JP2905487B2 - 排紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、画像形成が終了した用紙を機外へ排出す
る排紙装置に関する。

〔従来の技術〕

一般的に、複写機では排紙部でコピー終了後の用紙に
ジヤムが生じた場合には、まず最初に外装カバーを開い
て内部の把手やレバー等を操作し、ガイド板等によつて
形成される搬送経路を用紙搬送面で開き、そのジヤム紙
を除去するようにしている。

また、用紙が定着部でジヤムを生じた場合には、その
外装カバーを開いた状態で定着ユニツトを引き出した
り、定着ユニツトのローラに連結するノブを回転させた
りして、そのジヤム紙を取り除くようにしている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような方法によつてジヤム紙を取
り除く場合には、上記のように外装カバーを開いてから
把手やレバー等を操作したり、定着ユニツトを引き出し
たり、そのノブを回転させたりしなければならないた
め、ジヤム処理に要する時間が長くかかり、その作業も
工程が多いだけに面倒であつた。

また、複写機にはこのようなジヤム発生時に、用紙搬
送面を境にして一方の側の用紙搬送部全体を開くことが
できるようにしたもの（クラムシエル構造）もあるが、
このような複写機の場合には、定着装置以外の例えば排
紙部でジヤムを生じた場合でも、その用紙搬送部全体を
開かなければならないため、その際排紙部上流側の移動
させる必要のない部分も移動させることになり、場合に
よつてはトナーが落下する等の不具合を生じることがあ
るという問題点があつた。

この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであ
り、用紙が定着装置及びそこを通過した後の排紙部でジ
ヤムを生じた場合に、そのジヤム処理を短時間で容易に
行なうことができ、ジヤム処理操作時に不必要な部分を
移動することなくそれを処理することができると共に、
メンテナンスを容易に行なうことができるようにするこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は上記の目的を達成するため、定着ローラと
加圧ローラとを有する定着装置から用紙を分離する分離
手段と、その分離された直後の用紙を搬送する対の搬送
コロからなる搬送手段と、その搬送手段によつて搬送さ
れる用紙を対をなすガイド手段によつて排出方向へ案内
する搬送経路とを備え、そのガイド手段がその用紙搬送
面を境に開閉可能な排紙装置において、 上記分離手段と上記対の搬送コロの一方と上記対をな
すガイド手段の一方とを有し、支持部材に回動可能に軸
支されて定着装置の定着ローラ及び加圧ローラに対して
開閉可能であり、閉じられている時に上記分離手段が定
着装置から用紙を分離する位置になる第１の排紙ユニツ
トと、 その第１の排紙ユニツトと別体に形成され、上記支持
部材に回動可能に軸支されて第１の排紙ユニツトとは独
立して単独で開閉が可能であり、上記対の搬送コロの他
方と上記ガイド手段の他方とを有する第２の排紙ユニツ
トとを設け、 その第２の排紙ユニツトを上記ガイド手段の他方を上
記ガイド手段の一方に対して離すように開いた時に上記
搬送経路がその用紙搬送面を境にして開放されると共に
上記対の搬送コロが互いに離間するようにしたものであ
る。

そして、上記支持部材を本体とし、第１の排紙ユニツ
ト及び第２の排紙ユニツトが共に同じ方向に開閉可能で
あるようにするとよい。

さらに、上記第１の排紙ユニツト及び第２の排紙ユニ
ツトは、同軸上に回動可能に軸支されているようにする
とよい。

〔作用〕

このように構成した排紙装置によれば、用紙が分離手
段の部分や、そこを通過した後の用紙を装置外部へ搬送
する搬送手段の部分でジヤムを生じた場合には、装置を
ガイド手段の用紙搬送面を境に開けば、搬送経路はその
用紙搬送面を境に分離するので、そのジヤム処理操作を
短時間で容易に行なうことができる。

また、第１の排紙ユニツト及び第２の排紙ユニツト
が、同軸上に回動可能に本体に軸支されているようにす
れば、その一方を回動させると他方も同時に回動させる
ことができるようになるので、より操作性が向上する。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例に基づいて具体的に説明す
る。

