JP2894416B2 - 熱記録装置 - Google Patents

熱記録装置

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JP2894416B2
JP2894416B2 JP26246193A JP26246193A JP2894416B2 JP 2894416 B2 JP2894416 B2 JP 2894416B2 JP 26246193 A JP26246193 A JP 26246193A JP 26246193 A JP26246193 A JP 26246193A JP 2894416 B2 JP2894416 B2 JP 2894416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融型用又は昇華型
用インクシートのインクを熱によって記録紙に転写を行
う熱記録装置に関し、プリンタ、複写機、ファクシミリ
等に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドを用いた熱記録装置は、
機構が簡単で、信頼性が高く、保守性に優れている等の
利点から、ファクシミリでは感熱記録が、カラープリン
タでは熱転写記録が主流となっている。熱転写記録装置
としては、溶融型用インクシート及び溶融型用記録紙を
用いる溶融型プリンタと、昇華型用インクシート及び昇
華型用記録紙を用いる昇華型プリンタとがある。
【0003】溶融型記録方式は、1ドットに対して記録
する、しないの2値記録しかできない溶融型2値記録方
式と、1ドット毎に記録面積が変えられる溶融型多値記
録方式とがある。溶融型2値記録方式で階調表現を行な
う場合には、1ドットをマトリックス状に配置し、その
内のドット面積を変えて行なう。溶融型多値記録方式と
昇華型記録方式はともにアナログ的な中間調記録が可能
である。従来の中間調記録方式は、例えば特開昭60―
9271号公報で示されており、図27は従来の中間調
記録方式において、サーマルヘッドを構成する各発熱抵
抗体に印加する通電パルスの波形図である。図27にお
いて、twは通電パルスのパルス幅、tpは通電パルス
の繰り返し周期、Nは通電パルスの個数(ここでは3
個)である。この通電パルスのパルス個数が各階調レベ
ル毎の濃度に対応して予め選択・設定されている。
【0004】このように各階調に対応したパルス個数の
通電パルスを各発熱抵抗体に印加することにより、その
パルス個数に対応したエネルギ分のインクが昇華あるい
は溶融され、各濃度の中間調記録がなされる。そして、
通常サーマルヘッドに1ライン分並べて設けられた各発
熱抵抗体に、それぞれ対応した通電パルスを一括または
分割して印加して1ライン分の記録を行い、記録紙を一
定速度で副走査送りしながら順次各ライン毎の記録を行
って平面的な記録を行う。
【0005】また、図28は時分割でサーマルヘッドを
駆動する時のストローブ信号の一例である。同図は、2
分割駆動の場合のストローブ信号SB1とSB2を平行
して出力するようにしている。
【0006】一方、図29は、トリケップス出版部編集
の文献「サーマル記録技術」(平成2年8月10日発
行、No.117、P63〜P67)に示されている従
来の熱転写記録装置の基本構成図であり、71はサーマ
ルヘッド、72はインクシート、73は記録紙、74は
プラテンローラである。ここで、インクシート72は、
耐熱滑性層75、ベースフィルム76、顔料及びバイン
ダーからなるインク層77で構成される。インクシート
72と平面平滑性のよい記録紙73をサーマルヘッド7
1とプラテンローラ74の間にはさみ、サーマルヘッド
71内の図示しない複数の発熱抵抗体を発熱させてイン
ク層77を溶融させて所望の記録画像を得る。
【0007】上記したようにインクシートに塗布された
インクを熱を用いて記録紙に転写を行う方式には、溶融
型記録方式と、インクに昇華性染料を用いた昇華型記録
方式がある。溶融型多値記録方式は1ドットの面積をア
ナログ的に変化させるため階調性に優れており、フルカ
ラー画像の印刷に適している。しかし、ある程度表面に
凹凸のある普通紙に、この方式で記録を行うと特に低階
調時の転写不良が多いという問題点がある。このため、
この方式を用いるときは記録紙にインクとの接着が良く
なるような特殊なコーティングを施し、かつ紙の凹凸を
小さくした記録紙を用いなければならない。そのため、
記録紙のコストがあがりランニングコストが高くなる。
また、1ドットの面積をアナログ的に変化させる方式で
あるのでオフセット印刷の版下には向いているが、グラ
ビア印刷の版下には向かない。
【0008】次に、昇華型記録方式であるがこの方式は
1ドットの濃度をアナログ的に変化させることが可能な
方式で、n階調の場合インクシートをイエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)の3色で構成するとn3
色の表現が可能であって、n=256の時には約167
0万色の表現ができる。従って、非常に階調性に優れて
おり、写真のような自然画像あるいはCG(コンピュー
タグラフィックス)等に利用されていた。しかし、本方
式は熱で染料を昇華させプラスチック等に転写するもの
である。そのため、インクシート及び記録紙が高くな
り、溶融型のいずれの方式よりもランニングコストが高
くなる。また、1ドットの濃度を変化させる方式である
ため印刷の版下に用いる場合、グラビア印刷の版下には
向いているがオフセット印刷の版下には向かない。
【0009】また、昇華型記録方式は高画質でありなが
ら専用紙を必要とし、溶融型2値記録方式は中間調が表
現しにくい反面、高速でかつ普通紙記録が可能であると
いう特徴があり、同じ熱転写記録方式であるにも関わら
ず、用途に応じて2台の装置を使い分けるというのが一
般的であった。このような不利益を解消するためにこれ
らの方式を兼用化したプリンタが考えられる。このよう
なプリンタとして従来から、溶融型用のインクと昇華型
用のインクを交互に区画形成したインクシートを用い、
カラー階調画像と線および文字の転写が可能なプリンタ
がある。具体的な説明を以下に示す。
【0010】図30は例えば特開昭62−179975
号公報に示された従来の熱転写記録装置で使用する溶融
・昇華兼用プリンタのインクシートの構成図である。図
30において、72はインクシート、79y、79m、
79cはインクシート上に塗布されたイエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)の昇華性インク、80は
黒色(Bk)の溶融性インク、81y、81m、81
c、81bは4色の色をマーク個数で判別するマークで
ある。インクシート72にはイエロー、マゼンタ、シア
ンの3色の昇華性インク面79y、79m、79cと、
黒色(Bk)の溶融性インク面80とが順次形成されて
いる。インク判別マークには、昇華性であることを示す
82aと、溶融性であることを示す82bとがある。
【0011】図31には図30に示した溶融・昇華兼用
のインクシートを用いた溶融・昇華兼用プリンタの構成
図、図32には溶融・昇華兼用プリンタの通電時間の説
明図、図33には溶融・昇華兼用プリンタの通電時間と
改行時間の説明図が示されている。
【0012】溶融性インクと昇華性インクでは熱特性が
異なるため、図31に示すサーマルヘッド71の通電時
間を図32に示すように異ならせる必要がある。例え
ば、溶融性インクの場合には5ms、昇華性インクの場
合には5〜20msの可変域というように差を設ける必
要がある。
【0013】次に動作を図31を用いて説明する。イン
クシート72の色判別マーク81y、81m、81c、
81bとインク判別マーク82a、82bとはそれぞれ
センサ86、87によって検知される。画像入力の場合
には、色変換部88によってイエロー、マゼンタ、シア
ンの3色に分離されてメモリ89に記憶され、文字・線
入力の場合にはそのままメモリ89に記憶される。メモ
リ89に記憶された画像データは、画像データ読出部9
0によって読みだされ、階調変換部91を介して通電制
御部92に入力され、文字・線データの場合は、文字・
線データ読出部93によって読み出されそのまま通電制
御部92に入力される。なお、画像データと文字・線デ
ータとは図33に示すように通電時間と改行時間が異な
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の溶融型と昇華型
を兼用した熱記録装置は上述したように構成されている
ので、階調画像のみあるいは線及び文字等の画像のみを
連続して印字する場合には、インクシートの溶融性イン
クまたは昇華性インクの部分が無駄になり、インクシー
トが実際に使用している以上に消費される。この結果、
ランニングコストが2倍あるいはそれ以上高くなり、ユ
