JP2898400B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2898400B2 JP32760290A JP32760290A JP2898400B2 JP 2898400 B2 JP2898400 B2 JP 2898400B2 JP 32760290 A JP32760290 A JP 32760290A JP 32760290 A JP32760290 A JP 32760290A JP 2898400 B2 JP2898400 B2 JP 2898400B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電磁弁に関し、特に、ソレノイド部の軸孔
にコラムおよびプランジャを互いに対向させて摺動自在
に設けた電磁弁に適用して有効な技術に関する。
〔従来の技術〕
この種の電磁弁としては、たとえば以下に示すような
ものが考えられる。
すなわち、この電磁弁は、軸孔を有するソレノイド部
と、このソレノイド部の一端に連結され、内部に前記軸
孔と連通しかつ弁座付のポートを有する連通室を備えた
弁本体と、前記軸孔に互いに対向して設けられるコラム
およびプランジャと、このプランジャを付勢力により移
動させて弁座に圧接する付勢手段とを備え、前記コラム
を軸孔の内周面に沿って移動可能な可動構造とするとと
もに、コラムのフランジと軸孔の開口端部との間にシー
ルを設けた構造としたものである。
そして、ソレノイド部の磁気的吸引力によりプランジ
ャを所定ストロークだけコラムの方向に移動させてコラ
ムと当接させた後、連通室内の空気圧によりプランジャ
を吸着した状態でコラムを連通室側への方向と反対方向
に別の所定ストロークだけ移動させ、これによりプラン
ジャのストロークを増大させて圧縮空気の供給ないし排
出流量を増大できるようにしたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記した従来の電磁弁の構造では、コラムの
フランジと軸孔の開口端部との間にシールを設けた構造
としたので、コラムがプランジャ側に移動するとき、コ
ラムはシールによる制動を受け、応答時間の増大により
応答性が低下するおそれがある。
また、コラムのフランジと軸孔の開口端部との間にシ
ールを設けた構造としたので、コラムがシールから離間
する方向に移動するとき、シール性が低下するおそれが
ある。
さらに、軸孔の開口端部に設けられた磁性リングにフ
ランジが当たってコラムの連通室側への摺動を阻止する
構造であるので、コラムの摺動は磁気力により影響され
てしまうおそれがある。
本発明は、前記問題点に着目してなされたものであ
り、その目的は、応答性を向上させることのできる電磁
弁を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シール性を向上させるこ
とのできる電磁弁を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、可動コラムの摺動が磁
気力の影響を受けることのない電磁弁を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものの
概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の電磁弁の構造は、軸孔を有するソレノイド部
と、該ソレノイド部の一端に連結され、内部に前記軸孔
と連通しかつ弁座付のポートを有する連通室を備えてな
る弁本体と、前記軸孔に互いに対向して摺動自在に設け
られる可動コラムおよびプランジャと、該プランジャを
付勢力により移動させて前記弁座に圧接する付勢手段と
を備えた電磁弁であって、前記可動コラムのフランジと
前記軸孔の開口端部との間に、ソレノイド部の磁気的吸
引力により可動コラムがプランジャと互いに引き合って
連通室側へ移動するのを阻止し、その反対方向へ移動す
るのを許容する非磁性体からなるストッパを設けるとと
もに、可動コラムのフランジと、排出ポートを有するフ
ランジ収納室の内壁との間にシールを設けた構造とした
ものである。
〔作用〕
本発明の電磁弁によれば、可動コラムのフランジと前
記軸孔の開口端部との間に、ソレノイド部の磁気的吸引
力により可動コラムがプランジャと互いに引き合って連
通室側へ移動するのを阻止し、その反対方向へ移動する
のを許容する非磁性体からなるストッパを設けた構造と
したので、可動コラムのフランジと軸孔の開口端部との
間における磁気抵抗を増大させることができる。
したがって、可動コラムの摺動は磁気力の影響を受け
ることがない。
また、可動コラムのフランジと、排出ポートを有する
フランジ収納室の内壁との間にシールを設けた構造とし
たので、可動コラムがプランジャから離間するとき、可
