JP2917818B2 - 家畜類又は家禽類から得られる肉又は脂肪の鮮度保持力を増大させる方法 - Google Patents
家畜類又は家禽類から得られる肉又は脂肪の鮮度保持力を増大させる方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、家畜類や家禽類から得
られる肉や脂肪の抗酸化力、酸価上昇抑制力、及び鮮度
保持力を向上させて、これらの肉や脂肪の日持ちを良く
するとともに、臭い、風味等の肉質を改善し、又、脂肪
を改質することを目的とする肉又は脂肪用の家畜類又は
家禽類用の飼料、並びにこの飼料を用いて家畜類、家禽
類を飼育することでこれらの肉や脂肪を改質する方法に
関するものである。
られる肉や脂肪の抗酸化力、酸価上昇抑制力、及び鮮度
保持力を向上させて、これらの肉や脂肪の日持ちを良く
するとともに、臭い、風味等の肉質を改善し、又、脂肪
を改質することを目的とする肉又は脂肪用の家畜類又は
家禽類用の飼料、並びにこの飼料を用いて家畜類、家禽
類を飼育することでこれらの肉や脂肪を改質する方法に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、外食産業等において揚げ物、フラ
イドチキン等の家畜肉や家禽肉、例えば豚肉や鶏肉の消
費量が格段に増大する傾向にある。しかし、一方で、こ
れらの家畜肉や家禽肉は、特に、その脂が酸化されやす
く、又、酸価が上昇し易いために風味が損なわれる傾向
にあり、鮮度が保ち難く、臭いがつき、又、味も低下し
易い。このため、冷蔵等による保存方法の改良がみられ
てはいるが、未だ充分であるとは言えない。又、現在の
ところ家畜肉や家禽肉自体に効果的に鮮度保持力を付与
する方法は得られていない。又、前記のような家畜肉や
家禽肉だけでなく、家畜や家禽類の脂肪自体も種々の用
途に供されているが、前記の肉と同様の問題が生じてい
る。
イドチキン等の家畜肉や家禽肉、例えば豚肉や鶏肉の消
費量が格段に増大する傾向にある。しかし、一方で、こ
れらの家畜肉や家禽肉は、特に、その脂が酸化されやす
く、又、酸価が上昇し易いために風味が損なわれる傾向
にあり、鮮度が保ち難く、臭いがつき、又、味も低下し
易い。このため、冷蔵等による保存方法の改良がみられ
てはいるが、未だ充分であるとは言えない。又、現在の
ところ家畜肉や家禽肉自体に効果的に鮮度保持力を付与
する方法は得られていない。又、前記のような家畜肉や
家禽肉だけでなく、家畜や家禽類の脂肪自体も種々の用
途に供されているが、前記の肉と同様の問題が生じてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、肉又は脂肪用の家畜類又は家禽類から得られる肉や
脂肪の鮮度保持力を増大し、肉質の改善、又、脂肪の改
質をなしうる手段を提供せんとするものである。
み、肉又は脂肪用の家畜類又は家禽類から得られる肉や
脂肪の鮮度保持力を増大し、肉質の改善、又、脂肪の改
質をなしうる手段を提供せんとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の目的
を達成するために、肉又は脂肪用の家畜類や家禽類に特
定の香辛料を与える。
を達成するために、肉又は脂肪用の家畜類や家禽類に特
定の香辛料を与える。
【０００５】ここでいう香辛料とは、広義の香辛料であ
り、地中海沿岸を中心に産出し、芳香を第一とするハー
ブ類と、熱帯及び亜熱帯に産出し、香気と辛味の強いス
パイス類との両者を含むものである。これらの香辛料の
もつ本来の機能として知られているものは、香気と辛味
の刺激による食用増進効果、これらの香辛料に含まれる
成分の化学作用や香りによる魚や肉の不快臭に対する矯
臭（マスキング）や芳香による臭い付け、更には、香辛
料に特有の色素による着色等が主なものである。また、
香辛料の中には前記のような香気や辛味以外に、防腐作
用、生理薬理作用等の効果を有するものもある。本発明
は、香辛料の有する鮮度保持効果に着目し、これを家畜
