JP2903763B2 - 光学式記録再生装置の精密角度変位機構 - Google Patents

光学式記録再生装置の精密角度変位機構

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JP2903763B2 JP11331891A JP11331891A JP2903763B2 JP 2903763 B2 JP2903763 B2 JP 2903763B2 JP 11331891 A JP11331891 A JP 11331891A JP 11331891 A JP11331891 A JP 11331891A JP 2903763 B2 JP2903763 B2 JP 2903763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学式記録再生分野に
おいて、分離型光学系を有する光学式記録再生装置の微
小のトラッキングを行う精密角度変位機構の磁気回路の
構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の精密角度変位機構の一例を図6、
図7に基づいて説明する。反射鏡と保持部材とコイルよ
りなる可動部の両側に磁石及びヨ−クが配置され、それ
ぞれの磁石とヨークでそれぞれ閉じた磁界を発生してい
る。また、保持部材の両側に固着されるコイルはそれぞ
れ磁界中に配置され、コイルに通電するとフレミングの
法則に従いそれぞれのコイルに逆向きの電磁力が生じる
ように結線されている。コイルに通電すると、反射鏡に
入射するレーザ光の光軸と平行な軸を中心とするトルク
を発生し、反射鏡、保持部材、コイルから構成される可
動部を回転させることになる。そこで、コイルに通電す
る電流の向きを制御することにより、電磁力によるトル
クの向きを変え、可動部の回転角度を制御しているので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来技
術では、それぞれのコイルの有効部二個のうち一個に対
してのみ磁石を配置し電磁力を発生する構成になってい
た。そのため、可動部の回転中心回りのコイルの慣性モ
ーメントの大きさに対する、コイルで発生する電磁力に
よるトルクの割合は小さく効率が悪かった。また、コイ
ルで発生する電磁力のうち可動部の回転中心回りのトル
クとなる成分以外の力が可動部を左右に動かす力になる
ため、可動部に働く力のバランスが悪く、可動部に回転
運動以外の並進運動をさせることになる。そこで本発明
はこの様な問題点を解決するもので、可動部の回転中心
回りのコイルの慣性モーメントの大きさに対する、コイ
ルで発生する電磁力によるトルクの割合を増加し効率を
上げ、さらに可動部に働く力のバランスを良くし、可動
部の並進運動に寄与する力を減らし回転運動性能を上げ
た光学式記録再生装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学式記録再生
装置の精密角度変位機構は、可動部が、反射鏡とこの反
射鏡を保持する保持部材とこの保持部材の両側に固着さ
れたコイルとにより構成されると共に、可動部は反射鏡
に入射する光ビームの光軸と平行な軸を中心として回転
可能であり、コイルと離間した位置にそれぞれヨークを
配置し、このそれぞれのヨークにコイルに面して異なる
磁極を有する二個の磁石を配置し、コイルに通電した時
に発生する電磁力がそれぞれ逆向きに発生するように二
個のコイルを結線すると共に、コイルと磁石は、可動部
の回転軸に沿ってこの回転軸と平行方向に形成されてお
り、かつ、可動部の回転中心と、電磁力によって発生す
るトルクの中心とを一致させたことを特徴とする。
【0005】この場合、ヨークに設けられた凹部に磁石
を配置するようにしてもよい。
【0006】
【0007】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の一実施例である精密角度変
位機構の主要構成図、図2にその磁気回路の概略を示
す。一般的には、精密角度変位機構はガルバノミラーと
呼ばれている。反射鏡1は保持部材2に保持され、保持
部材2の両側にコイル3a、3bが固着されている。レ
ーザ光6aは、反射鏡1にて方向を変えられレーザ光6
bとなる。反射鏡1、保持部材2、コイル3a、3bで
構成される可動部の両側には空隙をおいて、二つの磁気
回路が配置されている。一つの磁気回路に磁気的に磁極
が異なる磁石4が二個使われ、磁石4aと磁石4cの着
磁方向は矢印8a方向であり、逆に磁石4bと磁石4d
の着磁方向はは矢印8b方向になっている状態でそれぞ
れヨーク5に固定されている。磁石4aから発生した磁
束は図2の曲線で示すようにコイル3aを含む空間を曲
線を描きながら逆の磁極をもつ磁石4bに向かって磁界
を形成し、同様に、磁石4dから発生した磁束はコイル
3bを含む空間を曲線を描きながら逆の磁極をもつ磁石
4cに向かって磁界を形成している。コイル3aには矢
印7a方向、コイル3bには矢印7b方向に通電する
と、コイル3aには矢印9a方向、コイル3bには矢印
9b方向の電磁力が生じ、可動部の回転中心と平行な軸
を中心とするトルクを発生し、可動部を回転させ、微小
のトラッキングを行う。
【0008】本実施例の磁気回路は一個のコイルのうち
二個の有効部分に対して同じ強さの電磁力を発生させる
為、コイルの慣性モーメントの大きさに対するトルクの
割合は従来技術で述べた磁気回路に対し約2倍の大きさ
になる。よって、コイルに無駄が少なくなり、コイルを