第１図はこの発明の一実施例を示す複写機の排紙装置
の構成を示す正面図、第２図は第１図の排紙装置の装着
した複写機全体を示す全体構成図である。

この複写機は、第２図に示すように定着装置３と別体
で支軸11を中心として矢示Ａ方向に開閉する支持部材で
ある本体側板58に、その定着装置３以降の搬送経路を用
紙搬送面を境に開閉可能な２つの第１の排紙ユニツト５
と第２の排紙ユニツト６とを、支点部Ｓで同軸上に回動
可能に軸支している。

そして、この複写機は、給紙カセツト２から給紙した
転写紙である用紙Ｐを定着装置３まで搬送する用紙搬送
ユニツト１に、本体側板58と一体の作像ユニツト10を支
軸11によつて第２図の矢示Ａ方向に回動可能に取付け、
その作像ユニツト10の上部に原稿循環装置４を搭載して
いる。

作像ユニツト10は、第２図に示す開放状態において用
紙搬送面を境に用紙搬送ユニツト１と分離し、それによ
つて用紙搬送ユニツト１の搬送経路上でジャムが生じた
場合には、そのジヤム紙を容易に取り出すことができる
と共にメンテナンス処理も容易に行なえるようになつて
いる。

なお、用紙搬送ユニツト１と作像ユニツト10は、左方
に取り付けたシヨツクアブソーバ12によつて連結されて
おり、作像ユニツト10を開閉した際にその衝撃が和らげ
られるようになつている。

用紙搬送ユニツト１には、給紙カセツト２内の最上位
の用紙上面に圧接回転する給紙ローラ13と、片側のレジ
ストローラ14aと、転写部15と、定着装置３等が設けら
れている。

また、作像ユニツト10には、その略中央下部に感光体
ドラム17が矢示方向に回転可能に設けられており、その
回りには帯電チヤージヤ18,現像器19及びクリーニング
装置21等が配設され、用紙搬送ユニツト１側のレジスト
ローラ14aに対応する位置にはもう一方のレジストロー
ラ14bが設けられている。さらに、作像ユニツト10の上
方には、コンタクトガラス22、露光ランプ23等を有する
露光部８を設けている。

原稿循環装置４は、第３図にその詳細を示すように、
上下に上部装置部材25と下部装置部材26を配置し、その
下部装置部材26の右方下端を作像ユニツト10の固定部に
軸27によつて矢示Ｂ方向に回動可能に軸支すると共に、
上部装置部材25の右方下端を下部装置部材26に軸28によ
つて矢示Ｃ方向に回動可能に軸支している。

その上部装置部材25には、原稿の搬送方向（第３図で
左右方向）に間隔を置いて上ピンチコロ29,29を回転可
能に支持し、その各上ピンチコロ29,29に対応する位置
に図示しない駆動源によつて矢示Ｅ方向にそれぞれ回転
される駆動コロ31,31を、下部装置部材26に回転可能に
設けている。

また、その各駆動コロ31,31の下部を、作像ユニツト1
0の固定部上方に回転可能に支持した各下ピンチコロ32,
32に、第３図に示す下部装置部材26を閉じた状態で原稿
の搬送に適した所定の加圧力で接するように圧縮させて
いる。

そして、上，下部装置部材25,26を共に閉じた状態
で、その間に原稿Ｄを繰返し循環搬送可能な弧状のガイ
ド部33a,33bを有するリターン搬送路33を形成してい
る。

その弧状のガイド部33bの入口部には、原稿Ｄを循環
搬送と装置外部への排出の何れかに切り換えるリピート
爪34を矢示Ｆ方向に回動可能に設けると共に、下部装置
部材26の両駆動コロ31と31の略中間の露光位置となる露
光部８に、コンタクトガラス22上を搬送される原稿Ｄの
上面を軽く押圧して、露光時の原稿平面性を与える原稿
押圧板35を設けている。

また、下部装置部材26の左方を突出させて原稿テーブ
ル部26aとし、上部装置部材25との間に原稿挿入口16を
形成すると共に、その上部装置部材25と下部装置部材26
との間にダンパースプリング37を、下部装置部材26と作
像ユニツト10の固定部との間にダンパースプリング38を
それぞれ係着し、上，下部装置部材25,26の開閉時にお
ける衝撃を和らげるようにしている。

