決しようとする課題) 近年の写真感光材料の処理の迅速化あるいは低補充化
の要請に伴い、写真感光材料に含有されるハロゲン化銀
乳剤の塗布量を減少させることで、それらの達成を容易
にしようとする努力が払われている。このことは前述の
ように鮮鋭度の向上にとっても有利な方向に働くと考え
られる。
しかしながら、本発明者の検討によれば反射性の支持
体を有するハロゲン化銀写真感光材料においては必ずし
もそうではなく、ハロゲン化銀乳剤の塗布量を減少させ
ることが返って鮮鋭度を悪化させる場合があることが見
出された。そのような系において、鮮鋭度を悪化させな
いようにすることは、ハロゲン化銀乳剤の塗布量を減少
させることにより処理の迅速化あるいは低補充化の要請
を満足させる上でも、また銀の使用量を減少させること
で製造コストの低減を実現させるという意味でも重要な
ことといえる。
従って、本発明の目的は迅速処理性、低補充性が優れ
た上に更に鮮鋭度に優れたハロゲン化銀カラー写真感光
材料を提供できるようにすることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は以下のようなハロゲン化銀カラー写真
感光材料により達成された。
(1)反射支持体上に、実質的に沃化銀を含まない塩化
銀または塩臭化銀乳剤を含み、それぞれ異なる波長領域
に感光ピーク波長を有するシアン発色性ハロゲン化銀乳
剤層・マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層・イエロー発
色性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層ずつ有し、且
つ支持体上の写真層中に水溶性または脱色性染料を含有
するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、前記乳
剤層中の少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層のハロゲ
ン化銀乳剤が平均粒子サイズ0.35μm〜0.65μmであ
り、かつ該ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀塗布量が
銀換算で0.19g/m2以下であり、全ハロゲン化銀乳剤層の
ハロゲン化銀総塗布量が銀換算で0.78g/m2以下であり、
更に支持体上の水溶性または脱色性染料の塗布量が、該
写真層中に該染料を含有しない場合のハロゲン化銀乳剤
層の感度に比べて、最も長波長の感光ピークを有するハ
ロゲン化銀乳剤層の感度が35%以下10%以上、二番目に
長波長の感光ピークを有するハロゲン化銀乳剤層の感度
が50%以下20%以上、最も短波長の感光ピークを有する
ハロゲン化銀乳剤層の感度が70%以下30%以上に低下す
るように設定されていることを特徴とするハロゲン化銀
カラー写真感光材料。
(2)反射支持体が、二酸化チタンを13重量%以上含有
する耐水性樹脂層および/または親水性コロイド層によ
り少なくとも片面が被覆された支持体であることを特徴
とする第(1)項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
材料。
(3)シアンおよび/またはマゼンタ発色性ハロゲン化
銀乳剤層が、ピラゾロアゾール型カプラーを含有してい
ることを特徴とする第(1)項または第(2)項に記載
のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
本発明における写真層の染色は、特に本発明のような
反射型あるいは直接観察型の写真感光材料においては通
常そうであるように、処理後に残色させないために、写
真層が親水性コロイドから成ることを考慮して、水溶性
または脱色性の染料を含有させることが好ましい。この
ような水溶性または脱色性の染料は、その使用目的から
考えて以下のような条件を満足していることが望まし
い。
(1)吸収させたい光の波長に応じた適切な吸収スペク
トルを有すること。
(2)写真作用において不活性であること。即ち、ハロ
ゲン化銀乳剤にカブリや、光学効果以外の増感・減感作
用をもたらさないこと。
(3)写真感光材料の処理過程において、感光材料外へ
の流出あるいは化学反応等により容易に脱色され、処理
後の感光材料に不要な着色を残さないこと。
(4)一方で、写真感光材料の塗布膜中に存在するとき
は、それが置かれる温度や湿度等の諸条件に対して安定
で吸収スペクトルの変化や膜中での移動を引起さないこ
と。
これらの条件を満足する染料としては、以下に挙げる
ような多くのものが知られている。例えば英国特許第50
6,385号、同第1,177,429号、同第1,311,884号、同第1,3
38,799号、同第1,385,371号、同第1,467,214号、同第1,
433,102号、同第1,553,516号、特開昭48−85.130号、同
49−114,420号、同52−20,830号、同55−161,233号、同
59−111,640号、米国特許第3,247,127号、同第3,469,98
5号、同第3,746,539号、同第4,078,933号等に記載され
たピラゾロン核やバルビツル酸核を有するオキソノール
染料、米国特許第2,533,472号、同第3、379、533号、
英国特許第1,278,621号、***国特許第2,928,184号等に
記載されたその他のオキソノール染料、英国特許第575,
691号、同第680,631号、同第599,623号、同第786,907
号、同第907,125号、同第1,045,609号、同第907,125
号、同第1,045,609号、米国特許第4,255,326号、特開昭
59−211,043号等に記載されたアゾ染料、特開昭50−10
0,116号、同54−118,247号、英国特許第2,014,598号、
同第750,031号等に記載されたアゾメチン染料、米国特
許第2,865,752号に記載されたアンスラキノン染料、2,5
38,008号、同第2,538,009号、同第2,688,541号、英国特
許第584,609号、同第1,210,252号、特開昭50−40,625
号、同51−3,623号、同51−10,927号、同54−118,247
号、特公昭48−3,286号、同59−37,303号等に記載され
たアリーリデン染料、特公昭28−3,082号、同44−16,59
4号、同59−28,898号等に記載されたスチリル染料、英
国特許第446,583号、同第1,335,422号、特開昭59−228,
250号等に記載されたトリアリールメタン染料、英国特
許第1,075,653号、同第1,153,341号、同第1,284,730
号、同第1,475,228号、同第1,542,807号等に記載された
メロシアニン染料等が挙げられる。
これらの中で、ピラゾロン核を有するオキソノール染
料は亜硫酸塩を含有する処理液あるいは水酸イオンを有
する処理液で脱色される性質を持ち、ハロゲン化銀乳剤
に不都合な作用を及ぼすことが少なく、有用な染料であ
る。
ピラゾロオキサノール染料は下記の一般式(D)で表
される化合物が好ましく用いられる。
式中、R1、R2はそれぞれ−COOR5、 を表す。R3、R4はそれぞれ水素原子、アルキル基あるい
は置換アルキル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル
基、ヒドロキシエチル基等)を表わし、R5、R6はそれぞ
れ水素原子、アルキル基あるいは置換アルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、ブチル基、ヒドロキシエチル
基、フェネチル基等)、アリール基あるいは置換アリー
ル基(例えばフェニル基、ヒドロキシフェニル基等)を
表わす。Q1、Q2はそれぞれアリール基(例えばフェニル
基、ナフチル基等)を表わす。X1、X2は結合もしくは2
価の連結基を表わし、Y1、Y2はそれぞれスルホ基、カル
ボキシル基を表わす。L1、L2、L3はそれぞれメチン基を
表わす。m1、m2は0、1もしくは2、nは0、1もしく
は2、p1、p2はそれぞれ0、1、2、3もしくは4、s
1、s2はそれぞれ1もしくは2、t1、t2はそれぞれ0ま
たは1を表わす。但し、m1、p1、t1が、そしてm2、p2、
t2が同時に0となることは無い。
以下に、本発明において特に好ましく用いられる染料
の化合物例を示すが、これらに限定されるわけではな
い。
本発明において、水溶性または脱色性染料は、ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の写真層中にそのような染料
を使用しない場合の感度に比べて、最も長波長に感光ピ
ークを有するハロゲン化銀乳剤層の感度が35%以下10%
以上、二番目に長波長の感光ピークを有するハロゲン化
銀乳剤層の感度が50%以下20%以上、最も短波長に感光
ピークを有するハロゲン化銀乳剤層の感度が70%以下30
%以上になるような塗布量に設定されていることが必要
である。そのような感度を設定するのに、一種類のみの
染料を用いて塗布しても、二種類以上の染料を併用して
塗布してもよい。好ましくは、三種類以上の染料を用い
て、異なる分光感度を有する各発色層の感度を独立に所
望の感度に設定できるようにすることであり、例えば感
光層が赤感層、緑感層、青感層の場合には、シアン、マ
ゼンタ、イエロー染料を用いればよい。
これらのハロゲン化銀乳剤層の感度が、染料を使用し
ない場合の感度に比べて、それぞれ35%、50%あるいは
70%以下にならない程度に染料が少ないと、本発明のよ
うなハロゲン化銀乳剤の塗布量の少ない感光材料におい
ては鮮鋭度の向上は不十分である。逆にこれらのハロゲ
ン化銀乳剤層のうちのどこかの層の感度が、染料を添加
しないときに対して10%、20%あるいは30%以下まで下
がるほどに染料が多いと、鮮鋭度の向上はあるものの、
そもそも感光材料としての感度が低下し過ぎて不都合を
生ずるだけでなく、各層の鮮鋭度のバランスが保たれず
に、色バランスの崩れた滲みを生じてかえって見掛けの
鮮鋭度が低下するという不都合がもたらされる 本発明の系において写真層を染色することは、ハロゲ
ン化銀乳剤の塗布量を減少させることが鮮鋭度を良化さ
せるような系の場合に写真層を染色する場合に比べて、
予測される以上に遥かに大きな鮮鋭度の改良効果がもた
らされる。
これは鮮鋭度に対して、通常は有利と考えられている
例えば塗布銀量の低減が、本発明の系のような、反射型
の支持体の上にある特定の粒子サイズのハロゲン化銀乳
剤を少ない塗布銀量で塗布した場合には、むしろ不利に
働いているということを示していることになり、このこ
と自体が予測し難いだけでなく、そのような系におい
て、染色という鮮鋭度に対して有利に働く要因を組み合
せて用いると、返って鮮鋭度が大きく改良されるという
驚くべき効果が発現されたことを意味していることにな
る。
通常、ハロゲン化銀乳剤の塗布量を低減させたときに
鮮鋭度が向上するのは、前述のように、乳剤層に入射し
た光がハロゲン化銀乳剤自身によって散乱されて、それ
より支持体に近い側にある下層に塗設された乳剤層へ到
達する光をぼかしてしまうからであると考えられてい
る。
本発明においてそれが当はまらないのは、即ち、本発
明のような反射型の支持体上に、ある特定の粒子サイズ
のハロゲン化銀乳剤を少ない塗布銀量で塗布したときに
その鮮鋭度が低下してしまうのは、塗布銀量が少ないた
めに入射した光がハロゲン化銀乳剤あるいはその乳剤粒
子に吸着している増感色素によって吸収される比率が非
常に低く、そのためにハロゲン化銀乳剤層を通り抜けて
反射支持体表面に到達した多くの光は支持体によって乱
反射され、そのうちの支持体面に対して平行に近い方向
に進むように散乱された光が、特定粒子サイズの乳剤の
塗布量により再散乱あるいは吸収されずに長い距離を進
んで、最終的に本来の入射光位置とどれだけ異なる点に
おいて吸収されるか、という点に関係しているものと思
われる。
本発明の効果を結果から考えれば、乳剤の塗布銀量が
多いときは、上述の距離が短いために鮮鋭度に有利に働
き、乳剤の塗布銀量が少ないときは、染料によるその距
離の短縮の寄与割合が大きく増加するため、前述のよう
な特異な挙動を示すものと解釈することもできる。
従って、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料に
おいては、その効果を発現するのに乳剤層中の少なくと
も一層のハロゲン化銀乳剤が平均粒子サイズ0.35μm〜
0.65μmであり、かつ該ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン
化銀塗布量が銀換算で0.19g/m2以下である必要がある。
更に、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
いては、全ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀総塗布量
が銀換算で0.78g/m2以下であることで、大きな効果が示
される。
少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤が平均粒子サイズ
が0.35μm〜0.65μmの間になければ、言替えれば全て
の層のハロゲン化銀乳剤の平均粒子サイズが0.35μmよ
り小さいか、0.65μmより大きいならば、本発明の効果
は現れにくい。また、そのような平均粒子サイズを有す
るハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀乳剤層のハロゲ
ン化銀塗布量が銀換算で0.19g/m2以上であると、本発明
の効果は現れにくい。更には、全ハロゲン化銀乳剤層の
ハロゲン化銀総塗布量が銀換算で0.78g/m2以上であって
も本発明の効果は現れにくい。
これらはいずれも、本来、入射光の散乱を生じ易い粒
子サイズのハロゲン化銀乳剤を用いた系において、その
ハロゲン化銀塗布量が低減されたときにある方向の散乱
光の進行距離が著しく長くなることに関係しているもの
とも考えられる。
本発明の効果を顕著に現すハロゲン化銀乳剤の平均粒
子サイズは0.35μm〜0.65μmであるが、更には0.40μ
m〜0.60μmにおいて現れ易い。平均粒子サイズが0.35
μm〜0.65μmの乳剤層が一層の場合よりは二層の場合
の方が、本発明の効果は現れ易く、更に多くの乳剤がこ
の条件を満足していれば、その方が効果が顕著である。
全ハロゲン化銀乳剤がこの条件を満足していれば、最も
効果が大である。少なくとも二つの乳剤層が、平均粒子
サイズ0.35μm〜0.65μmの乳剤であることが、本発明
においては好ましい。この場合でも、これらの平均粒子
サイズを有するハロゲン化銀乳剤層の塗布銀量はいずれ
か一層が0.19g/m2以下であればよく、平均粒子サイズ0.
