JP2897777B2 - 3―イソチアゾロン組成物の製造法 - Google Patents
3―イソチアゾロン組成物の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はニトロソアミン成分およびその先駆物質を低
減した3−イソチアゾロン類の製造方法に関する。
減した3−イソチアゾロン類の製造方法に関する。
(従来技術) 3−イソチアゾロン類は、カビ類,細菌類,藻類等に
対して成長抑制および殺生物性を有する活性物質である
ことが知られており、以下の一般式(1) (式中RおよびR′は個別に水素、ハロゲンまたは炭素
原子数1〜4個のアルキル基であり、Yは炭素原子数5
または6個のシクロアルキル基、炭素原子数8個以下の
アラルキル基、または炭素原子数6個のアリール基もし
くは置換アリール基である)で表わすことができる。特
にYが低級アルキル基であり、R,R′の少なくとも一方
がハロゲンである場合、3−イソチアゾロンは水溶性が
高く、水系での殺菌剤として極めて有効である。しかし
ながら水溶液や極性溶媒中では安定性が低下し、分解に
よって効果が低下することが知られている。
対して成長抑制および殺生物性を有する活性物質である
ことが知られており、以下の一般式(1) (式中RおよびR′は個別に水素、ハロゲンまたは炭素
原子数1〜4個のアルキル基であり、Yは炭素原子数5
または6個のシクロアルキル基、炭素原子数8個以下の
アラルキル基、または炭素原子数6個のアリール基もし
くは置換アリール基である)で表わすことができる。特
にYが低級アルキル基であり、R,R′の少なくとも一方
がハロゲンである場合、3−イソチアゾロンは水溶性が
高く、水系での殺菌剤として極めて有効である。しかし
ながら水溶液や極性溶媒中では安定性が低下し、分解に
よって効果が低下することが知られている。
このため、安定性を高める目的で、カルシウム,銅,
マンガン,マグネシウム,ニッケル,亜鉛,コバルト等
の硝酸塩をイソチアゾロン溶液に添加することが特公昭
54−23968号に開示されている。
マンガン,マグネシウム,ニッケル,亜鉛,コバルト等
の硝酸塩をイソチアゾロン溶液に添加することが特公昭
54−23968号に開示されている。
一方、3−イソチアゾロンの安定化を目的として、こ
れらの硝酸塩を添加した場合、以下の反応式 のように3−イソチアゾロン合成の中間体として用いる
(2)に示されるジスルフィドアミド中に不純物として
含まれるニトロソアミン先駆物質である、N−メチル−
3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミドが、ニト
ロソ化条件にさらされることによりN−メチル−3−
(N′−メチル−N′ニトロソ)アミノプロピオンアミ
ドに転化し、3−イソチアゾロン組成物中に混入するこ
とが、特開昭59−31772号に開示されている。ニトロソ
アミン類は一般に発ガン性の疑いがあることが知られて
おり、人間、動物等に悪影響を及ぼすことを避けるため
に可能な限り除去することが望ましい。
れらの硝酸塩を添加した場合、以下の反応式 のように3−イソチアゾロン合成の中間体として用いる
(2)に示されるジスルフィドアミド中に不純物として
含まれるニトロソアミン先駆物質である、N−メチル−
3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミドが、ニト
ロソ化条件にさらされることによりN−メチル−3−
(N′−メチル−N′ニトロソ)アミノプロピオンアミ
ドに転化し、3−イソチアゾロン組成物中に混入するこ
とが、特開昭59−31772号に開示されている。ニトロソ
アミン類は一般に発ガン性の疑いがあることが知られて
おり、人間、動物等に悪影響を及ぼすことを避けるため
に可能な限り除去することが望ましい。
特開昭59−31772号においては、3−イソチアゾロン
組成物中のニトロソアミン成分を低減させるために、式
(2)に示される中間体のジスルフィドアミドを合成し
たのち、(a)再結晶法によるニトロソアミン先駆物質
の除去、(b)イオン交換樹脂によるニトロソアミン先
駆物質の除去、あるいは(c)メルカプタン反応経路を
用いたイソチアゾロンの合成、(d)求核性スキャベン
ジャーの使用によるニトロソアミン先駆物質の除去等の
方法によっている。しかしながら(a)の再結晶法を用
いる場合、熱過や再々結晶を行っているために作業が
はん雑な上、再結晶収率で66.6%、再々結晶後の収率に
いたっては49.0%と極めて低く、経済性に問題がある。
(b)のイオン交換法を用いる場合には、中間体(2)
を20wt%メタノール溶液にする必要があり、処理量が増
加し、かつ乾燥樹脂10gに対し、中間体(2)は、63gし
か処理できず、工業的な処理法としては問題がある。
(c)のメルカプタン反応経路を用いた場合、原料に悪
臭があり、取り扱いに問題があり、かつ、クロル化閉環
反応において必要塩素量が多くなるために製造コストが
増加するという問題がある。また、(d)の求核性スキ
ャベンジャーを用いる場合、(c)と同様にメルカプタ
ンを用いるために、悪臭の問題が依然としてあるし、求
核付加した物質の不純物としての混入の問題がある。さ
らに(b),(c),(d)の方法を用いて中間体のジ
スルフィドアミドの精製あるいは製造を行っても、ニト
