JP2924687B2 - H形鋼のローラ矯正方法及びその装置 - Google Patents

H形鋼のローラ矯正方法及びその装置

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JP2924687B2 JP2702195A JP2702195A JP2924687B2 JP 2924687 B2 JP2924687 B2 JP 2924687B2 JP 2702195 A JP2702195 A JP 2702195A JP 2702195 A JP2702195 A JP 2702195A JP 2924687 B2 JP2924687 B2 JP 2924687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、H形鋼のウェブを圧下
することによって曲がりを矯正するH形鋼のロ−ラ矯正
方法及びその装置に関し、特に、熱間圧延或いは溶接に
より製造されたH形鋼の矯正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延或いは溶接で製造されたままの
H形鋼は、全体若しくは局部的に曲がりとか反りを生じ
ているために、冷間で真直に矯正した後出荷されるのが
普通である。冷間矯正方法としては、プレス矯正による
か、ローラ矯正による場合が多いが、前者では矯正前の
形状を見ながら押金具によって適宜に変形を加えるの
で、能率が悪く大量生産に向かない。これに対して、後
者(ローラ矯正法)は、多数のローラによりH形鋼に繰
り返し曲げを与えることによって真直にする方法であ
り、能率がよく、工場ではオンライン設備として設置、
使用されている。
【0003】図10及び図11は、従来のローラ矯正法
における矯正用のローラとH形鋼との接触状態を一部取
り出して示して図示したものである。これらの図に見ら
れるように、従来のローラ矯正機の負荷方式には、図1
0のようにH形鋼1のウェブ3の面がローラ4の外周面
によって負荷されるウェブ圧下方式と、図11のように
H形鋼1のフランジ3の端面がローラ5の外周面によっ
て負荷さるフランジ圧下方式の2種類のものがある。し
かし、いずれの圧下方式を採用するにせよ、以下に述べ
るような問題点を避けることはできない。
【0004】すなわち、ウェブ圧下方式の欠点は、ウェ
ブ板厚に比べてフランジ幅の広いH形鋼の場合には、ロ
ーラ4による負荷がウェブ3の橈みに変換され、フラン
ジ2に十分な曲げ変形が起こらないばかりか、ローラ2
とウェブ3の局部的な接触部のみが塑性変形して、ひど
いときにはフランジ2とウェブ3との付け根(以下フィ
レット部という)にクラックを生ずることさえある、と
いうことである。特公昭57−61488号公報は、こ
のような局部変形を押さえるために、ウェブ3を押さえ
るロールの形状を工夫しようというものであるが、より
薄いウェブ厚の製品が求められている状況から考え、こ
のような方法では本質的な問題の解決となりえない。
【0005】また、フランジ圧下方式の欠点は、フラン
ジ幅が広く、大きな曲げ荷重を必要とする場合には、ロ
ーラ5と接触しているフランジ2の端面がつぶれてしま
い、フランジ2の幅が大幅に減少することである。この
ような問題点は、特公昭56−40646号公報、特開
昭53−141158号公報に提案されているようにロ
ーラの間隔の増大による荷重低減、ローラ5の径の拡大
によるローラ5とフランジ3との接触面積の増加によっ
てある程度は軽減されるが、このような手段では、必然
的に設備の大型化、建設費の上昇をもたらすばかりでな
く、ローラ5の間隔を大きくすれば、H形鋼両端の矯正
不能部の長さも長くなるので、これらの手段も自ずと限
界があることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、ウェブ圧
下方式及びフランジ圧下方式のいずれにしても、断面の
大きなH形鋼を有効に矯正し得ないことは明らかである
が、止むを得ずウェブ圧下方式を採用しているのが現状
である。なお、上記2方法の欠点を解決すべく、図12
に示すように(例えば特公昭57−11728号公
