JP2881275B2 - 微生物吸着樹脂分散液及びその製造方法、微生物吸着材の製造方法 - Google Patents

微生物吸着樹脂分散液及びその製造方法、微生物吸着材の製造方法

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JP2881275B2 JP3868093A JP3868093A JP2881275B2 JP 2881275 B2 JP2881275 B2 JP 2881275B2 JP 3868093 A JP3868093 A JP 3868093A JP 3868093 A JP3868093 A JP 3868093A JP 2881275 B2 JP2881275 B2 JP 2881275B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物吸着能力の高い微
生物吸着材を得ることができ、しかも作業上の安全を確
保し、微生物吸着樹脂を溶解させるための有機溶媒の使
用量を低減することができる微生物吸着樹脂分散液及び
その製造方法、微生物吸着材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物吸着樹脂は水には不溶若しくは難
溶でありながら、アルコール等の有機溶媒には可溶であ
るという性質を持っている。この性質を利用して、従来
は、図3に示すように、有機溶媒に溶かした微生物吸着
樹脂を不織布等の基材に塗布又は含浸し、熱風乾燥して
微生物吸着樹脂を基材に付着させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法で
は微生物吸着樹脂を基材に付着させるのに大量の有機溶
媒を用いるため、ランニングコストが高くなり、しかも
蒸発した溶媒による大気汚染を防止するための設備や溶
媒の処理設備なども設置しなければならなかった。又、
乾燥工程において、有機溶媒による爆発の危険性があっ
た。
【0004】上記理由から、微生物吸着樹脂を水系溶液
の形態で用いることが考えられる。微生物吸着樹脂を水
系溶液の形態で用いる例としては、乳化剤を用いて微生
物吸着樹脂のエマルジョンとし、この微生物吸着樹脂の
エマルジョンを基材を含浸して乾燥する例を挙げること
ができる。
【0005】しかしながら、この場合、乳化剤が微生物
吸着樹脂の微生物吸着作用を阻害したり、微生物に対し
て殺菌作用を及ぼす場合があるので、エマルジョン形態
で微生物吸着樹脂を含浸し付着させた微生物吸着材は微
生物吸着能力が劣り、微生物を生きた状態で吸着させ、
該微生物の生理作用を利用するバイオリアクターやバイ
オセンサーなどの用途には不向きであった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、微生物吸着能力の高い微生物吸着材を得る
ことができ、しかも作業上の安全を確保し、微生物吸着
樹脂を溶解させるための有機溶媒の使用量を低減するこ
とができる微生物吸着樹脂分散液及びその製造方法、微
生物吸着材の製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、請求項1記載の発明は、微生物吸着樹脂が、
アルコール/水の容量比が1/4〜1/30である溶液
中に、0.1〜20重量%の濃度で分散していることを
特徴とする微生物吸着樹脂分散液をその要旨とした。
【0008】請求項2記載の発明は、溶液中に分散して
いる微生物吸着樹脂の平均粒径が0.1〜50μmであ
ることを特徴とする微生物吸着樹脂分散液をその要旨と
した。
【0009】請求項3記載の発明は、微生物吸着樹脂に
アルコールを加えて0.5〜43重量%のアルコール溶
液とし、このアルコール溶液を4〜30倍量の水に添加
することを特徴とする微生物吸着樹脂分散液の製造方法
をその要旨とした。
【0010】請求項4記載の発明は、25重量%以下の
微生物吸着樹脂/アルコール溶液を水に添加することを
特徴とする微生物吸着樹脂分散液の製造方法をその要旨
とした。
【0011】請求項5記載の発明は、微生物吸着樹脂の
製造工程における4級化処理後の50〜70重量%の微
生物吸着樹脂/アルコール溶液にアルコールを加えて
0.5〜43重量%のアルコール溶液とすることを特徴
とする微生物吸着樹脂分散液の製造方法をその要旨とし
た。
【0012】請求項6記載の発明は、水に添加した後に
