JP2881725B2 - 消波敷設体とそれを使用した消波構造物 - Google Patents

消波敷設体とそれを使用した消波構造物

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JP2881725B2
JP2881725B2 JP16665296A JP16665296A JP2881725B2 JP 2881725 B2 JP2881725 B2 JP 2881725B2 JP 16665296 A JP16665296 A JP 16665296A JP 16665296 A JP16665296 A JP 16665296A JP 2881725 B2 JP2881725 B2 JP 2881725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石材,コンクリー
トブロック等の消波材を堆積する消波敷設体とそれを使
用した消波構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川,海岸等の護岸に用いる消波
構造物を保護するための捨石基礎,該消波構造物の前面
に設置される消波工等は、波浪,流水等で洗掘されて崩
壊しやすく、消波構造物を十分に保護しきれないもので
あった。これに対して、波浪,流水等により洗掘される
と予想される洗掘深度をあらかじめ想定し、その深度ま
で水底地盤を事前に掘り下げてから捨石を投入すること
で、波浪,流水等による洗掘を発生しにくくしようとし
た捨石工法がある。
【0003】しかし、上記の捨石工法では、洗掘深度を
実際よりも深く想定しすぎたり、波浪,流水等を大きく
想定しやすいために過剰な安全設計になり、工費の高騰
と工期の長期化を招来しやすいという欠点があった。
【0004】本出願人は、先に、上記種々の欠点を解消
するものとして、格子状消波敷設材とそれを使用した消
波構造物(特開昭57−19406号・特許第1295
515号)、格子状消波敷設体(実開昭62−2642
6号・実用新案登録第1756392号)を開発提案し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者は、砂質の水底地
盤上に格子状敷設材を敷設し、その上に石材やコンクリ
ートブロック等の消波材を積層堆積した構成のものであ
り、これによって、消波材の下部の砂が波によって洗掘
されるときにも、格子状敷設材に荷重を分散させるよう
にして、該格子状敷設材が平均的に沈下するようにした
ものである。
【0006】しかしながら、砂中に既設の消波材の残骸
が埋没している水底地盤あるいは玉石,岩盤のような硬
い水底地盤の場合には、それらに格子状敷設材上の消波
材が乗り上げて、その部分だけが他の消波材と一体的に
沈下せず、しかも、水底地盤の勾配が急峻になっている
箇所では、上部に堆積されているブロック等が転落して
散逸しやすいものであった。
【0007】後者は、砂質の水底地盤上に格子状消波敷
設体を敷設しておき、該格子状消波敷設体内に消波材を
投入するだけで消波構造物を構築でき、しかも、水底地
盤の勾配が急峻になっているときにも、上部に堆積され
ている消波材の転落を側壁体によって阻止できるので、
安定性が高いという利点を有するものの、前者と同様
に、砂質の水底地盤中に既設の消波材の残骸等が埋没し
ている水底地盤あるいは玉石,岩盤のような硬い水底地
盤の場合には、底板体自体が、水底地盤と該底板体に堆
積されている消波材との間の縁を切るように作用して、
消波構造物自体が水底地盤と円滑に馴染まないという難
点があった。
【0008】そこで本発明は、砂質の水底地盤中に消波
材の残骸等が埋没され、若しくは玉石,岩盤のような硬
い水底地盤の場合にも、それらの水底地盤と円滑に馴染
ませることができる消波敷設体とそれを使用した消波構
造物を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明消波敷設体Aの構
成は次の通りである。底板体Bが、平面方形にして連結
