JP2879451B2 - アルミニウム材の電解着色法 - Google Patents

アルミニウム材の電解着色法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なる形材、板材、その他の製品(この明細書ではこれら
のすべてを含む意味でアルミニウム材という)に無彩色
グレー色の着色を電解処理により施す方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
電解着色法によりアルミニウム材にグレー色系の着色
を施す方法は特開昭61−204395号公報に記載されてい
る。この方法は、アルミニウム材に常法による陽極酸化
処理を施し、次いで、ニッケル塩および亜鉛塩を主成分
として含有し外にニッケルイオンマスキング剤、支持電
解質等を含有するpH4.5以上の電解着色浴中で電解処理
を施すことによって、析出物中のニッケル:亜鉛の重量
比が1:0.5〜2.0になるように、陽極酸化皮膜細孔中に金
属を析出させるものである。
しかしながら、この方法によっては真に無彩色である
グレー色を得ることは困難であり、黄色ないし青緑色を
帯びたグレー色になり易いという問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、従来のグレー色系電解着色法におけ
る上述のような問題点を解決し、アルミニウム材を容易
かつ確実に無彩色のグレー色に着色する方法を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成することに成功した本発明のアルミニ
ウム材着色法は、アルミニウム材に陽極酸化処理を施し
たのち、コバルト塩および亜鉛塩を含有する電解液また
はニッケル塩および亜鉛塩を含有する電解液によるグレ
ー色系電解着色処理を施し、次いで温水または熱水で処
理してアドミッタンス値Y20が300〜30μSとなる程度の
軽度の封孔と洗浄を行ない、その後、陽極酸化皮膜に対
して不活性なpH4〜9の電解液中でアルミニウム材を陽
極とする直流電解処理を行なって陽極酸化皮膜の微細孔
底部に析出していた金属を表面近くに移動させ、それに
より低下する着色陽極酸化皮膜についての色差計による
測色値b値が2〜−2になったとき上記直流電解処理
を打ち切ることを特徴とするものである。
本発明の電解着色法においては、電解着色工程におい
て陽極酸化皮膜の細孔中に析出した金属に基づく不完全
もしくは不安定なグレー色系着色を、最後の直流電解処
理において確実に無彩色のグレー色に変化させる。
以下、本発明の電解着色法について工程順に詳述す
る。
アルミニウム材はまず常法により陽極酸化処理を施
し、表面に十分な厚さの(好ましくは約5〜25μmの)
酸化皮膜を生成させる。
処理後のアルミニウム材に、次いでコバルト塩および
亜鉛塩を含有する電解液またはニッケル塩および亜鉛塩
を含有する電解液によるグレー色系電解着色処理を施
す。この電解着色処理に用いる電解液において、ニッケ
ル塩としては硫酸ニッケル、硫酸ニッケルアンモニウ
ム、酢酸ニッケル、塩化ニッケル等を、亜鉛塩としては
硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等を、またコバルト塩と
しては硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コバルト等
を、それぞれ用いることができる。また、これら金属塩
のほかに、電解液にはほう酸、マレイン酸、マロン酸、
乳酸、グルコン酸、スルホサリチル酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、グリコール酸等の電解質の一種または二
種以上を添加することができ、更に、安定化剤として硫
酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、スルファミン酸ア
