JP2920337B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2920337B2
JP2920337B2 JP5022087A JP2208793A JP2920337B2 JP 2920337 B2 JP2920337 B2 JP 2920337B2 JP 5022087 A JP5022087 A JP 5022087A JP 2208793 A JP2208793 A JP 2208793A JP 2920337 B2 JP2920337 B2 JP 2920337B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P17/00Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines
    • F02P17/12Testing characteristics of the spark, ignition voltage or current
    • F02P2017/125Measuring ionisation of combustion gas, e.g. by using ignition circuits

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の失火検出装
置に関し、特に燃料系の原因に係る失火の検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火プラグでの点火が正常に
行なわれない、すなわち失火が生ずることがあるが、こ
の失火の原因を大別すると、燃料系に係るものと点火系
に係るものとがある。前者の燃料系に係るものは燃料混
合気のリーンまたはリッチに起因するものであり、後者
の点火系に係るものはいわゆるミス・スパークに起因す
るものである。ミス・スパークとは点火プラグに正常な
火花放電が生じないことを意味する。例えば未燃燃料の
付着による点火プラグのくすぶりやかぶりにより、ある
いは点火回路の異常により正常な火花放電が行われない
場合である。
【0003】本願出願人は、上記失火のうち燃料系の原
因に係るものを検出する失火検出装置として、点火電圧
(点火プラグの電極間電圧)を検出し、この点火電圧の
値が所定電圧値を越える期間が所定期間以上のとき失火
と判定するようにしたものを既に提案している(特願平
3−326507号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記提案の装置におい
て、点火電圧値が所定電圧値を越える期間は、点火プラ
グ付近の浮遊容量に所定以上の電荷が貯えられている期
間に相当するため、放電状態によっては失火が発生して
も比較的短期間のうちに電荷が放電されてしまう場合が
ある。例えば、失火によって誘導放電終了の電圧が比較
的高電圧となった場合であり、このような場合には、プ
ラグ電極間で短期間のうちに再放電が行われ、失火と判
定できないという問題がある。
【0005】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたものであり、点火電圧が高電圧となった場合でも正
確な失火判定を行うことができる失火検出装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、機関運転パラメータの値を検出する機関運転
状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基づい
て点火時期を決定して点火指令信号を発生する点火指令
信号発生手段と、前記点火指令信号に基づいて、機関に
備えられた点火プラグを放電させる為の高電圧を発生さ
せる点火手段と、前記点火手段に高電圧が発生される時
の電圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指令信
号発生後の点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間が
基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判
定手段とを有する内燃機関の失火検出装置において、前
記点火指令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を発
生させるための再チャージ指令信号発生手段を設け、前
記再チャージ指令信号は火花放電が発生しない程度の所
定印加電圧値の電圧を前記点火プラグ間に発生させる信
号であり、前記所定印加電圧値は機関回転数、機関負荷
及び前記点火手段に電力を供給するバッテリ電圧の少な
くとも一つを含む機関運転パラメータに応じて設定され
ようにしたものである。
【0007】また、前記失火判定手段は、前記点火電圧
値と所定比較電圧値との比較を行うべき比較期間を限定
する期間限定手段を有し、該比較期間において前記点火
電圧値が所定比較電圧値を越える期間の長さに基づいて
失火状態を判定することが望ましい。
【0008】また、前記再チャージ指令信号発生手段
は、前記比較期間内において前記再チャージ指令信号を
発生させることが望ましい。
【0009】更に本発明は、機関運転パラメータの値を
検出する機関運転状態検出手段と、前記機関運転パラメ
ータの値に基づいて点火時期を決定して点火指令信号を
発生する点火指令信号発生手段と、前記点火指令信号に
基づいて、機関に備えられた点火プラグを放電させる為
の高電圧を発生させる点火手段と、前記点火手段に高電
圧が発生される時の電圧値を検出する電圧値検出手段
と、前記点火指令信号発生後の点火電圧値が所定比較電
圧値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失火判定
手段とを有する内燃機関の失火検出装置において、前記
点火指令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を発生
させるための再チャージ指令信号を発生する再チャージ
指令信号発生手段と、前記再チャージ指令信号発生後の