ーザーが著しい不利益を被っていた。
【0015】また、画像データと文字・線データを判別
する複雑な回路を必要とし、ランニングコストの上昇だ
けでなく装置自体のコストも上昇し、溶融型と昇華型の
兼用による低コストの利点が損なわれる。加えて昇華型
の記録紙は専用紙を使用しており、溶融型の記録紙の約
20倍の価格であり、階調性のない画像を(文字など)
を印字する場合でもランニングコストは高くなるという
問題点があった。
【0016】また、溶融型記録方式と昇華型記録方式を
兼用化する場合には、サーマルヘッドの発熱抵抗体のサ
イズに関する課題がある。まず昇華型記録方式である
が、この方式による転写は図34に示すように1ドット
内の濃度を変更する記録方式なので、サーマルヘッドの
発熱抵抗体の温度分布はドット内が一様であることが望
ましく、また、かすれの防止や最高濃度を上げるために
も発熱抵抗体の形状は横に対して縦方向に長い方がよ
い。
【0017】一方、溶融型記録方式は図35に示すよう
に1ドットの面積を変化させる記録方式なので、サーマ
ルヘッドの発熱抵抗体の温度分布は1点を中心として同
心円状であることが望ましく、またドットのきれや安定
性を良くするために温度差がある程度あったほうがよ
い。また、周囲のドットの熱影響を受け易いという面も
ある。従って溶融型記録方式においては、サーマルヘッ
ドの発熱抵抗体は横方向と縦方向の長さが一致している
方がよい。
【0018】これらの特徴があるため、昇華型記録方式
で通常用いられている発熱抵抗体形状が横:縦=1:
2.5のサーマルヘッドを溶融型記録方式で用いると、
低階調時におけるかすれが起こり易くなり、与えるエネ
ルギに対する濃度の上昇が急峻になり溶融型記録を行う
ことが難しい。また、発熱抵抗体のサイズを横:縦=
1:1とすると溶融型記録方式においては問題はない
が、昇華型記録方式を行うと低階調時におけるかすれが
起こり易くなり、また最高濃度が低く昇華型記録を行う
のが難しい。従って、いずれのサーマルヘッドを用いて
も溶融型記録方式、昇華型記録方式の2つの方式を同時
に満足させることができないという問題点があった。
【0019】また、従来の熱記録装置で中間調記録を行
なう場合には、サーマルヘッドの駆動方式に応じて濃度
ムラが発生するという問題点があった。例えば、204
8個の発熱抵抗体を有するサーマルヘッドを2分割駆動
(サーマルヘッドの左側をストローブ信号SB1で駆
動、右側をストローブ信号SB2で駆動)し、128階
調の全黒パターン(記録パターンA)と128階調右半
分(記録パターンB)を記録した場合には、図36に示
すように記録濃度がそれぞれ1.0と1.1となり記録
パターンBの方が約10階調分濃くなった。
【0020】この原因を究明するためにサーマルヘッド
駆動時の電流を測定し、電流挙動の測定を行った。電流
挙動結果を図37に示す。まず、記録パターンBにおけ
る電流波形をみてみると、ストローブSB2の立ち下が
りとともにサーマルヘッドの発熱抵抗体に電流が流れ
(ジュール熱によりインクが転写)、ストローブSB2
の立ち上がりで電流が流れなくなっていることがわか
る。ここで、ストローブSB1の立ち下がりで電流が流
れないのはサーマルヘッドを発熱させるデータがない
(階調数が0)ためである。
【0021】一方、全発熱抵抗体を発熱させる記録パタ
ーンAの場合には、ストローブSB1の立ち下がりとと
もに電流(図37のイ)が流れ、ストローブSB1から
ストローブSB2に切り替わる所で電流(図37のイ)
が流れにくくなりしばらくしてから所定の電流(図37
のロ)が流れストローブSB2の立ち上がりとともに電
流(図37のロ)が流れなくなる。ここで注目すべき点
は、ストローブSB2に対応する電流波形が記録パター
ンAの場合(図37のロ)と記録パターンBの場合(図
37のハ)で異なることであり、この相違がストローブ
のパルス信号毎に累積されて記録濃度の差(濃度ムラ)
になって現れるものと推定できる。
【0022】ここで、ストローブSB1とストローブS
B2の境界で電流が流れにくくなっていることについて
考察する。従来の中間調記録方式では、ストローブSB
1が立ち上がってからすぐストローブSB2が立ち下が
っている。(ストローブSB1とストローブSB2の間
隔がほぼ0に等しい)。通常サーマルヘッド内には、発
熱抵抗体を駆動するドライバICが組み込まれている
が、このドライバIC内のディレイ等によりストローブ
波形SB1とSB2は、図37に示すように実線の矩形
波から点線の様になまった波形となる。即ちパルス信号
の立ち下がりが100ns遅延し、立ち上がりが200
ns遅延するような波形を得た。これらの値は、他のサ
ーマルヘッドで測定した場合でもほぼ同様の結果を得
た。
【0023】遅延の時間差はストローブ波形の重合を起
こす。これはサーマルヘッドに供給される電源容量の許
容範囲をオーバーすることを意味する。この結果電源電
圧がドロップし上記現象が生じるものと考えられる。な
お、上記現象を解消するために電源容量を大きくした場
合には、コスト上昇が避けられず、分割駆動したメリッ
トが半減する。
【0024】一方、ストローブ制御を2分割した場合に
パルス幅制御を行うと、サーマルヘッドに与えるパルス
は図38のようになる。この時、1階調目に与えるパル
スが2階調目以降と比較して極端に長くなっている理由
は、発熱抵抗体が冷えている状態からインクが1階調目
の濃度で転写される温度になるまでのエネルギは、1階
調目の濃度から2階調目の濃度、2階調目の濃度から3
階調目の濃度にそれぞれするよりも極端に大きいからで
ある。図38によるとこの場合ストローブAと比較して
ストローブBは1階調目のパルスが終わってから2階調
目のパルスが始まるまでの間が短い。従って、ストロー
ブAで通電を行うドットよりもストローブBで通電を行
うドットの方が濃度が高くなり濃度ムラが発生する。
【0025】また、パルス数制御を行うとすると、サー
マルヘッドに与えるパルスは図39のようになる。この
場合ストローブAとストローブBの蓄熱量の差による濃
度ムラはほとんどないが、増減の基本単位がパルスの幅
単位になる。この場合小さい単位で増減を行うには1つ
1つのパルスの幅を狭くすればよいがそうすると、サー
マルヘッドのドライバICがパルスに追従できなくな
り、動作が不安定になる。そのため、パルスの幅を5μ
s程度にせねばならず、増減も5μs単位でしかできな
い。
【0026】次に、溶融型記録方式を行ったときの印刷
状態は図40のようになる。この時図40の一番右のよ
うなドットとドットが接近した状態になったときに、周
囲のドットの熱影響を受け易く転写が不安定になり、図
41の左上の4つのドットのように周囲のドットとくっ
ついて転写が行われることがあった。そのため画像が劣
化するという問題があった。
【0027】次に、溶融型記録方式、昇華型記録方式は
それぞれ記録する媒体が異なる。そのため、複数のイン
クシートが装着可能な兼用プリンタの場合、インクシー
トが昇華型記録方式用で記録紙が溶融型記録方式用、あ
るいはその逆になってしまい印刷不可能な状態が使用者
の不手際により発生する可能性がある。また、同じ方式
でも記録紙の平滑度が低いと記録感度が悪くなり、印加
エネルギ不足で画像のかすれや印字不能などの画質劣化
が生じるという問題点があった。
【0028】さらに、記録紙を認識する場合、複数種類
の記録紙毎に認識用のマークを付加せねばならぬ上、記
録紙の種類に応じてセンサを設けなければならないた
め、本体コスト及びランニングコストが高くなる。さら
に、感知を行うためにマークを付けなければならないの
で、指定紙以外での記録は行えず、ユーザが原理的に記
録可能な紙を用意しても、マークがないために記録を行
えないという問題点があった。
【0029】また、溶融型記録方式と昇華型記録方式は
実際に記録を行うデータ量が異なる。例えば、溶融型記
録方式あるいは昇華型記録方式の場合、1画素につき2
56階調の表現を行ったとすると1画素につき必要なデ
ータ量は8bitとなり、また溶融中間調記録は、昇華
型に比較して感度が良いのでサーマルヘッドへの転送デ
ータ量を少なくすることにより、高速印字が可能であ
る。
【0030】そこで溶融中間調記録のみ高速印字モード
を設け64階調記録を行うといった場合も考えられ、こ
の時のデータ量は1画素につき6bitである。従っ
て、同一の画像データを異なる記録方式を用いて印刷を
行う場合、各モードに適した画像データの変換が必要と
なる。これは、例えばランニングコストが低い方式で試
し刷りを行いたい場合などにデータの送り側で各方式に
適したデータ変換の必要性を生じることになり、兼用化
プリンタの課題の一つになっている。
【0031】また、記録紙の紙厚あるいは摩擦係数が違
う場合、紙カセットの給紙ローラへの圧力を変化させて
紙厚、摩擦係数にあった圧力を与えないと給紙の過程
