JP2886795B2 - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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JP2886795B2
JP2886795B2 JP454395A JP454395A JP2886795B2 JP 2886795 B2 JP2886795 B2 JP 2886795B2 JP 454395 A JP454395 A JP 454395A JP 454395 A JP454395 A JP 454395A JP 2886795 B2 JP2886795 B2 JP 2886795B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動力配分に使
用する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧式動力伝達継手としては、そ
の要部を示すと、例えば図6および図7に示すようなも
のがある。図6および図7において、1は油圧式動力伝
達継手のロータリバルブであり、ロータリバルブ1には
高圧室2が形成され、高圧室2は図示しない吐出ポート
に連通している。高圧室2内には弁体としてのボール3
が移動可能に収納され、ボール3は通常時にはピン部材
4により押圧、保持される。ピン部材4はボール5を介
して弾性部材としてのスプリング6により付勢され、ス
プリング6はロータリバルブ1に形成して収納孔7内に
収納されている。ピン部材4はボール5を介してピン部
材8により移動が阻止される。高圧室2はプラグ9によ
り閉止され、高圧室2には低圧室に連通するオリフィス
10が開口している。
【0003】図6(A),(B)に示すように、通常
時、すなわち、ロックトルク以下の回転差域では高圧室
2の油圧によるピン部材4を押す力よりスプリング6に
よりボール5を介してピン部材4を押す力の方が大きい
ため、ピン部材4がボール3を押える。このため、流動
抵抗発生手段としてのオリフィス10は開放されてお
り、油がオリフィス10を通過する。通常時には矢印a
で示すように、スプリング6によるピン部材4を押す力
が大きい。矢印bはオリフィス10を通過する油の流れ
を示す。
【0004】したがって、この通常時におけるトルク特
性は、図8のcで示される。なお、図中Trはロックト
ルク、dはロックトルクTr以下の回転差域を示す。一
方、図7(A),(B)に示すように、ロックトルク以
上の回転差域では高圧室2の油圧によるピン部材4を押
す力a1がスプリング6によるピン部材4を押す力より
大きくなるため、ピン部材4が移動し、スプリング6が
圧縮され、ボール3がフリーとなって、オリフィス10
を閉止する。こうして継手はロックとなる。
【0005】このときのトルク特性は、図9のeに示す
ようなロック特性となる。解除時はボール3を押しのけ
る力が必要となり、図7(B)のオリフィス10とボー
ル3との接触位置とピン部材4とボール3との接触位置
との調整で自由に設定する。ハンチング防止のため、高
圧室2の油圧が若干低下してから解除することが望まし
い。すなわち、解除時にはトルクTはロックトルクTr
よりも低いトルクTkとする。
【0006】次に、図10は他の従来例を示す図であ
る。図10において、11は油圧式動力伝達継手のロー
タリバルブであり、ロータリバルブ11の表面側には高
圧室12が形成され、裏面側には高圧室12に連通する
連通溝13が形成されている。また、ロータリバルブ1
1には収納孔14が形成され、収納孔14内に弁体とし
てのボール15が移動可能に収納される。
【0007】収納孔14と高圧室12はオリフィス16
により連通しており、オリフィス16はスプリング17
により押圧されるボール15により閉止され、スプリン
グ17は収納孔14を閉止するプラグ18とボール15
の間に介装されている。また、油圧を逃がすための吐出
孔19が収納孔14に開口している。高圧室12内の油
圧が所定値以上に上昇すると、ボール15はスプリング
17に抗して移動し、オリフィス16を解放する。
【0008】したがって、このときのトルク特性は図1
1のfに示され、gで示す分だけ初期トルクがアップす
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、図6および
図7の場合には、一定のトルクになると、ピン部材が押
され、ボールがオリフィスを閉止することで、悪路走破
性向上のためのオートロックのトルク特性が得られ、ま
た、図10の場合には、雪などの低μ路発進およびコー
