JP2917495B2 - 光学活性1,2―プロパンジアミンの製造法 - Google Patents
光学活性1,2―プロパンジアミンの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光学活性1,2−プロパンジアミンの製造法
に関するものである。
に関するものである。
<従来の技術> 光学活性1,2−プロパンジアミンは、制ガン剤などの
医薬品の合成原料として有用な化合物であるが、化学的
に合成された1,2−プロパンジアミンは、RS体であるの
で前記合成原料とするには光学分割して光学活性なもの
にしなければならない。1,2−プロパンジアミンの光学
分割方法として、酒石酸を用いる方法(J.Am.Chem. So
c.81 290〜294(1958))が知られている。
医薬品の合成原料として有用な化合物であるが、化学的
に合成された1,2−プロパンジアミンは、RS体であるの
で前記合成原料とするには光学分割して光学活性なもの
にしなければならない。1,2−プロパンジアミンの光学
分割方法として、酒石酸を用いる方法(J.Am.Chem. So
c.81 290〜294(1958))が知られている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、前記の方法は再沈を10回するなど操作が非常
に繁雑である上に収率が低く、工業的に実用化可能なレ
ベルではない。そこで、本発明者らは、光学活性1,2−
プロパンジアミンの実用的な製造法の確立を目的として
鋭意検討をかさねた。
に繁雑である上に収率が低く、工業的に実用化可能なレ
ベルではない。そこで、本発明者らは、光学活性1,2−
プロパンジアミンの実用的な製造法の確立を目的として
鋭意検討をかさねた。
<課題を解決するための手段> その結果、上記目的は、光学活性ジ−p−トルオイル
酒石酸または酒石酸o−ニトロアニリドを分割剤とし
て、(RS)−1,2−プロパンジアミンを分割することに
よって達成されることがわかった。
酒石酸または酒石酸o−ニトロアニリドを分割剤とし
て、(RS)−1,2−プロパンジアミンを分割することに
よって達成されることがわかった。
すなわち、本発明は、光学活性ジ−p−トルオイル酒
石酸または酒石酸o−ニトロアニリドを分割剤として
(RS)−1,2−プロパンジアミンを光学分割することを
特徴とする光学活性1,2−プロパンジアミンの製造法で
ある。
石酸または酒石酸o−ニトロアニリドを分割剤として
(RS)−1,2−プロパンジアミンを光学分割することを
特徴とする光学活性1,2−プロパンジアミンの製造法で
ある。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明で用いる分割剤は光学活性ジ−p−トルオイル
酒石酸または酒石酸o−ニトロアニリドであり、そのD
体およびL体のいずれも用いることができる。
酒石酸または酒石酸o−ニトロアニリドであり、そのD
体およびL体のいずれも用いることができる。
本発明において、原料として用いられる(RS)−1,2
−プロパンジアミンは、(R)−1,2−プロパンジアミ
ンと(S)−1,2−プロパンジアミンとを等量含むラセ
ミ型混合物のみならず、いずれか一方の光学異性体を等
量以上に含む混合物をも包含するものである。
−プロパンジアミンは、(R)−1,2−プロパンジアミ
ンと(S)−1,2−プロパンジアミンとを等量含むラセ
ミ型混合物のみならず、いずれか一方の光学異性体を等
量以上に含む混合物をも包含するものである。
(RS)−1,2−プロパンジアミンの光学分割は次の手
順と条件で行う。
順と条件で行う。
まず、溶媒中で(RS)−1,2−プロパンジアミン1モ
ルに対して0.1〜2.0モル、好ましくは0.3〜1.0モル量の
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸もしくはジ−p−トル
オイル−L−酒石酸またはL−酒石酸o−ニトロアニリ
ドもしくはD−酒石酸o−ニトロアニリドを接触させ
る。また、この時、塩酸、硫酸、りん酸などの鉱酸ある
いは酢酸などの有機酸を共存させてもよい。鉱酸あるい
は有機酸の使用量は分割剤と合せて(RS)−1,2−プロ
パンジアミン1モルに対して0.1〜1.5モル、好ましくは
0.3〜1.0モルである。
ルに対して0.1〜2.0モル、好ましくは0.3〜1.0モル量の
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸もしくはジ−p−トル
オイル−L−酒石酸またはL−酒石酸o−ニトロアニリ
ドもしくはD−酒石酸o−ニトロアニリドを接触させ
る。また、この時、塩酸、硫酸、りん酸などの鉱酸ある
いは酢酸などの有機酸を共存させてもよい。鉱酸あるい
は有機酸の使用量は分割剤と合せて(RS)−1,2−プロ
パンジアミン1モルに対して0.1〜1.5モル、好ましくは
0.3〜1.0モルである。
ここで使用する溶媒としては、1,2−プロパンジアミ
ンとジ−p−トルオイル酒石酸または酒石酸o−ニトロ
アニリドを溶解するとともに溶液中でこれらの化合物を
化学的に変質せしめることなく、かつジアステレオマー
塩を析出せしめるものであればよく、たとえば、水、エ
タノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリルな
