JP2918566B2 - 化合物超電導体および化合物超電導体の製造方法 - Google Patents

化合物超電導体および化合物超電導体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、化合物超電導体およびその製造方法に係わ
り、特に化合物超電導体の構成元素の拡散による安定化
材の電気抵抗の低下を防止し、さらに安定化材の機械的
強度を向上させた化合物超電導体およびその製造方法に
関する。
(従来の技術) 従来、この種の化合物超電導体は、たとえば次のよう
な方法で製造されていた。
すなわち、超電導体としてNb3Snマルチ超電導線を例
にとると、Sn線上に、Cu管、Nb管、Cu管を順に被覆し、
これをスウェージングマシンなどにより一体化加工して
所定の外径まで減面加工を施しながら外形が正六角形の
ロッドに成形する。次いで、この六角形のロッドの多数
本をCu管からなる安定化材内に挿入し、スウェージング
マシンなどにより一体化した後、減面加工を施し、所定
の外径となったところで熱処理工程を施すことによって
Snをその上のCu層を拡散させてNb層と反応させ、Nb層の
表面にNb3Sn超電導体を形成する。
第14図は、このようにして製造されたマルチ超電導体
を示すもので、Cu−Sn芯1上にNb3Sn超電導体2が配置
され、その上にNbからなる拡散防止層3、Cuからなる安
定化材4が順に形成されている。なお、安定化材4は、
Nb3Sn超電導体2の常電導転移時に電流が流され、焼損
などを防止する作用をする。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このような化合物超電導線の安定化材とし
て用いられているCuは、通常、残留抵抗比(以下、RRR
と記す。)が200〜300で、20[K]における比抵抗ρは
〜1×10-8[Ω・cm]と非常に低い。しかし、熱処理時
にCu−Sn芯1中のSnが安定化材4中に拡散すると、安定
化材4はSnによって汚染されてしまう。
拡散防止層3は、このような安定化材4中へのSnの拡
散を防止する機能を奏するが、熱処理時における安定化
材4へのSnの拡散を防ぐ効果は必ずしも十分なものでは
なく、しかも拡散防止層3の素材となるNbなどが安定化
材4中に拡散することも避けられない。また、Tiなどを
添加したNb3SnではTiの安定化材4への拡散もある。こ
のように安定化材4中にNb、Ti、Snなどが拡散すると、
安定化材4のRRRは1〜10、20[K]におけるρは1×1
0-7〜1×10-6[Ω・cm]となって、純Cuに比べて1桁
から2桁も電気抵抗が増加し、これによって化合物超電
導線の安定性が損なわれるという問題があった。
また、安定化材4中への不純物元素の拡散を抑えるた
め、熱処理温度を低くするとともに、熱処理時間を短く
することが行われているが、この場合、逆にNb3Sn層の
生成が抑えられ、臨界電流(密度)などの超電導特性が
低いものしか得られないという欠点があった。
一方、従来のCuを安定化材として用いる超電導線は引
張り強さが小さいため、一般にステンレス鋼などをテン
ションメンバーとして用いることが行われているが、こ
のような超電導線は製造工程が煩雑になり製品コストが
高くなるうえに、スペースファクターも悪くなるという
難点があった。
本発明は上記事情に対処してなされたもので、その第
1の目的は、安定化材の電気抵抗を低く維持することの
できる化合物超電導体の製造方法を提供することにあ
る。
また本発明の第2の目的は、安定化材の電気抵抗を低
く維持するとともに、その機械的強度を向上させた化合
物超電導体の製造方法を提供することにある。
さらに、第3の目的は、安定化材の電気抵抗を低く維
持するとともに、その機械的強度を向上させた化合物超
電導体を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち第1の発明は、(a)熱処理により反応して
化合物超電導体を形成する化合物超電導体材料または化
合物超電導体と、(b)この化合物超電導体材料または
化合物超電導体と直接、もしくは拡散防止層を介して一
体化されたCuを主成分とする安定化材とを有する構造体
を、熱処理する方法において、前記化合物超電導体材料
または化合物超電導体と安定化材との境界面形状、ある
いは前記拡散防止層と安定化材との境界面形状を凹凸形
状とすると共に、前記安定化材の表面にCuの酸化物薄層
を形成した後、非酸化性雰囲気中で前記熱処理を行い、
前記化合物超電導体と安定化材との間または前記拡散防
止層と安定化材との間に、前記化合物超電導体または前
記拡散防止層の構成元素の酸化物を含む金属酸化物層を
不連続に形成することを特徴としている。
また第2の発明は、第1の発明において安定化材とし
てAl、Ti、Zr、Mg、Cr、Nb、NiおよびAl2O3からなる群
から選ばれた少なくとも1種を0.1〜2重量%含むCu合
金を使用し、前記安定化材の表面にCuの酸化物薄層を形
成させ非酸化雰囲気中で、または前記安定化材の表面に
Cuの酸化物薄層が形成する大気の酸素分圧より低い酸素
分圧下で、前記熱処理を行うことを特徴としている。
さらに第3の発明は、第1の発明における構造体に予
備熱処理を施して前記化合物超電導体材料または化合物
超電導体、あるいは拡散防止層の構成元素を0.1〜2重
量%の範囲で前記安定化材中に拡散させ、次いで前記安
定化材の表面にCuの酸化物薄層を形成した後、非酸化性
雰囲気中で前記熱処理を行い、前記安定化材中に拡散さ
せた前記化合物超電導体または前記拡散防止層の構成元
素を酸化物として析出させると共に、前記化合物超電導
体と安定化材との間または前記拡散防止層と安定化材と
の間に、前記化合物超電導体または前記拡散防止層の構
成元素の酸化物を含む金属酸化物層を形成することを特
徴としている。
またさらに第4の発明は、第1の発明において安定化
材を高純度Cu層と酸化しやすい元素または化合物による
強化Cu合金層とによる2層構造とし、かつ最外層側に形
成された前記高純度Cu層の表面にCuの酸化物薄層を形成
させ非酸化性雰囲気中で、または前記高純度Cu層の表面
にCuの酸化物薄層が形成する大気の酸素分圧より低い酸
素分圧下で、前記熱処理を行うことを特徴としている。
また、第5の発明は、化合物超電導体の外周に安定化
材を設けてなる化合物超電導体において、前記化合物超
電導体と前記安定化材との間に、少なくとも前記化合物
超電導体の構成元素の酸化物を含む金属酸化物からなる
拡散防止層が不連続に設けられていることを特徴として
いる。
さらに第6の発明は、化合物超電導体の外周に安定化
材を設けてなる化合物超電導体において、前記安定化材
が分散強化型Cu合金からなり、かつ前記化合物超電導体
と前記安定化材との間に多層構造を有する拡散防止層が
設けられており、前記多層構造の拡散防止層は、金属層
からなる第1の拡散防止層と、前記化合物超電導体また
は前記第1の拡散防止層の構成元素の酸化物を含む金属
酸化物からなる不連続な第2の拡散防止層とを有するこ
とを特徴としている。
またさらに第7の発明は、化合物超電導体の外周に安
定化材を設けてなる化合物超電導体において、前記安定
化材が高純度Cu層と分散強化型Cu合金層とによる2層構
造を有し、かつ前記高純度Cu層と分散強化型Cu合金層と
の間に少なくとも金属酸化物からなる拡散防止層が不連
続に設けられていることを特徴としている。
本発明の化合物超電導体に用いられる安定化材として
は、以下に示すものが例示される。
(a) 導電性に優れた高純度Cuで安定化材を構成す
る。
(b) Al、Ti、Zr、Mg、Cr、Nb、NiおよびAl2O3から
なる群から選ばれた少なくとも1種を0.1〜2重量%含
むCu合金で安定化材を構成する。
(c) 導電性に優れた高純度Cu層と酸化しやすい元素
または化合物による強化Cu合金層との2層構造で安定化
材を構成する。
上記(a)の場合、本発明の製造方法における熱処理
は、安定化材のCu中に固溶している不純物を、安定化材
