JP2901815B2 - ポリエステルシボ織物の製造方法 - Google Patents

ポリエステルシボ織物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルシボ織物の
製造方法に関する。さらに詳しくは、製織時の製織性が
良好で且つシボ立て時にはシボ発現性の良好なポリエス
テルシボ織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルマルチフィラメントからシ
ボ織物を製造するには、該マルチフィラメントに約30
00回/mの強撚を付与した後、該強撚糸の製織性を高
めるために蒸熱処理して撚の旋回性を一時固定した後糊
付処理を行ない、次いで製織して得られる生機を熱水中
で緩和処理(以下RX処理と称することがある)して一
時的に固定した強撚糸の旋回性を再発現させると共に糊
剤を脱落させる方法が通常採用される。そして、この時
再発現される旋回性により、布帛に凹凸状のシボが発現
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
方法でポリエステルシボ織物を製造する場合、用いるポ
リエステル繊維の沸水収縮率が7〜9%以上である通常
のポリエステル繊維を用いると、RX処理時の強撚糸の
旋回性が低下すると共に残留トルクも弱くなって、シボ
立ち性が不充分となって風合が低下する。
【0004】従来、ポリエステル繊維の沸水収縮率を低
下させる方法としては、熱セット温度を高める方法ある
いはリラックスさせながら熱セットを施す方法が知られ
ている。しかし、糊剤が付与されるポリエステル繊維の
場合、糊剤の剥離脱落を抑制するために鉱物油や一価エ
ステル化合物を主体成分とする油剤が付与されるが、耐
熱性に乏しいため高温での熱セットに適さないばかり
か、撚糸時に糸切れが多発しやすくなるという問題があ
る。かかる耐熱性を改善するために、ヤシ油やナタネ油
等の如き高分子量トリグリセライドを主体成分とする油
剤を付与すると、今度は製織工程で糊落ち等のスカムが
発生し易くなる。かかる糊落ちを解消する方法として
は、鉱物油を主成分とする油剤を熱セット後に付与する
方法も提案されているが、設備コスト、運転管理、さら
には油剤飛散による作業環境の点で好ましい方法とはい
い難い。
【0005】一方、リラックスさせながら熱セットする
方法は、延伸後に張力を緩和させながら繊維を走行させ
るため、張力調節用ローラーを設置する必要があり設備
コストが上昇するので好ましい方法とは言えない。
【0006】本発明は、上記従来技術を背景としてなさ
れたもので、その目的は、シボ立ち性の良好なポリエス
テルシボ織物を安価に製造する方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、特定組成の油剤を
付与した後延伸熱セットしたポリエステル繊維は、製織
時の工程安定性は良好で、且つ強撚時の毛羽発生、製織
時の糊剤脱落が抑制されて、極めて良好なシボ織物が安
価に得られることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によれば、ポリエステル
を溶融紡糸し、油剤を付与した後に沸水収縮率が5%以
下となるよう延伸熱セットしたポリエステル繊維に強撚
及び糊付けを施した糸条を製織し、しかる後該織物にシ
ボ立て処理を施すシボ織物の製造方法において、前記油
剤が下記(A)〜(C)を必須成分として含有し且つ
(I)〜(III )式を同時に満足することを特徴とする
ポリエステルシボ織物の製造方法、 (A)成分 常温で液状であって、分子量が550〜750の脂肪族
一価アルコールエステル (B)成分 次式で表わされる常温で液状の芳香族エステル
【0009】
【化2】
【0010】[但し、R1 ,R2 は炭素数8〜25のア
ルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、n,mは
1又は2の整数を表わす。] (C)成分 常温で液状であって、分子内に水酸基を1個以上有する
トリグリセライドのアルキレンオキシド付加物 (I)WA +WB =20〜75 (II)WC =2〜15 (III )WA /WB =95/5〜60/40 [但し、WA ,WB 及びWC は、夫々(A)、(B)、
及び(C)成分の油剤有効成分に対する含有量(重量
%)を表わす。]が提供される。
【0011】本発明においては、優れたシボ立ち性、シ
