JP2910508B2 - 鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板 - Google Patents

鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板

Info

Publication number
JP2910508B2
JP2910508B2 JP5147100A JP14710093A JP2910508B2 JP 2910508 B2 JP2910508 B2 JP 2910508B2 JP 5147100 A JP5147100 A JP 5147100A JP 14710093 A JP14710093 A JP 14710093A JP 2910508 B2 JP2910508 B2 JP 2910508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride
containing layer
steel sheet
internal oxide
iron loss
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5147100A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06330260A (ja
Inventor
善彦 尾田
邦和 冨田
俊治 飯塚
智良 大北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Ltd
Priority to JP5147100A priority Critical patent/JP2910508B2/ja
Publication of JPH06330260A publication Critical patent/JPH06330260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2910508B2 publication Critical patent/JP2910508B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/14766Fe-Si based alloys
    • H01F1/14775Fe-Si based alloys in the form of sheets
    • H01F1/14783Fe-Si based alloys in the form of sheets with insulating coating

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、周波数200Hz以
上、5kHz以下で使用される鉄損特性に優れた高周波
用無方向性電磁鋼板に関する。
【従来の技術】無方向性電磁鋼板は電動機のローターや
ステーターの材料として用いられている。近年、電動機
の小型化、高効率化に伴い電動機を高周波域で使用する
ことが多くなっているが、高周波域で電動機を使用する
と渦電流損の増大に伴う全鉄損の増大が問題となり、こ
のため渦電流損の低減が大きな課題となる。渦電流損の
低減には、Si+Al量を多くして鋼板の固有抵抗を高
めたり、鋼板の板厚を薄くすることが有効である。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】固有抵抗を高めた鋼板
としては、例えば特開平2−267246号に6.5%
Si鋼板が開示されているが、Si量が多くなると材料
が脆くなるため冷間加工性が低下し、加えて、飽和磁束
密度の低下に伴い高磁場での磁束密度(一般にB50で代
表される)も低下するという問題がある。また、板厚を
極端に薄くした鋼板としては所謂超急冷凝固法により製
造される薄鋼帯が知られているが、この薄鋼帯は高周波
域における鉄損は非常に低くなるものの、表面性状が悪
く、また、所定の磁束密度を得るために積層枚数が多く
なるため作業能率が低下する等の問題がある。また、幅
広のものは形状が極端に悪くなるため、板幅も20〜3
0cm程度が限界となる。
【0003】以上のような固有抵抗、板厚以外に高周波
鉄損に影響を及ぼす因子としては、鋼板の結晶粒径があ
る。一般に、高周波用途における最適粒径は商用周波数
の場合よりも小さいと言われており、例えば、特開平3
−223445号には周波数400Hz以上での低鉄損
を狙いとする、結晶粒径が5〜60μmの高周波用無方
向性電磁鋼板が開示されている。しかしながら、本発明
者らによる実験によれば、この無方向性電磁鋼板でも高
周波域での十分な低鉄損化は達成されない。また、この
無方向性電磁鋼板は本発明のような板厚方向での窒化
物、内部酸化物の分布の適正化を行っておらず、本発明
者らが鋼板板厚方向での窒化物、内部酸化物の分布を最
適化して同様の実験を行ったところ、700Hzでの最
適結晶粒径は70μm程度となり、上記提案よりも最適
粒径が粗粒側となることが判明した。また、この場合の
高周波鉄損は上記提案の鋼板よりもさらに低減すること
も判った。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述したように、従来の
高級電磁鋼板は板厚を薄くし或いは鋼板全体の固有抵抗
を高めることで高周波磁化領域での低鉄損化を図ってお
り、これらはいずれも鋼板中の渦電流を流れにくくする
ことを狙いとしている。一方、高周波磁化においては表
皮効果のために渦電流密度の分布は鋼板板厚方向で均一
ではなく、渦電流密度は鋼板表層部で高く、鋼板内部で
は急激に減少する。このため鋼板の固有抵抗を板表層部
で高くすれば、従来のように板厚を薄くしたり鋼板全体
の固有抵抗を高めたりすることなく、渦電流を効果的に
低減させることができる。本発明者はこの点に着目し、
高周波磁化領域での低鉄損化を可能とする手段について
検討を行い、その結果、鋼板板厚方向での内部酸化物、
窒化物の生成状態を適切に制御することにより鋼板板厚
方向の固有抵抗を最適化できること、さらに、このよう
に鋼板板厚方向の内部酸化物、窒化物の生成状態を適正
化した場合、高周波磁化領域での低鉄損化に最適な結晶
粒径範囲が粗粒側に存在することを見出した。したがっ
て、鋼板板厚方向での内部酸化物、窒化物の生成状態と
結晶粒径を適切に制御することにより、高磁場での磁束
密度を低下させることなく、高周波鉄損を低減させるこ
とが可能となる。本発明はこのような知見に基づきなさ
れたもので、その特徴とする構成は以下の通りである。
【0005】(1) SiとAlの合計量が1.7〜
4.5wt%、C:0.005wt%以下、Mn:0.