ナリングなどの車両操安性向上のための初期トルクアッ
プを得ることができるが、車両性能上必要であるオート
ロックのトルク特性と初期トルクアップの両方の特性を
同時に得ることができなかった。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、ピン部材に段部を設けて、初
期状態においてはオリフィスを閉止し、スプリング力に
油圧が打ち勝つまでは油がオリフィスを通過しないよう
にすることで、オートロックのトルク特性と初期トルク
アップを同時に得ることができる油圧式動力伝達継手を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、次のように構成する。まず、本発明は、
相対回転可能な入出力軸間に設けられ、一方の軸に連結
され、内側面に2つ以上の山を有するカム面を形成した
カムハウジングと;他方の軸に連結されるとともに、カ
ムハウジング内に回転自在に収納され、複数のプランジ
ャー室を軸方向に形成したロータと;複数のプランジャ
ー室のそれぞれに、リターンスプリングの押圧を受けて
往復移動自在に収納されるとともに、両軸の相対回転時
にカム面によって駆動される複数のプランジャーと;ロ
ータに形成され、プランジャー室と通じる吸入吐出孔
と;ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、カム
ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、吸入吐
出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作用を
する複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成したロ
ータリバルブと、プランジャーの駆動による吐出油の流
動により流動抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;
両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力
伝達継手を対象とする。
【0012】このような油圧式動力伝達継手につき本発
明にあっては、ロータリバルブに形成され吐出ポートに
連通する高圧室内にカラー部材を設け、カラー部材内に
弁体を移動可能に収納し、弁体を弾性部材により付勢さ
れたピン部材で保持するとともに、ピン部材のピン部
と、カラー部材の内部とピン部材を収納する収納孔を連
通する連通孔との間隙を流動抵抗発生手段としてのオリ
フィスとし、オリフィスを閉止する段部をピン部に続い
て形成したことを特徴とする。
【0013】また、弾性部材に加えて、ピン部材が所定
のストローク量以上移動したときピン部材を付勢する第
2の弾性部材を収納孔内に設けるようにしても良い。
【0014】
【作用】このような本発明の油圧式動力伝達継手によれ
ば、高圧室内にカラー部材を設け、カラー部材内に弁体
を移動可能に収納し、弁体を弾性部材により付勢された
ピン部材で保持するとともに、ピン部材のピン部と、カ
ラー部材の内部とピン部材を収納する収納孔を連通する
連通孔との間隙を流動抵抗発生手段としてのオリフィス
とし、オリフィスを閉止する段部をピン部に続いて形成
したため、初期状態においては、段部でオリフィスを閉
止し、油圧が弾性部材のスプリング力に打ち勝つと、オ
リフィスを開放し、さらに油圧が上昇すると、弁体が流
路を閉止するので、車両性能向上のための初期トルクア
ップとオートロックのトルク特性を同時に得ることがで
きる。
【0015】また、ピン部材のピン部と連通孔の間隙を
オリフィスとしたため、ピン部材が異物により固着する
ことを防止することができる。また、カラー部材内に弁
体を収納したため、ロック時の弁体の衝撃でオリフィス
が破損してしまうのを防止することができる。また、弾
性部材に加えて、ピン部材が所定のストローク量以上移
動したときピン部材を付勢する第2の弾性部材を収納孔
内に設けているため、2重のスプリング構造となるの
で、ロックポイントのトルク値と初期トルクアップのト
ルク値を独立して変えることができる。すなわち、ロッ
クポイントのトルク値を第2の弾性部材のスプリング力
を変えることで、自由に変えることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図3は本発明の一実施例を示す図である。
図2は本発明の一実施例に係る継手の断面図である。ま
ず、構成を説明すると、図2において、31は内側面に
2つ以上の山を有するカム面32を形成したカムであ