ボ形態を発現させるためには旋回性の再発現を織物中で
最大限に発揮させる必要があり、そのためには、用いる
ポリエステル繊維の沸水収縮率を5%以下、好ましくは
3%以下にすることが重要な意義を有する。
【0012】かかるポリエステル繊維を得るためには、
延伸後に170℃以上、好ましくは190℃以上の温度
で熱セットを行うことが肝要である。しかし一方では、
糊付け後製織するためには糊剤の脱落防止の観点から鉱
物油、低分子量の一価エステルを主体成分とする油剤を
付与することが好ましいとされているが、かかる油剤を
用いて170℃以上の高温で熱処理すると、発煙が多く
作業環境を著しく悪化させるとともにタールの発生が多
くなって得られる製品の品質が低下する。
【0013】本発明者らは、シボ立ち性と糊剤の付着特
性、さらには強撚時の撚糸性及び製織時の工程特性等に
優れたポリエステル糸条について検討を重ねた結果、特
定成分を特定量含有する油剤を付与した後延伸熱セット
を行なったものが最適であるという知見を得た。
【0014】すなわち、本発明では前記(A)〜(C)
成分を必須成分として含有し、且つ(I)〜(III )式
を同時に満足する油剤を付与した後、沸水収縮率が5%
以下となるよう延伸熱セットすることが大切である。
【0015】まず脂肪族一価エステル(A)は、一価の
高級アルコールと、一価又は二価の脂肪族カルボン酸と
から得られるエステル化合物であって、その分子量は5
50〜750、好ましくは600〜700で、かつ常温
で液状を示す必要がある。具体的には、一価の高級アル
コールとして炭素数20〜34の高級アルコールを用
い、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の高級
脂肪酸又はアジピン酸、セバシン酸、チオジプロピオン
酸等の二塩基酸を用いた、モノ又はジエステル化合物を
あげることができ、イソエイコシルステアレート、イソ
ペンタコシルパルミテート、イソペンタコシルオレー
ト、イソペンタコシルエルシネート、等のモノエステ
ル、又はジイソステアリルチオジプロピオネート、ジオ
レイルアジペート、ジイソステアリルセバケート等のジ
エステルを例示することができる。
【0016】ここにおいて、分子量が750を越えるか
又は常温で固体状になる脂肪族一価アルコールエステ
ル、あるいはトリグリセライドであるヤシ油、ナタネ油
等の水酸基を有さない多価アルコールエステルのみをA
成分として用いた場合には、製織時の糊落ちが増大した
り、製糸時に走行糸と糸導との摩擦が増大して単糸切れ
が発生するようになり好ましくない。
【0017】また、分子量が550未満の脂肪族一価ア
ルコールエステルでは、製糸時の熱により揮散し易くな
って発煙が生じ作業環境汚染の要因となるだけでなく、
熱ローラー、糸導等にタールを形成して単糸切れ等の要
因ともなり、また撚糸時の毛羽発生の要因ともなるため
好ましくない。
【0018】次に芳香族エステル(B)は、下記一般式
で表わされる、ビスフェノールAにアルキレンオキサイ
ドを付加した後脂肪族モノカルボン酸でエステル化した
ジエステル化合物である。
【0019】
【化3】
【0020】式中、R1 及びR2 は炭素数8〜25のア
ルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、n、mは
1又は2の整数を表わす。R1 ,R2 の炭素数が8未満
の場合には、潤滑性が低下して耐擦過性が劣化し、原糸
毛羽や撚糸毛羽が増大する傾向にある。一方、炭素数が
25を越える場合には、工業的に入手し難いので好まし
くない。また、アルキレンオキサイドの付加モル数(n
又はm)が0の場合には、該芳香族エステルの性状が常
温で固状となるため、糊付け(サイジング)工程での糊
剤の付着性が阻害され、一方3以上の場合には親水性が
増加して糊皮膜を可塑化するため、せっかく糸上に形成
せしめた糊皮膜の保護作用が低減して製織効率が悪化す
るといった問題が生じる。
【0021】通常好ましく用いられる(B)成分として
は、例えばエチレンオキサイド2モル付加ビスフェノー
ルAのジラウレートをあげることができる。
【0022】本発明において用いられる油剤には、上記
に詳述した(A)成分と(B)成分との合計が、油剤有
効成分に対して20〜75重量%、好ましくは30〜6
5重量%含まれている必要がある。この含有量が20重
量%未満の場合には、製糸に要求される潤滑性を付与す