前記点火電圧値と所定比較電圧値との比較を行うべき比
較期間を限定する期間限定手段とを設けるようにしたも
のである。
【0010】また、前記失火判定手段は、前記比較期間
において前記点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間
が基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定すること
が望ましい。
【0011】また、前記再チャージ指令信号は、火花放
電が発生しない程度の所定印加電圧値の電圧を前記点火
プラグ間に発生させる信号であることが望ましい。
【0012】また、前記所定印加電圧値は、所定の機関
運転パラメータに応じて設定されることが望ましい。
【0013】また、前記所定の機関運転パラメータは、
機関回転数、機関負荷及び前記点火手段に電力を供給す
るバッテリの出力電圧の少なくとも一つであることが望
ましい。
【0014】また、前記期間限定手段は、前記比較期間
の開始時期及び終了時期の少なくとも一方を前記機関運
転パラメータの値に応じて設定することが望ましい。
【0015】また、前記失火判定手段は、前記基準値を
バッテリ電圧に応じて変更することが望ましい。
【0016】また、前記再チャージ指令信号発生手段
は、前記点火指令信号の発生から前記再チャージ指令信
号の発生までの期間を、機関運転状態に応じて設定する
ことが望ましい。
【0017】また、前記点火手段は、機関の各気筒に対
応したセグメント及び機関の回転に同期して回転するロ
ータを有するディストリビュータを含み、前記ロータの
回転方向の幅は、点火時期の遅角方向に拡大されている
ことが望ましい。
【0018】
【作用】請求項1の装置によれば、点火指令信号発生後
に再チャージ指令信号が発生し、点火プラグの周辺回路
に再度電荷がチャージされる。この電荷は、燃料時には
点火プラグ間に存在するイオンによって直ちに放電する
が、失火時には点火プラグ間にイオンが存在しないため
放電されない。そのため点火電圧値が所定比較電圧値を
越える期間が長くなり、失火状態が判定される。前記再
チャージ指令信号は、火花放電が発生しない程度の所定
印加電圧値の電圧を点火プラグ間に発生させ、前記所定
印加電圧値は、所定の機関運転パラメータ、例えば機関
回転数、機関負荷及びバッテリ電圧の少なくとも一つに
応じて設定される。
【0019】請求項2、3の装置によれば、点火電圧値
が所定比較電圧値を越える期間の長さは、比較期間内に
おいて計測され、再チャージ指令信号は比較期間内にお
いて発生する。
【0020】請求項4の装置によれば、再チャージ指令
信号発生後において点火電圧値と所定比較電圧値との比
較が行われ、点火電圧値が所定比較電圧値を越えると
き、機関の失火状態と判定される。
【0021】請求項5の装置によれば、点火電圧値が所
定比較電圧値を越える期間が計測され、その期間が基準
値を越えるとき、機関の失火状態と判定される。
【0022】請求項6の装置によれば、再チャージ指令
信号は、火花放電が発生しない程度の所定印加電圧値の
電圧を点火プラグ間に発生させる。
【0023】請求項7、8の装置によれば、所定印加電
圧値は、所定の機関運転パラメータ、例えば機関回転
数、機関負荷及びバッテリ電圧の少なくとも一つに応じ
て設定される。
【0024】請求項9の装置によれば、比較期間の開始
時期及び/又は終了時期が、機関運転パラメータの値に
応じて設定される。
【0025】請求項10の装置によれば、点火電圧値が
所定比較電圧を越える期間の基準値は、バッテリ電圧に
応じて変更される。
【0026】請求項11の装置によれば、点火指令信号
発生から再チャージ指令信号発生までの期間は、機関運
転状態に応じて設定される。
【0027】請求項12の装置によれば、ロータの回転
方向の幅を点火時期の遅角方向に拡大することにより、
再チャージ指令信号の発生時期の設定可能範囲が遅角方
向に拡大される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0029】図1は、本発明による内燃機関の失火検出
装置の一実施例の構成を示す図である。
【0030】同図において、電源電圧(バッテリ電圧)
VBが供給される電源端子T1は一次側コイル2と二次
側コイル3とから成る点火コイル(点火手段)1と接続
され、一次側コイル2と二次側コイル3とは互いにその
一端で接続され、一次側コイル2の他端はトランジスタ
4のコレクタに接続され、トランジスタ4のベースは点
火指令信号Aが入力される入力端子T2に接続され、そ
のエミッタは接地されている。また、二次側コイル3の
他端はダイオード7のアノードに接続され、ダイオード
7のカソードはディストリビュータ6を介して点火プラ
グ5の中心電極5aに接続され、点火プラグ5の接地電
極5bは接地されている。
【0031】ディストリビュータ6と中心電極5aとを
接続する接続線15の途中には、その接続線15と静電
的に結合された(接続線15と数PFのコンデンサを形
成する)点火電圧センサ10が設けられ、点火電圧セン
サ10の出力は、電子コントロールユニット(以下「E
CU」という)8の失火判定回路12に接続されてい
る。失火判定回路12は、CPU(中央処理装置)11
に接続されており、判定結果がCPU11に入力され
る。CPU11は、失火判定に関連するタイミング制御
を行う。
【0032】CPU11には、入力回路13を介して、
機関回転数機関運転パラメータの値を検出する各種機関
運転パラメータセンサ(機関運転状態検出手段)9が接
続されており、機関運転パラメータの検出値が入力され
る。更に、CPU11は駆動回路14を介してトランジ
スタ4のベース接続されており、トランジスタ4に通電
制御信号Aを供給する。
【0033】本実施例では、ECU8は、点火指令信号
発生手段、失火判定手段、再チャージ指令信号発生手段
及び期間限定手段を構成する。
【0034】図2は、失火判定回路12の具体的な構成
を示すブロック図であり、入力端子T3は入力回路21
を介して第1の比較器25の非反転入力に接続されてい
る。ピークホールド回路22の出力は、比較レベル設定
回路24を介して第1の比較器25の反転入力に接続さ