一方、作像ユニツト10側には、定着装置３（第２図）
によつて顕像が定着された転写紙である用紙Ｐを、装置
外部へ排出するために作像ユニツト10の右方上部に形成
した上方の排出口41に近接して、原稿ケーブル兼用の排
紙スタツカ43を支持部43aで回動可能に支持している。

そして、露光位置に設けられているコンタクトガラス
22の上面と同一面になり、駆動コロ31と下ピンチコロ32
の間へ原稿を挿入するための原稿テーブルとなる第３図
に仮想線で示す位置に排紙スタツカ43を回動させた時
に、それを検知する例えば透過型のフオトセンサである
検知手段44を、排紙スタツカ43の一端に形成した遮光部
43bに対応する位置に固定している。

また、コンタクトガラス22の下部には、露光ランプ23
と共にリンス48（ルーフミラーレンズアレイ）を配設し
ている。

なお、第３図で45は原稿挿入検知センサであり、下部
装置部材26と作像ユニツト10の上面との間に形成される
原稿挿入口46から挿入した原稿Ｄを検知する。

また、47は排紙スタツカ43が第３図に実線で示す位置
にあるときに、上方の排出口41から排出される用紙Ｐの
先端側をスタツクする上部スタツカである。

次に、定着装置３の周辺部と第1,第２の排紙ユニツト
5,6について第１図及び第４図乃至７図を参照して詳細
に説明する。

定着装置３は、第１図に示すように作像ユニツト10の
開放時（第２図の状態）に移動しない側となる用紙搬送
ユニツト１の最も用紙搬送下流側（右方）に配置され、
用紙搬送ユニツト１の図示しない側板に矢示Ｍ方向に回
転可能に取付けた定着ローラ52に、加圧ローラ53を下側
から所定の加圧力で圧接させている。

その加圧ローラ53は、軸部53aを回転可能に嵌入した
軸受54の両側に平行する２面を形成し、その２面を用紙
搬送ユニツト１の側板に固設される支持ブラケツト55の
軸受溝55aに嵌入し、第３図の矢示Ｈ方向に移動可能に
なつている。

また、支持ブラケツト55に加圧レバー56をピン57によ
つて第３図の矢示Ｉ方向に回動可能に軸支し、その加圧
レバー56を図示しないスプリングによつて反時計回り方
向に回動付勢して、そのレバー上面を加圧ローラ53の軸
部53aの下部に押し当て押圧している。

そして、その加圧レバー56の先端部（右方）に、第４
図に示すように押下部56aを形成し、用紙搬送ユニツト
１の底部に固定される支持板49に支軸11によつて矢示Ａ
方向に回動可能に支持される本体側板58（作像ユニツト
10と一体で回動する）の押下部56aに対応する位置に、
本体側板58を矢示A1方向に回動させたときに押下部56a
に当接して、それを押し下げる突起61を固設している。

また、第１及び第２の排紙ユニツト５及び６は、第１
図に示すように一対の側板62（片側のみを図示してい
る）とベース63の下部が、共に支点部Ｓ（第５図も参
照）で矢示Ｊ方向に回動可能に軸支され、分離手段であ
る分離爪75を有する第１の排紙ユニツト５は、図示のよ
うに閉じられている時に分離爪75が定着装置３から用紙
を分離する位置になり、その位置から第５図に示すよう
に本体側板58に対して開くことができるようになつてい
る。また、第２の排紙ユニツト６も、第１図に示すよう
に本体側板58に対して開くことができるようになつてい
る。

その支点部Ｓは、第７図に示すように本体側板58の下
部に形成した孔58aに、両側の側板62（片側のみ図示し
ている）にそれぞれ内側へ突出させて固設した軸64を回
動可能に嵌入すると共に、ベース63（第１図）に固定さ
れるブラケツト65及びサブブラケツト66によつて支持さ
れる移動軸67の右端部分を回動可能に嵌入したものであ
る。

なお、この移動軸67は、その細径部に嵌装したスプリ
ング68によつて常に第７図で右方へ突出付勢されるよう
になつており、その右端部が軸64の左端面に当接する。
したがつて、この移動軸67を左方へ移動させれば、それ
を孔58aから容易に取外すことができる。