ロソアミン先駆物質が依然として残存している。すなわ
ち、ニトロソアミン先駆物質を低減することは可能であ
るが、完全除去することは極めて困難であることが容易
に推察できる。
組成物中のニトロソアミン成分を低減させるために、式
(2)に示される中間体のジスルフィドアミドを合成し
たのち、(a)再結晶法によるニトロソアミン先駆物質
の除去、(b)イオン交換樹脂によるニトロソアミン先
駆物質の除去、あるいは(c)メルカプタン反応経路を
用いたイソチアゾロンの合成、(d)求核性スキャベン
ジャーの使用によるニトロソアミン先駆物質の除去等の
方法によっている。しかしながら(a)の再結晶法を用
いる場合、熱過や再々結晶を行っているために作業が
はん雑な上、再結晶収率で66.6%、再々結晶後の収率に
いたっては49.0%と極めて低く、経済性に問題がある。
(b)のイオン交換法を用いる場合には、中間体(2)
を20wt%メタノール溶液にする必要があり、処理量が増
加し、かつ乾燥樹脂10gに対し、中間体(2)は、63gし
か処理できず、工業的な処理法としては問題がある。
(c)のメルカプタン反応経路を用いた場合、原料に悪
臭があり、取り扱いに問題があり、かつ、クロル化閉環
反応において必要塩素量が多くなるために製造コストが
増加するという問題がある。また、(d)の求核性スキ
ャベンジャーを用いる場合、(c)と同様にメルカプタ
ンを用いるために、悪臭の問題が依然としてあるし、求
核付加した物質の不純物としての混入の問題がある。さ
らに(b),(c),(d)の方法を用いて中間体のジ
スルフィドアミドの精製あるいは製造を行っても、ニト
ロソアミン先駆物質が依然として残存している。すなわ
ち、ニトロソアミン先駆物質を低減することは可能であ
るが、完全除去することは極めて困難であることが容易
に推察できる。
(発明が解決しようとする課題) 前述したように従来技術においては、粗ジスルフィド
アミドを精製するか反応経路を変えることによりニトロ
ソアミン先駆物質を低減を行っているが、いずれの方法
も、工業化するには種々の問題があった。本発明はニト
ロソアミン成分を低減した3−イソチアゾロン組成物を
経済的に工業規模で製造することを課題とする。
アミドを精製するか反応経路を変えることによりニトロ
ソアミン先駆物質を低減を行っているが、いずれの方法
も、工業化するには種々の問題があった。本発明はニト
ロソアミン成分を低減した3−イソチアゾロン組成物を
経済的に工業規模で製造することを課題とする。
(課題を解決するための手段) 前記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を進
めた結果、クロル化閉環反応後の粗3−イソチアゾロン
塩酸塩を有機溶媒に分散し、加熱した場合、3−イソチ
アゾロン塩酸塩が、容易に塩酸を脱離して遊離の3−イ
ソチアゾロンとなり、溶媒に溶解するのに対し、ニトロ
ソアミン前駆物質である、N−メチル−3−(N′−メ
チルアミノ)プロピオンアミド塩酸塩は塩酸の脱離が生
じ難く、溶媒不溶の塩酸塩としてその大部分が結晶とし
て残存することを見いだした。混合物を固液分離するこ
とによって、ニトロソアミン先駆物質の塩酸塩であるN
−メチル−3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミ
ド塩酸塩の大部分はケーキとして除去され、有機溶媒に
溶解した3−イソチアゾロンは液として得られる。
液から、溶媒を留去し、特願平1−14627号に開示され
ている非プロトン性安定化用溶媒を用いれば、ニトロソ
アミン先駆物質を低減した3−イソチアゾロン組成物が
得られる。この組成物は、ニトロソアミン先駆物質が低
減されているために、さらに硝酸塩による希釈を要する
ような利用分野で、硝酸塩水溶液による希釈を行っても
ニトロソアミン成分の生成量を低減できる。液を濃縮
し、公知の方法に従って硝酸塩処理を行えば、ニトロソ
アミン成分を低減した3−イソチアゾロン組成物が得ら
れる。
めた結果、クロル化閉環反応後の粗3−イソチアゾロン
塩酸塩を有機溶媒に分散し、加熱した場合、3−イソチ
アゾロン塩酸塩が、容易に塩酸を脱離して遊離の3−イ
ソチアゾロンとなり、溶媒に溶解するのに対し、ニトロ
ソアミン前駆物質である、N−メチル−3−(N′−メ
チルアミノ)プロピオンアミド塩酸塩は塩酸の脱離が生
じ難く、溶媒不溶の塩酸塩としてその大部分が結晶とし
て残存することを見いだした。混合物を固液分離するこ
とによって、ニトロソアミン先駆物質の塩酸塩であるN
−メチル−3−(N′−メチルアミノ)プロピオンアミ
ド塩酸塩の大部分はケーキとして除去され、有機溶媒に
溶解した3−イソチアゾロンは液として得られる。
液から、溶媒を留去し、特願平1−14627号に開示され
ている非プロトン性安定化用溶媒を用いれば、ニトロソ
アミン先駆物質を低減した3−イソチアゾロン組成物が
得られる。この組成物は、ニトロソアミン先駆物質が低
減されているために、さらに硝酸塩による希釈を要する
ような利用分野で、硝酸塩水溶液による希釈を行っても
ニトロソアミン成分の生成量を低減できる。液を濃縮
し、公知の方法に従って硝酸塩処理を行えば、ニトロソ
アミン成分を低減した3−イソチアゾロン組成物が得ら
れる。
これまで、クロル化閉環反応後の3−イソチアゾロン