1〜1wt%、S:0.015wt%以下、P:0.2
wt%以下、下記により定義される窒化物含有層または
内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以
外のN:0.005wt%以下、窒化物含有層または内
部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以外
のO:0.005wt%以下を含有し、残部Feおよび
不可避的不純物からなる鋼板であって、鋼板表層部にお
いて粒径0.1μm以上の窒化物または/および内部酸
化物が鋼板板面内での面積率で0.01%以上存在する
領域を窒化物含有層または内部酸化物含有層若しくは窒
化物−内部酸化物含有層と定義した時、窒化物含有層ま
たは内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有
層が鋼板表層から下式を満足する深さx(mm)まで形
成され、 0.05t≦x≦0.15t 但し t:鋼板板厚(mm) 窒化物含有層または内部酸化物含有層若しくは窒化物−
内部酸化物含有層における窒化物または/および内部酸
化物の平均粒径が3μm以下であり、窒化物含有層また
は内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層
における粒径0.1μm以上の窒化物または/および内
部酸化物の板厚断面内での面積率Rが0.05〜0.2
0%であり、窒化物含有層または内部酸化物含有層若し
くは窒化物−内部酸化物含有層以外の領域において存在
する粒径0.1μm以上の窒化物および内部酸化物の板
厚断面内での面積率が0.01%未満であり、鋼板の平
均結晶粒径D(μm)が下式を満足する、周波数200
Hz以上、5kHz以下で使用される鉄損特性に優れた
高周波用無方向性電磁鋼板。
【数2】
【0006】(2) 上記(1)の無方向性電磁鋼板に
おいて、板厚が0.1〜0.2mmである、周波数20
0Hz以上、5kHz以下で使用される鉄損特性に優れ
た高周波用無方向性電磁鋼板。
【0007】
【作用】以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説
明する。まず、鋼板の成分組成について説明する。Si
とAlは鋼板の固有抵抗を高めるのに有効な元素であ
り、これら元素の固有抵抗に対する寄与の程度はほぼ同
じである。このためSiとAlに関しては、Si+Al
量でその添加量を限定する。Si+Al量が1.7wt
%未満では鋼板の固有抵抗が小さいため鉄損が増大す
る。一方、Si+Al量が4.5wt%を超えると鋼板
が脆くなるため冷間圧延が困難となり、また、磁束密度
も低下する。このためSi+Al量は、1.7〜4.5
wt%とする。
【0008】Cは、磁気時効の問題を生じるため極力低
減させることが望ましく、このため0.005wt%以
下とする。Mnは、熱間圧延時の赤熱脆性を防止するた
めに0.1wt%以上必要であるが、1%を超えて添加
すると磁気特性を劣化させるため、0.1〜1wt%と
する。Sは、磁気特性を劣化させるMnS等を形成する
ため、0.015wt%以下とする。Pは、鋼板の打抜
き性を改善するために有効な元素であるが、0.2wt
%を超えて添加すると磁束密度の低下を招くため、0.
2wt%以下とする。
【0009】Nは、鋼板表層部でAlN等の窒化物を生
成するという観点からは本発明において有用な元素であ
るが、鋼板表層部以外で窒化物を生成すると磁気特性を
劣化させるので、鋼板表層部の窒化物含有層または内部
酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以外の
Nは、0.005wt%以下に限定する。Oも、鋼板表
層部で内部酸化物を生成するという観点からは本発明に
おいて有用な元素であるが、鋼板表層部以外で内部酸化
物を生成すると磁気特性を劣化させるので、鋼板表層部
の窒化物含有層または内部酸化物層若しくは窒化物−内
部酸化物含有層以外のOは、0.005wt%以下に限
定する。なお、本発明では上記の成分組成に加えて、磁
気特性向上を目的としてSb,Sn,B,Cu,Zr等
の1種以上を適量添加することは何ら差し支えない。
【0010】本発明では、上述した鋼板の成分組成の下
で、鋼板板厚方向での内部酸化物、窒化物の生成状態と
鋼板の平均結晶粒径を特定の範囲に限定するものであ
り、以下これらの限定理由について説明する。ここで、
以下に述べる試験ではSEMにより鋼板の断面内および
板面内の内部酸化物、窒化物を観察し、内部酸化物、窒
化物の粒径については、SEM像から得られた内部酸化
物、窒化物の円相当直径をもってそれらの粒径とし、ま
た、この粒径の平均値をもって平均粒径dとした。な
お、粒径が0.1μm未満の内部酸化物、窒化物は同定
不能であったため、内部酸化物、窒化物は0.1μm以
上のものについて測定の対象とした。したがって、以下
の説明において単に窒化物、内部酸化物という場合は、
いずれも粒径0.1μm以上のものを指すものとする。
また、内部酸化物含有層、窒化物含有層、窒化物−内部
酸化物含有層における内部酸化物、窒化物の板厚断面内
での面積率Rは、鋼板断面をSEM倍率:10,000
倍で観察して各層中の内部酸化物、窒化物の総面積を求
め、これを全視野面積で割ることにより求めた。また、
内部酸化物、窒化物の鋼板板面内での面積率は、鋼板を
所定の厚さまで減厚した後、SEM倍率:10,000