した外縦杆1,1と外横杆2,2とに対し、所要の間隔
をおいて内縦杆4,4と内横杆5,5とをそれぞれ並設
して、消波材Sよりも大きな開口bを区画形成するとと
もに、それら各対向する外縦杆1と内縦杆4との間及び
外横杆2と内横杆5との間に区画杆6を架設して、上記
開口bの周囲に、消波材Sが抜け出ることなく係合する
大きさの格子状目b′,b″を区画形成してなる。側壁
体Cが、起立杆8と横架杆9とを縦横に所要の間隔をお
いて配列して、上記消波材Sが抜け出ることなく係合す
る大きさの格子状目c,c′を区画形成してなる。そし
て、その側壁体Cを、底板体Bの外縦杆1,1と外横杆
2,2に沿設している。
【0010】本発明消波構造物Dは、上記の底板体Bの
格子状目b′に消波材Sを係合するとともに、それらの
消波材Sにより、該底板体Bの開口b上に、他の消波材
Sを架橋保持した構成のものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態としての
消波敷設体Aについて図面を参照して説明する。Bは底
板体であり、それは、平面方形にして連結した外縦杆
1,1と外横杆2,2とに対し、間をおいて内縦杆3,
3と内横杆4,4とをそれぞれ並設して、消波材Sより
も大きな開口bを区画形成するとともに、それら各隣接
する外縦杆1と内縦杆3との間及び外横杆2と内横杆4
との間に区画杆5を架設して、開口bの周囲に、図3に
示す石材、コンクリートブロック等の消波材Sが抜け出
ることなく係合する大きさの格子状目b′,b″を区画
形成してなる(図1,2)。そして、各杆の連結部分若
しくは交わった接合部分を溶接若しくはボルト締め等に
より固定している。なお、6は隣り合う外縦杆1と内縦
杆3との間及び外横杆2と内横杆4との間に跨架した補
強材である。
【0012】内外縦杆3,1、内外横杆4,2、区画杆
5としては、型鋼、鋼管、鉄筋・鉄骨コンクリート製の
もの、若しくはそれらに耐防食・耐磨耗加工処理したも
のを使用できる。
【0013】開口bの大きさは、次のようにして設定し
ている(図3)。まず、外横杆2の長さをL、格子状目
b′の一辺の長さをL1 、開口bの一辺の長さをL2
底板体Bに載置した消波材S(S1 〜S9 として示す)
の各重量をW1 〜W9 とする。開口bの一辺の長さL2
は、概ね次式で表すことができる。 L2 =L−2L1 …(1) また、格子状目b′の一辺の長さL1 は、消波材Sの短
辺よりも短い長さである。その結果、消波材Sは、格子
状目b′からも、格子状目b″からも抜け出ることがな
い。上記の底板体Bを備えた消波敷設体A内に上下2段
に積層堆積した消波材S1〜S9 には、次のような力が
作用して安定した状態となる。
【0014】図3に示すように、S1 ,S3 ,S5 ,S
4 ,S2 で示す下段の各消波材が、砂質の水底地盤G中
に沈下していると、それら各消波材には、それらがそれ
ぞれ排除した砂と水の重量に等しい浮力が働き、これに
より、下段の各消波材の見かけ上の重量は大幅に減少す
る。また、それら下段の消波材S1 ,S3 ,S5
4 ,S2 には、それぞれ隣接する消波材に接する部分
で、それぞれP1 ,P2 で示す横向きの力が発生する。
【0015】それら下段の消波材S1 ,S3 、S5 ,S
4 ,S2 のうち、格子状目b′,b′に係合した消波材
1 ,S2 によって両側から挟まれて開口b上に位置す
る消波材S3 、S5 ,S4 は、格子状目b′,b′に係
合した消波材S1 ,S2 との間及びそれら相互間に大き
な摩擦抵抗を受けるとともに、それらには、砂の浮力が
作用していない上段に堆積されている消波材S6
8 、S9 ,S7 の荷重W6 ,W8 、W9 ,W7 が加わ
る。
【0016】これにより、開口b上に位置する消波材S
3 、S5 ,S4 は該開口bの下側に抜け出ようとする
が、格子状目b′,b′上に配置されている消波材
1 ,S2との間及びそれら消波材S3 、S5 ,S4
互間の摩擦抵抗により発生する上向きの力と、それらの
見かけ上の重量とが相殺する。換言すると、開口b上に