35μm〜0.65μmである他の層もできるだけ塗布銀量0.
19g/m2以下であることが好ましい。
平均粒子サイズ0.35μm〜0.65μmのハロゲン化銀乳
剤層の塗布銀量は、いずれか一層が0.19g/m2以下であれ
ばよいが、0.16g/m2以下であればより好ましく、0.13g/
m2であれば更に好ましい。
全層のハロゲン化銀乳剤の総塗布銀量は0.78g/m2以下
であることが本発明の効果を十分に発揮させる上で必要
であるが、0.72g/m2以下であることがより好ましく、0.
66g/m2以下であることが更に好ましい。最も好ましくは
0.62g/m2以下である。塗布銀量は、更に少なければ少な
いほど本発明の効果が大きいが、ハロゲン化銀自身を酸
化剤として、第一級アミン発色現像主薬を酸化し、その
酸化体をカプラーと反応させて色素画像を得る方式にお
いては、現在はこれより更に低銀量化させることは困難
である。しかしながら、例えばいわゆる補力方式(具体
的には例えば過酸化水素補力方式)を用いて低銀量化さ
せることは可能であり、0.2g/m2あるいは0.2g/m2といっ
た塗布銀量を実用することができる。そのような系にお
いても本発明は非常に大きな効果を発現する。
本発明において、ある乳剤層の塗布銀量を0.19g/m2
下、あるいは総塗布銀量を0.78g/m2以下とするには、発
色させるカプラーに二当量カプラーを用いることが有利
である。特にマゼンタカプラーについては、ピラゾロン
型の二当量カプラーも好ましいが、後述するピロゾロア
ゾール型二当量カプラーを用いることはその当量性と発
色効率の高さ故に塗布銀量を少なくする上で非常に有利
である。またシアンカプラーにおいてもピラゾロアゾー
ル型カプラーを用いることは塗布銀量を少なくする上で
有利である。従って、本発明においてはマゼンタおよび
/またはシアンカプラーとしてピラゾロアゾール型二当
量カプラーを用いることが好ましい。
本発明において、シアン発色性ハロゲン化銀乳剤層・
マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層・イエロー発色性ハ
ロゲン化銀乳剤層は、それぞれ異なる波長領域に感光ピ
ークすなわち分光感度ピークを有するが、これらのハロ
ゲン化銀乳剤層のうち、最も長波長に分光感度ピークを
有するハロゲン化銀乳剤層の感度は、水溶性または脱色
性染料により35%以下10%以上の感度に低下するように
設定されていなければならない。より好ましくは25%以
下の感度に低下するように設定することであり、更には
20%以下の感度に低下するように設定することである。
また、二番目に長波長の分光感度ピークを有するハロ
ゲン化銀乳剤層は、水溶性または脱色性染料により50%
以下20%以上の感度に低下するように設定されていなけ
ればならない。より好ましくは40%以下の感度に低下す
るように設定することであり、更には35%以下の感度に
低下するように設定することである。
最も短波長の分光感度ピークを有するハロゲン化銀乳
剤層は、水溶性または脱色性染料により70%以下30%以
上の感度に低下するように設定されていなければならな
い。より好ましくは50%以下の感度に低下するように設
定することであり、更には40%以下の感度に低下するよ
うに設定することである。
一つあるいは二つの層だけを、上記の感度設定範囲を
はずれて感度低下させても、各層間の鮮鋭度のバランス
上好ましくない。
本発明において、反射支持体は重要である。本発明で
は支持体上にいわゆるアンチハレーション層を有する場
合には効果が現れにくく、従って支持体表面における光
反射率は高いことが望ましい。光反射率を高くするため
に支持体表面に光反射層を有することが好ましい。
本発明の支持体は微粒子の二酸化チタンを10重量%以
上耐水性樹脂中に分散して含有させた被覆層を含むもの
であってもよい。同様に微粒子の二酸化チタンを10重量
%以上含む親水性コロイド層を塗布したものであっても
よい。
微粒子の二酸化チタンの含有率は、好ましくは13重量
%以上、更に好ましくは15重量%以上である。
二酸化チタン微粒子の表面はシリカや酸化アルミニウ
ム等の無機酸化物とあわせまたは別々に2価ないし4価
のアルコール類、例えば特開昭58−17151号等に記載の
2,4−ジヒドロキシ−2−メチルペンタンやトリメチロ
ールエタン等で表面処理して用いるのがよい。二酸化チ
タン微粒子を分散して含有する耐水性樹脂層あるいは親
水性コロイド層は、2μmないし200μm、好ましくは
5μmないし80μmの間で使用される。二酸化チタン微
粒子含有率の異なる二つ以上の複数の耐水性樹脂層ある
いは親水性コロイド層を合せ用いてもよい。二つ以上の
複数の耐水性樹脂層あるいは親水性コロイド層を合せ用
いる場合は、支持体からより遠い側の層の二酸化チタン
微粒子含有率を高くしておくことが好ましい。
本発明において、二酸化チタン微粒子の耐水性樹脂層
あるいは親水性コロイド層中における分散性、具体的に
は二酸化チタン微粒子の支持体単位面積に対する占有面
積比率(%)の変動係数は、0.20以下が好ましく、更に
は0.15以下、特に0.10以下が好ましい。
二酸化チタン微粒子のこのような分散性は、樹脂また
はコロイド層の表面ないし表面から0.1μm、好ましく
は0.05μm程度の厚みをグロー放電によるイオン・スパ
ッタリング法により表面の樹脂またはコロイド層を飛散
させ、露出させた二酸化チタン微粒子を電子顕微鏡によ
り観察し、その撮影占有面積を求めることで占有面積比
率の変動係数を求めることができる。イオン・スパッタ
リング法は、村山洋一、柏木邦宏著の「プラズマを利用
した表面処理技術」、機械の研究第33巻6号(1981年)
等に詳しく記載されている。
二酸化チタン微粒子の占有面積比率の変動係数を0.20
以下に制御するには、界面活性剤の存在下に二酸化チタ
ン微粒子を十分に混練するのがよく、また二酸化チタン
微粒子の表面に先に述べたような2価から4価のアルコ
ールで処理したものを用いるのが好ましい。
二酸化チタン微粒子の規定された単位面積当たりの占
有面積比率は、最も代表的には、観察された面積を相接
する6μm×6μmの正方形単位面積に区分し、その単
位面積に投影される微粒子の占有面積比率Riを測定して
求めることができる。
占有面積比率Riの変動係数は、Riの平均値Rに対する
Riの標準偏差sの比s/Rによって求めることができる。
対象とする単位面積の個数nは6以上が好ましい。従っ
て変動係数s/Rは によって求めることができる。
二酸化チタン微粒子はルチル型を用いることもできる
し、アナターゼ型を用いることもできる。二酸化チタン
以外の白色顔料、例えば硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、リン酸チタン、酸化アルミ
ニウム等を置換えてあるいは併用して使用することがで
きる。
本発明において用いられる反射支持体は、基質の上に
耐水性樹脂層あるいは親水性コロイド層を被覆したもの
を用いることができ、基質としては天然パルプ、合成パ
ルプあるいはそれらの混合物より得られた原紙やポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
等のポリエステルフィルム、三酢酸セルローズフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等
のプラスチックフィルムを用いることができる。
本発明に用いる原紙は、写真印画紙に一般的に用いら
れる材料から選ばれる。即ち、針葉樹、広葉樹等が選ば
れる天然パルプを主原料に、必要に応じクレー、タル
ク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の塩料、またロ
ジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、パラフィ
ンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、ポリア
クリルアミド等の紙力増強剤、更に硫酸バンド、カチオ
ン性ポリマー等の定着剤を添加したものが用いられる。
特に、アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸等
の反応性サイズ剤を用いた、pH5〜7の中性紙を使用し
たものが好ましい。pHは、電極に東亜電波工業株式会社
製の平面型GST−5313Fを使用したpH計で測定できる。中