動コラムのフランジはフランジ収納室の内壁とでシール
を圧接し、シール性を向上させることができる。
さらに、可動コラムのフランジと、排出ポートを有す
るフランジ収納室の内壁との間にシールを設け、OFF作
動状態では、フランジをストッパに当接させた構造であ
るので、ON作動時における可動コラムのプランジャ側へ
の移動と、この移動の際のシールによる制動とをなく
し、応答時間を減少させ、応答性を向上させることがで
きる。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。
〔実施例1〕 第1図は本発明の実施例1である電磁弁を示す断面図
である。
実施例1における電磁弁は、3ポートタイプのもの
で、弁本体1を有している。この弁本体1にソレノイド
部2およびカバー3が同軸状に連結されている。
前記弁本体1は、連通室4を有し、この連通室4に出
力ポートAおよび入力ポートPが連通し、入力ポートP
の内端部に第1の弁座7が突設されている。
前記ソレノイド部2は、軸孔8を有し、この軸孔8の
外周部にコイル9が巻回され、軸孔8の内周面に可動コ
ラム10およびプランジャ11が互いに対向して摺動自在に
設けられている。
前記プランジャ11は下端に第1のポペット12およびフ
ランジ13を有し、上端に第2のポペット14を有してい
る。
前記フランジ13と軸孔8の下側開口端部に設けた磁性
リング5との間に、プランジャばね6(付勢手段)が設
けられ、このプランジャばね6は、プランジャ11を付勢
力により移動させて第1のポペット12を第1の弁座7に
圧接する機能を有する。
また、プランジャ11の外周面に溝形形状の第1の排出
路17が形成されている。
前記カバー3は、中心に排出ポートRを有し、内部に
ソレノイド部2の軸孔8と連なるフランジ収納室18が形
成されている。可動コラム10は軸孔8に摺動自在に設け
られていて、上端部にフランジ19を有し、このフランジ
19はフランジ収納室18に収納されている。
可動コラム10は、中心に第2の排出路20を有し、この
第2の排出路20の下側開口端部に第2の弁座21が突設さ
れている。
実施例1の要旨はフランジ収納室18内にシール24aお
よびストッパ23を設けた点にある。
すなわち、フランジ収納室18の上壁の周縁部に排出ポ
ートRを中心とする環状の嵌着溝16が形成され、この嵌
着溝16にシール24aが嵌着されている。このシール24a
は、断面長円形状を有する環状の弾性部材からなり、フ
ランジ収納室18内の圧縮空気の洩れを防止する機能を有
する。
前記ストッパ23は磁性リング22上に設置されている。
このストッパ23は、ソレノイド部2の磁気的吸引力によ
り可動コラム10がプランジャ11と互いに引き合って下降
するのを阻止し、上昇するのを許容する機能を有する。
また、このストッパ23は非磁性を有するプラスチック
又は金属で成形され、その非磁性により可動コラム10の
摺動が磁気力の影響を受けない構造となっている。
なお、15はOリングである。
次に、実施例1の作用を説明する。
第1図において、左側に示すOFF作動状態では、入力
ポートPに作用する空気圧による上向きの力に抗してプ
ランジャばね6による付勢力が作用し、このためプラン
ジャ11は下向きに移動し、第1のポペット12は第1の弁
座7に押付けられ、第1の弁座7は閉じられている。
また、可動コラム10は、その自重およびシール24aの
弾発力により下向きに移動しようとするが、そのフラン
ジ19がストッパ23に当たってその移動が阻止される。
このため、フランジ19とフランジ収納室18の上壁との
間にSbの間隙が形成され、可動コラム10とプランジャ11
との間にSaの間隙が形成されている。
このようなOFF作動状態において、ソレノイド部2に
電圧を印加し、ON作動状態にすると、ON作動状態では、
コイル9が励磁されてプランジャ11および可動コラム10
が互いに引き合うので、プランジャ11はプランジャばね
6の付勢力に抗してストロークSaだけ上昇し、可動コラ
ム10に当接する。
当接した後は、フランジ収納室18と連通室4との間に
差圧が発生し、この差圧は可動コラム10に作用する。
このため、可動コラム10はプランジャ11を吸着した状
態でストロークSbだけ上昇する。
その結果、第2のポペット14は第2の弁座21を閉じ、
第1のポペット12は第1の弁座7を開き、しかも第1の
弁座7と第1のポペット12との間にSa+Sbの間隙が形成
される。
これにより、大量の圧縮空気を入力ポートPから連通
室4を経て出力ポートAよりアクチュエータに供給する
ことができる。
このようなON作動状態からソレノイド部2の通電を解
除すると、プランジャ11はプランジャばね6により下向
きに移動するが、可動コラム10にはフランジ収納室18と
連通室4の間に差圧が残っているため、第2の弁座21と
第2のポペット14の間にはSa+Sbの間隙が形成されて開