の表面に形成されたCuの酸化物薄層から拡散した酸素に
より酸化して酸化物として析出させるとともに、超電導
体外周またはその外周に形成された拡散防止層上に、安
定化材のCu中に固溶している不純物の酸化物、超電導体
の構成元素の酸化物または拡散防止層の構成元素の酸化
物による強固な拡散防止層を形成するためのものであ
る。また、安定化材中に化合物超電導体の構成元素や拡
散防止層の構成元素を予め0.1〜2重量%程度分散させ
た後、本発明の熱処理を行うことによって、これら拡散
させた元素が安定化材中で酸化物として析出し、安定化
材が分散強化安定化Cuとなり、引張り強さを向上させる
ことができる。
また、上記(b)の場合、本発明の製造方法における
熱処理は、上記(a)と同様に安定化材中の不純物を析
出させ、超電導体外周またはその外周に形成された拡散
防止層上に超電導体の構成元素や拡散防止層の構成元素
の酸化物による強固な拡散防止層を形成するとともに、
安定化材中に含まれるAlなどの金属元素を酸化物として
析出させて分散強化安定化Cuとし、安定化材を強化する
ものである。
さらに、上記(c)の場合、本発明の製造方法におけ
る熱処理は、安定化材の高純度Cu層中に固溶している不
純物を、高純度Cu層の表面に形成されたCuの酸化物薄層
から拡散した酸素により酸化して酸化物として析出させ
るとともに、高純度Cu層と強化Cu合金層間に強化Cu合金
中の添加元素の酸化物、高純度Cu中に固溶している不純
物の酸化物、超電導体の構成元素の酸化物または拡散防
止層の構成元素の酸化物による強固な拡散防止層を形成
するためのものである。
この際に用いられる強化Cu合金としては、Zr−Cu、Zr
−Cr−Co−Cu、Ni−Cu、Ni−Zn−Cu、Ni−Sn−Cu、Sn−
Cu、Sn−P−Cu、Ti−Cu、Be−Cuなどの酸化しやすい元
素を固溶させた固溶強化型Cu合金やスピノーダル強化型
Cu合金、さらにはアルミナなどによる粒子分散強化型Cu
合金などが使用される。
これら強化Cu合金のうち、特に酸化銅とアルミナの混
合物を還元焼結することによって得られる粒子分散強化
型Cu合金の使用が好適している。この還元法によるアル
ミナ含有Cu合金は、超電導層生成温度における熱処理に
よっても引張り強度の低下が少なく、本発明の化合物超
電導体のテンションメンバーとして充分な効果をもたら
す。また、固溶強化型Cu合金のうちでは、10〜30wt%Ni
−Cu、0.8wt%Cr−0.2wt%Zr−Cu、0.5wt%Ti−Cuなど
が同様な理由から好適している。
なお、上記(a)〜(c)いずれの場合においても、
本発明の熱処理は超電導体形成のための熱処理ととも
に、または必要に応じて超電導体が形成された後に行わ
れる。また、熱処理によって形成される金属酸化物層の
みによっても、拡散防止層としての効果を充分に得るこ
とができる。
本発明に用いられる熱処理により反応して化合物超電
導体を形成する化合物超電導体材料としては、たとえば
Nb3Snの形成材料であるNbとSn、およびNb3Alの形成材料
であるNbとAlが例示される。
上記(a)と(b)とを有する構造体としては、 第1図(a)に示すように、Snコア11上にCu層12、
Nb層13、安定化材層14を順に設けたもの、 同図(b)に示すように、Nbコア15上に、Snを固溶
させたCu合金層16を設けたもの、 、をそれぞれマルチ構造としたもの、 をマルチ構造とし、その外周に拡散防止層と安定
化材層を順に設けたもの、 同図(c)に示すように、Al合金の棒17の外周にNb
被覆18を設けたもの、 をマルチ構造としたもの、 の外周に安定化材層を設けたもの などが例示される。
なお、本発明における構造体は、これらのものに限定
されるものではなく、安定化材の表面が酸素ガスと接す
る形態であれば、どのような形状、構造のものであって
もよい。また、これらの構造体中の安定化材のCuと他の
拡散防止層、超電導体などの構成元素との比率は、0.2
〜10程度が望ましい。なお、上記のCu合金を用いるも
のは、たとえばCu−Sn合金ではSn濃度が14wt%以上にな
ると中間焼鈍を加えても加工が困難になる。
安定化材の表面に形成するCuの酸化物薄層は、CuO、C
u2O単独またはCuOとCu2Oとの混合物からなる厚さが0.1
μm〜10μm程度のもので、たとえば酸素濃度10%以上
の常圧処理雰囲気中においては100℃〜400℃の温度で、
1〜120時間熱処理することにより形成され、また低真
空中(1×10-3Torr〜1×10-1Torr程度)においては3
〜100時間熱処理することによって形成されるとともにC
u中に拡散する。
なお、この酸化によって形成される酸化物薄層は、銅
と酸化銅との熱収縮の差によって熱処理炉内から取出す
際などに剥離しやすいため、予め熱処理を行う構造体を
ステンレス管などの管状体内に収容したり、ガラススリ
ーブなとによって構造体の外表面に保護被覆を設けるな
どして、この状態で酸化処理を行うことが好ましい。酸
化物薄層が剥離すると、この後に行う熱処理の際に酸素
の供給源が断たれ、安定化材中への不純物の拡散防止や
分散強化のための酸化物の形成にばらつきが生じてしま
うが、管状体内に収容した状態や保護被覆を設けた状態
で酸化処理した後にこの状態を維持して熱処理すること
によって、多少酸化物薄層の剥離が生じても、系内に酸
素の供給源となる酸化物が存在しているため、充分に本
発明の効果を発揮できる。また、電気絶縁性のガラスス
リーブなどを用いることによって、コイルなどの成形体
を形成した後でも安定して熱処理を施すことができる。
さらに、ステンレス管などの管状体を用いる際には、こ
の管内に大気あるいは酸素ガスと不活性ガスとの混合ガ
スを流通させつつ酸化処理することによって充分に酸化
物薄層を形成することができる。
また、CVDによりCuの酸化物薄層を形成させたり、エ
ボノールC(商品名)のような黒化剤を用いて化学的に
酸化させたり、Cuの酸化物を含むペースト状の塗料を塗
布することによってもCuの酸化物薄層を形成させること
ができる。
安定化材表面に形成する酸化物薄層の厚さが余り薄い
と、たとえば0.1μm未満であると、Nb3Sn層のような化
合物超電導体層を形成するための熱処理の際に、高真空
(1×10-4Torr以上)または不活性ガス雰囲気とする場
合には、酸化物層の酸素量が少ないので、低いRRR(た
とえばRRR8)しか得られなくなり、逆に、線径(外
径)1mmに対してCuの酸化物薄層の厚さが10μmを越し
たり、酸素分圧の高い雰囲気中で熱処理を行うと、安定
化材中へ入り込む酸素量が多くなりすぎて拡散防止層を
厚くするとともに、酸化のため安定化材の体積が減少
(線が細くなる)し、またNbも酸化されて強度やRRRお
よびJcの低下の原因となる。
したがって、これらの兼合いを考慮しながらCuの酸化
物薄層の厚さを設定することが望ましい。
このようにして安定化材の外周にCuの酸化物の形成さ
れた構造体は、次いで大気減圧下、高真空下(1×10-4
Torr以下)、不活性ガス雰囲気下などで、Nb3Snの場合
には650℃〜770℃で10〜400時間、Nb3Alの場合には750
℃〜950℃で1〜100時間熱処理して化合物超電導体材料
を反応させて化合物超電導体を形成させるとともに、酸
素を安定化材中に拡散させて安定化材中の不純物元素、
添加元素、拡散防止層表面などと反応させて酸化物を形
成させる。
また、安定化材の分散強化を超電導体の構成元素よっ
て行う場合には、まず通常どおりに上記構造体を大気中
で化合物超電導体の生成温度で1時間〜10時間程度予備
的に熱処理し、化合物超電導体の形成を一部行うととも
に、化合物超電導体や拡散防止層の構成元素、たとえば
Snを0.1〜2.0重量%の範囲で安定化材中に拡散させる。
この後、上記した酸化物薄層を安定化材表面に形成し、
次いで大気減圧下、不活性ガス雰囲気下、真空下などで
の熱処理を施し、超電導特性を得るのに充分な化合物超
電導体を形成させるとともに、酸素を安定化材中に拡散