類や家禽類を飼育するための飼料に用いることで、この
飼料を与えて飼育した家畜類や家禽類から得られる肉や
脂肪の鮮度保持力を増大せしめ、又、その臭い、味等を
改善せんとするものである。
り、地中海沿岸を中心に産出し、芳香を第一とするハー
ブ類と、熱帯及び亜熱帯に産出し、香気と辛味の強いス
パイス類との両者を含むものである。これらの香辛料の
もつ本来の機能として知られているものは、香気と辛味
の刺激による食用増進効果、これらの香辛料に含まれる
成分の化学作用や香りによる魚や肉の不快臭に対する矯
臭（マスキング）や芳香による臭い付け、更には、香辛
料に特有の色素による着色等が主なものである。また、
香辛料の中には前記のような香気や辛味以外に、防腐作
用、生理薬理作用等の効果を有するものもある。本発明
は、香辛料の有する鮮度保持効果に着目し、これを家畜
類や家禽類を飼育するための飼料に用いることで、この
飼料を与えて飼育した家畜類や家禽類から得られる肉や
脂肪の鮮度保持力を増大せしめ、又、その臭い、味等を
改善せんとするものである。
【０００６】本発明に用いられる香辛料は、ニクズク
科、アブラナ科、ミカン科、キク科、ゴマ科、コショウ
科、マメ科、フトモモ科、ナス科、シソ科、クスノキ
科、及びショウガ科からなる群から選択される。
科、アブラナ科、ミカン科、キク科、ゴマ科、コショウ
科、マメ科、フトモモ科、ナス科、シソ科、クスノキ
科、及びショウガ科からなる群から選択される。
【０００７】更に、具体的な香辛料としては、ナツメ
グ、メース、マスタード、サンショウ、タラゴン、ゴ
マ、ブラックペパー、ホワイトペパー、フェネグリー
ク、キャラウェイ、コリアンダー、クミン、フェンネ
ル、ジール、パセリ、パプリカ、クローブ、オールスパ
イス、レッドチリー、マジョラム、ローズマリー、オレ
ガノ、セージ、タイム、ローレル、バジル、サボリー、
ベイリーブス、シナモン、ターメリック、ガルダモン、
ジンジャー、及びタイムが挙げられる。
グ、メース、マスタード、サンショウ、タラゴン、ゴ
マ、ブラックペパー、ホワイトペパー、フェネグリー
ク、キャラウェイ、コリアンダー、クミン、フェンネ
ル、ジール、パセリ、パプリカ、クローブ、オールスパ
イス、レッドチリー、マジョラム、ローズマリー、オレ
ガノ、セージ、タイム、ローレル、バジル、サボリー、
ベイリーブス、シナモン、ターメリック、ガルダモン、
ジンジャー、及びタイムが挙げられる。
【０００８】本発明では、上記のような各種の香辛料の
中から選択される香辛料の１種を単独で、又は２種以上
を組み合わせて用いることができる。
中から選択される香辛料の１種を単独で、又は２種以上
を組み合わせて用いることができる。
【０００９】そして、前記のような香辛料を与えて家畜
類や家禽類を飼育することで、これらの家畜類又は家禽
類から得られる肉質又は脂肪を改質することができる。
このように家畜類や家禽類に香辛料を与えて飼育するに
際しては、これらの香辛料をそのまま家畜類や家禽類に
与えてもよいが、家畜類や家禽類が香辛料を摂取し易く
するために、香辛料を飼料に添加して与えるとよい。こ
の場合、香辛料を配合する際のベースとなる飼料には特
に限定はなく、肉用の家畜類、家禽類用の一般的な配合
の飼料でよい。例えば、添加される上記のような香辛料
の他に、この飼料には、とうもろこし、マイロ、大麦、
小麦等の穀類、大豆油粕、菜種油粕、綿実油粕、ごま油
粕等の植物性油粕類、魚粉、肉骨粉等の動物性飼料、そ
の他の成分として動物性油脂、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、食塩、イソマルトオリゴ糖シロップ、無水
ケイ酸、バチルストヨイ菌、各種ビタミン類、ミネラル
類、アミノ酸類等を含むことができる。又、飼料に添加
される香辛料の割合については、飼料に対して香辛料を
１０ｐｐｍ以上添加するのが好ましい。飼料中の香辛料
の添加量がこの範囲より少ない場合には、目的とする効
果が得られ難い。尚、本発明では上記のように香辛料を