倍で鋼板板面をランダムに10視野観察して内部酸化
物、窒化物の総面積を求め、これを全視野面積で割るこ
とにより求めた。
【0011】本発明者らは内部酸化物、窒化物が鉄損お
よび磁束密度に及ぼす影響を調べるため、以下のような
実験を行った。3%Si−0.5%Al鋼の0.2mm
材であって、平均粒径が0.3μmのAl23を鋼板断
面内および板面内に均一に分布させた鋼板について、A
23の板厚断面内での面積率と高周波鉄損W122000
との関係を図1に示す。また、Al23の板厚断面内で
の面積率と磁束密度B50との関係を図2に示す。これら
によれば、Al23の板厚断面内での面積率が0.01
〜0.20%では、鋼板の固有抵抗の増大に起因する渦
電流損の低下により全鉄損が低下している。これに対
し、面積率が0.01%未満では固有抵抗の増大が僅か
であるために鉄損に変化はなく、一方、0.20%を超
えると固有抵抗の増大により渦電流損は低下するもの
の、Al23による磁壁のピンニング作用が大きくなる
ためにヒステリシス損の増大が顕著となり、その結果、
全鉄損が急激に増大する。一方、磁束密度B50は面積率
が0.01%までは変化しないが、0.01%を超える
と低下している。このような現象は、上記と同程度の平
均粒径のAlNを鋼板断面内および板面内に均一に分布
させた鋼板においても同様に認められた。以上のことか
ら、鋼板板厚方向にある程度の量の内部酸化物若しくは
窒化物を均一に分布させることは高周波鉄損の低下に有
効であるが、同時に磁束密度の低下も招くことが判る。
【0012】上述したように高周波磁化においては、表
皮効果のために渦電流密度の分布は鋼板板厚方向で均一
ではなく、鋼板表層部で高く、鋼板内部で急激に減少す
る。このため鋼板の固有抵抗を鋼板の全厚にわたって高
くする必要はなく、板表層部のみで高くすれば渦電流を
効果的に低減でき、また磁束密度の低下を最小限に抑え
ることが可能である。そこで本発明では、鋼板板厚方向
での内部酸化物、窒化物の分布を適正化すること、具体
的には、鋼板表層部に内部酸化物や窒化物を所定量以上
含有する窒化物含有層または内部酸化物含有層若しくは
窒化物−内部酸化物含有層を生成させることで、鋼板板
厚方向の固有抵抗を最適化するものである。
【0013】本発明では板厚方向での内部酸化物や窒化
物の生成状態を規定するため、まず、鋼板表層部におい
て粒径0.1μm以上の窒化物または/および内部酸化
物が鋼板板面内での面積率で0.01%以上存在する領
域を窒化物含有層または内部酸化物含有層若しくは窒化
物−内部酸化物含有層と定義した。このように窒化物ま
たは/および内部酸化物の面積率0.01%を下限とし
て規定したのは、図1に示されるように0.01%未満
の面積率では鉄損の低減に効果がないためである。そし
て、本発明では上記のように定義される窒化物含有層ま
たは内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有
層における内部酸化物および窒化物の平均粒径d、板厚
断面内での内部酸化物および窒化物の面積率R、窒化物
含有層または内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸
化物含有層の鋼板表層からの深さx(層の厚さ)をパラ
メータとし、板厚方向での内部酸化物や窒化物の生成状
態を規定した。
【0014】表1は、以下に述べる各試験において用い
られた試料の成分組成および鋼板表層部に生成した窒化
物、内部酸化物の種類を示しており、これら試料の板厚
方向での窒化物および内部酸化物の生成状態やそれらの
平均粒径等は焼鈍温度、焼鈍時間および焼鈍雰囲気(N
2濃度、露点等)等の調整によりコントロールした。特
に、内部酸化物、窒化物の粒径は主に焼鈍温度と焼鈍時
間を変化させることで、また、内部酸化物含有層、窒化
物含有層の生成深さは主に焼鈍時間と焼鈍雰囲気を変化
させることで、さらに、板厚断面内での内部酸化物、窒
化物の面積率は主に焼鈍雰囲気と焼鈍温度を変化させる
ことでそれぞれコントロールした。
【0015】図3は、表1に示した本発明材である試料
B、Dの鋼板を用いて、使用周波数と本発明による鉄損
低減効果との関係を調べたものである。ここでは、試料
B、試料Dの高周波鉄損とこれら試料と同一の成分組成
及び板厚を有するが板表層部に窒化物含有層や内部酸化
物含有層がない比較材(試料H、Iの鋼板)の高周波鉄
損との比を求め、50Hz〜5kHzの周波数域におけ
る本発明材の鉄損低減効果を調べた。なお、高周波域で
使用される機器の大半の励磁磁束密度はB=1.2T程
度であるため、ここではB=1.2Tの鉄損で評価を行
った。試料B、Dの鋼板の平均結晶粒径D、窒化物含有
層における窒化物の板厚断面内での面積率R、窒化物含
有層における窒化物の平均粒径d、窒化物含有層の鋼板
表層からの深さxおよび鋼板板厚tは以下の通りであ
る。なお、各鋼板の窒化物含有層以外の領域において存
在する粒径0.1μm以上の窒化物および内部酸化物の
板厚断面内での面積率はいずれも0.01%未満であっ
た。 試料Bの鋼板 D:100μm、R:0.10%、
d:0.50μm x:0.012mm、t:0.10mm 試料Dの鋼板 D:130μm、R:0.13%、
d:0.60μm x:0.024mm、t:0.20mm
【0016】図3によれば、本発明材は200Hz未満
の周波数域では鉄損の低減効果はなく、むしろ鉄損が増
大している。これは200Hz未満ではヒステリシス損
の割合が大きいため、窒化物含有層による渦電流損の低