どのプロトン溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いるこ
とができる。好ましい溶媒は水である。
ンとジ−p−トルオイル酒石酸または酒石酸o−ニトロ
アニリドを溶解するとともに溶液中でこれらの化合物を
化学的に変質せしめることなく、かつジアステレオマー
塩を析出せしめるものであればよく、たとえば、水、エ
タノール、プロパノール、アセトン、アセトニトリルな
どのプロトン溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いるこ
とができる。好ましい溶媒は水である。
(RS)−1,2−プロパンジアミンに前記分割剤を接触
させる方法としては、上記した溶媒中に(RS)−1,2−
プロパンジアミンおよび分割剤を別個に溶解して混合し
てもよいし、また溶媒中にそれらを順次溶解してもよ
い。さらにあらかじめ(RS)−1,2−プロパンジアミン
と分割剤とからつくった塩を該溶媒中に添加溶解しても
よい。
させる方法としては、上記した溶媒中に(RS)−1,2−
プロパンジアミンおよび分割剤を別個に溶解して混合し
てもよいし、また溶媒中にそれらを順次溶解してもよ
い。さらにあらかじめ(RS)−1,2−プロパンジアミン
と分割剤とからつくった塩を該溶媒中に添加溶解しても
よい。
次に、接触によって得られた溶液を冷却および/ある
いは濃縮する。すると、難溶性のジアステレオマー塩が
晶析する。難溶性のジアステレオマー塩を分割溶媒から
析出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の
範囲であればよく目的に応じて適宜決められるが、通常
0℃から100℃の範囲で十分である。
いは濃縮する。すると、難溶性のジアステレオマー塩が
晶析する。難溶性のジアステレオマー塩を分割溶媒から
析出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の
範囲であればよく目的に応じて適宜決められるが、通常
0℃から100℃の範囲で十分である。
難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、過、遠心分
離などの通常の固液分離法によって容易に分離すること
ができる。
離などの通常の固液分離法によって容易に分離すること
ができる。
一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離した残りの
母液をそのまま、または濃縮および/あるいは冷却して
易溶性のジアステレオマー塩を析出せしめ、これを分離
することもできる。
母液をそのまま、または濃縮および/あるいは冷却して
易溶性のジアステレオマー塩を析出せしめ、これを分離
することもできる。
かくして得られる各ジアステレオマー塩を適当な方法
で分離することによって、分割剤と(R)−1,2−プロ
パンジアミンまたは(S)−1,2−プロパンジアミンを
分離・採取することができる。
で分離することによって、分割剤と(R)−1,2−プロ
パンジアミンまたは(S)−1,2−プロパンジアミンを
分離・採取することができる。
ジアステレオマー塩の分解方法は任意であり、たとえ
ば、水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方法などが
適用できる。すなわち、たとえばジアステレオマー塩水
溶液に分解剤として水酸化ナトリウムを添加し、析出す
る分割剤のナトリウム塩を除去し、液を濃縮蒸留する
ことによって、または硫酸あるいは塩酸酸性水溶液にジ
アステレオマー塩を添加し、不溶物である分割剤を別
した後、あるいは分割剤をベンゼン、トルエン、酢酸エ
チルなどの有機溶媒で抽出した後液を水酸化ナトリウ
ムを加えてアルカリ性とし、濃縮蒸留することによっ
て、容易に(R)−1,2−プロパンジアミンまたは
(S)−1,2−プロパンジアミンを得ることができる。
ば、水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方法などが
適用できる。すなわち、たとえばジアステレオマー塩水
溶液に分解剤として水酸化ナトリウムを添加し、析出す
る分割剤のナトリウム塩を除去し、液を濃縮蒸留する
ことによって、または硫酸あるいは塩酸酸性水溶液にジ
アステレオマー塩を添加し、不溶物である分割剤を別
した後、あるいは分割剤をベンゼン、トルエン、酢酸エ
チルなどの有機溶媒で抽出した後液を水酸化ナトリウ
ムを加えてアルカリ性とし、濃縮蒸留することによっ
て、容易に(R)−1,2−プロパンジアミンまたは
(S)−1,2−プロパンジアミンを得ることができる。
また、液を濃縮晶析すれば、(R)−1,2−プロパ
ンジアミンまたは(S)−1,2−プロパンジアミンの硫
酸塩、塩酸塩が得られる。
ンジアミンまたは(S)−1,2−プロパンジアミンの硫
酸塩、塩酸塩が得られる。
あるいは陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂を用い
て分割剤と分離し、濃縮蒸留あるいは逆浸透膜などによ
っても光学活性1,2−プロパンジアミンを得ることがで
きる。
て分割剤と分離し、濃縮蒸留あるいは逆浸透膜などによ
っても光学活性1,2−プロパンジアミンを得ることがで
きる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中、光学純度は次のように測定したもの
を示す。