報)、フランジ2とウェブ3とをローラ4,5により同
時に圧下する方法が提案されているが、この方法も、フ
ランジ2とウェブ3とに分配する荷重の設定が難しく、
ウェブ3の高さも拡がり、フランジ2の足先もつぶれて
しまう虞があることと、機構が複雑になること、ウェブ
厚がより減少すれば、前述の問題点が露呈することは必
至である。
【0007】また、特公昭56−45684号公報で
は、フランジ圧下時のフランジにかかる面圧を下げるた
めに、かなり巧妙な方法を提案しているが、この方法で
は、フランジに接触する部分の周速が異なるため、フラ
ンジの倒れ方向に、変形が誘起されること、フランジに
接触を開始する部分とフランジの接触から抜ける部分の
荷重が高くなること、及び矯正機としては、H形鋼専用
機となってしまう等の問題点がある。
【0008】また、特開平4−59124号公報では、
ウェブ圧下矯正に竪ロールを設けフランジを拘束するこ
とによって、ウェブの曲げ剛性をあげ、その変形を抑え
ることによって、ウェブの局部変形等を解決しようとし
ているが、現状の矯正においても、上下曲がりを矯正す
るような大きな圧下力をウェブに負荷する場合には、実
際にはフランジはウェブ圧下ロールによって、図5に示
すように拘束を受けており(図の丸印の個所参照)、こ
の装置では、ウェブの曲げ剛性は殆ど通常の方法と変化
がないことになる。従って、竪ロールによってフランジ
の動きを単に拘束するだけでは、従来の方法に比べH形
鋼の変形上大きな違いはなく、ウェブの高さ変化を抑え
ることができず、従来からあった問題点を解決すること
は不可能である。
【0009】また、従来の方法におけるもう一つの大き
な問題は、フランジの倒れ、傘折れに対してそれを有効
に矯正することができないと言う点である。上記の特開
平4−59124号公報、特開昭56−30027号公
報、特開昭和56−119624号公報等においては竪
ロールを備え、フランジの倒れ、傘折れに効果があると
しているが、いずれも矯正の原理に基づいていないため
に、有効な矯正方法とは言えない。
【0010】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたものであり、H形鋼の上下曲がりを矯正し、ウ
ェブ高さ変化を抑制し、フィレット部の割れを低減さ
せ、且つ、フィレット部の残留応力を低減させるととも
に、フランジ倒れ・傘折れに対しても矯正効果が大きい
H形鋼のローラ矯正方法及びその装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の一つの態様に係るH形鋼のローラ矯正方
法は、H形鋼の進行方向に沿ってH形鋼の上下に交互に
複数配置された水平ロールによりH形鋼のウェブを押圧
し、また、水平ロールと、水平ロールと対に設けられた
竪ロールとによりH形鋼のフランジをピンチして、H形
鋼のフランジに倒れの塑成変形を与えてウェブ高さ方向
の曲げを繰り返し与え、且つ、竪ロールの押圧力によっ
てフィレット部に圧縮応力を負荷するものである。 (2)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正方法
は、フランジに与える倒れの塑成変形の変形量を下流側
に行くに従って小さくして収束させる。 (3)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正装置
は、 H形鋼のウェブを押圧する水平ローラをH形鋼の
進行方向に沿ってH形鋼の上下に交互に複数配置したH
形鋼のローラ矯正装置において、外側側面部に前記H形
鋼のフランジに塑成変形を与えためのテーパー面を有
し、H形鋼のウェブ及びフランジの内側面をそれぞれ押
圧する一対のテーパ一付き水平ロールと、テーパ一付き
水平ロールにそれぞれ対応して設けられ、側部がそのテ
ーパー面に対応した形状を有し、H形鋼のフランジの外
側面をそれぞれ押圧する一対の竪ロールとの組みを少な
くとも1組み有し、そして、H形鋼のフランジに倒れの
塑成変形を与えてウェブ高さ方向の曲げを与え、且つ、
H形鋼のフィレット部に圧縮応力を負荷するものであ
る。 (4)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正装置