り、カム31は図示しない出力軸に連結され、出力軸と
一体で回転する。また、カム31は溶接部33でカムハ
ウジング34に固定され、カム31はカムハウジング3
4と一体で回転する。
【0017】35はカムハウジング34内に回転自在に
収納されたロータであり、ロータ35は入力軸36に結
合され、入力軸36と一体で回転する。ロータ35に
は、軸方向に複数個のプランジャー室37が形成され、
プランジャー室37内は複数個のプランジャー38がリ
ターンスプリング39を介して摺動自在に収納されてい
る。また、ロータ35には複数の吸入吐出孔40が各プ
ランジャー室37に通じるように形成されている。
【0018】41は表面に吸入ポート42、吸入路43
および吐出ポート44が形成されたロータリバルブであ
り、このロータリバルブ41の裏面には吐出ポート44
のそれぞれに連通する連通溝45が形成されている。ま
た、前記裏面には密着して蓋部材46が設けられ、連通
溝45を閉止している。また、ロータリバルブ41はカ
ムハウジング34の内周に形成した切欠き47に係合す
る位置決め用の突起48を有する。
【0019】ロータリバルブ41は、吸入吐出孔40の
開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成し、切
欠き47と突起48がカム31とロータリバルブ41の
位相関係を規制する位置決め機構を構成している。プラ
ンジャー38が吸入行程にある場合は、ロータリバルブ
41の吸入ポート42とロータ35の吸入吐出孔40が
通じる位置関係となり、後述するオリフィス、吸入ポー
ト42、吸入路43、ロータ35の吸入吐出孔40を通
じて、プランジャー室37に油を吸入することができ
る。
【0020】また、プランジャー38が吐出行程にある
場合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ35の吸入
吐出孔40はロータリバルブ41の吐出ポート44を介
して連通溝45に通じる。49はカムハウジング34と
一体で回転するベアリングリテーナーであり、ベアリン
グ50を介して入力軸36を支持している。ベアリング
リテーナー49とロータリバルブ41との間にはスラス
トニードルベアリング51が介装され、このスラストニ
ードルベアリング51側のフリクショントルクはロータ
35とロータリバルブ41の間のフリクショントルクよ
り小さくなるように設定されている。したがって、差動
回転の方向が変わると、ロータリバルブ41はロータ3
5とともにつれ回りし、ロータリバルブ41の位置決め
用の突起48がカムハウジング34の切欠き47に当た
るまで回転した後、カムハウジング34と一体で回転す
る。これにより、正転時または逆転時にも所定のタイミ
ングで吸入吐出孔40は強制的に開閉する。
【0021】ベアリングリテーナー49と入力軸36の
間にはオイルシール52が設けられ、また、入力軸36
の内部には油の熱膨張・収縮を吸収するためのアキュム
レータピストン53が摺動自在に収納されている。54
はアキュムレータ室55への泥水の浸入を防止する蓋部
材である。アキュムレータ室55は油路56,57を介
して継手の内部に連通している。
【0022】ロータリバルブ41には前記吐出ポート4
4に連通する高圧室58が形成され、高圧室58の出口
部はプラグ59により閉止されている。なお、60は注
油孔、61はニードルベアリング、62はねじ孔、6
3,64はOリング、65,66はスナップリング、6
7は取付孔である。次に、図1は本発明の一実施例を示
す要部断面図である。
【0023】図1において、41は前記ロータリバルブ
であり、ロータリバルブ41には吐出ポート44が形成
されている。また、ロータリバルブ41には通孔68を
介して吐出ポート44に連通する高圧室58が形成さ
れ、高圧室58にはカラー部材69が設けられ、カラー
部材69に続いてプラグ59がねじ込まれている。カラ
ー部材69は硬化させた材料よりなり、内部に弁体とし
てのボール70を収納する収納室71が形成されてい
る。収納室71は、カラー部材69に形成した開口部7
2を介して通孔68、吐出ポート44に連通している。
収納室71には弁座73が形成され、収納室71の油圧
がある所定値を越えると、ボール70は図中右方向に移
動して弁座73に着座する。弁座73に続いて出口側の
開口部74が形成され、開口部74に続いてロータリバ
ルブ41には連通孔75が形成されている。
【0024】連通孔75はカラー部材69の収納室71
とボール70を保持するピン部材76を収納する収納孔
77を連通する。ピン部材76は弾性部材としてのスプ