性紙はpH値が5以上、のものであり、好ましくは5から
9の値を示すものである。
パルプは天然パルプ、合成パルプのいずれを用いるこ
ともできるが、このパルプ表面にゼラチン、スターチ、
カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコールるいはその変性物等の被膜形成ポリ
マーにより表面サイズ処理をすることもできる。この場
合のポリビニルアルコール変性物としては、カルボキシ
ル基変性物、シラール変性物、アクリルアミドとの共重
合物等が挙げられる。また被膜形成ポリマーにより表面
サイズ処理をする場合の被膜形成ポリマーの塗布量は、
0.1〜5.0g/m2、好ましくは0.5〜2.0g/m2に調節される。
更にこの場合の被膜形成ポリマーには、必要に応じて帯
電防止剤、蛍光増白剤、顔料、消泡剤等を添加すること
ができる。
また、原紙は、上述したパルプ、および必要に応じて
塩料、サイズ剤、紙力補強剤、定着剤等の添加剤を含有
したパルプスラリーを長網抄紙機等の抄紙機により抄紙
し、乾燥し、巻取って製造される。この乾燥の前後のい
ずれかにおいて前記の表面サイズ処理が行われ、また乾
燥後から巻取りの間にカレンダー処理が行われる。この
カレンダー処理は、表面サイズ処理を乾燥後に行う場合
には、表面サイズ処理の前後のいずれにおいても実施す
ることができる。
本発明において、耐水性樹脂は塩化ビニル樹脂のよう
にそれ自身が支持体を構成してもよい。本発明において
耐水性樹脂とは、重量における吸水率が0.5、好ましく
は0.1以下の樹脂で、例えばポリアルキレン(ポリエチ
レン、ポリプロピレンおよびそのコポリマー等)、ビニ
ルポリマー(ポリスチレン、ポリアクリレートおよびそ
のコポリマー等)、ポリエステルおよびそのコポリマー
等である。好ましくはポリアルキレン樹脂で、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンおよ
びそのブレンド品が用いられる。必要に応じて蛍光増白
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、剥離剤等が添加される。
特開昭57−27257号、同57−49946号、同61−262738号
に記載のように、重合可能な炭素−炭素二重結合を1分
子中に1個以上持つ不飽和有機化合物、例えばメタクリ
ル酸エステル系化合物、特開昭61−262738号に記載のジ
−、トリーまたはテトラ−アクリル酸エステル等を用い
ることができる。この場合基質上に塗布した後、電子線
照射により硬化させ、耐水性樹脂層とする。
本発明において、親水性コロイド層としては例えばゼ
ラチンを用いることができる。その他ポリビニルアルコ
ールやポリアクリル酸等を用いることもできる。ゼラチ
ンと混用してもよい。
本発明において、耐水性樹脂層を塗膜する方法は、例
えば加工技術研究会編「新ラミネート加工便覧」等に記
載のラミネーション方法、具体的にはドライラミネーシ
ョン、無溶剤型ドライラミネーション等が用いられ、ま
た塗布にはグラビアロール型、ワイヤーバー型、ドクタ
ーブレード型、リバースロール型、ディップ型、エアナ
イフ型、カレンダー型、キス型、スクイーズ型、ファン
チン型コーティング等の方法から選んで用いられる。親
水性コロイド層も同様の方法により、塗膜することがで
きるが、親水性コロイド層については支持体上に感光性
層を塗布するときに同時に塗布してもよい。
支持体の表面に、好ましくはコロナ放電処理、グロー
放電処理、あるいは火焔処理等を行なう。
支持体は反射層を含む総厚として30μmないし400μ
mが好ましく、重量においては30g/m2ないし350g/m2
好ましい。より好ましくは50g/m2ないし200g/m2であ
る。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の感光層に用いる
ハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成は塩化銀または塩臭化
銀、塩沃臭化銀、沃塩化銀等のいずれでもよいが、沃化
銀は実質的に含まないことが好ましく、塩化銀または塩
化銀を多く含む塩臭化銀が、迅速な処理をする上で好ま
しく、塩化銀を96モル%以上含有する塩臭化銀乳剤また
は塩化銀乳剤から成ることが更に好ましい。臭化銀を含
有する場合は、その粒子内または表面に局在相として存
在することが好ましい。ここにおいて、ハロゲン化銀粒
子の内部および表面の少なくともいずれかに臭化銀含有
率が異なる局在的部分構造を有することを局在相を有す
るという。そしてまた純塩化銀においては、銀イオンと
異なる金属イオン、例えばイリジウムやロジウムそして
鉄等の含有率の異なる局在的部分構造を有することも、
局在相を有するという。
本発明において、ハロゲン化銀粒子が塩臭化銀から成
る場合には、臭化銀含有率において15モル%を越える局
在相を有する平均塩化銀含有率96モル%以上の塩臭化銀
であることが好ましい。このような臭化銀を高含有率で
含む局在相の配置はその乳剤で得るべき性能によって任
意にとり得、ハロゲン化銀粒子内部にあっても、粒子表
面または粒子表面近くにあってもよく、またそれらの二
ケ所以上に同時に存在してもよい。また局在相は、ハロ
ゲン化銀粒子内部、粒子表面または粒子表面近くのいず
れの場合でも、粒子を取囲むような層状の構造をとって
いてもあるいは不連続に孤立した構造をとっていても更
には網目状の構造や、それ等の複合された構造を有して
いてもよい。
局在相の好ましい配置の例としては、ハロゲン化銀粒
子の表面に臭化銀含有率において少なくとも15モル%を
越える塩臭化銀が局在しているものである。局在相の臭
化銀含有率は15モル%を越えることが好ましいが、70モ
ル%を越えることは好ましくない。臭化銀含有率が高過
ぎると、その乳剤を用いた感光材料に機械的圧力を加え
た後に感光させたときのいわゆる圧力減感が大きくなっ
たり、処理液の組成の変動によって写真性も大きく変動
してしまう等の好ましくない性能がもたらされることが
ある。
従って、局在相における臭化銀含有率は15〜70モル%
の範囲が好ましく、20〜60モル%の範囲がより好まし
い。更には、30〜50モル%の範囲が好ましい。
該局在相は、本発明のハロゲン化銀粒子を構成する全
銀量の0.01〜20モル%の銀から構成されることが好まし
く、更には0.02〜7モル%の銀から構成されることが好
ましい。
このような臭化銀含有率の高い局在相とその他の相と
の界面は、明瞭な境界を有してもよく、またハロゲン組
成が徐々に連続的に変化する境界領域を有していてもよ
い。
このような臭化銀局在相の臭化銀含有率は、X線回折
法(例えば「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解
析」丸善、に記載されている)あるいはXPS法(例え
ば、「表面分析、−IMA、オージェ電子・光電子分光の
応用−」講談社、に記載されている)等を用いて分析す
ることができ、電子顕微鏡でその存在を知ることもでき
る。
本発明において、以上のような臭化銀局在相あるいは
金属塩局在相を形成するためには様々な方法を用いるこ
とができる。例えば、可溶性銀塩と可溶性臭化物または
金属塩を片側混合法あるいは同時混合法で反応させて局
在相を形成させることができる。既に形成されているハ
ロゲン化銀をより溶解度積の小さなハロゲン化銀に変換
する過程を含む、いわゆるハロゲン変換法を用いて局在
相を形成することもできる。あるいは既に形成されてい
るハロゲン組成の異なるハロゲン化銀同士を混合熟成す
ることにより再結晶化を生じさせ、局在相を形成させる
こともできる。塩化銀粒子の表面に塩臭化銀局在相を形
成させる場合には、既に形成されている塩化銀粒子に対
して粒子サイズの相対的に小さな微粒子の臭化銀を添加
・熟成することにより再結晶化を生じさせ、局在相を形
成させることが好ましい。
局在相を形成するためのハロゲン化合物溶液の添加、
難溶性ハロゲン化物の添加、銀塩溶液・ハロゲン塩溶液
の添加、または微粒子ハロゲン化銀の添加等の時期、熟
成の時間・温度あるいは添加時間・熟成時の銀イオン濃
度等を変えてハロゲン変換あるいは再結晶化の程度を変
えることにより、乳剤が所望の性能になるような制御を
加えることができる。
以上のような局在相を有する乳剤は沃化銀を含有して
もよい。沃化銀も局在していることが好ましい。沃化銀
の含有量は、本発明においては0〜3モル%が好ましい
が、更には0〜1モル%であり、最も好ましくは0〜0.