で、重送や、紙ジャムを起こしやすくなるという問題点
があった。
【0032】図42は従来の熱記録装置の記録部の構成
図である。図において、1はサーマルヘッド、2は記録
紙、3はインクシート、4はプラテンローラである。r
はプラテンローラの半径、r’はプラテンローラの径に
記録紙の厚みを加えた時の半径である。以下この図を用
いて説明する。複数の記録紙を用い、かつ記録紙の紙厚
が異なる場合にプラテンローラ4にて記録紙2を搬送す
ると、r’が変化し、プラテンローラ4を同一の回転量
で回転させたときでも記録紙2の搬送量が変化する。
【0033】例えばr=16mm、r’=16.2mm
のとき、A4(横×縦:210×297mm,厚み:2
00μm)の記録紙2を搬送するとするとプラテンロー
ラ4の回転数は、 297÷32.4π=2.9178回転 ここで、紙厚を100μmとするとr’=16.1mm
となり、この時の記録紙2の移動量は、 32.2π×2.9178=295.2mm となり、結局紙厚によるズレ量の最大値は 297−295.2=1.8mm となる。以上のように紙厚が異なる場合に記録位置がず
れるという問題点があった。
【0034】また、ユーザが記録したい画像データが記
録装置の最大印字サイズよりも小さいあるいは大きい場
合に、最大印字サイズに拡大あるいは縮小して印刷する
ときは、ユーザが記録したい画像の画像サイズと最大印
字サイズからデータの変倍率をユーザが計算を行い、ユ
ーザが自分で入力を行わなければならないという問題点
があった。
【0035】この発明は上記のような各問題点を解消す
るためになされたもので、溶融型記録方式と昇華型記録
方式を兼用することによって、最適な画質、コストの記
録方式を選択でき、かつ操作性が向上した熱記録装置を
得ることを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
わる熱記録装置は、複数の発熱抵抗体が横方向に配設さ
れたサーマルヘッドと、溶融型用又は昇華型用インクシ
ートに塗布されたインクを発熱抵抗体の熱によって記録
紙に転写を行う手段と、溶融型モードと昇華型モードを
設定する設定部と、この設定部からの信号に応じて上記
サーマルヘッドの発熱抵抗体に加える電力を制御する通
電制御部を設け、上記発熱抵抗体は、横方向の長さをこ
の発熱抵抗体のピッチ間隔に対し0.35〜0.75と
し、縦方向の長さを横方向の長さの1.5〜2.5倍に
したものである。
【0037】この発明の請求項2に係わる熱記録装置
は、複数の発熱抵抗体を横方向に複数のグループに分割
し、分割したグループ数の通電制御信号線を設け、上記
通電制御部はこの通電制御信号線により上記発熱抵抗体
に電力としてのパルスを順次印加して加熱を行なうとと
もに、上記通電制御信号線毎のパルスとパルスの間隔を
100〜500nsあけたものである。
【0038】この発明の請求項3に係わる熱記録装置
は、通電制御信号線による通電制御信号でパルス数制御
とパルス幅制御を併せて行なうものである。
【0039】この発明の請求項4に係わる熱記録装置
は、2.5g/m2以下のインクを塗布した溶融型用イ
ンクシートと、インクの吸収層を表面に設けた記録紙を
備えたものである。
【0040】この発明の請求項5に係わる熱記録装置
は、2.5g/m2以下のインクを塗布した面とインク
吸収物質を塗布した面を区画形成した溶融型用インクシ
ートと、上記インクを記録紙に転写する前に上記インク
吸収物質を記録紙に転写するためのデータを発生させる
手段を備えたものである。
【0041】この発明の請求項6に係わる熱記録装置
は、溶融型用インクシートのインク層に、先に転写され
たインクが次に転写されるインクを吸収するインク吸収
層を設けたものである。
【0042】この発明の請求項7に係わる熱記録装置
は、溶融型モードと昇華型モードを設定する上記設定部
の信号と装着されている記録媒体とを比較し、両者が一
致したときは記録動作を開始し、不一致の場合はその旨
を警告し記録動作の開始を中止する手段を備えたもので
ある。
【0043】この発明の請求項8に係わる熱記録装置
は、記録紙の種類をその光学的特性により識別する手段
と、この識別手段の識別結果により記録エネルギを変え
る手段を備えたものである。
【0044】この発明の請求項9に係わる熱記録装置
は、n階調以下の階調を表現する場合に、n階調のいず
れかの記録条件に割り当てる手段を備えたものである。
【0045】この発明の請求項10に係わる熱記録装置
は、記録紙の紙厚に応じて1ラインの紙送り量を変化さ
せる手段を備えたものである。
【0046】この発明の請求項11に係わる熱記録装置
は、入力データを記録可能な最大印字サイズに自動的に
拡大、縮小、又は拡大と縮小の両方を行う手段を備えた
ものである。
【0047】
【作用】この発明の請求項1に係わる熱記録装置におい
ては、通電制御部は溶融型モードと昇華型モードを設定
する設定部からの信号に応じてサーマルヘッドの発熱抵
抗体に加える電力を制御する。また発熱抵抗体は、横方
向の長さをこの発熱抵抗体のピッチ間隔に対し0.35
〜0.75とし、縦方向の長さを横方向の長さの1.5
〜2.5倍にしているので、低階調時のかすれがなくな
り、ドットの切れや安定性が良い中間調記録が行なわれ
る。
【0048】この発明の請求項2に係わる熱記録装置に
おいては、通電制御部は少なくとも2本の通電制御信号
の単位パルスと単位パルスの間隔を100〜500ns
あけることにより、通電制御信号同士の重合が緩和でき
濃度ムラのない記録が行なわれる。
【0049】この発明の請求項3に係わる熱記録装置に
おいては、少なくとも2本の通電制御信号の制御をパル
ス数制御とパルス幅制御の混合制御とすることで、濃度
ムラのない記録が行なわれる。
【0050】この発明の請求項4に係わる熱記録装置に
おいては、記録紙の表面に設けたインクの吸収層に溶融
性のインクが吸収される。
【0051】この発明の請求項5に係わる熱記録装置に
おいては、インクが記録紙に転写される前にインクを吸
収する物質が記録紙に転写される。
【0052】この発明の請求項6に係わる熱記録装置に
おいては、先に転写されたインクが次に転写されるイン
クを吸収する。
【0053】この発明の請求項7に係わる熱記録装置に
おいては、溶融型モードか昇華型モードかを設定する設
定部の信号と装着されている記録媒体とが比較され、両
者が一致したときは記録動作を開始し、不一致の場合は
その旨を警告し記録動作の開始を中止する。
【0054】この発明の請求項8に係わる熱記録装置に
おいては、記録紙の光学的特性により記録紙の種類が識
別され、記録紙に最適なエネルギが印加される。
【0055】この発明の請求項9に係わる熱記録装置に
おいては、n階調以下の階調を表現する場合に、n階調
のいずれかの記録条件に割り当てられる。
【0056】この発明の請求項10に係わる熱記録装置
においては、記録紙の紙厚に応じて1ラインの紙送り量
が変化する。
【0057】この発明の請求項11に係わる熱記録装置
においては、最大印字モードにより記録可能な最大印字
サイズの記録が自動的に行なわれる。
【0058】
【実施例】
実施例1.図1は溶融型記録方式と昇華型記録方式を兼
用化した熱記録装置の構成図である。図1(a)におい
て、1はサーマルヘッド、2は記録紙、3はインクシー
ト、4はプラテンローラ、5はインクシートのインクの
色相の違いを吸収する色変換部、6はメモリである。7
は階調変換部で多値データを2値化してサーマルヘッド
1に出力する機能を有するもので、サーマルヘッド1が
多値データを直接受けることができるときは必要がな
い。8は溶融型記録方式と昇華型記録方式の何れかを選
択する設定部としての記録方式選択信号発生手段、9は
記録方式と階調に応じた最適なパルスをサーマルヘッド
1に出力する通電制御部である。10は紙搬送モータ制
御部、11は紙搬送モータである。図1(b)におい
て、1はサーマルヘッド、1aはサーマルヘッド1の横
方向に配設された発熱抵抗体である。
【0059】サーマルヘッド1は、製法の違いにより厚
膜型と薄膜型に分かれる。厚膜型は製法が簡単なためコ
スト的に有利である。一方、薄膜型は、コスト的には不
利であるものの、画質の点ですぐれカラープリンタのほ
とんどに使用されている。両者の場合とも発熱抵抗体1
aの形状は解像度に依存している。例えば解像度が30
0DPIのとき、実際には主走査方向(以降、横方向と
いう)が80μm、副走査方向(以降、縦方向という)
が100μm程度の形状となっている。一方、昇華型記
録で使用されているサーマルヘッド1は、横の長さが同
じであるものの縦の方向が220μmと長い。
【0060】この違いは、サーマルヘッド1の駆動法か
らくるものである。即ち、昇華型の場合には多数パルス
/ラインでサーマルヘッド1を駆動するのに対し、溶融
型では1ないし4程度のパルス/ラインでサーマルヘッ
