JP2915610B2 - 熱転写記録装置及び該装置を用いたファクシミリ装置 - Google Patents

熱転写記録装置及び該装置を用いたファクシミリ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクシートの有する
インクを記録媒体に転写して画像の記録を行う熱転写記
録装置及び該装置を用いたファクシミリ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱転写プリンタは熱溶融性(或
いは熱昇華性)インクをベースフィルムに塗布したイン
クシートを使用し、サーマルヘツドによりそのインクシ
ートを画像信号に対応して選択的に加熱し、溶融(或い
は昇華)したインクを記録紙に転写して画像記録を行っ
ている。一般に、このインクシートは、1回の画像記録
により完全にインクが記録紙に転写されるもの(所謂ワ
ンタイムシート)であるため、1文字或いは1ラインの
画像記録終了後、その記録された長さに対応する分だけ
インクシートを搬送し、次に記録する位置に確実にイン
クシートの未使用部分をもってくる必要があつた。この
ためインクシートの使用量が増大し、感熱紙に記録する
通常の感熱プリンタに比べ、熱転写プリンタのランニン
グコストが高くなる傾向があつた。
【0003】このような問題点を解決するために、特開
昭57−83471号や特開昭58−201686号公
報あるいは特公昭62−58917号公報にみられるよ
うに、記録紙とインクシートとを速度差を設けて搬送す
るようにした熱転写プリンタが提案されている。
【0004】本願発明は前記公報に記載されている発明
を更に発展させたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら熱転写プリンタ
において使用されるインクシートとして、複数(n)回
の画像記録が可能なインクシート(所謂マルチプリント
シート)が知られており、このインクシートを用いれ
ば、記録長さLを連続して記録するとき、各画像記録の
終了後あるいは画像記録中に搬送されるインクシートの
搬送長をその長さLよりも小さく(L/n:n>1)し
て記録することができる。これにより、インクシートの
使用効率が従来のn倍になり、熱転写プリンタのランニ
ングコストの低下が期待できる。以下、この記録方式を
マルチプリントと呼ぶ。
【0006】このようなインクシートによりマルチプリ
ントを行う場合は、記録上の所定長の搬送に対してイン
クシートを常に一定の距離だけ搬送する必要がある。こ
のような搬送制御において、インクシートの巻取りロー
ルの支持軸の回転によりインクシートの搬送量を制御す
ると、インクシートを使用するにつれてインクシートを
巻取る巻取りロールの径が大きくなり、同じ量だけ巻取
りロールを回転するように制御しても、巻取りの開始時
と巻取り終了時とではインクシートの搬送距離が異なっ
てしまう。このため、キャプスタンローラやピンチロー
ラ等によりインクシートを挾持し、それらの回転により
インクシートを搬送するようにしている。
【0007】しかしながら、インクシートを巻取るため
にはローラによりインクシートを巻取り方向に強い力で
引っ張る必要があり、長時間使用していると、これらロ
ーラが歪んでしまい均一にインクシートが搬送されなく
なる。また、これらローラを設けると機構部が複雑にな
り、装置のコストアップ等につながるという問題があっ
た。
【0008】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、インクシートの巻取り或は供給ロールの回転を制御
することにより、インクシートの搬送量をほぼ一定に制
御することができるとともに、その回転駆動量の制御に
誤りがあった場合であっても、元の回転駆動量に戻すこ
とができ、更にその回転駆動量の制御にヒステリシス特
性を持たせた熱転写記録装置及び該装置を用いたファク
シミリ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の熱転写記録装置は以下のような構成を備え
る。即ち、インクシートの有するインクを記録媒体に転
写して画像の記録を行う熱転写記録装置であって、給紙
ロールと巻取りロールとの間に張架されたインクシート
を、前記巻取りロールを回転駆動して搬送するインクシ
ート搬送手段と、前記供給ロールの回転量を検出する回
転量検出手段と、前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送
手段と、前記インクシートに作用して前記記録媒体に画
像の記録を行う記録手段と、前記回転量検出手段により
検出された前記供給ロールの所定回転量毎に、前記イン
クシート搬送手段により搬送されるインクシートの搬送
量を計数する計数手段と、前記計数手段により計数され
た前記搬送量に対応して前記インクシート搬送手段によ
る前記巻取りロールの回転駆動量を可逆的に変更するこ
とが可能であるとともに、前記回転駆動量の変更をヒス
テリシス特性を持たせて行う制御手段と、を有すること
を特徴とする。
【0010】上記目的を達成するために本発明の熱転写
記録装置を用いたファクシミリ装置は以下のような構成
を備える。即ち、インクシートの有するインクを記録媒
体に転写して画像の記録を行う熱転写記録装置を用いた
ファクシミリ装置であって、原稿画像を入力する画像入
力手段と、ファクシミリ信号を送受信する送受信手段
と、前記画像入力手段或は前記送受信手段よりの画像信
号を入力して記録データを作成する記録データ作成手段
と、給紙ロールと巻取りロールとの間に張架されたイン
クシートを、前記巻取りロールを回転駆動して搬送する
インクシート搬送手段と、前記供給ロールの回転量を検
出する回転量検出手段と、前記記録媒体を搬送する記録
媒体搬送手段と、前記インクシートに作用して前記記録
媒体に画像の記録を行う記録手段と、前記回転量検出手
段により検出された前記供給ロールの所定回転量毎に、
前記インクシート搬送手段により搬送されるインクシー
トの搬送量を計数する計数手段と、前記計数手段により
計数された前記搬送量に対応して前記インクシート搬送
手段による前記巻取りロールの回転駆動量を可逆的に変
更することが可能であるとともに、前記回転駆動量の変
更をヒステリシス特性を持たせて行う制御手段と、を有
することを特徴とする。
【0011】
【0012】
【作用】以上の構成において、給紙ロールと巻取りロー
ルとの間に張架されたインクシートを、巻取りロールを
回転駆動して搬送する時、供給ロールの回転量を検出す
る回転量検出手段により検出された供給ロールの所定回
転量毎に、インクシート搬送手段により搬送されるイン
クシートの搬送量を計数し、この計数された搬送量に対
応して巻取りロールの回転駆動量を可逆的に変更するこ
とが可能であるとともに、その回転駆動量の変更をヒス
テリシス特性を持たせて行うように制御する。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。 <ファクシミリ装置の説明(図1〜図4)>図1〜図4
は本発明の一実施例を用いた熱転写プリンタを、ファク
シミリ装置に適用した例を示す図で、図1はファクシミ
リ装置の制御部101と記録部102との電気的接続を
示す図、図2は記録紙とインクシートの搬送機構を示す
図、図3はファクシミリ装置の側断面図、そして図4は
ファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。
【0014】まず、図4をもとに実施例のファクシミリ
装置の概略構成を説明する。
【0015】図4において、100は原稿を光電的に読
取ってデジタル画像信号として制御部101に出力する
読取部で、原稿搬送用モータやCCDイメージセンサな
どを備えている。次に、この制御部101の構成を説明
する。110は画像データの各ラインのイメージデータ
を格納するラインメモリで、原稿の送信あるいはコピー
のときは読取部100よりの1ライン分のイメージデー
タが格納され、画像データの受信のときは復号された受
信画像データの1ラインデータが格納される。そして、
格納されたデータが記録部102に出力されることによ
って記録紙に画像が記録される。111は送信する画像
情報をMH符号化などにより符号化するとともに、受信
した符号化画像データを復号してイメージデータに変換
する符号化/復号化部である。また、112は送信する
或いは受信された符号化画像データを格納するバッファ
メモリである。これら制御部101の各部は、例えばマ
イクロプロセッサなどのCPU113により制御されて
いる。制御部101には、このCPU113の他に、C
PU113の制御プログラムや各種データを記憶してい
るROM114、CPU113のワークエリアとして各
種データを一時保存するRAM115などを備えてい
る。
【0016】102はサーマルラインヘッドを備え、熱
転写記録法により記録紙に画像を記録する記録部で、こ
の構成は図3を参照して詳しく後述する。103は送信
開始などの各種機能指示キーや電話番号の入力キーなど