させて安定化材中の不純物元素や拡散元素と反応させて
安定化材を強化し、かつ拡散防止層表面などと反応させ
て酸化物を形成させ強固な拡散防止層を形成する。
また、必要に応じて上記のようにCuの酸化物薄層を形
成するための熱処理と拡散のための熱処理とを分離せず
に、大気の酸素分圧より低い酸素分圧下で、たとえば1
×10-1Torr〜1×10-3Torr程度の低真空下で、Cuの酸化
物薄層を形成しながら拡散のための熱処理を行うように
してもよい。また、安定化材として酸素を0.3wt%程度
含有する高純度Cuを用いることによって、酸化物薄層の
形成を省き直接化合物超電導体の生成温度における熱処
理を行うことも可能であり、すでに安定化材に入ってい
る酸素は、たとえばNb3Sn生成熱処理時(700℃)に各Nb
フィラメント毎にNbOを生成し、Snの安定化銅へのもれ
を防ぐ役目をする。
さらに、公知の方法により製造された化合物超電導体
の安定化材の表面にCuの酸化物薄層を形成し、またはCu
の酸化物薄層が形成する雰囲気下で熱処理することによ
り、安定化材のCu中に固溶している不純物を酸化して酸
化物として析出させ純度を向上させるとともに、超電導
体フィラメント群の外周、またはその最外周に形成され
た拡散防止層上に酸化物による強固な拡散防止層を形成
することもできる。
これら熱処理によって形成される金属酸化物層からな
る拡散防止層は、必ずしも連続的に形成しなければなら
ないものではなく、不連続的に形成してもよい。このよ
うに金属酸化物層を不連続的に形成することによって、
化合物超電導体と安定化材との間での熱伝導を良好に維
持することが可能となる。
このように金属酸化物層を不連続的に形成するには、
金属酸化物層からなる拡散防止層の形成位置、たとえば
上記(a)および(b)の場合には化合物超電導体と安
定化材との境界面、あるいは上記(c)の場合には高純
度Cu層と強化Cu合金層との境界面の形状を凹凸形状と
し、このような構造体に対して本発明の熱処理を施すこ
とによって境界面とCuの酸化物薄層との距離の違いによ
り、よりCuの酸化物薄層に近い部分に選択的に金属酸化
物を析出させることが可能となる。この境界面の凹凸形
状は、安定化材もしくは化合物超電導体を形成する部材
の少なくとも一方の境界面側の凹凸形状として一体化す
ることによって、容易に形成することができる。なお、
このように金属酸化物層を不連続的に形成しても、化合
物超電導体やNbからなる拡散防止層側から安定化材方向
に拡散する元素は、部分的に形成される金属酸化物層に
よって充分に捕獲されるため、安定化材を汚染すること
はない。
なお、本発明により得られる超電導体を熱処理可能な
製品へ適用する場合には、本発明の熱処理をその製品の
組立過程で行うようにしてもよい。たとえば、本発明に
より製造された超電導線を用いて超電導体コイルを形成
するような場合には、コイル用の巻枠へ熱処理前の素線
を巻装し、この状態で化合物超電導体および拡散防止層
形成のための熱処理を行うようにしてもよい。
(作 用) 本発明の熱処理工程においては、安定化材の表面に形
成されたCuの酸化物薄層中の酸素が安定化材中に拡散し
ていき、安定化材中に固溶している不純物、または超電
導体構成材料から拡散してきた不純物を酸化して析出さ
せ、安定化材と化合物超電導体間に強固な金属酸化物か
らなる拡散防止層を形成する。また、Nbなどの拡散防止
層がある場合には、その表面に金属酸化物層を形成して
拡散防止層自身からの安定化材中への不純物拡散を防止
することができる。これによって、安定化材の電気抵抗
の増加を抑制することができ、化合物超電導体の安定性
の向上をはかり得る。
また、安定化材中にAlなどの金属元素を固溶させた場
合には、あるいは予め安定化材中に超電導体や拡散防止
層の構成元素を拡散させた場合には、これらの添加元素
や拡散元素が酸化物として析出して安定化材を強化さ
せ、安定化材の電気抵抗の増加を抑制するとともに、そ
の機械的強度を向上させる。
また、安定化材を高純度Cu層と強化Cu合金層との2層
構造とすることによって、本発明の熱処理により高純度
Cu層と強化Cu合金層間に強化Cu合金中の添加元素などの
酸化物層が形成され、高純度Cu層は導電性が保たれると
ともに、強化Cu合金層によって強度が付与される。
さらに超電導体は、それ自身は高い電気抵抗を持つ拡
散防止層で囲まれているため、交流損失(結合損失)を
減らす効果もある。
(実施例) 次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
実施例1 第2図は本発明の一実施例により製造されたNb3Sn超
電導線の概略構造を示す断面図である。
このNb3Sn超電導線では、Cu−Snマトリックス21内
に、Nb線22a上にNb3Sn層22bを形成させた複数本の芯線2
3を分布埋設した構造体20の外周上に、Nbなどからなる
第1の拡散防止層24およびNbの酸化物、Snの酸化物、Ti
の酸化物などからなる第2の拡散防止層25およびCuから
なる安定化材26が順に形成されている。すなわち、従来
構造と異なり、第1の拡散防止層24と安定化材26との間
に、新たにNbの酸化物、Snの酸化物、Tiの酸化物のよう
な超電導体および拡散防止層の構成元素の酸化物による
第2の拡散防止層25が設けられている。
次に、上記構造の化合物超電導体の製造方法について
説明する。
まず、外径50mmφ、内径40mmφ程度のCuからなる円筒
状の安定化材26を用意し、この安定化材26の内部にNbか
らなる円筒状の第1の拡散防止層24を形成する。次い
で、第1の拡散防止層24の内部に、Nbからなる芯線22a
を軸方向に沿って複数本分布配置すると共に、線間にTi
を0.3重量%添加したCu−Sn13重量%マトリックス21を
充填する。
次いで、これらを一体化処理した後、線引きと中間焼
鈍を繰返し所定の径まで細くし、この状態で大気中300
℃で48時間熱処理して安定化材26の表面にCu酸化物(Cu
O+Cu2O)を形成させる。
しかる後、大気を減圧(1×10-4〜1×10-6Torr)し
ながら700℃にて120時間熱処理する。この熱処理によ
り、Nb線22aがCu−Snマトリックス21中のSnと反応してN
b線22aの外周上にNb3Sn層22bが形成される。
このとき、安定化材26のCu中を拡散してきた酸素と化
合して第1の拡散防止層24と安定化材26との間にNbの酸
化物などからなる第2の拡散防止層25が形成される。し
たがって、安定化材26はNbなどで汚染されない。
ちなみに、安定性の基準となるRRRと臨界温度直上の2
0[K]におけるρ(以下同じ)を比較するために、前
述した従来の化合物超電導線(線径=0.87mmφ、264本
マルチ、Cu比1.0)と、第2図に示すこの実施例の構造
(寸法などは従来の超電導線と同じ)の化合物超電導線
をそれぞれ製作し、上記の特性を測定したところ、従来
構造のものではRRRが3.3、ρが6.3×10-7[Ω・cm]で
あったのに対して、この実施例の構造のものではRRRが1
90、ρが1.2×10-8[Ω・cm]であった。
また、これらの臨界電流密度(Jc)を測定したとこ
ろ、従来構造のものでは15テスラで380A/mm2であったの
に対して、この実施例の構造のものでは15テスラで400A
/mm2であるが、従来構造と実施例の構造のものとでは、
安定化材26の電気抵抗値に明らかな差が見られ、第2の
拡散防止層25により電気抵抗の増大が抑制されることが
判明した。
実施例2 外径50mmφ、内径40mmφのCuからなる円筒状の安定化
材内部に、Tiを1重量%添加したNbチューブを挿入し、
この中に、Sn濃度が30%になるようにSn線上にCu被覆を
施した外径20mmφの複合線を挿入して一体化し所定の外
径にまで線引きした。
この素線を、20%の酸素を含むアルゴンガス(不活性
ガス)を0.2/分でフローさせながら、300℃で48時間
熱処理して安定化材の表面に厚さ5μmのCuの酸化物薄
層を形成させた。次に高純度のアルゴンガスを0.2/