ド1を駆動するためである。サーマルヘッド1の規格で
耐パルス性という項目があり、昇華型の発熱抵抗体1a
の寿命を長くするため、発熱抵抗体1aの面積を溶融型
より大きくしストレスを緩和しているのである。また、
縦方向を長くしているのは、次のラインと重なりを持た
せ、同一エネルギの場合でも濃度を高くしようという意
図もある。
【0061】図2は、300DPIのピッチのサーマル
ヘッド1の発熱抵抗体1aの横方向の長さを50μm、
60μm、70μmとし、発熱抵抗体1aの縦方向の長
さを100μm、120μm、140μmとしたときの
エネルギ−濃度特性である。図2からは発熱抵抗体1a
の横方向の長さが大きくなるにつれ、低エネルギ時の濃
度が低く、濃度の上がり方が急峻になっていることがわ
かる。この理由を図3を用いて説明する。図3は発熱抵
抗体1a及びその周辺の熱分布の一例である。図3から
は発熱抵抗体1a内部の熱分布は緩やかになっているこ
とがわかる。
【0062】従って、インクの溶融点がこの緩やかな部
分にかかっているときは、ドットの形状が不安定になっ
たり、かすれを起こしたりする。また、発熱抵抗体1a
の外部の熱分布は急峻になっており、この部分がインク
の溶融点にかかっているときは、ドットの形状が安定す
る。つまり、発熱抵抗体1aの面積が大きいと熱分布の
不安定な部分が大きくなり、低階調でドットの形状の不
安定やかすれを引き起こすため、低階調時のかすれを引
き起こす。また、面積が大きいと周辺のドットの熱影響
を受け易く、高エネルギになると周辺の熱影響を受け急
激に濃度があがることになる。
【0063】今回の実験では、300DPIのピッチで
は、発熱抵抗体1aの横方向の長さで大きいものは60
μmのものが画質的に限界であり、70μmのものは実
用には耐えられないことがわかった。従ってピッチに対
する発熱抵抗体1aの横方向の長さで大きい方向の限界
は、300DPIのピッチ幅が83μmなため 60 ÷ 83 = 約0.75 であるといえる。
【0064】また図4は、上記した50×100μm、
60×120μm、70×140μmの発熱抵抗体1a
のサーマルヘッド1を用いて、図5のように横方向、縦
方向共に一つ置きに発熱抵抗体1aを発熱させた場合の
エネルギ−濃度特性である。この場合、ピッチを300
DPIの半分の150DPIにした時と同様であると考
えられる。図4からは70μm、60μm、50μmの
順に感度が悪くなっていることがわかる。特に50μm
のものでは濃度が最高濃度の1.5に達することができ
なかった。これは、発熱抵抗体1aの面積が小さすぎ、
感度が極端に悪くなったためである。
【0065】今回の実験では、最高濃度の1.5に達す
ることができた60μmのものが、感度の点から小さい
方向の限界であることがわかった。従って、ピッチに対
する発熱抵抗体1aの横方向の長さで小さい方向の限界
は、150DPIのピッチ幅が167μmなため 60 ÷ 167 = 約0.35 であるといえる。
【0066】また図6は、300DPIのピッチのサー
マルヘッド1の発熱抵抗体1aの横方向の長さを50μ
mとし、縦方向の長さを50μm、75μm、100μ
m、125μm、150μmとしたときのドットの成長
を観察した結果である。図6からわかるように、50μ
mのものは横からドットがつながり易くなっており、7
5μmになるとややつながりにくくなり、100μmの
ものではほぼ円に近い状態になった。
【0067】50μmのものでは目に見える横筋が目立
っており、実用上問題があった。75μmのものでは、
やや横筋が見えたが実用に耐えられる程度であった。ま
た、125μmになるとやや縦につながり易くなり、1
50μmのものでは低階調時から縦につながる現象がみ
られた。125μmのものはやや縦筋が見えたが実用に
耐えられる程度であったが、150μmのものは、縦筋
がひどく実用に耐えられない画質であった。
【0068】また、図7にそれぞれの発熱体形状のサー
マルヘッド1のエネルギ−濃度特性を示す。図からわか
るように150μmのものは濃度の変化が激しく、階調
をとるのが困難であった。これらの結果から、発熱抵抗
体1aの縦方向の長さで実用に耐えられるのは75μm
〜125μmであり、横方向の長さ50μmに対して
1.5〜2.5の比率が適切であることがわかった。
【0069】次に動作について図1を用いて説明する。
まず記録方式信号発生手段8から溶融型記録方式か昇華
型記録方式かの記録方式選択信号がユーザの選択により
発生する。この選択信号は色変換部5、通電制御部9、
紙搬送モータ制御部10に入力される。その後、画像デ
ータが入力され、色変換部5にて前述の記録方式選択信
号に従って色変換を行った後、メモリ6にデータを格納
する。階調変換部7で階調変換を行い2値化した後、サ
ーマルヘッド1に出力される。次に記録方式選択信号発
生手段8から発生する記録方式選択信号に従い、通電制
御部9からサーマルヘッド1に記録方式に最適な通電パ
ルスが出力される。また、同時に紙搬送モータ制御部1
0により紙搬送モータ11が記録方式選択信号に従って
駆動される。そしてインクシート3からインクが記録紙
2に転写され記録が行われる。
【0070】なお、この記録方式選択信号発生手段8
は、本体のボタンやスイッチ、又はホストコンピュータ
などの外部入力で設定する手段である。また、この場合
は熱記録装置内に色変換部5とメモリ6を設けたが、色
変換部5とメモリ6は図示しないホストコンピュータに
設けてもよい。
【0071】実施例2.次に別の発明について説明す
る。図8に示した通電制御部の動作を説明する前に、こ
の発明の原理について図9、図10をもとにして説明す
る。図9において、t1はストローブ信号SB1の通電
パルス幅、t2はストローブ信号SB1の立ち下がりか
らストローブ信号SB2の立ち下がりまでの時間、t3
はストローブ信号SB2の通電パルス幅、t4はストロ
ーブ信号SB2の立ち下がりからストローブ信号SB1
の立ち下がりまでの時間である。
【0072】また、t5はストローブ信号SB1の立ち
上がりからストローブ信号SB2の立ち下がりまでの時
間、t6はストローブ信号SB2の立ち上がりからスト
ローブ信号SB1の立ち下がりまでの時間である。t5
とt6の時間は単位パルスと単位パルスの間隔である。
【0073】図10は単位パルスと単位パルスの間隔と
記録濃度の関係を表したもので、横軸にt5またはt6
の時間をとり、縦軸に記録濃度をとったものである。こ
こでt5、t6の変化は、t1を一定にし、t2を変化
させる方法をとった。この結果は以下のとおりであっ
た。
【0074】(1)図36に示した128階調右半分の
記録パターンBの場合には、t5またはt6の間隔を広
げると記録濃度がなだらかに低くなった。これは、熱効
率がわるくなったためであり、t1を狭めたのと同様の
効果を示している。
【0075】(2)図36に示した128階調の全黒パ
ターンの記録パターンAは、t5またはt6の間隔を広
げると、一旦は濃度が上昇するものの、100nsを超
えるとなだらかに減少した。これは次のように考えるこ
とができる。まず、記録濃度が上昇したのは、ストロー
ブSB1とSB2の重合がなくなりつつあるためで、電
源電圧のドロップによる影響が少なくなったためと考え
られる。一方、記録濃度が減少したのは、上記(1)に
よる理由と同様である。なお、単純にt5とt6の間隔
を広げると記録濃度が所定の濃度にならなくなるので、
通電パルス幅t1を広げて所望の濃度が得られるように
する必要がある。ただし、通電パルス幅t1を広げるに
しても、t5またはt6の間隔が500nsを超えると
記録時間や消費電力の関係から問題がある。
【0076】以上により、単位パルスと単位パルスの間
隔は100〜500nsあれば濃度ムラのない画像が得
られることがわかる。なお、上述した例では2分割記録
の場合を示したが、3分割記録以上の場合でも同様であ
った。また、t5とt6の間隔を異ならせても、例えば
t5=100ns、t6=125nsというようにして
も同様の効果が得られた。
【0077】次に、動作について図8を用いて説明す
る。図8はサーマルヘッドを駆動する通電制御部の構成
図である。図において35〜38はパルス幅のカウン
タ、39は階調ごとのパルス数がROMに格納されてい
るパルス数発生手段、40はパルス数制御部、41はス
トローブのパルス幅の既定値が格納されたカウンタ35
〜38を有するパルス幅設定手段である。カウンタ35
〜38は、それぞれ図9に示すt1〜t4用である。一
例として、カウンタ35には5μs、カウンタ36には
5.125μs、カウンタ37には5μs、カウンタ3
8には5.125μsが設定される。パルス数発生手段
39は、例えば、1階調目には20パルス、2階調目に
は14パルス、・・・255階調目には4パルスという
