JP2921181B2 - 歯車の製造方法 - Google Patents

歯車の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯面部分における耐ピ
ッチング性および歯元部分における疲労強度等に優れた
歯車を製造するのに利用される歯車の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車,フォークリフト,繊維機械,工
作機械,農業機械などの各種機械構造物の伝動系等にお
いては、各種の歯車が多く使用されており、その疲労強
度を向上させるために表面硬化処理やショットピーニン
グ処理などを行うことが多い。
【0003】この種の歯車を製造するに際しては、S1
5CK,S20CKなどのはだ焼用炭素鋼や、SNC4
15,815,SNCM420,815,SCr41
5,420,SCM415,420などのはだ焼用合金
鋼を素材として、切削加工や塑性加工などの加工手段に
より所定形状の歯形に成形し、次いで、浸炭,浸炭窒
化,窒化などの表面硬化処理を施すようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
歯車の製造方法では、歯車用に適する素材を用いて所定
形状の歯形に成形したのち浸炭ないしは窒化処理を施す
ようにしていたため、浸炭ないしは窒化処理層深さが歯
面部分と歯元部分とでほぼ同じものとなっていることか
ら、歯面部分において要求される特性と歯元部分におい
て要求される特性とに対応させうるように歯面部分と歯
元部分とにおける浸炭ないしは窒化処理層深さを調整
し、歯面部分と歯元部分とにおける浸炭ないしは窒化処
理層深さを意図的に異なるものにしようとするときに
は、例えば、浸炭処理において防炭や半防炭等の厄介な
手法を用いることが必要となり、また、歯面部分や歯元
部分における浸炭ないしは窒化処理層深さにばらつきを
生じやすくなって、歯車の製造性や品質を低下させるこ
とがあるという問題点があり、これらの問題点を解決す
ることが課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたもので、非駆動側歯面に比べて強度がより
要求される駆動側歯面の強度をより一層向上させた歯車
を得ることが可能であり、また、ピッチング性に優れて
いることが要求される歯面部分での浸炭ないしは窒化処
理層深さをより大きなものとして歯面部分での耐ピッチ
ング性を向上させると共に、疲労強度に優れていること
が要求される歯元部分での浸炭ないしは窒化処理層深さ
をより小さなものとして歯元部分での疲労強度を向上さ
せた歯車を得ることが可能である歯車の製造方法を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる歯車の製
造方法は、所定形状の歯形に成形する前の歯車粗材に対
して浸炭ないしは窒化処理を施したのち所定形状の歯形
に塑性加工するに際し、歯車粗材における歯表面付近で
のメタルフローの方向を調整して、塑性加工後の駆動側
歯面部分の浸炭ないしは窒化処理層深さが非駆動側歯面
部分の浸炭ないしは窒化処理層深さよりも大きくなって
いる歯車とする構成としたことを特徴としており、上記
した歯車の製造方法に係わる発明の構成を前述した従来
の課題を解決するための手段としている。
【0007】本発明に係わる歯車の製造方法において、
歯車の素材としては、例えば、S15CK,S20CK
などのはだ焼用炭素鋼や、SNC415,815,SN
CM420,815,SCr415,420,SCM4
15,420などのはだ焼用合金鋼や、これらに対し適
宜合金成分を添加したり成分組成を変えたりして用途等
に応じて適した特性が得られるようにしたものなどが用
いられる。
【0008】そして、このような素材を用い、所定形状
の歯形に成形する前の歯車粗材に対して浸炭ないしは窒
化処理を施すが、この場合の歯車粗材としては、例え
ば、真円形状をなしていて外周部分に凹凸を一切有して
おらずいかなる歯数の歯車にも適用できるものから、製
造しようとする歯車の歯数を考慮した数の浅い凹凸ない
しは深い凹凸を切削加工や塑性加工などによって形成さ
せたものまでの中から、適宜の歯車粗材を選定して完成
後の歯車における歯面部分の浸炭ないしは窒化処理層深
さおよび歯元部分の浸炭ないしは窒化処理層深さが所望
のものとなるように選択される。
【0009】そして、このような歯車粗材に対して、浸
炭ないしは窒化処理を施して、表面にほぼ均一な浸炭な
いしは窒化処理層を有するものとし、この後、塑性加工
を行うことによって所定形状の歯形に成形する。
【0010】この塑性加工において、冷間塑性加工や温
間塑性加工などによっても加工できる場合には、これら
の冷間ないしは温間加工方法を採用することが可能であ
るが、塑性加工用工具への負荷の大きさなどを考えると
熱間での塑性加工、とくに熱間での転造加工を行うよう
にするのが良い。
【0011】このような塑性加工を行うことによって、
歯面部分での浸炭ないしは窒化処理層深さが比較的大き
いと共に歯元部分での浸炭ないしは窒化処理層深さが比
較的小さい歯車を製造し、歯面部分での耐ピッチング性
が良好であると共に歯元部分での疲労強度が良好である
特性の優れた歯車を製造する。
【0012】さらには、例えば、熱間転造において、転
造用工具の転係数を調整し、転造用工具と歯車粗材と
のかみ合いピッチ円が歯中心の基準ピッチ円よりも歯元
側にずれるようにしたり、反対に前記かみ合いピッチ円
が歯中心の基準ピッチ円よりも歯先側にずれるようにし
たりして、歯車粗材における歯表面付近でのメタルフロ
ーの方向を調整し、これによって駆動側歯面における浸
炭ないしは窒化処理層深さが非駆動側歯面における浸炭
ないしは窒化処理層深さよりも大きなものとなるように
し、強度がより要求される駆動側歯面の浸炭ないしは窒
化処理層深さを大きくするようになす。