れている。また、ピークホールド回路22には、適切な
タイミングでピークホールド値をリセットするリセット
信号R1がCPU11から供給される。
【0035】第1の比較器25の出力はゲート回路26
を介してパルス発生期間計測回路27に入力され、計測
回路27は、ゲート回路26が入力信号をそのまま出力
しているゲート期間中において第1の比較器25の出力
が高レベルとなっている期間を計測し、該計測した期間
の長さに応じた電圧VTを第2の比較器29の非反転入
力に供給する。第2の比較器29の反転入力には基準値
設定回路28が接続されており、失火判定用の基準電圧
VTREFが供給される。VT>VTREFが成立する
とき、第2の比較器29の出力が高レベルとなり、FI
失火等の失火発生と判定される。なお、基準値設定回路
28は、CPU11からの指令により基準電圧VTRE
Fを変更できるように構成されており、基準電圧VTR
EFは、少なくともエンジン回転数及び吸気管内絶対圧
を含む機関運転状態に応じて設定される。また、ゲート
回路26のゲート期間を決定するゲート信号G及び期間
計測回路27のリセットタイミングを決定するリセット
信号R2はCPU11から供給される。
【0036】図3は、図2の入力回路21、ピークホー
ルド回路22及び比較レベル設定回路24の具体的な構
成を示す回路図である。
【0037】同図において入力端子T3は、抵抗215
を介して演算増幅器(以下「オペアンプ」という)21
6の非反転入力に接続されている。また入力端子T1
は、コンデンサ211と抵抗212とダイオード214
とを並列に接続した回路を介してアースに接続されると
ともに、ダイオード213を介して電源ラインVBSに
接続されている。コンデンサ211は、例えば104
F程度のものを使用し、前記電圧センサ13によって検
出される電圧を数千分の1に分圧する働きをする。また
抵抗212は例えば500KΩ程度のものを使用する。
ダイオード213及び214は、オペアンプ216の入
力電圧がほぼ0〜VBSの範囲内に入るようにするため
に設けられている。オペアンプ216の反転入力はその
出力と接続されており、オペアンプ216はバッファア
ンプ(インピーダンス変換回路)として動作する。オペ
アンプ216の出力は、第1の比較器25の非反転入力
及びオペアンプ221の非反転入力に接続されている。
【0038】オペアンプ221の出力はダイオード22
2を介してオペアンプ227の非反転入力に接続され、
オペアンプ221及び227の反転入力はいずれもオペ
アンプ227の出力に接続されている。従って、これら
のオペアンプもバッファアンプとして動作する。
【0039】オペアンプ227の非反転入力は抵抗22
3及びコンデンサ226を介して接地され、抵抗223
とコンデンサ226の接続点は、抵抗224を介してト
ランジスタ225のコレクタに接続されている。トラン
ジスタ225のエミッタは接地され、ベースにはリセッ
ト時高レベルとなるリセット信号R1がCPU11より
入力される。
【0040】オペアンプ227の出力は、比較レベル設
定回路24を構成する抵抗241及び242を介して接
地され、抵抗241と242の接続点が第1の比較器2
5の反転入力に接続されている。
【0041】図3の回路によれば、検出された点火電圧
V(オペアンプ216の出力)のピーク値がピークホー
ルド回路22によって保持され、そのピークホールド値
が比較レベル設定回路24により、値1より小さい所定
数倍され、比較レベルVCOMPとして第1の比較器2
5に供給される。従って、端子T4にはV>VCOMP
が成立するとき高レベルとなるパルス信号が出力され
る。
【0042】図4は、ゲート回路26及びパルス計測期
間計測回路27の具体的構成を示す回路図であり、トラ
ンジスタ41〜43及び抵抗44〜51により3段の反
転回路が構成されている。また、トランジスタ42のコ
レクタとアースとの間には、トランジスタ61が介装さ
れており、トランジスタ61のベースには、CPU11
からゲート信号Gが供給される。従って、ゲート信号G
が低レベルとなるゲート期間中においては、トランジス
タ43のコレクタは、端子T4の電圧の高/低に対応し
て低レベル/高レベルとなり、ゲート信号Gが高レベル
のときにはトランジスタ43のコレクタは端子T4の電
圧に拘らず高レベルとなる。トランジスタ43のコレク
タは抵抗52を介してトランジスタ54のベースに接続
されており、トランジスタ54のベースは抵抗53を介
して電源ラインVBSに接続されている。トランジスタ
54のエミッタは電源ラインVBSに接続され、コレク
タは抵抗55及びコンデンサ57を介してアースに接続
されている。抵抗55とコンデンサ57の接続点は、オ
ペアンプ59及び抵抗60を介して端子T5に接続され
ている。オペアンプ59はバッファアンプである。抵抗
55とコンデンサ57の接続点は、抵抗56を介してト
ランジスタ58のコレクタに接続され、トランジスタ5
8のエミッタは接地されている。トランジスタ58のベ
ースには、CPU11よりリセット信号R2が入力され
る。
【0043】図4の回路によれば、ゲート信号Gが低レ
ベルであって端子T4が高レベルのときトランジスタ4
3のコレクタが低レベルとなり、トランジスタ54がオ
ンし、コンデンサ57が充電される一方、ゲート信号G
が高レベル又は端子T4が低レベルのときはトランジス
タ54がオフし、コンデンサ57の充電が停止される。
従って、端子T5には、端子T4に入力されるパルス信
号がゲート期間中において高レベルである期間に比例す
る電圧VTが得られる。
【0044】以上のように構成される失火検出装置の動
作を図5を用いて説明する。同図(a),(b)はそれ
ぞれ通電制御信号A及びゲート信号Gを示す。また、同
図(c)〜(e)は燃料混合気の正常燃焼時の特性を示
し、同図(f)〜(i)は燃料系の原因に係る失火(以
下「FI失火」という)時の特性を示す。
【0045】同図(a)に示すように、本実施例では、
点火指令信号を時刻t0に発生させた後(点火に必要な
期間一次側コイル2に通電し、時刻t0において電流を
遮断した後)、時刻t1からt2の間再度通電を行う