ように格納されている。パルス数制御部40へは、カウ
ンタ35〜38に設定された値をもつ基本パルス信号が
入力されるとともに、パルス数発生手段39の出力(パ
ルス数)が入力され、設定されたパルス数が出力され
る。
【0078】図9を用いて説明すると、図示しないトリ
ガー信号によりストローブ信号SB1が立ち下がるとと
もに、カウンタ35とカウンタ36が計測を開始する。
続いてカウンタ35が規定値になった時ストローブ信号
SB1を立ち上げる。続いて、カウンタ36が規定値に
なった時、ストローブ信号SB2を立ち下げ、カウンタ
37とカウンタ38の計測を開始する。続いて、カウン
タ37が規定値になった時、ストローブ信号SB2を立
ち上げ、カウンタ38が規定値になった時、ストローブ
信号SB1を立ち下げる。この動作をパルス数発生手段
39の出力分のみ行えばよい。
【0079】なお、上記実施例では説明を分かりやすく
するために、カウンタを4つ設けたがカウンタ35とカ
ウンタ37を兼用化するなど構成を簡略化してもよい。
また、図8ではパルス数発生手段39を用いて階調毎の
パルス数を設定したが、パルス数の代わりにパルス幅を
設定するような構成にしてもよい。この場合には、例え
ばカウンタ35とカウンタ37に図示しないパルス幅設
定手段の出力結果を入力させるようにすれば良い。さら
に、単位パルスと単位パルスの間隔をあけるにはストロ
ーブ信号SB1に対して、ストローブ信号SB2が遅れ
るようにシフトレジスタあるいは遅延ICを組み入れる
ことでカウンタの個数を減らすこともできる。
【0080】実施例3.次に別の発明について説明す
る。中間調記録の行える装置でストローブ制御を2分割
して駆動した際に、ストローブ間の濃度ムラが発生する
という問題がある。
【0081】この問題点を解決する方法として以下の2
つ方法が考えられる。 (1)パルス幅制御を行う時にあらかじめ蓄熱量を考慮
し、ストローブA、ストローブBのパルス幅を変更す
る。 (2)パルス数制御を行う時に1つ1つのパルスの幅を
小さくする。(1)についてはパルステーブルが2倍に
なってしまいROMの容量が増えるだけでなくパルステ
ーブルを作成する作業量も2倍になってしまいデメリッ
トが大きい。また(2)についてはサーマルヘッドのド
ライバICの反応がパルス幅が5μs以下であると動作
が不安定になってしまうため問題がある。そこで、パル
ス幅制御及びパルス数制御の長所を併せ持ったパルス幅
とパルス数の混合制御方式を創出した。
【0082】次にその構成及び動作について図11、図
12を用いて説明する。図11はこの発明による通電制
御を行なうための通電制御部の構成図であり、図12は
図11の構成で発生することができるストローブのパル
ス波形である。図11において、39は1階調目に与え
るパルスの数がレジスタに設定されるパルス数発生手
段、41はストローブのパルス幅をROMに格納するパ
ルス幅設定手段で、1階調目のパルス幅=5μs、2階
調目のパルス幅=9μs、3階調目のパルス幅=7μs
というように順次格納されており、適宜読み出される。
42はストローブのパルスを発生するパルス数パルス幅
制御部、また図12のt1、t2、t3はそれぞれ1階
調目のパルス幅、2階調目のパルス幅、3階調目のパル
ス幅にそれぞれ対応する。
【0083】以上のように図11の構成を用いると、図
12のようなストローブを得ることができストローブA
とストローブBの間に蓄熱量の差はなく、かつ小さい単
位でパルスを変更できるようになる。また、ここでは1
階調目のみパルス数とパルス幅の混合制御を行い、2階
調目以降をパルス幅制御としたが、混合制御を低階調部
全域について行っても良いし、低階調をパルス数制御、
それ以外をパルス幅制御としても良い。
【0084】実施例4.次に別の発明について説明す
る。溶融型記録方式を用いて印刷を行ったときに、高階
調側で画像が乱れることがあった。これは前述したよう
にドットの面積が大きくなり周囲のドットと接近したと
きに、周囲のドットの熱影響を受けインクの転写が不安
定になり、ドットとドットの間の本来空間となるべき部
分に転写が行われるため発生する。この原因は以下の3
つが考えられる。基紙にセルロースを用いた時には紙の
繊維に沿って熱が伝わりこの部分に転写が行われる。ま
た、記録紙の硬度が高いためプラテンローラとの圧力で
周囲にインクが移動する。また、記録紙の表面を熱が伝
わりドットとドットの間に転写が行われる。
【0085】そこで、この問題を解決するために塗布す
るインクのインク厚及び記録紙の平滑度、断熱性、クッ
ション性の改良を行ったところ、Y,M,C,Bkの各
単色による転写の改善が見られた。しかし、2色、3色
と重ねて転写を行った場合にはインクの上に転写を行っ
てしまうため前述した改良による効果がなくなり、高階
調側での画像の乱れがふたたび発生した。これを解決す
るには転写を行った際に転写されたインクが、記録紙側
に取り込まれるようにしてインクが互いに影響しないよ
うにすれば良い。
【0086】図13はインク層の厚みを変化させたとき
のエネルギ濃度特性図であり、横軸にエネルギ、縦軸に
ドットの長さをとり、インクの塗布量をパラメータとし
たものである。なおサーマルヘッドには、発熱抵抗体が
縦、横とも80μmのものを使用した。この結果から
は、インク厚の薄いものほど感度がよく、かつドットの
長さも所望(80μm)に近い値になっていることがわ
かる。インクが厚ければ厚いほどサーマルヘッドからの
熱が周辺にひろがるため、解像度が悪くなっている。こ
の結果を見れば、現状の3.5g/m2より2.5g/
2の方が、感度、解像度、階調性(ドットの長さのな
だらかな変化)が優れていることがわかる。そこでイン
ク厚が2.5g/m2のものを使い記録紙側にインクを
吸収するような構造をもたせたところ、重ねて転写を行
った場合でも階調性を損なわず転写を行うことができ
た。
【0087】この発明の他の要件である記録紙に吸収構
造をもたせる方法の一つとして、記録紙の内部にスポン
ジ状に空間をつくりかつ表面に微細な穴をあけることに
より、記録紙側のインクの吸収を実現できる。その時の
記録紙の断面図と表面の状態を、図14(a)と(b)
にそれぞれ示す。図14(a)において、12はインク
の吸収層でこの部分はクッションの役割りも表してい
る。13は基紙でありPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)やユポ等が使用される。図14(b)において、
14は表面から見たときの穴である。
【0088】また別の方法として、記録紙の表面にイン
クの融点以下の溶融吸収層を設けることによりインクの
吸収を実現できる。この方法の記録紙の断面図を図15
に示す。図15(a)は溶融吸収層のみを設けた場合で
あり、図15(b)は更にクッション層を設けた場合の
それぞれ断面図である。図15において13は基紙、1
5はインクの吸収を行う溶融吸収層、17はクッション
層である。
【0089】実施例5.次に別の発明について説明す
る。この発明は、インク吸収構造をもたない記録紙にイ
ンク吸収物質を転写してからインクを転写する熱記録装
置についてのものである。
【0090】図16にインク吸収層を塗布したインクシ
ートの一例を示す。図16において、18はインク吸収
層を塗布したエリア、19はイエローインクを塗布した
エリア、20はマゼンタインクを塗布したエリア、21
はシアンインクを塗布したエリア、22、23はインク
吸収層判別マーク、24、25、26はそれぞれ、イエ
ロー、マゼンタ、シアンのインクを判別するためのマー
クである。ここでは、3色のインクシートを示したが、
モノクロでもよく、マークの位置もそれぞれが判別可能
ならば、インクシート上のどの位置にあってもよい。
【0091】また、図17は図16のインクシートを使
用したときの熱記録装置の構成図である。図17におい
て、1はサーマルヘッド、2は記録紙、3はインクシー
ト、4はプラテンローラ、6はメモリ、7は階調変換
部、27はインク吸収層判別マーク22、23を判別す
るためのセンサ、28はインク判別マーク24〜26を
判別するためのセンサ、29はインク吸収層18を転写
するときにサーマルヘッド1に送るデータの発生部、3
0は画像データをサーマルヘッド1に送るか、インク吸
収層18の転写用データを送るかの切り替えをセンサ2
7、28の状態から判別して行なうデータ切り替え部で
ある。
【0092】次に動作について図16と図17を用いて
説明する。センサ27によりインク吸収層判別マーク2
2、23が検出され、インク吸収層18であることが判
別される。次に、データ発生部29のインク吸収層転写
データをサーマルヘッド1に送るようにデータ切り替え
部30で切り替えが行われ、階調変換部7にインク吸収
層転写データが送られる。このデータに従ってサーマル
ヘッド1が発熱し、インクシート3から記録紙2にイン