【0013】そして、このように、転造用工具と歯車粗
材とのかみ合いピッチ円をずらす場合の転位係数の選び
方としては、例えば、ISO方式である「Addend
um Modification of the Tee
th of Cylindrical Gears f
or Speed Reducing Gear Pai
rs」ISO DP 4467(ISO/TC 60
N 379E資料)方式がある。
【0014】
【発明の作用】本発明に係わる歯車の製造方法では、所
定形状の歯形に成形する前の歯車粗材に対して浸炭ない
しは窒化処理を施したのち所定形状の歯形に塑性加工す
に際し、歯車粗材における歯表面付近でのメタルフロ
ーの方向を調整して、塑性加工後の駆動側歯面部分の浸
炭ないしは窒化処理層深さが非駆動側歯面部分の浸炭な
いしは窒化処理層深さよりも大きくなっている歯車とす
ようにしたから、成形された歯車は非駆動側歯面に比
べて強度がより要求される駆動側歯面の強度がより一層
向上したものとなり、また、その歯面部分の浸炭ないし
は窒化処理層深さがより厚いものとなっていて耐ピッチ
ング性の向上に有利なものになっていると共に、その歯
元部分の浸炭ないしは窒化処理層深さがより薄いものと
なっていて疲労強度の向上に有利なものとなっている。
【0015】このように、駆動側歯面部分の浸炭ないし
は窒化処理層深さが非駆動側歯面部分の浸炭ないしは窒
化処理層深さよりも大きくなる歯面のすべり方向が得ら
れる塑性加工を行うことによって、駆動側における歯面
の強度がより一層向上した歯車となる。
【0016】
【実施例】歯車素材としてJIS SCr420鋼を選
び、この歯車素材から熱間転造用の歯車粗材を用意し
た。
【0017】次いで、前記歯車粗材に対して、ガス浸炭
雰囲気中において浸炭処理を施して、表面に浸炭処理層
を形成させた。
【0018】続いて、表1の歯車欄に示す諸元の歯車に
成形するべく、同じく表1の工具欄に示す諸元の熱間転
造工具を用いて、熱間転造を行った。
【0019】このとき、熱間転造に際しては、図1に示
すように、歯車粗材と転造工具とにおける転係数を選
定することによって、歯車粗材と転造工具とのかみ合い
ピッチ円を定め、実施例No.1ではかみ合いピッチ円
1 が基準ピッチ円近くにあるようにし、実施例No.
2ではかみ合いピッチ円C2 が歯先側に大きくずれてい
るようにし、実施例No.3ではかみ合いピッチ円C3
が歯元側に大きくずれているようにして、熱間転造の際
のメタルフロー方向(素材のすべり方向)が各図の矢
印方向となる熱間転造加工を行った。
【0020】
【表1】
【0021】この結果、実施例1,2,3の各歯車1,
2,3において、歯面部分の浸炭処理層深さが大きいも
のになっていると共に歯元部分の浸炭処理層深さが小さ
いものになっており、歯面部分の耐ピッチング性が良好
であると共に歯元部分の疲労強度が良好なものとなって
いた。
【0022】また、熱間転造の際の転位係数を選ぶこと
によってメタルフローの方向素材のすべり方向)を調
することにより、実施例No.2の歯車2では、図示
左側の歯面における浸炭処理層深さが右側の歯面におけ
る浸炭処理層深さよりも大きくなっていて、左側の歯面
が駆動側となり、実施例No.3の歯車3では、図示右
側の歯面における浸炭処理層深さが左側の歯面における
浸炭処理層深さよりも大きくなっていて、右側の歯面が
駆動側となるような使い方をするのに適したものとなっ
ていた。
【0023】
【発明の効果】本発明に係わる歯車の製造方法では、所
定形状の歯形に成形する前の歯車粗材に対して浸炭ない
しは窒化処理を施したのち所定形状の歯形に塑性加工す
に際し、歯車粗材における歯表面付近でのメタルフロ
ーの方向を調整して、塑性加工後の駆動側歯面部分の浸
炭ないしは窒化処理層深さが非駆動側歯面部分の浸炭な
いしは窒化処理層深さよりも大きくなっている歯車とす
構成としたから、非駆動側歯面に比べて強度がより要
求される駆動側歯面の強度をより一層向上させたものと
することが可能であり、また、耐ピッチング性に優れて
いることが要求される歯面部分での浸炭ないしは窒化処
理層深さがより大きなものとなって歯面部分での耐ピッ
チング性が向上したものになると共に、疲労強度に優れ
ていることが要求される歯元部分での浸炭ないしは窒化
処理層深さがより小さなものとなって歯元部分の疲労強
度が向上したものとなっており、駆動側における歯面の
強度がより一層向上していると共に耐ピッチング性と疲
労強度の両方共に優れた歯車を防炭や半防炭などの面倒
な手段を用いることなく製造することが可能であり、特
性のばらつきも小さい品質のすぐれた歯車を塑性加工に
よって効率良く製造することが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において製造した歯車の歯形部
分を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】 1 歯車 2 歯車 3 歯車

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状の歯形に成形する前の歯車粗材
    に対して浸炭ないしは窒化処理を施したのち所定形状の
    歯形に塑性加工するに際し、歯車粗材における歯表面付
    近でのメタルフローの方向を調整して、塑性加工後の駆
    動側歯面部分の浸炭ないしは窒化処理層深さが非駆動側
    歯面部分の浸炭ないしは窒化処理層深さよりも大きくな
    っている歯車とすることを特徴とする歯車の製造方法。
  2. 【請求項2】 塑性加工後の歯面部分の浸炭ないしは窒
    化処理層深さが大きくなっていると共に歯元部分の浸炭
    ないしは窒化処理層深さが小さくなっている請求項1に
    記載の歯車の製造方法。
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