JP2919756B2 - ごみ破袋機能を備えたごみ供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、投入されたごみを後続
の装置に適宜に供給するとともに、この供給時にごみ袋
の破袋や場合によってごみの破砕を行う機能を有するご
み破袋機能を備えたごみ供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、搬送スクリューにより投入された
ごみを後続の装置に適宜に供給するごみ供給装置が種々
提供されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のごみ供給装置では、投入されたごみを後続の装置に
円滑に供給するのが目的であり、このごみ供給装置自体
にごみ袋を破袋する機能はなく、ごみ袋の破袋を行う場
合は、ごみ供給装置の前部もしくは後部にごみ袋を破袋
する破袋装置を別個設けている。このように破袋装置を
別設するものでは、この破袋装置の分だけ設置スペース
が多く必要になるとともに、破袋を専用とする破袋装置
は高価であり、システム全体のコストが高くなるという
問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載のごみ破袋
機能を備えたごみ供給装置は、上部にごみを投入する投
入口が形成されるとともに、底部にごみ供給口が形成さ
れたハウジングと、上記ハウジング内に配置され、スク
リュー刃が断続的に連なる複数の刃体で形成されたスク
リューと、前記ハウジングの内壁に配置され、前記スク
リュー刃との間でごみを破袋する複数の固定刃と、前記
スクリューを回転駆動させ、ごみをごみ供給口に搬送す
る駆動手段とで構成されてなり、前記スクリュー刃を構
成する複数の刃体は、隣接する刃体同士が、連続的に形
成されたスクリュー刃の軌跡に比してスクリューの軸方
向にオーバーラップして配置されたものである。

【０００５】請求項２記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置は、前記ごみ供給口がハウジングの底部の一端
に形成されるとともに、ハウジングの底部の他端に異物
排出口が形成され、さらに、前記ハウジング内には、前
記スクリューの配置方向と略直交する方向に配設され、
前記投入口から投入されるごみを受け入れる前記異物排
出口側の受入れ部と、ごみ供給口側の供給部とに仕切る
第１仕切板が設けられ、この第１仕切板に形成された貫
通孔に前記スクリュー刃が適当な隙間を存して貫通配置
され、上記貫通孔を通過しないごみを異物排出口側に搬
送する手段を備えたものである。

【０００６】請求項３記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置は、前記スクリューが前記ハウジング内に２本
配置されるとともに、これらスクリューとスクリューと
の間が第２仕切板で仕切られたものである。

【０００７】請求項４記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置は、前記２本のスクリューを回転駆動させる駆
動手段が、当該２本のスクリューを別個独立に駆動させ
るものである。

【０００８】請求項５記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置は、前記ハウジングが上下に分割可能になされ
たものである。

【０００９】

【００１０】

【００１１】

【作用】請求項１記載のごみ破袋機能を備えたごみ供給
装置では、スクリュー刃が断続的に連なる複数の刃体で
構成されるとともに、この隣接する刃体同士を、連続的
に形成されたスクリュー刃の軌跡に比してスクリューの
軸方向にオーバーラップして配置したことで、スクリュ
ーによる搬送能力を低下させることなく、円滑に搬送し
ながらごみ袋の破袋を行う。

【００１２】請求項２記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置では、ごみ供給口をハウジングの底部の一端に
形成するとともに、ハウジングの底部の他端に異物排出
口を形成し、さらに、ハウジング内を第１仕切板により
投入口から投入されるごみを受け入れる受入れ部と、ご
み供給口側の供給部とに仕切り、この第１仕切板の貫通
孔にスクリュー刃を適当な隙間を存して貫通配置し、ご
み搬送時に貫通孔を通過しないごみを異物排出口側に搬
送する。

【００１３】請求項３記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置では、スクリューがハウジング内に２本配置さ
れるとともに、これらスクリューとスクリューとの間を
第２仕切板で仕切ることで、２本のスクリューによりご
みの搬送を行う。

【００１４】請求項４記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置によれば、２本のスクリューを各駆動手段によ
って別個独立に駆動させているので、一方のスクリュー
に不具合や故障が生じても他方のスクリューの駆動を継
続させ、ごみを搬送させることが可能である。