(以下「再通電」という)。再通電は時刻t2におい
て、点火プラグ5の電極間に放電が発生しない程度の値
(所定印加電圧値)の電圧を印加し、点火プラグ5及び
その周辺回路の浮遊容量に電荷を蓄える(チャージす
る)ために行うものである。以下、時刻t2に点火プラ
グ5に印加される電圧を再チャージ電圧(再チャージ指
令信号)という。
【0046】同図()及び(f)は、検出した点火電
圧(入力回路21の出力電圧)V(B,B’)及び比較
レベルVCOMP(C,C’)の推移を示している。ま
ず、同図()を参照して正常燃焼時の点火電圧特性に
ついて説明する。
【0047】同図()において、点火指令信号が発生
する時刻t0の直後においては点火電圧Vは燃料混合気
(点火プラグの放電ギャップ間)の絶縁を破壊する値ま
で上昇し、絶縁破壊後は、絶縁破壊前の容量放電状態
(数百アンペア程度の電流による非常に短い時間の放電
状態)から放電電圧が略一定の誘導放電状態へと移行す
る(数十ミリアンペア程度の電流により、数ミリ秒程度
の放電期間)。誘導放電電圧は、時刻t0以降の圧縮工
程に伴う気筒内の圧力が上昇することにより上昇する。
これは、圧力が高くなると誘導放電に必要な電圧も高く
なるためである。誘導放電の最後の段階においては点火
コイルの誘導エネルギーの減少により誘導放電を維持す
るための電圧よりも点火プラグ電極間の電圧が低くな
り、誘導放電は消失して容量放電状態(後期の容量放電
状態)へ移行する。容量放電状態においては点火プラグ
電極間の電圧は燃料混合気の絶縁を再度破壊するために
上昇するが、点火コイル1の残余のエネルギーが少なく
電圧上昇はわずかである。これは、燃焼が発生した場合
は、プラグギャップ間の電気抵抗が低いためであり、燃
焼時の燃料混合気がイオン化していることに起因する。
【0048】なお、ダイオード7と点火プラグ5との間
の浮遊容量に蓄えられた電荷(電極間で放電しきれずに
残った電荷)は、ダイオード7があるため、点火コイル
1側へは放電されないが、点火プラグ5の電極近傍に存
在するイオンによって中和されるため、容量放電終了時
の点火電圧Vは速やかに減少する。
【0049】その後、時刻t2において再チャージ電圧
が印加されると、点火電圧Vは上昇するが、このときチ
ャージされる電荷は、前述した後期容量放電終了直後と
同様に、点火プラグ5の電極近傍に存在するイオンによ
って中和されるため、速やかに減少する。
【0050】一方、比較レベルVCOMPは、図示例で
は、時刻t5までは前回リセットされた後における点火
電圧Vのピーク値に応じた値となっており、リセット信
号R1により、時刻t5〜t2において所定低レベル
(>0)固定状態とされ、時刻t2においてその状態が
解除される(以下、所定低レベル固定状態を解除する時
点を「リセット(初期化)タイミング」という)。した
がって、時刻t2以後は再チャージ電圧によってピーク
値となった点火電圧Vに応じた値(本実施例ではピーク
値の2/3程度の値としている)となる。その結果、点
火電圧Vと比較レベルVCOMPとの比較を行う第1の
比較器25の出力は同図(d)に示すように、時刻t0
付近、時刻t6〜t7及び時刻t2〜t8において高レ
ベルとなるが、ゲート回路26の出力は、ゲート信号G
が低レベルである時刻t3〜t7及び時刻t2〜t8に
おいてのみ高レベルとなる。したがって、パルス発生期
間計測回路27の出力VTは、同図(e)に示すように
変化し、基準電圧VTREFを越えず、正常燃焼と判定
される。
【0051】次に、燃料混合気が燃料供給系の異常等に
よりリーン状態やカット状態となりFI失火が発生した
とき(燃焼が発生しなかったとき)の点火電圧特性につ
いて説明する。同図(f)において、点火指令信号の発
生時刻t0の直後においては点火電圧V(B′)は点火
プラグ電極間の燃料混合気の絶縁を破壊する値まで上昇
するが、このときの絶縁破壊電圧の値は、燃料混合気に
占める空気の割合が正常時よりも多く含まれており、燃
料混合気の絶縁耐力が大きくなり、また、燃焼が発生し
ていないため、燃料混合気がイオン化しておらず、プラ
グギャップ間の電気抵抗が高くなる傾向にあることか
ら、正常燃焼時の電圧値よりも高くなる。この後、正常
燃焼時と同様に誘導放電状態へ移行するが、放電抵抗も
正常燃焼時よりも大きいことにより正常燃焼時よりも早
く容量放電状態へ移行する傾向を示す。誘導放電の最後
の段階で発生する容量放電(後期の容量放電)の値は、
燃料混合気の絶縁破壊電圧が正常燃焼時よりも大きいこ
とにより、正常燃焼時に比べて非常に大きくなる。
【0052】このとき、点火プラグ5の電極近傍にほと
んどイオンが存在しないため、ダイオード7と点火プラ
グ5との間に蓄えられた電荷は、イオンによって中和さ
れず、またダイオード7によって点火コイル1へ逆流す
ることもできないためそのまま保持され、気筒内圧力が
低下して放電要求電圧がこの電荷により印加されている
電圧と等しくなった時に、点火プラグ5の電極において
放電されるが、点火電圧Vが高いときには比較的早期に
放電されてしまう。
【0053】その後、時刻t2において再チャージ電圧
が印加されると、点火電圧Vは再び上昇し、前述と同様
にプラグ電極間のイオンによる中和がなく、またダイオ
ード7の作用により、高電圧状態が継続する。そして、
気筒内圧力がさらに低下して放電要求電圧が点火電圧V
と等しくなったときに、プラグ電極間で放電される(時
刻t11)。
【0054】一方、比較レベルVCOMP(C′)は、
図示例では時刻t9までは前回リセットされた後におけ
る点火電圧Vのピーク値に応じた値となっており、時刻
t9以後、点火電圧Vの上昇とともに上昇し、ピーク値
に対応したレベルを時刻t5まで保持する。時刻t5〜
t2において所定低レベル固定状態され、時刻t2以後
は再チャージ電圧によってピーク値となった点火電圧V
に対応した値を保持する。
【0055】その結果、第1の比較器25の出力は同図
(g)に示すように、時刻t0近傍、時刻t9の少し
前、時刻t9〜t10及び時刻t2〜t11において高
レベルとなるが、ゲート回路26の出力は、ゲート期間
TG中に高レベルとなった期間内のみ高レベルとなる。
したがって、パルス発生期間計測回路27の出力VT