ることができず単糸切れの発生が増加する傾向にあり、
また製織時の“糊落ち”等の問題に対する改善効果も少
ない。一方、75重量%を越える場合には、油剤系の乳
化安定性に難点を生じるので好ましくない。
【0023】また、本発明においては、(A)成分と
(B)成分との重量比(A/B)が95/5〜60/4
0の範囲内にあることが必要である。B成分の割合がA
とBの合計量に対して5重量%未満の場合には油剤の耐
熱性が低下し、逆に40重量%を越える場合には糸の摩
擦が高くなったり、後加工で糊付製織する際、糸上への
糊皮膜の接着性が低下したり、糊皮膜の凝集力を弱めて
サイジング効果を弱めてしまう結果となる。
【0024】本発明で用いられる油剤のもう一つの必須
成分である分子内に水酸基を有するトリグリセライドの
アルキレンオキシド付加物は、常温で液状であることが
必要である。また、その含有量は油剤の有効成分に対し
て2〜15重量%、好ましくは5〜10重量%含まれる必
要がある。
【0025】本発明は、かかるグリセライドのアルキレ
ンオキサイド付加物がポリエステルオリゴマー(主とし
て環状トリマー)との相溶性に優れ、ポリエステル繊維
製造時に加熱等の処理によって析出されるオリゴマーを
油剤系に溶解させるためと推定されるが、ローラー,糸
導ガイド等へのオリゴマースカム堆積を抑制する効果が
大きいことを見い出したものである。したがって、使用
量があまりに少なすぎるとこれらの効果が発現せず、一
方多すぎると前述A成分の効果(耐糊落ち性)を減ずる
とともに、走行糸と糸導との摩擦も増大して単糸摩擦が
増大したりするため好ましくない。
【0026】また、(C)成分において付加されている
アルキレンオキサイドは、炭素数が2〜4のアルキレン
オキサイドであって特にエチレンオキサイドが好まし
い。またその付加モル数は、水酸基を有するグリセライ
ドに対して4〜30モル、特に8〜15モルが望まし
い。付加モル数がこの範囲をはずれる場合にはポリエス
テルオリゴマーの溶解性が低下するためと推定される
が、オリゴマースカム堆積の抑制効果は低減する傾向が
ある。
【0027】かかるC成分としては、例えば硬化ヒマシ
油のアルキレンオキサイド付加物、及びこれらの脂肪族
モノカルボン酸モノエステル又はジエステルをあげるこ
とができる。具体的には、POE(8)硬化ヒマシ油エ
ーテル(POE(n)はオキシエチレンオキシドの付加
モル数が平均nモルであることを示す。以下同様)、P
OE(12)硬化ヒマシ油エーテル、POE(25)硬
化ヒマシ油ジラウレート等が好ましい。
【0028】なお、本発明の目的を損なわない範囲で他
の油剤成分を含有しても良いことはいうまでもない。か
かる配合剤としては、例えば、耐熱性を有するチオエス
テル系平滑剤、エマルジョンとして用いるための乳化
剤、静電気防止のための制電剤、耐熱性改善のための抗
酸化剤、さらには油剤の極圧潤滑性を高めたり油膜強度
を高めたりするための有機もしくは無機の添加剤等をあ
げることができる。
【0029】かかる油剤をポリエステル繊維に付与する
には、紡出糸条が固化した時点以降であって延伸される
前であればよく、通常は引取りローラーより前の時点で
付与する。付与する好ましい手段としては、上述の油剤
を水系エマルジョンとなし、計量オイリングノズルを介
して付与する方法をあげることができるが、付与量は、
油剤純分として繊維重量に対して0.3〜1.0重量%
とすることが望ましく、かくすることにより得られる繊
維の製織効率等が一段と改善される。
【0030】本発明で用いられるポリエステル繊維は、
上記の油剤が付与された未延伸糸を沸水収縮率が5%以
下となるよう延伸熱セットして得る。例えば、図3に示
される如き装置を用いて1300m/分の速度で引き取
り、次いで引取りローラーと延伸熱セットローラーとの
間で3.0倍に延伸しながら170℃以上の温度で熱セ
ットすればよい。
【0031】かくの如くして製造されたポリエステル繊
維は、常法に従って撚係数K(撚数(回/m)×√(繊
度))=15000以上の強撚を施した後、糊付けして
製織され、しかる後得られた織物は例えば温度80〜1
00℃の熱水中に浸漬してシボ立てされる。
【0032】
【発明の効果】以上に述べた本発明の方法によれば、従
来の方法からは得ることの難しかった熱水収縮率が5%
以下であり、且つ製糸時のスカム発生、撚糸時の毛羽発
生及び製織時の糊落ちが抑制されたポリエステル繊維が
得られ、シボ立ち性の良好なポリエステルシボ織物を簡