塩酸塩からの塩酸の除去は特公昭45−38330号に示され
ているように、a)ピリジン,トリエチルアミンのよう
な第3有機塩基を加える方法、b)水で処理する方法、
さらに特開昭59−31772号に示されているように、c)
酸化マグネシウムのような弱い無機塩基で処理する方法
が知られていた。先駆物質であるN−メチル−3−
(N′−メチルアミノ)プロピオンアミド塩酸塩を含む
粗3−イソチアゾロン塩酸塩を、a)あるいはc)の方
法で中和した場合、先駆物質の塩酸塩も同時に遊離化す
るために、後工程において、分離が困難となるし、b)
の方法で処理した場合、特公昭45−38330号に示されて
いるように、最も有効であり水溶性を有する5−クロロ
−2−メチルイソチアゾロンは、十分な遊離化が不可能
である。
塩酸塩からの塩酸の除去は特公昭45−38330号に示され
ているように、a)ピリジン,トリエチルアミンのよう
な第3有機塩基を加える方法、b)水で処理する方法、
さらに特開昭59−31772号に示されているように、c)
酸化マグネシウムのような弱い無機塩基で処理する方法
が知られていた。先駆物質であるN−メチル−3−
(N′−メチルアミノ)プロピオンアミド塩酸塩を含む
粗3−イソチアゾロン塩酸塩を、a)あるいはc)の方
法で中和した場合、先駆物質の塩酸塩も同時に遊離化す
るために、後工程において、分離が困難となるし、b)
の方法で処理した場合、特公昭45−38330号に示されて
いるように、最も有効であり水溶性を有する5−クロロ
−2−メチルイソチアゾロンは、十分な遊離化が不可能
である。
本発明者は、有機溶媒中で、粗3−イソチアゾロン塩
酸塩を加熱すると3−イソチアゾロンが容易に塩酸脱離
することを見い出した。同様の処理をニトロソアミン先
駆物質の塩酸塩で行うと、塩酸の脱離はきわめて少な
い。これは3−イソチアゾロンのN原子が環状イミドの
ため、塩基性が小さいのに対し、先駆物質のN原子は2
級アミンのため塩基性が大きいためである。
酸塩を加熱すると3−イソチアゾロンが容易に塩酸脱離
することを見い出した。同様の処理をニトロソアミン先
駆物質の塩酸塩で行うと、塩酸の脱離はきわめて少な
い。これは3−イソチアゾロンのN原子が環状イミドの
ため、塩基性が小さいのに対し、先駆物質のN原子は2
級アミンのため塩基性が大きいためである。
本発明をさらに具体的に説明する。
クロル化閉環反応終了後得られた粗3−イソチアゾロ
ン塩酸塩を塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素等
の有機塩素系溶媒、あるいは、酢酸エチル,酢酸プロピ
ル,酢酸ブチル等のエステル系溶媒、あるいはベンゼ
ン,トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒に分
散させる。
ン塩酸塩を塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素等
の有機塩素系溶媒、あるいは、酢酸エチル,酢酸プロピ
ル,酢酸ブチル等のエステル系溶媒、あるいはベンゼ
ン,トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒に分
散させる。
これらの溶媒の使用量は粗3−イソチアゾロン塩酸塩
に対して5倍量〜30倍量(重量)が好ましい。これより
少ないと、スラリーの撹拌が十分ではなく塩酸が脱離し
にくく、これより多いと、ニトロソアミン先駆物質の塩
酸塩の有機溶媒への溶解量が増加し、好ましくないから
である。次いで分散後の粗3−イソチアゾロン塩酸塩の
スラリーを常圧あるいは減圧下で加熱還流する。還流温
度は、40〜80℃が好ましい。40℃より低い温度では、塩
酸の脱離が起こりにくく、80℃以上では、先駆物質であ
るN−メチル−3−(N′−メチル)アミノプロピオン
アミドの塩酸塩からの塩酸の脱離が生じ易くなり、かつ
3−イソチアゾロンの分解が加速し、収率が低下するた
めに好ましくない。
に対して5倍量〜30倍量(重量)が好ましい。これより
少ないと、スラリーの撹拌が十分ではなく塩酸が脱離し
にくく、これより多いと、ニトロソアミン先駆物質の塩
酸塩の有機溶媒への溶解量が増加し、好ましくないから
である。次いで分散後の粗3−イソチアゾロン塩酸塩の
スラリーを常圧あるいは減圧下で加熱還流する。還流温
度は、40〜80℃が好ましい。40℃より低い温度では、塩
酸の脱離が起こりにくく、80℃以上では、先駆物質であ
るN−メチル−3−(N′−メチル)アミノプロピオン
アミドの塩酸塩からの塩酸の脱離が生じ易くなり、かつ
3−イソチアゾロンの分解が加速し、収率が低下するた
めに好ましくない。
常圧において、好ましい温度範囲に沸点を有する溶媒
は、そのまま常圧下に還流を行えばよい。常圧で80℃以
上の沸点を有する溶媒を用いる場合は、減圧状態で還流
温度を80℃以下に調節する。さらに、比較的塩酸ガスの
溶解度の大きい溶媒を用いる場合は、チッ素等の不活性
ガスを吹き込みながら還流することで塩酸の脱離を速め
ることも可能である。
は、そのまま常圧下に還流を行えばよい。常圧で80℃以
上の沸点を有する溶媒を用いる場合は、減圧状態で還流
温度を80℃以下に調節する。さらに、比較的塩酸ガスの
溶解度の大きい溶媒を用いる場合は、チッ素等の不活性
ガスを吹き込みながら還流することで塩酸の脱離を速め
