JP2887897B2 - 床用防音シート並に床の防音施工法 - Google Patents

床用防音シート並に床の防音施工法

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JP2887897B2 JP1306000A JP30600089A JP2887897B2 JP 2887897 B2 JP2887897 B2 JP 2887897B2 JP 1306000 A JP1306000 A JP 1306000A JP 30600089 A JP30600089 A JP 30600089A JP 2887897 B2 JP2887897 B2 JP 2887897B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、床用防音シート並に床の防音施工法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、集合住宅などの複数階から成る建築物の上階の
床衝撃音が下階に伝播することを可及的に防止するた
め、該床の下面とコンクリート下地上面との間に根太を
介し或いは介することなく、床用防音シートとして一般
に、少なくとも約10mm以上のゴムマットや合成樹脂製発
泡板を介在敷設し、下階に対する床の防音施工を行うこ
とは公知である。
〔発明が解決しようとする課題〕
然し乍ら、従来上記の床用防音シートとして使用され
るゴムマットや合成樹脂製発泡板は、上記のように比較
的肉厚なシートとしなければ、防音効果が生ぜず、製造
コストも比較的高価となり、又、その材料の性質や肉厚
のため、出入隅などにおける切り込みや切断に手間がか
ゝり、施工作業能率が低下し、更には、その肉厚の割に
は防音効果が良くないなどの欠点を有する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記従来の課題を解消し、上記従来の床用
防音シートに比し肉薄でも優れた防音効果を有し、比較
的安価に製造でき且つ作業能率を向上し得る床用防音シ
ートを提供するもので、襤褸繊維70〜90重量%と故紙繊
維10〜30重量%の割合で抄造して成り、且つ目付量550g
/m2以上、見掛気孔率75%以上を有する板紙から成り、
その1枚又は複数枚をJIS A 1419「建築物の遮音等級」
L−55以下の単層形シート又は積層形シートとして用い
ることを特徴とする。
更に本発明は、上記の目的を達成し、且つ製造が比較
的容易で、而も運搬、取扱い、防音施工を容易にできる
床用防音シートを提供するもので、該板紙は、襤褸繊維
80〜85重量%と該故紙繊維15〜20重量%の割合で抄造し
て成り、且つ目付量800〜850g/m2、見掛気孔率80〜85
%、厚さ1〜4mmを有する板紙から成る床用防音シート
が特に好ましい。
また、本発明の板紙は、襤褸繊維70〜90重量%と該故
紙繊維10〜30重量%の割合で抄造して成り、且つ目付量
550g/m2以上、見掛気孔率75%以上を有する板紙を、互
いにアスファルト又はホットメルト形接着剤を介し積層
貼着し、積層形シートに構成して成る。
更に本発明は、上記の2種類の、即ち、単層形又は積
層形のいずれか一方又は両方の床用防音シートを使用
し、上記従来の床用防音シートに比し肉薄で且つ安価に
而も同等の又はそれ以上に優れた防音性を確実にもたら
す床の防音施工法を提供するもので、請求項1又は2記
載の単層形床用防音シートの複数枚又は/及び請求項3
又は4記載の積層形床用防音シートの少なくとも1枚を
上階と下階を分けるコンクリートスラブの上面に敷設
し、その目付量を少なくとも1600g/m2とすることを特徴
とする。
〔作用〕
本発明の床用防音シートは、上記のように、襤褸と故
紙を材料とするので、比較的安価に製造でき、而もこれ
らの繊維の抄造板紙から成るので、容易に切断、切り込
みができ、作業性が向上する。この場合、該板紙は襤褸
繊維70〜90重量%と故紙繊維10〜30重量%の割合で抄造