を含む操作部で、103aは使用するインクシートの種
類を指示するスイッチで、スイッチ103aがオンのと
きはマルチプリントのインクシートが、オフのときは通
常のインクシートが装填されていることを示している。
104は通常、操作部103に隣接して設けられてお
り、各種機能や装置の状態などを表示する表示部であ
る。105は装置全体に電力を供給するための電源部で
ある。また、106はモデム(変復調器)、107は呼
出し音検出による自動着信動作及び回線制御動作を行う
網制御部(NCU)、108は電話機である。
【0017】次に、図2及び図3を参照して記録部10
2の構成を詳しく説明する。なお、各図面において共通
する部分は同一図番で示している。
【0018】図3において、10は普通紙である記録紙
11をコア10aにロール状に捲回したロール紙であ
る。このロール紙10は、プラテンローラ12の矢印方
向への回転により記録紙11をサーマルヘッド部13に
供給できるように、回転自在に装置内に収納されてい
る。なお、10bはロール紙装填部であって、ロール紙
10を着脱可能に装填している。さらに12はプラテン
ローラであって、記録紙11を矢印b方向に搬送すると
ともに、サーマルヘッド13の発熱体132との間で、
インクシート14や記録紙11を押圧するものである。
サーマルヘッド13の発熱により画像記録の行われた記
録紙11は、プラテンローラ12のさらなる回転によっ
て排出ローラ16(16a,16b) 方向に搬送され、1頁分の
画像記録が終了すると、カッタ15(15a,15b) の噛合に
よって頁単位に切断される。
【0019】17はインクシート14を捲回しているイ
ンクシート供給ロール、18はインクシート巻取りロー
ルであって、後述するインクシート搬送用モータにより
駆動され、インクシート14を矢印a方向に巻取るもの
である。なお、このインクシート供給ロール17及びイ
ンクシート巻取りロール18は、装置本体内のインクシ
ート装填部70に着脱可能に装填されている。さらに、
19はインクシート14の残量検出やインクシート14
の搬送速度を検出するためのセンサである。また、20
はインクシート14の有無を検出するためのインクシー
トセンサ、21はスプリングで、記録紙11やインクシ
ート14を介して、プラテンローラ12に対してサーマ
ルヘッド13を押圧するものである。また、22は記録
紙の有無を検出するための記録紙センサである。
【0020】つぎに、読取部100の構成を説明する。
【0021】図3において、30は原稿32を照射する
光源で、原稿32で反射された光は光学系(ミラー5
0,51、レンズ52)を通してCCDセンサ31に入
力され、電気信号に変換される。原稿32は図示しない
原稿搬送用モータにより駆動される搬送用ローラ53,
54,55,56により、原稿32の読取り速度に対応
して搬送される。なお、57は原稿積載台であって、こ
の積載台57に積載された複数枚の原稿32は搬送用ロ
ーラ54と押圧分離片58との協動によって1枚ずつに
分離されて読取部100に搬送される。
【0022】41は制御部101の主要部を構成する制
御基板で、この制御基板41より装置の各部に各種制御
信号が出力される。また、105は各部に電源を供給す
る電源部、106はモデム基板ユニット、107は電話
回線との中継機能を有するNCU基板ユニットである。
【0023】さらに、図2はインクシート14と記録紙
11の搬送機構の詳細を示す図である。
【0024】図2において、24はプラテンローラ12
を回転駆動し、記録紙11を矢印a方向(インクシート
14の搬送方向)とは反対の矢印b方向に搬送するため
の記録紙搬送用モータである。ここで、記録紙搬送用モ
ータ24は最小ステップ角が7.5度であり、この記録
紙搬送用モータ24のモータ回転軸からプラテンローラ
12の回転軸までの伝達系の伝達比は“10.084
0”である。尚、ここでプラテンローラ12の直径を2
0mmとしている。これにより、記録紙搬送用モータ2
4をハーフステップ回転させて記録紙11を搬送する
と、下式に示すように記録紙11はプラテンローラ12
の回転によりスーパーファインモードの1ライン分だけ
搬送される。但し、Dはプラテンローラ12の直径であ
る。
【0025】2π×(D/2)×(7.5/360)×
(1/2)×(1/10,0840)=2π×(20/
2)×(7.5/360)×(1/2)×(1/10,
0840)=0.0649046(mm)=1/15.
402717(mm) また、25はインクシート14を矢印a方向に搬送する
ためのインクシート搬送用モータである。更に、26,
27は記録紙搬送用モータ24の回転をプラテンローラ
12に伝達する伝達ギア、28,29はインクシート搬
送用モータ25の回転を巻取りロール18に伝達する伝
達ギアである。ここで、インクシート搬送用モータ25
は最小ステップ角が1.8度であり、このインクシート
搬送用モータ25のモータ回転軸からインクシート巻取
りロール18の回転軸までの伝達系の伝達比は“44.
13”である。尚、ここでインクシート巻取りロールの
直径は22mmから44ミリの間で変化するものとして
いる。
【0026】ここで、スーパーファインモードにおける
1ラインの記録時、インクシート14はインクシート巻
取りロール18の径に応じて2ハーフステップ或いは3
ハーフステップ搬送される。これにより、2段階ではあ
るがインクシート14の巻取り量(巻取りロール18の
径)の増大に対し、記録紙11に対するインクシート1
4の搬送比をほぼ一定に保つことができるように、イン
クシート14の巻取り量を調整することができる。スー
パーファインモードでの1ライン記録時、インクシート
14の移動量は、2 π×(D/2 )×(1.8/360 )×(1/
2 )×(1/44.13 )× nとなる。ここで、Dはインクシ
ート14の巻取り径で、前述したように22mmから4
4mmの間で変化し、nはハーフステップ数であり、こ
の実施例では“2”或いは“3”としている。
【0027】また、図2に示すように、インクシート供
給ロール17の回転軸にエンコード板61(以下、N値
センサと呼ぶ)を設け、フォトインタラプタ62によ
り、その回転を検出することによりインクシート供給ロ
ール17の回転を検出している。ここで、インクシート
供給ロール17からエンコード板61への減速比は、1
/2.89としている。
【0028】このN値センサの拡大図を図6に示す。図
6に示すように、各スリットの角度θは約10度であ
る。
【0029】このように記録紙11とインクシート14
の搬送方向を互いに逆にすることにより、記録紙11の
長手方向に順次画像が記録される方向(矢印a方向、記
録紙11の搬送方向と逆方向)とインクシート14の搬
送方向とが一致する。ここで、記録紙11の搬送速度V
P を、VP =−n/VI (VI はインクシート14の搬
送速度で、−は記録紙11とインクシート14の搬送方
向が異なることを示している)とすると、サーマルヘッ
ド13に対する記録紙11とインクシート14の相対速
度VPIは、VPI=VP −VI =(1+1/n)VP で表
され、この相対速度VPIはVP 以上となる。これによ
り、従来のように記録紙とインクシートとを同方向に搬
送した時の相対速度VPI' (=(1−1/n)VP )よ
りも大きくなっていることがわかる。
【0030】尚、これ以外にも、サーマルヘッド13に
よりnライン分記録する時、(n/p)ライン毎に(s
/p)だけ(s,pは整数で、n>p,s)インクシー
ト14を矢印a方向に搬送する方法や、長さLに相当す
る距離を記録する時、記録中はインクシート14を記録
紙11と逆方向に同じ速さで搬送し、次の所定量の記録
前にL・(n−1)/nだけインクシート14を巻戻す
(但し、n>1)方法がある。これらいずれの場合にお
いても、インクシート14を停止して記録する時の相対
速度はVP となり、一方インクシート14を移動しなが
ら記録する時の相対速度は2VP となる。
【0031】図1は実施例のファクシミリ装置における
制御部101と記録部102との電気系の接続を示す図
で、他の図面と共通する部分は同一図番で示している。
【0032】サーマルヘッド13はラインヘッドであ
る。そして、このサーマルヘッド13は、制御部101
よりの1ライン分のシリアル記録データ43を、シフト
クロックに同期して入力して保持するシフトレジスタ1
30、ラッチ信号44によりシフトレジスタ130のデ
ータをラッチするラッチ回路131、1ライン分の発熱
抵抗体からなる発熱素子132を備えている。ここで、
発熱抵抗体132は132−1〜132−mで示された
m個のブロックに分割して駆動されている。
【0033】また、133はサーマルヘッド13に取付
けられている、サーマルヘッド13の温度を検出するた
めの温度センサである。この温度センサ133の出力信
号42は、制御部101内でA/D変換されて前記CP
U113に入力される。これによりCPU113はサー
マルヘッド13の温度を検知し、その温度に対応してス
トローブ信号47のパルス幅を変更したり、あるいはサ