与える以外の飼育条件については格別なものはなく、通
常の方法で飼育すればよい。
類や家禽類を飼育することで、これらの家畜類又は家禽
類から得られる肉質又は脂肪を改質することができる。
このように家畜類や家禽類に香辛料を与えて飼育するに
際しては、これらの香辛料をそのまま家畜類や家禽類に
与えてもよいが、家畜類や家禽類が香辛料を摂取し易く
するために、香辛料を飼料に添加して与えるとよい。こ
の場合、香辛料を配合する際のベースとなる飼料には特
に限定はなく、肉用の家畜類、家禽類用の一般的な配合
の飼料でよい。例えば、添加される上記のような香辛料
の他に、この飼料には、とうもろこし、マイロ、大麦、
小麦等の穀類、大豆油粕、菜種油粕、綿実油粕、ごま油
粕等の植物性油粕類、魚粉、肉骨粉等の動物性飼料、そ
の他の成分として動物性油脂、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、食塩、イソマルトオリゴ糖シロップ、無水
ケイ酸、バチルストヨイ菌、各種ビタミン類、ミネラル
類、アミノ酸類等を含むことができる。又、飼料に添加
される香辛料の割合については、飼料に対して香辛料を
１０ｐｐｍ以上添加するのが好ましい。飼料中の香辛料
の添加量がこの範囲より少ない場合には、目的とする効
果が得られ難い。尚、本発明では上記のように香辛料を
与える以外の飼育条件については格別なものはなく、通
常の方法で飼育すればよい。
【００１０】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、前記のような
香辛料を家畜類や家禽類が摂取することで、これらの家
畜類や家禽類の体内に取り込まれた香辛料の活性成分が
体内脂肪に移行し、得られる肉質や脂肪の脂肪臭を改善
し、脂臭さが少なく、かつ、鮮度保持力の増大したもの
に改質することができる。しかも、香辛料特有の臭い、
味が、これら家禽類の肉、油内に移行することはない。
そして、前記の香辛料を家畜類や家禽類に与えるに際し
ては、これを飼料に添加して与えれば、家畜類や家禽類
に無理なく、しかも効率良く香辛料を摂取させることが
できる。
香辛料を家畜類や家禽類が摂取することで、これらの家
畜類や家禽類の体内に取り込まれた香辛料の活性成分が
体内脂肪に移行し、得られる肉質や脂肪の脂肪臭を改善
し、脂臭さが少なく、かつ、鮮度保持力の増大したもの
に改質することができる。しかも、香辛料特有の臭い、
味が、これら家禽類の肉、油内に移行することはない。
そして、前記の香辛料を家畜類や家禽類に与えるに際し
ては、これを飼料に添加して与えれば、家畜類や家禽類
に無理なく、しかも効率良く香辛料を摂取させることが
できる。
【００１１】本発明における特定の香辛料による作用は
次のようなものであると考えられる。つまり、一般に、
香辛料中には抗酸化性を示すフェノール誘導体、エノー
ル誘導体、サルファー系化合物、複素環化合物等が多く
含まれており、これらの化合物が物理的酸化、及び酵素
等による生化学的酸化、例えば脂質過酸化によるラジカ
ル反応を阻害することにより抗酸化作用を示すものと考
えられる。しかし、香辛料を家畜類や家禽類に与えた場
合、これらの家畜類や家禽類における吸収、代謝等の体
内動態によっては、与えられた香辛料中の前記のような
化合物成分が、体内に取り込まれたときに必ずしもすべ
ての成分がそのまま体内に移行するとは限らず、これら
の成分による抗酸化作用が常に現れるわけではない。し
かしながら、本発明で用いられる特定の香辛料の場合に
は、これを家畜類や家禽類に与えてそれらの体内に取り
込まれた場合に、前記のような抗酸化成分のうちの少な
くともいくらかは代謝されずに家畜類や家禽類の体内に
移行し、その結果、これらの家畜類や家禽類から得られ
る肉や脂肪で活性を示したものと思われる。
次のようなものであると考えられる。つまり、一般に、
香辛料中には抗酸化性を示すフェノール誘導体、エノー
ル誘導体、サルファー系化合物、複素環化合物等が多く
含まれており、これらの化合物が物理的酸化、及び酵素