ヘキサンを加えることを特徴とする微生物吸着樹脂分散
液の製造方法をその要旨とした。
【0013】請求項7記載の発明は、微生物吸着樹脂
が、アルコール/水の容量比が1/4〜1/30である
溶液中に、0.1〜20重量%の濃度で分散している微
生物吸着樹脂分散液を基材に塗布又は含浸し、乾燥させ
たことを特徴とする微生物吸着材の製造方法をその要旨
とした。
【0014】以下、本発明の微生物吸着樹脂分散液及び
その製造方法、微生物吸着材の製造方法を更に詳細に説
明する。本発明に用いる微生物吸着樹脂とは、特開平3
−174419号公報において示された、水には不溶若
しくは難溶でありながら、アルコール等の溶媒には可溶
であって、微生物の活性を低下させることなく吸着する
ことができ、かつ微生物の吸着効率が高い微生物吸着樹
脂のことであり、この樹脂を基材に付与する際の新規な
付与手段及びその製造方法、並びにその付与手段を用い
た微生物吸着材の製造方法を提供したのが本発明であ
る。
【0015】その付与手段とは、微生物吸着樹脂を水/
アルコール溶液中に分散させた微生物吸着樹脂分散液の
ことであり、この分散液を基材に塗布又は含浸し、乾燥
することで、微生物吸着樹脂の付着した微生物吸着材を
得ることができる。
【0016】本発明では前述した如く爆発の防止、アル
コールの処理などの点から、アルコール/水からなる溶
液を用いている。この溶液におけるアルコール/水の容
量比を1/4〜1/30とした理由は、アルコールの割
合がこの範囲より多くなると、微生物吸着樹脂が懸濁せ
ずに分散液が得られないか、若しくは安定した分散液と
はならなくなり、逆に水の割合がこの範囲より多くなる
と分散液を得ることができ、微生物吸着樹脂の粒径は小
さくなるが、基材への付着量が少なくなり十分な微生物
吸着能力が得られなくなるという不具合を生じることに
なるからである。
【0017】この溶液中に微生物吸着樹脂が分散してい
るのであるが、本発明では溶液における微生物吸着樹脂
の濃度を0.1〜20重量%の範囲に規定している。そ
の理由は、微生物吸着樹脂の濃度が20重量%を越える
場合には、微生物吸着樹脂が懸濁せずに分散液が得られ
ないか、若しくは安定した分散液とはならなくなり、微
生物吸着樹脂の濃度が0.1重量%を下回る場合には分
散液を得ることができ、微生物吸着樹脂の粒径は小さく
なるが、基材への付着量が少なくなり十分な微生物吸着
能力が得られなくなるからである。
【0018】分散液における微生物吸着樹脂の平均粒径
としては0.1〜50μmがよい。平均粒径が50μm
を越える大きさの場合、該樹脂の単位重量当りの表面積
が小さくなり、これを付着させた微生物吸着材において
十分な微生物吸着能力が得られなくなる。一方、平均粒
径が0.1μmを下回るものは現在の技術では難しい。
【0019】次に、本発明の微生物吸着樹脂分散液の製
造方法について説明する。まず、微生物吸着樹脂にアル
コールを加えて樹脂をアルコール中に溶解させる。上記
の如く本発明の微生物吸着樹脂は、水には不溶又は難溶
でありながら、アルコールなどの有機溶媒には可溶であ
る。この性質を利用して微生物吸着樹脂にアルコールを
加えることで、樹脂はアルコール中に溶解することにな
る。このときの微生物吸着樹脂の濃度は0.5〜43重
量%とするのがよい。というのは、濃度が0.5重量%
未満の場合にはアルコール消費量が多くなりすぎて不経
済となり、44重量%以上の濃度の場合には、分散液が
作成できなくなるからである。
【0020】尚、上記範囲内で溶液濃度を低くすればす
るほど、分散液中の微生物吸着樹脂の粒径は小さくな
り、アルコール消費量が高くなる。反対に溶液濃度を高
くすればするほど、分散液中の微生物吸着樹脂の粒径は
大きくなり、アルコール消費量が低くなる。このため、
微生物吸着樹脂の濃度は、該樹脂を付着してなる微生物
吸着材の用途、要求される微生物吸着能力の大きさ、製
造コスト等を考慮して適宜決定するとよい。発明者の実
験によれば、アルコール溶液の濃度が25重量%以下で
あれば、これを水に添加して微生物吸着樹脂を懸濁化さ
せたときに得られる分散液はやや半透明から透明にな
り、25重量%を越えると分散液は白濁した。このこと
から、25重量%以下のアルコール溶液を用いた方が、
25重量%以上のものよりも微細な粒径の樹脂となるこ
とが確認された。
【0021】次に、上記微生物吸着樹脂の溶解したアル
コール溶液を水に添加して微生物吸着樹脂の濃度が0.