ンモニウム、アンモニア水、酸化マグネシウム等を加え
ることができる。電解は、対極にカーボン、ニッケル、
亜鉛、ステンレス等を用い、商用周波数の交流、極性変
換パルス波、または直流により行う。この処理により、
陽極酸化皮膜の微細孔中にニッケル−亜鉛共析物または
コバルト−亜鉛共析物が生成し、陽極酸化皮膜は、通
常、黄味のあるグレー色に着色される。この時点での金
属の析出は、酸化皮膜微細孔の底部に集中していること
が確認されている。
電解着色処理を終わったアルミニウム材を次いで約25
〜95℃の温水または熱水で約1〜10分間処理し、洗浄と
同時に軽度の封孔を行う。このときの封孔は、アドミッ
タンス測定試験(JIS H8683)によるアドミッタンス値Y
20が300〜30μSになる程度に行う。それ以上の徹底し
た封孔が行われると、次に直流電解処理しても目的とす
る色調変化を生じさせることができない。また、封孔を
全く行わないか不十分なままで直流電解処理を施すと、
析出金属が微細孔開口部から多量溶出し、明度の高い、
白っぽいものになってしまう。処理に使用する水として
は、電気伝導度が0.01〜10μS/cmのものが好ましく、こ
れに封孔促進剤として微量のリン酸塩、ほう酸塩、酒石
酸塩、酢酸塩、アミン類、フッ化物等を加えたものを用
いてもよい。なお、この封孔処理による酸化皮膜色調の
変化はない。
次に、pH4〜9、電気伝導度約100μS/cm〜100mS/cmの
電解液中でアルミニウム材を陽極とする直流電解処理を
施す。電解液のpHが上記範囲内にないと、電解中の金属
溶出が著しく、好結果が得られない。
電解液はまた、陽極酸化皮膜に対して不活性のもので
なければならない。具体的には、硫酸マグネシウム、硫
酸亜鉛、硫酸アンモニウム、ほう酸、アンモニア水、ア
ミン、アニオン型電着塗料用粒子の一種もしくはそれ以
上を含有する水溶液、またはさきの電解着色に用いた水
溶液がある。対極としては、カーボン、ステンレス、ニ
ッケル、亜鉛等を用いることができる。電流密度約1〜
100A/m2、電圧約10〜200Vで電解すると、酸化皮膜は徐
々に黄味が消えて、無彩色のグレー色になる。さらに電
解を続けると、酸化皮膜は徐々に白っぽくなる。通常、
色差計による測色値b値が約2以下になれば、肉眼的
に黄味をほとんど感じなくなるので、b値が約2〜−
2になったところで電解を打ち切る。この過程で、陽極
酸化皮膜の微細孔に共析していた金属が微細孔底部から
表面近くに移動することが確認されている。
電解着色と直流電解処理を終わったアルミニウム材
は、必要に応じて常法による封孔処理や透明塗料による
塗装処理を施す。直流電解処理に電解質としてアニオン
型電着塗料用粒子を用いた場合は、直流電解と同時に電
着塗装を行うことができる。これらの仕上げ処理によっ
て色調がさらに変化することはない。
〔発明の効果〕
上述のような本発明の方法によれば、色差計による測
色値a値が約1〜−1、 b値が約2〜−2の着色
酸化皮膜を容易に得ることができる。この着色酸化皮膜
は、金属塩を含む浴による電解着色処理を行うだけの従
来の方法では得られなかった(少なくとも安定的に得る
ことはできなかった)、完全無彩色グレー色系のもので
ある。そして、その耐食性や耐摩耗性は、従来の電解着
色陽極酸化皮膜のそれと同等以上のすぐれたものであ
る。サンシャインウェザーメーター500時間試験でも変
色はなく(ΔE=0.4)、耐候性も極めて優れている。
したがって、本発明の方法で得られる無彩色グレー色の
アルミニウム材は、建築用内外装材として、あるいはそ
の他の構造材として、広い用途に供することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を示して本発明を説明する。なお、各例
において、測色にはミノルタカメラ株式会社製色彩色差
計CR−200を用いた。参考データとして、塗料用標準色
見本帳(日本塗料工業会,昭和64年度版,P版)にある無