ーマルヘッド13の駆動電圧などを変更して、インクシ
ート14の特性に応じてサーマルヘッド13への印加エ
ネルギーを変更している。
【0034】尚、このインクシート14の特性(種類)
は前述したスイッチ103aにより指示されている。ま
た、このインクシート14の種類や特性などは、インク
シート14に印刷されたマークなどを検出して判別する
ようにしても良く、またインクシートのカートリッジな
どに付されたマークや切り欠き或いは突起等により判別
するようにしても良い。
【0035】116はプログラマブル・タイマで、CP
U113より計時時間がセットされ、計時の開始が指示
されると計時を開始する。そして、指示された時間ごと
にCPU113に割込み信号やタイムアウト信号などを
出力するように動作する。このタイマ116により、例
えばサーマルヘッド13への通電時間の計時等が行われ
る。46は制御部101よりサーマルヘッド13の駆動
信号を入力し、サーマルヘッド13を各ブロック単位で
駆動するストローブ信号47を出力する駆動回路であ
る。なお、この駆動回路46は制御部101の指示によ
り、サーマルヘッド13の発熱素子(抵抗体)132に
電流を供給する電源線45に出力する電圧を変更してサ
ーマルヘッド13の印加エネルギーを変更することがで
きる。48,49はそれぞれ対応する記録紙搬送用モー
タ24、インクシート搬送用モータ25を回転駆動する
ドライバ回路である。なお、これら記録紙搬送用モータ
24及びインクシート搬送用モータ25は、この実施例
ではステツピングモータであるが、これに限定されるも
のでなく、例えばDCモータなどであっても良い。ま
た、38はインクシート14が交換されたことを検出す
るインクシート交換検出部で、インクシート14を着脱
するレバー等と連動しており、インクシート14が交換
された時にパルス信号を出力して制御部101にインク
シート14が交換されたことを通知している。
【0036】ここで記録紙11は記録紙搬送用モータ2
4により回転駆動されるプラテンローラ12により搬送
駆動されているので、記録紙搬送用モータ24が所定量
回転した時に搬送される記録紙11の搬送量は常に一定
である。これに対し、インクシート14の搬送駆動は、
インクシート搬送用のモータ25により回転駆動される
巻取りロール18の回転数を制御することにより行われ
ているため、インクシート搬送用モータ25を所定数回
転しても、インクシート巻取りローラ18に捲回されて
いるインクシート14の量(巻取りローラ18の径)に
よりインクシート14の搬送量が異なってしまうことに
なる。
【0037】インクシート14の巻取り量を巻取りロー
ル18の径に関係なく常に一定にする方法としては、以
下に示す2つの方法が考えられる。
【0038】いま、インクシート14の巻取りロール1
8のロールの芯径をr1 とし、所定量インクシート14
が捲回された時の巻取りロール18の径をr2 とする。
ここで、巻取りロール18が所定角度θだけ回転された
時のインクシート14の搬送量は、巻取り開始直後はr
1 θとなり、所定量のインクシート14が巻取りロール
18に捲回された時はr2θとなる。マルチプリントに
おいては、記録紙11が1ライン搬送されたとき、イン
クシート14が1/nラインだけ搬送されるように制御
するため、図3に示すセンサ23により巻取りロール1
8の径をチェックし、インクシート搬送用モータ25の
駆動ステップ数をp1 :p2 =r2 :r 1 となるように
選択すれば良い。尚、この時、インクシート搬送用モー
タ25の最小ステップ角θは一定である。
【0039】次に別の方法として、マイクロステップ駆
動により、インクシート14の巻取り量に応じて最小ス
テップ角を変更し、θ1 :θ2=r2 :r1 となるよう
にθを設定すれば良い。
【0040】また、これ以外にインクシート14の搬送
量をほぼ一定に制御する方法としては、インクシート1
4が装着されてからの巻取りロール18の回転数を基に
インクシート巻取りロール18の径を算出する、これは
インクシート14の厚さをt、巻取りロール18の回転
数をpとすると、その径は(r1 +pt)で与えられ
る。こうして、巻取りロール18の径を算出しながらイ
ンクシート14の搬送制御を行うことができる。
【0041】この方法による時は、インクシート14の
交換が交換検出部38により検出された時は、前述した
径の計算値をr1 に初期設定すれば良い。しかしなが
ら、径の異なるインクシートロールが装着されたり、使
用中のインクシートが一旦脱着されて再び装着されたよ
うな場合には、誤って初期化されてしまう。
【0042】前述した以外に、インクシート14の搬送
量を一定にして記録紙11に対するインクシート14の
搬送量をほぼ一定に制御する実施例について、以下に説
明する。
【0043】まず、N値制御について説明する。
【0044】ここでN値とは、N=(記録紙11の移動
量)/(インクシート14の移動量)で表される。ここ
で、記録紙11の移動量は、前述したようにプラテンロ
ーラ12の回転により行われるため一定である。一方、
インクシート14は巻取りロール18の支持軸の回転駆
動により巻取られるため、この軸の所定の回転量に対す
るインクシート14の移動量はインクシート巻取りロー
ル18の巻取り径により変動する。従って、インクシー
ト搬送用モータ25を所定量回転させた時に搬送される
インクシート長は、インクシート巻取りロール18の巻
取り径が大きくなるにつれて増大し、これにより、マル
チプリントの回数nの値が小さくなる。このn値の変化
により、記録画像の濃度が、或いは解像度等が変動す
る。即ち、nの値が大きいと同じインクシート部分で繰
り返し記録する回数が増えるため記録濃度は薄くなり、
逆にnの値が小さいと解像度はつぶれ気味になる。
【0045】従って、記録画像の画質をインクシートカ
ートリッジの使い初めから使い終わりまで、なるべく良
好かつ均一にするために、インクシート搬送用モータ2
5の励磁パルスを途中で変更する(例えば2段階)。即
ち、インクシート巻取りロール18の巻取り径がφ22
〜φ31.5(mm)の時は、スーパーファインモード
の1ライン記録時にインクシート搬送用モータ25を3
ハーフステップ駆動する。また、インクシート巻取りロ
ーラ18の巻取り径がφ31.5〜φ44(mm)の時
は、スーパーファインモードの1ライン記録時にインク
シート搬送用モータ25を2ハーフステップ駆動する。
このようにインクシートの巻取り径がφ31.5mmよ
り大きいか小さいかにより、スーパーファインモードに
おける1ライン記録時におけるインクシート14の搬送
ステップ数を変更することについて、以下に説明する。
【0046】まず、N値とインクシート巻取りローラ1
8の巻取り径との関係について説明する。
【0047】スーパーファインモードにて1ラインを記
録した時、インクシート14は(1/15.4N)mm
搬送される。このときインクシート巻取りローラ18の
回転軸における回転角は、(r・△θ=△s)より、イ
ンクシート巻取り径Dに対し、(△θ=△s/rより) {(1/15.4N )/(D/2 )}×(180 °/π) (度) …(1) である。
【0048】一方、ステップ角がθ°のインクシート搬
送用モータ25を1−2相励磁(ハーフステップ角(θ
°/2))、減速比iでaパルス励磁すると、インクシ
ート巻取りローラ18の回転軸の回転角となり、 (θ°/2)×(a/i ) (度) …(2) となる。
【0049】(1)式=(2)式より、 {(1/15.4N )/(D/2 )}×(180 °/π)=(θ°
/2)×(a/i )より、 N=(720 °×i )/(15.4πa θ°)×(1/D ) …(3) ここで、i=44.13,θ=1.8°,a=2或いは
3であるから、 N=31773.6/87.0408・a・D = 365.04/( a・D ) …(4) 図5は、インクシート巻取りロール18の巻取り径に対
するN値の変化を示す図である。図5では、横軸にイン
クシート巻取りロール18の巻取り径Dを、縦軸にN値
を示している。
【0050】インクシート14の使い初めは、巻取りロ
ール18の巻取り径Dは22mmであり、スーパーファ
インモードでの1ライン記録時にインクシート搬送用モ
ータ25を3ハーフステップ駆動する。この使い初めの
N値は、上述の(4)式に、a=3,D=22(mm)
を代入してN=(365.04/3×22)より,N≒
5.53となる。このN値は、インクシート巻取りロー
ル18の巻取り径が大きくなるにつれて小さくなる。こ
こでN=3.86になった時の、スーパーファインモー
ドでの1ライン記録時に搬送するインクシート搬送用モ
ータ25の回転角を2ハーフステップとする。このため
に、N=3.86になる時のインクシート巻取りロール
18の巻取り径Dの求め方を説明する。
【0051】まず(4)式を変更し、D=(365.0
4/aN)に、a=3,N=3.86を代入することに
より、N=3.86になった時のインクシート巻取りロ
ール18の径D≒31.5(mm)が求まる。こうし
て、インクシート巻取りロール18の巻取り径が31.