は、上記(3)の装置において、テーパ一付き水平ロー
ルはそのテーパー面の角度が下流側に行くに小さく設定
され、フランジに与える倒れの塑成変形の変形量を下流
側に行くに従って小さくして収束させる。 (5)本発明の他の態様に係るH形鋼のローラ矯正装置
は、上記(3)(4)の装置において、最終段に設けら
れた水平ロールはH形鋼のウェブ面に対してギャップを
持つように配置される。 即ち、本発明は、外側側面にテーパー(或いはそれに類
似した形状)が施された水平ロールと、水平ロールのそ
のテーパー(或いはそれに類似した形状)に対応させた
形状のテーパー(或いはそれに類似した形状)をもった
竪ロールとによって、H鋼のフランジの外側面からフラ
ンジの倒れ・傘折れに対して繰り返し塑成変形を与えて
H形鋼に繰り返し曲げを与えて矯正しながら、且つ竪ロ
ールによってフィレット部に圧縮応力を負荷することに
より上の記目的を達成している。
【0012】
【作用】次に、本発明の作用を説明する。図1は本発明
の基本構成を示した構成図であある。同図(a)はその
側面図、同図(b)はその正面からみた動作説明図であ
り、同図(c)は平面図である。この矯正装置において
は、H形鋼の進行方向に沿ってウェブを押圧する水平ロ
ーラ10が上下に交互に配置されており、そして、それ
ぞれの水平ローラ10に対応して一対の竪ロール20が
設けられている。水平ローラ10の外側側面部には図示
のようにテーパーが設けられており、そのテーパーは中
心側に傾斜したものと、外側に傾斜したものとがあり、
これらはH形鋼の進行方向に沿って交互に配置される。
竪ロール20についてもその側部はそれに対応した水平
ローラ10の側部に対応した形状になっている。上部に
配置されて水平ローラ10は同図(b)に示されるよう
に外側に拡がるようなテーパー面を形成しているが、下
部に配置された水平ローラ10の負のテーパー角によっ
て内側に傾斜するようなテーパー面を形成している。竪
ロール20はその側部がそれぞれの対応した水平ロール
10の外側側部の形状に対応して、凹部形状又は凸部形
状をなしている。
【0013】この矯正装置は、H形鋼の曲がりを矯正す
る際に、水平ロール10の外側側面に設けられたテーパ
ー面によってH形鋼1のフランジ2の内側面に圧下力を
与え、併せてフランジ2の外側面から、水平ロール10
のテーパー面に対応した形状のテーパー状の側部を持つ
竪ロール20によってフランジ2をピンチすることによ
って、H形鋼1に繰り返し曲げを与えるとともに、フラ
ンジ2の外側面から竪ロール20によってフィレット部
に圧縮応力を負荷することによってウェブ高さ変化が無
く、フィレット割れを起こさない矯正を行っている。
【0014】なお、図1においては、全スタンドにテー
パーを備えた水平ローラ10及び竪ロール20を配置し
た例を示しているが、少なくとも一基のテーパー付き水
平ロール10と、それに対応したテーパーを有する竪ロ
ール20とが設置されていれば、その効果を発揮するこ
とができる。
【0015】図2は繰り返し曲げによって形状を矯正す
るときの基本原理を示した説明図である。この繰り返し
曲げによって初期の形状がいかなるものであっても、形
状を直すことができる。例えば初期の形状がκ01、κ02
(これらの形状は互いに反対方向の曲がり或いは倒れで
ある)、κ03(κ01と同方向で形状の程度が違う)のい
ずれに対しても、κ1、κ2、κ3、κ4の繰り返し曲
げを与えてやれば、形状は0点に収束する。初期の形状
κ01の例についてみると、±の曲げモーメントを加える
ことにより、図の実線のような履歴をとおって最終形状
が0点、即ち歪みがない状態に収束していることが分か
る。初期の形状κ02、κ03についても同様である。
【0016】上記の矯正の基本原理に鑑みて、次の3点
の問題意識を得た。 上下曲がりの矯正のための繰り返し曲げの初期の段階
では、大きな曲げモーメントを与えなければならないた
めに、従来法のウェブ圧下方法では、ウェブに負荷され
る圧下力が大きくなりウェブ高さが変化したり、フィレ
ット部に割れが入ったりする不都合が引き起こされる。