リング78により付勢されてボール70を押圧、保持す
る。連通孔75とピン部材76のピン部79の間の間隙
は流動抵抗発生手段としてのオリフィス80が形成され
ている。ピン部材76のピン部79に続いてピン部79
より大径の段部81が一体に形成され、段部81に続い
て段部81より大径の基端部82が一体に形成されてい
る。初期状態においては、ピン部材76のピン部79を
右方向に押す油圧がスプリング78の付勢力より小さい
ため、オリフィス80はピン部材76の段部81により
閉止されている。油圧が上昇してある所定値を越える
と、ボール70は右方向に移動してピン部材76を押圧
し、ピン部材76はスプリング78に抗して右方向に移
動して、オリフィス80が開放される。さらに油圧が上
昇して、ある所定値を越えると、ボール70は弁座73
に着座して開口部74を閉止し、これによりオリフィス
80が閉止される。
【0025】収納孔77にはピン部材83が収納され、
ピン部材83にピン部材76が当接すると、ピン部材7
6の移動が阻止される。収納孔77はストッパピン84
により閉止されている。また、収納孔77にはドレーン
孔85が開口し、ドレーン孔85より油は低圧室側に逃
げるようになっている。なお、図1中a1 は連通孔75
の面積、a2 はピン部79の面積、Fはスプリング78
のスプリング力をそれぞれ示す。
【0026】次に、作用を説明する。カム31とロータ
35との間に回転差が生じないときは、プランジャー3
8は作動せず、トルクは伝達されない。なお、このと
き、プランジャー38はリターンスプリング39により
カム面32に押し付けられている。次に、カム31とロ
ータ35との間に回転差が生じると、吐出行程にあるプ
ランジャー38はカム31のカム面32により軸方向に
押し込まれる。
【0027】この時、吸入吐出孔40は吐出ポート44
と通じているため、プランジャー38はプランジャー室
37の油を吸入吐出孔40からロータリバルブ41の吐
出ポート44に押し出す。吐出ポート44に押し出され
た油は通孔68、開口部72、収納室71、開口部7
4、オリフィス80を通って収納孔77、ドレーン孔8
5を経て吸入路43から吸入ポート42に供給される。
このとき、オリフィス80の抵抗により通孔68、開口
部72、収納室71、吐出ポート44およびプランジャ
ー室37の油圧が上昇し、プランジャー38に反力が発
生する。このプランジャー反力に逆ってカム31を回転
させることによりトルクが発生し、カム31とロータ3
5との間でトルクが伝達される。なお、吐出ポート44
は連通溝45で連通されているため、吐出行程にあるす
べてのプランジャー室37の油圧は等しくなる。
【0028】さらに、カム31が回転すると、吸入行程
となり、吸入吐出孔40は吸入ポート42と通じるた
め、吸入路43の油は、吸入ポート42、吸入吐出孔4
0を介してプランジャー室37に吸入され、プランジャ
ー38はカム31のカム面32に沿って戻る。ここで、
初期状態においては、収納室71の油圧をΔPとする
と、(ΔP×a1 )はスプリング78のスプリング力F
より小さいので、オリフィス80はピン部材76の段部
81により閉止されている。
【0029】収納室71の油圧ΔPが上昇して、(ΔP
×a1 )=F になると、図3のhで示すような初期ト
ルクアップを得ることができる。油圧ΔPが上昇して、
(ΔP×a1 )>F になると、ピン部材76は図1中
右方向に移動し、ピン部材76の段部81はオリフィス
80を開放する。吐出ポート44からの油は、通孔6
8、開口部72、収納室71、開口部74を経てオリフ
ィス80を通過し、収納孔77、ドレーン孔85を経て
低圧室側に供給される。
【0030】このときのトルク特性は、図3のiに示す
ような差動回転数ΔNの二乗に比例したものになる。収
納室71の油圧ΔPがさらに上昇して、 (ΔP×a2 )+α=F+kδ αはボール70の流路内抵抗力 kはスプリング78のばね定数 δはピン部材76のストローク量(スプリング78の圧
縮量) になると、ピン部材76はさらに図中右方向に移動し、
ボール70は流路内抵抗力αにより弁座73に着座する
ので、オリフィス80は閉止される。
【0031】このときのトルク特性は、図3のjに示す
ようなロック特性となる。さらに、油圧ΔPが上昇し
て、(ΔP×a2 )+α>F+kδ となると、ピン部
材76はピン部材83に当接し、これ以上の右方向への
移動が阻止される。こうして、ロックが完了する。この
ロック完了後のトルク特性は、図3のkに示される。
【0032】このように、オートロックのトルク特性と
初期トルクアップの両方のトルク特性を同時に得ること