は、同図(h)に示すように変化し、時刻t12におい
て基準電圧VTREFを越え、第2の比較器29の出力
は、同図(i)に示すよう、時刻t2〜t4において高
レベルとなり、FI失火が検出される。
【0056】図5(f)に示したように、点火電圧Vが
後期容量放電時に比較的高電圧となったような場合に
は、点火電圧Vが早期に低下してしまい(時刻t1
0)、この時点では期間計測回路27の出力VTは基準
電圧VTREFを越えないため、FI失火を検出するこ
とができない。そこで、本実施例では、時刻t2におい
て、プラグ電極間で放電が発生しない程度の値の再チャ
ージ電圧を印加するようにしたので、点火電圧Vが高電
圧となった場合でも、FI失火を確実に検出することが
できる。
【0057】なお、本実施例ではゲート回路26が開い
ているゲート期間TG(時刻t3〜t4)は、後期容量
放電の終了時点近傍(誘導放電終了直前近傍)から所定
期間としているが、後期容量放電終了時点は、エンジン
回転数及び吸気管内絶対圧等によって変化するので、こ
れらの機関運転パラメータ値に応じて設定している。ま
た、ゲート期間TGの終了時刻(終了時期)t4は、デ
ィストリビュータ6のロータヘッドが次のセグメントに
かかる手前(点火からクランク角度で120度程度の範
囲内)であればいつでもよい。また、ゲート期間TGの
終了時期も、機関運転パラメータ(エンジン回転数、吸
気管内絶対圧等)に応じて設定するようにしてもよい。
【0058】また、パルス発生期間計測回路27は時刻
t4においてリセットするようにしている。
【0059】また、上述した例では、ピークホールド回
路22のリセットタイミングは、再チャージ電圧を印加
する時点と同時としている。これは、後期容量放電中及
びその直後においては、点火電圧Vのレベルが不安定で
あるため、この期間中にリセットすると比較レベルVC
OMPの値も不安定なものとなり、正確な失火検出が行
えないこと、及び再チャージ電圧発生時よりあまり遅ら
せると再チャージを行う意味がなくなることを考慮した
ものである。したがって、リセットタイミングは必ずし
も再チャージ電圧発生時と同時としなくてもよいが、再
チャージ電圧発生時の近傍とする必要がある。
【0060】次に、再チャージ電圧を印加する時点(以
下「再チャージタイミング」という)について検討す
る。
【0061】再チャージタイミングを点火指令信号によ
って発生した放電が終了する前とすると、燃焼時でも点
火電圧Vが比較レベルVCOMPを越える期間が長くな
ったり、失火時でも点火電圧Vがほとんど比較レベルV
COMPを越えないような場合が発生し、正確な失火判
定が行えない。
【0062】一方、再チャージタイミングをあまり遅ら
せると、燃焼時のみプラグ電極間に発生するイオンが減
少してしまい、失火時と区別がつかなくなってしまう。
【0063】従って、再チャージタイミングはクランク
角度で上死点後10度程度の時期とするのが最適であ
り、遅くとも上死点後40度より前の時期に行う必要が
ある。
【0064】本実施例では、点火指令信号による放電の
継続時間が、エンジンの運転状態(特にエンジン回転速
度及びエンジン負荷)によって変化する点に着目し、エ
ンジン回転速度及びエンジン負荷に応じて、再チャージ
タイミングを決定するようにしている。
【0065】具体的には、図6に示すT1マップによっ
て、再チャージタイミングを決定する期間T1を算出す
る。図6のT1マップはエンジン回転数NE及び吸気管
内絶対圧PBAに応じて、点火時期(図5、時刻t0)
からのクランク角度としてT1値が設定されたマップで
あり、エンジン回転数NEが高い程、また吸気管内絶対
圧PBAが低い程大きな値に設定されている。
【0066】これは、一般に点火時期はエンジン回転数
NEが高い程、また吸気管内絶対圧PBAが低い程より
進角側に設定されるが、再チャージタイミングは上死点
後10度程度とするのが最適であることを考慮し、再チ
ャージタイミングをNE値及びPBA値に拘らず一定の
タイミング(上死点後10度程度)とするためである。
【0067】なお、再チャージタイミングの決定に際し
ては、さらに点火時の放電期間及び燃焼時間を考慮する
必要があり、これらの値はエンジン回転数が高い程、ま
た吸気管内絶対圧が高い程より小さな値となる傾向があ
る。従って、上記T1マップは、この点も考慮して設定
されている。
【0068】次に、再チャージ電圧は前述したようにプ
ラグ電極間で放電が発生しない程度の所定電圧値とする
が、この再チャージ電圧の制御は、再通電の時間T2
(図5(a)参照)を変更することによって行う。再通
電時間T2によって点火コイル1に蓄えられるエネルギ
ーが変化し、電流遮断時(時刻t2)の発生電圧が変化
するからである。
【0069】再通電時間T2は、図7に示す手順でCP
U11により算出される。
【0070】ステップS1では点火プラグ5に電力を供
給するバッテリの電圧VBを読み込み、次いでT2テー
ブルの検索を行う。T2テーブルは、エンジンの吸気管
内絶対圧PBAに応じて再通電時間T2のテーブル値T
2TBLが設定されたテーブルであり、T2TBL値
は、吸気管内絶対圧PBAに対して図8(a)に示すよ
うに設定されている。吸気管内絶対圧PBAが高くなる
ほどT2MAP値を大きくしたのは、PBA値が増加す
るほど放電要求電圧が高くなるからである。
【0071】続くステップS3では、バッテリ電圧VB
に応じてKVBテーブルを検索する。KVBテーブル
は、図8(b)に示すようにバッテリ電圧VBに応じて
補正係数KVBが設定されたテーブルであり、KVB値
はバッテリ電圧VBが低いほど大きな値に設定される。
【0072】続くステップS4では、次式(1)により
再通電時間T2を検出する。
【0073】T2=T2TBL×KVB …(1) このように、バッテリ電圧VBに応じて補正するのは、
バッテリ電圧が低下すれば同一の再通電時間T2に対す
る再チャージ電圧が低下し、ディストリビュータ6のシ
リーズギャップをブレークダウンできなくなることを考
慮したからである。また、図8(b)に示すようにVB
値が8V以下のときはKVB=0として、再チャージを
中止し、実質的に失火判定を行わないようにしているの