図9は従来法であるウェブ圧下方法でのH形鋼断面にお
ける応力状態を示した図である。ウェブはロールによる
曲げによって圧縮と引張りの応力がかかり、フィレット
部にも同様の応力がかかっている。フランジ部にはこの
ウェブを押すことによって曲げが加わり、足先に長手方
向それぞれ圧縮・引張応力がある。ウェブの高さが変化
したり、フィレット部に割れが入ったりする原因は、こ
の引張応力が主因であるから、これを何らかの形で低減
させる必要がある。 様々な程度のフランジの倒れ・傘折れを上記矯正の基
本原理にのっとって矯正する方法及び装置が提案されて
いない。 フィレット部は熱間圧延でH形鋼の形状を仕上げ、冷
却過程で一番最後に冷え、大きな引張りの残留応力が残
っているところである。
【0017】そして、本発明の発明者は、上記3点に対
して以下の方法が有効であるとの知見を得た。に対し
ては、ウェブ高さ変化及びフィレット部の割れが引張応
力によるものだとの認識から、これを低減させるために
は、積極的にフィレット部に圧縮応力を与える必要があ
る。水平ロールの外側側面にテーパーを付けそれに対応
したテーパー角度を持った竪ロールとの組み合わせによ
り、フィレット部に圧縮応力を有効に負荷できることが
分かった。
【0018】図3はこのときの応力状態を示す図である
が、フィレット部に対する圧縮応力によりフィレット部
の有害な引張応力が弾性範囲内に減少させられているこ
とが分かる。このときのテーパー角度θ1,θ2は、図
4に示されるとおりであるが、上記のことからフィレッ
ト部に積極的に圧縮応力を加えるためには、これらの角
度の和が90度以下であることが望ましい。このとき、
θ2>θ1である。
【0019】に対しては、フランジに図1(c)の配
置に示すように、繰り返し曲げを付与することが必要で
ある。図3はこのときの応力状態を示す図であるが、フ
ランジ2に繰り返し曲げによってフランジ2に塑成変形
が加わっていることが分かる。フランジ2の繰り返し曲
げのための竪ロール20と水平ロール10との組み合わ
せは、順次そのテーパー角度をそれぞれ、90度と0度
に収束させていく。また、最終段の水平ロールはウェブ
2の押込を行うと、ウェブ2が曲げられフランジ3への
直角度に影響を及ぼすので、望ましくはウェブ2を圧下
せずに水平ロール10と竪ロール20のピンチのみによ
ってフランジ3の直角度を実現する。この角度の収束
は、上記に対しても上下曲げの大きいところでは、積
極的にフィレット部に圧下が加わり、後段の上下曲げの
小さいところでは、フィレット部の圧下が小さくてすむ
という風に適合するものである。に対しては、上記
のフィレット部の圧下が残留応力低減に対しても有効で
ある。
【0020】ところで、上記の水平ロール10と組み合
わせてフランジ2に繰り返し曲げを与えながらかつフィ
レット部に圧縮応力を付加する竪ロール20の設置間隔
や個数は、従来のウェブ圧下ローラの各段に対応してそ
れぞれ設置することが望ましく、駆動・無駆動どちらで
もその効果を発揮するものである。また、負荷の大きい
前段部分のみに本発明の水平ロール10とそれと組み合
わせた竪ロール20との組みを設け、後段部分は、通常
のフランジ2又はウェブ3のローラ矯正という構成を採
用してもよい。もちろん、片持ち式、両持ち式矯正機両
方に適用可能である。そして、本発明に係る矯正装置に
正しく挿入するためのガイド、竪ローラ組の間隔調整装
置、垂直位置調整装置、及び駆動装置を適宜敷設するこ
とによって、各種断面寸法のH形鋼の連続的・効果的な
矯正が可能となる。
【0021】なお、ここでは、水平ロールの側面と竪ロ
ールの形状をそれぞれテーパーとしたが、これはフラン
ジに繰り返し曲げを与え、かつフィレット部に圧縮応力
を与えうる形状であればどんなものでもよい。例えば、
この形状としては放物線とか三角関数とかが考えられる
し、必ずしも数学的に記述できる関数を用いるものでな
くてもよい。
【0022】
【実施例】
実施例1.図6は本発明の一実施例に係るH形鋼のロー
ル矯正装置の構成を示した図であり、同図(a)及び
(b)の構成ものが交互に配置される。この実施例にお
いては、竪ロール20をフランジ2を押圧するための機