【００１５】請求項５記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置によれば、ハウジングを上下に分割可能に構成
しているので、このハウジングを上下に分離させること
で、メンテナンスや修理を容易に行う。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１７】図１乃至図３は、本発明に係るごみ破袋機
能を備えたごみ供給装置の概略構成を示している。

【００１８】図において１は、ごみ供給装置のハウジン
グで、ハウジング１の上部には投入口１１が形成される
とともに、底部の一端にはごみ供給口１２が、他端には
異物排出口１３が形成されている。

【００１９】前記ハウジング１内には、スクリュー３が
それぞれ平行に配置され、このスクリュー３の両端部が
ベアリング３ａを介して該ハウジング１の側壁に回転自
在に支持されている。

【００２０】さらに、ハウジング１内には前記スクリュ
ー３の配置方向と略直交する方向に第１仕切板４が配設
されている。この第１仕切板４は、前記投入口１１より
もゴミ供給口１２側に配置されており、該第１仕切板４
によってハウジング１内が前記投入口１１から投入され
るごみを受け入れる受入れ部１５と、ごみ供給口１２側
の供給部１６とに区画されている。

【００２１】上記第１仕切板４には、スクリュー３を貫
通配置するための貫通孔４１が形成され、この貫通孔の
径はスクリュー３のスクリュー刃３１の径よりも若干大
きく形成されている。

【００２２】前記供給部１６内には、左右のスクリュー
３，３を仕切る第２仕切板２が配設されている。

【００２３】前記スクリュー３は、図４に示すように、
軸部３２の周面にスクリュー刃３１が螺旋状に形成され
たものである。スクリュー３は、前記受入れ部１５に配
置された部分が連続的に一体に形成されるとともに、前
記供給部１６に配置された部分が複数の刃体３１ａによ
り断続的に形成されている。

【００２４】ここで、複数の刃体３１ａは、その隣接す
る刃体３１ａ同士が、連続的に形成されたスクリュー刃
の軌跡（二点鎖線参照）に比してスクリュー３の軸方向
にオーバーラップして配置されており、図示例のもので
は刃体３１ａの終端Ａと、隣接する刃体３１ａの始端Ｂ
とがスクリュー３の軸方向で略一致するように構成され
ている。

【００２５】このように複数の刃体３１ａを形成するこ
とで、隣接する刃体３１ａと刃体３１ａとの間には隙間
が形成され、この隙間により後述するスクリューの駆動
時においてごみ袋を破袋する機能が得られる。なお、複
数の刃体３１ａはスクリュー３の本来の持つ搬送能力も
備えている。

【００２６】前記供給部１６を形成するハウジング１の
内壁には、複数の固定刃５１、５２が設けられている。
固定刃５１は、供給部１６の形成するハウジング１の底
部に固設配置され、固定刃５２は供給部１６の形成する
ハウジング１の側壁及び前記第２仕切板２に固設配置さ
れている。これら固定刃５１、５２は、前記複数の刃体
３１ａとの間でごみ袋を破袋するためのもので、大きな
ごみを粗く破砕する役目も果たすものである。

【００２７】このように構成された２本のスクリュー
３，３は、ハウジング１の側部にそれぞれ設けられた駆
動モータ６により別個独立に駆動される。駆動モータ６
は、その出力軸６１がスクリュー３の軸の一端に連結さ
れており、該駆動モータ６を駆動させることでスクリュ
ー３を正逆方向に回転駆動させることができる。

【００２８】また、駆動モータ６は、該駆動モータ６の
駆動に所定以上の負荷がかかった場合に、つまり、スク
リュー３の駆動に所定以上の負荷がかかった場合に、過
負荷電流により該スクリュー３を逆回転させるように構
成されている。なお、駆動モータ６は、通常は受入れ部
１５側から供給部１６側にごみを搬送するようにスクリ
ュー３を回転駆動させている。

【００２９】さらに、前記ハウジング１は、図３に示す
ように、配設されるスクリュー３の略中心に位置する部
位から上下に上ハウジング１ａと下ハウジング１ｂとに
２分割されており、ボルト等の適宜な固縛手段を解除す
ることで分離可能に構成されている。このようにハウジ
ングを上下に分離させることで、メンテナンスや修理を
容易に行うことができる。