分でフローさせながら700℃で120時間熱処理し、Nbチュ
ーブと内部のCu被覆を拡散してきたSnとを反応させてNb
3Sn層を形成するとともに、Nb3Sn層から拡散してきたSn
と安定化材のCu中を拡散してきた酸素とを反応させて安
定化材とNbの外表面間にNb、Sn、Tiなどの酸化物からな
る拡散防止層を形成した。
こうして得られた超電導線のRRRは520、ρは0.8×10
-9[Ω・cm]であった。
実施例3 実施例2において、表面にCuの酸化物薄層を形成した
素線を高真空(3×10-6Torr)中で700℃で48時間熱処
理し、Nbチューブと内部のCu被覆を拡散してきたSnとを
反応させてNb3Sn層を形成するとともに、Nbチューブ表
面のNb3Sn層を拡散してきたSnなどと、安定化材中を拡
散してきた酸素とを反応させて安定化材とNb外表面間に
Nb、Sn、Tiなどの酸化物からなる拡散防止層を形成し
た。
この実施例で得られた超電導線のRRRは440、ρは0.95
×10-9[Ω・cm]であった。
実施例4 実施例2における表面にCuの酸化物薄層を形成する前
の素線を大気中で減圧(10-1〜10Torr)しながら700℃
にて120時間熱処理し、内部のCu被覆を拡散してきたSn
とNbチューブとを反応させてNb3Sn層を形成するととも
に、Nbチューブ表面のNb3Sn層を拡散してきたSnなど
と、安定化材中を拡散してきた酸素と反応させて安定化
材とNbチューブ外表面間にNb、Sn、Tiなどの酸化物から
なる拡散防止層を形成した。
こうして得られた超電導線のRRRは210、ρは1×10-8
[Ω・cm]であった。
実施例5 実施例2における表面にCuの酸化物薄層を形成する前
の素線に、編組したガラススリーブを被せ、これを大気
中において、320℃で40時間熱処理し、安定化材の表面
に厚さ6μmの酸化物薄層を形成した。次に、これを高
真空(3×10-6Torr)中で700℃で100時間熱処理し、内
部のCu被覆を拡散してきたSnとNbチューブとを反応させ
てNb3Sn層を形成するとともに、Nbチューブ表面のNb3Sn
層から拡散してきたSnなどと、安定化材中を拡散してき
た酸素とを反応させて安定化材とNbチューブ外表面間に
Nb、Sn、Tiなどの酸化物からなる拡散防止層を形成し
た。
このように超電導体素線の表面にガラススリーブを被
せた状態で酸化処理および熱処理を行うことによって、
酸化物薄層の剥離による脱落が防止でき、Nb、Sn、Tiな
どの酸化物からなる拡散防止層の形成が安定した。ま
た、このようにして得られた超電導線のRRRは310、ρは
1.44×10-8[Ω・cm]であった。
実施例6 実施例2における表面にCuの酸化物薄層を形成する前
の素線をステンレス管内に収容し、このステンレス管内
に20%の酸素を含むアルゴンガスを0.2/分でフロー
させながら、320℃で48時間酸化処理を行い、安定化材
の表面に厚さ7μmのCuの酸化物薄層を形成させた。次
に、このステンレス管内に収容した状態で、このステン
レス管内に高純度のアルゴンガスを1/分でフローし
つつ700℃で100時間熱処理し、内部のCu被覆を拡散して
きたSnとNbチューブとを反応させてNb3Sn層を形成する
とともに、Nbチューブ表面のNb3Sn層を拡散してきたSn
などと、安定化材中を拡散してきた酸素と反応させて安
定化材とNbチューブ外表面間にNb、Sn、Tiなどの酸化物
からなる拡散防止層を形成した。
このように超電導体素線をステンレス管内に収容した
状態で酸化処理および熱処理を行うことによっても、酸
化物薄層の剥離による脱落が防止でき、Nb、Sn、Tiなど
の酸化物からなる拡散防止層の形成が安定した。また、
このようにして得られた超電導体のRRRは280、ρは20K
において1.6×10-8[Ω・cm]であった。
実施例7 実施例2における熱処理前の素線を外形正六角形に成
形し、この素線を多数Cu管からなる安定化材中に配置し
て常法により減面加工を施し、外径0.94mmφ、Cu比0.
9、84ファインマルチNb3Sn超電導線を製造した。次にこ
のファインマルチNb3Sn超電導線を、大気中300℃で48時
間熱処理して安定化材の表面にCu酸化物(CuO+Cu2O)
を形成させた。
しかる後、大気を2〜3Torrに減圧しながら700℃で12
0時間熱処理し、Nbチューブと内部のCu被覆を拡散して
きたSnとを反応させてNb3Sn層を形成するとともに、Nb
チューブ表面のNb3Sn層を拡散してきたSnなどと安定化
材中を拡散してきた酸素と反応させて、最外周のコアの
安定化材との境界面のうち、外側に向う部分に、Nb、S
n、Tiなどの酸化物からなる拡散防止層を形成した。
このようにして得られた超電導線のJcは15テスラで60
0A/mm2であり、RRRは150であった。また、断面を顕微鏡
でみると、第3図(a)および(b)に示すように最外
周のコアのNb3Sn相31とCuの安定化材34との境界面のう
ち、外側に面する部分に、黒色層32が認められた。
また、この断面について2次イオン質量分析を行った
ところ、黒色層32は、Nb、Ti、Snの酸化物からなってお
り、Nbチューブ自体による第1の拡散防止層と上記酸化
物による第2の拡散防止層が混合した状態のものである
ことが判明した。図において、33はSn、Ti、Nbなどによ
り汚染された安定化Cu、34はSn、Ti、Nbなどの酸化物の
形成によりNb、Sn、Tiなどに汚染されなかった安定化Cu
を示す。
なお、比較のために、安定化材表面への酸化物層を形
成するための熱処理をしなかった点を除いて実施例5と
同一条件で化合物超電導線を製造した。この超電導線の
Jcは15テスラで575A/mm2であり、RRRは5であった。ま
た、断面を顕微鏡でみると、第4図(a)および(b)
に示すようにNb3Sn相31の外周の安定化Cuとの境界部分
には、Nb、Sn、Tiなどの酸化物による黒色層が全く形成
されておらず、2次イオン質量分析およびCMA分析を行
ったところ、安定化材中にSnが拡散して汚染されている
ことが確認された。実施例2のSn線上にCu被覆を施した
複合線の代わりにAl合金線を用いて、本実施例と同様の
処理を行っても特性の向上が認められた。
実施例8 実施例7における表面酸化処理前の外径0.94mmφ、Cu
比0.9、84ファインマルチ線を、ステンレス製巻わくに1
8層にわたって巻き重ね、これを大気中で48時間、300℃
で酸化処理し、安定化材の表面にCuの酸化物を形成させ
た。次に700℃で120時間、1×10-6torrの真空中で熱処
理し、Nb3Sn層とSn、Ti、Nbなどの酸化層である拡散防
止層を形成させた。各層のRRRを測定したところ、第5
図に示すように平均330を示し、各層による相違はほと
んど認められなかった。
実施例9 実施例7における表面酸化処理前の外径0.94mmφ、Cu
比0.9、84ファインマルチ線上にカップリング剤で処理
したガラスクロスを巻回し、このファインマルチ線を、
ステンレス製巻わくに18層にわたって巻き重ねた。次
に、これを大気中で100〜400℃に加熱して、ガラスクロ
スのシランカップリング剤中の炭素分を分解揮散させる
とともに、安定化材の表面にCuの酸化物を形成させた。
この後、700℃で120時間、1×10-6Torrの真空中または
不活性ガス中で熱処理して、Nb3Sn層とSn、Ti、Nbなど
の酸化層である拡散防止層を形成させ、放冷後ファイン
マルチ線間にエポキシ樹脂を含浸させてコイルを構成し
た。各層のRRRを測定したところ実施例8と同様の均一
で高いRRRを有するコイルを構成することができた。
実施例10 第6図は本発明の他の実施例により製造されたNb3Sn
超電導線の概略構造を示す断面図である。
このNb3Sn超電導線では、テープ状のTi添加Cu−Snマ
トリックス41内に、Nb線42a上にNb3Sn層42bを形成させ
た複数本の芯線43を分布埋設した構造体40の片面に、Nb
などからなる第1の拡散防止層44およびNbの酸化物など