5(mm)になった以降は、スーパーファインモードの
1ライン記録時に、インクシート搬送用モータ25を2
ハーフステップ駆動してインクシート14を搬送する。
これ以降も、インクシートの巻取り径の増加に伴い、N
値は小さくなる。そして、インクシート14を使い終っ
た時のインクシート巻取りロール18の径Dは約44m
mであるため、使い終わり時におけるN値は、a=2,
D=44(mm)を代入して、N=365.04/2×
44)≒4.15となる。
【0052】次にインクシート巻取りロール18の巻取
り径Dとインクシート供給ロール17の径との関係につ
いて説明する。
【0053】インクシート巻取りロール18の巻取り軸
径がd(mm)の巻取り軸に、厚さt(μm)のインク
シート14をL(m)巻き取った時のインクシート巻取
りロール18の径Dは、(πr1 2−πr0 2=tL:但
し、r1 は巻取り終了後の巻取り径、r0 は巻取り開始
前の径)より、 π(D/2 )2 −π(d/2 )2 =tL (D/2 )2 =tL/π+(d/2 )2 D =2・SQRT{tL/π+(d/2 )2 }(mm) …(5) 尚ここで、SQRT(x)はxの平方根を示している。
【0054】一方、インクシート供給ロール17側に関
しては、インクシート14の使い始めの供給ロール17
の径をDS (mm),インクシート14の全長をLM
使用前のインクシートの厚みtS (μm),インクシー
ト供給ロール17の供給軸の径をdS とすると、前述の
(πr1 2−πr0 2=tL)より、 π(DS/2)2 −π(dS/2)2 =tS・LM …(6) そして、インクシート14をL(m)使用した時のイン
クシート供給ロール17の径をDSPとすると、 π(DSP/2 )2 −π(dS/2)2 =tS・(LM− L) (DSP/2 )2 ={tS・(LM− L)}/π + (dS/2)2 DSP =2 ・SQRT[{tS・(LM− L)}/π + (dS/2)2 }](mm) …(7)(5)式を変形して、 L ={(D/2 )2 −(d/2 )2 }π/t (6)式を変形して、 LM={(DSP/2 )2 −(dS/2)2 }π/tS 上の2式を(7)式に代入して、 DSP =2 ・SQRT[(tS /π) {( DSP/2 )2 −(dS/2)2}( π/tS) −( π/t) {(D/2 )2 −(d/2 )2 }+(dS/2)2 ] =2 ・SQRT[(DSP/2 )2 −{(D/2 )2 −(d/2 )2 }(tS/t)] ここで、t=tS ,DSP=44(mm),d=22(mm)とすると、 DSP =2 ・SQRT{(44/2)2 −{(D/2 )2 −(22/2)2 } =2 ・SQRT{605 −(D/2 )2 } …(8) 次に、インクシート巻取りロール18の巻取り径と、イ
ンクシート供給ロール17の回転軸に設けられているN
値センサ61を所定角度回転させるためのスーパーファ
インモードでのライン数(より具体的には、インクシー
ト搬送用モータ25の駆動ステップ数)との関係につい
て説明する。
【0055】インクシート巻取りロール18の巻取り径
をD(mm)とすると、スーパーファインモードにおけ
る1ライン記録時のインクシート14の移動量は、 2 π(D/2 )・(1.8/360 )・(1/2 )・(1/44.13 )・n …(9) ここで、nは、スーパーファインモードでの1ライン記
録時のインクシート搬送用モータ25の搬送ステップ数
(例えば、2または3)である。
【0056】一方、インクシート供給ロール17のロー
ル径をDS とし、インクシート14をs(mm)搬送し
た時のN値センサの回転角度をα(°)とすると、 2 π(DS/2)・(α/360)・(18/52 )= s …(10) 但し、ここで“18/52”はインクシート供給ロール
17の回転軸の歯数(52)に対するN値センサ61の
歯数(18)の比を示している。(8)(9)(10)
式より、N値センサ61をα°回転させるのに必要なス
ーパーファインモードでのライン数(mライン)は, 2 π(DS/2)・(α/360)・(18/52 )=2 π(D/2 )・(1.8/360 )・(1/ 2 )・(1/44.13 )・n ・m α・DS・(18/52 )=D ・(1.8 )・(1/2 )・(1/44.13 )・n ・m (8)式を代入すると、 α・2 SQRT{605 −( D/2)2 }×(18/52) = 1.8D ×(1/2) ×(1/44.13)nm nm=2 αSQRT{605 −( D/2)2 }×(18/52 )/{1.8 D ×(1/2) ×(1/44. 13) } …(11) ここで、N値センサ61のスリット角度を10°とする
と、 nm≒ 339.5・SQRT{605 −( D/2)2 }/D …(12) インクシート14が全て供給ロール17に巻き取られて
いる新品の状態から使用していて(スーパーファインモ
ードでの1ラインの記録時にインクシート搬送用モータ
25を3ハーフステップ駆動している時)、スーパーフ
ァインモードでの1ライン記録時にインクシート搬送用
モータ25を2ハーフステップ駆動に切り換えるタイミ
ングは、前述したようにN値が“3.86”になった
時、即ち、インクシート巻取りロール18の巻取り径が
31.5mmになった時である。この巻取り径が31.
5mmになったの時の、N値センサ61を10°回転さ
せる時に必要なスーパーファインモードでのライン数m
は、 m =(339.5/3)・ SQRT{ 605−(31.5/2)2 }/31.5=67.87 (ライン) となる。これにより、N値センサ61を10°回転させ
るのに必要なスーパーファインモードでのライン数が6
8ライン以下となった時、次ページ以降の記録動作にお
いて、スーパーファインモードでの1ライン記録時に、
インクシート搬送用モータ25を2ハーフステップ駆動
に切り換えれば良いことになる。
【0057】一旦、スーパーファインモードでの1ライ
ン記録時に、インクシート搬送用モータ25を2ハーフ
ステップ駆動に切り換えた以降は、全てこのインクシー
ト搬送方法で良い。しかし、ここでスーパーファインモ
ードにおける1ライン記録時のインクシート搬送用モー
タ25の駆動が、3ハーフステップであるべき時、2ハ
ーフステップに誤って判定されたと仮定する。インクシ
ート巻取りロール18の巻取り径が31.5mmの時、
スーパーファインモードにおいて1ライン記録時のイン
クシート搬送用モータ25が2ハーフステップでN値セ
ンサ61を10°回転させるのに必要なスーパーファイ
ンモードでのライン数mは、 m =(339.5/2 )・SQRT{605 −(31.5/2)2 }/31.5=101.81 (ライン) となる。
【0058】ここで、スーパーファインモードでの1ラ
イン記録時のインクシート搬送用モータ25の駆動を、
2ハーフステップから3ハーフステップに戻すために、
N値センサ61を10°回転させるのに必要なスーパー
ファインモードでのライン数を“102”ライン以上と
する。そうすると、インクシート巻取りロール18の巻
取り径が約31.5mm位の時に、スーパーファインモ
ードでの1ライン記録時のインクシート搬送用モータ2
5の駆動が2ハーフステップから3ハーフステップに変
わり、記録された画品質がページ毎に変動することがあ
る。
【0059】このため、スーパーファインモードでの1
ライン記録時、インクシート搬送用モータ25の駆動を
2ハーフステップから3ハーフステップに戻すための、
N値センサ61を10°回転させるのに必要なスーパー
ファインモードでのライン数を、1割のマージンを設け
て“112”ライン以上とする。即ち、図5に示すよう
に、ヒステリシス特性を持たせる。
【0060】このときのインクシート14の巻取り径は
(12)式より、 (nmD /339.5)2 =605 −(D/2 )2 ここで、n=2,m=112より、 {(2.112 /339.5 )2 +(1/2 )2 }D2=605 これより、D=29.71mmとなり、前述の31.5
mmと比べて、ヒステリシス特性を持たせていることが
わかる。
【0061】次に、インクシート巻取りロール18を回
転駆動してもインクシート供給ロール17が回転しない
時の一因として考えられる、インクシート14の切断検
出について説明する。
【0062】インクシート14の切断と判断する条件と
しては、(1)インクシート14のたるみ取りの時、イ
ンクシート搬送用モータ25を“1596×8”ハーフ
ステップ回転駆動しても、N値センサ61のステータス
(N値センサ61の出力信号)が変更されない時であ
る。ここで、N値センサ61のスリット角度10°を回
転させるのに必要なインクシート搬送用モータ25搬送
ステップ数は、(12)式より、インクシート巻取りロ
ール18の巻取り径Dが22mmの時(インクシート1
4の使い初め)は、 339.5 × SQRT {605 −(22/2)2 }/22 =339.5 (ハーフステップ) インクシート巻取りローラ18の巻取り径Dが44mm