減効果よりも、磁壁の移動を妨げることによるヒステリ
シス損の増大効果の方が大きいためであると考えられ
る。一方、周波数200Hz以上では本発明による鉄損
低減効果が顕著に認められ、この効果は200Hz以上
では周波数に殆ど依存していない。また、5kHzを超
える周波数では鉄損の絶対値が大きくなるため、所望の
低鉄損を得るためにはSi+Al量をさらに増すか或い
は板厚をより薄くする必要がある。このため、本発明の
無方向性電磁鋼板は使用される周波数域を200Hz以
上、5kHz以下と規定した。なお、上記のように本発
明による鉄損低減効果は200Hz以上では周波数に殆
ど依存しないため、以下に述べる試験例、実施例では2
000Hzにおける鉄損により磁気特性を評価した。
【0017】図4は、表1に示した本発明材である試料
B、C、D、E、Fの鋼板を用いて、鋼板表層部に生成
する内部酸化物、窒化物の種類と鉄損低減効果との関係
を調べたものである。ここでは、試料B、C、D、E、
Fの高周波鉄損W122000とこれら試料と同一の成分組
成及び板厚を有するが板表層部に窒化物含有層や内部酸
化物含有層がない比較材(試料H、I、J)の高周波鉄
損W122000との比を求め、試料B、C、D、E、Fの
鋼板の鉄損特性を評価した。これら試料のうち、試料
B、D、Eは板表層部にAlNによる窒化物含有層が生
成し、試料C、Fは板表層部にAl23、SiO2およ
びFe系酸化物による内部酸化物含有層が生成したもの
である。各鋼板の平均結晶粒径D、窒化物含有層または
内部酸化物含有層における窒化物、内部酸化物の板厚断
面内での面積率R、窒化物含有層または内部酸化物含有
層における窒化物、内部酸化物の平均粒径d、窒化物含
有層または内部酸化物含有層の鋼板表層からの深さx、
および鋼板板厚tは以下の通りである。なお、各鋼板の
窒化物含有層または内部酸化物含有層以外の領域におい
て存在する粒径0.1μm以上の窒化物および内部酸化
物の板厚断面内での面積率はいずれも0.01%未満で
あった。
【0018】試料Bの鋼板 D:120μm、R:
0.12%、d:1.50μm、x:0.010mm、
t:0.10mm 試料Cの鋼板 D:115μm、R:0.13%、
d:1.00μm、x:0.015mm、t:0.15
mm 試料Dの鋼板 D:120μm、R:0.11%、
d:0.70μm、x:0.010mm、t:0.10
mm 試料Eの鋼板 D:110μm、R:0.15%、
d:0.30μm、x:0.011mm、t:0.10
mm 試料Fの鋼板 D:150μm、R:0.20%、
d:1.30μm、x:0.020mm、t:0.20
mm
【0019】図4によれば、鋼板表層部に内部酸化物含
有層が生成した鋼板と同じく窒化物含有層が生成した鋼
板では、ほぼ同程度の鉄損低減効果が得られており、内
部酸化物と窒化物は高周波鉄損の低減に対してほぼ同等
の効果を有していること、したがって、本発明の効果が
内部酸化物含有層、窒化物含有層のいずれを生成させた
場合でも得られることが判る。また、鋼板表層部に内部
酸化物と窒化物が混在している窒化物−内部酸化物含有
層が生成した鋼板についても、上記とほぼ同程度の鉄損
低減効果が得られることが確認できた。
【0020】次に、内部酸化物含有層、窒化物含有層ま
たは窒化物−内部酸化物含有層の鋼板表層からの深さx
(層の厚さ)の限定理由について説明する。図5および
図6は、表1に示した試料による鋼板であって、本発明
条件を満足する平均結晶粒径D、窒化物含有層における
窒化物(AlN)の板厚断面内での面積率R、窒化物含
有層における窒化物の平均粒径dを有する下記の鋼板に
ついて、窒化物含有層の鋼板表層からの深さx(窒化物
含有層の厚さ)と鋼板板厚tとの比x/tと高周波鉄損
122000との関係を示したものである。なお、各鋼板
の窒化物含有層以外の領域において存在する粒径0.1
μm以上の窒化物および内部酸化物の板厚断面内での面
積率はいずれも0.01%未満であった。
【0021】 試料Bの鋼板 D:100μm、R:0.10%、d:0.50μm、 (図5) t:0.10mm 試料Dの鋼板 D:120μm、R:0.11%、d:0.70μm、 (図5) t:0.10mm 試料Eの鋼板 D:110μm、R:0.15%、d:0.30μm、 (図5) t:0.10mm 試料Dの鋼板 D:130μm、R:0.13%、d:0.60μm、 (図6) t:0.20mm 試料Eの鋼板 D:160μm、R:0.10%、d:0.50μm、 (図6) t:0.20mm
【0022】図5および図6によれば、いずれの鋼種お
よび板厚においても0.05≦x/t≦0.15の範囲
において鉄損の低減効果が大きい。このような鉄損低減
効果は、鋼板表層部に内部酸化物含有層或いは窒化物−
内部酸化物含有層を生成させた場合にも同様に認められ
た。このように窒化物含有層や内部酸化物含有層を板表
層部に特定の厚さで生成させた場合にのみ大きな鉄損低
減効果が得られるのは、以下のような理由によるものと
考えられる。すなわち、よく知られているように鉄損は
ヒステリシス損と渦電流損からなっており、高周波磁化
領域においては渦電流損が支配的となる。この渦電流損
の原因となる渦電流は、鋼板板厚方向に均一に流れる訳
ではなく、鋼板板厚中央部に較べて鋼板表層部で多く流
れる。このような状況において、窒化物や内部酸化物と
いった析出物や介在物を板表層から板厚の5〜15%の
深さまで生成させて鋼板表層部の固有抵抗を高めると、