1〜20重量%の分散液とする。水への添加によりアル
コール溶液中の微生物吸着樹脂は懸濁し、微生物吸着樹
脂の微細な粒子がアルコール溶液中に分散した分散液と
なる。この際、水の量をアルコール溶液量の4〜30倍
とすることで、0.1〜20重量%の分散液とすること
ができる。水の量が4倍を下回る場合、換言すれば微生
物吸着樹脂の濃度が20重量%を越える場合には、微生
物吸着樹脂が懸濁せずに分散液が得られないか、若しく
は安定した分散液とはならなくなる。一方、30倍を上
回る場合、換言すれば微生物吸着樹脂の濃度が0.1重
量%を下回る場合には分散液を得ることができ、微生物
吸着樹脂の粒径は小さくなるが、基材への付着量が少な
くなり十分な微生物吸着能力が得られにくくなるという
不具合を生じることになる。このため、水の添加は、微
生物吸着樹脂の懸濁化、粒径、付着量という点を考慮し
て、微生物吸着樹脂の濃度が0.5〜8重量%となるよ
うに行うのがよい。
【0022】この後、上記分散液を不織布、編織布、発
泡体などの基材に塗布又は含浸し、乾燥することで微生
物吸着材を得ることができる。
【0023】尚、微生物吸着樹脂の製造工程中、重合
し、4級化処理した直後には50〜70重量%の微生物
吸着樹脂/アルコール溶液が得られる。このアルコール
溶液に、上述した様にアルコールを加えて0.5〜43
重量%のアルコール溶液とし、以後の工程を施すことに
より、微生物吸着樹脂の製造工程の過程に分散液の製造
工程を組み込むことができ、これにより微生物吸着樹脂
分散液の製造をより効率的に行うことができる。
【0024】又、微生物吸着樹脂の製造工程の過程に分
散液の製造工程を組み込む場合、樹脂の精製は行わなれ
ないので、樹脂の製造工程で共重合体中のピリジンを4
級化するために添加した塩化ベンジルなどのハロゲン化
合物や未反応のモノマーなどの未反応物が悪臭の原因と
なる。このため、微生物吸着樹脂を付着した微生物吸着
材を臭いが問題となる材料や用途に用いる場合には、こ
れらの未反応物を除去しなければならない。この未反応
物の除去は上記方法により得られた分散液にヘキサンを
添加し、ヘキサン中に未反応物を抽出することで行なう
ことができる。ヘキサンの添加はヘキサン/分散液の重
量比率で10重量%以上、好ましくは40重量%以上で
あり、これにより分散液中の未反応物はヘキサンの上澄
み液とともに廃棄され除去される。尚、分散液中の未反
応物が微量の場合には、含浸、乾燥時に直接屋外に排出
しても環境汚染として問題とはならないため、未反応物
の除去工程は省略してもよい。
【0025】以下に、本発明の好ましい実施の形態1〜
6を示す。
【化3】 で表される4−ビニルピリジンと、
【化4】 で表されるスチレンの繰り返し単位からなる50〜70
重量%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液にアルコール
を加えて0.5時間撹拌し、15重量%のアルコール溶
液とする。次に、このアルコール溶液に水を添加して1
〜4時間撹拌し、1重量%(好ましい実施の形態1)、
5重量%(好ましい実施の形態2)、0.8重量%(
ましい実施の形態3)、0.2重量%(好ましい実施の
形態4)、0.4重量%(好ましい実施の形態5)、
1.6重量%(好ましい実施の形態6)の分散液とす
る。次いで、この分散液にヘキサンの比率が10重量%
となるようにヘキサンを添加し、0.5時間撹伴した後
ヘキサンの上澄み液を廃棄し、微生物吸着樹脂分散液を
得た。
【0027】上記本発明の好ましい実施の形態1〜6に
対し、比較として以下の1〜3のア ルコール溶液を調製
した。
【化5】 で表される4−ビニルピリジンと、
【化6】 で表されるスチレンの繰り返し単位からなる50〜70
重量%の微生物吸着樹脂/アルコール溶液を水(アルコ
ール溶液量に対して8倍量の水)中に入れ、3時間撹拌
してアルコール中に溶解していた微生物吸着樹脂を析出
及び洗浄した。次いで、10時間静止状態に保ち微生物
吸着樹脂を沈降分離させ、上層液を廃棄した。この後、
前記析出及び洗浄、沈降分離の操作を2回繰り返し、得
られた沈降物を80℃で24時間、熱風及び減圧乾燥し
微生物吸着樹脂の精製を行った。上記操作により得られ