ク吸収層18が転写される。インク吸収層18が転写さ
れた後は、メモリ6に格納されている画像データを送る
ようにデータ切り替え部30で切り替えられ、通常にイ
ンクの記録が行われる。
【0093】なおこの発明は、サーマルヘッドとは別の
インク吸収物質転写装置を用いても良い。
【0094】実施例6.次に別の発明について説明す
る。高階調側での画像の乱れを抑えるためにインクシー
トとインク層の間にインク吸収層を設けることを創出し
た。図18にこの発明によるインクシートの断面図を、
図19にインクが転写されたときの転写状態を示す。図
18において31はベースフィルム、32はインク吸収
層、33はインク層である。図19において2は記録
紙、33aは転写されたインク、32aは転写されたイ
ンク吸収層である。ここで、この転写されたインク33
aの上に転写を行う場合、インク吸収層32aにインク
33aが吸収され、滑らかな階調が再現できる。さらに
この時このインク吸収層32aの融点をインク33aの
融点以下にすることにより、インクのドットのきれも良
くなる。
【0095】実施例7.次に別の発明について説明す
る。この発明は複数種類のインクシートと記録紙が装着
可能な熱記録装置において、昇華型記録モードか溶融型
記録モードかを指定する信号と装着されている記録媒体
を比較し、両者が一致した時は記録動作を開始し、不一
致の場合は表示手段にその旨を表示するか、警告音発生
手段で警告を行い、かつ記録動作を開始しないことによ
り、ユーザの操作性を向上することを可能とする。
【0096】図20にこの発明による熱記録装置の構成
図を示す。図20において、46は記録紙のセンサ、4
7はインクシートのセンサであり、これらは記録媒体の
種類に応じていくつ設けても良い。48は判定部で記録
媒体と記録方式が一致しているかどうかを判定する。5
0は表示手段で、LCD、LEDなどである。なお、1
〜11は図1に示す実施例1と同様のものである。
【0097】次に動作を図20を用いて説明する。ま
ず、記録方式選択信号発生手段8によってユーザが行い
たい記録方式を設定する。その設定とセンサ46、47
からの情報を判定部48で判定し、正しければ記録方式
選択信号が色変換部5、通電制御部9、紙搬送モータ制
御部10に入力され記録を開始し、間違っていれば表示
手段50にエラーを表示する。なお、表示手段50に表
示を行うかわりに音声あるいは警告音、音楽等を鳴らし
てもよい。また、センサ46、47で記録紙とインクシ
ートの種類を判断し、この判段結果に基づいて判定部4
8で記録方式選択信号を発生させれば、記録方式選択信
号発生手段8は不要である。
【0098】実施例8.次に別の発明について説明す
る。記録紙の平滑度が高いものでは平滑度が低いものに
比べ、見かけ上記録感度がよくなるので、記録紙の平滑
性により記録エネルギを変える必要がある。この発明は
複数種類の記録紙が装着可能な熱記録装置において、記
録紙からの光学的反射または透過光により記録紙の種類
を識別する手段を有したことにより、平滑度の異なる記
録紙に常に最適なエネルギで記録を行え、かつ記録紙が
多種類になる場合に判別するためのセンサの数を減らす
ことができ、かつ記録紙のマークを不要にすることを可
能とするものである。記録紙の平滑度は反射光の散乱成
分を光センサで受光し、その大小により検出することが
できる。また、OHP用紙は透過光成分の大小により識
別できる。
【0099】図21にこの発明による熱記録装置の構成
図を示す。図において、52は発光素子でこれは反射
光、透過光を発生するためのものであり、赤外線を発生
するものでも可視光を発生するものでもよい。53は反
射光をみるための受光素子である。記録紙の平滑度によ
って散乱する光の量が異なるため、その変化をこの受光
素子53で感知することにより、記録紙の判別を行い、
記録エネルギを最適に与えることができる。また、54
は透過光を見るための受光素子で、透過光はOHPを判
別する時に用いる。なお、発光素子52、受光素子5
3、54は給紙口付近に配置されるものである。55は
媒体判別部であり記録紙の判別を行う。なお、1〜11
は図1に示す実施例1と同様のものである。
【0100】次に動作を図21を用いて説明する。ま
ず、発光素子52を点灯させる。次に受光素子53、5
4からの情報を媒体判別部55が受取りそのデータを基
に記録紙2の平滑度あるいは種類の判定、またはOHP
シートの判定を行う。この情報を通電制御部9に渡す。
次に画像データを色変換部5で色変換してメモリ6に取
り込み、階調変換部7で2値変換を行った後データはサ
ーマルヘッド1に出力される。そのデータに対して通電
制御部9は、現在装着されている記録紙2に最適な通電
パルスをサーマルヘッド1に出力することにより、イン
クシート3から記録紙2にインクの転写が行われる。ま
た、ここでは記録エネルギを変化させるのに通電制御部
9の通電パルス量を変化させたが、画像入力データの値
を増減させる手段を用いて記録エネルギを変化させても
よい。
【0101】なお、ここでは発光素子52を一つしか設
けないが、反射光用、透過光用と二つ設けても良い。ま
た、受光素子54を設けるかわりにOHPに反射光を発
生するためのマークを設けて反射光のみで全ての媒体を
判別するという構成もある。
【0102】また、媒体判別部55で記録紙2の種類を
判断し、この判断結果に基づいて媒体判別部55で記録
方式選択信号を発生させれば、記録方式選択信号発生手
段8は不要である。なお、記録紙の判別による記録条件
の最適化は、加熱手段がサーマルヘッドであるに限ら
ず、レーザ光や通電発熱、放電赤外線熱転写方式を採用
した時にも欠かせない技術である。
【0103】実施例9.次に別の発明について説明す
る。この発明はn階調(nは2以上の整数)の中間調記
録を行うことができる熱記録装置において、n階調以下
の記録を行う時にn階調以下のいずれかの階調に割り当
てることによりn階調以下の記録を可能にするものであ
る。
【0104】図22にこの発明による熱記録装置の構成
図を示す。図22において、43はn階調を何階調に割
り当てるかを判別するための信号を発生するための階調
数設定手段であり、本体のボタンやスイッチ、又はホス
トコンピュータなどの外部入力で設定する手段である。
階調数設定手段43からの信号は、割り当てる階調数が
1つに特定できる信号であればよく、例えばある記録紙
に記録するときは64階調記録というようにあらかじめ
決めておいて割当て階調数を決定してもよい。
【0105】44は階調割当部で、階調数設定手段43
の信号に従い階調数の割当てを行う。ここでの階調数の
割当は、例えばn=256のとき2階調への割当を行う
としても1と0に割り当てるとはかぎらず、128と0
あるいは255と0といったような2階調に割り当てて
もよく、結果として2階調になっていればよい。他の階
調数でも同様である。なお、1〜11は図1に示す実施
例1と同様のものである。
【0106】次に動作を図22を用いて説明する。まず
記録方式信号発生手段8から溶融型記録方式か昇華型記
録方式かの記録方式選択信号がユーザの選択により発生
する。この選択信号は色変換部5、通電制御部9、紙搬
送モータ制御部10に入力される。その後、画像データ
が入力され、色変換部5にて記録方式選択信号に従って
色変換を行った後、メモリ6にデータを格納する。次
に、階調数設定手段43によって割当階調数が決定さ
れ、階調割当部44にて階調数設定手段43の信号に従
い階調の割り当てを行い、階調変換部7にデータが送ら
れる。次に階調変換部7からサーマルヘッド1にデータ
が転送され、通電制御部9からストローブがサーマルヘ
ッド1に出力され、インクシート3から記録紙2にイン
クが転写される。なお、階調割当部44とメモリ6の位
置は逆にしてもよい。
【0107】実施例10.次に別の発明について説明す
る。この発明はn階調(nは2以上の整数)の中間調記
録を行うことのできる熱記録装置において、n階調以下
の記録を行う時に、n階調のいずれかの階調に割り当て
る手段を有し、n階調以下の記録を行うときはn階調以
下の最大割当回数回サーマルヘッドを駆動することによ
り、記録周期を短縮することを可能にするものである。
【0108】図23はサーマルヘッド内の回路の構成図
である。図はデータ入力が4つで、ストローブが1つ
で、各ICが128ドット分の場合のものである。この
場合データは、DATA1、DATA2、DATA3、
DATA4の各信号線からクロック信号に従い1ドット
ずつIC内でシフトされながら入力される。データ入力
が完了したら、次にラッチ信号が入力され入力されたデ
ータがラッチされる。その後ストローブ信号が入力さ
れ、ストローブとラッチされたデータに従い発熱抵抗体
に電流が流れ、発熱抵抗体が発熱する。この動作はn階
調の場合は(n−1)回繰り返すことにより1ラインの