の時(インクシート14の使い終り時)は、339.5 × S
QRT {605 −(44/2)2 }/44 =84.9(ハーフステッ
プ)となる。
【0063】このように、インクシート搬送用モータ2
5を“1596×8”ハーフステップ回転駆動すると、
最小でも1596×8/339.5=37.6(回)、
N値センサ61のステータスが変更されるはずであるか
ら、このような場合にN値センサ61のステータスが変
更されない場合には、インクシート14が切断している
と判定する。(2)ライン情報の記録時、680ライン
記録してもN値センサ61のステータスが変更されない
時である。
【0064】N値センサ61のステータスの変化の最小
値は、スーパーファインモードで、かつスーパーファイ
ンモードの1ライン記録時にインクシート搬送用モータ
25を2ハーフステップ駆動する時である。この時は、
680ラインの記録に対してインクシート14は680
×2ハーフステップ搬送される。このため最小でも、6
80×2/339.5=4.01回、N値センサ61の
ステータスが変わるはずである(インクシート搬送用モ
ータ25が2ハーフステップで回転駆動されている時
は、インクシート巻取りロール18の巻取り径は22m
mにならない)。N値センサ61が10°回転した時の
スーパーファインモードでのライン数の合理的な値を求
めると、(12)式より、スーパーファインモードでの
1ライン記録時に、インクシート搬送用モータ25が2
ハーフステップ回転駆動される時は、インクシート巻取
りロール18の巻取り径が22mmの時、 m =(339.5 /2)× SQRT {605 −(22/2)2 }/22=169.8 (ライン) インクシート巻取りロール18の巻取り径が44mmの
時、 m =(339.5/2) × SQRT {605 −(44/2)2 }/44= 42.4 (ライン) スーパーファインモードでの1ライン記録時に、インク
シート搬送用モータ25が3ハーフステップ駆動される
時は、インクシート巻取りロール18の巻取り径が22
mmの時、 m =(339.5/3) × SQRT {605 −(22/2)2 }/22=113.2 (ライン) インクシートの巻取りロール18の巻取り径が44mm
の時、 m =(339.5/3) × SQRT {605 −(44/2)2 }/44=28.3(ライン) ここで、合理的な1割のマージンを考えて、28.3×0.9
=25.2(25ライン)から、169.8 ×1.1 =186.8(1
87ライン)までを考える。
【0065】また、インクシート14のたるみ取り終了
後のインクシート14の搬送長を求める。このたるみ取
りの時の、インクシート14搬送時のインクシート搬送
用モータ25の駆動ステップ数は24×8ステップであ
る。このため、(9)式より、インクシート巻取りロー
ル18の巻取り径が22mmの時、 2 π・(22/2)・(1.8 / 360)・(1/2)・(1/44.13) ・24 ・ 8=0.752 (mm) インクシート巻取りロール18の巻取り径が44mmの
時は、 2 π・(44/2)・(1.8/360)・( 1/2 )・( 1/44.13)・ 24 ・ 8=1.504 (mm) である。
【0066】次に、N値自動決定制御時における、N値
センサ61のステータスの変化回数の最小値は、以下の
ようにして求められる。
【0067】N値センサ61のスリット角度10°を回
転させるのに必要なインクシート搬送用モータ25の搬
送ステップ数は、(12)式より、インクシート巻取り
ロール18の巻取り径が22mmの時に最大となる。こ
のとき、339.5 × SQRT {605 −(22/2)2 }/22=33
9.5 (ハーフステップ)このため、インクシート搬送用
モータ25を234×8ステップ回転駆動すると、234
×8 /339.5 =5.51(回)となり、少なくとも5〜6回
N値センサ61のステータスが変わるはずである。
【0068】以上説明した各条件に基づく、インクシー
ト搬送用モータ25の駆動ステップ数の切り換え、イン
クシート14の切断の判定処理等ついて以下に説明す
る。 <動作説明 (図1,図7〜図16)>図7は本実施例
のファクシミリ装置におけるN値制御動作を示すフロー
チャートで、この処理を実行する制御プログラムは制御
部101のROM114に記憶されている。このN値制
御処理は、装置の電源がオンされたとき、或いはインク
シート14が無しの状態から有りの状態に変わることに
より検知された時、または1ページの記録終了時に行わ
れる。
【0069】装置の電源がオフからオンになるとステッ
プS1からステップS2に進み、N値調整フラグ(NV
AL)に“1”をセットし、ステップS3ではカートリ
ッジが交換されたことを示すカートリッジフラグ(CA
RT)に“1”をセットする。このフラグNVALは、
スーパーファインモードで1ラインを記録する時、イン
クシート搬送用モータ25を3ハーフステップ搬送する
時は“0”にセットされ、2ハーフステップ駆動される
時には“1”にセットされる。このように、電源の投入
時には、1ライン記録時にインクシート搬送用モータ2
5を2ハーフステップ駆動し、インクシートカートリッ
ジが交換されたこととして処理が開始される。
【0070】ステップS4ではカートリッジフラグ(C
ART)が“1”かどうか、即ちインクシート14が交
換されたかどうかが判断される。フラグCARTが
“1”であるとステップS6に進み、N値調整処理を実
行する。尚、このN値調整処理については図16及び図
17のフローチャートを参照して詳しく後述する。
【0071】ステップS4でカートリッジフラグ(CA
RT)がオフ(0)の時はステップS7に進み、インク
シートセンサ20よりの信号を基にインクシート14が
無いかどうかをみる。インクシート14がある時はステ
ップS8に進み、記録動作の開始が指示されているかど
うかを調べ、記録動作を行う時はステップS9に進み、
1ページの記録を行う。この記録処理は、コピーでも良
く、或いはファクシミリ信号の受信による記録処理であ
っても良く、この記録処理については図9乃至図12の
フローチャートを参照して詳しく後述する。
【0072】一方、ステップS7でインクシートが無い
時はステップS10に進み、インクシート14が新たに
装填されてインクシート無しの状態から有りの状態に変
化したかを調べる。依然としてインクシート無しの状態
であればステップS13に進み、インクシート14の点
検を指示する旨を表示部104に表示してステップS4
に戻る。ステップS10で交換検出部38によりインク
シートカートリッジが交換されたことが検出されるか、
或いはインクシート14がインクシートセンサ20によ
り検知されるとステップS11に進み、フラグNVAL
に“1”をセットし、ステップS12でカートリッジ交
換フラグ(CART)を“1”にセットしてステップS
4に進む。
【0073】図8〜図12は本実施例のファクシミリ装
置におけるステップS9での記録動作を示すフローチャ
ートである。
【0074】まずステップS21で、N値制御のため、
ページ毎のイニシャライズ処理を行い、ステップS22
でインクシート14のたるみ取りを行う。これらイニシ
ャライズ処理及びたるみ取り処理については、それぞれ
図9と、図10及び図11のフローチャートを参照して
詳しく後述する。ステップS23ではステップS22の
インクシート14のたるみ取り処理が成功したかどうか
を調べ、成功した時はステップS24の1ラインの記録
処理に進むが、失敗した時、即ちインクシート14の切
断を検出した時はステップS30に進み、インクシート
14の点検指示を表示部104に表示する。このステッ
プS24の記録処理は図12のフローチャートを参照し
て詳しく後述する。
【0075】ステップS25では、1ライン記録後のN
値の制御(図13及び図14のフローチャート参照)が
終了したかどうかを調べ、ステップS26でインクシー
ト14の切断と判断されるとステップS30に進み、イ
ンクシート14の点検を指示する。ステップS27では
1ページの記録処理が終了したかを調べ、終了していな
い時はステップS24に戻り次のラインの記録を行う
が、1ページの記録を終了するとステップS28に進
み、1ページ記録終了後のN値制御(図15のフローチ
ャート参照)を実行する。この処理でもインクシート1
4の異常が検出されるとステップS30に進み、インク
シート14の点検を指示するが、異常でない時はそのま
まメイン処理に戻る。
【0076】次に図9のフローチャートを参照して、ス
テップS21における1ページの記録処理に先立って行
われる初期化処理を説明する。
【0077】まずステップS41ではN値センサ61の
スリットをフォトインタラプタ62により検出した検出
信号(スリット信号)がオンからオフ、或いはオフから