【００３０】次に、本発明のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置の動作について説明する。

【００３１】まず、ごみを投入口１１からハウジング１
の受入れ部１５に投入する。この際、スクリュー３はご
みを受入れ部１５から供給部１６に搬送するように回転
駆動されており、受入れ部１５に投入されたごみは、こ
のスクリュー３の回転駆動でスクリュー刃３１による搬
送作用で供給部１６に搬送される。

【００３２】供給部１６では、スクリュー３に形成され
た複数の刃体３１ａによりごみを収容したごみ袋を破袋
しながらごみ供給口１２に搬送し、該ごみ供給口１２か
らごみを搬出する。詳しくは、供給部１６において、ご
み袋は、複数の刃体３１ａの間に形成された隙間に入り
ながらスクリュー３の回転により搬送されることで、刃
体３１ａ間の隙間で引っ掛かりながら搬送され、さらに
固定刃５１、５２の作用と相まってさらに破袋されてご
み供給口１２から搬出されることになる。

【００３３】そして、搬出されたごみは、選別装置や乾
燥装置などの適宜な後続の装置に搬送される。

【００３４】また、固定刃５１、５２は、上述したごみ
袋の破袋機能とともに、形状の大きなごみをスクリュー
３との間で粗く破砕することもできる。

【００３５】なお、複数の刃体３１ａは、隣接する刃体
３１ａ同士を連続的に形成されたスクリュー刃の軌跡に
比してスクリューの軸方向にオーバーラップして配置し
ているので、搬送能力の著しい低下を防止することがで
き、ごみを円滑に搬送することができる。

【００３６】上述したように受入れ部１５に投入された
ごみは、スクリュー３により該受入れ部１５から供給部
１６に搬送されるのであるが、この受入れ部１５から供
給部１６へは貫通孔４１を挿通して搬送されている。こ
の際、貫通孔４１とスクリュー３の間を挿通しないよう
な大きなごみは、該貫通孔４１で詰まりスクリュー３の
回転駆動を阻害することになる。このような場合におい
て、駆動モータ６では、過負荷電流が生じるためこの過
負荷電流によりスクリュー３を逆方向に回転させ、貫通
孔４１で詰まったごみを異物と見なして異物排出口１３
から排出する。

【００３７】具体的には、例えば、貫通孔４１でごみが
詰まり過負荷電流が生じた場合に、スクリュー３を若干
逆回転させた後に再び正回転させる動作を３回程度繰り
返し、これでも貫通孔４１でごみが詰まりが解除できな
い場合に、異物と見なして異物排出口１３から排出され
るに十分な時間、スクリュー３を逆回転させる。

【００３８】このように、スクリュー３を正逆回転制御
することで、異物選別機能をも備えたごみ供給装置を提
供することができる。

【００３９】また、２本のスクリュー３は別の駆動装置
よって別個独立に駆動されているので、一方のスクリュ
ー３に不具合や故障が生じても他方のスクリュー３の駆
動を継続させることができ、効率良く作動させることが
できる。

【００４０】

【００４１】

【発明の効果】請求項１記載のごみ破袋機能を備えたご
み供給装置によれば、スクリュー刃が断続的に連なる複
数の刃体で構成されるとともに、この隣接する刃体同士
を、連続的に形成されたスクリュー刃の軌跡に比してス
クリューの軸方向にオーバーラップして配置したこと
で、スクリューによる搬送能力を低下させることなく、
円滑に搬送しながらごみ袋の破袋を行うことができる。

【００４２】請求項２記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置によれば、ごみ供給口をハウジングの底部の一
端に形成するとともに、ハウジングの底部の他端に異物
排出口を形成し、さらに、ハウジング内を第１仕切板に
より投入口から投入されるごみを受け入れる受入れ部
と、ごみ供給口側の供給部とに仕切り、この第１仕切板
の貫通孔にスクリュー刃を適当な隙間を存して貫通配置
し、ごみ搬送時に貫通孔を通過しないごみを異物排出口
側に搬送することで、異物の選別をもすることができ
る。

【００４３】請求項３記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置によれば、スクリューがハウジング内に２本配
置されるとともに、これらスクリューとスクリューとの
間を第２仕切板で仕切ることで、２本のスクリューによ
りごみの搬送を行うことができ、処理能力を大きくする
ことができる。

【００４４】請求項４記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置によれば、２本のスクリューを各駆動手段によ
って別個独立に駆動させているので、一方のスクリュー
に不具合や故障が生じても他方のスクリューの駆動を継
続させることができ、効率良く作動させることができ
る。