したものであるため、平坦面をもち、且つ腰の強い良質
の床用防音シートが得られると同時に、吸音特性の良い
見掛気孔率75%以上が得られる。目付量は少なくとも55
0g/m2は必要で、500g/m2にも低下すると、板紙として腰
が弱くなり、貼り合わせ作業や防音施工における積層作
業に適さなくなる。従って、その各板紙の目付量550g/m
2以上、見掛気孔率75%以上とすることにより、腰の強
く且つ吸音特性の良いその複数枚をそのまゝ積層して、
床の防音施工に適する。この場合、板紙を特に襤褸繊維
80〜90重量%と故紙繊維10〜20重量%の割合から成り、
目付量750g/m2、見掛気孔率80%、厚さ1〜4mmに構成し
たものは、運搬、施工時などの取り扱いが容易で、その
2枚又は3枚を貼着し、又は貼着することなく積層した
積層体を床の防音施工層とすれば、従来のゴムマット又
は合成樹脂発泡板の複合成形板よりは著しく肉薄で、同
等の防音性能をもたらし、又従来のものと同等の厚さの
場合、従来に比し著しく防音性の向上したものとなる。
この場合、該積層形床用防音シートは、板紙を互いに
貼り合わせる接着剤としてアスファルト又はホットメル
ト接着剤を使用し製造されるので、有機溶剤型接着剤を
使用する場合に比し、製造能率、製造コストを低下し、
安価に防水性、耐剥離性の良い積層形シートとして得ら
れ、又、床の防音施工作業において、一挙に板紙の複数
枚が積層でき作業を容易迅速に行うことができる。
又、該板紙に、防黴剤、防虫剤及び撥水剤を施した場
合は、その使用寿命の増大した床用防音シートとなる。
本発明の床の防音施工法によれば、上記特定の本発明
の板紙の複数枚を、その目付量が少なくとも1600g/m2
積層体として上階と下階を分けるコンクリートスラブの
上面に施すことにより、優れた防音効果を有する防音床
が確保される。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例につき説明する。
本発明の床用防音シートは、襤褸と故紙を材料とし、
襤褸繊維70〜90重量%と故紙繊維10〜30重量%の割合
で、これらの混合繊維を湿式抄紙法により抄造した目付
量550g/m2以上、見掛気孔率75%以上の板紙から成る単
層形の床用防音シートと該板紙の複数枚をアスファルト
又はホットメルト形エラストマーの非溶剤性接着剤を介
して積層貼着して成る積層形の床用防音シートの2種類
である。
而して、前者の板紙から成る単層形の床用防音シート
の複数枚を積層し、或いは後者の積層形床用防音シート
の少なくとも一枚、或いは又単層形の床用防音シートの
少なくとも一枚と積層形床用防音シートの少なくとも一
枚を建物の上階と下階を分けるコンクリートスラブの上
面に施設し、その目付量を少なくとも1600g/m2とし、上
階の床を構成することにより、後述する如く、極めて優
れた床の防音施工が得られる。この場合、接着剤を使用
することなく単に防音シートを積層しただけの該積層体
は、必要に応じ床上面から釘打ちにより固定するように
する。上記の本発明の板紙は、特に襤褸繊維80〜85重量
%と故紙繊維15〜20重量%との配合割合で抄造して成
り、且つ目付量750g/m2以上、見掛気孔率80〜85%、厚
さ1〜4mmを有するものに構成したものは、製造が比較
的容易で、特に腰が強く、而も比較的肉薄のため、運搬
や取扱い、積層作業が容易で、而もその2〜3枚を積層
するだけで、従来の上記の複合成形板の床用防音シート
よりも著しく肉薄で、従来の場合と同等の防音効果を有
し、又従来の床用防音シートと同じ厚さでは、従来に比
し著しく防音効果の向上したものが得られる。従って、
又、例えば、1〜2mm程度の板紙を2〜3枚貼り合わせ
て積層形床用防音シートに製造することも円滑に容易で
ある。而して、このように得た積層形床用防音シートを
一枚、床の下面に設けるだけで、従来に比し著しく肉薄
で従来と同等又はこれ以上の防音効果をもつ床の防音施
工が得られ有利である。
該襤褸は、衣服などの製造時に副生する衣切れ、糸く