等による生化学的酸化、例えば脂質過酸化によるラジカ
ル反応を阻害することにより抗酸化作用を示すものと考
えられる。しかし、香辛料を家畜類や家禽類に与えた場
合、これらの家畜類や家禽類における吸収、代謝等の体
内動態によっては、与えられた香辛料中の前記のような
化合物成分が、体内に取り込まれたときに必ずしもすべ
ての成分がそのまま体内に移行するとは限らず、これら
の成分による抗酸化作用が常に現れるわけではない。し
かしながら、本発明で用いられる特定の香辛料の場合に
は、これを家畜類や家禽類に与えてそれらの体内に取り
込まれた場合に、前記のような抗酸化成分のうちの少な
くともいくらかは代謝されずに家畜類や家禽類の体内に
移行し、その結果、これらの家畜類や家禽類から得られ
る肉や脂肪で活性を示したものと思われる。
【００１２】生肉の鮮度低下メカニズムは、一般的に以
下のようにいわれている。即ち、肉類の死後変化による
筋肉のパターンは、死→死後硬直→硬直解除、解硬（肉
の軟化）→自己消化→鮮度低下→腐敗となる。そして、
高エネルギー化合物のＡＴＰ（アデノシントリフォスフ
ェート）は、ＡＴＰ→ＡＤＰ（アデノシンジフォスフェ
ート）→ＡＭＰ（アデノシンモノフォスフェート）→Ｉ
ＭＰ（イノシン酸）→ＨｘＲ（イノシン）→Ｈｘ（ヒポ
キサンチン）の順で分解されて尿酸になる。これらの分
解反応は、関連する酵素に依存する。近年、肉の鮮度を
表す場合、細菌による腐敗ではなく、Ｋ値という生化学
的な値で表すことが、経験とも合致することで主流とな
っている。このＫ値は、 Ｋ（％）＝（ＨｘＲ＋Ｈｘ）／（ＡＴＰ＋ＡＤＰ＋ＡＭ
Ｐ＋ＩＭＰ＋ＨｘＲ＋Ｈｘ）×１００ で表され、例えば市販の鶏肉では５％〜９７％に分布
し、平均４４％という報告がある。本発明に係る香辛料
を含む飼料により育成された家畜肉や家禽肉では、香辛
料の成分がＡＴＰからＨｘへの分解過程における酵素活
性を律速して家畜肉や家禽肉の鮮度保持力を向上させる
ものと考えられる。
下のようにいわれている。即ち、肉類の死後変化による
筋肉のパターンは、死→死後硬直→硬直解除、解硬（肉
の軟化）→自己消化→鮮度低下→腐敗となる。そして、
高エネルギー化合物のＡＴＰ（アデノシントリフォスフ
ェート）は、ＡＴＰ→ＡＤＰ（アデノシンジフォスフェ
ート）→ＡＭＰ（アデノシンモノフォスフェート）→Ｉ
ＭＰ（イノシン酸）→ＨｘＲ（イノシン）→Ｈｘ（ヒポ
キサンチン）の順で分解されて尿酸になる。これらの分
解反応は、関連する酵素に依存する。近年、肉の鮮度を
表す場合、細菌による腐敗ではなく、Ｋ値という生化学
的な値で表すことが、経験とも合致することで主流とな
っている。このＫ値は、 Ｋ（％）＝（ＨｘＲ＋Ｈｘ）／（ＡＴＰ＋ＡＤＰ＋ＡＭ
Ｐ＋ＩＭＰ＋ＨｘＲ＋Ｈｘ）×１００ で表され、例えば市販の鶏肉では５％〜９７％に分布
し、平均４４％という報告がある。本発明に係る香辛料
を含む飼料により育成された家畜肉や家禽肉では、香辛
料の成分がＡＴＰからＨｘへの分解過程における酵素活
性を律速して家畜肉や家禽肉の鮮度保持力を向上させる
ものと考えられる。
【００１３】
〔実施例１、比較例１〕香辛料を含む本発明に係る飼料
を与えて飼育した鶏と、香辛料を含まない通常の飼料を
与えて飼育した鶏（比較例）とから得られる鶏腹啌内脂
肪のＰＯＶ（過酸化物価）、ＴＢＡ（チオバルビタール
酸値）、又はＡＶ（酸値）の経時変化を測定することに
より、香辛料を含む本発明に係る飼料により飼育するこ
とによる脂肪の抗酸化性、及び酸価上昇抑制力向上につ
いての効果を調べた。 （飼料の配合）下記表１に記載のとおり。
を与えて飼育した鶏と、香辛料を含まない通常の飼料を
与えて飼育した鶏（比較例）とから得られる鶏腹啌内脂
肪のＰＯＶ（過酸化物価）、ＴＢＡ（チオバルビタール
酸値）、又はＡＶ（酸値）の経時変化を測定することに
より、香辛料を含む本発明に係る飼料により飼育するこ
とによる脂肪の抗酸化性、及び酸価上昇抑制力向上につ
いての効果を調べた。 （飼料の配合）下記表１に記載のとおり。
【００１４】
【表１】