を示す。
光学純度: 1,2−プロパンジアミンの0.6%水溶液0.1mlまたはジ
アステレオマー塩3.5mgを2%テトラメチルエチレンジ
アミンのアセトニトリル溶液0.1mlと0.4%2,3,4,6−テ
トラ−o−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチ
オシアネート(以下、GITCと略す)のアセトニトリル溶
液0.1mlとを添加して混合した。15分室温で反応させた
のち、0.3%ジエチルアミンのアセトニトリル溶液0.1ml
で未反応のGITCを分解したサンプルを高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)により、次の条件で分析し、アミン
の光学純度(%ee)を求めた。
アステレオマー塩3.5mgを2%テトラメチルエチレンジ
アミンのアセトニトリル溶液0.1mlと0.4%2,3,4,6−テ
トラ−o−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチ
オシアネート(以下、GITCと略す)のアセトニトリル溶
液0.1mlとを添加して混合した。15分室温で反応させた
のち、0.3%ジエチルアミンのアセトニトリル溶液0.1ml
で未反応のGITCを分解したサンプルを高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)により、次の条件で分析し、アミン
の光学純度(%ee)を求めた。
HPLC条件 カラム :μ−Bondasphere 5μ C18−100Å 3.9×150mm 移動相 :0.05%H3PO4/アセトニトリル=65/35 1.0ml/m
in カラムT:35℃ U V:254nm 保持時間:(S)−1,2−プロパンジアミンのGITC化物1
3.3min (R)−1,2−プロパンジアミンのGITC化物1
5.5min 実施例1 (RS)−1,2−プロパンジアミン5.0gとジ−p−トル
オイル−L−酒石酸1水塩24・2gとを水100mlに60℃で
加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、8時間後
22℃で析出結晶を別、乾燥して15.0gの白色の(R)
−1,2−プロパンジアミン・ジ−p−トルオイル−L−
酒石酸塩を得た。用いた(R)−1,2−プロパンジアミ
ン量に対しての収率は97%であった。光学純度は80%ee
であった。
in カラムT:35℃ U V:254nm 保持時間:(S)−1,2−プロパンジアミンのGITC化物1
3.3min (R)−1,2−プロパンジアミンのGITC化物1
5.5min 実施例1 (RS)−1,2−プロパンジアミン5.0gとジ−p−トル
オイル−L−酒石酸1水塩24・2gとを水100mlに60℃で
加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、8時間後
22℃で析出結晶を別、乾燥して15.0gの白色の(R)
−1,2−プロパンジアミン・ジ−p−トルオイル−L−
酒石酸塩を得た。用いた(R)−1,2−プロパンジアミ
ン量に対しての収率は97%であった。光学純度は80%ee
であった。
実施例2 (RS)−1,2−プロパンジアミン14.8gとジ−p−トル
オイル−D−酒石酸1水塩40.4gとを濃塩酸18.8gおよび
水170mlに60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら
冷却し、6時間後25℃で析出結晶を別、乾燥して32.5
gの白色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジ−p−ト
ルオイル−D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−
プロパンジアミン量に対しての収率は71%であり、光学
純度は76%eeであった。
オイル−D−酒石酸1水塩40.4gとを濃塩酸18.8gおよび
水170mlに60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら
冷却し、6時間後25℃で析出結晶を別、乾燥して32.5
gの白色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジ−p−ト
ルオイル−D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−
プロパンジアミン量に対しての収率は71%であり、光学
純度は76%eeであった。
実施例3 実施例2で得られた(S)−1,2−プロパンジアミン
・ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩を、(RS)−1,2
−プロパンジアミン0.1gを添加した水170mlで再結晶し
て、(S)−1,2−プロパンジアミン・ジ−p−トルオ
イル−D−酒石酸塩24.6gを得た。再結晶収率は76%で
あり、光学純度は97%eeであった。
・ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩を、(RS)−1,2
−プロパンジアミン0.1gを添加した水170mlで再結晶し
て、(S)−1,2−プロパンジアミン・ジ−p−トルオ
イル−D−酒石酸塩24.6gを得た。再結晶収率は76%で