オンになる回数を計数するN値センサカウンタ(NCN
T)を“0”にし、ステップS42では同じくN値セン
サ61のスリット信号のオンからオフ、或いはオフから
オンになる回数を測定した内の有効回数を計数するN値
有効カウンタ(NACNT)を“0”にする。ステップ
S43では、スリット信号を有効に測定する間に記録さ
れるライン数の合計を計数するラインカウンタ(NLS
UM)を“0”に、続いてステップS44ではN値セン
サ61のスリット信号がオンからオフ、或いはオフから
オンになる間に記録されるライン数を計数するスリット
間ライン数(SLLCT)を“0”にする。そして、最
後にステップS45で、現在のN値センサ61のスリッ
ト信号の状態(0或いは1)をN値ステータス(NST
S)にセットする。
【0078】図10はインクシート14のたるみを取る
処理を示すフローチャートで、これはインクシート14
のたるみ取り終了後、次のページの記録動作時における
記録紙11の所定量の搬送に対応したインクシート14
の巻取り量を決定するためのインクシート14のたるみ
取り処理を示している。
【0079】ステップS51ではインクシート14の有
無をチェックし、インクシート14がない時はステップ
S65に進み、フラグCFを“0”にセットしてリター
ンする。ステップS52〜ステップS58では、インク
シート搬送用モータ25を1200ppsで8ハーフス
テップ駆動(ステップS55)して、現在のN値センサ
61の状態と(NSTS)に記憶されている状態とが異
なるかどうかを調べ、一致する時はステップS59に進
む。尚、ステップS57,S58の処理は毎回、N値ス
テータス(NSTS)の値と現在読み込んだN値センサ
61の値が異なる状態が連続して10回発生した場合の
(実際にはありえないが)処理を示している。ステップ
S56でN値センサ61のスリット信号が変化しない
時、即ち、前回の(NSTS)の値と今回読み込んだN
値センサ61の状態とが一致する時はステップS59に
進み、インクシート14のたるみ取りの時にインクシー
ト搬送用モータ25を回転駆動してもインクシート14
が搬送されない(N値センサ61の値が同じ)時、イン
クシート14が切断していると判断するためのインクシ
ート搬送用モータ25の最大駆動ステップ数を、カウン
タCXにセットする。この値は例えばディップスイッチ
等でセットされる値で、例えばここでは“1596”と
している。
【0080】そして、ステップS61でインクシート搬
送用モータ25が8ハーフステップ回転駆動され、ステ
ップS62でNSTSの値と、現在のN値センサ61の
状態とが一致するかどうかが調べられ、一致しない時は
ステップS63,S63でカウンタCXの値が“0”に
なるまで繰り返し行われる。こうしてカウンタCXの値
が“0”になるとステップS65に進み、インクシート
14が切断しているとして処理を終了する。
【0081】ステップS62でN値センサ61の出力状
態が変化すると、巻取りロール18の回転によりインク
シート供給ロール17が回転したことを示しているため
ステップS66に進み、また予め設定されているインク
シート搬送用モータ25の駆動ステップ数(例えば、こ
こでは“24”としている)をカウンタCXにセット
し、ステップS67〜S70で、(その設定されたステ
ップ数)×(8ハーフステップ)だけインクシート搬送
用モータ25を回転させ、ステップS71でフラグCF
を“1”にセットして元の処理に戻る。このようにし
て、インクシート14のたるみが完全に取られる。尚、
ステップS66でセットされるステップ数は、例えばデ
ィップスイッチ等で設定されても良い。
【0082】図12は図8のステップ24の1ラインの
記録処理を示すフローチャートである。
【0083】まずステップS81で1ライン分の記録デ
ータをサーマルヘッド13に転送し、ステップS82〜
S84で現在の記録モードがスーパーファインモード
か、ファインモードか、或いは標準モードかをみる。ス
ーパーファインモードのときはステップS83でk=1
とし、ファインモードの時はステップS85でk=2,
標準モードの時はステップS86でk=4とする。次に
ステップS87でN値調整フラグ(NVAL)が“1”
かどうかを調べ、“1”であればステップS88に進
み、記録紙搬送用モータ24を1ハーフステップ駆動
し、ステップS89でインクシート搬送用モータ25を
2ハーフステップ駆動する。これに対し、N値調整フラ
グ(NVAL)が“0”の時はステップS90,S91
に進み、記録紙搬送用モータ24を1ハーフステップ、
インクシート搬送用モータ25を3ハーフステップ回転
駆動する。
【0084】次にステップS92でサーマルヘッド13
の発熱抵抗体132の1ブロックに通電して、ステップ
S93でサーマルヘッド13の全ブロック(4ブロッ
ク)への通電が終了するとステップS94に進み、kの
値を−1して、kの値が“0”でない時はステップS8
7に戻り、前述した処理を実行する。これにより、ファ
インモードの時は2ライン連続して同じラインデータが
記録され、標準モードの時は4ライン連続して同じデー
タが記録されて、スーパーファインモードでの1ライン
データが記録されることになる。
【0085】図13は、図8のステップS25の1ライ
ン記録後のN値制御を示すフローチャートである。
【0086】ステップS101で標準モードかどうかを
調べ、標準モードであればステップS102に進み、N
値センサ61の出力値がオンからオフ、或いはオフから
オンになるまでのライン数を計数する2バイトのカウン
タ(SLLCT)に4を加える。又、ステップS103
でファインモードであればステップS104で、このカ
ウンタに2を加え、スーパーファインモードであればス
テップS105で、このカウンタに+1してステップS
106に進む。ステップS106では、このカウンタ
(SLLCT)の値が、スーパーファインモード時にお
いてインクシート14の切断と判断する最大ライン数
(ここでは、680ライン)より大きいかどうかが判断
され、大きい時はステップS107に進み、インクシー
ト14の切断を示すフラグCFを“0”にする。また、
ステップS106でカウンタSLLCTの値が“68
0”より小さければステップS108に進み、N値セン
サ61のステータスを入力し、ステップS109でこの
ステータスがNTSTに記憶されているステータスと一
致するかどうかをみる。N値センサ61のステータスが
変化しない時はステップS110に進み、フラグCFを
“1”にセットして元のルーチンに戻る。
【0087】ステップS109でNSTSに記憶されて
いるステータスと一致しない時、即ち、N値センサ61
が回転してスリット信号の状態が変わった時はステップ
S111に進み、N値センサ61のスリットのオンから
オフ、或いはオフからオンになる測定回数を計数するカ
ウンタ(NCNT)を+1する。次にステップS112
に進み、前述のカウンタ(SLLCT)の値が有効範囲
内にあるかどうかをみる。この有効範囲は、例えば24
以上で188未満かどうかにより判定される。有効範囲
内にある時はステップS113に進み、有効データであ
るため、N値センサ61のスリット信号のオンからオ
フ、或いはオフからオンになる回数のうち有効回数を計
数するカウンタ(NACNT)を+1する。
【0088】次にステップS114に進み、有効測定時
のライン数の合計を計数するカウンタ(NLSUM)
に、前述のカウンタ(SLLCT)の値を加算する。次
にステップS115でN値センサ61の現在のステータ
スをNSTSにセットし、ステップS116でカウンタ
(SLLCT)の値を“0”にクリアする。そして、ス
テップS117でフラグCFを“1”にセットして、記
録動作を続行する。
【0089】図15は図8のステップS28に記載され
た1ページ記録終了後のN値制御を示すフローチャート
である。
【0090】まずステップS121でN値センサ61の
スリット信号がオンからオフ、或いはオフからオンにな
る測定回数を記憶しているカウンタ(NCNT)の値に
3/4を掛ける。これは最大25%のマージンを考慮し
ているものである。ステップS122でこのカウンタN
CNTの値が“0”かどうかをみる。“0”であればス
テップS132に進み、フラグCFを“1”にセットし
て元の処理に戻る。
【0091】ステップS122でカウンタNCNTの値
が“0”でない時はステップS123に進み、N値セン
サ61のスリット信号がオンからオフ、或いはオフから
オンになった時の回数を計数しているカウンタNCNT
と、その回数の内有効な回数を計数しているカウンタN
ACNTの値とを比較する。NACNTの値の方が小さ
い時、またステップS124でNACNTの値が“0”
の時は異常であるためステップS125に進み、フラグ
CF=0にして元の処理に戻る。
【0092】一方、NACNTの値が“0”でなく、N
CNTの値以上の時(正常の時)はステップS126に
進み、前述のステップS114で有効測定時におけるラ