ができる。また、ピン部79と連通孔75の間隙をオリ
フィス80としたため、ピン部材76が異物により固着
することもない。また、カラー部材69内に弁座73を
形成してボール70が弁座73に着座して開口部74を
閉止し、これによりオリフィス80を閉止するようにし
たため、ロック時のボール70による衝撃でオリフィス
80が破損してしまうこともない。
【0033】次に、図4は本発明の他の実施例を示す要
部断面図である。図4において、41はロータリバルブ
であり、ロータリバルブ41には収納孔77が形成され
ている。収納孔77はカラー部材69の収納室71と連
通孔75を介して連通している。連通孔75とピン部材
76のピン部79との間の間隙はオリフィス80となっ
ている。収納孔77内には弾性部材としての第1のスプ
リング78、第2の弾性部材としての第2のスプリング
86およびピン部材83が収納されている。
【0034】第1のスプリング78はピン部材76を付
勢し、ピン部材76はボール70を保持する。第2のス
プリング86はピン部材76が右方向に所定のストロー
ク量δ以上に移動したとき、ピン部材76を左方向に付
勢する。ピン部材83はピン部材76がさらに右方向に
移動してきたとき当接し、これ以上の右方向への移動を
阻止する。
【0035】ピン部材76のピン部79に連続して段部
81が一体に形成され、段部81は初期トルクアップが
得られるまではオリフィス80を閉止する。ピン部材7
6には段部81に続いて一体に基端部82が形成されて
いる。図中δはピン部材76のストローク量(第1のス
プリング78の圧縮量)、a1 は連通孔75の面積、a
2 はピン部79の面積、F1 は第1のスプリング78の
スプリング力、F2 は第2のスプリング86のスプリン
グ力をそれぞれ示す。
【0036】初期状態においては、(ΔP×a1 )<F
1 であるため、ピン部材76は右方向に移動せず、オ
リフィス80はピン部材76の段部81により閉止され
ている。油圧ΔPが上昇して、(ΔP×a1 )=F1
になると、図5のhに示すような初期トルクアップが得
られる。さらに、油圧ΔPが上昇して、(ΔP×a1
>F1 になると、ピン部材76が第1のスプリング7
8に抗して右方向に移動し、オリフィス80が開放され
る。吐出ポート44からの油は、通孔68、カラー部材
69の開口部72、収納室71、開口部74を経てオリ
フィス80を通過し、収納室77、ドレーン孔85を経
て低圧室側に供給される(図1、参照)。このときのト
ルク特性は図5のiに示すようなものになる。
【0037】さらに、油圧が上昇して、 (ΔP×a2 )+α=F1 +kδ+F2 αはボール70の流路内抵抗力 kは第1のスプリング78のばね定数 になると、ピン部材76はさらに右方向にストローク量
δだけ移動し、ボール70は流路内抵抗αにより、右方
向に移動して弁座73に着座し、オリフィス80は閉止
される。
【0038】このときのトルク特性は、図5のlに示す
ようなロック特性となる。この場合、オートロックトル
ク値を可変とすることができる。すなわち、第1のスプ
リング78と第2のスプリング86を設け、2重のスプ
リング構造としたため、ロックポイントのトルク値と初
期トルクアップトルク値を独立に変化させることができ
る。
【0039】油圧ΔPがさらに上昇して、(ΔP×
2 )+α>F1 +kδ+F2 になると、ピン部材7
6はさらに右方向に移動し、ピン部材83に当接して、
移動が阻止される。このときのトルク特性は、図5のk
に示すようなものになる。本実施例においては、初期ト
ルクアップとオートロックのトルク特性を同時に得るこ
とができ、さらに、初期トルクアップトルク値とロック
ポイントのトルク値を独立に変化させることができる。
すなわち、第2のスプリング86のスプリング力F2
変えることにより、オートロックのトルク値を変えるこ
とができる。
【0040】なお、本実施例においても、ピン部材76
の異物による固着がなくなり、オリフィス80がロック
時のボール70の衝撃で破損することはない。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、車両性能上必要なオートロックのトルク特性と初期
トルクアップを同時に得ることができる。また、ピン部
材の異物による固着を防止することができ、また、ロッ
ク時の弁体の衝撃によるオリフィスの破損を防止するこ
とができる。
【0042】他の実施例においては、ロックポイントの
トルク値と初期トルクアップのトルク値を独立して変化
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部断面図