は、バッテリ電圧が8V程度より低下すると、再通電時
間T2が長くなって最初の点火による放電期間と重複す
るので、これを回避するためである。
【0074】以上のように、再通電時間T2を吸気管内
絶対圧PBA及びバッテリ電圧VBに応じて設定するこ
とにより、適切な再チャージ電圧値を得ることができ
る。
【0075】なお、再通電の開始タイミング(図5
(a)、時刻t1)は、再チャージタイミング(同図、
時刻t2)及び再通電時間T2に基づいて、点火指令信
号発生時点(同図、時刻t0)を基準として決定する
(同図、T1参照)。
【0076】また、上記した再通電時間T2をバッテリ
電圧VBに応じて補正する手法に代えて、次式(2)に
より基準電圧VTREFをバッテリ電圧VBに応じて設
定するようにしてもよい。
【0077】 VTREF=VTREF0−CVTREF …(2) ここでVTREF0はバッテリ電圧VBが例えば14V
以上のときの基準電圧値であり、CVTREFは図9に
示すようにバッテリ電圧VBに応じて設定された補正変
数である。
【0078】このようにVTREF値を補正することに
より、バッテリ電圧VBの低下時においては、VTRE
F値はより小さな値に変更されるので、そのような場合
でも再チャージによる正確な失火判定が可能となる。
【0079】次に、本実施例におけるディストリビュー
タ6の構造について図10を参照して説明する。図10
(a)は本実施例のディストリビュータの構造を示し、
図10(b)は通常のディストリビュータの構造を比較
のために示している。これらの図から明らかなように、
本実施例ではロータ31の回転方向(矢印で示す)の幅
を従来のものより広くし、かつロータ31がセグメント
32と対向する位置にあるクランク角度(以下「ロータ
角」という)を、上死点前(BTDC)50度から上死
点後(ATDC)40度の範囲としている。従来のもの
のロータ角は上死点前50度から上死点後20度であ
り、本実施例のディストリビュータは、点火時期の遅角
方向にロータ角を広げた構造となっている。
【0080】これにより、再チャージタイミングを上死
点後40度まで遅らせても、プラグ電極間に確実に再チ
ャージ電圧を印加することができる。すなわち、図10
(b)に示した通常のディストリビュータでは、例えば
上死点後20度付近までしか再チャージタイミングを遅
らせることができず、再チャージ電圧をプラグ電極間に
印加できない場合が生じる。特にエンジン回転数が高い
場合には、点火指令信号による放電期間の終了時期が遅
角方向へ移動するため、再チャージタイミングも遅角方
向へ移動させる必要があり、かかる場合に通常のディス
トリビュータでは対応できないが、本実施例のディスト
リビュータによれば確実に再チャージ電圧を印加するこ
とができる。
【0081】なお、ロータ角の遅角方向への拡大は、前
述したように再チャージタイミングの遅角方向の限界が
上死点後40度程度であることに鑑み、この程度の角度
まで行えばよい。ただし、再チャージタイミングに対し
て遅角方向にディストリビュータのシリーズギャップ放
電期間を考慮した余裕分をとる必要がある。
【0082】図11は、ロータ角と再チャージタイミン
グとの関係を説明するための図であり、同図において曲
線L1及びL2はそれぞれ無負荷運転時の点火時期(点
火指令信号発生時期)及び放電終了時期を示している。
また、曲線L3及びL4はそれぞれ全負荷運転時の点火
時期及び放電終了時期を示している。また、曲線L5及
びL6は、それぞれ再通電の開始時期及び終了時期(す
なわち再チャージタイミング)を示している。この図に
示すように、エンジン負荷に拘らずエンジン回転数の高
回転領域では、放電終了時期が遅角方向に移動するた
め、再チャージタイミングも同方向に移動させる必要が
あり、本実施例のディストリビュータにより、このよう
な運転領域においても確実な再チャージ電圧の印加が可
能となる。
【0083】なお、設計上の他の理由でロータ角を広く
とれない場合には、再チャージタイミングがロータ角の
範囲より遅角側となることがあるので、再通電時間T2
は前述した図8(a)に示す設定より更に大きな値と
し、ロータとセグメントとの間でブレイクダウンが生じ
うる再チャージ電圧を発生させる必要がある。また、こ
の場合には、図12に示すように、エンジン回転数NE
が低下するほど再通電時間T2が長くなるように設定す
ることが望ましい。特に、エンジンの高負荷時には低回
転側ほど点火指令信号の発生時期が遅角方向に補正され
る量が大きくなるからである。
【0084】次に上述した失火判定手法の変形例につい
て、図13、14を参照して説明する。
【0085】図13の変形例は、ゲート期間TGの開始
時期(t3)を再チャージタイミング(t2)の直後と
したものであり、その他の点は上述した手法と同一であ
る。従って、図13(a),(c),(d),(f),
(g)は図5(a),(c),(d),(f),(g)と同一
であり、図13(e),(h)を参照すれば明かなよう
に、本変形例においても失火発生時のみVT値がVTR
EF値を越え、失火を検出することができる。
【0086】図14の変形例は、ゲート期間TGの開始
時期(t3)を、再チャージタイミング(t2)から時
間TA経過した時点としたものであり、その他の点は上
述した手法と同一である。従って、図14(a),
(c),(d),(f),(g)は図5(a),(c),
(d),(f),(g)と同一である。
【0087】本変形例では、ゲート期間TG内に点火電
圧Vが比較レベルVCOMPを越えたとき、即ち図2の
ゲート回路26が高レベルとなったとき失火発生と判定
する。時間TAを、再チャージによる点火電圧が、正常
燃焼できれば確実に減少する時間(図14(c)参照)
より長く設定しておけば、正常燃焼時にゲート期間中に
点火電圧Vが比較レベルVCOMPを越えることはない
一方(図14(c)参照)、失火発生時にはゲート開始
時点(t3)から時刻t11までV>VCOMPとなる
ので(同図(g)参照)、失火を検出することができ
る。なお、本変形例では、時間TAは、機関運転パラメ
ータ(エンジン回転数、吸気管内絶対圧等)の値に応じ
て設定している。