からなる第2の拡散防止層45およびCuからなる安定化材
46が順に形成されている。
次に、上記構造の化合物超電導体の製造方法について
説明する。
まずTiを0.3重量%添加した板状のCu−13wt%Snマト
リックス41内にNbからなる芯線42aを複数本分布させて
長さ方向に沿って埋設する。芯線42aをCu−Snマトリッ
クス41内に分布埋設するには、たとえば平板状のCu−Sn
マトリックス41の片面に平行に多数の溝を形成し、この
中に芯線42aを埋設したものを多数積層し、これを圧着
することにより得られる。
次いで、その片面にNb板からなる第1の拡散防止層44
およびCu板からなる安定化材46を順に重ねて圧着する。
しかる後、これらを圧延して所定の厚さまで薄くし、こ
の状態で大気中300℃で48時間熱処理して安定化材の表
面にCu酸化物(CuO+Cu2O)を形成させる。
しかる後、大気の減圧下(1×10-2〜5Torr)あるい
は不活性雰囲気中(たとえばAr雰囲気中)で700℃にて1
20時間熱処理すると、Nb線42aがCu−Snマトリックス41
中のSnと反応してNb線42aの外周上にNb3Sn層42bが形成
される。
このとき、第1の拡散防止層44は、安定化材46のCu中
を拡散してきた酸素と化合し、第1の拡散防止層44と安
定化材46の間に第2の拡散防止層45が形成される。
実施例11 Cu−Sn合金テープの両面にNbテープとCuテープを順に
積層したテープを用いて実施例10と同じ条件で、表面酸
化処理および拡散のための熱処理を行った。この実施例
では、Nbテープの内面にNb3Sn層が形成され、Nbテープ
とCuテープの境界面に、Nbなどの酸化物からなる拡散防
止層が形成された。
実施例12 実施例7における安定化材としてAl2O3を1.1重量%含
有するものを用いた以外は実施例7と同じ条件でNb3Sn
マルチ超電導線を製造した。
得られた超電導線の安定化材中には顕微鏡観察により
Al2O3が認められ、またその機械的特性は次表に示す通
りであり向上していた。
実施例13 実施例2における表面にCuの酸化物薄層を形成する前
の素線に、まず大気中、725℃、8時間の条件で予備熱
処理を施し、内部のCu被覆を拡散してきたSnとNbチュー
ブとを反応させてNb3Sn層を一部形成するとともに、Nb3
Sn相から拡散してきたSnの一部を安定化材内に拡散させ
た。なお、安定化材中へのSnの拡散量は1重量%以下と
し、また予備熱処理後の超電導体のRRRは78.5であっ
た。
次に、この予備熱処理を施した超電導線の表面に編組
したガラススリーブを被せ、これを大気中において、32
0℃で48時間熱処理し、安定化材の表面に厚さ9μmの
酸化物薄層を形成した。次いで、これを3×10-6Torrの
真空中で700℃で48時間熱処理し、さらにSnとNbチュー
ブとを反応させてNb3Sn層を形成するとともに、Nbチュ
ーブ表面のNb3Sn層を拡散してきたSnなどと、安定化材
中を拡散してきた酸素とを反応させて安定化材とNbチュ
ーブ外表面間にNb、Sn、Tiなどの酸化物からなる拡散防
止層を形成し、さらに安定化材中に拡散したSnと酸素を
反応させて、安定化材中に酸化スズを析出させた。
得られた超電導線の安定化材中には、2次イオン質量
分析によりSnの酸化物が認められ、またその機械的特性
は向上していた。また、このようにして得られた超電導
線のRRRは151、ρは3.3×10-8[Ω・cm]であった。
実施例14 第7図は本発明のさらに他の実施例により製造された
Nb3Al超電導線の概略構造を示す断面図である。
このNb3Al超電導線では、Nbマトリックス51内に、Al
合金線52a上にNb3Sn層52bを形成させた複数本の芯線53
を分布埋設した構造体50の外周上に、Nbの酸化物などか
らなる第2の拡散防止層54およびAl2O356を分散させて
強化した分散強化型のCuからなる安定化材55が順に形成
されている。
すなわち、従来構造と異なり、Nbマトリックスと安定
化材との境界に新たにNbの酸化物などの超電導体構成元
素の酸化物からなる拡散防止層が形成されている。
なお、この実施例においては、Nbマトリックス51が第
1の拡散防止層としての機能を果す。
次に、上記構造の化合物超電導体の製造方法について
説明する。
まず、Mgを添加したAl合金を丸棒に加工して芯材とし
た。さらにNb管と複合して単芯線に伸線加工し、これを
120本Nb管に挿入し、このNb管を安定化材となるCu管に
挿入して120芯の多芯線に伸線加工する。
その後、伸線加工をくり返し1mmφの線径をもつ構造
体を形成して、この構造体を大気中300℃で48時間熱処
理して安定化Cu材表面にCu酸化物(CuO+Cu2O)を形成
させる。
しかる後、非酸化雰囲気中、たとえば1×10-6Torrの
真空中や不活性ガス中で800℃、3時間の熱処理を行っ
てAl合金とマトリックスのNbを反応させAl合金芯外周に
Nb3Alを形成させる。
このとき、Nbは安定化Cu中へ拡散するが、安定化材Cu
を拡散してきたCuの酸化物の酸素と反応してNb酸化物を
析出して、Nbなどの拡散は押えられ安定化Cu中の純度は
保たれる。
また、安定化CuにはAlが添加してあるが拡散してきた
酸素と化合しAl2O3を形成し安定化材は分散強化型のCu
になる。
このようにして得られた超電導線のRRRは170、Jcは15
テスラで250A/mm2であった。
実施例15 実施例2における表面にCuの酸化物薄層を形成する前
の素線を、大気を減圧し低真空(1×10-3Torr〜1×-1
Torr程度)状態とした雰囲気中において725℃で3〜100
時間の条件で熱処理し、Nb3Sn相を形成するとともに、
炉内に残留する酸素によって安定化材の表面に酸化物薄
層を連続的に形成し、この酸化物薄層からの酸素とNbチ
ューブ表面のNb3Sn層を拡散してきたSnなどと反応させ
て、これらの酸化物による拡散防止層を形成した。
この実施例で得られた超電導線のRRRと処理時間との
関係を第8図に示す。ちなみに、熱処理時間を47時間に
設定した超電導線のRRRは393で、ρは1.38×10-8[Ω・
cm]であった。
実施例16 第9図は本発明のさらに他の実施例により製造された
Nb3Sn超電導線の概略構造を示す断面図である。
このNb3Sn超電導線では、Cu−Snマトリックス61内
に、Nb線62a上にNb3Sn層62bを形成させた複数本の芯線6
3を分布埋設した構造体60の外周上に、Snの酸化物など
からなる拡散防止層64とCuからなる安定化材65が順に形
成されている。
すなわち、従来構造のNbやTaなどからなる拡散防止層
とは異なり、Cu−Snマトリックス61と安定化材65との境
界に、Snの酸化物などの超電導体構成元素の酸化物から
なる拡散防止層64が形成されている。
次に、上記構造の化合物超電導体の製造方法について
説明する。
まず、外径10mm、内径5.7mmの13wt%Sn−Cu(ブロン
ズ)パイプ内にNb棒を挿入し、所定の六角形状に減面加
工を施して芯線とする。次いで、この芯線を多数本束ね
て外径50mm、内径46mmのSn13wt%−Cu(ブロンズ)パイ
プ内に挿入し、外径2.8mmまで減面加工を施して構造体
を形成する。この後、この構造体の外周に無酸素銅を被
覆して一体化し、次いで外径1mmの線径まで中間焼鈍と
伸線加工を施して素線を作製する。
次に、この素線に対して大気中、200℃で60時間熱処
理してCuからなる安定化材表面にCuの酸化物(CuO+Cu2
O)を形成させる。
しかる後、たとえば5×10-6Torrの真空中や不活性ガ
ス中で700℃、80時間の熱処理を行って、Nb芯とCu−Sn
マトリックスのSnを反応させ、Nb芯外周にNb3Sn相を形
成させる。このとき、Cu−Snマトリックス中のSnは、安
定化材中を拡散してきたCuの酸化物の酸素と反応してSn
酸化物層からなる拡散防止層が形成され、SnやNbなどの
拡散は押えられ安定化Cu中の純度は保たれる。
また、安定化材中の不純物も酸化され、安定化材の純
度も向上する。