第１の排紙ユニツト５は、第７図に示すように両側の
側板62と62を十分な剛性を有するステー71によつて連結
し、第１図に示すようにその側板62に、定着装置３によ
つて顕像が定着されて定着ローラ52から分離された直後
の用紙を装置外部へ搬送する対の搬送コロの一方である
駆動側の搬送コロ72を矢示方向に回転可能に支持してい
る。

そして、その側板62には、搬送コロ73も矢示方向に回
転可能に支持している。

また、その第１の排紙ユニツト５には、搬送コロ72,7
3等によつて搬送される用紙を排出方向へ案内する対を
なすガイド手段の一方となる上ガイド板74と、ステー71
の定着装置３側に回動可能に支持され、その第１の排紙
ユニツト５を閉じたときに先端の爪部がスプリング76の
スプリング力によつて常時定着ローラ52の外周面に用紙
分離に適した所定の接触圧で接する分離爪75とを設けて
いる。

さらに、そのステー71のコ字部内側に、第１の排紙ユ
ニツト５に対する第２の排紙ユニツト６の開閉状態を検
知するセーフテイスイツチ77を取付けると共に、そのス
テー71の上面に固定板81をネジ止めし、その固定板81に
第２の排紙ユニツト６側の後述するロツクレバー78と係
合する固定軸79を固定している。

また、第５図に明示するように、この第１の排紙ユニ
ツト５の側板62の定着装置３側の端部に係合孔82を形成
し、第１の排紙ユニツト５を閉じたとき（第６図）に、
その係合孔82内へ本体側板58側に取付けられて図示しな
いスプリング等によつて常時は突出側に付勢され、第１
の排紙ユニツト５の開閉時に接触して出入りする係合ピ
ン83を嵌入させ、その閉じた状態が保てるようにしてあ
る。

第２の排紙ユニツト６は、第１図に示すようにそれを
閉じたとき（第６図）に第１の排紙ユニツト５側の搬送
コロ72及び73に圧接し、それに連れ回りされて定着装置
３によつて顕像が定着された用紙を装置外部へ搬送する
対の搬送コロの他方である従動側の搬送コロ84及び85を
回転可能に設けると共に、上ガイド板74に対応し、その
間に所定の用紙搬送に適した所定の間隙を形成すると共
に下搬送経路89（第６図）を形成する対をなすガイド手
段の他方となる複数本の下ガイド棒（ガイド板であつて
もよい）86を設けている。

また、第６図に示すように、上ガイド板74の上方の排
出口41側との間に上搬送経路92を形成するガイド板87
と、下ガイド棒86の下方の排出口93側との間に下搬送経
路89を形成するガイド板88をそれぞれ設けている。そし
て、その下搬送経路89の排出口付近に、下搬送用の駆動
側の搬送コロ94と従動側の搬送コロ95とを矢示方向に圧
接回転可能に設けている。

さらに、この第２の排紙ユニツト６には、それを第１
の排紙ユニツト５に閉じたときに、搬送コロ72と84とに
よつて上ガイド板74と下ガイド棒86との間に搬送される
用紙の排出方向を、上搬送経路92又は下搬送経路89の何
れかに切り換え可能な分岐爪96を軸97によつて回動可能
に支持している。

その分岐爪96は、第７図にも示すように軸97に固設し
た切り換えレバー98の一端を戻しスプリング99（第１図
も参照）の一端に係着し、その戻しスプリング99の他端
をブラケツト65に係着している。また、その切り換えレ
バー98の他端をブラケツト65に固定されるソレノイド10
0の可動軸に連結している。なお、軸97はその一端付近
がブラケツト65に、また他端が図示しないブラケツト等
によつてそれぞれ軸受を介して回転可能に支持されてい
る。

また、この第２の排紙ユニツト６は、第６図に示すよ
うにその右側面に外装カバー101をベース63に一体に固
定しており、その外装カバー101に平行するベース面63a
に、第２の排紙ユニツト６を閉じたときにセーフテイス
イツチ77の検知部に当接してそれを押し戻すことにより
閉状態を検知させる押圧レバー102を固設している。