ることも可能である。
加熱還流を続けていくと塩酸の脱離が進行し、3−イ
ソチアゾロン塩酸塩は遊離し、徐々に有機溶媒に溶解す
るため、スラリー量は減少していく。塩酸脱離の進行
は、塩酸ガスの発生量と、有機溶媒中の3−イソチアゾ
ロン含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等で追
跡していき、ガスの発生が無くなり、溶媒中の3−イソ
チアゾロン含量の増加の認められなくなったところを終
了とする。発生した塩酸は水、あるいは希アルカリ等で
除去できる。
ソチアゾロン塩酸塩は遊離し、徐々に有機溶媒に溶解す
るため、スラリー量は減少していく。塩酸脱離の進行
は、塩酸ガスの発生量と、有機溶媒中の3−イソチアゾ
ロン含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等で追
跡していき、ガスの発生が無くなり、溶媒中の3−イソ
チアゾロン含量の増加の認められなくなったところを終
了とする。発生した塩酸は水、あるいは希アルカリ等で
除去できる。
加熱処理終了後は混合物を冷却する。冷却温度は室温
以下が好ましい。温度が高いと先駆物質の塩酸塩の溶解
度が増加するために好ましくない。冷却した混合物は、
過,遠心分離,デカンテーション等の固液分離を行
い、液すなわち、3−イソチアゾロン溶液を得る。
以下が好ましい。温度が高いと先駆物質の塩酸塩の溶解
度が増加するために好ましくない。冷却した混合物は、
過,遠心分離,デカンテーション等の固液分離を行
い、液すなわち、3−イソチアゾロン溶液を得る。
クロル化閉環反応を、特公昭45−38330号に示されて
いる有機溶媒を用いて行い、塩酸塩を分離することなし
に、反応終了後そのまま本発明の方法を用いて3−イソ
チアゾロン塩酸塩の遊離化を行うことも可能である。
いる有機溶媒を用いて行い、塩酸塩を分離することなし
に、反応終了後そのまま本発明の方法を用いて3−イソ
チアゾロン塩酸塩の遊離化を行うことも可能である。
遊離化を終了したのち、有機溶媒を留去し、安定化用
非プロトン性溶媒を用いて溶解,希釈すればニトロソア
ミン先駆物質を低減した3−イソチアゾロン組成物が得
られるし、公知の方法で硝酸塩処理を行えば、3−イソ
チアゾロン組成物が得られる。
非プロトン性溶媒を用いて溶解,希釈すればニトロソア
ミン先駆物質を低減した3−イソチアゾロン組成物が得
られるし、公知の方法で硝酸塩処理を行えば、3−イソ
チアゾロン組成物が得られる。
本発明者は、3−イソチアゾロン中のニトロソアミン
成分の低減をめざして、さらに検討を重ねた結果、硝酸
塩処理を行う際に、系に発生するガス状の酸化窒素化合
物(NOx)を除去することにより、ニトロソ化条件が緩
和され、3−イソチアゾロン組成物中のニトロソアミン
成分が、低減できることを見いだした。ガス状のNOxの
除去は、硝酸塩処理中にチッ素ガスのような不活性ガス
を液中に吹き込むか、あるいは硝酸塩処理を弱い減圧下
でおこなうことにより可能である。
成分の低減をめざして、さらに検討を重ねた結果、硝酸
塩処理を行う際に、系に発生するガス状の酸化窒素化合
物(NOx)を除去することにより、ニトロソ化条件が緩
和され、3−イソチアゾロン組成物中のニトロソアミン
成分が、低減できることを見いだした。ガス状のNOxの
除去は、硝酸塩処理中にチッ素ガスのような不活性ガス
を液中に吹き込むか、あるいは硝酸塩処理を弱い減圧下
でおこなうことにより可能である。
(発明の効果) 本発明の製造法で得られた3−イソチアゾロン類及び
その組成物は、ニトロソアミン先駆物質とニトロソアミ
ン成分の含有量が大幅に低減されている。本発明の産業
上の利用価値は極めて大きいものである。
その組成物は、ニトロソアミン先駆物質とニトロソアミ
ン成分の含有量が大幅に低減されている。本発明の産業
上の利用価値は極めて大きいものである。
(実施例) 以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明す
る。
る。
なお、実施例1は本発明の特許請求の範囲第1項及び
第2項の技術的範囲には含まれないものとする。
第2項の技術的範囲には含まれないものとする。
試験例1(比較例 従来の製造法の説明,特開昭59−31
772号の実施例1および2に記載された方法と同様に行
った。) 段階1:N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミド中間体の合成(アミド化) 撹拌器,温度計,ガス分配管をとりつけた1000mlフラ
スコにジメチル−3,3′−ジチオジプロピオネート(43
3.2g、1.82モル)、トルエン(214g)およびメタノール
(22g)を入れた。
772号の実施例1および2に記載された方法と同様に行
った。) 段階1:N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミド中間体の合成(アミド化) 撹拌器,温度計,ガス分配管をとりつけた1000mlフラ
スコにジメチル−3,3′−ジチオジプロピオネート(43
3.2g、1.82モル)、トルエン(214g)およびメタノール
(22g)を入れた。
装置の窒素でパージして、混合物を10℃に冷却した。
10〜20℃で撹拌しながらモノメチルアミン(138.5g、4.
47モル)をガス分配管によって2時間を要し添加した。
モノメチルアミン添加終了後、混合物の内温を20℃に調
節し、20時間撹拌して反応を完了させた。淡黄色スラリ
ーを約100mmHgで減圧蒸留して未反応のモノメチルアミ
ンおよび溶媒を留去した。乾燥粗N,N′−ジメチル−3
−,3′−ジチオプロピオンアミド中間体(425.1g、99.9
%収率)は、ニトロソアミン先駆物質であるN−メチル
−3−(N′−メチル)アミノプロピオンアミドを1140
0ppm含有していた。
10〜20℃で撹拌しながらモノメチルアミン(138.5g、4.
47モル)をガス分配管によって2時間を要し添加した。
モノメチルアミン添加終了後、混合物の内温を20℃に調
節し、20時間撹拌して反応を完了させた。淡黄色スラリ
ーを約100mmHgで減圧蒸留して未反応のモノメチルアミ
ンおよび溶媒を留去した。乾燥粗N,N′−ジメチル−3
−,3′−ジチオプロピオンアミド中間体(425.1g、99.9
%収率)は、ニトロソアミン先駆物質であるN−メチル
−3−(N′−メチル)アミノプロピオンアミドを1140
0ppm含有していた。
段階2:塩素化 5−クロロ−2−メチル−4−イソリアゾリン−3−
オン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン塩酸塩の混合物の合成。
オン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン塩酸塩の混合物の合成。
段階1で得られた粗N,N′−ジメチル−3,3′−ジチオ
ジプロピオンアミド(150g、0.54モル)のスラリーをト
ルエンで希釈し、塩素化して5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩および母液を含有す
るスラリーを生成した。
ジプロピオンアミド(150g、0.54モル)のスラリーをト
ルエンで希釈し、塩素化して5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩および母液を含有す
るスラリーを生成した。
段階3:過および乾燥 段階2の塩素化スラリーを過し、ケーキを減圧乾燥
して5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−塩
酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−塩酸塩の混合
物132gを乾燥粉末として得た。この乾燥粉末には、遊離
体換算で5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンが66.2重量%、2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンが9.5重量%含まれており、ニトロソア
ミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミドが遊離体換算で8080ppm含まれ
ていた。
して5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−塩
酸塩と2−メチル−4−イソチアゾリン−塩酸塩の混合
物132gを乾燥粉末として得た。この乾燥粉末には、遊離
体換算で5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンが66.2重量%、2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンが9.5重量%含まれており、ニトロソア
ミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミドが遊離体換算で8080ppm含まれ
ていた。
段階4:中和,配合および加熱処理(安定化) 段階3で得られた乾燥体の5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物30gを水に
溶解し、酸化マグネシウムスラリーを徐々に添加してpH
4.5に中和した。これに塩酸を加えてpH2.9に調製し、水
溶液65.7gを得た。この水溶液中には、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが26.5重量
%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5.6
重量%含まれていた。
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物30gを水に
溶解し、酸化マグネシウムスラリーを徐々に添加してpH
4.5に中和した。これに塩酸を加えてpH2.9に調製し、水
溶液65.7gを得た。この水溶液中には、5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが26.5重量
%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5.6
重量%含まれていた。
これに硝酸マグネシウム・6水和物52.7gおよび水55.
6gを添加し、溶解した。この混合物を撹拌器,温度計を
取り付けた500ml 3ツ口丸底フラスコに移し、95℃で4
時間加熱した。室温に冷却した後、自然過して、生成
物173gを得た。分析の結果、生成物は5−クロロ−2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10.1重量%、
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2.0重量
%、ニトロソアミン成分であるN−メチル−3−(N′
−メチル−N′−ニトロソ)アミノプロピオンアミドを
495ppm含有していた。
6gを添加し、溶解した。この混合物を撹拌器,温度計を
取り付けた500ml 3ツ口丸底フラスコに移し、95℃で4
時間加熱した。室温に冷却した後、自然過して、生成
物173gを得た。分析の結果、生成物は5−クロロ−2−
メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10.1重量%、
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2.0重量
%、ニトロソアミン成分であるN−メチル−3−(N′
−メチル−N′−ニトロソ)アミノプロピオンアミドを
495ppm含有していた。
実施例1 硝酸塩加熱処理の際の窒素吹込みの効果 試験例1の段階3で得られた5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物20gを水
に溶解し、酸化マグネシウムスラリーを添加してpH4.5
に中和した。これに塩酸を加えてpHを7.9に調製し、水
溶液49.3gを得た。この水溶液中には、5−クロロ−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オンが26.7重量%、2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5.6重量%
含まれていた。
−4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物20gを水
に溶解し、酸化マグネシウムスラリーを添加してpH4.5
に中和した。これに塩酸を加えてpHを7.9に調製し、水
溶液49.3gを得た。この水溶液中には、5−クロロ−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オンが26.7重量%、2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが5.6重量%
含まれていた。
この水溶液に硝酸マグネシウム・6水和物40g、水42.
8gを加えて溶解し、液中に窒素ガスを導入しながら95℃
で4時間加熱処理した。室温に冷却後、自然過し、生
成物132gを得た。分析の結果、生成物は5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10.0重量
%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2.0
重量%、ニトロソアミン成分であるN−メチル−3−
(N′−メチル−N′−ニトロソ)アミノプロピオンア
ミドを230ppm含有していた。この結果から、硝酸塩添加
後の加熱処理の際に窒素吹込みにより、ニトロソアミン
成分の生成を低減できることがわかる。
8gを加えて溶解し、液中に窒素ガスを導入しながら95℃
で4時間加熱処理した。室温に冷却後、自然過し、生
成物132gを得た。分析の結果、生成物は5−クロロ−2
−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを10.0重量
%、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを2.0
重量%、ニトロソアミン成分であるN−メチル−3−
(N′−メチル−N′−ニトロソ)アミノプロピオンア
ミドを230ppm含有していた。この結果から、硝酸塩添加
後の加熱処理の際に窒素吹込みにより、ニトロソアミン
成分の生成を低減できることがわかる。
実施例2〜6 イソチアゾロン塩酸塩の有機溶媒中にお
ける加熱による遊離化とニトロソアミン先駆物質の低減
化 試験例1の段階3で得られた5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物(ニトロ
ソアミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′−メチ
ル)アミノプロピオンアミドを8080ppm含有する)を各
種有機溶媒に分散後、常圧で加熱還流した。加熱終了後
の反応液を減圧下に留去し、得られた濃縮残部を分析し
て5−クロロ−2−メチルイソリアゾリン回収率および
ニトロソアミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′
−メチル)アミノプロピオンアミド(MMAP)濃度を求め
た。表1に結果を示した。
ける加熱による遊離化とニトロソアミン先駆物質の低減
化 試験例1の段階3で得られた5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩と2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン塩酸塩の混合物(ニトロ
ソアミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′−メチ
ル)アミノプロピオンアミドを8080ppm含有する)を各
種有機溶媒に分散後、常圧で加熱還流した。加熱終了後
の反応液を減圧下に留去し、得られた濃縮残部を分析し
て5−クロロ−2−メチルイソリアゾリン回収率および
ニトロソアミン先駆物質であるN−メチル−3−(N′
−メチル)アミノプロピオンアミド(MMAP)濃度を求め
た。表1に結果を示した。
この結果、本発明の効果が認められた。
実施例7〜16 ニトロソアミン先駆物質を低減した3−
イソチアゾロンを使用しての硝酸塩加熱処理 実施例2〜6で得られた濃縮残部を用い、試験例1の
段階4に示した方法で中和,配合,加熱処理を行った。
得られた組成物を分析して5−クロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン濃度とニトロソアミン成分
であるN−メチル−3−(N′−メチル−N′−ニトロ
ソ)アミンプロピオンアミド(MMNP)濃度を求めた。表
2に結果を示した。加熱処理の際に実施例1と同様に窒
素吹込みを行ったものをあわせて示した。
イソチアゾロンを使用しての硝酸塩加熱処理 実施例2〜6で得られた濃縮残部を用い、試験例1の
段階4に示した方法で中和,配合,加熱処理を行った。
得られた組成物を分析して5−クロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン濃度とニトロソアミン成分
であるN−メチル−3−(N′−メチル−N′−ニトロ
ソ)アミンプロピオンアミド(MMNP)濃度を求めた。表
2に結果を示した。加熱処理の際に実施例1と同様に窒
素吹込みを行ったものをあわせて示した。
この結果、本発明の効果が認められた。
実施例17〜21 ニトロソアミン先駆物質を低減した3−
イソチアゾロンを用いての非プロトン性安定化溶媒溶液
の調製 実施例6で得られた濃縮残部を非プロトン性安定化溶
媒に溶解希釈した後、不溶物を減圧過により除去して
ニトロソアミン先駆物質を低減し、安定化された溶液を
調製した。表3に結果を示した。この結果、安定化用溶
媒を含む3−イソチアゾロン組成物中のニトロソアミン
先駆物質は大きく低減されることがわかった。
イソチアゾロンを用いての非プロトン性安定化溶媒溶液
の調製 実施例6で得られた濃縮残部を非プロトン性安定化溶
媒に溶解希釈した後、不溶物を減圧過により除去して
ニトロソアミン先駆物質を低減し、安定化された溶液を
調製した。表3に結果を示した。この結果、安定化用溶
媒を含む3−イソチアゾロン組成物中のニトロソアミン
先駆物質は大きく低減されることがわかった。
実施例22 イソチアゾロン塩酸塩の有機溶媒中における
加熱による遊離化と先駆物質およびニトロソアミン成分
を低減した3−イソチアゾロン組成物の製造 試験例1の段階3で得られたニトロソアミン先駆物質
であるMMAP塩酸塩(遊離のMMAPとして8080ppm)を含む
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オ
ン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン
塩酸塩の混合物25.0gを、還流冷却器,温度計,撹拌機
を取り付けた100ml 3ツ口フラスコに仕込み、酢酸エチ
ル375gを加えて撹拌、分散した。窒素ガスを吹き込みな
がら、加熱還流を78℃、常圧下で4.5時間行った。室温
まで冷却した後、不溶結晶1.6gを減圧過で除去し、
液を減圧濃縮して、黄褐色のオイル20.1gを得た。この
オイルは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンを13.0g、2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンを2.1g、N−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミド(MMAP)を1110ppm含有してい
た。このオイル20gの試験例1の段階4と同様に処理す
ると、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オンを8.5重量%、2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オンを1.7重量%含有する3−イソチアゾロン
組成物103.5gを得た。この組成物中にはニトロソアミン
成分であるN−メチル−3−(N′−メチル−N′−ニ
トロソ)プロピオンアミド(MMNP)が82ppmしか含有さ
れておらず、本発明の効果が認められた。
加熱による遊離化と先駆物質およびニトロソアミン成分
を低減した3−イソチアゾロン組成物の製造 試験例1の段階3で得られたニトロソアミン先駆物質
であるMMAP塩酸塩(遊離のMMAPとして8080ppm)を含む
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オ
ン塩酸塩と2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン
塩酸塩の混合物25.0gを、還流冷却器,温度計,撹拌機
を取り付けた100ml 3ツ口フラスコに仕込み、酢酸エチ
ル375gを加えて撹拌、分散した。窒素ガスを吹き込みな
がら、加熱還流を78℃、常圧下で4.5時間行った。室温
まで冷却した後、不溶結晶1.6gを減圧過で除去し、
液を減圧濃縮して、黄褐色のオイル20.1gを得た。この
オイルは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンを13.0g、2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンを2.1g、N−メチル−3−(N′−メチル)
アミノプロピオンアミド(MMAP)を1110ppm含有してい
た。このオイル20gの試験例1の段階4と同様に処理す
ると、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オンを8.5重量%、2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オンを1.7重量%含有する3−イソチアゾロン
組成物103.5gを得た。この組成物中にはニトロソアミン
成分であるN−メチル−3−(N′−メチル−N′−ニ
トロソ)プロピオンアミド(MMNP)が82ppmしか含有さ
れておらず、本発明の効果が認められた。
実施例23 クロル化閉環反応からの連続処理によるニト
ロソアミン先駆物質およびニトロソアミン成分を低減し
た3−イソチアゾロン組成物の製造 試験例の段階1で得られた3−イソチアゾロン中間体
であるN,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミド28gの乾燥体をトルエンで希釈して塩素と同時に100
0ml 3ツ口反応フラスコに供給して塩素化した。塩素化
スラリーをそのまま還流温度が60℃になるように減圧状
態にし、徐々に加温した。発生する塩酸ガスは、吸収用
トラップで吸収した。還流を4時間続けると、スラリー
の大部分はトルエンに溶解した。室温に冷却後不溶物1.
5gを別し、液を濃縮すると黄色オイル19.3gを得
た。このオイルは5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを13.0g、2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを3.0g含有していた。またニトロソ
アミン先駆物質であるMMPAの濃度は607ppmであった。こ
のオイルを水に24g溶解したところpHは3.86であった。
酸化マグネシウムによる中和を行わずにそのまま塩酸で
pH2.9にし、硝酸マグネシウム処理による安定化を行な
い、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン9.7重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン2.4重量%を含有する3−イソチアゾロン組成
物102.0gを得た。この組成物中には、ニトロソアミン成
分が5.7ppmしか含有されておらず、本発明の効果が認め
られた。
ロソアミン先駆物質およびニトロソアミン成分を低減し
た3−イソチアゾロン組成物の製造 試験例の段階1で得られた3−イソチアゾロン中間体
であるN,N′−ジメチル−3,3′−ジチオジプロピオンア
ミド28gの乾燥体をトルエンで希釈して塩素と同時に100
0ml 3ツ口反応フラスコに供給して塩素化した。塩素化
スラリーをそのまま還流温度が60℃になるように減圧状
態にし、徐々に加温した。発生する塩酸ガスは、吸収用
トラップで吸収した。還流を4時間続けると、スラリー
の大部分はトルエンに溶解した。室温に冷却後不溶物1.