イン数の合計値が記憶されているNLSUMの値を、こ
のカウンタ(NACNT)の値で割ることにより、N値
センサ61のスリット信号がオンからオフ、或いはオフ
からオンに変わる時の平均ライン数を求める。
【0093】ステップS127ではNVALの値が
“0”かどうか、即ち、1ラインの記録時にインクシー
ト14が3ハーフステップ搬送されるかを調べ、そうで
あればステップS129に進み、この平均ライン数が所
定数(ここでは69)より小さいかどうかをみる。小さ
い時はステップS131でNVALの値を“1”にセッ
トし、ステップS132でフラグCFの値を“1”にセ
ットする。
【0094】またステップS127でNVALの値が
“0”でない時、即ち、記録時に記録紙11の1ハーフ
ステップの搬送に対しインクシート14が2ハーフステ
ップ搬送されるモードの時はステップS128に進み、
平均ライン数が“112”以上かを調べ、そうであれば
ステップS130でNVALを“0”にセットする。こ
れにより、N値センサ61よりのスリット信号が変化す
る間に記録されるライン数が所定数以上になると、3ハ
ーフステップ駆動に変更してインクシートの送り量を増
やし、記録されるライン数が所定数以下の時はインクシ
ート14の送り量を2ハーフステップ駆動にすることに
より、インクシート巻取りロール18の径の変動に応じ
て、インクシート搬送用モータ25の駆動ステップ数を
変更している。そして、ステップS132でフラグCF
を“1”にセットして、元の処理に戻る。
【0095】図16及び図17は図7のステップS6の
N値調整処理を示すフローチャートである。
【0096】ステップS141でインクシートカートリ
ッジが交換されたか、またステップS142では記録動
作が可能かどうかを調べ、カートリッジが交換されてい
ない時、或いは記録動作が可能でない時は元の処理に戻
る。ステップS143では表示部104に「しばらくお
待ちください」と表示し、ステップS144でカートリ
ッジの交換フラグをオフにする。ステップS145では
図8のステップS22と同様にインクシート14のたる
み取りを行い、ステップS145でエラーが発生すると
ステップS147に進み、「インクシートを点検して下
さい」と表示する。
【0097】インクシート14のたるみ取りが終了する
とステップS148に進み、図8のステップS21と同
様にして初期化処理を行う。次にステップS149に進
み、カウンタCXに“234”をセットし、ステップS
150で標準モードをセットする。次にステップS15
1に進み、インクシート搬送用モータ25がビジーかど
うかを調べ、ビジーでなければステップS152でイン
クシート搬送用モータ25を1200ppsで8ハーフ
ステップ回転駆動して、インクシート14を搬送する。
この様に標準モードで、インクシート搬送用モータ25
を8ハーフステップ回転駆動すると、スーパーファイン
モードで1ラインを記録する時インクシート搬送用モー
タ25を2ハーフステップ回転駆動して記録するモード
であれば、この8ハーフステップの搬送駆動は、標準モ
ードでの1ラインの記録に相当している。
【0098】従って、次にステップS153に進み、図
8のステップS25と同様にして1ライン記録後のN値
制御を行い、インクシートエラーが発生するとステップ
S147に進む。この処理をカウンタCXにセットされ
た回数“234”回だけ繰り返す。こうして234ライ
ンに相当するインクシート14の搬送処理を行うとステ
ップS157に進み、1ページ記録後のN値制御を行っ
て、NVALの値の設定、即ち、スーパーファインモー
ドでの1ラインの記録時、インクシート搬送用モータ2
5を2ハーフステップ駆動するか、3ハーフステップ駆
動するかの決定を行う。こうしてステップS158でイ
ンクシート14の搬送エラーが発生しない時はステップ
S159に進み、表示部104に現在の年月日を表示し
て処理を終了する。 <記録原理の説明 (図18)>図18はこの実施例に
おける記録紙11とインクシート14の搬送方向を逆に
して画像の記録を行うときの画像記録状態を示す図であ
る。
【0099】図示したように、プラテンローラ12とサ
ーマルヘッド13との間には記録紙11とインクシート
14が挾持されており、サーマルヘッド13はスプリン
グ21により所定圧でプラテンローラ12に押圧されて
いる。ここで、記録紙11はプラテンローラ12の回転
により矢印b方向に速度VP で搬送される。一方、イン
クシート14はインクシート搬送用モータ25の回転に
より矢印a方向に速度VI で搬送される。
【0100】いま、サーマルヘッド13の発熱抵抗体1
32に電源105から通電されて加熱されると、インク
シート14の斜線部81で示す部分が加熱される。ここ
で、14aはインクシート14のベースフィルム、14
bはインクシート14のインク層を示している。発熱抵
抗体132に通電することにより加熱されたインク層8
1のインクは溶融し、そのうち82で示す部分が記録紙
11に転写される。この転写されるインク層部分82は
81で示すインク層のほぼ1/n(n>1)に相当して
いる。
【0101】この転写時において、インク層14bの境
界線83でインクに対する剪断力を生じさせて、82で
示す部分だけを記録紙11に転写させる必要がある。し
かしながらこの剪断力はインク層の温度により異なり、
インク層の温度が高いほど剪断力が小さくなる傾向にあ
る。そこで、インクシート14の加熱時間を短くすると
インク層内での剪断力が大きくなることから、インクシ
ート14と記録紙11との相対速度を大きくすれば、転
写すべきインク層をインクシート14から確実に剥離さ
せることができる。
【0102】この実施例によれば、ファクシミリ装置に
おけるサーマルヘッド13の加熱時間は約0.6msと
短いため、インクシート14と記録紙11との搬送方向
を対向させることにより、インクシート14と記録紙1
1との相対速度を上げるようにしている。 [インクシートの説明 (図19)]図19は本実施例
のマルチプリントに使用されるインクシートの断面図
で、ここでは4層で構成されている。
【0103】まず第2層はインクシート14の支持体と
なるベースフィルムである。マルチプリントの場合、同
一個所に何回も熱エネルギーが印加されるため、耐熱性
の高い芳香族ポリアミドフィルムやコンデンサ紙が有利
であるが、従来のポリエステルフィルムでも使用に耐え
得る。これらの厚さは、媒体という役割から、なるべく
薄い方が印字品質の点で有利となるが、強度の点からは
3〜8μmが望ましい。
【0104】第3層は記録紙(記録シート)にn回分の
転写が可能な量のインクを含有したインク層である。こ
の成分は、接着剤としてのEVAなどの樹脂、着色のた
めのカーボンブラックやニグロシン染料、バインディン
グ材としてのカルナバワックス、パラフィンワックスな
どを主成分として同一個所でn回の使用に耐え得るよう
に配合されている。この塗布量は4〜8g/m2 が望ま
しいが、塗布量によって感度や濃度が異なり、任意に選
択できる。
【0105】第4層は記録をしない部分で記録紙に第3
層のインクが圧力転写されるのを防止するためのトップ
コーティング層であり、透明なワックスなどで構成され
る。これにより、圧力転写されるのは透明な第4層だけ
となり、記録紙の地汚れを防止できる。第1層はサーマ
ルヘッド13の熱から、第2層のベースフィルムを保護
する耐熱コート層である。これは、同一個所にnライン
分の熱エネルギーが印加される可能性のある(黒情報が
連続したとき)マルチプリントには好適であるが、用い
るか用いないかは適宜選択できる。また、ポリエステル
フィルムのように比較的耐熱性の低いベースフィルムに
は有効となる。
【0106】なお、インクシート14の構成はこの実施
例に限定されるものでなく、例えばベース層及びベース
層の片側に設けられたインクが含有された多孔性インク
保持層とからなるものでも良く、ベースフィルム上に微
細多孔質網状構造を有する耐熱性インク層を設け、その
インク層内にインクを含有させたものでもよい。また、
ベースフィルムの材質としては、例えばポリアミド、ポ
リエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、トリアセ
チルセルロース、ナイロンなどからなるフィルムまたは
紙であってもよい。さらに、耐熱コート層は必ずしも必
要でないが、その材質としては、例えばシリコーン樹脂
やエポキシ樹脂、フツソ樹脂、エトロセルロースなどで
あってもよい。
【0107】また、熱昇華性インクを有するインクシー
トの一例としては、ポリエチレンテレフタート、ポリエ
チレンナフタレート、芳香族ポリアミドフィルム等で形
成された基材上に、グアナミン系樹脂とフッソ系樹脂で
形成したスペーサ粒子及び染料を含有する色材層を設け
たインクシートが挙げられる。
【0108】なお、熱転写プリンタにおける加熱方式
は、前述したサーマルヘッドを用いるサーマルヘッド方