さらに、この第２の排紙ユニツト６には、排出する用
紙のジヤムを検知するためのセンサ（例えばフオトイン
タラプタ，反射型のフオトセンサ等）が搬送経路上の各
部にそれぞれ配設されている。

すなわち、搬送コロ84に近接する位置に定着出口部及
び分離爪75におけるジヤムを検知するためのセンサ103
を、分岐爪96以降のジヤムを検知するために上搬送経路
92にセンサ104を、下搬送経路89にセンサ105をそれぞれ
配設している。

次に、第２の排紙ユニツト６を閉じた時にそれを第１
の排紙ユニツト５にロツクするロツク機構について、第
８図乃至第10を参照して詳細に説明する。

第２の排紙ユニツト６の第１の排紙ユニツト５へのロ
ツクは、第８図に示すように第２の排紙ユニツト６側の
レバー軸106によつて矢示Ｋ方向に回動可能に支持され
るロツクレバー78が、第１の排紙ユニツト５側の固定軸
79に端面78aが当接することにより、仮想線で示す位置
から実線で示す位置に回動して、ロツク溝78b内に固定
軸79を係合することにより行なわれる。

そのロツクレバー78は、第９図及び第10図に示すよう
に上方寄りにレバー軸106を、下方にスプリング受け軸1
08を共に略中央まで貫通させて一体に固設し、そのレバ
ー軸106の両端をベース63にネジ止め固定した支持ブラ
ケツト107に回動可能に支持すると共に、スプリング受
け軸108の両端にスプリング109,109の一端をそれぞれ係
着し、その他端を支持ブラケツト107の両側に形成した
スプリング受け107a,107aにそれぞれ係着している。

そして、このロツクレバー78は、第２の排紙ユニツト
６を開いた時には、第８図に実線で示す位置から固定軸
79によつて矢示K1方向へ回動され、その背面78cが支持
ブラケツト107に固定されるストツパ軸110に仮想線で示
すように当接することによつてその回動位置が規制さ
れ、閉じたときにはその背面78cが第９図に示すように
支持ブラケツト107の底面107bに当接してその回動位置
が規制される。

次に、上記のように構成したこの実施例の作用を説明
する。

まず最初に、小サイズで厚手でなく切り貼りもしてい
ない原稿をコピーする場合には、排紙スタツカ43を第３
図に実線で示す原稿テーブルとして使用しない位置に回
動させる。

このようにすると、検知手段44はその検知部が排紙ス
タツカ43の遮光部43bによつて遮光されないため、検知
信号を出力しないのでソレノイド100（第７図）は駆動
されない。したがつて、分岐爪96はスプリング99の付勢
力によつて第６図に示す用紙を上方の排出口41へ通じる
上搬送経路92へ導く位置になつている。

次に、原稿Ｄを原稿循環装置４の原稿テーブル部26a
から原稿挿入口16へ挿入すると、その原稿挿入が図示し
ないセンサによつて検知され、駆動コロ31が矢示Ｅ方向
に回転して原稿Ｄがリターン搬送路33の弧状のガイド部
33aによつて搬送方向を変えられながら露光部８へ搬送
され、そこでその原稿Ｄが搬送されながら露光ランプ23
によつて照射され、所定の露光が行なわれる。

そして、その原稿Ｄは、１枚のみコピーする場合には
リピート爪34が第３図に図示の位置にあるのでそのまま
機外へ排出されるが、複数枚コピーする場合にはリピー
ト爪34が時計方向に回動しているので、弧状のガイド部
33bへ送られて繰り返し循環搬送され、コピー数に等し
い回数だけ循環されると再び第３図の位置に切り換えら
れたリピート爪34によつて機外へ排出される。

一方、転写紙である用紙Ｐは、第２図の給紙カセツト
２から給紙ローラ13によつて給紙され、それに転写部15
で感光体ドラム17上の顕像（トナー像）が転写され、そ
れが定着装置３によつて定着されて第６図に示すように
分離爪75で定着ローラ52から分離され、上ガイド板74と
下ガイド棒86の間に送り出される。

