JP2898415B2 - ブレーキ摩擦材 - Google Patents

ブレーキ摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等に使用され
るブレーキ摩擦材に係り、特に、耐クラック性能に優れ
たブレーキ摩擦材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のブレーキ摩擦材としては
特願昭63ー97410号、特願昭63ー291484
号に示されるものが知られている。これらに示されるブ
レーキ摩擦材は、基材としてスチール繊維、潤滑材とし
て黒鉛、充填材として硫酸バリウム、結合材としてCO
PNA樹脂を配合し、これら各成分が均一となるよう
に、充分に混合撹拌した後、これを常温下で圧縮成形
し、更に焼成することにより作製されたものである。
【0003】なお、ここで、前記結合材として用いたC
OPNA樹脂は、縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂
(Condensed Polynuclear Ar
omatic Hydrocarbon)であり、例え
ば通常使用されることが多い結合材としてのフェノール
樹脂に比較して高い耐熱性を有する(連続制動時等にお
いて、ブレーキ摩擦材が500℃以上の高温なっても耐
えられる性能を有する)ものである。また、前記COP
NA樹脂は、その分子構造が潤滑材として使用される黒
鉛に近似することから、該黒鉛との良好な接着性が期待
でき、これによって黒鉛を安定化させて該ブレーキ摩擦
材の耐摩耗性を向上できる効果を奏するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記潤滑材
として黒鉛を用い、結合材として縮合多環芳香族炭化水
素からなる樹脂を用いたブレーキ摩擦材においては、粒
径の大きい黒鉛が偏析すると、その偏析した箇所からク
ラック(割れ)が生じ、更に進行すると欠けてしまう場
合があり、該ブレーキ摩擦材を使用するユーザーに不安
感を抱かせるという不具合があった。
【0005】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、黒鉛の粒径、当該粒径の粒子の含有量を
特定の範囲に規定することにより、クラックの発生を最
小限に抑え、外観の点からユーザーに信頼感を抱かせる
ことができるとともに、耐摩耗性の向上を図ったブレー
キ摩擦材の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明は、基材に、潤滑材、充填材、結合材等を配
合して得られるブレーキ摩擦材において、前記潤滑材
に、粒径0.1〜1mmの粒子を70wt%以上含有し
た黒鉛を用い、かつ結合材に縮合多環芳香族炭化水素か
らなる樹脂を用いたことを特徴としている。
【0007】
【作用】これらの発明によれば、潤滑材に、粒径0.1
〜1mmの粒子を70wt%以上含有した黒鉛を用い
かつ結合材に縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂を用
たことを特徴とするブレーキ摩擦材では、割れ、欠け
が発生せず、耐摩耗性が向上することが確認された。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図3を参照
して説明する。まず、その製造工程を以下に示す。
【0009】(一)基材としてスチール繊維、潤滑材と
して黒鉛、結合材としてCOPNA樹脂(ピッチ系のC
OPNA樹脂)あるいはフェノール樹脂、充填材として
硫酸バリウム、その他(例えばシリカアルミナ粉末な
ど)を用意した。
【0010】(二)前記材料を、図1に示す表の通りに
配合し、更に、これをヘンシェルミキサにより混合撹拌
した後、この混合物を常温下、2000kgf/cm2
で圧縮成形した。更に、前記圧縮成形した混合物を常圧
下、約250℃で10時間加熱して硬化させ、ブレーキ
摩擦材(1)〜(5)を得た。なお、これらブレーキ摩
擦材(1)〜(5)の内、(1)・(2)、潤滑材
に、粒径0.1〜1mmの粒子を70wt%以上含有し
た黒鉛を用い、かつ結合材に縮合多環芳香族炭化水素か
らなる樹脂を用いたブレーキ摩擦材であり、(2’)〜
(5)は、(1)・(2)比較するための比較例とし
て挙げられたものであり、前記範囲を外れた黒鉛が用い
られたブレーキ摩擦材である。また、製造工程時におい
て、成形圧縮した混合物(ヘンシェルミキサにより混合
撹拌した混合物)を加熱する温度を250℃としたが、
これは結合材にCOPNA樹脂を用いた場合であり、結
合材にフェノール樹脂を用いた場合には、成形圧縮した
混合物を加熱する温度は200℃とする。
【0011】そして、上記のように作製したブレーキ摩
擦材(1)〜(5)を図2に示す条件に従って試験し、
このダイナモ試験後、ブレーキ摩擦材の摩耗量、割れ、
欠けの有無を調べた。なお、図2に示す試験とは、それ
ぞれ設定した初速から終速に所定の減速度で減速したも
のを1サイクルとし、これを所定の温度、間隔で所定回
数で繰り返し行うものである。詳細は「乗用車ブレーキ
走行ダイナモメータ試験(社団法人、自動車技術会規格
C−427)」を参照のこと。また、前記ブレーキ摩擦
材(1)〜(5)のせん断強さを、「ブレーキライニン
グ,パッドの物理的性質試験方法(社団法人、自動車技
術会規格C−444)」に従って試験し、その結果を図
3にまとめた。
【0012】まず、本発明に係るブレーキ摩擦材(1)
・(2)、ダイナモ試験後の摩耗量がそれぞれ0.6
1mm、0.60mmであり、ダイナモ試験後の割れ、