このようにして得られた超電導線のRRRは160、Jcは15
テスラで250A/mm2であった。
実施例17 第10図は、本発明のさらに他の実施例のNb3Sn超電導
線の概略構造を示す断面図である。
このNb3Sn超電導線は、実施例1のNb3Sn超電導線と同
様に、Cu−Snマトリックス71内に、Nb線72a上にNb3Sn層
72bが形成された複数本の芯線73を分布埋設した構造体7
0の外周上に、Nbなどからなる第1の拡散防止層74と安
定化材75とが順に形成されており、これら第1の拡散防
止層74と安定化材75との境界面76形状が凹凸形状を有し
ている。そして、この境界面76の安定化材74の外周によ
り近い部分に、選択的にNbの酸化物、Snの酸化物、Tiの
酸化物などからなる第2の拡散防止層77が形成されてい
る。
すなわち、実施例1のNb3Sn超電導線の構造と異な
り、Nbの酸化物、Snの酸化物、Tiの酸化物のような超電
導体および拡散防止層の構成元素の酸化物による第2の
拡散防止層77が不連続に形成されている。
このようにして得られた超電導線のRRRは170、Jcは15
テスラで250A/mm2と、実施例1で作製した超電導線と遜
色なく、第2の拡散防止層77を不連続とすることによっ
て、安定化材75が汚染されることがないことを確認し
た。
このように、金属酸化物層からなる第2の拡散防止層
77を不連続に形成することによって、Nb3Sn層72bが埋設
されているCu−Snマトリックス71から安定化材75への熱
伝導が極めて良好となり、より超電導線の安定性を確保
できる。
また、このように金属酸化物層からなる第2の拡散防
止層77を不連続に形成するには、まず安定化材75となる
導管として内壁形状が凹凸形状を有しているものや、第
1の拡散防止層74となるNb管として外壁形状が凹凸形状
を有しているものを使用し、一体化することによって第
1の拡散防止層74と安定化材75との境界面76の形状を凹
凸状とする。次いで、実施例1と同様に安定化材75の外
表面にCuの酸化物薄層を形成し、真空下や不活性雰囲気
中でNb3Sn層生成温度における熱処理を施すことによっ
て、Cuの酸化物薄層と境界面76の各部との距離の違いに
より部分的に金属酸化物層からなる第2の拡散防止層77
を形成することができる。
実施例18 実施例2における熱処理前の素線を外形正六角形に成
形し、この素線を多数Cu管からなる安定化材中に配置し
た。なお、最外層に位置する素線には、予め安定化材に
接する側が凹部を有す形状となるように加工を施し、減
面加工後に安定化材表面からの距離が25〜30μm程度の
差を生じるように配置した。
次に、この構造体に実施例7と同様に減面加工を施し
て同寸法の84ファインマルチNb3Sn超電導線を製造し
た。次いで、このファインマルチNb3Sn超電導線に対し
て、実施例7と同一条件でCuの酸化物薄層形成のための
熱処理と減圧下でのNb3Sn層形成のための熱処理とを行
った。
このようにして得られた超電導線の断面を顕微鏡で観
察したところ、第11図に示すように最外周のコアのNb3S
n相81外周のNbチューブ82とCuの安定化材83との境界面
のうち、安定化材83の外表面により近い部分に、不連続
なNb、Ti、Snの酸化物などからなる金属酸化物層84が認
められた。
また、この超電導線のJcは15テスラで330A/mm2、RRR
は210と、実施例7で作製した超電導線と遜色なく、金
属酸化物層からなる拡散防止層を不連続とすることによ
って、安定化材が汚染されることがないことを確認し
た。
実施例19 実施例12における安定化材として内壁形状が凹凸形状
を有するAl2O3を1.1重量%含有する銅管を用いる以外
は、実施例12と同一条件でNb3Snマルチ超電導線を作製
した。
このようにして得られた超電導線においても、不連続
なNb、Ti、Snの酸化物などからなる金属酸化物層が認め
られた。また、この超電導線のJcは15テスラで580A/m
m2、RRRは170、また引張り強さは47kg/mm2と、実施例7
で作製した超電導線と遜色なく、金属酸化物層からなる
拡散防止層を不連続とすることによって、安定化材が汚
染されたり、強度が低下することがないことを確認し
た。
実施例20 第12図に示すように、無酸素高純度Cu管でシースした
Sn棒91を外径9.9mmまで加工し、これを外径16mm、内径1
0mmのNbチューブ92に挿入した。次いで、これを外径20.
6mm、内径16.1mmのAl2O3を1.1wt%添加した粒子分散強
化型Cu合金管93内に挿入し、さらにこれを外径24.7mm、
内径20.8mmの純度99.99%の無酸素高純度Cu管94に挿入
して、外径1mmまで線引きした。なお、粒子分散強化型C
u合金管93は、酸化銅粉末に1.1wt%のアルミナ粉末を添
加した混合粉を水素雰囲気中で還元焼結したCu合金を用
いて形成したものである。
次に、この素線に大気中において300℃、48時間の条
件で熱処理を施して素線表面にCuの酸化物薄層で形成し
た後、高真空(3×10-6Torr)中で700℃で48時間熱処
理し、Nbチューブ92と内部のCu被覆を拡散してきたSn91
とを反応させてNb3Sn層95を形成するとともに、粒子分
散強化型Cu合金管93と無酸素高純度Cu管94との境界面
に、粒子分散強化型Cu合金から高純度Cu側に拡散する不
純物などと高純度Cu中を拡散してきた酸素とを反応させ
てAlやNbなどの酸化物からなる拡散防止層96を形成し
た。
この超電導線においては、無酸素高純度Cu管94の部分
が安定化材として働き、粒子分散強化型Cu合金管93の部
分がテンションメンバとして働く。そして、これらの境
界面に形成した拡散防止層96によって無酸素高純度Cu管
94の部分の汚染が防止され、高導電率が保たれる。
このようにして得られた超電導線のRRRは380、ρは1
×10-8[Ω・cm]であった。また、引張り強さ=47kg/m
m2であった。
このように、この実施例の超電導線は導電性と機械的
強度の両方を満足するものであった。
実施例21 実施例20における粒子分散強化型Cu合金管をNiを30wt
%添加した固溶強化型Cu合金管とする以外は実施例20と
同一条件で超電導線を作製した。
このようにして得た超電導線もRRR=90、ρ=6×10
-8[Ω・cm]、引張り強さは47kg/mm2と導電性と機械的
強度の両方を満足するものであった。
実施例22 第13図は、実施例20における素線の高純度Cu管による
被覆をはぶいたものを素線として用いた超電導マルチ線
を示すものである。
この超電導マルチ線は、Al2O3を1.1wt%添加した粒子
分散強化型Cu合金マトリックス101内に、Nbチューブ102
とその内部に配置されたCu−Sn層103間にNb3Sn層104を
形成させた複数本の芯線105を分布埋設した構造体100の
外周上に、AlやTiの酸化物などからなる拡散防止層106
および高純度Cuからなる安定化材107が順に形成されて
いる。
次に、上記構造の超電導マルチ線の製造方法について
説明する。
まず、実施例20において作製した素線の高純度Cu管に
よる被覆をはぶいた熱処理前のもの、すなわちCu−Sn層
が配置されたNbチューブをAl2O3を1.1wt%添加した粒子
分散強化型Cu管内に挿入し、外径1mmまで減面加工を施
した多数の素線を、外径24.7mm、内径20.8mmの純度99.9
9%の無酸素高純度Cu管内に外径20.6mm、内径16.1mmのA
l2O3を1.1wt%添加した粒子分散強化型Cu合金管を挿入
したものの内部に配置し、外径1mmまで減面加工を施
す。次いで、この状態で大気中300℃で48時間熱処理し
て無酸素高純度Cu管の表面にCuの酸化物薄層を形成させ
る。
この後、3×10-6Torrの真空下で700℃にて50時間熱
処理することによって、実施例20と同様にNbチューブの
内周側にNb3Sn層を形成するとともに、粒子分散強化型C
u合金マトリックスと無酸素高純度Cuからなる安定化材