6モル%である。
また本発明のハロゲン化銀乳剤には、以上に述べたよ
うな各種のハロゲン化銀以外に、ハロゲン化銀以外の無
機銀塩、例えばロダン銀、リン酸銀等が含有されていて
もよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤の結晶粒子の外形は、立方
体、八面体、十四面体あるいは菱十二面体等のようない
わゆるレジュラー粒子の形状をとることもできるし、ま
た球状、平板状等のイレギュラーな粒子形状をとること
もできる。また、それらの結晶面を複合的に合せ持つよ
り複雑な形状の粒子であっても、更にはより高次の結晶
面を有する粒子であってもよい。また、これ等のハロゲ
ン化銀粒子が混在していてもよい。
また本発明に使用する乳剤が、平均アスペクト比(粒
子の主平面に対する円換算直径/粒子厚みの比)が5以
上、特に好ましくは8以上の平板粒子が粒子の全投影面
積の50%以上を占めるような乳剤である場合は迅速処理
性に有利である。
ハロゲン化銀粒子のサイズ分布は広くても狭くてもよ
いが、いわゆる単分散乳剤のほうが感度安定性において
好ましい。ハロゲン化銀粒子の投影面積を円換算したと
きの直径の分布の標準偏差Sを平均直径dで割った値S/
dが20%以下が好ましく、15%以下であれば更に好まし
い。
本発明に好ましく用いられるのは、レギュラーな結晶
形を持つハロゲン化銀粒子を粒子数または重量において
50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90
%以上含有するような単分散のハロゲン化銀乳剤であ
り、特に(100)結晶面を有する立方体あるいは十四面
体等のハロゲン化銀粒子で、以上に述べた局在相を立方
体のコーナー相当部分またはエッジ相当部分に有する乳
剤が好ましい。金属塩の局在相については、エッジやコ
ーナー以外の例えば(100)面に存在させることも本発
明においては好ましい。このようなハロゲン化銀粒子の
表面にある不連続に孤立した局在相は、基体のハロゲン
化銀粒子を含有する乳剤に、銀イオン濃度、水素イオン
濃度、温度あるいは時間等を制御しながら臭素イオンあ
るいは金属イオンを供給してハロゲン変換等によって形
成させることができるが、この場合イオンを系内の各粒
子に対して均一に行渡らせることが必要ならば、系を十
分に撹拌しながら供給させることが好ましい。同時にイ
オンを低濃度で供給したり、徐々に供給することも好ま
しい。徐々に供給する手段として、例えばブロムサクシ
ンイミドあるいはブロムプロピオン酸のような有機ハロ
ゲン化合物や半浸透性カプセル膜でカバーしたハロゲン
化合物を用いることもできる。
また、基体のハロゲン化銀粒子を含有する乳剤に、銀
イオン濃度等を制御しつつ銀イオンとハロゲンイオンを
供給して、限定された粒子部位にハロゲン化銀を成長さ
せるか、基体のハロゲン化銀粒子よりも微粒子のハロゲ
ン化銀結晶を混合して、再結晶化により基体のハロゲン
化銀粒子のエッジやコーナー等の限定された部位にハロ
ゲン化銀を成長させることにより、局在相を形成させる
ことができる。この場合、必要によりハロゲン化銀溶剤
を併用することもできる。
また、特願昭62−263318号、同62−329265号、同63−
7861号明細書に記載の、ハロゲン変換ないし再結晶化の
制御化合物を併用することもできるし、臭化銀微結晶と
同様に沃臭化銀、塩臭化銀等の微結晶を用いて調製する
こともできる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン
化銀結晶の粒子サイズは、体積換算相当球の直径の平均
で0.05μm以上2μm以下が好ましく、更には0.1μ以
上1.5μ以下が好ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkides著「Chemi
e et Phisique Photographique」(Paul Montel社刊、1
967年)、G.F.Duffin著「Photographic Emulsion Chemi
stry」(Focal Press社刊、1966年)、V.L.Zelikman et
al著「Making and Coating of Photographic Emulsio
n」(Focal Press社刊、1964年)等に記載された方法を
利用して調製することができる。
即ち、調製法としては、酸性法、中性法、アンモニア
法等のいずれでもよいが、特に酸性法、中性法は本発明
においてカブリを少なくする点で好ましい。高感度を得
るために、中性よりも低い水素イオン濃度下で調製する
ことも好ましい。また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を
反応させてハロゲン化銀乳剤を得るにはいわゆる片側混
合法、同時混合法またはそれらの組み合わせのいずれを
用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の条件下において形
成させるいわゆる逆混合法を用いることもできる。本発
明に好ましい単分散粒子の乳剤を得るには同時混合法を
用いることが好ましい。同時混合法の一つの形式とし
て、ハロゲン化銀の生成する液相中の銀イオン濃度を一
定に保つ方法、即ちいわゆるコントロールド・ダブル・
ジェット法を用いることは更に好ましい。この方法を用
いると、ハロゲン化銀結晶形状が規則的で粒子サイズ分
布が狭い本発明に好ましいハロゲン化銀乳剤を得ること
ができる。
このようなハロゲン化銀の粒子形成または物理熟成の
過程において、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム
塩、あるいは前述のようなイリジウム塩またはその錯
塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩またはその錯塩を
共存させてもよい。
粒子形成時または形成後に、ハロゲン化銀溶剤(例え
ば、公知のものとして、アンモニア、チオシアン酸塩、
米国特許第3,271,157号、特開昭51−12360号、特開昭53
−82408号、特開昭53−144319号、特開昭54−100717号
あるいは特開昭54−155828号等に記載のチオエーテル類
およびチオン化合物)を用いてもよく、前述の方法と併
用すると、ハロゲン化銀結晶形状が規則的で粒子サイズ
分布が狭い本発明に好ましいハロゲン化銀乳を得ること
ができる。
物理熟成後の乳剤から可溶性塩を除去するには、ヌー
デル水洗、フロキュレーション沈降法、または限外過
法等を利用することができる。
本発明に使用する乳剤は硫黄増感あるいはセレン増
感、還元増感、貴金属増感等の単独もしくは併用により
化学増感することができる。即ち活性ゼラチンや、銀イ
オンと反応し得る硫黄化合物を含む化合物(例えばチオ
硫酸塩、チオ尿素化合物、メルカプト化合物、ローダニ
ン化合物等)を用いる硫黄増感法や、還元性物質(例え
ば第一スズ塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムア
ミジンスルフィン酸、シラン化合物、アスコルビン酸
等)を用いる還元増感法、そして金属化合物(例えば前
述の金錯塩、白金、イリジウム、パラジウム、ロジウ
ム、鉄等の周期率表第VIII族の金属塩またはその錯塩
等)を用いる貴金属増感法等を、単独または組み合わせ
て用いることができる。本発明の乳剤においては、硫黄
増感またはセレン増感が好ましく用いられ、更にこれら
に金増感を併用することも好ましい。またこれらの化学
増感に際し、ヒドロキシアザインデン化合物あるいは核
酸を存在させることが、感度・階調を制御する上で好ま
しい。
本発明に用いるハロゲン化銀粒子には、銀イオン以外
の金属イオン(例えば周期率表第VIII族の金属イオン、
第II族の遷移金属イオン、第IV族の鉛イオン、第I族の
金イオンや銅イオン等)あるいはその錯イオンを含有さ
せることが、本発明の感度安定化効果を様々な条件でよ
り良く発揮させる上で好ましい。これ等の金属イオンあ
るいはその錯イオンを含有させるのは、ハロゲン化銀粒
子全体であっても、前述の局在相であっても、その他の
相であってもよい。
前記の金属イオンあるいはその錯イオンのうち、イリ
ジウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、亜
鉛イオン、鉄イオン、白金イオン、金イオン、銅イオン
等から選ばれたものは特に有用である。これ等の金属イ
オンあるいは錯イオンは単独で用いるよりも併用するこ
とで望ましい写真性が得られることも多く、局在相と粒
子のその他の部分の間で添加イオン種や添加量を変える
ことが好ましい。特に、イリジウムイオンやロジウムイ
オンは局在相に含有させることが好ましい。
金属イオンあるいは錯イオンをハロゲン化銀粒子の局
在相または粒子のその他の部分に含有させるには、この
金属イオンあるいは錯イオンをハロゲン化銀粒子の形成
前、形成中あるいは形成後の物理熟成時に反応容器に直
接添加するか、水溶性ハロゲン塩または水溶性銀塩の添
加液の中に予め添加しておけばよい。局在相を微粒子の
臭化銀で形成する場合には上記と同様の方法で臭化銀ま
たは沃化銀微粒子中に含有させておいて、それを塩化銀
または高塩化銀乳剤に添加してもよい。また、銀塩以外
の例えば上記のような金属イオンの比較的難溶性の臭化
物を固体あるいは粉末のまま添加することで、局在相を
形成しつつ金属イオンを含有させておいて高塩化銀乳剤
の特徴を十分に発揮することができる。
本発明において、分光増感色素の使用は重要である。
本発明に用いる分光増感色素としてはシアニン色素、メ
ロシアニン色素、複合メロシアニン色素等が用いられ
る。この他、複合シアニン色素、ホロポーラーシアニン
色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキ
ソノール色素が用いられる。シアニン色素としてはシン
プルシアニン色素、カルボシアニン色素が好ましく用い
られる。これらのシアニン色素は下記の一般式(I)で
表わすことができる。
式中、Lはメチン基または置換メチン基を表わし、R1
およびR2はそれぞれアルキル基または置換アルキル基を
表わす。Z1およびZ2はそれぞれ含窒素の5員ないし6員
ヘテロ環核を形成するような原子群を表わし、Xはアニ
オンを表わす。nは1、3または5の数値を表わし、n1
およびn2はそれぞれ0または1であり、n=5のときは
n1もn2も0であり、n=3のときはn1またはn2のいずれ
か一方が0である。mは0または1を表わすが、分子内
塩を形成するときは0である。またnが5のときはL同
士が連結して置換または無置換の5員または6員環を形
成してもよい。
一般式(I)で表わされるシアニン色素について以下
に詳しく説明する。
Lで代表される置換メチン基の置換基としては、低級
アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)やアラルキ
ル基(例えばベンジル基やフェネチル基等)を挙げるこ
とができる。
R1およびR2で代表されるアルキル基は直鎖でも分岐で
もよく、あるいは環状でもよい。またその炭素数に制限
はないが、1から8が好ましく、その中でも1から4が
特に好ましい。また置換アルキル基の置換基としては、
例えばスルホン酸基、カルボン酸基、水酸基、アルコキ
シ基、アシルオキシ基、アリール基(例えばフェニル
基、置換フェニル基等)を挙げることができる。これら
の基は単独で、または二つ以上が組合わさってアルキル
基に結合してもよい。スルホン酸基やカルボン酸基はア
ルカリ金属イオンと塩を形成していてもよい。ここで二
つ以上が組合わさってとは、これらの基がそれぞれ独立
にアルキル基に結合する場合を含む。後者の例としてス
ルホアルコキシアルキル基、スルホアルコキシアルコキ
シアルキル基、カルボキシアルコキシアルキル基やスル
ホフェニルアルキル基を挙げることができる。
R1およびR2の具体例は、それぞれメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、ビニルメチル基、
2−ヒドロキシエチル基、4−ヒドロキシブチル基、2
−アセトキシエチル基、3−アセトキシプロピル基、2
−メトキシエチル基、4−メトキシブチル基、2−カル
ボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、2−(2
−カルボキシエトキシ)エチル基、2−スルホエチル
基、3−スルホプロピル基、3−スルホブチル基、4−
