JP2882530B2 - 改良された時間分解赤外分光光度計及び改良された時間分解赤外分光光度測定法 - Google Patents

改良された時間分解赤外分光光度計及び改良された時間分解赤外分光光度測定法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、改良された時間分解赤外分光光度計及び改
良された時間分解赤外分光光度測定法に関する。
(従来の技術) 1949年にノリツシユとポーターがフラツシユ・フオト
リシス法を開発して以来(ネイチヤー(Nature)第164
巻658頁(1949年),紫外可視領域での時間分解吸収・
発光分光法は,化学反応の動的過程の解明や光化学反応
中間体の構造の研究に重要な役割を果してきた。この分
光法は,機能性有機材料の開発や研究にも非常に有用で
ある。これは,これらの材料の多くは,光や電気的な励
起・刺激などによりその分子構造や高次構造,結晶構造
等を可逆的に変化させてその機能を発揮しており,時間
分解分光法はこの構造変化の動的過程を直接に捕まえる
ことができるからである。
紫外可視吸収・発光分光法では電子状態間の遷移を観
測するが,これよりも波長の長い赤外光を用いる赤外吸
収分光法では分子内振動や格子振動を主に観測する。こ
のため,凝縮系では紫外可視吸収・発光より赤外吸収の
方が,1)スペクトル・パターンが複雑であり,2)分子構
造や高次構造,結晶構造に関する情報を多く含む。又,
3)紫外可視吸収・発光に比べると赤外吸収の強度は分
子種により極端に大きくは異ならない。したがつて,赤
外領域で時間分解測定をすることにより,1)励起により
生成した過渡種や誘起された構造変化の同定や区別が容
易になり,2)分子構造や高次構造,結晶構造の変化に関
して多くの情報が得られる。又,3)過渡種の種類にかか
わらず多く生成したものはその存在を必ず検出できるた
め,時間分解分光法の応用対象が格段と広がる。
時間分解赤外吸収を測定するための様々な方法が今ま
で試みられてきた。その各手法について以下に概観す
る。
1.定常光励起による方法 この方法では,例えば,ジヤーナル・オブ・ザ・オプ
テイカル・ソサエテイ・オブ・アメリカ(Journal of T
he Optical Society of America)第53巻703頁(1963
年),ジヤーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエテイ・
ケミカル・コミユニケーシヨンズ(Journal of The Che
mical Society,Chemical Communications)528頁(1973
年),ケミカル・フイジツクス・レターズ(Chemical P
hysics Letters)第63巻475頁(1979年),ザ・ジヤー
ナル・オブ・ケミカル・フイジツクス(The Journal of
Chemical Physics)第75巻44頁(1981年),ケミカル
・フイジツクス・レターズ(Chemical Physics Letter
s)第96巻413頁(1983年),ジヤーナル・オブ・モレキ
ユラー・ストラクチヤー(Journal of Molecular Struc
ture)第80巻109頁(1982年),モレキユラー・フイジ
ツクス(Molecular Physics)第49巻1505頁(1983年)
等に示されているように,試料を定常的に励起すること
により試料に誘起されるわずかな変化を測定する。分光
器には,分散型赤外分光器やフーリエ変換赤外分光器が
用いられる。この方法では,通常の赤外分光器を使用す
るため,4000cm-1から400cm-1までの広い波数領域にわた
つての測定が可能である。特にフーリエ変換赤外分光器
を用いた場合,0.01cm-1程度の高い波数分解能が得られ
る。
2.高速走引法 この方法では,例えば,ザ・レビユー・オブ・サイエ
ンテイフイツク・インスツルメンツ(The Review ofSci
entific Instruments)第14巻362頁(1943年),ネイチ
ヤー(Nature)第158巻196頁(1946年),ネイチヤー
(Nature)第157巻547頁(1946年),プロシーデイング
ス・オブ・ザ・フイジカル・ソサエテイ・オブ・ロンド
ン(Proceedings of The Physical Society of Londo
n)第59巻77頁(1947),アプライド・オプテイツクス
(Applied Optics)第7巻2155頁(1968年)等に示され
ているように,分散型分光器を機械的に高速走引させ
て,時間分解スペクトルを測定する。この方法では,広
い波数領域にわたつての測定が可能である。又,数ミリ
秒から数百マイクロ秒程度の時間分解能の測定ができ
る。
3.時間分解FT−IR法 この方法では,例えば,アプライド・オプテイツクス
(Applied Optics)第17巻1342頁(1978年),アプライ
ド・オプテイツクス(Applied Optics)第17巻1347頁
(1978年),アプライド・スペクトロスコピー(Applie
d Spectroscopy)第34巻399頁(1980年),ケミカル・
フイジツクス・レターズ(Chemical Physics Letters)