【００１５】尚、表１中の香辛料は下記表２のとおり。
【００１６】
【表２】
【００１７】（飼料条件） (1)飼育鶏数 １０羽（ブロイラー） (2)飼育期間 ０〜１８日齢：香辛料無添加 １９〜５８日年齢：香辛料添加（実施例のみ）
【００１８】（試験方法）ＰＯＶ、ＡＶは、４０℃で７
日間保蔵した鶏腹腔内脂肪を油脂化学便覧（日本油脂化
学協会編）に準じて測定した。ＴＢＡ値は、４０℃で３
日間保蔵した鶏腹腔内脂肪２ｇをリン酸緩衝液に入れホ
モジナイズ後、ＴＢＡ試薬を加え３０分間沸騰水浴中で
加熱した後、更にブタノール、食塩を加え、遠心分離し
た後ブタノール層５３２ｎｍの吸光度を測定する事によ
り得た。
日間保蔵した鶏腹腔内脂肪を油脂化学便覧（日本油脂化
学協会編）に準じて測定した。ＴＢＡ値は、４０℃で３
日間保蔵した鶏腹腔内脂肪２ｇをリン酸緩衝液に入れホ
モジナイズ後、ＴＢＡ試薬を加え３０分間沸騰水浴中で
加熱した後、更にブタノール、食塩を加え、遠心分離し
た後ブタノール層５３２ｎｍの吸光度を測定する事によ
り得た。
【００１９】（試験結果）下記表３に記載のとおり。
【００２０】
【表３】
【００２１】表３の結果から明らかなように、香辛料を
添加した本発明に係る飼料（Ｎｏ．１〜２７）により鶏
を飼育すると、これらの鶏から得られる脂肪のＰＯＶ、
ＴＢＡ、及びＡＶは、いずれも香辛料を含まない比較例
の飼料により飼育した鶏の脂肪に較べて低い値に抑えら
れており、鶏に香辛料を与えて飼育すれば、得られる脂
肪の抗酸化性が高められ、又、酸価上昇抑制に効果があ
る。
添加した本発明に係る飼料（Ｎｏ．１〜２７）により鶏
を飼育すると、これらの鶏から得られる脂肪のＰＯＶ、
ＴＢＡ、及びＡＶは、いずれも香辛料を含まない比較例
の飼料により飼育した鶏の脂肪に較べて低い値に抑えら
れており、鶏に香辛料を与えて飼育すれば、得られる脂
肪の抗酸化性が高められ、又、酸価上昇抑制に効果があ
る。
【００２２】〔実施例２〜実施例２３、比較例２〜比較
例２３〕香辛料を含む本発明に係る飼料を用いて飼育し
た鶏から得られた鶏肉と、香辛料を含まない通常の飼料
を与えて飼育した鶏とから得られた鶏肉とにおける臭
い、味についての官能試験を行い、又、Ｋ値を調べるこ
とより、香辛料を含む本発明に係る飼料により飼育する
ことによる肉質の油臭さや味の改善、及び鮮度保持力向
上についての効果を調べた。
例２３〕香辛料を含む本発明に係る飼料を用いて飼育し
た鶏から得られた鶏肉と、香辛料を含まない通常の飼料
を与えて飼育した鶏とから得られた鶏肉とにおける臭
い、味についての官能試験を行い、又、Ｋ値を調べるこ
とより、香辛料を含む本発明に係る飼料により飼育する
ことによる肉質の油臭さや味の改善、及び鮮度保持力向
上についての効果を調べた。
【００２３】（飼料の配合）下記表４に記載のとおり。
【００２４】
【表４】
【００２５】表４中の香辛料は下記表５に記載のとお
り。
り。
【００２６】
【表５】
【００２７】（飼育条件） (1)飼育鶏数 １０羽（ブロイラー） (2)飼育期間 ０〜１８日齢：香辛料無添加 １９〜５８日年齢：香辛料添加（実施例のみ）
【００２８】（試験の方法及び結果） １．官能試験 上記の要領で飼育したブロイラーにおける肉の臭い、味
を調べた。評価部位 鶏のもも肉試験方法 それぞれ互いに対応する実施例番号と比較例番号に係る
飼料を与えて飼育した鶏から得られたもも肉を真空パッ
クし、同じ鍋中で同時に３０分間ボイルし、これを適当
な大きさに手でさばき、その香り、味を評価した。評価方法及び評価基準 (1)臭い及び味の評価 女性１４名、男性８名の計２２名のパネラーにより、 ａ）食べているときの臭い、 ｂ）食べているときの味、 ｃ）総合、 の３項目について、各比較例を「０」とし、対応する実
施例について「−２」「−１」「０」「＋１」「＋２」
の５段階で評価した。 (2)嗜好性の評価 女性１４名、男性８名の計２２名のパネラーにより、各
比較例を基準として対応する実施例について「良い」
「悪い」で評価した。評価結果 上記の臭い及び味、並びに嗜好性の官能試験の結果は下