ず、古衣服、古切れ、古雑巾などで、その繊維の種類
は、合成繊維、綿繊維、羊毛繊維、麻繊維などで、これ
らの繊維を以下襤褸繊維と言う。故紙は、古新聞、古雑
誌などのパルプ繊維で、以下これを故紙繊維と言う。
本発明の上記の好ましい板紙の抄造につき詳述すれ
ば、通常の湿式抄紙法に従い、該襤褸繊維80〜90重量
%、該故紙繊維10〜20重量%との割合で混合し、細砕し
て蒸煮した後、ビーターもしくはハイドラパルパーによ
りこれら配合繊維を叩解するが、叩解に際しては、一般
の紙の場合よりも叩解度を低くして繊維の絡み合いを良
くし、抄造する板紙の見掛気孔率を大きくし、80%以
上、一般に80〜85%とし、目付量750g/m2以上、好まし
くは、800〜850g/m2とする。板紙を形成する抄紙工程
は、通常の板紙等の場合と同じで良いが、通常板紙製造
に用いられるカレンダーロール掛けは紙質が緻密になり
すぎる傾向があるので、行わない方が好ましい。板紙の
厚さは、1mm〜4mm以内とするのが好ましく一般である。
これ以上の厚い板紙は、その肉厚の湿紙の抄造、乾燥な
どに手間がかゝり、生産能率をおとし好ましくない。
なお、襤褸繊維を90重量%を越える、例えば95重量%
と故紙繊維を10重量%未満の例えば、5重量%とを配合
した場合は、板紙の故紙が弱くなり、良好な板紙が得ら
れず、また積層形床用防音シートの製造が困難となり、
不適であった。また、逆に、襤褸繊維を70重量%未満の
例えば、65重量%と故紙繊維を30重量%を越える、例え
ば35重量%とを配合した場合は、所要の見掛気孔率75%
以上が得られない。従って、襤褸繊維と故紙繊維の配合
比は、上記の特定の関係の配合比でなければ、目的とす
る床用防音シートは得られない。
茲で、「見掛気孔率」とは、JIS R 2205「耐火れんが
の見掛気孔率・給水率及び比重の測定方法」に従い、試
料乾燥重量W1、飽水試料の水中重量W2及び試料の飽水重
量W3から、 で求めたものである。
第1図は、このようにして得た厚さ1mm〜2mmの範囲の
肉薄の板紙2枚をアスファルト又はホットメルト形エラ
ストマーの非溶剤性接着剤を介して貼り合わせて成り、
所定の大きさに切断して成る厚さ4mmの積層形床用防音
シート1を示す。2は板紙、3は接着剤を示す。
第2図は、その変形例を示し、上記板紙の3枚を第1
図の場合と同じ接着剤3を介して積層貼着して成る厚さ
6mmの積層形床用防音シート1を示す。
尚、本発明の積層形床用防音シートの製造は、本発明
の板紙を2枚又は3枚貼り合わせたものが一般で、且つ
好ましく、4枚以上を互いに貼着すれば、積層形床用防
音シートを得られるが、製造作業が面倒となり一般的で
ない。
本発明の板紙2は、防黴、防虫及び撥水処理4を施す
ことが好ましい。その理由は、建築物の上階と下階の間
の湿気の多い空間内に使用され、特に木質系床板の下面
に敷かれるので、黴の発生、ダニの発生、吸湿を防止す
るために、防黴、防虫、耐水性を付与し、使用寿命の向
上をもたらすからである。かゝる処理を施すには、撥水
剤の中に防黴剤及び防虫剤を夫々0.1〜1重量%程度混
入し、その混合液を板紙1m2当たり5g(固形分)程度ス
プレーし、乾燥させることにより遂行でき、抄紙工程で
簡単に行うことができる。
又、本発明で使用するアスファルト接着剤又はホット
メルト形接着剤につき詳述すれば、アスファルト接着剤
としては、ブローンアスファルト、防水工事用アスファ
ルト又はポリマー改質アスファルトがあげられる。該ポ
リマー改質アスファルトは、主として、ストレートアス
ファルトまたはストレートアスファルトとブローンアス
ファルトの混合アスファルトに、スチレン・ブタジエン
・スチレンゴム、アタクチックポリプロピレン樹脂、エ
チレン・酢酸ビニル共重合樹脂などのポリマーを溶融状
態のアスファルトに対し5〜15重量%程度混合して成る
ものである。
ホットメルト形接着剤としては、エチレン・酢酸ビニ
ル(EVA)共重合樹脂、エチレン・アクリル酸エチル(E