第132巻240頁(1986年),ザ・ジヤーナル・オブ・フイ
ジカル・ケミストリー(The Journal of Physical Chem
istry)第92巻5387頁(1988年),ジヤパニーズ・ジヤ
ーナル・オブ・アプライド・フイジツクス(Japanese J
ournal of Applied Physics)第27巻1935頁(1988年)
等に示されているように,試料の励起と干渉計の駆動と
を同期させる。このとき,試料を励起した時刻での干渉
計の位置を少しずつずらしていきながら多数回の励起を
繰り返すことにより,試料励起後のある一定時間後のイ
ンターフエログラムを合成する。この方法のもつ測定可
能波数領域や時間分解能は上で述べた高速走引法とほぼ
同等である。
4.光学的ゲート検出法 この方法では,例えば,オプテイツクス・レターズ
(Optics Letters)第4巻103頁(1979年),ザ・ジヤ
ーナル・オブ・ケミカル・フイジツクス(The Journal
of Chemical Physics)第74巻2304頁(1981年),ジヤ
ーナル・オブ・フオトケミストリー(Journal of Photo
chemistry)第17巻227頁(1981年),ケミカル・フイジ
ツクス・レターズ(Chemical Physics Letters)第139
巻491頁(1987年),ケミカル・フイジツクス・レター
ズ(Chemical Physics Letters)第138巻110頁(1987
年),プロシーデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル・ア
カデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテツド
・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of The Nat
ional Academy of Science of The United States of A
merica)第85巻5062頁(1988年),レビユーズ・オブ・
モダン・フイジツクス(Reviews of Modern Physics)
第50巻607頁(1978年),アニユアル・レビユー・オブ
・フイジカル・ケミストリー(Annual Review ofPhysic
al Chemistry)第26巻83頁(1975年),アプライド・オ
プテイツクス(Applied Opteics)第26巻2877頁(1987
年),アプライド・オプテイツクス(Applied Opteic
s)第27巻615頁(1988年)等に示されているように,非
線型の光学過程によるレーザー光の波長変換を利用して
時間分解赤外吸収測定を行う。分光器を用いる方法と,
用いない方法の2つがある。この方法では,現在のとこ
ろ,レーザーの技術上の制限から,指紋領域全部を測定
することができない。又,サブピコ秒のレーザーを用い
るため,装置の価格が非常に高くなつてしまい,とても
汎用の装置としては使えないという欠点もある。しかし
ながら,時間分解能はサブピコ秒と非常に高く,将来的
には有望な手法である。
5.電気的ゲート検出法 この方法では,ボツクスカー積分器やトランジエント
・メモリーなどを用いて電気的にゲートをかける。赤外
吸収の測定用のプローブ光としては,赤外レーザーを用
いる方法や,クローバーやネルンスト・グローワーなど
の定常的な白色光を用いる方法がある。前者の例は,ア
ニユアル・レビユー・オブ・フイジカル・ケミストリー
(Annual Review of Physical Chemistry)第36巻53頁
(1985年),アニユアル・レビユー・オブ・フイジカル
・ケミストリー(Annual Review of Physical Chemistr
y)第35巻387頁(1984年),アニユアル・レビユー・オ
ブ・フイジカル・ケミストリー(Annual Review of Phy
sical Chemistry)第32巻403頁(1981年),ザ・ジヤー
ナル・オブ・フイジカル・ケミストリー(The Journal
of Physical Chemistry)第90巻3301頁(1986年),サ
イエンス(Science)第240巻447頁(1988年),アドバ
ンシイズ・イン・オルガノメタリツク・ケミストリー
(Advances in Organometallic Chemistry)第25巻277
頁(1986年),ザ・ジヤーナル・オブ・フイジカル・ケ
ミストリー(The Journal of Physical Chemistry)第9
1巻3945頁(1987年)等に記載されている。又後者の例
は,カナデイアン・ジヤーナル・オブ・スペクトロスコ
ピー(Canadian Journal of Spectroscopy)第26巻119
頁(1981年),メソツズ・イン・エンジモロジー(Meth
ods in Enzymology)第88巻729頁(1982年),バイオキ
ミカ・エト・バイオフイジカ・アクタ(Biochimica et
Biophysica Acta)第808巻300頁(1985年),バイオケ
ミストリー(Biochemistry)第24巻400頁(1985年)等
に記載されている。