た微生物吸着樹脂にアルコールを加えて1重量%(比較
の形態1)、5重量%(比較の形態2)、0.5重量%
(比較の形態3)のアルコール溶液とした。
【0029】好ましい実施の形態1の微生物吸着樹脂分
散液における微生物吸着樹脂の平均粒径を測定した。測
定は粒径分布計(SK Laser Sizer 70
00S)を用いて行った。この結果、平均粒径は3μ
m、粒径範囲は0.1〜192μmであった。
【0030】好ましい実施の形態1の微生物吸着樹脂分
散液を用い、セルロースアセテートメンブランで粒状の
微生物吸着樹脂を収集し、室温(24℃)下で空気乾燥
した。そのSEM写真により微生物吸着樹脂が粒状のま
ま存在しているのではなく、薄膜状で存在していること
が判明した。
【0031】好ましい実施の形態1及び2の微生物吸着
樹脂分散液と比較の形態1及び2のアルコール溶液とを
用い、これをそれぞれガラスシャーレに入れ、24〜8
0℃の温度で熱風乾燥した。乾燥後ガラスシャーレ上に
成膜した透明な微生物吸着樹脂について剥離性の差異を
調べた。この結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表中の記号◎は爪で擦っても剥がれない状
態を示し、記号○は爪で擦ったら多少剥がれる状態を示
し、記号△は指で触るだけで剥がれる状態を示してい
る。表1から膜厚が薄ければ薄いほど、樹脂膜が剥離し
難くなり、乾燥温度が高ければ高い程膜が剥離し難くな
ることが判明した。又、80℃の乾燥温度及び1重量%
の含浸液を用いる条件下では、分散液及びアルコール溶
液の樹脂のガラス面への付着強度は共に強いことが明か
となった。更に、乾燥温度を40℃以上としたとき、牛
乳色の分散液は透明となった。これは温度の上昇によっ
て粒状の樹脂がアルコール/水溶液中に完全に溶けたた
めと考えられる。
【0034】好ましい実施の形態1の微生物吸着樹脂分
散液を用い、これをイ)繊維接着不織布(ポリプロピレ
ン/ポリエチレン複合繊維からなる繊維ウェブを加熱加
圧処理して得た不織布)、ロ)分割型複合繊維を用いた
水流絡合不織布(ナイロン/ポリエステル分割型複合繊
維からなる繊維ウェブを水流絡合処理した不織布)、
ハ)レーヨン繊維を用いた水流絡合不織布(レーヨン繊
維からなる繊維ウェブを水流絡合処理した不織布)及び
ニ)セルロース長繊維不織布(旭化成(株)製、商品名
ベンコットン)の4種類の不織布に含浸し、80℃の温
度で熱風乾燥した。この後、SEM写真により不織布上
の樹脂を観察したところ、イ)及びロ)の不織布には粒
状の樹脂が付着しているのが観察された。又、ハ)及び
ニ)の不織布上には樹脂膜と粒状の樹脂が付着している
のが観察された。
【0035】好ましい実施の形態3の微生物吸着樹脂分
散液を含浸液として、これをハ)レーヨン繊維を用いた
水流絡合不織布に含浸し、乾燥して菌体吸着不織布を作
製し、この不織布を洗濯、手洗い、処理無しの3種類の
サンプルとし、各々を大腸菌液と4時間接触させ、溶液
生存菌数計測法により測定した除菌率を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】処理条件の強さの厳しさ(付着した樹脂を
落とす強さ)に従って、除菌率は低くなってきた。これ
はレーヨン不織布上に付着していた粒状又は薄膜状の樹
脂が脱落した為、微生物吸着能力が低下したためと考え
られる。又、洗濯後でも高い微生物吸着能力を持ってい
るのは不織布上に薄く被覆している樹脂膜が脱落してい
ないためと考えられる。
【0038】好ましい実施の形態3の微生物吸着樹脂分
散液と、比較形態3のアルコール溶液を含浸液として、
これをハ)レーヨン繊維を用いた水流絡合不織布に含浸
し、乾燥して菌体吸着不織布を作製した。これらの不織
布を洗濯前と洗濯後で、各々を大腸菌液と4時間接触さ
せ、溶液生存菌数計測法により測定した除菌率を表3に
示した。
【0039】
【表3】
【0040】洗濯前の微生物吸着能力は分散液の方がア
ルコール溶液よりも高かった。洗濯後の微生物吸着能力
は分散液の方はやや落ちてはいたが高い微生物吸着能力
を保持していた。両方とも洗濯後の微生物吸着能力は高
いことから、樹脂が不織布の繊維上に薄膜形成している