構として、油圧シリンダ30を設けている。表1は被矯
正材寸法及び実機矯正機の仕様を示した表である。ま
た、表2は従来のウェブ矯正法と比較したインターメッ
シュ及び竪ロールによってフィレット部に圧縮力を付加
するための圧下設定を示した表である。表3は水平ロー
ルと竪ロールのテーパー角度の組み合わせを示した表で
あり、この組み合わせによってフランジに対して繰り返
し曲げを与えるとともにフィレット部に効率的に圧縮応
力を付加させることが可能となる。表4は本発明法の矯
正効果を従来法と比較したものである。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】従って、本実施例による矯正によれば、従
来のウェブ圧下矯正に比較して、ウェブ高さ変化が無く
なっていることが分かる。
【0028】図7は竪ロール圧下によるウェブ高さの変
化を示した特性図である。この特性から竪ロール圧下荷
重によってウェブ高さそのものをコントロールすること
ができることも分かる。なお、図7において、フランジ
拘束としたデータ点は、全て竪ロールは垂直ロールで水
平ロールもテーパーを持たないものであり、この特性か
ら、竪ロールによって単にフランジを拘束するだけでは
効果がないことが分かる。なお、図7のデータはいずれ
も平均値を示している。
【0029】図8はフィレット部の硬度分布の特性図あ
る。この特性から、竪ロールの圧下によってフィレット
部の硬度が増加しており、この部分の残留応力が低減し
ていることが分かる。
【0030】実施例2.本実施例においては上ロールの
みに竪ロールを設置した。表5は被矯正材寸法及び実機
矯正機の仕様を示した表である。また、表6は従来のウ
ェブ矯正法と比較したインターメッシュを示した表であ
る。表7は、水平ロールと竪ロールのテーパー角度の組
み合わせを示した表である。ここでは、同方向での繰り
返し曲げとし、適用ロールの数が少なくても効果を発揮
していることを示した。表8は従来法と比較した本発明
の効果である。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】本実施例による矯正によれば、従来のウェ
ブ圧下矯正に比較し、ウェブ高さ変化が無くなっている
ことが分かる。
【0036】実施例3.本実施例においては最大の矯正
曲げが与えられている#2ロールのみに竪ロールを設置
した。表9は被矯正材寸法及び実機矯正機の仕様を示し
た表である。また、表10は従来のウェブ矯正法と比較
したインターメッシュを示した表である。表11は水平
ロールと竪ロールの組み合わせを示した表であり、ここ
では、フィレット部に圧縮応力を負荷することを主目的
とした。表12は従来法と比較した本発明法の効果お示
した表である。
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】
【0039】
【表11】
【0040】
【表12】
【0041】本実施例による矯正によれば、従来のウェ
ブ圧下矯正に比較し、ウェブ高さ変化が無くなっている
ことが分かる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、H形鋼の
ウェブを水平ロールにより押圧し、また、H形鋼のフラ
ンジを水平ロールと竪ロールとによってピンチして、フ
ランジに倒れの塑成変形を与えてウェブ高さ方向の曲げ
を繰り返し与え、且つ、竪ロールの押圧力によってフィ
レット部に圧縮応力を負荷することによりH形鋼を矯正
するようにしたので、H形鋼の上下曲がりが矯正され、
ウェブ高さ変化が抑制し、フィレット部の割れが低減
し、更に、フィレット部の残留応力が低減され、フラン
ジ倒れ・傘折れに対しても大きな矯正効果が得られる。
従って、従来適正な矯正方法がないため生産性を落とし
てプレスで矯正をしていたH形鋼を効率的に形状矯正が
でき、製品品質が向上するといった優れた効果を発揮す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を示す構成図であり、
(a)はその側面図、(b)はその正面動作説明図、
(c)は平面図である。
【図2】本発明における繰り返し曲げによる形状矯正の