あり、光学純度は97%eeであった。
実施例4 (RS)−1,2−プロパンジアミン2.0gとジ−p−トル
オイル−D−酒石酸1水塩5.5gと95%硫酸1.2gとを水15
mlに70℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら6時間
冷却し、25℃で一夜撹拌した。析出結晶を別、乾燥し
て4.3gの白色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジ−
p−トルオイル−D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−
1,2−プロパンジアミン量に対しての収率は70%であ
り、光学純度は77%eeであった。
オイル−D−酒石酸1水塩5.5gと95%硫酸1.2gとを水15
mlに70℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら6時間
冷却し、25℃で一夜撹拌した。析出結晶を別、乾燥し
て4.3gの白色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジ−
p−トルオイル−D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−
1,2−プロパンジアミン量に対しての収率は70%であ
り、光学純度は77%eeであった。
実施例5 光学純度97%eeの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩99.8gを9%塩酸水
溶液205mlに3時間かけて添加した。添加終了後1時間
撹拌した後、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸を過、
水洗した。液と水洗液に50%水酸化ナトリウム水溶液
56gを加えてアルカリ性とした後、常圧蒸留して、115〜
118゜の留分15.3gを得た。得られた(S)−1,2−プロ
パンジアミンは15%の水分を含有していた(収率80
%)。光学純度は97%eeであった。
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩99.8gを9%塩酸水
溶液205mlに3時間かけて添加した。添加終了後1時間
撹拌した後、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸を過、
水洗した。液と水洗液に50%水酸化ナトリウム水溶液
56gを加えてアルカリ性とした後、常圧蒸留して、115〜
118゜の留分15.3gを得た。得られた(S)−1,2−プロ
パンジアミンは15%の水分を含有していた(収率80
%)。光学純度は97%eeであった。
実施例6 光学純度98%eeの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩31.1gを6%塩酸水
溶液100mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1
時間撹拌した後、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸を
過、水洗した。液と洗液をあわせ17.0gまで濃縮し、
エタノール30mlを添加して5℃に冷却した。析出晶を
別乾燥して8.6gの(S)−1,2−プロパンジアミン・2
塩酸塩を晶析率87%で得た。光学純度は99%eeであっ
た。
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩31.1gを6%塩酸水
溶液100mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1
時間撹拌した後、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸を
過、水洗した。液と洗液をあわせ17.0gまで濃縮し、
エタノール30mlを添加して5℃に冷却した。析出晶を
別乾燥して8.6gの(S)−1,2−プロパンジアミン・2
塩酸塩を晶析率87%で得た。光学純度は99%eeであっ
た。
実施例7 光学純度99%eeの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩48.5gを8.5%硫酸水
溶液150mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1
時間撹拌した後、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸を
過、水洗した。液と洗液をあわせて36gまで濃縮し、
エタノール30mlを添加して1時間室温にて撹拌した。析
出晶を別乾燥して16.6gの(S)−1,2−プロパンジア
ミン・硫酸塩を晶析率91%で得た。光学純度は99%eeで
あった。
ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩48.5gを8.5%硫酸水
溶液150mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1
時間撹拌した後、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸を
過、水洗した。液と洗液をあわせて36gまで濃縮し、