プローブ光に赤外レーザーを用いる方法では,レーザ
ーの技術上の問題から全波数領域の走引に制限があるも
のの,時間分解能は10ナノ秒程度とかなり高くとれる。
又,プローブ光にグローバーやネルンスト・グローワー
などの定常的な白色光を用いる方法では,光源の輝度が
赤外レーザーに比べてはるかに低いために信号/雑音比
が悪く,結果的に数百マイクロ秒の時間分解能しか得ら
れないという欠点があるものの,測定可能な波数領域
は,4000cm-1から700cm-1と広くとれる。
(発明が解決しようとする課題) 以上述べたように,時間分解赤外吸収スペクトルを測
定するために様々な手法が用いられてきた。各手法のも
つ測定波数領域,波数分解能及び時間分解能は様々であ
る。しかしながら,凝縮相の赤外吸収スペクトルの測定
を行う場合,これらの3つの性能要素のうち重要なのは
測定波数領域と時間分解能の2つにである。この点を考
慮して,各手法の欠点について以下に概観する。
1.定常光励起による方法 この方法では,時間的な挙動の測定は原理的に全く不
可能である。測定試料のなかで起きている現象を動的に
捕まえることはできない。又,測定の感度が低く,生成
する過渡種の寿命が少なくとも数ミリ秒以上ないと検出
できないという欠点がある。
2.高速走引法 この方法では,時間分解能は,せいぜい数ミリ秒程度
から数百マイクロ秒程度である。又,市販されていない
特殊な構造の分散型赤外分光器が必要になるという欠点
がある。
2.時間分解FT−IR法 この方法では,時間分解能は高速走引法と同じくらい
であり,せいぜい数ミリ秒から数百マイクロ秒程度であ
る。この方法の最大の欠点は,アプライド・スペクトロ
スコピー(Applied Spectroscopy)第34巻399頁(1980
年)に記載されているように,多数回の測定からインタ
ーフエログラムを合成するため,測定中にわずかでも条
件変動があると合成されたインターフエログラムに歪が
生じ,これをフーリエ変換して得られる赤外吸収スペク
トルに偽ピークが現われてしまうことである。
4.光学的ゲート検出法 この方法では,現在のところ,レーザー技術上の制限
から,指紋領域全部を測定することができない。又,サ
ブピコ秒のレーザーを用いるため,装置の価格が非常に
高くなつてしまい,レーザーの保守や性能維持に手間が
かかり,とても汎用の装置としては使えないという欠点
がある。
5.電気的ゲート検出法 この方法では,赤外吸収の測定用のプローブ光として
赤外レーザーを用いる方法と,グローバーやネルンスト
・グローワーなどの定常的な白色光を用いる方法とがあ
る。
プローブ光に赤外レーザーを用いる方法では,時間分
解能は10ナノ秒と高いが,全波数領域の走引には制限が
ある。例えば,一酸化炭素レーザーを用いたときには,1
600cm-1から2150cm-1までしか波数走引できない。しか
も,このレーザーの発振線の間隔は4cm-1ごとなので,
この波数範囲であつても連続的に走引することはできな
い。ダイオードレーザーを用いれば連続走引はできる
が,1個のダイオードレーザーでは1ないし2cm-1,温度
を変化させた場合でも100ないし200cm-1しか走引できな
い。したがつて,多数のダイオードレーザーを切り替え
なければならなくなり,価格や測定時間,測定の手間な
どの理由で,とても汎用の装置としては使えない。
グローパーなどの定常的な白色光源を用いる方法で
は,光源の輝度が低すぎるため,測定系の方で何等かの
改良をしないと,充分なS/N比で測定することができな
い。したがってS/N比を上げるために時間分解能を下げ
なければならなくなる。例えば、バイオキミカ・エト・
バイオフイジカ・アクタ(Biochimica et Biophisica A
cta)第808巻300頁(1985年)での結果からわかるよう
に,得られる時間分解能はせいぜい数百マイクロ秒程度
である。
したがつて,4000〜700cm-1の波数領域をカバーし,か
つ1マイクロ秒までの時間分解能を有する時間分解赤外
分光光度計は存在しないことがわかる。
本発明は,赤外吸収測定用白色定常光源及び分散型赤
外分光器を有する時間分解赤外分光光度計に改良を加え
たものであり,4000〜700cm-1の波数領域をカバーし,か
つ1マイクロ秒までの時間分解能を有する時間分解赤外
分光光度計を提供することを目的とする。
また,本発明は,赤外吸収測定用白色定常光源及び分
散型赤外分光器を有する時間分解赤外分光光度計を用い
た時間分解赤外分光光度測定法を改良したものであり,4
000〜700cm-1の波数領域をカバーし,かつ1マイクロ秒
までの時間分解能を有する時間分解赤外分光光度測定法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、励起手段、赤外吸収測定用白色定常光源、
分散型赤外分光器及び赤外検出器を有する時間分解赤外
分光光度計において、前記赤外光検出器からの電気信号
を取り込み積算する電気的時間ゲート、前記励起手段に
よる励起及び前記電気的時間ゲートへの電気信号取り込
みのタイミングを調節するタイミング回路並びに試料励
起前後の波数領域4000〜700cm-1の範囲の赤外吸収量の
変化量のみを直接測定する検出手段を備えたことを特徴
とする改良された時間分解赤外分光光度計に関する。