弁し、アクチュエータ内の圧縮空気は出力ポートA、第
1および第2の排出路17,20を経て排出ポートRから大
量に排気される。
このように、圧縮空気の流動方向を切り換え、かつ圧
縮空気の供給ないし排出流量を増大させることができる
が、実施例1では、非磁性を有するプラスチック又は金
属製のストッパ23を磁性リング22上に設けた構造である
ので、可動コラム10のフランジ19がストッパ23に当接し
た場合でも、フランジ19および磁性リング22間に磁気抵
抗を有するギャップが形成される。
したがって、可動コラム10の摺動は磁気力の影響を受
けることがない。
また、前記シール24aは、前記長円形状を有する環状
の弾性部材からなり、フランジ収納室18の上壁に形成し
た嵌着溝16に嵌着されている構造となっているので、可
動コラム10が上昇するとき、そのフランジ19はフランジ
収納室18の上壁に形成した嵌着溝16とでシール24aを圧
接し、シール性を向上させることができる。
さらに、シール24aがフランジ19よりも上側に設けら
れ、OFF作動状態では、フランジ19がストッパ23に当接
した構造であるので、可動コラム10の下降と、下降の際
のシール24aによる制動とをなくし、応答時間を減少さ
せ、応答性を向上させることができる。
〔実施例2〕 第2図は本発明の実施例2である電磁弁を示す断面図
である。
実施例2における電磁弁は、前記実施例1とほぼ同様
の構成を有するが、シール24bは、断面V字形状を有す
る環状の弾性部材からなり、フランジ収納室18の上壁に
形成した嵌着溝16にシール24bを嵌着し、断面V字形状
の開き側をフランジ収納室18の内周面側に指向させた点
で特徴を有する。
実施例2の作用効果については、前記実施例1の作用
効果に加えて、シール24bは、断面V字形状を有する環
状の弾性部材からなるので、フランジ収納室18内の空気
圧に対し、優れたシール性を発揮させることができる。
また、可動コラム10が上昇する際、シール24bによる
制動を減少させることができるので、応答時間をより減
少させ、応答性を一層向上させることができる。
〔実施例3〕 第3図は本発明の実施例3である電磁弁を示す断面図
である。
実施例3における電磁弁は、前記実施例1とほぼ同様
の構成を有するが、シールとしてダイヤフラム24cを使
用し、このダイヤフラム24cの内周縁部を可動コラム10
のフランジ19の外周面に係止し、ダイヤフラム24cの外
周縁部をフランジ収納室18のテーパ内周面の下端部に係
止した点で特徴を有する。
実施例3の作用効果については、前記実施例1の作用
効果に加えて、シールとしてダイヤフラム24cを使用し
たので、エア洩れを確実に防止し、シール性をより一層
向上させることができる。
また、可動コラム10が上昇する際、ダイヤフラム24c
による制動を減少させることができるので、応答時間を
より減少させ、応答性を一層向上させることができる。
〔実施例4〕 第4図は本発明の実施例4である電磁弁を示す断面図
である。
実施例4における電磁弁は、前記実施例1とほぼ同様
の構成を有するが、シール24dは、断面V字形状を有す
る環状の弾性部材からなり、フランジ収納室18の内周面
と、可動コラム10のフランジ19の外周面との間に前記シ
ール24dを設け、断面V字形状の開き側を下側に指向さ
せるとともに、ストッパとして外周面を拡径させたスト
ッパ23aを使用し、このストッパ23aの外周面をフランジ
収納室18の段付拡径内周面18aに嵌合させた点で特徴を
有する。
実施例4の作用効果については、前記実施例1の作用
効果に加えて、シール24dは、断面V字形状を有する環
状の弾性部材からなるので、フランジ収納室18内の空気
圧に対し、優れたシール性を発揮させることができる。
また、可動コラム10が上昇する際、シール24dによる
制動を減少させることができるので、応答時間をより減
少させ、応答性をより一層向上させることができる。
以上、本発明によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定される
ものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
であることはいうまでもない。
たとえば、前記実施例2,4では、シールは、断面V字
形状を有する環状の弾性部材からなり、フランジ収納室
の排出ポート側内壁に形成した嵌着溝に嵌着されている
場合と、フランジ収納室の内周面と可動コラムのフラン
ジの外周面との間に嵌着されている場合について説明し
たが、これに限らず、シールとしてU字形状を有するも
のを使用することができる。
また、前記実施例1〜4では、磁性リング上にプラス
チック製のストッパを設けた場合について説明したが、
これに限らず、ストッパをプラスチックモールドにより
ソレノイド部の外被部と一体成形することができる。