欠けがともに無く、せん断強さがそれぞれ57〜64k
gf/cm2、57〜62 kgf/cm2である。
【0013】また、結合材をフェノール樹脂に代えた本
発明に係るブレーキ摩擦材(2’)は、割れ、欠けもな
く、せん断強さもブレーキ摩擦材(1)・(2)と同程
度であるが、摩耗量がブレーキ摩擦材(1)・(2)よ
り多く、耐摩耗性が劣ることが確認された。
【0014】また、比較例として挙げた、粒径0.1m
m以下の粒子が100wt%含有の黒鉛を用いたブレー
キ摩擦材(3)は、ダイナモ試験後の割れ、欠けはない
が、ブレーキ摩擦材(1)・(2)と比較して、摩耗量
が多く、また、必要とされるせん断強さである、単位面
積あたり40kgf/cm2以上が確保できないことが
確認された。
【0015】また、比較例として挙げた、粒径0.1〜
1mmの粒子が50wt%、粒径1mm以上の粒子が5
0wt%含有の黒鉛を用いたブレーキ摩擦材(4)は、
摩耗量、せん断強さはブレーキ摩擦材(1)・(2)と
同程度であるが、ダイナモ試験後に表面を観察してみる
と、摩擦面外周部に黒鉛が脱落した後が見られ、かつ側
面に小さな割れが見られた。
【0016】また、比較例として挙げた、粒径1mm以
上の粒子が50wt%含有の黒鉛を用い、かつ結合材を
フェノール樹脂に代えたブレーキ摩擦材(5)は、せん
断強さはブレーキ摩擦材(1)・(2)と同程度である
が、摩耗量がブレーキ摩擦材(1)・(2)より多く、
かつ割れ、欠けが発生していることが確認された。以上
のことを簡潔にまとめると以下の(一)〜(四)ように
なる。
【0017】(一)潤滑材に、粒径0.1〜1mmの粒
子を70wt%以上含有した黒鉛を用い、かつ結合材に
COPNA樹脂を用いたブレーキ摩擦材(1)・(2)
では、耐摩耗性、せん断強さが良好で、割れ、欠けが無
い。
【0018】(二)上記成分のブレーキ摩擦材(1)・
(2)の結合材をフェノール樹脂に代えたブレーキ摩擦
材(2’)では耐摩耗性劣る。
【0019】(三)上記成分のブレーキ摩擦材(1)・
(2)より黒鉛の粒度を小さくしたブレーキ摩擦材
(3)では、耐摩耗性、せん断強が劣るものとなる。
【0020】(四)上記成分のブレーキ摩擦材(1)・
(2)より黒鉛の粒度を大きくしたブレーキ摩擦材
(4)では、割れ、欠けが発生する。なお、ブレーキ摩
擦材(5)では、ブレーキ摩擦材(4)及びブレーキ摩
擦材(2’)の試験結果から参照して判るように、耐摩
耗性が劣り、かつ割れ、欠けが発生する。
【0021】なお、本発明に、「粒径0.1〜1mmの
粒子を70wt%以上含有した黒鉛」に示される粒径
値、wt%は、前述した製造法により作製したブレーキ
摩擦材を、前述したダイナモ試験を行うことで決定し
た。すなわち、図1に示されるような種々の配合比のブ
レーキ摩擦材を多数用意し、用意したブレーキ摩擦材
を、前述したダイナモ試験で試験することにより、割
れ、欠けの発生の有無を調べ、その結果(前記黒鉛の各
数値が前記粒径値、wt%を越えた場合には割れ欠けが
発生し、また、前記黒鉛の各数値が前記粒径値、wt%
以下の場合には、割れ、欠けが発生しないものの耐摩耗
性の低下及びせん断強さの低下が発生し、更には成型後
にふくれなどの不具合が発生するという結果)から、潤
滑材に用いた黒鉛の粒径(0.1〜1mm)及びその配
合比(70wt%以上含有)を決定したものである。ま
た、本実施例では、潤滑材に黒鉛のみを用いたが、黒鉛
に加えて三硫化アンチモンを用いても良い。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、第1の
発明によれば、潤滑材に、粒径0.1〜1mmの粒子を
70wt%以上含有した黒鉛を用い、かつ結合材に縮合
多環芳香族炭化水素からなる樹脂を用いたことを特徴と
するブレーキ摩擦材では、割れ、欠けが発生しないこと
が確認され、外観の点からユーザーに信頼感を抱かせる
ことができる効果が得られる。また、縮合多環芳香族炭
化水素からなる樹脂は、その分子構造が潤滑材として使
用される黒鉛に近似することから、該黒鉛との良好な接
着性が期待でき、割れ、欠けの発生防止とともに、耐摩
耗性に優れ、せん断強さを一定値以上保つことができて
強度が良好であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレーキ摩擦材及び本発明と比
較するためのブレーキ摩擦材の材料配合例を示す表。
【図2】 ダイナモ試験の試験条件を示す表。
【図3】 ダイナモ試験の試験結果をまとめた表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−73784(JP,A) 特開 昭57−205474(JP,A) 特開 平3−244639(JP,A) 特開 昭48−79798(JP,A) 特開 昭60−145302(JP,A) 特開 昭58−69277(JP,A) 特公 平2−3049(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 69/02 C09K 3/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、潤滑材、充填材、結合材等を配
    合して得られるブレーキ摩擦材において、 前記潤滑材に、粒径0.1〜1mmの粒子を70wt%
    以上含有した黒鉛を用い、かつ前記結合材に縮合多環芳
    香族炭化水素からなる樹脂を用いたことを特徴とするブ
    レーキ摩擦材。
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