又、本発明は、励起手段、赤外吸収測定用白色定常光
源、分散型赤外分光器及び赤外検出器を有する時間分解
赤外分光光度測定法において、電気的時間ゲートで所定
時期、時間幅で前記赤外検出器からの電気信号を取り込
み積算すること、タイミング回路で、励起及び前記電気
的時間ゲートへの電気信号取り込みのタイミングを調節
すること並びに試料励起前後の波数領域4000〜700cm-1
の範囲の赤外吸収量の変化量のみを直接測定することを
特徴とする改良された時間分解赤外分光光度計測定法に
関する。
本発明になる時間分解赤外分光光度計について,以下
に詳述する。
まず,本発明において赤外吸収測定用白色定常光源と
は,赤外光領域で波数的に白色な光源であり,かつ発光
強度が時間的に一定な光源である。このような光源とし
ては,例えば,クローバーやネルンスト・グローワー,
水銀灯などがある。光源の発光強度の時間的変動は,な
るべく少ない方が好ましい。又,光源の輝度は,その高
低が測定結果の信号・雑音比に直接影響するため,発光
強度が不安定にならない範囲で高いほうがよい。又,少
なくとも4000cm-1から700cm-1までの波数領域をカバー
することが好ましい。
本発明において分散型赤外分光器は既に公知であり,
例えば,少なくとも2つの光学的スリツト,波長分散素
子,波長選択用光学フイルター,アルミニウムなどの金
属を表面に蒸着した表面反射鏡,偏光素子,光路遮閉用
のシヤツター,迷光を避けるための遮光板,遮光箱など
を有し,光学的スリツト,波長分散素子,波長選択用光
学フイルターなどを定められた速度や順番で駆動するた
めの機械的装置,これらの機械的装置を制御する電気的
装置などを有するものである。分散型赤外分光器は,分
光器に入射した光のうちある一定の波数の光だけを通す
働きをする。このとき使われる波長分散素子としては,
回折格子やプリズムなどを用いることができる。プリズ
ムは,塩化ナトリウムや塩化カリウム,臭化ナトリウム
や臭化カリウムなどの赤外光を透過する材質で作られて
いる必要がある。波長分散素子として回折格子を用いる
場合には,回折格子に特有の高次回折光の影響をなくす
ために,波長選択用光学フイルターを光路に設置し,高
次回折光が通らないようにする必要がある。波長分散素
子にプリズムを用いるときには,波長選択用光学フイル
ターを光路に設置する必要はない。
本発明において,光学的チヨツパーを必要に応じて用
いることができる。光学的チヨツパーとは,ある決まつ
た周波数で光路を断続させることにより光強度に変調を
かけるものである。このような光学的チヨツパーとして
は,例えば,金属製あるいは紙製の円盤に蓮根状に穴を
開け,これをモーターで回転させることにより光路を断
続させるものを用いることができる。表面に金属を蒸着
した表面反射鏡を機械的に反復運動させるものも用いる
ことができる。その他,同様な機能を果たすものなら
ば,どのようなものでも光学的チヨツパーとして用いる
ことができる。蓮根状円盤からなる光学的チヨツパーの
場合,円盤には余計な光反射や光散乱を避けるために無
光沢黒色塗装をすることが好ましい。光路の断続の周波
数を変えることは,この円盤の回転速度を変えたり,円
盤に開けた蓮根状の穴の数を変えたりすることにより行
うことができる。光路の断続の周波数は試料励起の頻度
と同じかもしくはその整数倍であることが好ましい。円
盤上の蓮根状の穴開けの工作精度が悪いと光強度の変調
波形に歪みが生ずるので,精密に穴開け加工をする必要
がある。光学的チヨツパーを設置する場所は,赤外光が
集光されているところが好ましい。光学的チヨツパーの
設置する位置は,試料と分散型赤外分光器の温度が異な
る場合に試料や赤外分光器からの黒体放射の影響を避け
るために,試料と赤外検出器の間よりは,赤外光光源と
試料の間である方が好ましい。
本発明における励起手段としては,公知のものを用い
ることができるが,例えば,試料への電圧印加手段,試
料への光パルス照射手段が好ましい。
試料励起の頻度は,50〜5万回/秒の範囲に含まれる
必要がある。このなかでも,100〜1万回/秒の範囲が好
ましく,さらに,350〜3000回/秒の範囲が特に好まし
い。試料励起頻度は,測定結果の信号雑音比,ひいては
測定の時間分解能の限界に大きな影響を及ぼす。励起頻
度が高ければ高いほど信号雑音比は良くなり,その分,
時間ゲートを狭める余裕がでてくるので時間分解能の限
界も高まる。その一方,励起頻度が高すぎると,試料に
誘起された変化が回復しないうちに次回の励起が行われ
たり,試料が熱的に劣化したり,光パルス照射手段とし
てのレーザーからの励起用レーザー・パルスの尖頭出力
が低くなりすぎたりなどの問題点が生じる。従つて、以
上の問題が生じない限りで可能な限り励起頻度を高める
ことが好ましい。
試料への電圧印加手段としては,公知のものを用いる
ことができるが,例えば,市販の電圧パルス発生器が好
ましい。電圧印加手段により試料を含むセルに電圧を加
えることができる。試料を含むセルの窓板には,例え
ば,赤外光と電気の双方を通すような材料を用いること
がきる。このような材料としては,例えば,ゲルマニウ
ムなどを用いることができる。セルの窓板が,例えば臭
化カリウムなどのような赤外光は通すが電気を通さない
場合,ワイヤー・グリツドのような隙間を有する電極を