EA)共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリオレフィン樹脂、熱可塑性合成ゴムなどがあげられ
るが、通常、これらをベースとして粘着性付与樹脂(例
えば、ロジン、ロジンエステル、テルペン、炭化水素、
フェノール)ワックス、油類、を添加されたものが用い
られるが、特に、これらのうち、エチレン・酢酸ビニル
共重合樹脂に粘着性付与樹脂を添加したものが好適に用
いられる。
かゝるアスファルト接着剤又はホットメルト形接着剤
を使用し、上記板紙2,2相互を貼り合わせるには、これ
ら接着剤を加熱溶融し、その粘度を400〜200cpsの範囲
でその板紙2,2の少なくとも一方の対向面に全面に又は
部分的に均一に塗布し、両板紙2,2相互を圧着すること
により積層形シートを作製することが好ましい。接着剤
の加熱溶融温度が高すぎて粘度が400cps未満となると、
流動性が大きすぎ、板紙の微細孔に深く入り込んで、含
浸状態となり見掛気孔率が低下する。一方、溶融温度が
低温すぎて粘度が2000cpsを越えると、接着剤の塗布作
業が困難となり、使用量も増大するので、不経済となり
好ましくない。板紙2,2相互を貼り合わせるためには、
アスファルト又はホットメルトの接着剤の使用量は0.5k
g/m2程度で充分である。
本発明の板紙、即ち、単層形床用防音シート又は積層
形床用防音シートは、任意の形状、寸法であるが、一般
に、広幅長尺帯状の板紙を製造し、これを或いはこれら
を接着剤で貼り合わせたものを、例えば909mm×1818mm
に連続的に切断し、矩形状のものを多数連続製造する。
第3図は、第1図の実施例の床用防音シート1を使用
し、建造物の上階の部屋の床を防音施工した本発明の床
の防音施工法の1例を示し、図面で5は、上階と下階を
分けるコンクリートスラブ、6は、その上面に所定の間
隔で配設した根太、7は、これら該根太6上面に張り渡
した厚さ12mmのベニヤ板を示し、そのベニヤ板7の上面
に、2枚の板紙2,2を貼り合わせて成る本発明の矩形状
の積層形床用防音シート1の多数枚を、酢酸ビニルエマ
ルジョンなどの任意の接着剤の塗布面を介し、順次つき
合わせて敷設し、その上面に多数枚の木質系床材8aを順
次敷設して床8を形成した。かくして、床8の下面に本
発明の肉薄の床用防音シートを具備した防音性床の施工
が完了する。尚、図示しないが、該床用防音シート1
は、出入隅などの切り込みや壁際の端部の切断は、カッ
ターナイフなどで簡単に切断できる。
尚、本発明の床の防音施工法の他の実施例として、本
発明の上記の板紙から成る単層形床用防音シートのみを
所要の複数枚積層し、或いは前記の積層形床用防音シー
トとの少なくとも1枚、或いは該単層形床用防音シート
の少なくとも1枚と積層形防音シートの少なくとも1種
を混用し積層して、床の下面にこれらの防音シートの積
層体を構成でき、必要に応じ、床上面より釘打ちなどに
より全体を固定する。本発明によれば、多くの試験、研
究の結果、この目付量を、少なくとも1600g/m2とするこ
とにより確実に優れた防音効果をもつ床の防音施工が得
られることが判った。
次に、本発明の具体的な実施例を次に詳述する。
実施例1 襤褸布を叩解したポリエステル繊維65重量%と綿繊維
35重量%とから成る襤褸繊維80重量%と、故紙として雑
誌を叩解した故紙繊維20重量%とを配合して、湿式抄紙
法により抄き上げ、脱水、乾燥して得られた板紙に、撥
水剤としてセロゾール#E−172(中京油脂社製、固形
分40重量%)99重量%、防黴剤としてコートサイド55D
(武田薬品工業社製)0.5重量%及び防虫剤としてバリ
サイド乳剤(武田薬品工業社製)0.5重量%を均一に混
合した溶液をその両面に15g/m2の割合で均一にスプレー
した。かくして、見掛気孔率82%、目付量820g/m2、厚
さ1.8mmの板紙を得た。次で、該板紙2枚を、185℃に加
熱溶融した粘度520cpsの10−20ブローンアスファルトを
その一方の板紙の対向面に全面均一に塗布して貼り合わ
せた後、909mm×1818mmの寸法に切断し、厚さ4.2mmの積