そして、その用紙Ｐは上搬送経路92へ導く位置になつ
ている分岐爪96を通つて上方の排出口41へ排出され、そ
れが排紙スタツカ43上にスタツクされる。

また、搬送方向に長い大サイズ又は厚手や切り貼りの
ある原稿をコピーする場合には、排紙スタツカ43を第３
図に仮想線で示す原稿テーブルとなる位置に回動させ
る。

このようにすると、検知手段44の検知部が排紙スタツ
カ43の遮光部43bによつて遮光されて検知信号を出力す
るため、ソレノイド100が駆動して分岐爪96を、用紙を
下方の排出口93へ通じる下搬送経路89へ導く方向に切り
換える。

次に、今度は上面が露光位置と同一面の原稿テーブル
になつている排紙スタツカ43の上面から原稿Ｄを挿入す
ると、その原稿が原稿挿入検知センサ45によつて検知さ
れ、駆動コロ31が矢示Ｅ方向に回転して、それが直線搬
送で露光部８のコンタクトガラス22上へ搬送され、前述
の場合と同様に露光が行なわれる。

したがつて、原稿は搬送方向が変えられることなく直
線搬送されるので、それがたとえ厚手や切り貼りのある
原稿であつても支障を来すことなくそれが搬送される。

一方、転写紙である用紙Ｐは、前述の場合と同様に給
紙カセツト２から給紙されて、定着装置３によつて顕像
が定着され、下搬送経路89へ導く位置になつている分岐
爪96を通つて下方の排出口93へ排出されるので、この複
写機を載置するテーブルの下に大サイズの用紙をスタツ
ク可能な大きさの用紙収納部を予め装着しておけば、そ
の排出口93から排出される用紙はそれが大サイズであつ
てもその用紙収納部へ確実にスタツクされるので、スタ
ツク後にはそれを容易に取り出すことができる。

なお、この実施例では、排紙スタツカ43を回動させて
手差しの原稿テーブルとして使用したときには、それを
検知手段44が検知してソレノイド100を駆動し、分岐爪9
6を用紙を下方の排出口93へ導く方向に必ず切り換える
ため、用紙が上方の排出口41へ排出されることはないの
で、用紙が排紙スタツカ43と干渉することは全くない。

また、この実施例による複写機では、分離爪75でジヤ
ムが生じた時には作像ユニツト10（本体側板58と一体）
を開けるだけで、分離爪75が定着ローラ52から離れ、加
圧レバー56が第４図に示すように押し下げられ、加圧ロ
ーラ53は実線で示すように定着ローラ52から離れるの
で、面倒な操作をすることなしにジヤム紙を容易に取り
出すことができる。

さらに、用紙後端が定着装置３にあつたり、そこを通
過した後でジヤムを生じた場合には、第２の排紙ユニツ
ト６を開けるだけで、同様にジヤム処理を短時間で容易
に行なうことができ、その際作像ユニツト10を移動させ
ないですむので、トナーが落下する等の不都合を生じる
こともない。

また、この実施例では、定着装置３及び分離爪75のメ
ンテナンス時には、第１の排紙ユニツト５を開けば、第
1,第２の排紙ユニツト5,6は共に同一の支点部Ｓ（第６
図）を中心に回動するようになつているので、第２の排
紙ユニツト６も同時に開かれるので操作性がよい。

また、上記実施例は原稿循環型の原稿搬送装置を搭載
した複写機の場合の例について説明したが、この発明は
原稿搬送装置を持たない複写機についても同様に適用す
ることができる。

さらに、上記実施例では、第1,第２の排紙ユニツト5,
6を、同一軸線上（第６図の支点部Ｓ）に配置した異な
る２本の軸64と移動軸67とによつて回動可能にそれぞれ
軸支し、一方の第１の排紙ユニツト５を開けば第２の排
紙ユニツト５も同時に開くようにしたが、これを１本の
軸で第1,第２の排紙ユニツト5,6を共に軸支するように
してもよいし、またその第１と第２の排紙ユニツトの支
点部Ｓの位置をそれぞれ異ならせてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、定着装置及
びそれ以降の排紙部のメンテナンスを容易に行なうこと
ができると共に、用紙が定着装置及びその排紙部でジヤ
ムを生じた場合には、ジヤム処理を短時間で容易に行う
ことができる。しかも、その際ジヤム処理操作に不必要
な部分は移動させないので、トナー落下等の不都合を生
じることもない。