鋼板表層部を流れる渦電流が効果的に減少し、この結果
鉄損が低下するものと考えられる。そして、内部酸化物
や窒化物の生成領域の深さが板厚の5%未満であると、
内部酸化物や窒化物の生成領域が十分でないため、この
生成領域の内側を流れる渦電流が依然として存在し、渦
電流損はある程度は低減されるものの、その低減効果は
十分ではない。一方、鋼板表層から板厚の15%を超え
た深さの領域は渦電流が急激に低下する領域であり、こ
のような領域に内部酸化物や窒化物を生成させて固有抵
抗を高めても鉄損低減に効果はなく、却って内部酸化物
や窒化物による磁壁のピンニング作用によりヒステリシ
ス損が増大し、全鉄損の増大を招くことになる。
【0023】以上の理由から本発明では、窒化物含有層
または内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含
有層を鋼板表層から下式を満足する深さx(mm)まで
生成させることを要件とする。 0.05≦x/t≦0.15 但し t:鋼板板厚(mm)
【0024】次に、窒化物含有層または内部酸化物含有
層若しくは窒化物−内部酸化物含有層における内部酸化
物、窒化物の平均粒径dの限定理由について述べる。図
7は、表1に示した試料による鋼板であって、本発明条
件を満足する平均結晶粒径D、窒化物含有層における窒
化物(AlN)の板厚断面内での面積率R、窒化物含有
層の板表層からの深さxを有する下記の鋼板について、
窒化物含有層中の窒化物の平均粒径dと高周波鉄損W12
2000との関係を示したものである。なお、各鋼板の窒
化物含有層以外の領域において存在する窒化物の面積率
はいずれも0.01%未満であった。 試料Bの鋼板 D:120μm、R:0.12%、x
/t:0.10、t:0.10mm 試料Eの鋼板 D:125μm、R:0.15%、x
/t:0.09、t:0.10mm
【0025】図7によれば、窒化物の平均粒径が3μm
以下のときに鉄損の低減効果が大きいことが判る。一
方、平均粒径が3μmを超えると、窒化物含有層中の窒
化物の板厚断面内での面積率Rおよび窒化物含有層の深
さxが本発明条件を満足しても鉄損は増大している。こ
れは、本来鋼板表層部に微細に分布すべき窒化物が凝集
粗大化したために渦電流損減少効果が小さくなり、ヒス
テリシス損を増大させる方向に働いたためであると考え
られる。上記の平均粒径と鉄損の低減効果との関係は、
鋼板表層部に内部酸化物含有層或いは窒化物−内部酸化
物含有層を生成させた場合においても同様に認められ
た。以上の理由から本発明では、鋼板表層部の内部酸化
物含有層または窒化物含有層若しくは窒化物−内部酸化
物含有層における内部酸化物、窒化物の平均粒径を3μ
m以下と規定する。
【0026】次に、鋼板表層部の内部酸化物含有層また
は窒化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層にお
ける内部酸化物、窒化物の板厚断面内での面積率Rの限
定理由について説明する。図8は、表1に示した試料に
よる鋼板であって、本発明条件を満足する平均結晶粒径
D、窒化物含有層の鋼板表層からの深さx、および窒化
物含有層における窒化物の平均粒径dを有する下記の鋼
板について、鋼板表層部の窒化物含有層における窒化物
の板厚断面内での面積率Rと高周波鉄損W122000との
関係を示したものである。なお、各鋼板の窒化物含有層
以外の領域において存在する窒化物および内部酸化物の
面積率はいずれも0.01%未満であった。 試料Dの鋼板 D:120μm、d:0.70μm、x
/t:0.10、t:0.10mm 試料Eの鋼板 D:110μm、d=0.30μm、x
/t=0.11、t:0.10mm
【0027】図8によれば、鉄損は窒化物含有層におけ
る窒化物の板厚断面内での面積率Rが0.05〜0.2
0%の範囲で大きく低下している。これに対し面積率R
が0.05%未満では鉄損の低減効果は十分でなく、
0.20%超では鉄損は急激に増大している。これは、
面積率Rが0.05%未満では鋼板表層部の固有抵抗が
十分に高くならないために、渦電流損の減少効果が十分
ではなく、一方、面積率Rが0.20%を超えると渦電
流の抑制効果は大きくなるものの、それ以上に磁壁移動
のピンニングに起因してヒステリシス損が増大するから
である。なお、このような板厚断面内での面積率Rと鉄
損低減効果との関係は、鋼板表層部に内部酸化物含有層
或いは窒化物−内部酸化物含有層を生成させた鋼板の内
部酸化物および窒化物の面積率Rに関してもそれぞれ同
様に認められた。以上の理由から本発明では、鋼板表層
部の内部酸化物含有層または窒化物含有層若しくは窒化
物−内部酸化物含有層における内部酸化物または/およ
び窒化物の板厚断面内での面積率を0.05〜0.20
%と規定する。
【0028】次に、鋼板表層部の窒化物含有層または内
部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以外
の領域(板厚中央部側の領域)において存在する窒化物
および内部酸化物については、磁束密度を低下させない
観点からその生成量を規制する必要があり、図2に示さ
れた内部酸化物等の板厚断面内での面積率と磁束密度と
の関係に基づき、鋼板表層部の窒化物含有層または内部
酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以外の
領域において存在する粒径0.1μm以上の窒化物およ
び内部酸化物の面積率を、磁束密度を低下させない0.