【図2】継手の断面図
【図3】トルク特性を示すグラフ
【図4】本発明の他の実施例を示す要部断面図
【図5】図4のトルク特性を示すグラフ
【図6】通常時の従来例を示す図
【図7】ロック時の従来例を示す図
【図8】通常時のトルク特性を示すグラフ
【図9】ロック時のトルク特性を示すグラフ
【図10】他の従来例を示す図
【図11】図10のトルク特性を示すグラフ
【符号の説明】
31:カム 32:カム面 33:溶接部 34:カムハウジング 35:ロータ 36:入力軸 37:プランジャー室 38:プランジャー 39:リターンスプリング 40:吸入吐出孔 41:ロータリバルブ 42:吸入ポート 43:吸入路 44:吐出ポート 45:連通溝 46:蓋部材 47:切欠き 48:突起 49:ベアリングリテーナー 50:ベアリング 51:スラストニードルベアリング 52:オイルシール 53:アキュムレータピストン 54:蓋部材 55:アキュムレータ室 56,57:油路 58:高圧室 59:プラグ 60:注油孔 61:ニードルベアリング 62:ねじ孔 63,64:Oリング 65,66:スナップリング 67:取付孔 68:通孔 69:カラー部材 70:ボール(弁体) 71:収納室 72,74:開口部 73:弁座 75:連通孔 76,83:ピン部材 77:収納孔 78:スプリング(弾性部材) 79:ピン部 80:オリフィス(流動抵抗発生手段) 81:段部 82:基端部 84:ストッパピン 85:ドレーン孔 86:第2のスプリング(第2の弾性部材)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
    カム面を形成したカムハウジングと;前記他方の軸に連
    結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に
    収納され、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロ
    ータと;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リタ
    ーンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納され
    るとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によっ
    て駆動される複数のプランジャーと;前記ロータに形成
    され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と;前記
    ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カム
    ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸
    入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作
    用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成し
    たロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
    抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;前記両軸の回
    転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手
    において、 前記ロータリバルブに形成され前記吐出ポートに連通す
    る高圧室内にカラー部材を設け、カラー部材内に弁体を
    移動可能に収納し、弁体を弾性部材により付勢されたピ
    ン部材で保持するとともに、ピン部材のピン部と、カラ
    ー部材の内部とピン部材を収納する収納孔を連通する連
    通孔との間隙を前記流動抵抗発生手段としてのオリフィ
    スとし、該オリフィスを閉止する段部を前記ピン部に続
    いて形成したことを特徴とする油圧式動力伝達継手。
  2. 【請求項2】前記弾性部材に加えて、前記ピン部材が所
    定のストローク量以上移動したときピン部材を付勢する
    第2の弾性部材を前記収納孔内に設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の油圧式動力伝達継手。
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