セルの表面に蒸着したり接着したりしてこれに電圧を加
えることができる。
試料への光パルス照射手段としては,例えば,フラツ
シユ,ランプやパルス・レーザーを用いることができ
る。パルス・レーザーには,例えば,Q−スイツチングあ
るいはモード同期あるいはキヤビテイ・ダンプあるいは
これらを組み合わせた技術によりパルス発振するレーザ
ーなどを用いたりすることができる。
ナノ秒からピコ秒領域のパルス・レーザーは,その繰
り返し数と1パルスあたりのエネルギーにより,3つの大
別することができる。第一のグループは,毎秒20回から
50回程度以下の繰り返し数でしか発振しないが,1パルス
あたりのエネルギーは非常に大きく,ミリ・ジユール単
位に達するものである。このグループに属するものとし
ては,例えば,「パルス発光するキセノン・ランプある
いはクリプトン・ランプでNd:YAGロツドを光励起し,共
振器内に入れたQ−スイツチにより発振させるレーザ
ー」がある。第2のグループは,数十から数百メガ・ヘ
ルツの繰り返し数をもつているが,1パルスあたりのエネ
ルギーは非常に小さく,ナノ・ジユール単位しかないも
のである。このグループに属するものとしては,例え
ば,「連続発光するキセノン・ランプあるいはクリプト
ン・ランプでNd/YAGロツドを光励起し,これにモード同
期をかけてパルス化したレーザー」がある。第3のグル
ープは,第1と第2のグループの中間的なものであり,1
キロ・ヘルツ程度の繰り返しをもち,1パルスあたりのエ
ネルギーがマイルロ・ジユール単位あるものである。こ
のグループに属するものとしては,例えば,「連続発光
するキセノン・ランプあるいはクリプトン・ランプでN
d:YAGロツドを光励起し,これにQ−スイツチをかけて
パルス発振させたレーザー」,すなわち,cw Q−スイツ
チNd:YAGレーザーがある。光パルス励起を行う場合に
は,繰り返し数がある程度高く,なおかつ,光励起する
のに充分なエネルギーを有していることが望ましい。し
たがつて,1パルスあたりのエネルギーの点で,第1のグ
ループと第3のグループに属するレーザーが好ましい。
又,繰り返し数の点で,第3のグループに属するレーザ
ーが特に好ましい。
本発明における検出手段とは,試料を透過した赤外光
の強度を,電気的な信号に変え,そのうちの変化量
のみを検出する機能を有するものである。通常の,時間
分解能を持たない分散型赤外分光光度計では,上記の
機能を有するものとして熱電対を使うことが多いが,時
間分解赤外分光器に使用するには熱電対では時間分解能
と感度の双方が不十分である。この時間分解能と感度の
2点を両立させた検出手段として赤外光検出器が好まし
い。水銀−カドミウム−テルル赤外光検出器がより好ま
しい。該検出器には,光導電型や光起電力型などがある
が,光導電型の方を使用することが感度の点で特に好ま
しい。光導電型の水銀−カドミウム−テルル赤外光検出
器は,数百オームの直列抵抗を通して数十ミリアンペア
のバイアス電流を流して使用する。このバイアス電流用
の定電圧電源の電圧は通常8ボルトから24ボルト程度で
ある。この定電圧電源には商用電源からのハム・ノイズ
や定電圧制御素子からの白色ノイズが含まれるが,これ
らは測定の信号雑音比を直接に悪化させる。したがつ
て,大容量のコンデンサーを定電圧電源と赤外光検出器
との間に並列に挿入したり,インダクターを定電圧電源
と赤外光検出器との間に直列に挿入したりして,ハム・
ノイズや白色ノイズを可能な限り小さくすることが望ま
しい。これらのノイズの大きさは1ミリボルト以下であ
ることが望ましいが,10マイクロボルト以下であること
が望ましい。そのうちでも,1マイクロボルト以下である
ことが特に望ましい。赤外光がこの光導電型の水銀−カ
ドミウム−テルル赤外光検出器に入射すると検出器の内
部抵抗がわずかに変化する。これに応じて,検出器の両
端の電圧がわずかに変化する。これを測定すれば,赤外
光強度を知ることができる。熱電対検出器の検出部の大
きさは数ミリ程度であるため光路上に設置することがで
きる。ところが,水銀−カドミウム−テルル赤外光検出
器は熱雑音を減らすために液体窒素温度で使用するので
液体窒素用ジユワー瓶が必要となり,このため寸法がか
なりの大きさになり,熱電対検出器を用いていた時と同
じ光学系では適さなくなる場合がある。その場合には,
軸外しの楕円面鏡を用いて赤外光を集光することが好ま
しい。液体窒素用のジユワー瓶からは水蒸気の霧が生じ
るが,例えば壁板を設けたりジユワー瓶の口に蓋を設け
るなどして,水蒸気の霧が赤外光の光路に入らないよう
にすることが好ましい。
前記の機能を有するものとして入力結合が直流結合
ではなく交流結合である交流結合式前置増幅器を用いる
ことが好ましい。結局、検出手段としては,赤外光検出
器と交流結合式前置増幅器をコンデンサーで結合したも
のが特に好ましい。コンデンサーは交流結合式前置増幅
器に内蔵させてもよい。このようにコンデンサーを介し
た結合をとることによつて,赤外吸収量の変化量のみを
検出し増幅することが可能になる。
本発明における電気的時間ゲートとしては,ボツクス
カー積分器やアナログ・デイジタル変換器を使う波形メ
モリなどがある。このようなものの他に,電気信号の時
間的変化を測定できる他の測定器を用いることができ