位置する消波材S3 、S5 ,S4 は、格子状目b′に係
合した消波材S1 ,S2 間に挟まれた状態で、それらの
間に働く力が釣り合って安定するため、それら開口b上
に位置する消波材S3 、S5 ,S4 は、底板体Bによっ
て支持することなく該開口bの上側に架橋状態で保持さ
れ、従って、その下側に抜け出ることがない。
【0017】Cは側壁体であり、それの構成は次の通り
である。7は、上記格子状目b′の一辺の長さの略2倍
の高さを有する起立杆であり、底板体Bの周縁に格子状
目b′若しくは格子状目b″の一辺の長さと同じ間隔で
列設している。すなわち、起立杆7は、上記外縦杆1と
外横杆2との連結部分、外縦杆1と内横杆4、外横杆2
と内縦杆3、外縦杆1と区画杆5との各接合部分の内側
隅部に、それの下端を溶接若しくはボルト締めによって
連結固定されている。なお、起立杆7の高さは格子状目
b′の一辺の長さの略2倍の高さに限るものではなく、
任意の高さに設定してよいし、また、外縦杆1,外横杆
2のみに連結固定してもよい。
【0018】8は横架杆であり、それらは、上記のよう
に列設した起立杆7の先端部と中間部とに横架して、溶
接若しくはボルト締めによって連結固定され、これによ
って、底板体Bの開口bの周囲に区画形成した格子状目
b′と同じく当該消波材Sが抜け出ることなく係合する
大きさの格子状目c,c′を区画形成している。なお、
横架杆8の横架位置は、起立杆7の先端部と中間部に限
るものではなく、任意の位置に横架してよい。
【0019】上記の消波敷設体Aを使用した消波構造物
について図4,5を参照し説明する。図4,5に示す消
波構造物Dは、消波敷設体Aを水底地盤Gに敷設し、そ
の中に消波材Sを上記のようにして積層堆積してなるも
のである。なお、消波敷設体Aの側壁体Bの高さをhと
する。
【0020】消波敷設体Aを水底地盤Gに敷設すると、
該消波敷設体Aは、それの自重により直ちに該水底地盤
G内に沈下距離h1 だけ沈下する。
【0021】消波材Sを投入された後、消波敷設体Aの
下部の水底地盤Gが洗掘されると、該消波敷設体A全体
が沈下距離h2 だけ沈下する。このとき、消波敷設体A
の沈下距離K1 は(2) 式で表すことができる。 K1 =h2 −h1 …(2) また、そのときの開口b上に位置する消波材Sの絶対的
な沈下距離Kは、(3)式で表すことができる。 K=K1 =h2 −h1 …(3) ここで、h=1.8m、h1 =0.6m、h2 =1.5
mと仮定すると、消波敷設体Aの沈下距離K1 は(4) 式
で表すことができる。 K1 =h2 −h1 =1.5−0.6=0.9m…(4) 開口b上に位置する消波材Sの絶対的な沈下距離Kは、
(3) 式と(4) 式とにより、 K=S1 =0.9m…(5) で表される。
【0022】(2) 〜(5) 式の意味するところは、該消波
敷設体Aが一定距離だけ沈下すると、それに堆積されて
いる消波材Sも、該消波敷設体Aと一体となって同距離
だけ沈下することである。これにより、消波敷設体Aに
開口bを区画形成しても、該消波敷設体A内の消波材S
がその開口bから脱落することがなく、しかも、開口b
を区画形成することにより、消波構造物Dを水底地盤G
に馴染ませられるようになる。さらに、該消波構造物D
が水底地盤Gに馴染んだ状態が、消波敷設体Aが水底地
盤Gに沈下するときにも維持できる。
【0023】また、消波敷設体Aと消波材Sとを加算し
た総重量は100t〜200t程度になり、強い波浪に
よっても、消波構造物Dが水底地盤G上で水平移動する
ことはなく、しかも、洗掘によって消波敷設体Aが傾斜
したとしても、それに充填されている消波材Sは、それ
の側壁体Cによってその流出が阻止されて散逸すること
がない。
【0024】なお、港湾、漁港等の設計基準では、消波
材Sの厚みを1.5m以上と規定しているが、(2) 〜
(5) 式に示すように、消波構造物Dはその規定を満たす
ように築造されている。
【0025】図6は、消波構造物Dを水中構造物Eの根
固めに応用した例を示したもので、それは、該消波構造
物Dを、基部を河川等の水底地盤Gに支持させた橋脚の
基礎堤または杭枠式防波堤等の堤体9の両側壁から数メ
ートル(例えば2〜3m)程度離れるようしてそれぞれ
配列するとともに、該堤体9と消波構造物Dとの間に捨
て石10を堆積させたものである。
【0026】これにより、洗掘によって消波構造物Dが
沈下しても、消波材Sは消波敷設体Aと一体的に沈下し
て散乱せず、また、堤体9の基部周辺の水底地盤Gが河
川の流水または波浪によって洗掘されることを防止でき
るようになる。さらに、洗掘によって消波構造物Dが傾
斜したとしても、消波材Sは消波敷設体Aの側壁体Cに
よってその流出が阻止されて散逸することがない。
【0027】図7は、消波構造物Dを捨石混成堤Fに応
用した例を示したもので、それは、該消波構造物Dを沖
側と陸側に2列にして、しかも、沖側には、該消波構造
物Dを2段に積み重ね、陸側には該消波構造物Dを3段
に積み重ねて配列し、その2列の消波構造物D間に捨て
石10を均一に堆積し、さらにその上に、コンクリート
ケーソン等の直立堤体11を載置するとともに異形消波
材12を傾斜堆積させたものである。
【0028】これにより、洗掘によって消波構造物Dが
沈下しても、消波材Sは消波敷設体Aと一体的に沈下し
て散乱せず、また、それら消波構造物Dによって挟まれ
た捨て石10の散逸や直立堤体11の傾倒を防止できる
ようになる。また、洗掘によって消波構造物Dが傾斜し
たとしても、消波材Sは消波敷設体Aの側壁体Cによっ
てその流出が阻止されて散逸することがない。
【0029】図8は、消波構造物Dを人工リーフFに応
用した例を示したもので、それは、消波構造物Dを沖側
と陸側に2列にして、しかも、それら消波構造物Dを3
段に積み重ねて配列し、その2列の消波構造物D間に捨
て石10を断面台形にして堆積し、さらにそれの上面
に、被覆ブロック13を形成した構成のものである。
【0030】これにより、洗掘によって消波構造物Dが
沈下しても、消波材Sは消波敷設体Aと一体的に沈下し
て散乱せず、また、それら消波構造物Dによって挟まれ
た捨て石10の散逸を防止できる。また、洗掘によって
消波構造物Dが傾斜したとしても、消波材Sは消波敷設
体Aの側壁体Cによってその流出が阻止されて散逸する
ことがない。
【0031】図9は、異形消波材14を使用した既存の
消波工が崩壊して、それらの異形消波材14が砂地に埋
没している水底地盤Gの復旧に、消波構造物Dを応用し
たものであり、散乱している異形消波材14の上に消波
敷設体Aを載置して、これに消波材Sを投入堆積させた
構成のものである。
【0032】これにより、散乱した既存の異形消波材1
4を上側から押さえ込むとともに、消波構造物Dによっ
て波力を弱めることができるので、それら既存の異形消
波材14の、それ以上の散乱を防止でき、しかも、該消
波構造物D自体も安定する。
【0033】次に、本発明消波敷設体の第2の実施形態
について図10,11を参照し説明する。上記図1,2
においては、底板体Bを平面方形にした形態の消波敷設
体Aについて説明したが、この消波敷設体Hは、それの
底板体Iを平面略三角形にした点が異なっている。
【0034】底板体Iの構成は、次の通りである。2つ
の外杆15,15の一端部15a,15aどうしを連結
するとともに、それらの他端部15b,15b間にそれ
ぞれ連結杆16,16を介して外杆17を連結して平面
略三角形に形成し、さらに、外杆17に対して間をおい
て内杆18を並設して、消波材Sよりも大きな開口Ia
を区画形成している。また、外杆17と内杆18との間
に複数の区画杆19を架設して、該消波材Sが抜け出る
ことなく係合する大きさの格子状目Ibを区画形成して
いる。そして、各杆の連結部分または交わった接合部分
を、溶接若しくはボルト締め等により連結固定してい
る。
【0035】20は、上記格子状目Ibの一辺の長さの
略2倍の高さを有する起立杆であり、底板体Iの周縁に
格子状目Ibの一辺の長さと同じ間隔で列設している。
すなわち、起立杆20は、外杆15の一端部15a,1
5aどうしの連結部分、外杆15,15の他端部15
b,15bと連結杆16,16との連結部分、外杆17
と連結杆16,16との連結部分、外杆17と区画杆1
9との連結部分の内側隅部に下端を溶接若しくはボルト
締めによって固定されている。なお、起立杆20の高さ
は格子状目Ibの一辺の長さの略2倍の高さに限るもの
ではなく、任意の高さに設定してよい。
【0036】21,21は横架杆であり、それらは、上
記のように列設した起立杆20の先端部と中間部とに横
架して、溶接若しくはボルト締めによって連結固定さ
れ、これによって、底板体Iに区画形成した格子状目I
bと同じく当該消波材Sが抜け出ることなく係合する大
きさの格子状目Jaを区画形成した側壁体Jを構成して
いる。なお、横架杆21の横架位置は、起立杆20の先
端部と中間部に限るものではなく、任意の位置に横架し
てよい。この消波敷設体Hを使用した消波構造物では、
開口Ia上に位置する消波材は、側壁体Jの格子状目J
aに係合した消波材と、底板体Iの格子状目Ibに係合
した消波材との間に挟まれた状態で、それらの間に働く
力が釣り合って安定する。これにより、それら開口Ia
上に位置する消波材は、底板体Iによって支持すること
なく該開口Iaの上側に架橋状態で保持され、従って、
その下側に抜け出ることがない。
【0037】図12は、上記消波敷設体Hに消波材S
(図示しない)を堆積させてなる、3基の消波構造物K
を、水底地盤G上に散乱している多数の異形消波材22
に沿って曲線的に隣接配置したものである。これによ
り、散乱している異形消波材22を上側から押さえ込む
とともに、各消波構造物Kによって波力を弱めることが
できるので、それらの異形消波材22の、それ以上の散
乱を防止できる。
【0038】図13に示す第3の実施形態としての消波
敷設体H′は、図10に示す消波施設体Hの区画杆19
の配列状態を異ならせた構成のもので、それらの区画杆
19を、外杆17と内杆18との間に、複数の平面三角
形の目Ib′を形成するように配設したものである。な
お、図12において説明したものと同等のものについて
は、同一の符号を付してその説明を省略している。
【0039】なお、本発明は前述した実施形態に限るも
のではなく、その要旨の範囲内で様々な形態での実施が
可能である。図1,2では、開口の全周囲に格子状目を
形成した消波敷設体について説明したが、少なくとも該
開口の一側以上に格子状目を形成すればよい。
【0040】図10,11では、三角形の平面形状にな
るようにして連結した3本の外杆のうちの1本の外杆に
対し所要の間隔をおいて内杆を並設して、消波材よりも
大きな開口を区画形成するとともに、上記並設により対
向する外杆と内杆との間に区画杆を架設して、消波材が
抜け出ることなく係合する大きさの格子状目を区画形成
した底板体について説明したが、底板体としては、三角
形等所要の平面形状になるようにして連結した複数本の
外杆のうちの少なくとも1本の外杆に対し所要の間隔を
おいて内杆を並設して、消波材よりも大きな開口を区画
形成するとともに、上記並設により対向する外杆と内杆
との間に区画杆を架設して、消波材が抜け出ることなく
係合する大きさの格子状目を区画形成した構成であれば
よい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、消波敷設体の底板体に
開口を区画形成しているので、該消波敷設体に堆積して
いる消波材と水底地盤との縁を切ることがない。これに
より、砂質の地盤中に既設ブロックの残骸等が埋没さ
れ、若しくは玉石,岩盤のような硬い水底地盤であって
も、消波構造物を、該水底地盤に馴染ませるとともに安
定させることができる。
【0042】開口上に配置されている消波材を、底板体
の格子状目に載置した消波材によって架橋保持している
ので、それらの消波材が開口の下側に抜け出すことがな
く、従って、消波体が水底地盤に沈下する際にも、消波
構造物と水底地盤との馴染みを阻害することがない。
【0043】勾配がある水底地盤に消波敷設物を敷設し
たときにも、消波敷設体の側壁体によって消波材を係止