層形シートから成る本発明の積層形床用防音シートを製
造した。
実施例2 実施例1と同じようにして作製した板紙3枚を、上記
の実施例1と同じようにして厚さ6.6mmの積層形シート
から成る本発明の積層形床用防音シートを製造した。
実施例3 実施例1と同じようにして作製した板紙5枚を、180
℃に加熱溶融した粘度1100cpのEVA樹脂(三井東圧化学
社製エムティメルトG−123)で順次積層貼着して厚さ1
1.8mmの本発明の積層形床用防音シートを製造した。
実施例4 襤褸繊維70重量%と故紙繊維30重量%の割合で混合
し、抄造して、目付量560g/m2、厚さ1.2mmの板紙を作製
し、この板紙4枚を実施例2と同じ方法で順次積層貼着
し、厚さ6.7mm、寸法909mm×1818mmの積層形床用防音シ
ートを製造した。
比較例 襤褸繊維60重量%、故紙繊維40重量%とを配合し、実
施例1と同様にして、見掛気孔率64%、目付量850g/
m2、厚さ1.8mmの板網を作製した。この板紙2枚を、175
℃で加熱溶融した粘度840cpsの防水工事用アスファルト
3種で貼り合わせて積層形シートを作製し、次で、これ
を909mm×1818mmの寸法に切断して厚さ4.3mmの積層形床
用防音シートを得た。
従来例1 特殊加硫ゴムで厚さ9.0mm、寸法909mm×1818mmのゴム
マットから成る床用防音シートを製造した。
従来例2 厚さ5mmのゴムマットと厚さ10mmのウレタンクッショ
ンとを積層貼着した厚さ15mm、寸法909mm×1818mmの複
合成形板から成る床用防音シートを製造した。
上記の実施例1、2、3、4、比較例1及び従来例1
及び2の夫々の防音シートを使用し、床の防音施工を行
った後、JIS A 1418「建築物の現場における床衝撃音レ
ベルの測定方法」に従い、軽量床衝撃音発生器を用いた
床衝撃音を生ぜしめて、そのときの夫々の床衝撃音レベ
ルを測定し、その結果から、JIS A 1419「建築物の遮音
等級」に従い、夫々の遮音等級を求め、更に、遮音等級
と生活実感との対応例(建築技術/1987・11の第5頁に
記載の資料」から夫々の遮音等級に対応する生活実感を
求めた。その結果を下記第1表に示す。但し、表中、防
音性評価を表示する夫々の記号は、下記する夫々の生活
実感に対応する。
従って、○以上を防音効果ありとした。
この表から明らかなように、本発明の防音シートは、
従来の防音シートと同じ防音効果をもたらすには、従来
の防音シートよりも著しく肉薄ですむと共に、その厚さ
を増大すれば、防音効果は増大し、且つ従来の防音シー
トと同じ厚さにすれば、更にその防音効果は向上する。
尚、比較例から明らかなように、襤褸繊維60重量%と
故紙繊維40重量%、見掛気孔率64%では、防音効果が認
められないことが分かる。
本発明の床用防音シートの施工は、集合住宅、ホテ
ル、体育館、エアロビクス教室など任意の居室その他の
部屋の床の防音施工に使用され、物の落下、子供の飛び
跳ねや走り回り、歩行、体操、球技、エアロビクスなど
による床衝撃音が下階に伝搬することを有効に防止でき
る。
尚、本発明の床用防音シートは、第3図示のように、
コンクリートスラブ上の根太上に設ける浮床工法に適用
できる他、コンクリートスラブ面に直接敷設し所望厚さ
に施工することができることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
このように本発明によるときは、襤褸繊維と故紙繊維
を組み合わせ、特に、襤褸繊維70〜90重量%と故紙繊維
10〜30重量%の配合で抄造することにより、目付量550g
/cm2以上の腰が強い而も見掛気孔率75%以上の吸音特性
の良い板紙から成る床用防音シートが得られると共に、
その複数枚を積層した積層形防音シートを容易に製造し
或いは防音施工において積層作業を容易になし得られる
と共に、比較的安価で且つ防音施工作業において、隅角
部における切り込み切断が容易にできる床用防音シート
が得られ、その1枚又は複数枚を用いてJIS A 1419「建