01%未満と規定する。
【0029】次に、鋼板の平均結晶粒径の限定理由につ
いて説明する。ここで、平均結晶粒径は鋼板の板厚(全
厚さ)方向の結晶粒径を測定し、その平均をとったもの
である。図9は、表1に示した本発明材である試料Eの
鋼板(R:0.10%、d:0.50μm、x/t:
0.13、板厚t:0.10mm)と、これと同一の成
分組成および板厚を有するが鋼板表層部に内部酸化物含
有層、窒化物含有層がない試料Jの鋼板(比較材)につ
いて、それらの平均結晶粒径と鉄損W122000との関係
を示したものである。これによれば、鋼板表層部に内部
酸化物含有層や窒化物含有層がない比較材では、鉄損に
対する最適粒径が約50μmであるのに対し、鋼板表層
部に窒化物含有層を有する本発明材では最適粒径は約1
10μmであり、鋼板表層部に窒化物含有層を有する鋼
板は内部酸化物含有層や窒化物含有層のない鋼板よりも
最適粒径が粗粒側に移行していることが判る。また、本
発明材では粒径60〜160μmの範囲で比較材よりも
鉄損が低くなっている。
【0030】そこで、表1に示す試料A、B、D、E、
Fの鋼板であって、本発明条件を満足する窒化物含有層
または内部酸化物含有層における窒化物、内部酸化物の
板厚断面内での面積率R、窒化物含有層または内部酸化
物含有層の鋼板表層からの深さx、および窒化物含有層
または内部酸化物層における窒化物、内部酸化物の平均
粒径dを有する下記の鋼板について、それらの平均結晶
粒径Dと鉄損W122000との関係を調べた。なお、各鋼
板の窒化物含有層または内部酸化物含有層以外の領域に
おいて存在する窒化物および内部酸化物の板厚断面内で
の面積率はいずれも0.01%未満であった。
【0031】 試料Aの鋼板 Si+Al:1.75wt%、R:
0.05%、d:0.20μm、x/t:0.09、
t:0.17mm 試料Bの鋼板 Si+Al:2.36wt%、R:
0.17%、d:0.50μm、x/t:0.10、
t:0.10m 試料Dの鋼板 Si+Al:2.93wt%、R:
0.13%、d:0.60μm、x/t:0.12、
t:0.20m 試料Eの鋼板 Si+Al:3.49wt%、R:
0.15%、d:0.30μm、x/t:0.11、
t:0.10m 試料Fの鋼板 Si+Al:3.49wt%、R:
0.20%、d:1.30μm、x/t:0.10、
t:0.20m
【0032】図10は、上記各鋼板の高周波鉄損W12
2000が、同一の成分組成と板厚を有する比較材である試
料G、H、I、Jの鋼板の最低鉄損よりも5W/kg以
上低くなるときの平均結晶粒径Dの下限と上限を、内部
酸化物含有層、窒化物含有層の深さxの鋼板板厚tに対
する割合(x/t)×100(%)と内部酸化物含有
層、窒化物含有層における内部酸化物、窒化物の板厚断
面内での面積率R(%)とSi+Al量(wt%)の積
の平方根との関係で示したものである。これによれば、
内部酸化物、窒化物の板厚方向の分布を適正化した本発
明材においては、低鉄損が得られる平均結晶粒径D(μ
m)の範囲は下式により規定できることが判る。
【数3】 このため本発明では、鋼板の平均結晶粒径D(μm)が
上記式を満足することをその要件とする。
【0033】この式において、平方根の中の項は鋼板表
層部の固有抵抗とその領域を示すものであり、固有抵抗
が大きくなるほど適正粒径は粗粒側となる。このように
適正粒径が粗粒側に移行するのは、以下のような理由に
よるものと考えられる。すなわち、鋼板表層部に内部酸
化物、窒化物による固有抵抗の高い層が形成されること
によって渦電流損が低減されると、高周波鉄損中に占め
るヒステリシス損の割合が従来材よりも高くなる。例え
ば、3%Si−0.4%Al鋼の0.1mm材において
は、2kHzで全鉄損中に占めるヒステリシス損の割合
が約50%にもなる。このような状況においては、高周
波と言えどもヒステリシス損を低減させる必要が生じて
くる。ヒステリシス損を低減させるためには結晶粒は大
きい方がよく、本発明鋼板においてはこのヒステリシス
損と渦電流損の兼ね合いから、最適粒径が粗粒側に移行
したものと考えられる。
【0034】次に、鋼板の板厚について説明する。鋼板
の板厚を薄くすることは、高周波域での渦電流損の低減
に非常に有効である。しかし、0.1mm未満の板厚で
は冷間圧延が困難となるだけでなく、モーターのロータ
ー、ステーター組立時の鋼板の積層枚数の増大につなが
り、生産効率が低下する。一方、板厚が0.2mmを超
えると渦電流損の増大により鉄損が増大しはじめる。こ
のため鋼板の板厚は0.1〜0.2mmとすることが好
ましい。
【0035】次に、本発明の無方向性電磁鋼板の製造方
法について説明すると、本発明鋼板の内部酸化物、窒化
物の生成状態の制御および平均結晶粒径の調整は、一般
には最終焼鈍条件をコントロールすることにより行わ
れ、したがって、最終焼鈍前の工程は通常行われている
製造プロセスを採ることができる。すなわち、転炉で吹
練した溶鋼を脱ガス処理して所定の成分に調整後鋳造
し、通常の熱間圧延を行う。この鋼板を酸洗した後熱延
板焼鈍を行ってもよいが、必須ではない。次いで、1回
の冷間圧延若しくは中間焼鈍を挾む2回以上の冷間圧延
により所定の板厚とした後、最終焼鈍を行う。この最終
焼鈍では、焼鈍雰囲気、露点、焼鈍温度、焼鈍時間を制
御することにより、本発明が要件とする鋼板板厚方向の
内部酸化物、窒化物の生成状態、結晶粒径を得ることが
できる。例えば、3%Si−0.5%Al鋼の0.1m
m材においては、最終焼鈍終了直前に10〜20秒程度
の間、焼鈍雰囲気の窒素分率を100%とし、焼鈍温度
を通常よりも30〜60℃程度高めることにより、鋼板
中のAlNの生成状態を所望のものとすることができ
る。また、露点の調整により内部酸化物を所望の状態に
生成させてもよい。また、窒化物−内部酸化物含有層
は、2次焼鈍時に雰囲気を窒化雰囲気とし、露点を上げ
ることにより形成させることができる。また、以上のよ
うな熱処理による内部酸化物、窒化物の生成状態の制御
は熱延板焼鈍時に行ってもよい。
【0036】
【実施例】表2に記載した鋼種a〜鋼種hの鋼を板厚
2.0mmに熱間圧延した後酸洗し、引き続き板厚0.
1mm〜0.2mmまで冷間圧延し、得られた冷延板を
表3および表4に示す焼鈍条件で焼鈍した。なお、本発
明鋼板は1回の焼鈍処理によっても製造可能であるが、
この実施例では、鋼板表層の窒化物、内部酸化物の深
さ、粒径、面積率等のコントロールを容易にするため、