原理を示した説明図である。
【図3】本発明において竪ロールによる圧縮力の負荷に
よって変わる応力状況を示す説明図である。
【図4】本発明法における水平ロールのテーパー角度及
び竪ロールのテーパー角度の定義を示した説明図であ
る。
【図5】従来法におけるフランジの拘束状況を示した説
明図である。
【図6】本発明の一実施例に係るH形鋼の矯正装置の構
成を示した図である。
【図7】本発明の竪ロール圧下によるウェブ高さの変化
を示した特性図である。
【図8】本発明の竪ロール圧下によるフィレット部の硬
度分布の変化を示した特性図である。
【図9】従来の矯正法における応力状態を示した図であ
る。
【図10】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
1)の説明図である。
【図11】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
2)の説明図である。
【図12】従来提案されていたH形鋼の矯正方法(その
3)の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 森実 亨 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 厚 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−285721(JP,A) 特開 昭62−68624(JP,A) 特開 昭57−137028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 3/05

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H形鋼の進行方向に沿ってH形鋼の上下
    に交互に複数配置された水平ロールによりH形鋼のウェ
    ブを押圧し、また、該水平ロールと、前記水平ロールと
    対に設けられた竪ロールとによりH形鋼のフランジをピ
    ンチして、前記H形鋼のフランジに倒れの塑成変形を与
    えてウェブ高さ方向の曲げを繰り返し与え、且つ、竪ロ
    ールの押圧力によってフィレット部に圧縮応力を負荷す
    ることを特徴とするH形鋼のローラ矯正方法。
  2. 【請求項2】 前記フランジに倒れの塑成変形の変形量
    を下流側に行くに従って小さくして収束させることを特
    徴とする請求項1記載のH形鋼のローラ矯正方法。
  3. 【請求項3】 H形鋼のウェブを押圧する水平ローラを
    H形鋼の進行方向に沿ってH形鋼の上下に交互に複数配
    置したH形鋼のローラ矯正装置において、外側側面部に
    前記H形鋼のフランジに塑成変形を与えためのテーパー
    面を有し、前記H形鋼のウェブ及びフランジの内側面を
    それぞれ押圧する一対のテーパ一付き水平ロールと、該
    テーパ一付き水平ロールにそれぞれ対応して設けられ、
    側部がそのテーパー面に対応した形状を有し、前記H形
    鋼のフランジの外側面をそれぞれ押圧する一対の竪ロー
    ルとの組みを少なくとも1組み有し、そして、前記H形
    鋼のフランジに倒れの塑成変形を与えてウェブ高さ方向
    の曲げを与え、且つ、前記H形鋼のフィレット部に圧縮
    応力を負荷することを特徴とするH形鋼のローラ矯正装
    置。
  4. 【請求項4】 前記テーパ一付き水平ロールはそのテー
    パー面の角度が下流側に行くに小さく設定され、前記フ
    ランジに倒れの塑成変形の変形量を下流側に行くに従っ
    て小さくして収束させることを特徴とする請求項3記載
    のH形鋼のローラ矯正装置。
  5. 【請求項5】 最終段に設けられた水平ロールはH形鋼
    のウェブ面に対してギャップを持つように配置されたこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載のH形鋼のローラ矯
    正装置。
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