記録が行われることになる。
【0109】ここでn=256としたときのデータ転送
時間は、転送クロックを8MHzとすると 1データの転送時間 × ドライバIC一つのドット数
× 階調数 で求まるので 125ns × 128 × 256 = 4.096
ms となり、さらに通電時間1msを加えたものが1ライン
の記録周期となる。従ってこの場合の記録周期は約5m
sとなる。
【0110】また、割当て階調数を64としたときのデ
ータ転送時間は同様にして、 125ns × 128 × 64 = 1.024
ms 更に通電時間を加えて記録周期は約2msとなり256
階調記録時の半分以下の周期での記録が可能となる。従
ってn階調の中間調記録が可能な熱記録装置において、
n階調のいずれかへの割当てを行った際に、n階調以下
の最大割当て階調数回サーマルヘッドを駆動することに
より記録周期を大幅に短縮することができることにな
る。
【0111】この発明による熱記録装置の構成図は、図
22に示す実施例9と同様である。ただし、図22の階
調変換部7は記録階調数回のみサーマルヘッド1にデー
タを出力するものである。
【0112】次に動作を図22を用いて説明する。まず
記録方式信号発生手段8から溶融型記録方式か昇華型記
録方式かの記録方式選択信号がユーザの選択により発生
する。この選択信号は色変換部5、通電制御部9、紙搬
送モータ制御部10に入力される。その後、画像データ
が入力され、色変換部5にて記録方式選択信号に従って
色変換を行った後、メモリ6にデータを格納する。次に
階調数設定手段43により記録階調数が決定され階調割
当部44に出力される。次に階調割当部44において階
調が割り当てられ、階調変換部7に出力される。そし
て、記録階調数回のみサーマルヘッド1にデータが出力
され、次に通電制御部9から記録階調数にあったストロ
ーブがサーマルヘッド1に出力される。また、同時に紙
搬送モータ11が、記録階調数にあったスピードで紙搬
送モータ制御部10によって駆動され、インクシート3
から記録紙2にインクが転写される。
【0113】なお、この場合は熱記録装置内に階調数設
定手段43と階調割当部44を設けたが、階調数設定手
段43と階調割当部44は図示しないホストコンピュー
タに設けてもよい。
【0114】実施例11.次に別の発明について説明す
る。この発明は複数種類のインクシートと記録紙が装着
可能な熱記録装置において、記録紙の紙厚に応じて1ラ
インの紙送り量を変化させることにより、紙厚の違いに
よる紙の送り量を補正し画質劣化のない記録を可能とし
たものである。
【0115】図24にこの発明による熱記録装置の構成
図を示す。図において4はプラテンローラ、64は媒体
情報提供手段であり、記録紙の紙厚情報を65のモータ
の回転を制御するモータ制御部に与えるためのものであ
る。この媒体情報提供手段64は、本体のボタンやスイ
ッチ、又はホストコンピュータなどの外部入力で設定す
る手段である。66はモータを駆動させるモータ駆動
部、11は紙搬送モータである。
【0116】次に動作を図24を用いて説明する。ま
ず、媒体情報提供手段64は記録紙の紙厚情報を受取
り、モータ制御部65に紙厚情報を伝える。つぎにこの
紙厚情報に従って記録時にモータ駆動部66を駆動させ
紙搬送モータ11を駆動する。するとプラテンローラ4
は紙を搬送する。
【0117】実施例12.次に別の発明について説明す
る。この発明は、入力データを記録可能な最大印字サイ
ズに自動的に拡大、縮小、又は拡大と縮小の両方を行う
手段を有することにより、優れたユーザインタフェース
を提供するものである。
【0118】この発明による拡大は必ず縦と横の変倍の
割合いを同じにして行う。つまり、例えば最大印字サイ
ズが1800ドット×2500ドットであった時に入力
画像が100ドット×100ドットであれば、縦、横1
8倍の拡大変倍を行い1800ドット×1800ドット
の画像を印字し、画像の変形は行わない。また、入力画
像が3600ドット×3000ドットの場合は、180
0ドット×1500ドットのように縦、横0.5倍の縮
小変倍を行う。
【0119】図25にこの発明による熱記録装置の構成
図を示す。図において67は最大印字モードを使用する
か使用しないかの選択を行うための最大印字モード選択
手段で、本体のボタンやスイッチ、又はホストコンピュ
ータなどの外部入力で設定する手段である。68は変倍
率計算部で、画像の画像サイズデータと本体の最大印字
サイズの画素サイズデータから変倍率を計算する。69
は変倍部で、変倍率計算部68の計算結果により画像デ
ータの変倍を実際に行う。なお、1〜11は図1に示す
実施例1と同様のものである。
【0120】次に動作を図25を用いて説明する。最初
に、最大印字モード選択手段67によって最大印字モー
ドを選択する。次に最大印字サイズデータ、入力画像デ
ータの画素サイズデータをそれぞれ入力する。次に変倍
率計算部68によって変倍率が計算され、変倍部69に
渡される。次にメモリ6に渡された画像データは変倍部
69で変倍され、階調変換部7に渡され記録が行われ
る。
【0121】なお、記録紙の大きさが一種類のときは、
あらかじめ変倍率計算部68において最大印字サイズデ
ータを持っておくようにすれば、最大印字サイズデータ
の入力は必要ない。また、変倍部69とメモリ6の位置
は逆にしてもよい。特に縮小機能を持たせる場合は、逆
にしたほうがメモリ容量が少なくてすむ。
【0122】実施例13.次に、複数種類のインクシー
トが装着可能な熱記録装置において、記録紙の紙厚に応
じて紙押し付けバネ強度を変化させることにより、紙の
給紙時の紙ジャム、重送等の給紙不良を防ぐことを可能
としたものである。
【0123】図26にこの発明による熱記録装置の構成
図を示す。図26(a)と(b)は紙カセットの側面図
であり、(c)は紙カセットの正面図である。図26
(a)において59は紙カセットの外枠、60は紙を押
し上げる板であり片方が可動するようになっている。6
1は板60を押し上げるためのバネ、62はバネを下で
支える板バネになっており、板60に係止されるような
突起物63がでている。この突起物63を板60に係止
した時の図が図26(b)で、突起物63を係止したこ
とによりバネ61を押す力が小さくなり結果的に紙を押
す力を変化させることができる。
【0124】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、溶融型モード
と昇華型モードを設定する設定部からの信号に応じてサ
ーマルヘッドの発熱抵抗体に加える電力を制御する通電
制御部を設け、発熱抵抗体の横方向の長さをこの発熱抵
抗体のピッチ間隔に対し0.35〜0.75とし、縦方
向の長さを横方向の長さの1.5〜2.5倍にしたこと
により、溶融型記録方式と昇華型記録方式のいずれで
も、中間調記録を行なうとき、低階調時のかすれがなく
なり、ドットの切れや安定性が良くなる。
【0125】請求項2の発明によれば、少なくとも2本
の通電制御信号の単位パルスと単位パルスの間隔を10
0〜500nsあけることにより、通電制御信号同士の
重合が緩和でき濃度ムラのない高品位な画像が得られ
る。
【0126】請求項3の発明によれば、少なくとも2本
の通電制御信号の制御をパルス数制御とパルス幅制御の
混合制御とすることにより、濃度ムラのない高品位な画
像が得られる。
【0127】請求項4、5、6の発明によれば、溶融型
用インクシートを用いた熱記録装置において中間調記録
を行った時に、高階調側で発生するムラのない高品位な
画像が得られる。
【0128】請求項7、8の発明によれば、複数種類の
インクシートと記録紙が装着可能な熱記録装置において
使用者の操作性が著しく向上する。
【0129】請求項9の発明によれば、複数種類のイン
クシートと記録紙が装着可能な熱記録装置において、階
調数設定手段と階調割当部を有すことにより、昇華型よ
りランニングコストが安い溶融型方式で試し刷りを行な
うことができる。
【0130】請求項10の発明によれば、紙厚に応じて
1ラインの紙送り量を変化させることにより、画質劣化
のない記録が可能となる。
【0131】請求項11の発明によれば、最大印字モー
ドを設けることによって簡単な操作で最大印字を行った
画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における熱記録装置の構成
図である。
【図2】発熱抵抗体の横方向の長さに対するエネルギ濃
度特性を示す特性図である。
【図3】発熱抵抗体の熱分布を説明する説明図である。
【図4】発熱抵抗体の横方向の長さに対するエネルギ濃
度特性を示す特性図である。
【図5】発熱抵抗体の発熱させる場所を説明する説明図
である。
【図6】発熱抵抗体の縦方向の長さを変えたときのドッ
トの成長を説明する説明図である。
【図7】発熱抵抗体の縦方向の長さに対するエネルギ濃