る。本発明の時間分解能赤外部器では,50〜5万回/秒
の頻度範囲,好ましくは,100〜1万回/秒の頻度範囲,
特に好ましくは,350〜3000回/秒の頻度範囲で励起を行
う。したがつて,この励起頻度を有効に使うために,電
気的時間ゲートは以上の繰り返し頻度に十分追従して積
算を行える性能を有していることが好ましい。この点
で,ボツクスカー積分器はアナログ的に積算処理を行な
つているため上に述べた繰り返し頻度に十分追従して積
算を行えるので,これを使用することが望ましい。
本発明におけるタイミング回路とは,光学的チヨツパ
ーが赤外光を遮つたり通したりする時刻と,電気的ある
いは光パルスにより試料励起を行つた時刻と,電気的な
時間ゲート測定器へのトリガー入力との間の同期や遅延
を取るための電気回路であり,公知の回路を用いること
ができる。
本発明において,必要に応じて,計測制御用電子計算
機を用いることができる。計測制御用電子計算機とは,
分散型赤外部器の波数走引を制御したり,電気的な時間
ゲート測定器から計測信号を取り込み,このデータに計
算処理を行うものであり,例えば,市販のパーソナル・
コンピユータを用いることができる。
本発明では,50〜5万回/秒の頻度範囲,好ましくは,
100〜1万回/秒の頻度範囲,特に好ましくは,350〜300
0回/秒の頻度範囲で励起を行うことを1つの特徴とす
る。このような高い繰り返しで励起を行うことにより,
本発明の時間分解赤外分光光度計では高い信号雑音比で
測定が可能となる。
この高繰り返しの効果を具体例で示してみる。毎秒10
00回の励起を行う場合と,毎秒10回の励起を行う場合と
を比較してみる。このとき,同じ信号雑音比で測定をす
るには,前者と比べて後者は100倍もの時間がかかる計
算となる。前者の測定に1時間必要ならば,後者の測定
は100時間,つまり4日以上かかることになる。実際に
は、このような長い時間のあいだ測定条件をまつたく同
じに保つておくことはできない。つまり,毎秒1000回の
励起でできる測定を毎秒10回の測定で行うことはほとん
ど不可能であることがわかる。
本発明では試料励起前後の赤外吸収量の変化量のみを
直接に測定する検出手段を有することも1つの特徴とし
ている。このように,試料に起きた微少な変化のみを測
定することにより,初めて実用的なマイクロ秒領域の時
間分解赤外分光光度計を得ることができる。
この測定手法の効果を具体例で示してみる。赤外光の
光量測定時の雑音は,前置増幅器の熱雑音と,出力信号
の揺らぎによる雑音の2つからなり,最終的な雑音レベ
ルは,この2つの雑音のうち大きい方によつて決つてく
る。雑雑音は出力信号レベルに比例せず一定値をとる
が,揺らぎ雑音は出力信号レベルに比例する。いま,熱
雑音が10単位,揺らぎ雑音が出力信号の百分の一であつ
たとする。又,試料を通過する赤外光の光量が,励起を
しないときに10万単位,励起をしたときに100単位変化
して(0.1パーセントの変化)10万100単位になつたとす
る。もし,試料励起時の光量を直接測定しようとした場
合,1000単位の揺らぎ雑音の中から100単位の変化を見つ
けることになるので,信号雑音比は十分の一となる。と
ころが,本発明にあるように試料に起きた微少な変化の
みを測定した場合,10単位の熱雑音の中から100単位の信
号を見つければよいので,信号雑音比は10となる。つま
り,本発明の検出手段により,信号雑音比が100倍改良
されたことになる。
本発明の改良された時間分解赤外分光光度計の好まし
い1つの態様を第1図を用いて次に示す。分散型赤外分
光器1を用い,赤外吸収測定用白色定常光源としてのグ
ローバー2を用い,赤外吸収測定用白色定常光源からの
光の光路上に光学的チヨツパー3を必要に応じて設置す
る。グローバー2からの光は試料セル4に入り,表面反
射鏡5,6,7,9,10,13,15及び16やスリツト8及び14,回折
格子11を通り,水銀−カドミウム−テルル赤外光検出器
17に入る。光検出器からの電気信号は,コンデンサー18
が内蔵された交流結合式前置増幅器19で増幅され,BOXCA
R積分器20に入力される。
試料励起はCW−Q−スイツチNd:YAGレーザー22の近赤
外の発振光を第2高調波発生器23で可視光化したレーザ
ーパルスで行う。レーザー光37はプリズム25及び30やレ
ンズ24,26及び28,表面鏡29,絞り27により試料セル4ま
で導かれる。
分光器の回折格子11はモーター12で駆動される。回折
格子の位置はロータリーエンコーダー31で検出される。
光学的チヨツパー3とレーザー発振とBOXCAR積分器22の
同期は,タイミング回路21によつて行われる。
BOXCAR積分器22からの出力はアナログデイジタル変換
器32でデイジタル量に変換され,計測制御用電子計算機
33にとり込まれ,計算処理をしたのち,グラフイツク−
デイスプレー34やプロツター36,磁気記録装置35に出力
される。なお,電気信号系路38は破線で示してある (実施例) 次に,実施例により本発明を詳述するが,本発明はこ
れに限定されるものではない。
以下の例中に用いる装置や材料等を次に列記する。丸
括弧内には略号を示す。カギ括弧内にはメーカー名を示
す。
(1)分散型赤外分光器 PE180型赤外分光器(PE180)〔パーキン・エルマー社