【0088】本変形例によれば、図2のパルス発生期間
計測回路27、基準値設定回路28、比較器29を削除
することができ、回路構成を簡略化することができる。
【0089】なお、ゲート期間TGの開始時期(t3)
を再チャージ時点から時間TA経過後とする場合におい
ても、失火発生時にはパルス発生期間計測回路27の出
力VTは図14(h)のようになるので、前述した手法
と同様にVT値がVTREF値を越えるとき、失火発生
と判定するようにしてもよい。図14(i)は、VTR
EF値を値0よりわずかに大きな値に設定したときの比
較器29の出力を示している。
【0090】なお、上述した実施例のように、点火プラ
グ及びその周辺回路にチャージされる電荷がFI失火時
と燃焼時とで異なる点を利用してFI失火の検出を行う
場合には、点火プラグ5に印加する電圧の極性は、中心
電極5a側を正電位とすることが望ましい。正電位とす
ることにより、プラグ電極周辺回路にチャージされる電
荷は正電荷となり、燃焼時においてこれを中和するのは
負電荷、すなわち電子となり、正電荷のイオンに比べて
移動速度が速くなる。その結果、点火電圧Vが比較レベ
ルVCOMPを越える期間の燃焼時と失火時の差が顕著
となるからである。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の失火検
出装置によれば、点火指令信号発生後に発生する、機関
回転数、機関負荷及び前記点火手段に電力を供給するバ
ッテリ電圧の少なくとも一つを含み機関運転パラメータ
に応じて設定される所定印加電圧値の高電圧を前記点火
プラグに発生させる信号である再チャージ指令信号によ
り、点火プラグの周辺回路に再度電荷がチャージされ、
この再チャージされた電荷は失火時のみ比較的長時間保
持されるので、点火電圧値が所定比較電圧値を越える期
間に基づく失火判定を、機関運転状態の広い範囲にわた
って、より確実に行うことができる。特に、点火電圧が
高電圧となり、失火時に点火プラグ周辺回路に蓄積され
た電荷が早期に放電してしまうような場合に顕著な効果
を奏する。
【0092】特に、点火電圧が高電圧となり、失火時に
点火プラグ周辺回路に蓄積された電荷が早期に放電して
しまうような場合に顕著な効果を奏する。
【0093】請求項4の失火検出装置によれば、再チャ
ージ指令信号発生後において点火電圧値と所定比較電圧
値との比較が行われ、点火電圧値が所定比較電圧値を越
えるとき、機関の失火状態と判定されるので、請求項1
の装置と同様の効果を奏するとともに、回路構成の簡略
化を図ることができる。
【0094】また、請求項6の失火検出装置によれば、
火花放電が発生しない程度の値(所定印加電圧値)の電
圧が点火プラグ間に印加されるので、火花放電の発生に
よって誤判定されることを防止することができる。
【0095】また、請求項7の失火検出装置によれば、
所定印加電圧値は、所定の機関運転パラメータに応じて
設定されるので、機関運転状態の広い範囲にわたって確
実な検出が可能となる。
【0096】請求項9の失火検出装置によれば、比較期
間の開始時期及び/又は終了時期が機関運転パラメータ
値に応じて設定されるので、機関運転状態の広い範囲に
わたって確実な検出が可能となる。
【0097】請求項10の失火検出装置によれば、点火
電圧値が比較電圧値を越える期間の基準値は、バッテリ
電圧に応じて変更されるので、バッテリ電圧の変化に拘
らず正確な検出が可能となる。
【0098】また、請求項11の失火検出装置によれ
ば、再チャージ指令信号の発生タイミングが機関運転状
態に応じて設定されるので、機関運転状態の広い範囲に
わたって確実な検出が可能となる。
【0099】また、請求項12の失火検出装置によれ
ば、ディストリビュータのロータの回転方向の幅が点火
時期の遅角方向に拡大され、再チャージ指令信号の発生
時期の設定可能範囲が遅角方向に拡大されるので、機関
運転状態の広い範囲にわたって確実な検出が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る失火検出装置の全体構
成を示す図である。
【図2】失火判定回路の具体的な構成を示すブロック図
である。
【図3】失火判定回路の一部の具体的な構成を示す回路
図である。
【図4】失火判定回路の一部の具体的な構成を示す回路
図である。
【図5】失火判定回路の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図6】再チャージタイミングを決定する期間(T1)
を算出するためのマップを示す図である。
【図7】再通電時間(T2)を算出する手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】再通電時間の算出に用いるテーブルの設定を示
す図である。
【図9】基準値(VTREF)の補正変数(CVTRE
F)を算出するためのテーブルを示す図である。
【図10】ディストリビュータの構造を示す図である。
【図11】ロータ角と再通電時期との関係を説明するた
めの図である。
【図12】エンジン回転数(NE)と再通電時間(T
2)との関係を示す図である。
【図13】失火判定手法の変形例を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図14】失火判定手法の変形例を説明するためのタイ
ムチャートである。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 一次側コイル 3 二次側コイル 5 点火プラグ 8 電子コントロールユニット(ECU) 9 各種機関運転パラメータセンサ 10 点火電圧センサ 11 CPU 22 ピークホールド回路 26 パルス発生期間計測回路