スルホブチル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル
基、2−(3−スルホプロポキシ)エチル基、2−アセ
トキシ−3−スルホプロピル基、3−メトキシ−2−
(3−スルホプロポキシ)プロピル基、2−〔2−(3
−スルホプロポキシ)エトキシエチル基、2−ヒドロキ
シ−3−(3′−スルホプロポキシ)プロピル基等であ
る。
Z1またはZ2で形成される含窒素ヘテロ環核お具体例と
しては、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール
核、イミダゾール核、ピリジン核、オキサゾリン核、チ
アゾリン核、セレナゾリン核、イミダゾリン核、および
これらにベンゼン環、ナフタレン環またはその他の飽和
もしくは不飽和炭化水素環が縮合したものを挙げること
ができ、これらの含窒素ヘテロ環には、更に置換基(例
えばアルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカ
ルボニル基、シアノ基、カルボン酸基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アリール基、アシル基、ヒドロキシ
ル基、ハロゲン原子等が結合していてもよい。Xで代表
されるアニオンとしては、Cl-、Br-、I-、SO4--、N
O3-、ClO4--等を挙げることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は可視域の分光増感以外に
赤ないし赤外域の分光増感にも適しており、本発明にお
いて、赤増感ないし赤外増感のために好ましく用いられ
る分光増感色素は、下記一般式(II)、(III)および
(IV)の中から選択することができる。
これらの分光増感色素は、ハロゲン化銀粒子表面に比
較的強く吸着し、カラー感光材料等において、カプラー
が共存する場合においても脱着されにくいという特徴を
有する。
本発明においては、一般式(II)、(III)および(I
V)で表わされる化合物の中から、少なくとも一つの化
合物を選んで720nm以上に分光増感ピークを有するよう
に分光増感することができる。カラー感光材料において
は、少なくとも一つの感光層が一般式(II)、(III)
および(IV)で表わされる化合物の中から選ばれた化合
物で720nm以上に分光増感ピークを有するように分光増
感されてもよいが、好ましくは二つ以上の感光層がこれ
らの化合物の中から選ばれた異なる化合物で分光増感さ
れる。
一般式(II)、(III)および(IV)で表わされる化
合物には、ハロゲン化銀乳剤粒子に吸着して720nm以上
に分光増感ピークを有するように分光増感する化合物が
含まれているが、720nm以下に分光増感ピークを有する
ように分光増感する化合物も含まれている。
従って、少なくとも一つの感光層が720nm以上に分光
増感ピークを有するように分光増感されていさえすれ
ば、720nm以下に分光増感ピークを有する他の感光層
が、これらの一般式に含まれる化合物で分光増感されて
もよいし、これらの一般式に含まれない化合物、例えば
一般式(I)で表わされる化合物で分光増感されていて
もよい。
以下に一般式(II)、(III)および(IV)で表わさ
れる増感色素について詳述する。
式中、Z11とZ12はそれぞれ複素環を形成するに必要な
原子団を表わす。
複素環核としては、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原
子、酸素原子、セレン原子あるいはテルル原子を含む5
〜6員環核が好ましい。こられらの環には更に縮合環が
結合してもよく、また更に置換基が結合していてもよ
い。
前記の複素環核の例としては、チアゾール環核、ベン
ゾチアゾール環核、ナフトチアゾール環核、セレナゾー
ル環核、ベンゾセレナゾール環核、ナフトセレナゾール
環核、オキサゾール環核、ベンゾオキサゾール環核、ナ
フトオキサゾール環核、イミダゾール環核、ベンズイミ
ダゾール環核、ナフトイミダゾール環核、2−キノリン
環核、4−キノリン環核、ピロリン環核、ピリジン環
核、テトラゾール環核、インドレニン環核、ベンズイン
ドレニン環核、インドール環核、テルラゾール環核、ベ
ンゾテルラゾール環核、ナフトテルラゾール環核等を挙
げることができる。
R11およびR12はそれぞれアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基またはアラルキル基を表わす。おれらの基
および以下に述べる基はそれぞれ置換体を含むものであ
ってもよい。例えば、アルキル基に対しては、無置換ア
ルキル基および置換アルキル基を含み、アルキル基自体
も直鎖でも分岐でもあるいは環状でもよい。アルキル基
の炭素数は好ましくは1〜8である。また、置換アルキ
ル基の置換基の具体例としては、ハロゲン原子(塩素、
臭素、フッ素等)、シアノ基、アルコキシ基、置換また
は無置換アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、水酸
基等を挙げることができ、これらの1個でも、または複
数が組み合わさって置換していてもよい。
アルケニル基の具体例としては、ビニルメチル基を挙
げることができる。
アラルキル基の具体例としては、ベンジル基やフェネ
チル基を挙げることができる。
m11は、1、2または3の整数を表わす。
R13は水素原子を表わし、R14は水素原子、低級アルキ
ル基またはアラルキル基を表わすほか、R12と連結して
5員ないし6員環を形成することができる。また、R14
が水素原子を表わす場合、R13は他のR13と連結して炭化
水素環または複素環を形成してもよい。これらの環は5
員ないし6員環が好ましい。j11、k11は0または1を表
わし、x11は酸アニオンを表わし、n11は0または1を表
わす。
式中、Z21、Z22は前述のZ11またはZ12と同義である。
R21、R22はR11またはR12と同義であり、R23はアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基(例
えば置換または無置換フェニル基等)を表わす。m21は
1、2または3を表わす。R24は水素原子、低級アルキ
ル基、アリール基を表わすほか、R24と他のR24とが連結
して炭化水素環または複素環を形成してもよい。これら
の環は5員または6員環が好ましい。
Q21は硫黄原子、酸素原子、セレン原子または>N−R
25を表わし、R25はR23と同義である。j21、k21、x21お
よびn21はそれぞれj11、k11、x11およびn11と同義であ
る。
式中、Z31は複素環を形成するのに必要な原子団を表
わす。この複素環としては、Z11やZ12に関して述べたも
のの他チアゾリジン環、チアゾリン環、ベンゾチアゾリ
ン環、ナフトチアゾリン環、セレナゾリジン環、セレナ
ゾリン環、ベンゾセレナゾリン環、ナフトセレナゾリン
環、ベンゾオキサゾリン環、ナフトオキサゾリン環、ジ
ヒドロピリジン環、ジヒドロキノリン環、ベンズイミダ
ゾリン環、ナフトイミダゾリン環等を挙げることができ
る。
Q31あはQ21と同義である。R31はR11またはR12と、R32
はR23とそれぞれ同義である。m31は2または3を表わ
す。R33はR24と同義のほか、R33と他のR33とが連結して
炭化水素環または複素環を形成してもよい。j31はj11と
同義である。
一般式(II)において、Z11および/またはZ12の複素
環核が特にナフトチアゾール環、ナフトセレナゾール
環、ナフトオキサゾール環、ナフトイミダゾール環、4
−キノリン環をもつ増感色素が好ましい。
一般式(III)におけるZ21および/またはZ22、一般
式(IV)におけるZ31においても同様である。また、メ
チン鎖が炭化水素環または複素環を形成した増感色素が
好ましい。
赤外増感は、増感色素のMバンドによる増感を用いる
ことが一般的なので、通常は分光感度分布がJ.バンドに
よる増感に比べてブロードである。このため、所定の感
光層より感光面側のコロイド層に、染料等を含有させた
着色層を設けて分光感度分布を調節することが好まし
い。この着色層はフィルター効果により混色を防止する
のに有効である。
赤感性ないし赤外感光性増感色素としては、特に還元
電位が−1.00V(vsSCE)またはそれより卑の値を有する
化合物が好ましく、中でも還元電位が−1.10またはそれ
より更に卑の値の化合物が好ましい。この特性を持つ増
感色素は、高感度化、特に感度の安定化や潜像の安定化
に有利である。
還元電位の測定は、位相弁別式第二高調波交流ポーラ
ログラフィーで行うことができる。作用電極に水銀滴下
電極を、参照電極に飽和カロメロ電極を、更に対極に白
金電極を用いて行なう。
また、作用電極に用いた位相弁別式第二高調波交流ボ
ルタンメトリーにより還元電位の測定は「ジャーナル・
オブ・イメージング・サイエンス」(Journal of Imagi
ng Science)、第30巻、27〜35頁(1986年)に記載され
ている。
更に特願昭63−310211号明細書に示された一般式〔I
V〕、〔V〕、〔VI〕および〔VII〕によって表わされる
化合物群の中から選ばれた化合物、あるいは一般式〔VI
II−a〕、〔VIII−b〕、〔VIII−c〕によって表わさ
れる化合物のホルムアルデヒド縮合物等の中から選ばれ
た化合物を併せ用いるとよい。
以下に一般式(II)、(III)および(IV)で表わさ
れる増感色素の具体例を示す。
本発明に用いる増感色素はハロゲン化銀1モル当り5
×10-7モル〜5×10-3モル、好ましくは、1×106モル
〜1×10-3モル、特に好ましくは2×10-6モル〜5×10
-4モルの割合でハロゲン化銀写真乳剤中に含有される。
本発明に用いる増感色素は、直接乳剤中へ分散するこ
とができる。また、これらはまず適当な溶媒、例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソル
ブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒
などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加することも
できる。また、溶解に超音波を使用することもできる。
また、この赤外増感色素の添加方法としては米国特許第
3,469,987号明細書などに記載の如き、色素を揮発性の
有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロイド中に分散
し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24
185号などに記載の如き、水不溶性色素を溶解すること
なしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤へ添
加する方法、米国特許第3,822,135号明細書に記載の如
き、界面活性許第3,822,135号明細書に記載の如き、界
面活性剤に色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方
法、特開昭51−74624号に記載の如き、レッドシフトさ
せる化合物を用いて溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する
方法、特開昭50−80826号に記載の如き色素を実質的に
水を含まない酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方
法などが用いられる。その他、乳剤への添加には米国特
許第2,912,343号、同3,342,605号、同2,996,287号、同
3,429,835号などに記載の方法も用いられる。また上記
赤外増感色素は適当な支持体上に塗布される前にハロゲ
ン化銀乳剤中に一様に分散してよい。また、化学増感の
前に添加、またハロゲン化銀粒子形成の後半の期に添加
するのがよい。
本発明によるハロゲン化銀カラー感光材料には、迅速
なカラー現像処理に適合させるために、現像されたハロ
ゲン化銀に対する発色カプラーのモル比が高いカプラー
を用いることが好ましく、それにより感光性ハロゲン化
銀の使用量を減少することができる。とくにいわゆる2
当量カプラーが好ましく用いられる。さらには発色現像
主薬の芳香族アミンのキノン・ジイミン体とカラーカプ
ラーとカップリング反応し続く1電子酸化発色過程をハ
ロゲン化銀以外の酸化剤で行なういわゆ1当量カプラー
の使用方法を併用してもよい。
通常、カラー感光材料は、最大発色色濃度が透過濃度