通常の電磁鋼板の仕上焼鈍に対応する1次焼鈍を実施し
た後、鋼板表層に内部酸化物、窒化物を生成させること
を目的とした2次焼鈍を実施した。各鋼板の磁気特性
は、各鋼板から外径45mm、内径33mmのリング試
験片を打ち抜き、これら試験片について周波数2000
Hzでの磁気特性を測定した。各鋼板の板厚方向におけ
る窒化物、内部酸化物の生成状態および平均結晶粒径を
表5および表6に、磁気特性を表7に示す。これらによ
れば、本発明鋼板では磁束密度が低下することなく、比
較例に較べ高周波鉄損が約1割程度減少していることが
判る。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明の無方向性電磁
鋼板は、高周波磁化領域において、磁束密度が低下する
ことなく鉄損が効果的に低減するという優れた特性を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al23を鋼板断面内および板面内に均一に分
布させた3%Si−0.5%Al鋼板のAl23の板厚
断面内での面積率と高周波鉄損との関係を示すグラフ
【図2】Al23を鋼板断面内および板面内に均一に分
布させた3%Si−0.5%Al鋼板のAl23の板厚
断面内での面積率と磁束密度との関係を示すグラフ
【図3】本発明鋼板の使用周波数と鉄損低減効果との関
係を示すグラフ
【図4】鋼板表層部に内部酸化物含有層を有する本発明
鋼板と、同じく窒化物含有層を有する本発明鋼板の鉄損
低減効果を示すグラフ
【図5】窒化物含有層の鋼板表層からの深さxと鋼板板
厚tとの比x/tと高周波鉄損との関係を示すグラフ
【図6】窒化物含有層の鋼板表層からの深さxと鋼板板
厚tとの比x/tと高周波鉄損との関係を示すグラフ
【図7】鋼板表層部の窒化物含有層中の窒化物の平均粒
径dと高周波鉄損との関係を示すグラフ
【図8】鋼板表層部の窒化物含有層における窒化物の板
厚断面での面積率Rと高周波鉄損との関係を示すグラフ
【図9】鋼板表層部の窒化物含有層が本発明条件を満足
する鋼板と、鋼板表層部に窒化物含有層がない鋼板の平
均結晶粒径と高周波鉄損との関係を示すグラフ
【図10】鋼板表層部の内部酸化物含有層、窒化物含有
層が本発明条件を満足する鋼板の、鉄損に対する最適平
均結晶粒径範囲を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大北 智良 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−223445(JP,A) 特開 平5−59441(JP,A) 特開 平4−63252(JP,A) 特開 平3−274247(JP,A) 特開 昭59−74258(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 303 C22C 38/06 H01F 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiとAlの合計量が1.7〜4.5w
    t%、C:0.005wt%以下、Mn:0.1〜1w
    t%、S:0.015wt%以下、P:0.2wt%以
    下、下記により定義される窒化物含有層または内部酸化
    物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以外のN:
    0.005wt%以下、窒化物含有層または内部酸化物
    含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層以外のO:
    0.005wt%以下を含有し、残部Feおよび不可避
    的不純物からなる鋼板であって、鋼板表層部において粒
    径0.1μm以上の窒化物または/および内部酸化物が
    鋼板板面内での面積率で0.01%以上存在する領域を
    窒化物含有層または内部酸化物含有層若しくは窒化物−
    内部酸化物含有層と定義した時、窒化物含有層または内
    部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層が鋼
    板表層から下式を満足する深さx(mm)まで形成さ
    れ、 0.05t≦x≦0.15t 但し t:鋼板板厚(mm) 窒化物含有層または内部酸化物含有層若しくは窒化物−
    内部酸化物含有層における窒化物または/および内部酸
    化物の平均粒径が3μm以下であり、窒化物含有層また
    は内部酸化物含有層若しくは窒化物−内部酸化物含有層
    における粒径0.1μm以上の窒化物または/および内
    部酸化物の板厚断面内での面積率Rが0.05〜0.2
    0%であり、窒化物含有層または内部酸化物含有層若し
    くは窒化物−内部酸化物含有層以外の領域において存在
    する粒径0.1μm以上の窒化物および内部酸化物の板
    厚断面内での面積率が0.01%未満であり、鋼板の平
    均結晶粒径D(μm)が下式を満足する、周波数200
    Hz以上、5kHz以下で使用される鉄損特性に優れた
    高周波用無方向性電磁鋼板。 【数1】
  2. 【請求項2】 板厚が0.1〜0.2mmである請求項
    1に記載の、周波数200Hz以上、5kHz以下で使
    用される鉄損特性に優れた高周波用無方向性電磁鋼板。
JP5147100A 1993-05-26 1993-05-26 鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板 Expired - Fee Related JP2910508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5147100A JP2910508B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5147100A JP2910508B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06330260A JPH06330260A (ja) 1994-11-29
JP2910508B2 true JP2910508B2 (ja) 1999-06-23

Family

