JP2895686B2 - 微小気泡入液体流発生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プール、バス等に利用
される微小気泡が混入した流体流を発生させる装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】現在、ジャグジー、ジェットバス、超音
波泡風呂などの名称で気泡を混入させた水流を噴出させ
る設備が広く普及している。しかし、現在のこの種の装
置設備では、液体に混入させる気泡の大きさが比較的大
きく、その気泡の破裂時に発生するといわれている超音
波は発生していると思われていない。超音波を発生させ
るには気泡を微小化させる必要があるし、微小化気泡も
大量に発生させる必要がある。

【０００３】現在用いられているこの種の装置の一構成
例を図１について説明する。ハウジング１はジャグジー
等の壁に取り付けられ、ハウジング１内にはポンプ（図
示せず）からの水が供給される水通路２が形成され、そ
の末端のノズル３から水が噴出される。一方、エアは空
気通路４から自動的に吸引され、ノズル３からの噴流に
より気泡として混入され、噴出口５より気泡入水流とし
て噴出される。前述のように、この形式のものでは、気
泡は噴流に巻き込まれることにより気泡化するだけなの
で、気泡径は大きなままでばらつきも大きい。したがっ
て、十分に微小化された気泡の入った噴流を発生させる
装置の開発が望まれている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分に微小
化された気泡が、充分な量、しかも調節可能な一定量で
混入されることができる簡潔な機構の微小気泡液体流発
生装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、液
体を流すための液体通路と、加圧気体を流すための気体
通路と、両通路の界面に配置された多孔体と、多孔体よ
りも下流の流体通路内に配置され、液体を下流方向に噴
出することにより、気体通路の気体を多孔体を経て液体
通路に吸引して微小気泡化して液体に混入し、かつ、こ
の微小気泡入液体を液体と共に液体通路から噴出する噴
出手段とを具える微小気泡入液体流発生装置を提供する
ものである。

【０００６】ここで、気体通路上流側に気体の調圧逆流
防止手段を有するのが好ましく、多孔体は円筒状または
平板状セラミックフィルターであるのが好ましい。

【０００７】

【発明の作用】本発明においては、空気のような加圧気
体をセラミックフィルタのような多孔質体を経て水のよ
うな流体流中に混入させるため、気泡が十分に小さく微
小化させるだけでなく、微小気泡の大きさがそろい、そ
の量も定量的に供給される。したがって、気泡の破裂時
に超音波も発生し、ジャグジー、バス、プールなどに利
用すると健康増進上極めて有利であり、構造的にも簡潔
で利便である。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の装置を図面に示す好適実施例
につき詳細に説明する。以下では液体は水を、気体は空
気を代表例として説明するが、液体、気体ともに他のも
のを用いてもかまわない。まず、図２に本発明を概念的
に説明する。図２において、本発明の装置１０は、ハウ
ジング１１内に多孔質体１２を介してその内側に水通路
１３が、その外側に空気通路１４が限定されている。水
通路１３には供給管１５により水が、空気通路１４には
供給管１６により加圧空気源（図示せず）から空気が供
給される。また、水通路１３の下流側には噴出口１７が
設けられ、ここよりプール、バスなどの槽に気泡入水流
が噴出される。この噴出を行わせるための噴流形成手段
１８が多孔質体１２の下流側でかつ噴出口１７の上流側
に設けられている。噴流形成手段１８には供給管２０に
より水が供給される。そして、各供給管１５，１６，２
０には水および／または空気を適切な圧力で供給するた
めの調圧手段２１が設けられる。なお、多孔質体は平板
状でも筒状でもよい。

【０００９】水通路１３に水を、空気通路１４に空気を
供給しつつ、噴流形成手段１８から水を噴出口１７に向
けて噴出すると、空気通路１４から空気が多孔質体１２
を経て水通路１３に吸引され、このとき多孔質体１２に
より空気は微小気泡に変換され、この微小気泡が極めて
多数混入した水流が噴出口１７よりプール、バスなどの
槽に供給される。