便に、且つ安価に製造することができ、その工業的価値
は極めて大きい。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳述す
る。なお実施例において、シボ立ち性、耐熱性、ガイド
スカム、原糸毛羽、糊落ちスカムは夫々下記の方法によ
り評価した。
【0034】(1)耐熱性(耐発煙性、耐熱劣化性) ポリエステル繊維製造工程において、熱セット用加熱ロ
ーラーから発生する煙の状態、およびローラー周囲に発
生するタールの状況を目視し次の基準により判定した。 耐発煙性 ○ 発煙量少 △ 〃 中 × 〃 大 耐熱劣化性 ○ タール少 △ 〃 中 × 〃 大
【0035】(2)ガイドスカム ポリエステル繊維製造工程において、熱セット用加熱ロ
ーラー通過後の糸ガイドに付着するスカム量を目視によ
り判定した。 ○ スカム少 △ 〃 中 × 〃 大
【0036】(3)原糸毛羽 原糸を160本採取して各20万m間の毛羽(単糸切
れ)の個数をカウントしこれから100万m当たりの毛
羽数を求め以下のように判定した。 毛羽個数(ケ/106 m) ○ 0〜0.5 △ 0.5〜2.0 × 2.0以上
【0037】(4)撚糸毛羽 原糸に3000T/mの撚を付与した後、外観の毛羽を
目視により測定して下記の基準によって判定した。 外観毛羽(ケ/kg) ○ 0.5以下 △ 0.5〜1.0 × 1.0以上
【0038】(5)糊落ちスカム 実際の製織工程での“糊落ち”現象に対する代用特性と
して、サイジング糸条の糸軸方向に作用する摩擦に対し
て、糸条表面の糊皮膜の一部が糸表面より剥離する剥離
頻度をもって評価した。
【0039】ポリビニルアルコールとポリアクリル酸エ
ステルを主体とした糊剤で、目標付着量5.0重量%と
なるよう通常のローラーサイジング方法により、ポリエ
ステル繊維を糊付して、サイジング糸を得た。次に、こ
のサイジング糸20本を等間隔に配列し、両端が乱れな
いように固定端子を設置し、これを図1及び図2に示す
如く一端をチャック4によって固定し、多端に25g/
本の加重6を掛け、滑車5を通し試料全体に張力を与え
る。図に置いて1、2及び3は10cm間隔に設置された
筬であって可動台7に固定され、該可動台7は糸軸と平
行に5cm巾に亘って往復運動ができる。試料サイジング
糸は図2に示すように中央部筬2において108°の開
角度をもつように仕掛ける。
【0040】次いで、可動台7を左右に往復運動させ、
10往復させた後に筬と糸条の擦過部分における糊皮膜
の剥離状態を注意深く観察し、剥離した試料本数の全試
料20本当りの割合をもって次のグレード付けで表わし
た。
【0041】なお、ここでは各3回の結果の平均をもっ
て判定した。 剥離本数割合 グレード 25%未満 : 良 25〜50% : 可 50%を越える: 不可 さらに実際に製織を行ない、糊落ちスカムを目視により
評価した結果をあわせて総合的に判断し糊落ちスカムと
して判定した。 糊落ちスカム ○ 少 △ 中 × 大
【0042】(6)シボ立ち リラックス処理後及び仕上り後のシボ立ちを目視により
判定した。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ やや不十分 × 不可
【0043】(7)残留トルク 撚糸後蒸熱処理により撚止めセットを行った糸条を、
1.2m切り取り中央に0.2g/dとなるように重り
をかけて両端を合わせる。糸条の有するトルクにより2
つ折りになった糸条に撚りが発生する。これを50cm切
り取り(糸の試長は1mある)検撚器により撚数を測定
しこれを2倍し、1m当りに直し残留トルクとする。
【0044】 (8)沸水トルク 残留トルクと同様に撚止めセットを行った糸条を切り取
り、中央に0.2g/dとなるように重りをかけ両端を
合わせ、沸水中に分間浸けた後、25cm切り取り(糸
の試長は50cmある)検撚器で撚数を測定しこれを4倍
、1m当りに換算し沸水トルクとする。
【0045】(9)総合評価 下記の4段階で表わした。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ やや不十分 × 不可
【0046】
【実施例1】固有粘度が0.65のポリエチレンテレフ
タレートを図3の装置を用いて溶融吐出して36フィラ
メントの糸条となした。この糸条をオイリングローラー
を介して表1に示した油剤を0.5重量%となるように
付与した。その後、引取ローラーにて1300m/分で