彩色の見本を上記色差計で実測した結果を次に示す。
実施例1 硫酸浴を用いる常法により厚さ約12μmの陽極酸化皮
膜を形成させたアルミニウム材(A1050P)を、硫酸ニッ
ケル30g/、硫酸亜鉛10g/、グルコン酸30g/、硫酸
アンモニウム10g/、硫酸マグネシウム20g/、pH5.9
の水溶液中、商用周波数の交流16Vで5分間電解処理す
ると、酸化皮膜は黄色味を帯びたグレー色になった。こ
れを85℃に加熱した工業用水(60μs/cm)中に10分間浸
漬し、陽極酸化皮膜の洗浄と封孔を行なった。この処理
の後の封孔度はY20=200μS、測色値はL値49、a
値0.1、b値3.5であった。
次に、アンモニア水でpHを7.5に調整した硫酸マグネ
シウム100g/の水溶液中で、アルミニウム材を陽極と
して電流密度2A/m2で2分間直流電解を行うと、無彩色
のグレー色(L値51、a値0.3、b値1.9)が得ら
れた。
この後、さらに耐食性を向上させるため、封孔助剤
(アルマイトシーラー)を添加した95℃の水中で完全封
孔処理を行なった。
実施例2 硫酸浴を用いる常法により厚さ約9μmの陽極酸化皮
膜を形成させたアルミニウム材(A6063S)を、硫酸ニッ
ケル25g/、酢酸亜鉛25g/、マロン酸20g/、硫酸マ
グネシウム40g/の水溶液中で、アルミニウム材を陰極
として25Vの直流で3分間電解処理すると、酸化皮膜は
黄色味を帯びたライトグレー色になった。この後、ほう
酸アンモニウム1g/、75℃の水溶液中に10分間浸漬
し、陽極酸化皮膜の洗浄と封孔を行なった。処理後の封
孔度はY20=250μS、測色値はL値58、a値0.2、
値3.2であった。
次に、アンモニア水でpHを7.5に調整した硫酸亜鉛20g
/、硫酸アンモニウム10g/の水溶液中で、アルミニ
ウム材を陽極とし60Vで3分間直流電解を行い、洗浄、
風乾後、透明塗料による静電塗装を行うと、美しいライ
トグレー色(L値60、a値0.4、b値1.5)が得ら
れた。
実施例3 硫酸浴を用いる常法により厚さ約20μmの陽極酸化皮
膜を形成させたアルミニウム材(A1100P)を、硫酸コバ
ルト64g/、硫酸亜鉛2g/、硫酸マグネシウム60g/
、ほう酸20g/の水溶液中、極性変換パルス波により
30A/m2で5分間電解着色処理をすると、酸化皮膜は黄色
味を帯びたグレー色になった。これをトリエタノールア
ミン200ppm、90℃の水溶液中に3分間浸漬し、陽極酸化
皮膜の洗浄と封孔を行なった。この処理の後の封孔度は
Y20=150μS、測色値はL値51、a値0.1、b
4.3であった。
次に、アニオン型透明電着塗料粒子(日本ペイント株
式会社製,PM#6000)10%を含有する水溶液中で、アル
ミニウム材を陽極とし150Vで3分間直流電解を行って陽
極酸化皮膜表面に塗装膜を形成させた後、焼付け乾燥す
ると、無彩色のグレー色(L値51、a値0.7、b
値2.0)が得られた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム材に陽極酸化処理を施したの
    ち、コバルト塩および亜鉛塩を含有する電解液またはニ
    ッケル塩および亜鉛塩を含有する電解液によるグレー色
    系電解着色処理を施し、次いで温水または熱水で処理し
    てアドミッタンス値Y20が300〜30μSとなる程度の軽度
    の封孔と洗浄を行ない、その後、陽極酸化皮膜に対して
    不活性なpH4〜9の電解液中でアルミニウム材を陽極と
    する直流電解処理を行なって陽極酸化皮膜の微細孔底部
    に析出していた金属を表面近くに移動させ、それにより
    低下する着色陽極酸化皮膜についての色差計による測色
    値b値が2〜−2になったとき上記直流電解処理を打
    ち切ることを特徴とするアルミニウム材の電解着色法。
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