できるので、簡単には消波材の脱落をさせることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明消波敷設体の第1の実施形態を示す平面
図である。
【図2】その正面図である。
【図3】その消波敷設体内に堆積した消波材に働く力の
説明図である。
【図4】その消波敷設体を使用した消波構造物が、水底
地盤内に沈下するときの説明図であり、それが沈下途中
にある状態を示している。
【図5】その消波構造物が、水底地盤内に沈下するとき
の説明図であり、それが洗掘によってさらに沈下した状
態を示している。
【図6】その消波構造物を水中構造物の根固めに応用し
た例を示す正面図である。
【図7】その消波構造物を捨石混成堤に応用した例を示
す正断面図である。
【図8】その消波構造物を人工リーフに応用した例を示
す正断面図である。
【図9】その消波構造物を、異形消波材が散乱している
水底地盤の復旧に応用した例を示す正断面図である。
【図10】本発明消波敷設体の第2の実施形態を示す平
面図である。
【図11】その背面図である。
【図12】消波敷設体の第2の実施形態を使用した消波
構造物を、水底地盤上に散乱している異形消波材に沿っ
て曲線的に隣接配置した例を示す平面図である。
【図13】本発明消波敷設体の第3の実施形態を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 外縦杆 2 外横杆 3,Jc 枠 6,19 区画杆 8 起立杆 9 横架杆 A,H,H′ 消波敷設体 B 底板体 b,Ia 開口 b′,b″,Ib 格子状目 C 側壁体 D 消波構造物 G 水底地盤 S 消波材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板体が、平面方形にして連結した外縦
    杆と外横杆とに対し、所要の間隔をおいて内縦杆と内横
    杆とをそれぞれ並設して、消波材よりも大きな開口を区
    画形成するとともに、各対向する外縦杆と内縦杆との間
    及び外横杆と内横杆との間に区画杆を架設して、上記開
    口の周囲に、消波材が抜け出ることなく係合する大きさ
    の格子状目を区画形成してなること、側壁体が、起立杆
    と横架杆とを縦横に所要の間隔をおいて配列して、上記
    消波材が抜け出ることなく係合する大きさの格子状目を
    区画形成してなること、さらに、その側壁体を、底板体
    の外縦杆と外横杆に沿設していることを特徴とする消波
    敷設体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の底板体の格子状目に消波
    材を係合するとともに、それらの消波材により、該底板
    体の開口上に、他の消波材を架橋保持したことを特徴と
    する消波構造物。
  3. 【請求項3】 底板体が、平面形状になるようにして連
    結した複数本の外杆のうちの少なくとも1本の外杆に対
    し所要の間隔をおいて内杆を並設して、消波材よりも大
    きな開口を区画形成するとともに、上記並設により対向
    する外杆と内杆との間に区画杆を架設して、消波材が抜
    け出ることなく係合する大きさの格子状目を区画形成し
    てなること、側壁体が、起立杆と横架杆とを縦横に所要
    の間隔をおいて配列して、上記消波材が抜け出ることな
    く係合する大きさの格子状目を区画形成してなること、
    さらに、その側壁体を、底板体の外縦杆と外横杆に沿設
    していることを特徴とする消波敷設体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の底板体の格子状目と側壁
    体の格子状目とにそれぞれ消波材を係合するとともに、
    それらの消波材により、該底板体の開口上に、他の消波
    材を架橋保持したことを特徴とする消波構造物。
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