度特性を示す特性図である。
【図8】この発明の実施例2における熱記録装置の通電
制御部の構成図である。
【図9】この発明の実施例2における熱記録装置の通電
制御部を説明するストローブ信号の波形図である。
【図10】この発明の実施例2における熱記録装置の通
電制御部を説明する記録濃度の特性図である。
【図11】この発明の実施例3における熱記録装置の通
電制御部の構成図である。
【図12】この発明の実施例3における熱記録装置の通
電制御部が発生するストローブ信号の波形図である。
【図13】インクの塗布量を変えたときのエネルギ濃度
特性を示す特性図である。
【図14】この発明の実施例4における記録紙の構造を
示す断面図である。
【図15】この発明の実施例4における記録紙の構造を
示す断面図である。
【図16】この発明の実施例5におけるインクシートの
構造を示す構成図である。
【図17】この発明の実施例5における熱記録装置の構
成図である。
【図18】この発明の実施例6におけるインクシートの
断面図である。
【図19】この発明の実施例6におけるインクを紙に転
写したときの状態を説明する説明図である。
【図20】この発明の実施例7における熱記録装置の構
成図である。
【図21】この発明の実施例8における熱記録装置の構
成図である。
【図22】この発明の実施例9における熱記録装置の構
成図である。
【図23】この発明の実施例10における熱記録装置の
サーマルヘッド内部の回路の構成図である。
【図24】この発明の実施例11における熱記録装置の
構成図である。
【図25】この発明の実施例12における熱記録装置の
構成図である。
【図26】この発明の実施例13における紙カセットの
構成図である。
【図27】従来の発熱抵抗体に印加する通電パルスの波
形図である。
【図28】従来のストローブ信号の波形図である。
【図29】従来の熱転写記録装置の基本構成図である。
【図30】従来の溶融・昇華兼用プリンタのインクシー
トの構成図である。
【図31】従来の溶融・昇華兼用プリンタの構成図であ
る。
【図32】従来の溶融・昇華兼用プリンタの通電時間を
説明する説明図である。
【図33】従来の溶融・昇華兼用プリンタの通電時間と
改行時間を説明する説明図である。
【図34】昇華型記録方式の1ドットの変化を説明する
説明図である。
【図35】溶融型記録方式の1ドットの変化を説明する
説明図である。
【図36】サーマルヘッドの駆動方式に応じた濃度ムラ
を説明する説明図である。
【図37】サーマルヘッド駆動時の電流挙動結果を説明
する説明図である。
【図38】パルス幅制御を行なったときのストローブ信
号の波形図である。
【図39】パルス数制御を行なったときのストローブ信
号の波形図である。
【図40】溶融型記録方式のドットの変化を説明する説
明図である。
【図41】溶融型記録方式のドットのムラを説明する説
明図である。
【図42】紙厚の違いによる紙送り量の違いを説明する
説明図である。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 1a 発熱抵抗体 2 記録紙 3 インクシート 4 プラテンローラ 5 色変換部 6 メモリ 7 階調変換部 8 記録方式選択信号発生手段 9 通電制御部 10 紙搬送モータ制御部 11 紙搬送モータ 12 インク吸収層 13 基紙 14 インク吸収穴 15 溶融吸収層 17 クッション層 18 インク吸収層塗布面 19 イェローインク塗布面 20 マゼンタインク塗布面 21 シアンインク塗布面 22,23 インク吸収層判別マーク 24,25,26 インク判別マーク 27,28 センサ 29 データ発生部 30 データ切り替え部 31 ベースフィルム 32 インク吸収層 33 インク層 35,36,37,38 カウンタ 39 パルス数発生手段 40 パルス数制御部 41 パルス幅設定手段 42 パルス数パルス幅制御部 43 階調数設定手段 44 階調割当部 46,47 センサ 48 判定部 50 表示手段 52 発光素子 53,54 受光素子 55 媒体判別部 64 媒体情報提供手段 65 モータ制御部 66 モータ駆動部 67 最大印字モード選択手段 68 変倍率計算部 69 変倍部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 敬喜 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 パーソナル情報機器開発研究所 内 (56)参考文献 特開 平1−157870(JP,A) 特開 昭60−977(JP,A) 特開 昭60−110492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/325 B41J 2/345 B41J 2/36

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発熱抵抗体が横方向に配設された
    サーマルヘッドを備え、溶融型用又は昇華型用インクシ
    ートに塗布されたインクを発熱抵抗体の熱によって記録
    紙に転写を行う熱記録装置において、溶融型モードと昇
    華型モードを設定する設定部と、この設定部からの信号
    に応じて上記サーマルヘッドの発熱抵抗体に加える電力
    を制御する通電制御部を設け、上記発熱抵抗体は、横方
    向の長さをこの発熱抵抗体のピッチ間隔に対し0.35
    〜0.75とし、縦方向の長さを横方向の長さの1.5
    〜2.5倍にしたことを特徴とする熱記録装置。
  2. 【請求項2】 複数の発熱抵抗体を横方向に複数のグル
    ープに分割し、分割したグループ数の通電制御信号線を
    設け、上記通電制御部はこの通電制御信号線により上記
    発熱抵抗体に電力としてのパルスを順次印加して加熱を
    行なうとともに、上記通電制御信号線毎のパルスとパル
    スの間隔を100〜500nsあけたことを特徴とする
    請求項1記載の熱記録装置。
  3. 【請求項3】 通電制御信号線による通電制御信号でパ
    ルス数制御とパルス幅制御を併せて行なうことを特徴と
    する請求項2記載の熱記録装置。
  4. 【請求項4】 2.5g/m2以下のインクを塗布した
    溶融型用インクシートと、インクの吸収層を表面に設け
    た記録紙を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱記
    録装置。
  5. 【請求項5】 2.5g/m2以下のインクを塗布した
    面とインク吸収物質を塗布した面を区画形成した溶融型
    用インクシートと、上記インクを記録紙に転写する前に
    上記インク吸収物質を記録紙に転写するためのデータを
    発生させる手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の熱記録装置。
  6. 【請求項6】 溶融型用インクシートのインク層に、先
    に転写されたインクが次に転写されるインクを吸収する
    インク吸収層を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    熱記録装置。
  7. 【請求項7】 溶融型モードと昇華型モードを設定する
    上記設定部の信号と装着されている記録媒体とを比較
    し、両者が一致したときは記録動作を開始し、不一致の
    場合はその旨を警告し記録動作の開始を中止する手段を
    備えたことを特徴とする請求項1記載の熱記録装置。
  8. 【請求項8】 記録紙の種類をその光学的特性により識
    別する手段と、この識別手段の識別結果により記録エネ
    ルギを変える手段を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の熱記録装置。
  9. 【請求項9】 n階調記録(nは2以上の整数)が可能
    な中間調手段を有し、n階調以下の階調を表現する場合
    に、n階調のいずれかの記録条件に割り当てる手段を備
    えたことを特徴とする請求項1記載の熱記録装置。
  10. 【請求項10】 記録紙の紙厚に応じて1ラインの紙送
    り量を変化させる手段を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の熱記録装置。
  11. 【請求項11】 入力データを記録可能な最大印字サイ
    ズに自動的に拡大、縮小、又は拡大と縮小の両方を行う
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱記録装
    置。
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