記表６のとおり。
を調べた。評価部位 鶏のもも肉試験方法 それぞれ互いに対応する実施例番号と比較例番号に係る
飼料を与えて飼育した鶏から得られたもも肉を真空パッ
クし、同じ鍋中で同時に３０分間ボイルし、これを適当
な大きさに手でさばき、その香り、味を評価した。評価方法及び評価基準 (1)臭い及び味の評価 女性１４名、男性８名の計２２名のパネラーにより、 ａ）食べているときの臭い、 ｂ）食べているときの味、 ｃ）総合、 の３項目について、各比較例を「０」とし、対応する実
施例について「−２」「−１」「０」「＋１」「＋２」
の５段階で評価した。 (2)嗜好性の評価 女性１４名、男性８名の計２２名のパネラーにより、各
比較例を基準として対応する実施例について「良い」
「悪い」で評価した。評価結果 上記の臭い及び味、並びに嗜好性の官能試験の結果は下
記表６のとおり。
【００２９】
【表６】
【００３０】以上の結果、本発明に係る香辛料を含む飼
料を与えて飼育した鶏の肉と通常の飼料を与えて飼育し
た鶏の肉との間には、味や臭い、更には嗜好性の点にお
いて明らかな差がみられた。
料を与えて飼育した鶏の肉と通常の飼料を与えて飼育し
た鶏の肉との間には、味や臭い、更には嗜好性の点にお
いて明らかな差がみられた。
【００３１】２．肉の鮮度判定試験方法 実施例２〜２３及び比較例２〜２３に係る飼料を与えて
飼育した鶏の肉を０℃で保蔵した場合のＫ値の経日変化
を高速液体クロマト法により測定した。試験結果 結果は下記表７のとおりであった。
飼育した鶏の肉を０℃で保蔵した場合のＫ値の経日変化
を高速液体クロマト法により測定した。試験結果 結果は下記表７のとおりであった。
【００３２】
【表７】
【００３３】この結果から明らかなように、香辛料を含
む本発明に係る飼料を与えて鶏を飼育すれば、得られる
肉のＫ値を低減することができ、鮮度保持効果が明らか
である。
む本発明に係る飼料を与えて鶏を飼育すれば、得られる
肉のＫ値を低減することができ、鮮度保持効果が明らか
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−9659（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−14723（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A23K 1/16 304 A23K 1/18
Claims (3)
- 【請求項１】 肉又は脂肪用の家畜類又は家禽類に、ニ
クズク科、アブラナ科、ミカン科、キク科、ゴマ科、コ
ショウ科、マメ科、フトモモ科、ナス科、シソ科、クス
ノキ科、及びショウガ科からなる群から選択される少な
くとも１種の香辛料（但し、ガーリック、ジンジャー、
オレガノ及びシナモンの４種の香辛料を含むものは除
く）を与えて飼育することで、前記家畜類又は家禽類か
ら得られる肉又は脂肪の鮮度保持力を増大させる方法。 - 【請求項２】 肉又は脂肪用の家畜類又は家禽類に、ナ
ツメグ、メース、マスタード、サンショウ、タラゴン、
ゴマ、ブラックペパー、ホワイトペパー、フェネグリー
ク、キャラウェイ、コリアンダー、クミン、フェンネ
ル、ジール、パセリ、パプリカ、クローブ、オールスパ
イス、レッドチリー、マジョラム、ローズマリー、オレ
ガノ、セージ、タイム、ローレル、バジル、サボリー、
ベイリーブス、シナモン、ターメリック、ガルダモン、
ジンジャー、及びタイムからなる群から選択される少な
くとも１種の香辛料（但し、ガーリック、ジンジャー、
オレガノ及びシナモンの４種の香辛料を含むものは除
く）を与えて飼育することで、前記家畜類又は家禽類か
ら得られる肉又は脂肪の鮮度保持力を増大させる方法。 - 【請求項３】 香辛料を飼料に添加した状態で家畜類又
は家禽類に与えることを特徴とする請求項１又は請求項
２に記載の方法。
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