と考えられる。
【0041】好ましい実施の形態3、4、5及び6の
生物吸着樹脂分散液を含浸液として、これらをそれぞれ
ハ)レーヨン繊維を用いた水流絡合不織布に含浸し、乾
燥して菌体吸着不織布を作製した。これらの不織布を各
々を大腸菌液と4時間接触させ、溶液生存菌数計測法に
より測定した除菌率を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】表4から濃度が低けれぱ低いほど微生物吸
着能力が低くなっており、微生物吸着能力が分散液の濃
度に依存していることが解った。又、0.4重量%以上
の濃度では微生物吸着能力の変化はみられなかった。こ
れは微生物吸着に寄与しているのが樹脂の表面のみであ
るためと考えられる。
【0044】好ましい実施の形態1の微生物吸着樹脂分
散液に、ヘキサン/分散液の比率が1重量%、5重量
%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量
%、50重量%及び100重量%の各比率でヘキサンを
添加し、5分間撹拌して、1時間静止沈降させてから、
塩化ベンジル/アルコール/ヘキサン上澄液を取り除い
た。その後嗅覚によって刺激臭の程度を判断した。6人
の実地試験の統計結果によると、ヘキサン/分散液の重
量比率が40重量%以上であれば、塩化ベンジル刺激臭
がほぼ完全に消えたことが確認された。
【0045】
【実施例】4−ビニルピリジン/スチレン=1/2.7
5モル/モル(モノマー比率)から重合し、塩化ベンジ
ルで4級化した後の50〜70重量%微生物吸着樹脂/
アルコール溶液に、濃度が5重量%、10重量%、20
重量%、25重量%、30重量%及び40重量%となる
様に所定のアルコール量を入れて撹拌し、溶液を調整し
た後、樹脂の濃度が1重量%になる様な所定量の水中
に、500rpmの回転速度の撹拌機又は5000rp
mの回転速度のホモジナイザーで撹伴しながら、前記の
アルコール溶液を徐々に添加し、分散液を調整した。
【0046】上記6種の分散液を観察したとき、樹脂濃
度が25重量%以下のアルコール溶液については、透明
度の高い(粒径の小さい)分散液となっており、液中の
微生物吸着樹脂の粒径は1μm以下と推定される。その
推測根拠としては、下記の通りである。a.分散液の粒
子は1μm径の濾紙より捕集できなかった。b.SKL
aser Micron Sizer 7000Sより
粒径分布を測定したところ、最初の平均粒径が48μm
であったが、超音波より凝集した粒子を砕いたところ、
平均粒径が3μm迄低下したところまで実測値が得られ
たが、その後は粒径が小さ過ぎる為、測定不能になっ
た。C.SEM写真より、繊維表面上に付着している粒
子の粒径は1μm以下であった。又、樹脂濃度が30重
量%以上のアルコール溶液の場合には、(粒径の大き
い)白濁した分散液しか得られなかった。
【0047】
【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項1
記載の微生物吸着樹脂分散液にあっては、微生物吸着樹
脂が、アルコール/水の容量比が1/4〜1/30であ
るアルコール/水溶液中に、0.1〜20重量%の濃度
で分散しているので、微生物吸着樹脂を溶解させるため
の有機溶媒の使用量を低減することができ、かつ作業上
の安全を確保することができる。又、この分散液は微生
物吸着樹脂の微細な粒子がアルコールと水の混合溶液中
に分散しているので、これを基材に含浸し乾燥させたと
き、基材に付着した微生物吸着樹脂の表面積は大きくな
り、微生物吸着能力の高い微生物吸着材を得ることがで
きる。
【0048】請求項2記載の微生物吸着樹脂分散液にあ
っては、溶液中に分散している微生物吸着樹脂の平均粒
径が0.1〜50μmであることから、これを基材に含
浸し乾燥させたときの該樹脂の単位重量当りの表面積は
大きくなり、十分な微生物吸着能力を持つ微生物吸着材
を得ることができる。
【0049】請求項3記載の微生物吸着樹脂分散液の製
造方法にあっては、微生物吸着樹脂にアルコールを加え
て0.5〜43重量%のアルコール溶液とし、このアル
コール溶液を4〜30倍量の水に添加することにより微