式に限定されるものでなく、例えば通電方式あるいはレ
ーザ転写方式を用いても良い。
【0109】また、記録媒体としては記録紙に限らず
に、インク転写が可能な材質であれば、例えば布、プラ
スチックシートなどが挙げられる。また、インクシート
は実施例で示したロール構成に限定されずに、例えば記
録装置本体に着脱可能な筺体内にインクシートを内蔵し
て、この筺体ごと記録装置本体に着脱する、所謂インク
シートカセットタイプなどであっても良い。
【0110】また更に、インクシート14の無状態から
有り状態を検知した時、次のページの記録動作時におけ
る記録媒体の所定量の搬送に対応するインクシート14
の巻取り量を決定し、サーマルヘッド13により記録す
るとしたが、インクシートカートリッジが無の状態から
有りの状態を検知した時に、この動作を行っても良い。
又、スーパーファインモードにおいて1ラインを記録す
る時、インクシート搬送用モータ25を2ハーフステッ
プ、或いは3ハーフステップ回転駆動するようにした
が、このインクシート搬送用モータ25の駆動ステップ
数は、より多くの段階に切り換えることが可能である。
【0111】また、この実施例では、サーマルラインヘ
ッドを使用したときの例で説明したがこれに限定される
ものでなく、所謂シリアル型の熱転写プリンタであって
もよい。また、本実施例ではマルチプリントの場合で説
明したがこれに限定されるものでなく、ワンタイムイン
クシートによる通常の熱転写記録の場合にも適用できる
ことは勿論である。
【0112】更に、前述した実施例では、熱転写プリン
タをファクシミリ装置に適用した場合で説明したが、こ
れに限定されるものでなく、例えば本発明の熱転写記録
装置はワードプロセツサ、タイプライタ或は複写装置な
どにも適用できる。
【0113】以上説明したようにこの実施例によれば、
インクシートの巻取りをインクシート巻取りロール18
の回転軸を回転させて行い、このインクシートの巻取り
ロール18の径の増大に対応して、その回転量を制御す
ることにより、記録紙11の所定搬送量に対するインク
シート14の搬送量をほぼ一定に制御することができ
る。これにより、キャプスタンローラやピンチローラに
よるインクシート14の搬送制御が不要になるため、プ
リンタの機構部の構成が簡単になるという効果がある。
【0114】また、この実施例によれば、インクシート
が途中で交換されても、記録紙の所定搬送量に対するイ
ンクシートの搬送量をほぼ一定に保つことができる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
ンクシートの巻取り或は供給ロールの回転を制御するこ
とにより、インクシートの搬送量をほぼ一定に制御する
ことができるとともに、その回転駆動量の制御に誤りが
あった場合であっても、元の回転駆動量に戻すことがで
きるとともに、その回転駆動量の制御にヒステリシス特
性を持たせることにより、計数された搬送量が回転量を
変化させるか否かの基準となる値の近傍での回転駆動量
の変化を抑えて記録画像への影響を抑えることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の熱転写記録装置における制御部と記録
部の電気的な接続を示すブロック図である。
【図2】実施例の記録紙とインクシートの搬送機構を示
す図である。
【図3】実施例のファクシミリ装置の機構部を示す側断
面図である。
【図4】実施例のファクシミリ装置の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図5】本実施例のファクシミリ装置におけるインクシ
ートの巻取り径に対するN値の変化を示す図である。
【図6】本実施例のファクシミリ装置におけるN値セン
サを示す図である。
【図7】本実施例のファクシミリ装置における動作を示
すフローチャートである。
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】本実施例のファクシミリ装置における記録動
作を示すフローチャートである。
【図13】
【図14】本実施例のファクシミリ装置における1ライ
ン記録後のN値制御動作を示すフローチャートである。
【図15】本実施例のファクシミリ装置における1ペー
ジ記録後のN値制御動作を示すフローチャートである。
【図16】
【図17】本実施例のファクシミリ装置におけるN値自
動制御動作を示すフローチャートである。
【図18】本実施例の記録時における、マルチプリント
の原理を示した図である。
【図19】本実施例で使用したマルチインクシートの断
面形状を示す図である。
【符号の説明】
10 ロール状記録紙 10b ロール紙装填部 11 記録紙 12 プラテンローラ 13 サーマルヘッド 14 インクシート 17 インクシート供給ロール 18 インクシート巻取ロール 19 シートセンサ 20 インクシトセンサ 24 記録紙搬送用モータ 25 インクシート搬送用モータ 61 N値センサ 62 フォトインタラプタ 100 読取部 101 制御部 102 記録部 103 操作部 104 表示部 110 ラインメモリ 111 符号化/復号化部 113 CPU 114 ROM 115 RAM 116 タイマ 132 発熱抵抗体(発熱素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 17/24 B41J 2/325 B41J 17/36 B41J 33/36 B41J 33/54

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクシートの有するインクを記録媒体
    に転写して画像の記録を行う熱転写記録装置であって、 給紙ロールと巻取りロールとの間に張架されたインクシ
    ートを、前記巻取りロールを回転駆動して搬送するイン
    クシート搬送手段と、 前記供給ロールの回転量を検出する回転量検出手段と、 前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、 前記インクシートに作用して前記記録媒体に画像の記録
    を行う記録手段と、 前記回転量検出手段により検出された前記供給ロールの
    所定回転量毎に、前記インクシート搬送手段により搬送
    されるインクシートの搬送量を計数する計数手段と、 前記計数手段により計数された前記搬送量に対応して前
    記インクシート搬送手段による前記巻取りロールの回転
    駆動量を可逆的に変更することが可能であるとともに、
    前記回転駆動量の変更をヒステリシス特性を持たせて行
    う制御手段と、を有することを特徴とする熱転写記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記巻取りロールの回
    転駆動量の変更をページ毎に行うようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の熱転写記録装置。
  3. 【請求項3】 前記インクシート搬送手段により前記巻
    取りロールを所定量回転駆動しても前記回転量検出手段
    により前記供給ロールの回転量が検出されないときは、
    前記インクシートの切断と判定するようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載の熱転写記録装置。
  4. 【請求項4】 インクシートの有するインクを記録媒体
    に転写して画像の記録を行う熱転写記録装置を用いたフ
    ァクシミリ装置であって、 原稿画像を入力する画像入力手段と、 ファクシミリ信号を送受信する送受信手段と、 前記画像入力手段或は前記送受信手段よりの画像信号を
    入力して記録データを作成する記録データ作成手段と、 給紙ロールと巻取りロールとの間に張架されたインクシ
    ートを、前記巻取りロールを回転駆動して搬送するイン
    クシート搬送手段と、 前記供給ロールの回転量を検出する回転量検出手段と、 前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、 前記インクシートに作用して前記記録媒体に画像の記録
    を行う記録手段と、 前記回転量検出手段により検出された前記供給ロールの
    所定回転量毎に、前記インクシート搬送手段により搬送
    されるインクシートの搬送量を計数する計数手段と、 前記計数手段により計数された前記搬送量に対応して前
    記インクシート搬送手段による前記巻取りロールの回転
    駆動量を可逆的に変更することが可能であるとともに、
    前記回転駆動量の変更をヒステリシス特性を持たせて行
    う制御手段と、を有することを特徴とするファクシミリ
    装置。
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