以上の説明では、主として本発明者によってなされた
発明をその利用分野である空気圧用の電磁弁で説明した
が、油圧用の電磁弁にも適用することができる。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものに
よって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおり
である。
(1).可動コラムのフランジと前記軸孔の開口端部と
の間に、ソレノイド部の磁気的吸引力により可動コラム
がプランジャと互いに引き合って連通室側へ移動するの
を阻止し、その反対方向へ移動するのを許容する非磁性
体からなるストッパを設けた構造としたので、可動コラ
ムのフランジと軸孔の開口端部との間における磁気抵抗
を増大させることができる。
(2).したがって、可動コラムの摺動は磁気力の影響
を受けることがない。
(3).可動コラムのフランジと、排出ポートを有する
フランジ収納室の内壁との間にシールを設けた構造とし
たので、可動コラムがプランジャから離間するとき、可
動コラムのフランジはフランジ収納室の内壁とでシール
を圧接し、シール性を向上させることができる。
(4).可動コラムのフランジと、排出ポートを有する
フランジ収納室の内壁との間にシールを設け、OFF作動
状態では、フランジをストッパに当接させた構造である
ので、ON作動時における可動コラムのプランジャ側への
移動と、この移動の際のシールによる制動とをなくし、
応答時間を減少させ、応答性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1である電磁弁を示す断面図、 第2図は本発明の実施例2である電磁弁を示す断面図、 第3図は本発明の実施例3である電磁弁を示す断面図、 第4図は本発明の実施例4である電磁弁を示す断面図で
ある 1……弁本体、 2……ソレノイド部、 3……カバー、 4……連通室、 5……磁性リング、 6……プランジャばね(付勢手段)、 7……第1の弁座、 8……軸孔、 9……コイル、 10……可動コラム、 11……プランジャ、 12……第1のポペット、 13……フランジ、 14……第2のポペット、 15……Oリング、 16……嵌着溝、 17……第1の排出路、 18……フランジ収納室、 18a……段付拡径内周面、 19……フランジ、 20……第2の排出路、 21……第2の弁座、 22……磁性リング、 23……ストッパ、 23a……ストッパ、 24a……シール、 24b……シール、 24c……ダイヤフラム、 24d……シール。 P……入力ポート、 A……出力ポート、 R……排出ポート、 Sa……ストローク、 Sb……ストローク。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸孔を有するソレノイド部と、該ソレノイ
    ド部の一端に連結され、内部に前記軸孔と連通しかつ弁
    座付のポートを有する連通室を備えた弁本体と、前記軸
    孔に互いに対向して摺動自在に設けられる可動コラムお
    よびプランジャと、該プランジャを付勢力により移動さ
    せて前記弁座に圧接する付勢手段とを備えた電磁弁であ
    って、前記可動コラムのフランジと前記軸孔の開口端部
    との間に、ソレノイド部の磁気的吸引力により可動コラ
    ムがプランジャと互いに引き合って連通室側へ移動する
    のを阻止し、その反対方向へ移動するのを許容する非磁
    性体からなるストッパを設けるとともに、可動コラムの
    フランジと、排出ポートを有するフランジ収納室の内壁
    との間にシールを設けたことを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】前記シールは、断面V字形状を有する環状
    の弾性部材からなり、フランジ収納室の排出ポート側内
    壁に形成した嵌着溝に嵌着されていることを特徴とする
    請求項1記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】前記シールは、ダイヤフラムであり、この
    ダイヤフラムの内周縁部を可動コラムのフランジの外周
    面に係止し、ダイヤフラムの外周縁部をフランジ収納室
    の内周面に係止してなることを特徴とする請求項1記載
    の電磁弁。
  4. 【請求項4】前記シールは、断面V字形状を有する環状
    の弾性部材からなり、可動コラムのフランジの外周面と
    フランジ収納室の内周面との間に設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の電磁弁。
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