エタノール30mlを添加して1時間室温にて撹拌した。析
出晶を別乾燥して16.6gの(S)−1,2−プロパンジア
ミン・硫酸塩を晶析率91%で得た。光学純度は99%eeで
あった。
実施例8 (RS)−1,2−プロパンジアミン3.7gとL−酒石酸o
−ニトロアニリド27.0gを水277gに75℃で加熱溶解し
た。ゆっくり撹拌しながら冷却し、4時間後析出結晶を
別し、黄色の(R)−1,2−プロパンジアミン・L−
酒石酸o−ニトロアニリド塩12.0gを得た。この結晶を
水170gで再結晶して8.9gの(R)−1,2−プロパンジア
ミン・L−酒石酸o−ニトロアニリド塩を得た。用いた
(R)−1,2−プロパンジアミン量に対しての収率は58
%であり、光学純度は90%eeであった。
−ニトロアニリド27.0gを水277gに75℃で加熱溶解し
た。ゆっくり撹拌しながら冷却し、4時間後析出結晶を
別し、黄色の(R)−1,2−プロパンジアミン・L−
酒石酸o−ニトロアニリド塩12.0gを得た。この結晶を
水170gで再結晶して8.9gの(R)−1,2−プロパンジア
ミン・L−酒石酸o−ニトロアニリド塩を得た。用いた
(R)−1,2−プロパンジアミン量に対しての収率は58
%であり、光学純度は90%eeであった。
比較例1 (RS)−1,2−プロパンジアミン5.0gとD−酒石酸10.
1gとを水10mlに60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しな
がら冷却し、室温で2日間撹拌しても結晶は析出しなか
った。
1gとを水10mlに60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しな
がら冷却し、室温で2日間撹拌しても結晶は析出しなか
った。
<発明の効果> かくして、本発明によれば、(RS)−1,2−プロパン
ジアミンを極めて簡単な方法で収率よく、高い光学純度
で光学分割することができる。また、分割剤の光学活性
ジ−p−トルオイル酒石酸または酒石酸o−ニトロアニ
リドはジアステレオマー塩を酸、アルカリで処理するこ
とにより容易に回収でき、さらに回収された光学活性ジ
−p−トルオイル酒石酸または酒石酸o−ニトロアニリ
ドは再使用が可能である。
ジアミンを極めて簡単な方法で収率よく、高い光学純度
で光学分割することができる。また、分割剤の光学活性
ジ−p−トルオイル酒石酸または酒石酸o−ニトロアニ
リドはジアステレオマー塩を酸、アルカリで処理するこ
とにより容易に回収でき、さらに回収された光学活性ジ
−p−トルオイル酒石酸または酒石酸o−ニトロアニリ
ドは再使用が可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】光学活性ジ−p−トルオイル酒石酸または
酒石酸o−ニトロアニリドを分割剤として(RS)−1,2
−プロパンジアミンを光学分割することを特徴とする光
学活性1,2−プロパンジアミンの製造法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-289397 | 1989-11-07 | ||
JP28939789 | 1989-11-07 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03223236A JPH03223236A (ja) | 1991-10-02 |
JP2917495B2 true JP2917495B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=17742698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29148490A Expired - Fee Related JP2917495B2 (ja) | 1989-11-07 | 1990-10-29 | 光学活性1,2―プロパンジアミンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2917495B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7358384B2 (en) | 2003-01-16 | 2008-04-15 | Toray Fine Chemicals Co., Ltd. | Processes for the recovery of optically active diacyltartaric acids |
-
1990
- 1990-10-29 JP JP29148490A patent/JP2917495B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7358384B2 (en) | 2003-01-16 | 2008-04-15 | Toray Fine Chemicals Co., Ltd. | Processes for the recovery of optically active diacyltartaric acids |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03223236A (ja) | 1991-10-02 |
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