ID=15422504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5147100A Expired - Fee Related JP2910508B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2910508B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5712862B2 (ja) * 2011-08-23 2015-05-07 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP5972540B2 (ja) * 2011-08-23 2016-08-17 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板
JP5824965B2 (ja) * 2011-08-23 2015-12-02 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP5712864B2 (ja) * 2011-08-23 2015-05-07 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板の製造方法、および冷間圧延性の評価方法
JP5712863B2 (ja) * 2011-08-23 2015-05-07 新日鐵住金株式会社 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP6057082B2 (ja) * 2013-03-13 2017-01-11 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れる無方向性電磁鋼板
JP5995002B2 (ja) 2013-08-20 2016-09-21 Jfeスチール株式会社 高磁束密度無方向性電磁鋼板およびモータ
JP6772911B2 (ja) * 2017-03-15 2020-10-21 日本製鉄株式会社 無方向性電磁鋼板
JP7159592B2 (ja) * 2018-03-30 2022-10-25 日本製鉄株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法、並びにモータコアおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06330260A (ja) 1994-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4855222B2 (ja) 分割コア用無方向性電磁鋼板
JP5733409B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
KR100956530B1 (ko) 무방향성 전자강판 및 그 제조방법
JP5854182B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP6432173B2 (ja) 全周の磁気特性が良好な無方向性電磁鋼板
JP2004068084A (ja) 回転機用高磁束密度無方向性電磁鋼板及び回転機用部材
JP2020503444A (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2023507435A (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2910508B2 (ja) 鉄損特性の優れた高周波用無方向性電磁鋼板
JP4123629B2 (ja) 電磁鋼板およびその製造方法
JPH0860311A (ja) 鉄損の低い薄物無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2004339603A (ja) 高周波磁気特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP4622162B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
JP4568999B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP3395391B2 (ja) 薄物無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2560579B2 (ja) 高透磁率を有する高珪素鋼板の製造方法
JP3252692B2 (ja) 磁気特性のすぐれた無方向性電磁鋼板およびその製造方法
CN113166871A (zh) 无取向电工钢板及其制造方法
JPH07228953A (ja) 鉄損の低い無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2004363512A (ja) 加工性および高周波磁気特性に優れる電磁鋼線
JP4852804B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
WO2023282072A1 (ja) 無方向性電磁鋼板とその製造方法
WO2020149333A1 (ja) 一方向性電磁鋼板の製造方法
JP2917776B2 (ja) 高周波用無方向性電磁鋼板
JP2004270011A (ja) 回転機用高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080409

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090409

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100409

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100409

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110409

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110409

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120409

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees