JP2906896B2 - 溶剤型塗料用組成物 - Google Patents

溶剤型塗料用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鮮映性に優れた塗膜を
与える、新規な低温硬化性の溶剤型塗料用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用、家電用などの塗料の分
野では、消費者の高級志向の点から、鮮映性に優れた塗
膜(自分の姿やまわりの風景が鮮やかに映る塗膜)が求
められている。また、省エネルギーの点から、低温で硬
化可能な塗膜が求められている。現在、この低温で硬化
可能な塗膜を与える塗料として、アクリルウレタン塗料
が広く使用されている。
【0003】しかしながら、現在知られているアクリル
ウレタン塗料は、鮮映性に劣り、また硬化剤としてイソ
シアネートを使用するため、それに起因する毒性の点
で、塗装作業上問題が残るという欠点があった。
【0004】従来このような欠点を解決する目的で、カ
ルボキシル基と3級アミノ基、および、エポキシ基から
なる新規な架橋系が開発されてきた。これらの公知例と
しては、次のようなものが開示されている。
【0005】(A)第3級アミノ基を有するエチレン性
不飽和化合物を12〜30wt%、カルボキシル基を有
するエチレン性不飽和化合物を0〜15wt%含有し、
残部がエポキシ基を持たない前記以外のエチレン性不飽
和化合物の1種又は2種以上である共重合体の第3級ア
ミノ残基を酸で塩基塩とした水溶性樹脂溶液と、(B)
ポリエポキサイド化合物からなる低温硬化型水溶性樹脂
塗料組成物(特開昭51−30232号公報参照)。
【0006】
【化1】 (ただし、式中R1 は水素原子またはメチル基、R2
炭素原子数1〜12を有するアルキレン基であり、また
3 およびR4 は炭素原子数1〜12を有するアルキル
基である。)で表わされる(メタ)アクリレート(b)
α,β不飽和カルボン酸を含む重合体と分子の末端に2
ヶ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とからなる
水不溶性親水性組成物(特開昭53−74553号公報
参照)。
【0007】(A)カルボン酸無水基を含有するビニル
系重合体、(B)エポキシ化合物、(C)1分子中にそ
れぞれ少なくとも1個の、カルボン酸無水基と反応し得
る活性水素を有する基および3級アミノ基を含有する化
合物、および必要に応じて(D)1分子中に少なくとも
1個のアルコール性水酸基を有する化合物を含んで成る
常温硬化性樹脂組成物(特開昭56−92911号公報
参照)。
【0008】(A)カルボン酸無水基を含有するビニル
系重合体(a−1)と、1分子中にそれぞれ少なくとも
1個の、上記カルボン酸無水基と反応しうる活性水素を
有する基および3級アミノ基を有する化合物(a−2)
とを反応させて得られるカルボキシル基および3級アミ
ノ基を併せ有するビニル系重合体と、(B)ポリエポキ
シ化合物とを必須の成分として含んで成る常温硬化性樹
脂組成物(特開昭59−56423号公報参照)。
【0009】(A)カルボン酸無水基およびカルボキシ
ル基を併せ有するビニル系重合体(a−1)と、1分子
中にそれぞれ少なくとも1個の、上記重合体(a−1)
中のカルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有する基
および3級アミノ基を併せ有する化合物(a−2)とを
反応させて得られるカルボキシル基と3級アミノ基とを
併せ有する重合体、と(B)ポリエポキシ化合物とを必
須の成分として含んで成る常温硬化性樹脂組成物(特開
昭59−142220号公報参照)。
【0010】(メタ)アクリル酸のアルキルエステル1
0部以上とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸3
〜60部、1分子中に少なくとも1個の3級アミンを有
するα,β−モノエチレン性不飽和化合物0.01〜1
0部、その他の共重合可能なビニル単量体30〜96.
67部とを共重合せしめた分子量4000〜30000
で常温で固体状の共重合体に対し、1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するエポキシ化合物をカルボキシル基
1当量に対し、エポキシ基が0.2〜3.0当量になる
様に配合することを特徴とする粉体塗料組成物(特公昭
61−6866号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来技術のうち、特開昭51−30232号公報の組成物
は、鮮映性および光沢が不十分であった。特開昭53−
74553号公報の組成物は、鮮映性、光沢、耐酸性お
よび耐溶剤性が不十分であった。特開昭56−9291
1号公報の組成物は、鮮映性、光沢、耐溶剤性および耐
酸性が不十分であり、さらに、配合時に3成分を混合し
なければない、可使時間が短いなど作業性の点で問題が
あった。特開昭59−56423号公報の組成物は、鮮
映性、光沢および耐溶剤性が不十分であった。特開昭5
9−142220号公報の組成物は、鮮映性および光沢
が不十分であった。特公昭61−6866号公報の組成
物は、鮮映性および低温硬化性が不十分であるととも
に、硬化温度が140〜240度と高く、プラスチック
のような素材には適用困難になるという問題点があっ
た。
【0012】そこで本発明の目的は、上記従来の問題点
を解消しようとするものであり、塗膜の鮮映性が優れ、
かつ、光沢、耐酸性、耐水性、耐溶剤性、耐ブロッキン
グ性、および可とう性などの塗膜性能が、アクリルウレ
タン塗料と同等であって、さらに、低温焼付(通常、6
0℃ないし80℃で20分)で硬化して塗膜を形成する
ことができ、あるいは、ハイソリッド塗料の調整が可能
である塗料用組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、カルボキシル基および3級アミノ基またはその塩か
らなる基を有するビニル系共重合体(a)と1分子中に
エポキシ基を2個以上有するソルビトールポリグリシジ
ルエーテル(b)とから成る溶剤型塗料用組成物によっ
て達成できる。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
溶剤型塗料用組成物は、ビニル系共重合体(a)を主剤
とし、硬化剤としてソルビトールポリグリシジルエーテ
ル(b)を使用することにより、低温焼付(通常、60
℃ないし80℃で20分)でも硬化して塗膜が形成す
る。さらには、プラスティック基材にも密着するという
特徴を有するものである。
【0015】塗膜の形成は、ビニル系共重合体(a)の
カルボキシル基とソルビトールポリグリシジルエーテル
(b)のエポキシ基の架橋によって達成される。このと
き、同じビニル系共重合体(a)の分子中に含有されて
いる3級アミノ基が硬化反応を促進する。
【0016】鮮映性がより優れる塗膜を得るうえで、主
剤であるビニル系共重合体(a)の分子量は、数平均分
子量(Mn)で2000〜10000であることが好ま
しい。鮮映性が優れ、かつ耐酸性、耐水性、耐溶剤性、
耐ブロッキング性、および可とう性等の性能を低下させ
ることなく、塗膜としての役割を十分果たした上で、さ
らに塗料のハイソリッド化も達成させるためには、Mn
=3000〜9000がより好ましく、Mn=4000
〜8000が最も好ましい。
【0017】ビニル系共重合体(a)に含まれるカルボ
キシル基の量は、プラスティック基材への密着性、塗料
のポットライフ(可使時間)の有効性、あるいは耐酸
性、耐水性、耐溶剤性などの塗膜性能をより良好なもの
とするために、3〜15重量%が好ましく、より好まし
くは5〜13重量%である。
【0018】ここで、本発明では、カルボキシル基の重
量%とは、カルボキシル基の重量を対応するカルボキシ
ル基含有単量体の重量で表示し、該カルボキシル基含有
単量体の重量を、本発明のビニル系共重合体(a)を構
成する単量体全量の重量で除した値として定義される。
【0019】カルボキシル基をビニル系共重合体(a)
に導入する方法としては、カルボキシル基または無水カ
ルボキシル基を含有する単量体を、単独または併用して
共重合する方法が好ましいが、これに限るものではな
く、例えば、チオグリコール酸などのカルボキシル基含
有連鎖移動剤を使用または併用することができる。
【0020】カルボキシル基または無水カルボキシル基
を含有する単量体として、具体的には、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ラクトン
変性アクリル酸、ラクトン変性メタクリル酸などが挙げ
られる。
【0021】ビニル系共重合体(a)に含有される3級
アミノ基の量は、カルボキシル基とエポキシ基の架橋反
応を十分に進行させ、特に80度以下の低温焼付での塗