【００１０】次に、図２に示す概念を具体化した構成例
につき図３につき説明する。本発明の気泡入液体流発生
装置１０はハウジング１１、プール、バスなどの槽璧２
２への取付板２３および化粧板２４を有する。ハウジン
グ１１内には中空支持具２５および閉塞板２６により中
空多孔質体１２がシール状態で取り付けられている。中
空支持具２５と中空多孔質体１２の中空部は水通路１３
を限定し、ハウジング１１と多孔質体１２との間には空
気通路１４が限定される。支持具２５の中空部にはノズ
ル２７が設置され、これにはハウジング内に限定された
給水路２８を経て噴流形成手段１８から水が噴出され
る。これにより、前述のように、空気通路１４から水通
路１３に空気が吸引されて微小気泡入の水が形成され、
噴流形成手段１８から噴射された水と共に、ノズル２７
より噴出される。

【００１１】空気通路１４、水通路１３および給水路２
８には、それぞれ閉塞板２６に穿設された開口を経て供
給管２９，３０，３１が連結され、それらの途中には手
動または自動の弁３２が配設される。そして空気供給管
２９の末端には図４に示す調圧とともに逆止作用をする
弁３３を設けておくのがよい。図４において、３４はハ
ウジング、３５は取付フランジ、３６はリングシートパ
ッキン、３７はフロート、３８は空気流路である。この
弁は通常の矢印３９の方向に空気が流れるときは風量風
圧の調整を行ない、空気流３９が停止または少量となっ
たときにはフロート３７がパッキン３６に当接して水通
路１３内の水が空気通路１４内に侵入するのを防止す
る。なお、加圧空気はフロアまたはコンプレッサのよう
な任意の手段を用いて供給することができる。

【００１２】図５には図３に示す本発明装置の端面図を
示す。図３および図５からよくわかるように、加圧空気
源（図示せず）に接続される空気通路１４からの空気は
矢印４０で示すようにセラミックフィルタのような多孔
質体１２の壁を通過して水通路１３の水中に入るときに
微小な極めて多数の気泡となり、微小気泡の混入した水
流が得られる。これはノズル２７の噴流により加速され
て噴出口１７よりプール、バスなどの水槽に噴出され
る。

【００１３】

【発明の効果】本発明においては、加圧空気を多孔質体
を通すことにより微小気泡化するので、従来では得られ
なかった微小気泡混入水流が得られ、このため微小気泡
の破裂時に従来なかった超音波の発生が得られる。した
がって、健康増進上有益であり、またその構造も簡潔で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の気泡入液体流発生装置の断面図である。

【図２】本発明の気泡入液体流発生装置の概念を説明す
る図である。

【図３】図２に示す気泡入液体流発生装置の具体的構成
の一例を示す部分断面図である。

【図４】本発明で用いる逆止弁の構造の一例を示す断面
図である。

【図５】図３の装置の端面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング ２ 液体通路 ３ ノズル ４ 気体通路 ５ 噴出口 １０ 本発明の装置 １１ ハウジング １２ 多孔質体 １３ 水通路 １４ 空気通路 １５，１６，２０ 供給管 １７ 噴出口 １８ 噴流形成手段 ２１ 調圧手段 ２２ 槽壁 ２３ 取付板 ２４ 化粧板 ２５ 支持具 ２６ 閉塞板 ２７ ノズル ２８ 給水路 ２９，３０，３１ 供給管 ３２ 弁 ３３ 調圧逆止弁 ３４ ハウジング ３５ 取付フランジ ３６ パッキン ３７ フロート ３８ 空気流路 ３９ 空気流方向 ４０ 矢印

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体を流すための液体通路と、 加圧気体を流すための気体通路と、 両通路の界面に配置された多孔体と、多孔体よりも下流の流体通路内に配置され、液体を下流
   方向に噴出することにより、 気体通路の気体を多孔体を
   経て液体通路に吸引して微小気泡化して液体に混入し、
   かつ、この微小気泡入液体を液体と共に液体通路から噴
   出する噴出手段とを具える微小気泡入液体流発生装置。
2. 【請求項２】気体通路上流側に気体の調圧逆流防止手段
   を有する請求項１に記載の微小気泡入液体流発生装置。
3. 【請求項３】前記多孔体は円筒状または平板状セラミッ
   クフィルターである請求項１または２に記載の微小気泡
   入液体流発生装置。
4. 【請求項４】前記調圧逆流防止手段はフロート式逆止弁
   である請求項２または３に記載の微小気泡入液体流発生
   装置。