小さくし可動部の軽量化を行い、精密角度変位機構の小
型化ができる。あるいは、コイルに供給する電力を小さ
くできるため、省エネルギにも貢献する。
【0009】また、磁石4aに対するコイル3aの有効
部分に発生する電磁力の可動部の回転中心と平行な軸回
りのトルクとなる成分以外の力と磁石4dに対するコ
イル3bの有効部分に発生する電磁力の可動部の回転中
心と平行な軸回りのトルクとなる成分以外の力とは、
向きで力の大きさは同じであるため相殺される。また、
磁石4bに対する磁石4cにも同様の結果が得られるた
め、可動部の並進運動に寄与する力を減らし、概ね可動
部に働く力は可動部の回転中心と平行な軸回りのトルク
のみになり、従来技術で述べた磁気回路に対し、バラン
スは良くなり、可動部の回転運動性能は飛躍的に上が
る。この時、可動部の回転中心とトルクの中心一致さ
せると、さらに可動部の回転運動性能は上がることにな
る。磁石の位置としては、磁石4aと磁石4bの交換、
磁石4cと磁石4dの交換、を行っても同様効果は得
られる。
【0010】コイル3a、3bとしては、ボビンのない
空芯コイルを使用すると、慣性モーメントはさらに小さ
くなり、また、偏平なマグネットワイヤを巻いたコイル
を使用すると、コイルの占積率が上がるため、同じ大き
さのトルクを発生する為に必要なコイルの体積が減り、
同時に慣性モーメントも減ることになり、精密角度変位
機構の小型化と省エネルギへとつながる。
【0011】(実施例2)図3に他の実施例の磁気回路
の概略を示す。実施例1における一つの磁気回路を構成
する対になる磁石4aと磁石4b、磁石4cと磁石4d
が密着した状態でヨーク5に固着した構成になってい
る。本実施例の構成によると、対になる磁石間のコイル
を通過する磁束が実施例1に比較して増加することにな
り、さらに効率良くトルクを発生できる。
【0012】(実施例3)図4に他の実施例の磁気回路
の概略を示す。実施例2において、凹型をしたヨーク5
の凹部に、対になる磁石4aと磁石4b、磁石4cと磁
石4dをそれぞれ固着した構成になっている。本実施例
の構成によると、磁石4の端面付近とヨーク5とで閉じ
る磁気回路の磁束が前述の実施例1、2に比較して、よ
りコイル3に対して直角になり、発生する電磁力のトル
クとなる成分が増える。このため、さらに効率良くトル
クを発生できる。また、磁石4とヨーク5のコイル3に
向かう面を一致させるとさらに効率良くトルクを発生で
きる。
【0013】(実施例4)図5に他の実施例を示す。実
施例2において、磁気的に逆向きの磁極を合わせ持つ単
体の磁石4e、4fをヨーク5に固着した構成になって
いる。本実施例の構成によると、実施例2と同様の効果
を得、さらに、部品点数を減らし組立の作業性を上げる
ことになる。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、コ
イルを有効的に利用することにより可動部を小さくで
き、精密角度変位機構の小型化に貢献し、省エネルギに
もつながる。また、バランスの良い電磁力を発生するた
め、可動部の回転運動性能を飛躍的に上げることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の精密角度変位機構の一実施例を示す
主要構成図。
【図2】 図1で示す実施例の磁気回路をあらわす詳細
図。
【図3】 本発明の他の一実施例の磁気回路を示す詳細
図。
【図4】 本発明の他の一実施例の磁気回路を示す詳細
図。
【図5】 本発明の他の一実施例の磁気回路を示す詳細
図。
【図6】 従来の精密角度変位機構の主な構成を示す斜
視図。
【図7】 図6で示す従来例の磁気回路を示す詳細図。
【符号の説明】
1 … 反射鏡 2 … 保持部材 3a、3b … コイル 4a、4b、4c、4d、4e、4f … 磁石 5 … ヨーク 6a、6b … レーザ光 7a、7b … 通電方向 8a、8b … 着磁方向 9a、9b … 電磁力の方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に情報の記録又は再生を行う光学
    式記録再生装置の精密角度変位機構において、 可動部が、反射鏡とこの反射鏡を保持する保持部材とこ
    の保持部材の両側に固着されたコイルとにより構成され
    ると共に、前記可動部は前記反射鏡に入射する光ビーム
    の光軸と平行な軸を中心として回転可能であり、 前記コイルと離間した位置にそれぞれヨークを配置し、
    このそれぞれのヨークに前記コイルに面して異なる磁極
    を有する二個の磁石を配置し、 前記コイルに通電した時に発生する電磁力がそれぞれ逆
    向きに発生するように二個の前記コイルを結線すると共
    に、 前記コイルと前記磁石は前記可動部の回転軸に沿って
    この回転軸と平行方向に形成されており、かつ、前記可
    動部の回転中心と、前記電磁力によって発生するトルク
    の中心とを一致させたことを特徴とする光学式記録再生
    装置の精密角度変位機構。
  2. 【請求項2】 前記ヨークに設けられた凹部に前記磁石
    を配置したことを特徴とする請求項1記載の光学式記録
    再生装置の精密角度変位機構。
JP11331891A 1991-05-17 1991-05-17 光学式記録再生装置の精密角度変位機構 Expired - Fee Related JP2903763B2 (ja)

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