【００４５】請求項５記載のごみ破袋機能を備えたごみ
供給装置によれば、ハウジングを上下に分割可能に構成
しているので、このハウジングを上下に分離させること
で、メンテナンスや修理を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るごみ破袋機能を備えたごみ供給装
置の構成を示す側面視の断面図である。

【図２】本発明に係るごみ破袋機能を備えたごみ供給装
置の構成を示す平面視の断面図である。

【図３】本発明に係るごみ破袋機能を備えたごみ供給装
置の構成を示す正面視の断面図である。

【図４】スクリューの構成を示す図である。

【符号の説明】

１ ハウジング １ａ 上ハウジング １ｂ 下ハウジング １１ 投入口 １２ ごみ供給口 １３ 異物排出口 ２ 第２仕切板 ３ スクリュー ４ 第１仕切板 ４１ 貫通孔 ３１ スクリュー刃 ３１ａ 刃体 ５１、５２ 固定刃 ６ 駆動モータ（駆動手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｂ６５Ｇ 33/18 Ｂ６５Ｇ 33/18 65/46 65/46 Ｚ (72)発明者 森永 雅庸 兵庫県西宮市田近野町６−107 新明和 工業株式会社 開発技術本部内 (72)発明者 佐藤 文雄 神奈川県横浜市鶴見区駒岡２丁目４番22 号 新明和ウェステック株式会社内 (72)発明者 江頭 克博 兵庫県西宮市田近野町６−107 新明和 工業株式会社 開発技術本部内 (56)参考文献 特開 昭58−109147（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−55090（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−141（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−286504（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−11710（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−93749（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−71635（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−91219（ＪＰ，Ｕ) 実開 平７−19211（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−78308（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−87305（ＪＰ，Ｕ) 実開 平７−21135（ＪＰ，Ｕ) 特公 平５−21801（ＪＰ，Ｂ２) 実公 平５−20444（ＪＰ，Ｙ２) 実公 平３−51623（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭63−5786（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65F 5/00 B65F 3/00 - 3/28 B65F 1/00 - 1/16 B65G 33/00 - 33/38 B65G 65/46 B26D 7/27

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部にごみを投入する投入口が形成され
   るとともに、底部にごみ供給口が形成されたハウジング
   と、 上記ハウジング内に配置され、スクリュー刃が断続的に
   連なる複数の刃体で形成されたスクリューと、 前記ハウジングの内壁に配置され、前記スクリュー刃と
   の間でごみを破袋する複数の固定刃と、 前記スクリューを回転駆動させ、ごみをごみ供給口に搬
   送する駆動手段とで構成されてなり、 前記スクリュー刃を構成する複数の刃体は、隣接する刃
   体同士が、連続的に形成されたスクリュー刃の軌跡に比
   してスクリューの軸方向にオーバーラップして配置され
   たことを特徴とするごみ破袋機能を備えたごみ供給装
   置。
2. 【請求項２】 前記ごみ供給口はハウジングの底部の一
   端に形成されるとともに、ハウジングの底部の他端に異
   物排出口が形成され、さらに、前記ハウジング内には、
   前記スクリューの配置方向と略直交する方向に配設さ
   れ、前記投入口から投入されるごみを受け入れる前記異
   物排出口側の受入れ部と、ごみ供給口側の供給部とに仕
   切る第１仕切板が設けられ、この第１仕切板に形成され
   た貫通孔に前記スクリュー刃が適当な隙間を存して貫通
   配置され、上記貫通孔を通過しないごみを異物排出口側
   に搬送する手段を備えた請求項１記載のごみ破袋機能を
   備えたごみ供給装置。
3. 【請求項３】 前記スクリューが前記ハウジング内に２
   本配置されるとともに、これらスクリューとスクリュー
   との間が第２仕切板で仕切られた請求項１又は２記載の
   ごみ破袋機能を備えたごみ供給装置。
4. 【請求項４】 前記２本のスクリューを回転駆動させる
   駆動手段は、当該２本のスクリューを別個独立に駆動さ
   せるものである請求項３記載のごみ破袋機能を備えたご
   み供給装置。
5. 【請求項５】 前記ハウジングは上下に分割可能な請求
   項１、２、３又は４記載のごみ破袋機能を備えたごみ供
   給装置。