膜の硬化反応を進行させることにより各種性能を良好に
するために、また実用上の塗料のポットライフを有効に
するために、あるいはプラスティック基材への密着性を
良好にするなどの点で、3級アミノ基量のカルボキシル
基量に対するモル比は0.2〜0.8が好ましい。より
好ましくは0.3〜0.6である。
【0022】3級アミノ基をビニル系共重合体(a)に
導入する方法としては、共重合体の製造が容易な点か
ら、下記式(1)で表されるアクリル酸エステル系また
はメタクリル酸エステル系3級アミノ基含有単量体また
はその塩、
【化2】 (R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜1
2を有するアルキレン基、R3 ,R4 は炭素数1〜6を
有するアルキル基、炭素数3〜6を有するシクロアルキ
ル基、または、フェニル基を示す。) または、アクリル酸エステル系またはメタクリル酸エス
テル系ヒンダードアミノ基含有単量体、または、下記式
(2)で表されるアクリルアミド系またはメタクリルア
ミド系3級アミノ基含有単量体またはその塩、
【化3】 (R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜1
2を有するアルキレン基、R3 ,R4 は炭素数1〜6を
有するアルキル基、炭素数3〜6を有するシクロアルキ
ル基、またはフェニル基を示す。) または、下記式(3)で表されるモノアリル系3級アミ
ノ基含有単量体、
【化4】 13(R1 ,R2 は炭素数1〜6を有するアルキル基、
炭素数3〜6を有するシクロアルキル基、またはフェニ
ル基を示す。) または、ビニルピリジンなどを単独または併用して共重
合する方法が好ましい。
【0023】上記式(1)で表されるアクリル酸エステ
ル系またはメタクリル酸エステル系3級アミノ基含有単
量体またはその塩として、具体的には、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチル
アミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、
ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノ
プロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタク
リレートのメチルクロライド塩、ジメチルアミノエチル
メタクリレートの硫酸塩などが挙げられる。
【0024】アクリル酸エステル系またはメタクリル酸
エステル系ヒンダードアミノ基含有単量体として、具体
的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0025】上記式(2)で表されるアクリルアミド系
またはメタクリルアミド系3級アミノ基含有単量体また
はその塩として、具体的には、ジメチルアミノエチルア
クリアミド、ジメチルアミノエチルメタクリアミド、ジ
メチルアミノプロピルアクリアミド、ジメチルアミノプ
ロピルメタクリアミド、ジメチルアミノプロピルメタク
リアミドのメチルクロライド塩などが挙げられる。
【0026】上記式(3)で表されるモノアリル系3級
アミノ基含有単量体として、具体的には、ジメチルアリ
ルアミン、ジエチルアリルアミン、ジプロピルアリルア
ミンなどが挙げられる。
【0027】これらのうち、単量体の共重合性、およ
び、硬化の触媒能の点から、アクリル酸エステル系また
はメタクリル酸エステル系3級アミノ基含有単量体が好
ましく、さらに、耐酸性、耐水性、耐溶剤性の点から、
ジメチルアミノエチルメタクリレートが最も好ましい。
【0028】ビニル系共重合体(a)に導入されるその
他可能な単量体として、具体的には、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメ
タクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレ
ート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタク
リレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ
エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアク
リレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアク
リレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチ
ルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート、ラク
トン変性ヒドロキシエチルメタクリレート、アセトアセ
トキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメ
タクリレートなどのアクリル酸エステル類、または、メ
タクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族不飽和炭化水素類;メ
チルメタクリレートマクロモノマー、スチレンマクロモ
ノマー、ブチルアクリレートマクロモノマーなどのマク
ロモノマー類;あるいは、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニルなどが挙げ
られる。
【0029】本発明に用いられるビニル系共重合体
(a)は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合な
どいずれの方法によっても可能であるが、溶液重合によ
って好ましく製造される。
【0030】すなわち、トルエン、キシレンなどの芳香
族系溶剤および/またはイソプロパノール、n−ブタノ
ールなどのアルコール系溶剤および/または酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤および/またはメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系溶剤の存在下に、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリルなどのアゾビス系および/ま
たはベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサ
イドなどのパーオキサイド系などの開始剤と、n−ドデ
シルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトエタ
ノールなどのメルカプタン類および/またはα−メチル
スチレンダイマーなどの連鎖移動剤を使用して、常法に
より好ましく単量体混合物を重合することができる。
【0031】本発明の目的を達成するためには、硬化剤
成分である分子内にエポキシ基を複数有する化合物とし
て、1分子内にエポキシ基を2個以上有するソルビトー
ルポリグリシジルエーテル(b)を用いる必要がある。
硬化反応性と塗料のポットライフのバランスの点から、
エポキシ基の含有は3〜5個が好ましく、より好ましく
は4個である。
【0032】具体的には、ナガセ化成工業(株)製「デ
ナコ−ルEX−611」、「デナコ−ルEX−61
2」、「デナコ−ルEX−614」、「デナコ−ルEX
−614B」、「デナコ−ルEX−622」などが挙げ
られる。なお、他のエポキシ化合物、例えばビスフェノ
ール系エポキシ化合物では、硬化反応性が低下し本発明
の低温硬化性を得ることができない。
【0033】ビニル系共重合体(a)に対するソルビト
ールポリグリシジルエーテル(b)の配合割合は、塗膜
中のカルボキシル基残存量を少なくすることにより、塗
膜の架橋を十分なものとなし、耐酸性、耐水性、耐溶剤
性等の性能低下、塗料のポットライフの短縮防止の点か
ら、(a)のカルボキシル基に対する(b)のエポキシ
基の量がモル比で1:0.4以上であることが好まし
い。また、エポキシ基同士の反応を抑制するとともに、
塗膜の可とう性、密着性低下防止の点から、(a)のカ
ルボキシル基に対する(b)のエポキシ基の量がモル比
で1:1.5以下であることが好ましい。
【0034】さらに、塗料のポットライフ、プラスティ
ック基材への密着性および塗膜の耐久性の点から、
(a)のカルボキシル基に対する(b)のエポキシ基の
量がモル比で1:0.7〜1:1.3であることがより
好ましい。
【0035】本発明の溶剤型塗料用組成物は、通常60
℃ないし80℃で20分間焼付することにより硬化する
ことができる。また、より低温、短時間で硬化させるた
めに、アンモニア、あるいはピリジン、DBU(1,8
−ジアザシクロ(5,4,0)ウンデカン)、トリス
(ジメチルアミノエチル)フェノール、トリエチルアミ
ン、ジメチルエタノールアミンなどの3級アミン類、あ
るいはトリフェニルホスフェート、あるいはテトラメチ
ルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩類、あ
るいはポリメルカプタン、あるいはポリサルファイド、
あるいはポリアミドアミン、あるいは2−メチルイミダ
ゾールなどのイミダゾ−ル類、あるいはアジピン酸ジヒ
ドラジドなどの有機酸ヒドラジド類、あるいはアルニミ
ウム、鉄、亜鉛、ニッケル、錫、マグネシウム、銅、コ
バルトなどの金属キレート化合物などを助触媒として添
加することも可能である。
【0036】本発明の溶剤型塗料用組成物は、溶剤で希
釈調整して、そのまま塗料として用いてもよいし、ある
いは必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、ラジカル安定
剤、塗膜フロー剤、ポリカプロラクトンジオール、ポリ
カプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオー
ル、セルロースアセテートブチレート、塩素化ポリオレ
フィン、シリコン含有樹脂、フッ素含有樹脂などの化合
物を配合した形で塗料としてもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中表1に示す特性値および表3
に示す性能は次のようにして測定、評価した。
【0038】カルボキシル基含有量(%) (メタクリル酸の部数/単量体混合物の部数×100)
により算出した。ただし、アゾビスイソブチロニトリル
は除く。カルボキシル基/3級アミノ基(モル比) (メタクリル酸の部数/メタクリル酸の分子量(=86)
/(ジメチルアミノエチルメタクリレートの分子量/ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの分子量(=157))
により算出した。数平均分子量(Mn) GPCによる測定値(ポリスチレン換算)不揮発分(%) 単量体混合物/(単量体混合物+仕込み溶剤)×100 により算出した。ただし、アゾビスイソブチロニトリル
は除く。鮮映性 携帯用鮮明度光沢度計型式PGD−IV(東京光電
(株)製)を用いて測定しPGD値で示した。光沢 ポータブルグロスメーター型式GMX−202(村上色
材研究所製)を用いて測定した(60度鏡面反射光沢
値)。密着性 JIS K5400 碁盤目テープ法に従い、1mm碁
盤目テープ剥離試験後の塗膜付着数/100で評価し
た。耐酸性 10%の硫酸水溶液を塗膜に2〜3滴滴下し、その状態
で、23℃で8時間放置した後、該硫酸水溶液を拭き取
り、塗膜状態を目視で判定した。 1:異状なし、2:やや跡が残る、3:跡が大、溶解、
ハガレあり。耐水性 塗装板を40℃の水に10日間浸漬後、取り出して、塗
膜状態を目視で判定した。 1:異状なし、2:やや艶
引け、3:艶引け大、白化、フクレあり。耐溶剤性 ラビングテスター(太平理化工業(株)製)を用い、5
00gの荷重をかけて、焼付直後の塗膜を50回キシレ
ンラビングした後、塗膜状態を目視で判定した。 1:
異状なし、2:やや艶引け、3:艶引け大、ハガレあ
り。耐ブロッキング性 焼付直後の塗膜に5枚重ねのガーゼと500gの分銅を
のせて、2時間放置した後、ガーゼと分銅を取り除き、
塗膜状態を目視で判定した。 1:異状なし、2:ややガーゼ跡あり、3:ガーゼ跡
大。可とう性 塗装板(基材:ABS樹脂、厚さ約5mm)を手で撓め
た後、塗膜状態を目視で判定した。 1:異状なし、2:ややクラックあり、3:クラック
大、ハガレあり。ポットライフ 塗料を23℃に放置し、ゲル化する(塗料の流動性がな
くなる)までの時間(hr)を測定した。実施例中、部
および%は重量によるもの、比率はモルによるものであ
り、分子量は数平均分子量(Mn)で表されている。
【0039】参考例1ビニル系共重合体(a)の製造 撹拌機、温度計、冷却器および単量体滴下用ロートを備
えた3Lフラスコに、下記溶剤を仕込み、撹拌しなが
ら、85℃に加熱した。 キシレン 580部 n−ブタノール 240部 次いで、下記単量体混合物を滴下用ロートから、一定速
度で3時間かけて滴下した。 メタクリル酸 110部 ジメチルアミノエチルメタクリレート 60部 メチルメタクリレート 280部 スチレン 200部 エチルアクリレート 320部 n−ドデシルメルカプタン 30部 アゾビスイソブチロニトリル 10部 滴下終了後、撹拌しながら85℃で1時間保持し、次い
で、アゾビスイソブチロニトリルの1部を30分ごとに
5回加え、その後、撹拌しながら85℃で2時間保持し
た。このようにして、分子量(Mn)5000、カルボ
キシル基含有量11%、カルボキシル基/3級アミノ基
=1/0.3、不揮発分(NV)55%であるビニル系
共重合体(a−1)の溶液を得た。
【0040】参考例2〜13ビニル系共重合体(a)の製造 参考例2〜13については、単量体混合物の組成を変更
した以外は、参考例1と同様にして(a−2)〜(a−
13)を製造した。仕込み溶剤、単量体混合物の組成、
および、得られたビニル系共重合体(a)の溶液の性質
を表1にまとめて示す。
【0041】実施例1クリア塗料の調整 下記成分を容器に計り取り、十分に撹拌混合した。 ビニル系共重合体(a−1)の溶液 100 部 エポキシ化合物(b−1) 11.6部 自製シンナー 55 部 エポキシ化合物(b−1)は、ナガセ化成(株)製ナコ
ールEX−622(ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、エポキシ当量198)を用い、上記では、(a−