製〕 (2)光学的チヨツパー SR540型オプテイカル・チヨツパー(CHOP)〔スタン
フオード・リサーチ・システムズ社製〕 (3)cw Q−スイツチNd:YAGレーザー 902TQ型cw Q−スイツチNd:YAGレーザー(cw Nd:YAG)
〔スペクトロン・レーザー・システムズ社製〕 (4)赤外光検出器 MPC14−2−B1型水銀−カドミウム−テルル赤外光検
出器(MCT)〔ニユー・イングランド・リサーチ・セン
ター社製〕 (5)前置増幅器 PPA−15−10M型交流結合方式前置増幅器(PA)〔イン
フラレツド・アソシエイツ社製〕 (6)ボツクスカー積分器 162/165型ボツクスカー積分器(BOXCAR)〔プリンス
トン・アプライト・リサーチ社製〕 (7)タイミング回路 DG−535型デイジタル遅延パルス発生装置(TIMICG)
〔スタンフオード・リサーチ・システムズ社製〕 (8)計測制御用電子計算機 PC−9801VM21型電子計算機(PC)〔日本電気社製〕 (9)測定試料 τ型無金属フタロシアニン微粒子(H2PC)〔東洋イン
キ製造社製〕 比較例1 第1図に示した装置を用いて時間分解赤外分光光度の
測定を行つた。
分散型赤外分光器(PE180)1の光源部に光学的チヨ
ツパー(CHOP)3を挿入した。この光学的チヨツパー3
による赤外光の断続の頻度は毎秒20回とし,この断続に
同期させてcw Q−スチツチNd:YAGレーザー(cw Nd:YA
G)22を20回/秒発振させた。赤外光検出器(MCT)17と
前置増幅器(PA)18とボツクスカー積分器(BOXCAR)20
ら検出系を構成した。まず,赤外分光器の試料セル4
(測定試料(H2Pc)のテトラヒドロフラン分散液をKBr
板(直径2cm,厚さ5mm)上に乾燥厚さ100μmにスピンコ
ートしたものについて,透過光強度の波数スペクトル
〔I〕を測定した。次に,測定セル4にcw Q−スイツチ
Nd:YAGレーザー(cw Nd:YAG)22の近赤外部の発振線の
2倍液である,波長532nmのレーザー光37を照射しなが
ら,同じ検出系を用いて光励起時の透過光強度の波数ス
ペクトル〔I+ΔI〕を測定した。透過光強度の波数ス
ペクトル〔I〕と光励起時の透過光強度の波数スペクト
ル〔I+ΔI〕は,計測制御用電子計算機(PC)33に取
り込んだのち,その差スペクトルを算出することによ
り,透過光強度変化スペクトル〔ΔI〕を求めることを
試みた。その結果,全く変化を検出することができなか
つた。
実施例1 比較例1で光路に入れてあつた光学的チヨツパーを取
り外した他は比較例1と同様にして測定を行つた。透過
光強度変化スペクトルΔIを直接に求めた結果,吸光度
の変化にして1/100の変化を検出することができた。
実施例2 比較例1の光学的チヨツパーを取り外した。又,cw Q
−スチツチNd:YAGレーザー(cw Nd:YAG)の発振周波数
も1000回/秒に上げたほかは比較例1と同様にして測定
を行つた。透過光強度変化スペクトルΔIを直接に求め
た結果,第2図(a)及び第2図(b)のスペクトルと
比較することにより吸光度の変化にして1/10000の変化
を検出することができた。
また,この測定系を用いて,1010cm-1バンドの吸収強
度の時間変化を測定した結果,第3図に示すように過渡
種の減衰の解析を行うのに十分な信号雑音比で測定を行
うことができた。
(発明の効果) 本発明の時間分解赤外分光光度計は,4000〜700cm-1
波数領域をカバーし,かつ1マイクロ秒までの時間分解
能を有する。
また,本発明の時間分解赤外分光光度測定法によつて
4000〜700cm-1の波数領域をカバーし,かつ1マイクロ
秒までの時間分解能で赤外分光光度を測定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の時間分解赤外分光光度計のブロツク
図であり,第2図は,本発明の時間分解赤外分光光度計
で得られた実施例2におけるτ型無金属フタロシアニン
微粒子の時間分解赤外吸収スペクトルであり((a)光
励起後0マイクロ秒の時間分解赤外吸収差スペクトル,
(b)基底状態の赤外吸収スペクトル及び(c),
(a)と(b)とから算出した光励起種の時間分解赤外
吸収スペクトル),第3図は,本発明の時間分解赤外分
光光度計で得られた実施例2におけるグラフである
((a)はレーザーパルスの波形のグラフ及び(b)は
τ型無金属フタロシアニン微粒子の過渡種の赤外吸収の
時間変化を示すグラフ)。 符号の説明 1…分散型赤外分光器、2…グローバー 3…光学的チヨツパー、4…試料セル 5…表面反射鏡、6…表面反射鏡 7…表面反射鏡、8…スリツト 9…表面反射鏡、10…表面反射鏡 11…回折格子、12…モーター 13…表面反射鏡、14…スリツト 15…表面反射鏡、16…表面反射鏡 17…水銀−カドミウム−テルル赤外光検出器 18…コンデンサー、19…交流結合式前置増幅器 20…BOXCAR積分器、21…タイミング回路 22…cw Q−スイツチNd/YAGレーザー 23…第2高調波発生器、24…レンズ 25…プリズム、26…レンズ 27…絞り、28…レンズ 29…表面鏡、30…プリズム 31…ロータリー・エンコーダー 32…アナログ・デイジタル変換器 33…計測制御用電子計算機 34…グラフイツク・デイスプレー 35…磁気記録装置、36…プロツター 37…レーザー光、38…電気信号経路(破線)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−59018(JP,A) 特開 昭63−302347(JP,A) 特開 平4−143638(JP,A) Biochimica et Bio physica Acta 808(1985) p300−315 Canadian J.of Spe ct.Vol.26,No.3(1981)p 119−125 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01N 21/62 - 21/74 JOIS WPI/L