また、第１と第２の排紙ユニツトを同軸上に回動可能
に支持した場合には、その一方を回動させるだけで他方
の排紙ユニツトも同時に回動させることが可能になるの
で、より操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す複写機の排紙装置の
構成を示す正面図、 第２図は第１図の排紙装置を装着した複写機全体を用紙
搬送ユニツトを境に分離開放した状態で示す全体構成
図、 第３図は第２図の原稿循環装置と排紙スタツカ付近を示
す概略構成図、 第４図は作像ユニツトを開放したときに加圧ローラ53が
定着ローラ52から離れる状態を説明するための正面図、 第５図は第１の排紙ユニツト５を開放した状態を簡略化
して示す第１図と同様な正面図、 第６図及び第７図は第1,第２の排紙ユニツト5,6を共に
閉じた状態を示す第１図と同様な正面図及びその右側面
から見た構造を示す側面図、 第８図乃至第10は第２の排紙ユニツト６を第１の排紙ユ
ニツト５にロツクするロツク機構をそれぞれ示す係合状
態を示す正面図、ロツクレバー側を示す正面図及びその
左側面図である。 １……用紙搬送ユニツト、３……定着装置 ５……第１の排紙ユニツト ６……第２の排紙ユニツト 10……作像ユニツト 58……本体側板、64……軸 67……移動軸 72,73,84,85,94,95……搬送コロ 74……上ガイド板（ガイド手段） 87,88……ガイド板 75……分離爪（分離手段）、89……下搬送経路 86……下ガイド棒（ガイド手段） 92……上搬送経路、96……分岐爪 Ｄ……原稿、Ｐ……用紙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｇ０３Ｇ 15/20 １０６ Ｇ０３Ｇ 15/20 １０６ (56)参考文献 特開 昭62−31640（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−183667（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−187866（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−212663（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−295868（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−92135（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−279869（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−2637（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−146138（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−167032（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65H 29/12 - 29/22 B65H 29/52 B65H 5/02 B65H 5/06 B65H 5/36 - 5/38 B65H 7/00 - 7/20 B65H 43/00 - 43/08 G03G 15/00 518 G03G 15/00 526 G03G 15/00 530

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】定着ローラと加圧ローラとを有する定着装
   置から用紙を分離する分離手段と、その分離された直後
   の用紙を搬送する対の搬送コロからなる搬送手段と、該
   搬送手段によって搬送される用紙を対をなすガイド手段
   によって排出方向へ案内する搬送経路とを備え、該ガイ
   ド手段がその用紙搬送面を境に開閉可能な排紙装置にお
   いて、 前記分離手段と前記対の搬送コロの一方と前記対をなす
   ガイド手段の一方とを有し、支持部材に回動可能に軸支
   されて前記定着装置の定着ローラ及び加圧ローラに対し
   て開閉可能であり、閉じられている時に前記分離手段が
   前記定着装置から用紙を分離する位置になる第１の排紙
   ユニツトと、 該第１の排紙ユニツトと別体に形成され、前記支持部材
   に回動可能に軸支されて前記第１の排紙ユニツトとは独
   立して単独で開閉が可能であり、前記対の搬送コロの他
   方と前記ガイド手段の他方とを有する第２の排紙ユニツ
   トとを設け、 該第２の排紙ユニツトを前記ガイド手段の他方を前記ガ
   イド手段の一方に対して離すように開いた時に前記搬送
   経路がその用紙搬送面を境にして開放されると共に前記
   対の搬送コロが互いに離間するようにしたことを特徴と
   する排紙装置。
2. 【請求項２】前記支持部材は本体であり、前記第１の排
   紙ユニット及び第２の排紙ユニツトは共に同じ方向に開
   閉可能であることを特徴とする請求項１記載の排紙装
   置。
3. 【請求項３】前記第１の排紙ユニツト及び第２の排紙ユ
   ニツトは、同軸上に回動可能に軸支されていることを特
   徴とする請求項２記載の排紙装置。