で3以上、また反射濃度で2以上になるようにカラーカ
プラーを用いる。本発明の露光部ユニットを用いる画像
形成法では、画像処理装置による色補正処理と併せ色階
調変換処理を行なうので、最大発色反射濃度で約1.2、
好ましくは約1.6ないし2.0程度で優れた色画像を得るこ
ともできる。従ってカラカプラーおよび感光性ハロゲン
化銀の使用量を減少させることができる。
本発明で用いるカラー感光材料、とくに反射カラー感
光材料のイエローカプラー、マゼンタカプラーおよびシ
アンの各カプラーの使用量は、夫々2.5〜10×10-4、1.5
〜8×10-4および1.5〜7×10-4モル/m2である。
本発明によるカラー感光材料に適合する、カプラーに
ついて説明する。
本発明において好ましく使用されるシアンカプラー、
マゼンタカプラーおよびイエローカプラーは、下記一般
式(C−I)、(C−II)、(M−I)、(M−II)お
よび(Y)で示されるものである。
一般式(C−I)および(C−II)において、R1、R2
およびR4は置換もしくは無置換の脂肪族、芳香族または
複素環基を表し、R3、R5およびR6は水素原子、ハロゲン
原子、脂肪族基、芳香族基またはアシルアミノ基を表
し、R3はR2と共に含窒素の5員環もしくは6員環を形成
する非金属原子群を表してもよい。Y1、Y2は水素原子ま
たは現像主薬の酸化体とのカップリング反応時に離脱し
うる基を表す。nは0又は1を表す。
一般式(C−II)におけるR5としては脂肪族基である
ことが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンタデシル基、tert−ブチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、フェニルチ
オメチル基、ドデシルオキシフェニルチオメチル基、プ
タンアミドメチル基、メトキシメチル基などを挙げるこ
とができる。
前記一般式(C−I)または(C−II)で表わされる
シアンカプラーの好ましい例は次の通りである。
一般式(C−I)において好ましいR1はアリール基、
複素環基であり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、
カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル
基、スルホニル基、スルファミド基、オキシカルボニル
基、シアノ基で置換されたアリール基であることがさら
に好ましい。
一般式(C−I)においてR3とR2で環を形成しない場
合、R2は好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基、
アリール基であり、特に好ましくは置換アリールオキシ
置換のアルキル基であり、R3は好ましくは水素原子であ
る。
一般式(C−II)において好ましいR4は置換もしくは
無置換のアルキル基、アリール基であり、特に好ましく
は置換アリールオキシ置換のアルキル基である。
一般式(C−II)において好ましいR5は炭素数2〜15
のアルキル基および炭素数1以上の置換基を有するメチ
ル基であり、置換基としてはアリールチオ基、アルキル
チオ基、アシルアミノ基、アリールオキシ基、アルキル
オキシ基が好ましい。
一般式(C−II)においてR5は炭素数2〜15のアルキ
ル基であることがさらに好ましく、炭素数2〜4のアル
キル基であることが特に好ましい。
一般式(C−II)において好ましいR6は水素原子、ハ
ロゲン原子であり、塩素原子およびフッ素原子が特に好
ましい。一般式(C−I)および(C−II)において好
ましいY1およびY2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、スルホンアミド基である。
一般式(M−I)において、R7およびR9はアリール基
を表し、R8は水素原子、脂肪族もしくは芳香族のアシル
基、脂肪族もしくは芳香族のスルホニル基を表し、Y3
水素原子または離脱基を表す。R7およびR9のアリール基
(好ましくはフェニル基)に許容される置換基は、置換
基R1に対して許容される置換基と同じであり、2つ以上
の置換基があるときは同一でも異なっていてもよい。R8
は好ましくは水素原子、脂肪族のアシル基またはスルホ
ニル基であり、特に好ましくは水素原子である。好まし
いY3はイオウ、酸素もしくは窒素原子のいずれかで離脱
する型のものであり、例えば米国特許第4,351,897号や
国際公開WO88/04795号に記載されているようなイオウ原
子離脱型は特に好ましい。
一般式(M−II)において、R10は水素原子または置
換基を表す。Y4は水素原子または離脱基を表し、特にハ
ロゲン原子やアリールチオ基が好ましい。Za、Zbおよび
Zcはメチン、置換メチン、=N−又は−NH−を表し、Za
−Zb結合とZb−Zc結合のうち一方は二重結合であり、他
方は単結合である。Zb−Zc結合が炭素−炭素二重結合の
場合は、それが芳香環の一部である場合を含む。R10
たはY4で2量体以上の多量体を形成する場合、またZa、
ZbあるいはZcが置換メチンであるときはその置換メチン
2量体以上の多量体を形成する場合を含む。
一般式(M−II)で表わされるピラゾロアゾール系カ
プラーの中でも発色色素のイエロー副吸収の少なさおよ
び光堅牢性の点で米国特許第4,500,630号に記載のイミ
ダゾ〔1,2−b〕ピラゾール類は好ましく、米国特許第
4,540,654号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕ト
リアゾールは特に好ましい。
その他、特開昭61−65245号に記載されたような分岐
アルキル基がピラゾロトリアゾール環の2、3又は6位
に直結してピラゾロトリアゾールカプラー、特開昭61−
65246号に記載されたような分子内にスルホンアミド基
を含んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254
号に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミ
ドバラスト基をもつピラゾロアゾールカプラーや欧州特
許(公開)第226,849号や同第294,785号に記載されたよ
うな6位にアルコキシ基やアリーロキシ基をもつピラゾ
ロトリアゾールカプラーの使用が好ましい。
一般式(Y)において、R11はハロゲン原子、アルコ
キシ基、トリフルオロメチル基またはアリール基を表
し、R12は水素原子、ハロゲン原子またはアルコキシ基
を表す。Aは−NHCOR13、−NHSO2−R13、−SO2NHR13
−COOR13を表わす。但し、R13とR14はそれぞれアルキル基、アリ
ール基またはアシル基を表す。Y5は離脱基を表す。R12
とR13、R14の置換基としては、R1に対して許容された置
換基と同じであり、離脱基Y5は好ましくは酸素原子もし
くは窒素原子のいずれかで離脱する型のものであり、窒
素原子離脱型が特に好ましい。
一般式(C−I)、(C−II)、(M−I)、(M−
II)および(Y)で表わされるカプラーの具体例を以下
に列挙する。
上記一般式(C−I)〜(Y)で表されるカプラー
は、感光層を構成するハロゲン化銀乳剤層中に、通常ハ
ロゲン化銀1モル当たり0.1〜1.0モル、好ましくは0.1
〜0.5モル含有される。
本発明において、前記カプラーを感光層に添加するた
めには、公知の種々の技術を適用することができる。通
常、オイルプロテクト法として公知の水中油滴分散法に
より添加することができ、溶媒に溶解した後、界面活性
剤を含むゼラチン水溶液に乳化分散させる。あるいは界
面活性剤を含むカプラー溶液中に水あるいはゼラチン水
溶液を加え、転相を伴って水中油滴分散物としてもよ
い。またアルカリ可溶性のカプラーは、いわゆるフィッ
シャー分散法によっても分散できる。カプラー分散物か
ら、蒸留、ヌードル水洗あるいは限外濾過などの方法に
より、低沸点有機溶媒を除去した後、写真乳剤と混合し
てもよい。
このようなカプラーの分散媒としては誘電率(25℃)
2〜20、屈折率(25℃)1.5〜1.7の高沸点有機溶媒およ
び/または水不溶性高分子化合物を使用するのが好まし
い。
高沸点有機溶媒として、好ましくは次の一般式(A)
〜(E)で表される高沸点有機溶媒が用いられる。
(式中、W1、W2及びW3はそれぞれ置換もしくは無置換の
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基又はヘテロ環基を表わし、W4はW1、OW1またはS−W
1を表わし、nは、1ないし5の整数であり、nが2以
上の時はW4は互いに同じでも異なっていてもよく、一般
式(E)において、W1とW2が縮合環を形成してもよ
い)。
本発明に用いうる高沸点有機溶媒は、一般式(A)な
いし(E)以外でも融点が100℃以下、沸点が140℃以上
の水と非混和性の化合物で、カプラーの良溶媒であれば
使用できる。高沸点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以
下である。高沸点有機溶媒の沸点は、好ましくは160℃
以上であり、より好ましくは170℃以上である。
これらの高沸点有機溶媒の詳細については、特開昭62
−215272号公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に
記載されている。
また、これらのカプラーは前記の高沸点有機溶媒の存
在下でまたは不存在下でローダプルラテックスポリマー
(例えば米国特許第4,203,716号)に含浸させて、また
は水不溶性且つ有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして親
水性コロイド水溶液に乳化分散させる事ができる。
好ましくは国際公開WO88/00723号明細書の第12頁〜30
頁に記載の単独重合体または共重合体が用いられ、特に
アクリルアミド系ポリマーの使用が色像安定化等の上で
好ましい。
本発明を用いて作られる感光材料は、色カブリ防止剤
として、ハイドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導
体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体などを含有
してもよい。
本発明の感光材料には、種々の褪色防止剤を用いるこ
とができる。即ち、シアン、マゼンタ及び/又はイエロ
ー画像用の有機褪色防止剤としてはハイドロキノン類、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類、
ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノール
類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各
化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化し
たエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げ
られる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケ
ル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマ
ト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用でき
る。
有機褪色防止剤の具体例は以下の特許の明細書に記載
されている。
ハイドロキノン類は米国特許第2,360,290号、同第2,4
18,613号、同第2,700,453号、同第2,701,197号、同第2,
728,659号、同第2,732,300号、同第2,735,765号、同第
3,982,944号、同第4,430,425号、英国特許第1,363,921
号、米国特許第2,710,801号、同第2,816,028号などに、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピンクロマン類は米国特許第3,432,300号、同第
3,573,050号、同第3,574,627号、同第3,698,909号、同
第3,764,337号、特開昭52−152225号などに、スピロイ
ンダン類は米国特許第4,360,589号に、p−アルコキシ
フェノール類は米国特許第2,735,765号、英国特許第2,0
66,975号、特開昭59−10539号、特公昭57−19765号など