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励起手段、赤外吸収測定用白色定常光源、
    分散型赤外分光器及び赤外検出器を有する時間分解赤外
    分光光度計において、前記赤外光検出器からの電気信号
    を取り込み積算する電気的時間ゲート、前記励起手段に
    よる励起及び前記電気的時間ゲートへの電気信号取り込
    みのタイミングを調節するタイミング回路並びに試料励
    起前後の波数領域4000〜700cm-1の範囲の赤外吸収量の
    変化量のみを直接測定する検出手段を備えたことを特徴
    とする改良された時間分解赤外分光光度計。
  2. 【請求項2】励起手段の試料励起を行う頻度範囲が50〜
    5万回/秒である請求項1記載の改良された時間分解赤
    外分光光度計。
  3. 【請求項3】励起手段の試料励起を行う頻度範囲が100
    〜1万回/秒である請求項1記載の改良された時間分解
    赤外分光光度計。
  4. 【請求項4】励起手段が電圧印加手段及び/又は光パル
    ス照射手段である請求項1、2又は3記載の改良された
    時間分解赤外分光光度計。
  5. 【請求項5】光パルス照射手段がレーザーである請求項
    4記載の改良された時間分解赤外分光光度計。
  6. 【請求項6】検出手段が赤外光検出器と交流結合式前置
    増幅器をコンデンサーで結合した構成を備えた請求項
    1、2、3、4又は5記載の改良された時間分解赤外分
    光光度計。
  7. 【請求項7】赤外光検出器が水銀−カドミウム−テルル
    赤外光検出器である請求項6記載の改良された時間分解
    赤外分光光度計。
  8. 【請求項8】電気的時間ゲートが、ボックスカー積分器
    である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の改良
    された時間分解赤外分光光度計。
  9. 【請求項9】検出手段がさらに、アナログ、ディジタル
    変換器を使う波形メモリを備えた請求項1、2、3、
    4、5、6、7又は8記載の改良された時間分解赤外分
    光光度計。
  10. 【請求項10】励起手段が、赤外吸収測定用白色定常光
    源、分散型赤外分光器及び赤外検出器を用いた時間分解
    赤外分光光度測定法において、電気的時間ゲートで所定
    時期、時間幅で前記赤外検出器からの電気信号を取り込
    み積算すること、タイミング回路で、励起及び前記電気
    的時間ゲートへの電気信号取り込みのタイミングを調節
    すること並びに試料励起前後の波数領域4000〜700cm-1
    の範囲の赤外吸収量の変化量のみを直接測定することを
    特徴とする改良された時間分解赤外分光光度測定法。
  11. 【請求項11】試料励起を行う頻度範囲が50〜5万回/
    秒である請求項10記載の改良された時間分解赤外分光光
    度測定法。
  12. 【請求項12】試料励起を行う頻度範囲が100〜1万回
    /秒である請求項10記載の改良された時間分解赤外分光
    光度測定法。
  13. 【請求項13】試料励起を電圧印加及び/又は光パルス
    照射により行う請求項10、11又は12記載の改良された時
    間分解赤外分光光度測定法。
  14. 【請求項14】光パルス照射をレーザーにより行う請求
    項13記載の改良された時間分解赤外分光光度測定法。
  15. 【請求項15】直接測定を赤外光検出器と交流結合式前
    置増幅器をコンデンサーで結合した構成により行う請求
    項10、11、12、13又は14記載の改良された時間分解赤外
    分光光度測定法。
  16. 【請求項16】直接測定を赤外光検出器として水銀−カ
    ドミウム−テルル赤外光検出器を用いて行う請求項15記
    載の改良された時間分解赤外分光光度測定法。
  17. 【請求項17】電気的時間ゲートとしてボックスカー積
    分器を用いた請求項10、11、12、13、14、15又は16記載
    の改良された時間分解赤外分光光度測定法。
  18. 【請求項18】直接測定に、さらにアナログ・ディジタ
    ル変換器を使う波形メモリを用いた請求項10、11、12、
    13、14、15、16又は17記載の改良された時間分解赤外分
    光光度測定法。
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