築物の遮音等級」L−55以下の単層形シート又は積層形
シートによる防音施工に適用できる等の効果をもたら
す。
特に、襤褸繊維80〜85重量%と該故紙繊維15〜20重量
%の割合で抄造して成り、且つ目付量800〜850g/m2、見
掛気孔率80〜85%、厚さ1〜4mmを有する板紙とした場
合は、特に運搬、施工時などの取り扱いが容易であり、
且つその2枚又は3枚を貼り合わせ或いは貼り合わせる
ことなく積層した床用防音施工層は、従来のゴム又は合
成樹脂発泡板の複合成形板より著しく肉薄で、同等の防
音性能をもたらし、また、従来のものと同等の厚さの場
合は、従来に比し著しく防音性の向上をもたらす効果を
有する。
また、上記の板紙の複数枚をアスファルト又はホット
メルト形接着剤を介して積層貼着するときは、有機溶剤
型接着剤を使用する場合に比し、製造能率、製造コスト
を低下し、安価に防水性、耐剥離性の良い積層形床用防
音シートが得られる。また、これを用い床の防音施工作
業を行うときは、一挙に板紙の複数枚が積層でき、その
作業を容易、迅速に行うことができる。
また、該板紙に防黴剤、防虫剤及び防水剤を施すとき
は、寿命の増大した床用防音シートが得られる。
而して、上記の単層形シートの複数枚又は積層形シー
トの単独又はこれらのシートを組み合わせて、目付量が
少なくとも1600g/m2の積層体として上階と下階を分ける
コンクリートスラブの上面に施すときは、従来に比し肉
薄で且つJIS A 1419「建築物の遮音効果」L−55以下の
防音施工が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明実施の積層形床用防音シートの1例の
斜面図、第2図は、変形例の積層形床用防音シートの斜
視図、第3図は、本発明の床の防音施工法の1例で施工
した防音床の一部の断面図を示す。 1…床用防音シート、積層形防音シート 2…板紙、単層形床用防音シート 3…アスファルト又はホットメルト接着剤 4…防黴、防虫、防水処理面、5…コンクリートスラブ 6…根太、7…ベニヤ板 8…床、8a…木質系床材

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】襤褸繊維70〜90重量%と故紙繊維10〜30重
    量%の割合で抄造して成り、且つ目付量550g/m2以上、
    見掛気孔率75%以上を有する板紙から成り、その1枚又
    は複数枚をJIS A 1419「建築物の遮音等級」L−55以下
    の単層形シート又は積層形シートとして用いることを特
    徴とする床用防音シート。
  2. 【請求項2】該板紙は、襤褸繊維80〜85重量%と該故紙
    繊維15〜20重量%の割合で抄造して成り、且つ目付量80
    0〜850g/m2、見掛気孔率80〜85%、厚さ1〜4mmを有す
    る板紙から成る請求項1記載の床用防音シート。
  3. 【請求項3】請求項1記載の板紙を、互いにアスファル
    ト又はホットメルト形接着剤を介し積層貼着し、積層形
    シートに構成して成る床用防音シート。
  4. 【請求項4】請求項2記載の板紙を2〜3枚を貼り合わ
    せて積層形シートとして成る床用防音シート。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3又は4記載の各板紙は、防黴
    剤、防虫剤及び撥水剤を施されて成る床用防音シート。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の単層形床用防音シー
    トの複数枚又は/及び請求項3又は4記載の積層形床用
    防音シートの少なくとも1枚を上階と下階を分けるコン
    クリートスラブの上面に敷設し、その目付量を少なくと
    も1600g/m2とすることを特徴とする床の防音施工法。
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