引取りながら90℃で予熱した後、引取ローラーと延伸
熱セットローラーとの間で3.0倍に延伸しながら13
0、150、170、190℃で熱セットし捲き取り7
5d/36f、強度4.6g/dの延伸糸を得た。
【0047】得られた延伸糸をイタリー撚糸機を用いて
3000T/mの撚を付与した後、85℃×30分のス
チーム熱処理を施して撚の一時固定を行なった。
【0048】該強撚糸を経糸用として引きそろえた後ア
クリル糸のサイジング剤を糸条重量に対して3.0%付
与し、一方サイジング剤を付与していない強撚糸を緯糸
として用い、経120本/25.4mm、緯84本/2
5.4mmの織密度で製織を行なった。得られた織物は、
液流染色機を用いて130℃×20分リラックス処理し
た後、水酸化ナトリウム35g/リットルのアルカリ水
溶液中100℃下減量率が18%となるよう減量処理を
行なった。次いで、分散染料を用い、130℃下45分
染色を行ない水洗後170℃で乾熱セットを行なった。
【0049】得られたシボ織物の評価結果を表2に示
す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】上記結果より本発明の方法によれば、製糸
性、撚糸性、製織性、シボ立ち性共に極めて良好となる
ことがわかる。
【0053】
【実施例2】実施例1と同様の装置を用い、表3記載の
油剤を付与した後延伸し190℃で熱セットを行なっ
て、シボ立ち性以外の項目について評価を行なった。結
果を表4に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】以上の結果から明らかなように、本発明に
かかる油剤を付与することによって、製糸、撚糸及び製
織工程が著しく改善されることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】糊落ちスカム評価装置の側面図である。
【図2】糊落ちスカム評価装置の平面図である。
【図3】実施例で使用したポリエステルの紡糸直延伸機
の略図である。
【符号の説明】
1 糸条を擦過する筬 2 糸条を擦過する筬 3 糸条を擦過する筬 4 糸条固定用チェック 5 滑車 6 重り 7 筬を往復させる可動台 8 糸条 9 冷却装置 10 油剤付与装置 11 引取りローラー 12 延伸熱セットローラー 13 捲取機
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−25147(JP,A) 特開 昭56−37311(JP,A) 特開 昭62−149941(JP,A) 特開 昭55−163260(JP,A) 特開 昭58−220822(JP,A) 特開 昭55−93835(JP,A) 特公 昭62−45337(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06C 23/04 D01F 6/62 302 D03D 15/04 D06M 13/224 D06M 101:32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを溶融紡糸し、油剤を付与
    した後に沸水収縮率が5%以下となるよう延伸熱セット
    したポリエステル繊維に強撚及び糊付けを施した糸条を
    製織し、しかる後該織物にシボ立て処理を施すシボ織物
    の製造方法において、前記油剤が下記(A)〜(C)を
    必須成分として含有し且つ(I)〜(III )式を同時に
    満足することを特徴とするポリエステルシボ織物の製造
    方法。 (A)成分 常温で液状であって、分子量が550〜750の脂肪族
    一価アルコールエステル (B)成分 次式で表わされる常温で液状の芳香族エステル 【化1】 [但し、R1 ,R2 は炭素数8〜25のアルキル基、A
    は炭素数2〜4のアルキレン基、n,mは1又は2の整
    数を表わす。] (C)成分 常温で液状であって、分子内に水酸基を1個以上有する
    トリグリセライドのアルキレンオキシド付加物 (I)WA +WB =20〜75 (II)WC =2〜15 (III )WA /WB =95/5〜60/40 [但し、WA ,WB 及びWC は、夫々(A)、(B)、
    及び(C)成分の油剤有効成分に対する含有量(重量
    %)を表わす。]
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