1)のカルボキシル基と(b−1)のエポキシ基の割合
が1:0.8になるように配合した。自製シンナーは、
キシレン50部、n−ブタノール30部、酢酸ブチル2
0部を混合して作成した。このようにして得られたクリ
ア塗料は次ぎの性質を有していた。 塗料不揮発分(塗料NV) 40% 塗料粘度(25℃) フォードカップNO.4 15秒 ポットライフ(25℃) 84時間 ここで、ポットライフとは、クリア塗料を調整してから
ゲル化する(塗料の流動性がなくなる)までの時間であ
る。塗装 石油ベンジンで脱脂したABS樹脂試験片に、膜厚約2
5μの乾燥塗膜が得られるようにスプレーガンを用い
て、上記クリア塗料を塗布し、室温で10分間放置後、
70℃で20分間焼付した。性能評価 塗装後、塗板を室温で3日間放置した後、各種性能試験
を行った。評価結果を表3に示す。本発明の塗料用組成
物によって得られた塗膜は、高鮮映性、高光沢であり、
ABS樹脂への密着性に優れ、かつ、耐酸性、耐水性、
耐溶剤性、耐ブロッキング性、可とう性が、アクリルウ
レタン塗料により得られる塗膜と同様に、優れていた。
【0042】実施例2〜17 表2−1及び表2−2に示すように、実施例1と同様に
して、塗料を調整し、塗装した後、表3に示すように性
能評価した。
【0043】比較例 アクリルウレタン塗料の場合を示す。クリア塗料の調整 下記成分を容器に計り取り、十分に撹拌混合した。 アクリルポリオール樹脂溶液 100 部 イソシアネート化合物 13.7部 自製シンナー 70 部 アクリルポリオール樹脂溶液は“コータックス”LH−
649(NV=55%、樹脂OH価=30、Mn=94
00、当社製)を用いた。イソシアネート化合物はスミ
ジュールN−75(NV=75%、イソシアネート基含
有量=16.5%、住友バイエルウレタン(株)製)を
用い、上記では、アクリルポリオールの水酸基とイソシ
アネート基の割合が1:1になるように配合した。自製
シンナーは、キシレン50部、n−ブタノール30部、
酢酸ブチル20部を混合して作成した。
【0044】このようにして得られたクリア塗料は次ぎ
の性質を有していた。 塗料NV 35.5% 塗料粘度(25℃) フォードカップNO.4 15 秒 ポットライフ(25℃) 84 時間塗装 実施例1とまったく同じ方法で行った。性能評価 実施例1とまったく同じ条件で各種試験を行った。結果
を表3に示す。このようにして得られた塗膜は鮮映性が
かなり劣っていた。
【0045】
【発明の効果】本発明の溶剤型塗料用組成物は、上記構
成としたことにより、次ぎの効果を奏する。 (1)塗膜が鮮映性に優れている。 (2)光沢、耐酸性、耐水性、耐溶剤性、耐ブロッキン
グ性、可とう性などの塗膜性能が、アクリルウレタン塗
料によって得られる塗膜と同等に優れている。 (3)塗膜がプラスチック基材への密着性に優れてい
る。 (4)低温硬化性に優れている。 (5)塗料の毒性が少ない。 (6)塗料をハイソリッド化できる。 (7)塗料のポットライフが、室温で48時間ないし1
20時間と長い。 (8)スプレー塗装などの通常の塗装方法で塗装するこ
とができる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−266126(JP,A) 特開 昭59−142220(JP,A) 特開 昭59−56423(JP,A) 特開 昭53−74553(JP,A) 特開 昭51−30232(JP,A) 特公 昭61−6866(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 163/00 - 163/10 C08G 59/20 - 59/32 C08G 59/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基および3級アミノ基または
    その塩からなる基を有するビニル系共重合体(a)と1
    分子中にエポキシ基を2個以上有するソルビトールポリ
    グリシジルエーテル(b)とから成る溶剤型塗料用組成
    物。
  2. 【請求項2】ビニル系共重合体(a)が、3〜15重量
    %のカルボキシル基と該カルボキシル基に対するモル比
    が0.2〜0.8の3級アミノ基またはその塩からなる
    基を有し、数平均分子量が2,000〜10,000で
    ある請求項1記載の溶剤型塗料用組成物。
  3. 【請求項3】ビニル系共重合体(a)のカルボキシル基
    に対するソルビトールポリグリシジルエーテル(b)の
    エポキシ基のモル比が0.4〜1.5である請求項1ま
    たは2記載の溶剤型塗料用組成物。
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