の境界面に、AlやNbなどの酸化物からなる拡散防止層を
形成する。
この超電導マルチ線においては、粒子分散強化型Cu合
金マトリックス101がテンションメンバとして作用し、
かつその外周に形成された安定化材107の汚染はAlやNb
などの酸化物からなる拡散防止層106によって防止され
る。
また、この実施例によって得られた超電導マルチ線の
RRRは130、ρは2×10-8[Ω・cm]、引張り強さは47kg
/mm2であった。
このように、この実施例の超電導マルチ線も導電性と
機械的強度の両方を満足するものであった。
実施例23 実施例1で作製した超電導線のCu単独の安定化材に代
えて、実施例20で使用したAl2O3を含有する粒子分散強
化型Cu合金管を無酸素高純度Cu管とによる2層構造管を
用い、実施例20と同一条件でCuの酸化物薄層形成のため
の熱処理とNb3Sn層形成のための熱処理とを行った。
得られた超電導線の粒子分散強化型Cu合金層と無酸素
高純度Cu層との間には、AlやNbなどの酸化物からなる拡
散防止層が形成されており、無酸素高純度Cu層の導電性
が維持されていた。
また、この実施例によって得られた超電導マルチ線の
RRRは180、ρは1×10-8[Ω・cm]、引張り強さは47kg
/mm2であった。
実施例24 実施例22で使用した最外層の安定化材となる無酸素高
純度Cu管に代えて、同一材質の内周側に凹凸形状を有す
るCu管を用いる以外は、実施例22と同一条件で超電導マ
ルチ線を作製した。
得られた超電導マルチ線の粒子分散強化型Cu合金マト
リックスと無酸素高純度Cuからなる安定化材との間に
は、AlやNbなどの酸化物からなる拡散防止層がこの境界
面の凹凸形状に応じて不連続に形成されており、安定化
材の導電性が維持されるとともに、熱伝導性も良好に保
たれていた。
また、この実施例によって得られた超電導マルチ線の
RRRは130、ρは2×10-8[Ω・cm]、引張り強さは47kg
/mm2であった。
実施例25 外径50mm、内径40mmの0.1重量%の酸素を含むCu管内
に、Tiを1重量%添加したNbチューブを挿入し、この中
に、Sn濃度が30%になるようにSn線上にCu被覆を施した
外径20mmφの複合線を挿入して一体化し所定の外径にま
で線引きした。次いで、この素線を外形正六角形に成形
した後、その多数本を酸素を0.3重量%含有するCuから
なる安定化材内に配置して常法により減面加工を施し、
マルチNb3Sn超電導線を製造した。なお、安定化銅中に
酸素を入れる方法としては、予め溶解している銅に酸化
銅粉を投入して所定の酸素を含む銅とする方法、Cu管や
製造工程を経てマルチNb3Sn超電導線の形態とした構造
体を大気中で100℃〜400℃で10分〜48時間熱処理し、銅
表面に酸化銅を形成した後、580℃〜800℃のAr雰囲気の
ような不活性雰囲気中または1×10-4〜1×10-6Torrの
真空中で1分〜90分程度の熱処理を施すことによって、
酸化銅中の酸素をCu管やCuマトリックスへ拡散させる方
法や、Cu管や製造工程を経てマルチNb3Sn超電導線の形
態とした構造体を1×10-1〜1×10-3Torrの低真空中で
580℃〜800℃で50時間〜100時間程度の条件で熱処理
し、酸素を随時Cu管やCuマトリックスへ拡散させる方法
などが挙げられる。
次に、このマルチNb3Sn超電導線に対して、3×10-6T
orrの真空中において700℃で70時間の条で件熱処理を施
した。
この実施例のマルチNb3Sn超電導線は、安定化材中に
酸素が予め含まれているため、Nb3Sn生成温度による熱
処理によって、Nbチューブと内部のCu被覆を拡散してき
たSnとが反応してNb3Sn層が形成されるとともに、Nb3Sn
層から拡散してきたSnと安定化材のCu中を拡散してきた
酸素とが反応して安定化材とNbの外表面間にNb、Sn、Ti
などの酸化物からなる拡散防止層が形成され、安定化材
の汚染が防止される。また、NbOやSnOの生成により、Sn
のマトリックスへの拡散は止まるため、拡散場所を失っ
たSnは残留Nbと反応してNb3Sn層を厚くし、その結果、
臨界電流密度の向上が図れた。
また、Nb3Sn層を囲むNb、Sn、Tiなどの酸化物は、電
気的に高抵抗であるため、Nb3Sn層とCuマトリックスやC
u安定化材の間に介在する隔壁の電気抵抗が増大するこ
ととなり、結合電流(変動磁界が加わるパルスマグネッ
トに用いた際に、変動磁界によって化合物系超電導フィ
ラメント間が電気的に結合し流れる電流)が減少して交
流損失を低減する効果も得られる。
実施例26 次に、核融合炉用大電流超電導導体として用いられる
Nb3Snケーブル・イン・コンジット導体に本発明を適用
した例について説明する。
まず、外径50mm、内径40mmのCu管内に、Tiを1重量%
添加したNbチューブを挿入し、この中にSn濃度が30%に
なるようにSn線上にCu被覆を施した外径20mmの複合線を
挿入して一体化し所定の外径にまで線引きした。次い
で、この素線を外形正六角形に成形した後、その多数本
を酸素を0.3重量%含有するCuからなる安定化材内に配
置して常法により減面加工を施し、さらに所定のピッチ
で撚ってNb3Sn超電導ストランドを多数製造した。
次に、各Nb3Sn超電導ストランドの表面にクロム処理
を施した後、3×10-6Torrの真空中において725℃で20
時間Nb3Sn生成のための熱処理を行い、安定化材中を拡
散してきた酸素とNb3Snを拡散してきたSnなどとを反応
させて酸化物を形成し、安定化材の汚染を防止した。
この後、この酸化物による汚染防止処理を行ったNb3S
n超電導ストランドを数100本束ねてステンレス管内に挿
入し、Nb3Snケーブル・イン・コンジット導体を作製し
た。
このように酸素の拡散処理を行った後にクロム被膜を
形成することによって、Nb3Sn相生成熱処理による安定
化材の汚染を防止できるとともに、クロム処理によって
形成される各Nb3Sn超電導ストランド表面の絶縁被覆に
よってケーブルの結合損失も低減できる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、化合物超電導体
と安定化材との間に、少なくとも超電導体構成元素など
の酸化物からなる強固な拡散防止層が形成され、安定化
材中に不純物元素が拡散して抵抗値が低下することが防
止される。
また、上記酸化物や積極的に添加したAlなどの酸化物
の析出によって安定化材が強化されることや、別途配置
した強化Cu合金層によって、全体の機械的強度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用される構造体の構成例を示す断面
図、第2図は本発明の一実施例により製造された超電導
線の断面図、第3図(a)は本発明の他の実施例により
製造された超電導線の断面状態を示す図、同図(b)は
その部分拡大断面を示す図、第4図(a)は従来の方法
により製造された超電導線の断面状態を示す図、同図
(b)はその部分拡大断面を示す図、第5図は本発明の
他の実施例により得られた化合物超電導コイルの各層毎
のRRRの測定結果を示すグラフ、第6図は本発明のさら
に他の実施例により製造されたテープ状の超電導線の断
面図、第7図および第9図はさらに他の実施例により得
られた超電導線の断面をそれぞれ示す図、第8図は本発
明の一実施例における酸化物薄層と超電導体相の形成を
同時に行った際の熱処理時間とRRRとの関係を示すグラ
フ、第10図はさらに他の実施例により得られた超電導線
の断面を示す図、第11図は本発明の他の実施例により製
造された超電導線の部分拡大断面状態を示す図、第12図
および第13図はさらに他の実施例により得られた超電導
線の断面をそれぞれ示す図、第14図は従来の方法により
製造された化合物超電導線の断面図である。 21、41、61、71……Cu−Snマトリックス、22a、42a、62
a、72a……Nb線、22b、31、42b、62b、72b、81、95、10
4……Nb3Sn層、52b……Nb3Al層、23、43、53、63、73、
105……芯線、24、44、74……第1の拡散防止層、25、4
5、54、77、96、106……第2の拡散防止層、64……単一
拡散防止層、26、46、55、65、75、94、107……安定化
材、32……黒色層、51……Nbマトリックス、52a……Al
合金線、93……粒子分散強化型Cu合金管、101……粒子
分散強化型Cuマトリックス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島村 慶三 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 小塙 佳子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−55820(JP,A) 特開 昭57−115715(JP,A) 特開 昭53−56998(JP,A) 特開 昭53−135479(JP,A) 特開 昭62−113306(JP,A) 特開 平1−304617(JP,A) 特開 昭62−160608(JP,A) 特開 昭51−61794(JP,A) 特開 昭56−52807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 12/10 H01B 13/00 565

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)熱処理により反応して化合物超電導
    体を形成する化合物超電導体材料または化合物超電導体
    と、(b)この化合物超電導体材料または化合物超電導
    体と直接、もしくは拡散防止層を介して一体化されたCu
    を主成分とする安定化材とを有する構造体を、熱処理す
    る方法において、 前記化合物超電導体材料または化合物超電導体と安定化
    材との境界面形状、あるいは前記拡散防止層と安定化材
    との境界面形状を凹凸形状とすると共に、前記安定化材
    の表面にCuの酸化物薄層を形成した後、非酸化性雰囲気
    中で前記熱処理を行い、前記化合物超電導体と安定化材
    との間または前記拡散防止層と安定化材との間に、前記
    化合物超電導体または前記拡散防止層の構成元素の酸化
    物を含む金属酸化物層を不連続に形成することを特徴と
    する化合物超電導体の熱処理方法。
  2. 【請求項2】(a)熱処理により反応して化合物超電導
    体を形成する化合物超電導体材料または化合物超電導体
    と、(b)この化合物超電導体材料または化合物超電導
    体と直接、もしくは拡散防止層を介して一体化されたCu
    を主成分とする安定化材とを有する構造体を、熱処理す
    る方法において、 前記安定化材をAl、Ti、Zr、Mg、Cr、Nb、NiおよびAl2O
    3からなる群から選ばれた少なくとも1種を0.1〜2重量
    %含むCu合金で構成し、かつ前記安定化材の表面にCuの
    酸化物薄層を形成させ非酸化性雰囲気中で、または前記
    安定化材の表面にCuの酸化物薄層が形成する大気の酸素
    分圧より低い酸素分圧下で、前記熱処理を行うことを特
    徴とする化合物超電導体の熱処理方法。
  3. 【請求項3】前記構造体における前記化合物超電導体材
    料または化合物超電導体と安定化材との境界面形状、あ
    るいは前記拡散防止層と安定化材との境界面形状を凹凸
    形状とし、前記熱処理を行うことを特徴とする請求項2
    記載の化合物超電導体の熱処理方法。
  4. 【請求項4】(a)熱処理により反応して化合物超電導
    体を形成する化合物超電導体材料または化合物超電導体
    と、(b)この化合物超電導体材料または化合物超電導
    体と直接、もしくは拡散防止層を介して一体化されたCu
    を主成分とする安定化材とを有する構造体を、熱処理す
    る方法において、 前記構造体に予備熱処理を施して前記化合物超電導体材
    料または化合物超電導体、あるいは前記拡散防止層の構
    成元素を0.1〜2重量%の範囲で前記安定化材中に拡散
    させ、次いで前記安定化材の表面にCuの酸化物薄層を形
    成した後、非酸化性雰囲気中で前記熱処理を行い、前記
    安定化材中に拡散させた前記化合物超電導体または前記
    拡散防止層の構成元素を酸化物として析出させると共
    に、前記化合物超電導体と安定化材との間または前記拡
    散防止層と安定化材との間に、前記化合物超電導体また
    は前記拡散防止層の構成元素の酸化物を含む金属酸化物
    層を形成することを特徴とする化合物超電導体の熱処理
    方法。
  5. 【請求項5】前記構造体における前記化合物超電導体材
    料または化合物超電導体と安定化材との境界面形状、あ
    るいは前記拡散防止層と安定化材との境界面形状を凹凸
    形状とし、前記熱処理を行うことを特徴とする請求項4
    記載の化合物超電導体の熱処理方法。
  6. 【請求項6】(a)熱処理により反応して化合物超電導
    体を形成する化合物超電導体材料または化合物超電導体
    と、(b)この化合物超電導体材料または化合物超電導
    体と直接、もしくは拡散防止層を介して一体化されたCu
    を主成分とする安定化材とを有する構造体を、熱処理す
    る方法において、 前記安定化材を高純度Cu層と酸化しやすい元素または化
    合物による強化Cu合金層とによる2層構造とし、かつ最
    外層側に形成された前記高純度Cu層の表面にCuの酸化物
    薄層を形成させ非酸化性雰囲気中で、または前記高純度
    Cu層の表面にCuの酸化物薄層が形成する大気の酸素分圧
    より低い酸素分圧下で、前記熱処理を行うことを特徴と
    する化合物超電導体の熱処理方法。
  7. 【請求項7】前記構造体における前記高純度Cu層と強化
    Cu合金層との境界面形状を凹凸形状とし、前記熱処理を
    行うことを特徴とする請求項6記載の化合物超電導体の
    熱処理方法。
  8. 【請求項8】前記構造体を管状体内に収容し、あるいは
    前記構造体の外表面に保護被覆を設け、その状態で前記
    熱処理を行うことを特徴とする請求項1、2、4または
    6のいずれか1項記載の化合物超電導体の熱処理方法。
  9. 【請求項9】化合物超電導体の外周に安定化材を設けて
    なる化合物超電導体において、 前記化合物超電導体と前記安定化材との間に、少なくと
    も前記化合物超電導体の構成元素の酸化物を含む金属酸
    化物からなる拡散防止層が不連続に設けられていること
    を特徴とする化合物超電導体。
  10. 【請求項10】前記安定化材が、分散強化型Cu合金から
    なることを特徴とする請求項9記載の化合物超電導体。
  11. 【請求項11】化合物超電導体の外周に安定化材を設け
    てなる化合物超電導体において、 前記安定化材が分散強化型Cu合金からなり、かつ前記化
    合物超電導体と前記安定化材との間に多層構造を有する
    拡散防止層が設けられており、前記多層構造の拡散防止
    層は、金属層からなる第1の拡散防止層と、前記化合物
    超電導体または前記第1の拡散防止層の構成元素の酸化
    物を含む金属酸化物からなる不連続な第2の拡散防止層
    とを有することを特徴とする化合物超電導体。
  12. 【請求項12】化合物超電導体の外周に安定化材を設け
    てなる化合物超電導体において、 前記安定化材が高純度Cu層と分散強化型Cu合金層とによ
    る2層構造を有し、かつ前記高純度Cu層と分散強化型Cu
    合金層との間に少なくとも金属酸化物からなる拡散防止
    層が不連続に設けられていることを特徴とする化合物超
    電導体。
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