に、ヒンダードフェノール類は米国特許第3,700,455
号、特開昭52−72224号、米国特許第4,228,235号、特公
昭52−6623号などに、没食子酸誘導体、メチレンジオキ
シベンゼン類、アミノフェノール類はそれぞれ米国特許
第3,457,079号、同第4,332,886号、特公昭56−21144号
などに、ヒンダードアミン類は米国特許第3,336,135
号、同第4,268,593号、英国特許第1,326,889号、同第1,
354,313号、同第1,410,846号、特公昭51−1420号、特開
昭58−114036号、同第59−53846号、同第59−78344号な
どに、金属錯体は米国特許第4,050,938号、同第4,241,1
55号、英国特許第2,027,731(A)号などにそれぞれ記
載されている。これらの化合物は、それぞれ対応するカ
ラーカプラーに対し通常5ないし100重量%をカプラー
と共乳化して感光層に添加することにより、目的を達成
することができる。シアン色素像の熱および特に光によ
る劣化を防止するためには、シアン発色層およびそれに
隣接する両側の層に紫外線吸収剤を導入することがより
効果的である。
紫外線吸収剤としては、アリール基で置換されたベン
ゾトリアゾール化合物(例えば米国特許第3,533,794号
に記載のもの)、4−チアゾリドン化合物(例えば米国
特許第3,314,794号、同第3,352,681号に記載のもの)、
ベンゾフェノン化合物(例えば特開昭46−2784号に記載
のもの)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許第
3,705,805号、同第3,707,395号に記載のもの)、ブタジ
エン化合物(米国特許第4,045,229号に記載のもの)、
あるいはベンゾオキサゾール化合物(例えば米国特許第
3,406,070号、同第3,677,762号、同第4,271,307号に記
載のもの)を用いることができる。紫外線吸収性のカプ
ラー(例えばα−ナフトール系のシアン色素形成カプラ
ー)や、紫外線吸収性のポリマーなどを用いてもよい。
これらの紫外線吸収剤は特定の層に媒染されていてもよ
い。
なかでも前記のアリール基で置換されたベンゾトリア
ゾール化合物が好ましい。
また前述のカプラーと共に、特に下記のような化合物
を使用することが好ましい。特にピラゾロアゾールカプ
ラーとの併用が好ましい。
即ち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現像
主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(F)および/または発色
現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸
化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(G)を同時または単独に
用いることが、例えば処理後の保存における膜中残存発
色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による発
色色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止す
る上で好ましい。
化合物(F)として好ましいものは、p−アニシジン
との二次反応速度定数k2(80℃のトリオクチルホスフェ
ート中)が1.0/mol・sec〜1×10-5/mol・secの範
囲で反応する化合物である。なお、二次反応速度定数は
特開昭63−158545号に記載の方法で測定することができ
る。
k2がこの範囲より大きい場合、化合物自体が不安定と
なり、ゼラチンや水と反応して分解してしまうことがあ
る。一方、k2がこの範囲より小さければ残存する芳香族
アミン系現像主薬と反応が遅く、結果として残存する芳
香族アミン系現像主薬の副作用を防止することができな
いことがある。
このような化合物(F)のより好ましいものは下記一
般式(F I)または(F II)で表すことができる。
式中、R1、R2はそれぞれ脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表す。nは1または0を表す。Aは芳香族
アミン系現像薬と反応し、化学結合を形成する基を表わ
し、Xは芳香族アミン系現像薬と反応して離脱する基を
表わす。Bは水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環
基、アシル基、またはスルホニル基を表し、Yは芳香族
アミン系現像主薬が一般式(F II)の化合物に対して付
加するのを促進する基を表す。ここでR1とX、YとR2
たはBとが互いに結合して環状構造となってもよい。
残存芳香族アミン系現像主薬と化学結合する方式のう
ち、代表的なものは置換反応と付加反応である。
一般式(F I)、(F II)で表される化合物の具体例
については、特開昭63−158545号、同第62−283338号、
欧州特許公開298321号、同277589号などの明細書に記載
されているものが好ましい。
一方、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現像
主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ無
色の化合物を生成する化合物(G)のより好ましいもの
は下記一般式(G I)で表わすことができる。
一般式(G I) R−Z 式中、Rは脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表
わす。Zは求核性の基または感光材料中で分解して求核
性の基を放出する基を表わす。一般式(G I)で表わさ
れる化合物はZがPearsonの求核性nCH3I値(R.G.Pearso
n,et al.,J.Am.Chem.Soc.,90,319(1968))が5以上の
基か、もしくはそれから誘導される基が好ましい。
一般式(G I)で表わされる化合物の具体例について
は欧州公開特許第255722号、特開昭62−143048号、同62
−229145号、特願昭63−136724号、同62−214681号、欧
州特許公開298321号、同277589号などに記載されている
ものが好ましい。
また前記の化合物(G)と化合物(F)との組合せの
詳細については欧州特許公開277589号に記載されてい
る。
本発明を用いて作られる感光材料には、親水性コロイ
ド層に紫外線吸収剤を含んでもよい。例えば、アリール
基で置換されたベンゾトリアゾール化合物(例えば米国
特許第3,533,794号に記載のもの)、4−チアゾリドン
化合物(例えば米国特許第3,314,794号、同3,352,681号
に記載のもの)、ベンゾフェノン化合物(例えば特開昭
46−2784号に記載のもの)、ケイヒ酸エステル化合物
(例えば米国特許第3,705,805号、同3,707,375号に記載
のもの)、ブタジエン化合物(例えば米国特許第4,045,
229号に記載のもの)、あるいはベンゾオキシドール化
合物(例えば米国特許第3,700,455号に記載のもの)を
用いることができる。紫外線吸収性のカプラー(例えば
α−ナフトール系のシアン色素形成カプラー)や、紫外
線吸収性のポリマーなどを用いてもよい。これらの紫外
線吸収剤は特定の層に媒染されていてもよい。
本発明の感光材料の感光層に用いることのできる結合
剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、それ以外の親水性コロイドも単独あるい
はゼラチンと共に用いることができる。
本発明においてゼラチンは石灰処理されたものでも、
酸を使用して処理されたものでもどちらでもよい。ゼラ
チンの製法の詳細はアーサー・ヴァイス著、「ザ・マク
ロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン」(ア
カデミック・プレス、1964年発行)に記載がある。
本発明によるカラー感光材料には、公知の写真添加
剤、とくに高塩化銀(粒子平均塩化銀含有率が96モル%
以上)を使用の市販のカラーペーパーなどに用いられる
素材を選択して用いることができる。下記のリサーチ・
ディスクロージャー誌に記載の添加剤や素材を選択し、
用いることができる。
実施例1 第1表に示すようなハロゲン化銀カラー写真感光材料
を作製した。この試料をAとした。
各層のハロゲン化銀乳剤は、以下に示したものを使用
した。
シアンカプラー含有層用乳剤A1: 石灰処理ゼラチン30gを蒸溜水1000mlに添加し、40℃
にて溶解後、硫酸でpHを3.8に調節し、N,N′−ジメチル
イミダゾリジン−2−チオン0.02gと塩化ナトリウム5.0
gを添加して温度を52.5℃に上昇させた。硝酸銀62.5gを
蒸溜水750mlに溶解した液と塩化ナトリウム21.5gを蒸溜
水500mlに溶解した液とを52.5℃を保ちながら40分間で
前記の液に添加混合した。更に硝酸銀62.5gを蒸溜水500
mlに溶解した液と塩化ナトリウム21.5gを蒸溜水300mlに
溶解した液とを52.5℃の条件下で20分間かけて添加混合
した。この添加混合に際しては、全ハロゲン化銀量に対
して1×10-8モル/モルAgの六塩化イリジウム二カリウ
ム、および1.5×10-5モル/モルAgのヘキサシアノ鉄(I
I)カリウムを添加した。
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、約0.
46μの平均辺長を有する粒子サイズ分布の変動係数0.13
の立方体の粒子が形成されていた。
この乳剤を脱塩水洗した後、核酸0.2g、平均粒子サイ
ズ0.05μの単分散の臭化銀乳剤(六塩化イリジウム二カ
リウム1.2×10-4モル/モルAg含有)をハロゲン化銀で
1.0モル%相当加えておいて、トリエチルチオ尿素約2
×10-6モル/モルAgにより化学増感し、更に化合物(V
−23)を5×10-6モル/モルAg、化合物(I−1)を1.
1×10-3モル/モルAg添加した乳剤を調製した。この乳
剤の立方体粒子のコーナー部分に突起状の臭化銀局在相
が形成されているのが観察された。
マゼンタカプラー含有層用乳剤A2: 前述のシアンカプラー含有層用乳剤と同様の方法によ
り調製した乳剤に対し、化合物(V−23)の替わりに化
合物(V−46)を1.1×10-5モル/モルAg、化合物(I
−1)を0.6×10-3モル/モルAg、化合物(F−1)を
0.9×10-3モル/モルAg添加した乳剤を調製した。
イエローカプラー含有層用乳剤A3: 前述のマゼンタカプラー含有層用乳剤と同様の方法に
より調製した乳剤に対し、化合物(V−46)の替わりに
化合物(V−40)と化合物(V−41)をそれぞれ0.6×1
0-4モル/モルAgづつ添加し、かつ化合物(F−1)を
添加しない点のみが異なる乳剤を調製した。
乳剤A1〜A3と同様の調製法にて、平均粒子サイズ0.30
μmおよび0.70μmのハロゲン化銀乳剤B1〜B3、C1〜C3
を調製し同様の塗布試料BおよびCを作製した。
これらの試料A〜Cには、画像の鮮鋭度を向上させる
ために、化合物(D−3)、(D−5)、(D−6)
を、それぞれ0.020g/m2、0.002g/m2の塗布量となるよう
に塗布した。
同様に、塗布銀量と、染料の塗布量による感度設定を
第2表のように変更した試料D〜Mを作製した。試料
D、G、J、Mは乳剤A1〜A3、試料E、H、Kは乳剤B1
〜B3、試料F、I、Lは乳剤C1〜C3を用いた。
第2表において、CL,ML,YLはそれぞれシアン、マゼン
タ、イエロー発色乳剤層を表わす。また、感度設定値は
染料を添加しないときに対する感度の低下を相対感度と
して表わしている。
ゼラチンの硬化剤として下記の3種の化合物をモル比
で3:2:1になるように使用した。
これらの塗布試料A〜Mそれぞれに対して、発光波長
670nm、750nm、810nmの三種のレーザダイオードを用い
て、400dpi、一画素平均露光時間2×10-7秒で走査しつ
つ電気的に出力変調した光により濃度1.0のステップ関
数露光を与え、直ちに以下の発色現像処理1を施した。処理工程 温 度 時 間 発色現像 40℃ 15秒 漂白定着 40℃ 15秒 リンス1 40℃ 15秒 リンス2 40℃ 15秒 リンス3 40℃ 15秒 乾 燥 90℃ 15秒 発色現像液 エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホ
スホン酸 3.0 g N,N−ジ(カルボキシメチル)ヒドラジン 4.5 g N,N−ヂエチルヒドロキシルアミン修酸塩 2.0 g トリエタノールアミン 8.5 g 亜硫酸ナトリウム 0.14g 塩化カリウム 1.6 g 臭化カリウム 0.01g 炭酸カリウム 25.0 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ
ル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0 g WHITEX−4(住友化学製) 1.4 g 水を加えて1000ml pH 10.05に調製 漂白定着液 チオ硫酸アンモニウム(55wt%) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17.0 g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 55.0 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5.0 g 臭化アンモニウム 40.0 g 氷酢酸 9.0 g 水を加えて 1000ml pH 5.80に調整 リンス液 イオン交換水(カルシウムイオン3ppm以下、マグネシ
ウムイオン2ppm以下) 処理工程1を通した試料のシアン、マゼンタ、イエロ
ーの各ステップ濃度変化をミクロ反射濃度計で測定し、
その滲みの程度により鮮鋭度を比較した。得られた結果
を第3表に示した。鮮鋭度は最小濃度+0.20と最小濃度
+0.05の点を結ぶ直線の勾配で代表させ、試料Aの各発
色層の値を100として相対的に表示した。
本発明の試料Aは、比較試料B〜Mのいずれよりも明
らかに滲みが少なく鮮鋭度が高い。また、染料による感
度低下を大きくした試料A〜Fと染料による感度低下の
少ない試料G〜Lをそれぞれ比較すると、本発明の0.46
μmの平均粒子サイズのハロゲン化銀乳剤を用いた試料
Gからの鮮鋭度の向上が他の平均粒子サイズのハロゲン
化銀乳剤を用いた試料よりも大きく、またマゼンタ発色
層の塗布銀量が0.24g/m2の試料Dの試料Jに対する良化
よりも程度が大きいことが理解される。
また、本発明の平均粒子サイズのハロゲン化銀乳剤を
用いた試料において、塗布銀量が少ない場合に染色を強
めることによる鮮鋭度の改良の度合いが大きいことも示
された。
実施例2 実施例1において行なった処理工程1を下記のように
変更して処理工程2とし、実施例1に用いた試料A〜M
を処理した。露光は実施例1の場合と同様に行なった。処理工程 温 度 時 間 発色現像 35℃ 45秒 漂白定着 35℃ 45秒 リンス1 25℃ 30秒 リンス2 25℃ 30秒 リンス3 25℃ 30秒 乾 燥 80℃ 60秒 処理工程2においても、感度については実施例1と同
様の結果を得た。
実施例3 第4表に示すようなハロゲン化銀カラー写真感光材料
を作製した。この試料をNとした。
各層のハロゲン化銀乳剤は、以下に示したものを使用
した。
赤感層用乳剤N1: 石灰処理ゼラチン30gを蒸溜水1000mlに添加し、40℃
にて溶解後、pHを70に調節し、N,N′−ジメチルイミダ
ゾリジン−2−チオン0.02gと塩化ナトウム5.0gを添加
して温度を52.5℃に上昇させた。硝酸銀62.5gを蒸溜水7
50mlに溶解した液と塩化ナトリウム21.5gを蒸溜水500ml
に溶解した液とを52.5℃を保ちながら40分間で前記の液
に添加混合した。更に硝酸銀62.5gを蒸溜水500mlに溶解
した液と塩化ナトリウム21.5gを蒸溜水300mlに溶解した
液とを52.5℃の条件下で20分間かけて添加混合した。得
られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、約0.47μ
の平均辺長を有する立方体粒子から成る粒子サイズ分布
の変動係数0.14の乳剤であった。
この乳剤を脱塩水洗した後、核酸0.2g、化合物(V−
43)1×10-4モル/モルAg、平均粒子サイズ0.05μの単
分散臭化銀乳剤(六塩化イリジウム二カリウム2×10-5
モル/モルAg含有)をハロゲン化銀で0.6モル%相当加
えておいて、トリエチルチオ尿素約2×10-6モル/モル
Agにより化学増感し、更に化合物(I−1)を7×10-4
モル/モルAgと化合物(F−1)を1.5×10-3モル/モ
ルAg添加した。
緑感層用乳剤N2: 石灰処理ゼラチン30gを蒸溜水1000mlに添加し、40℃
にて溶解後、pHを7.0に調節し、塩化ナトリウム6.5gを
添加して温度を60℃に上昇させた。硝酸銀62.5gを蒸溜
水750mlに溶解した液と塩化ナトリウム21.5gを蒸溜水50
0mlに溶解した液とを60℃を保ちながら40分間で前記の
液に添加混合した。更に硝酸銀62.5gを蒸溜水500mlに溶
解した液と塩化ナトリウム21.5gを蒸溜水300mlに溶解し
た液とを60℃の条件下で20分間かけて添加混合した。
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、約0.
58μの平均辺長の立方体粒子から成る粒子サイズ分布の
変動係数0.12の乳剤であった。
この乳剤を脱塩水洗した後、核酸0.2g、化合物(V−
76)4×10-4モル/モルAg、(V−61)5×10-5モル/
モルAg、平均粒子サイズ0.05μの単分散の臭化銀乳剤
(六塩化イリジウム二カリウム2.5×10-5モル/モルAg
含有)をハロゲン化銀で0.3モル%相当加えておき、ト
リエチルチオ尿素約2.0×10-6モル/モルAgにより化学
増感し、更に化合物(I−1)を0.8×10-3モル/モルA
g添加した。
青感光性層用乳剤N3: 石灰処理ゼラチン20gを蒸溜水1000mlに添加し、40℃
にて溶解後、硫酸でpHを3.8に調節し、塩化ナトリウム
5.5gを添加して温度を75℃に上昇させた。硝酸銀12.5g
を蒸溜水150mlに溶解した液と塩化ナトリウム4.3gを蒸
溜水100mlに溶解した液とを75℃を保ちながら30分間で
前記の液に添加混合した。更に硝酸銀112.5gを蒸溜水11
00mlに溶解した液と塩化ナトリウム38.7gを蒸溜水650ml
に溶解した液とを75℃の条件下で40分間かけて添加混合
した。
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ、平均
辺長約0.82μの立方体粒子より成る、粒子サイズ分布の
変動係数0.11の乳剤であった。
この乳剤を脱塩水洗した後、核酸0.2g、化合物(V−
69)2×10-3モル/モルAg、(V−71)2×10-3モル/
モルAg、平均粒子サイズ0.05μの単分散の臭化銀乳剤
(六塩化イリジウム二カリウム1×10-5モル/モルAg含
有)をハロゲン化銀で0.4モル%相当加えておいて、ト
リエチルチオ尿素約1.2×10-6モル/モルAgにより化学
増感し、更に化合物(I−1)を9×10-4モル/モルAg
添加した。
この試料には、イラジエーションを防止して画像の鮮
鋭度を向上させるために、化合物(D−1 )、(D−2)、(D−3)、(D−4)をそれぞれ0.
008g/m2、0.003g/m2、0.016g/m2、0.040g/m2となるよう
に塗布した。またゼラチンの硬化剤は実施例1の試料A
と同様のものを使用した。
更に、上記のハロゲン化銀乳剤N2に対して、同様の方
法により平均粒子サイズ0.30μmおよび0.70μmの乳剤
N4、N5を調製した。これらの乳剤を試料Nの第3層の乳
剤N2に置換え、また染料の塗布量と塗布銀量を変えるこ
とにより、第5表に示す塗布試料を作製した。試料Q、
T、Wには乳剤N2、試料O、R、U、Xには乳剤N4、試
料P、S、V、Yには乳剤N5を用いた。
これらの試料N〜Yに0.1秒の白色露光を青色・緑色
・赤色フィルターと空間周波数10c/mmのCTFチャートを
通して与えたのち、実施例2と同様の現像処理を施し
た。
得られた処理済み試料の各発色濃度をミクロ反射濃度
計で測定し、得られたCTF値を第6表に示した。CTF値は
空間周波数0c/mmにおける値を1として相対的に表し
た。
第6表において、本発明の試料Nは本発明外の試料O
〜Yに比較して明らかにCTF値が高いことが分かる。
また、本発明の範囲まで染色を行なった試料N〜Sと
本発明の範囲まで染色を行なっていない試料T〜Yを比
較すると、本発明の範囲にある平均粒子サイズを有する
ハロゲン化銀乳剤を本発明の塗布銀量の範囲で用いた試
料Nの試料Tに対するCTF値の上昇に比べて、それ以外
の試料におけるCTF値の上昇は小さく、このような系に
おいてのみ、染色を強固に行うことがより大きな鮮鋭度
の向上をもたらすという点で予想外であり、本発明のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料が優れていることがよく
理解される。
実施例4 実施例3において作製した試料Nの染料の塗布量を変
更して、赤感層の感度設定値を8%とした試料、緑感層
の感度設定値を15%とした試料、青感層の感度設定値を
25%にした試料をそれぞれ作製し、実施例3と同様にし
てCTF値を調べた。これらの試料は、それぞれ順に赤感
層、緑感層、青感層のCTF値が試料Nより更に向上して
いたが、解像力チャートをグレイ露光で焼付けた場合
に、色のずれた滲みが観察され、層間の鮮鋭度のバラン
スがくずれていて好ましくなかった。本発明における層
間の感度の設定、即ち染色量の設定の重要さが理解され
る。
(発明の効果) 本発明により、良好な鮮鋭度を有し、塗布銀量の少な
いハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することがで
きる。またこのハロゲン化銀写真感光材料は迅速処理性
に優れており、カラーペーパーや赤外分光増感したカラ
ープリント感光材料においても優れた総合特性を有する
感光材料を提供することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射支持体上に、実質的に沃化銀を含まな
    い塩化銀または塩臭化銀乳剤を含み、それぞれ異なる波
    長領域に感光ピーク波長を有するシアン発色性ハロゲン
    化銀乳剤層・マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層・イエ
    ロー発色性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層ずつ有
    し、且つ支持体上の写真層中に水溶性または脱色性染料
    を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
    前記乳剤層中の少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層の
    ハロゲン化銀乳剤が平均粒子サイズ0.35μm〜0.65μm
    であり、かつ該ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀塗布
    量が銀換算で0.19g/m2以下であり、全ハロゲン化銀乳剤
    層のハロゲン化銀総塗布量が銀換算で0.78g/m2以下であ
    り、更に支持体上の水溶性または脱色染料の塗布量が、
    該写真層中に該染料を含有しない場合のハロゲン化銀乳
    剤層の感度に比べて最も長波長の感光ピークを有するハ
    ロゲン化銀乳剤層の感度が35%以下10%以上、二番目に
    長波長の感光ピークを有するハロゲン化銀乳剤層の感度
    が50%以下20%以上、最も短波長の感光ピークを有する
    ハロゲン化銀乳剤層の感度が70%以下30%以上に低下す
    るように設定されていることを特徴とするハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】反射支持体が、二酸化チタンを13重量%以
    上含有する耐水性樹脂層および/または親水性コロイド
    層により少なくとも片面が被覆された支持体であること
    を特徴とする特許請求項(1)に記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】シアンおよび/またはマゼンタ発色性ハロ
    ゲン化銀乳剤層が、ピラゾロアゾール型カプラーを含有
    していることを特徴とする特許請求項(1)または
    (2)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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