5gを別し、液を濃縮すると黄色オイル19.3gを得
た。このオイルは5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを13.0g、2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンを3.0g含有していた。またニトロソ
アミン先駆物質であるMMPAの濃度は607ppmであった。こ
のオイルを水に24g溶解したところpHは3.86であった。
酸化マグネシウムによる中和を行わずにそのまま塩酸で
pH2.9にし、硝酸マグネシウム処理による安定化を行な
い、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン9.7重量%、2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オン2.4重量%を含有する3−イソチアゾロン組成
物102.0gを得た。この組成物中には、ニトロソアミン成
分が5.7ppmしか含有されておらず、本発明の効果が認め
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 43/80 C07D 275/02 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (6)
- 【請求項1】粗3−イソチアゾロン塩酸塩を中和処理す
ることなく有機溶媒中で加熱して塩酸を脱離させた遊離
の粗3−イソチアゾロンとした後、固形分を除去するこ
とを特徴とする、ニトロソアミンおよびその先駆物質を
低減した、 式 (式中、RおよびR′は個別に水素、ハロゲンおよび炭
素原子数1〜4個のアルキル基からなる群より選択され
た基であり、Yは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭
素原子数5もしくは6個のシクロアルキル基、炭素原子
数8個以下のアラルキル基および炭素原子数6個のアリ
ール基もしくは置換アリール基からなる群より選択され
た基である)で表される生物学的に活性な3−イソチア
ゾロンの少なくとも1種の生物的有効量を含有する組成
物の製造法。 - 【請求項2】前記固形分を除去した後の液を硝酸塩処理
することを特徴とする請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】前記硝酸塩処理を減圧下もしくは不活性ガ
ス存在下に行うことを特徴とする請求項2記載の製造
法。 - 【請求項4】前記有機溶媒として、前記粗3−イソチア
ゾロン塩酸塩を得るために用いた溶媒を用い、前記粗3
−イソチアゾロン塩酸塩を分離することなく、そのまま
加熱することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記
載の製造法。 - 【請求項5】粗3−イソチアゾロン塩酸塩を減圧下もし
くは不活性ガス存在下に硝酸塩処理することを特徴とす
る、ニトロソアミンおよびその先駆物質を低減した、 式 (式中、RおよびR′は個別に水素、ハロゲンおよび炭
素原子数1〜4個のアルキル基からなる群より選択され
た基であり、Yは炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭
素原子数5もしくは6個のシクロアルキル基、炭素原子
数8個以下のアラルキル基および炭素原子数6個のアリ
ール基もしくは置換アリール基からなる群より選択され
た基である)で表される生物学的に活性な3−イソチア
ゾロンの少なくとも1種の生物的有効量を含有する組成
物の製造法。 - 【請求項6】5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オンの水性溶液を硝酸マグネシウム処理する際に、不
活性ガスを導入することによりニトロソアミンを低減し
た生物学的に活性な5−クロロ−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オンの生物的有効量を含有する組成物の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1232595A JP2897777B2 (ja) | 1989-09-07 | 1989-09-07 | 3―イソチアゾロン組成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1232595A JP2897777B2 (ja) | 1989-09-07 | 1989-09-07 | 3―イソチアゾロン組成物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0395103A JPH0395103A (ja) | 1991-04-19 |
JP2897777B2 true JP2897777B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=16941824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1232595A Expired - Fee Related JP2897777B2 (ja) | 1989-09-07 | 1989-09-07 | 3―イソチアゾロン組成物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2897777B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2274283B (en) * | 1991-05-10 | 1996-01-31 | Sunkyong Ind Ltd | A process for preparing 4-isothiazolin-3-one |
US5466818A (en) * | 1994-03-31 | 1995-11-14 | Rohm And Haas Company | 3-isothiazolone biocide process |
SI0774207T1 (en) * | 1995-11-17 | 2001-06-30 | Thor Gmbh | Method for the preparation of biocidal or biostatic 3-isothiazolinone compositions |
KR100469064B1 (ko) * | 2002-09-09 | 2005-02-02 | 주식회사 한서켐 | 2-메틸-4-이소티아졸린-3-온 염의 정제 방법 |
CN102791685A (zh) * | 2009-12-16 | 2012-11-21 | Sk化学株式会社 | 制备n,n’-二烷基-3,3’-二硫代二丙酰胺的方法 |
-
1989
- 1989-09-07 JP JP1232595A patent/JP2897777B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0395103A (ja) | 1991-04-19 |
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