生物吸着樹脂分散液を製造するので、微生物吸着樹脂を
溶解させるためのアルコール使用量を大幅に削減するこ
とができ、蒸発したアルコールによる大気汚染を防止す
るための設備や有機溶媒の処理設備などを無くしたり、
若しくは小規模なものとしたりすることができる。
【0050】請求項4記載の微生物吸着樹脂分散液の製
造方法にあっては、25重量%以下の微生物吸着樹脂/
アルコール溶液に水を添加するので、分散液中の樹脂を
より微細なものとすることができる。
【0051】請求項5記載の微生物吸着樹脂分散液の製
造方法にあっては、微生物吸着樹脂の製造工程の過程に
分散液の製造工程を組み込むことができ、これにより微
生物吸着樹脂分散液の製造をより効率的に行うことがで
きる。
【0052】請求項6記載の微生物吸着樹脂分散液の製
造方法にあっては、水を添加した後にヘキサンを加える
ので、分散液中の未反応物をヘキサンの上澄み液ととも
に簡便な操作で除去することができる。
【0053】請求項7記載の微生物吸着材の製造方法に
あっては、有機溶媒の使用量を低減できるので、乾燥工
程において、有機溶媒による爆発の危険性がない。又、
この製造方法では、微生物吸着樹脂の微細な粒子がアル
コールと水の混合溶液中に分散している分散液を基材に
含浸し乾燥させるので、基材に付着した微生物吸着樹脂
の表面積は大きくなり、微生物吸着能力の高い微生物吸
着材を得ることができる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (ただし、式中R は、ベンジル基、C 〜C 16 のア
    ルキル基又はペンタフルオロフェニルメチル基、Xはハ
    ロゲン原子)で表される4−ビニルピリジンと、一般式 【化2】 (ただし、式中R は、水素原子またはC 〜C のア
    ルキル基、Yは水素原子、C 〜C のアルキル基、ベ
    ンジル基、エーテル基、カルボキシル基、カルボン酸エ
    ステル基またはアリール基)で表されるモノビニルモノ
    マーの繰り返し単位からなり、水には不溶または難溶で
    ありながら、有機溶媒には可溶なビニル系共重合体(以
    下「微生物吸着樹脂」という)が、アルコール/水の容
    量比が1/4〜1/30である溶液中に、0.1〜20
    重量%の濃度で分散していることを特徴とする微生物吸
    着樹脂分散液。
  2. 【請求項2】 溶液中に分散している微生物吸着樹脂の
    平均粒径が0.1〜50μmであることを特徴とする請
    求項1記載の微生物吸着樹脂分散液。
  3. 【請求項3】 微生物吸着樹脂にアルコールを加えて
    0.5〜43重量%のアルコール溶液とし、このアルコ
    ール溶液を4〜30倍量の水に添加することを特徴とす
    る微生物吸着樹脂分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 25重量%以下の微生物吸着樹脂/アル
    コール溶液を水に添加することを特徴とする請求項3記
    載の微生物吸着樹脂分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】 微生物吸着樹脂の製造工程における4級
    化処理後の50〜70重量%の微生物吸着樹脂/アルコ
    ール溶液にアルコールを加えて0.5〜43重量%のア
    ルコール溶液とすることを特徴とする請求項3記載の微
    生物吸着樹脂分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 水に添加した後にヘキサンを加えること
    を特徴とする請求項3記載の微生物吸着樹脂分散液の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 微生物吸着樹脂が、アルコール/水の容
    量比が1/4〜1/30である溶液中に、0.1〜20
    重量%の濃度で分散している微生物吸着樹脂分散液を基
    材に塗布又は含浸し、乾燥させたことを特徴とする微生
    物吸着材の製造方法。
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