フロントページの続き (72)発明者 丸山 茂 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 馬場 茂樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 久木 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 澤村 和同 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 高木 治郎 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 寺田 収宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−339176(JP,A) 特開 平5−106545(JP,A) 特開 平5−65866(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 17/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基
    づいて点火時期を決定して点火指令信号を発生する点火
    指令信号発生手段と、前記点火指令信号に基づいて、機
    関に備えられた点火プラグを放電させる為の高電圧を発
    生させる点火手段と、前記点火手段に高電圧が発生され
    る時の電圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指
    令信号発生後の点火電圧値が所定比較電圧値を越える期
    間が基準値を越えるとき、機関の失火状態と判定する失
    火判定手段とを有する内燃機関の失火検出装置におい
    て、 前記点火指令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を
    発生させるための再チャージ指令信号発生手段を設け 前記再チャージ指令信号は火花放電が発生しない程度の
    所定印加電圧値の電圧を前記点火プラグ間に発生させる
    信号であり、前記所定印加電圧値は機関回転数、機関負
    荷及び前記点火手段に電力を供給するバッテリ電圧の少
    なくとも一つを含む機関運転パラメータに応じて設定さ
    れる ことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 前記失火判定手段は、前記点火電圧値と
    所定比較電圧値との比較を行うべき比較期間を限定する
    期間限定手段を有し、該比較期間において前記点火電圧
    値が所定比較電圧値を越える期間の長さに基づいて失火
    状態を判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機
    関の失火検出装置。
  3. 【請求項3】 前記再チャージ指令信号発生手段は、前
    記比較期間内において前記再チャージ指令信号を発生さ
    せることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の失火検
    出装置。
  4. 【請求項4】 機関運転パラメータの値を検出する機関
    運転状態検出手段と、前記機関運転パラメータの値に基
    づいて点火時期を決定して点火指令信号を発生する点火
    指令信号発生手段と、前記点火指令信号に基づいて、機
    関に備えられた点火プラグを放電させる為の高電圧を発
    生させる点火手段と、前記点火手段に高電圧が発生され
    る時の電圧値を検出する電圧値検出手段と、前記点火指
    令信号発生後の点火電圧値が所定比較電圧値を越えると
    き、機関の失火状態と判定する失火判定手段とを有する
    内燃機関の失火検出装置において、 前記点火指令信号発生後、再度前記点火手段に高電圧を
    発生させるための再チャージ指令信号を発生する再チャ
    ージ指令信号発生手段と、 前記再チャージ指令信号発生後の前記点火電圧値と所定
    比較電圧値との比較を行うべき比較期間を限定する期間
    限定手段とを設けたことを特徴とする内燃機関の失火検
    出装置。
  5. 【請求項5】 前記失火判定手段は、前記比較期間にお
    いて前記点火電圧値が所定比較電圧値を越える期間が基
    準値を越えるとき、機関の失火状態と判定することを特
    徴とする請求項4記載の内燃機関の失火検出装置。
  6. 【請求項6】 前記再チャージ指令信号は、火花放電が
    発生しない程度の所定印加電圧値の電圧を前記点火プラ
    グ間に発生させる信号であることを特徴とする請求項
    記載の内燃機関の失火検出装置。
  7. 【請求項7】 前記所定印加電圧値は、所定の期間運転
    パラメータに応じて設定されることを特徴とする請求項
    6記載の内燃機関の失火検出装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の期間パラメータは、機関回転
    数、機関負荷及び前記点火手段に電力を供給するバッテ
    リの出力電圧の少なくとも一つであることを特徴とする
    請求項7記載の内燃機関の失火検出装置。
  9. 【請求項9】 前記期間限定手段は、前記比較期間の開
    始時期及び終了時期の少なくとも一方を前記機関運転パ
    ラメータの値に応じて設定することを特徴とする請求項
    2又は4記載の内燃機関の失火検出装置。
  10. 【請求項10】 前記失火判定手段は、前記基準値をバ
    ッテリ電圧に応じて変更することを特徴とする請求項1
    又は5記載の内燃機関の失火検出装置。
  11. 【請求項11】 前記再チャージ指令信号発生手段は、
    前記点火指令信号の発生から前記再チャージ指令信号の
    発生までの期間を機関運転状態に応じて設定することを
    特徴とする請求項1乃至10記載の内燃機関の失火検出
    装置。
  12. 【請求項12】 前記点火手段は、機関の各気筒に対応
    したセグメント及び機関の回転に同期して回転するロー
    タを有するディストリビュータを含み、前記ロータの回
    転方向の幅は、点火時期の遅角方向に拡大されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至11記載の内燃機関の失火
    検出装置。
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