JP2873327B2 - アンジオテンシン変換酵素阻害剤 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害剤

Info

Publication number
JP2873327B2
JP2873327B2 JP10026490A JP2649098A JP2873327B2 JP 2873327 B2 JP2873327 B2 JP 2873327B2 JP 10026490 A JP10026490 A JP 10026490A JP 2649098 A JP2649098 A JP 2649098A JP 2873327 B2 JP2873327 B2 JP 2873327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pro
leu
val
converting enzyme
angiotensin converting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10026490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10212245A (ja
Inventor
進 丸山
秀興 田中
登 冨塚
新介 三吉
史生 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Showa Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Showa Sangyo Co Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP10026490A priority Critical patent/JP2873327B2/ja
Publication of JPH10212245A publication Critical patent/JPH10212245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2873327B2 publication Critical patent/JP2873327B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアンジオテンシン変
換酵素阻害剤に関し、特に近年増加の傾向にあり対策が
望まれている高血圧症の予防及び治療に有用な医薬品又
は食品に利用できることが期待されるアンジオテンシン
変換酵素阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高血圧症の発症にはレニン−アンジオテ
ンシン系が深いかかわりを有していることがよく知られ
ているが、このレニン−アンジオテンシン系にはアンジ
オテンシン変換酵素(EC3.4.15.1、以下AC
Eとも言う)が重要な役割を果たしている。この場合A
CEは、肝で分泌されるアンジオテンシノーゲンが腎で
産生される酵素レニンにより分解されたアンジオテンシ
ンI(Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−Hi
s−Pro−Phe−His−Leu)に対して作用
し、このものをアンジオテンシンII(Asp−Arg
−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe)
に変換させる。そして、このアンジオテンシンIIは血
管壁平滑筋を収縮させて血圧を高め、さらに副腎皮質に
作用してアルドステロンの分泌を促進させるなどの作用
を有する。また、血漿に存在する酵素カリクレインはキ
ニノーゲンと呼ばれる蛋白質を分解し、血管を拡張させ
降圧させるブラジキニンを産生するが、このブラジキニ
ンはACEの作用により分解され、不活性化されてしま
う。このように、ACEは一方で昇圧性ペプチド(アン
ジオテンシンII)を生じさせるとともに、他方で降圧
性ペプチド(ブラジキニン)を分解し、結果として、血
圧を上昇の方向に進める。したがってこの酵素活性を抑
制することによって血圧上昇を防ぐこと(降圧)が可能
である。
【0003】ACE阻害物質としては蛇毒より得られた
数種のペプチド性阻害剤を初めとして、カプトプリル
(D−2−メチル−3−メルカプトプロパノイル−L−
プロリン)などの合成物質が多数知られており、このう
ちカプトプリルは経口降圧剤として既に実用に供されて
いる。また、近年、微生物あるいは種々の食品中にもA
CE阻害物質が見出され、降圧剤としての実用化が検討
されている。
【0004】また、牛乳カゼインのトリプシン加水分解
物由来のACE阻害物質を単離し、あるいはさらにペプ
チダーゼで処理し、これを血圧降下剤として用いること
が提案されている(特公昭60−23085号、同60
−23086号、同60−23087号、特開昭61−
36226号、同61−36227号)。また最近で
は、魚類タンパク質または大豆タンパク質のバチルス属
細菌由来のセリンプロテアーゼ、バチルス属細菌由来の
金属プロテアーゼまたは植物由来のチオールプロテアー
ゼによる加水分解物を血圧降下剤として用いることが提
案されている(特開昭62−169732号)。
【0005】一方、とうもろこしタンパク質はプロラミ
ンを50〜60%、グルテリンを35〜40%含み、主
成分であるプロラミンはゼイン(zein)と呼ばれ
る。ゼインはα、β、γの3種に分けられる(J.Ce
real Sci.,117(1987))。γ−ゼ
イン中にはVal−His−Leu−Pro−Pro−
Proを基本単位とする繰り返し構造が含まれている
(Nucleic Acids Res.13(5),
1493(1985))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】新規有用な血圧降下剤
ひいてはアンジオテンシン変換酵素阻害剤は常に求めら
れている。また医薬品としてのみならず、日常の摂取を
通して高血圧等の種々の症状の予防等を図る機能性食品
も求められる昨今である。従って本発明は優れたアンジ
オテンシン変換酵素阻害作用ならびに血圧降下作用を有
し、安全性が極めて高く、医薬品としてのみならず機能
性食品としても使用可能な特定のオリゴペプチド系アン
ジオテンシン変換酵素阻害剤を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはACE阻害
活性を有する物質を種々検索した結果、安価で最も一般
的な食品用タンパク質であるとうもろこしタンパク質中
のγ−ゼインを特定のプロテアーゼで加水分解して得ら
れる一定のペプチドがアンジオテンシン変換酵素阻害活
性を有すること、及び該ペプチドを用いることによって
上記課題を解決できることを見出した。すなわち本発明
はLeu−Pro−Proを有効成分として含有するア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用するγ−ゼインとし
てはとうもろこし、またはコーンスターチの製造過程で
得られるとうもろこしタンパク質から分離したゼインタ
ンパク質から、常法に従って分離することができる(例
えばPlant Physiol.,80,623(1
986))。また参考例1にγ−ゼインの調製例を示
す。
【0009】本発明における加水分解は次の工程によっ
て行われる。 a) γ−ゼインはまずサーモライシン加水分解に付し
てVal−His−Leu−Pro−Pro−Proを
生成させる。すなわちまずγ−ゼインを水酸化ナトリウ
ム水溶液等のアルカリ溶液に溶解し、限外濾過により可
溶化した低分子夾雑物を除去する。ついで必要に応じp
H10〜12、温度80〜100℃で5分〜1時間処理
する等してγ−ゼインを変性させ、サーモライシンを働
きやすくする。この際低分子化した画分は限外濾過によ
り除く。
【0010】ついでpHを塩酸等で中性付近に調整し、
Ca含有緩衝液でpHを6〜9に調整し、温度を30〜
80℃に保ち、サーモライシンを加え1〜40時間酵素
反応を行わせる。緩衝液としては0.005〜0.01
M CaCl含有0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH8
〜8.5)等が好適に用いられる。サーモライシンの使
用量は基質100重量部に対し0.1〜10重量部が適
当である。反応は例えば塩酸等の酸を添加してpH3以
下として酵素を失活させることにより終了させる。
【0011】反応後酵素液を限外濾過に付して通過する
低分子含有濾液を回収する。水酸化ナトリウム等のアル
カリ水溶液で濾液を中和後、濃縮し、カラムクロマトグ
ラフィー、例えばセファデックスLH−20カラムクロ
マトグラフィーに付し、各画分のHPLCによる溶出パ
ターンを合成Val−His−Leu−Pro−Pro
−Proのそれと比較することにより、Val−His
−Leu−Pro−Pro−Pro含有溶液を得る。こ
のものはカラムクロマトグラフィー、例えばSP−トヨ
パール650S陽イオン交換クロマトグラフィー、逆相
系HPLCなどによりさらに精製することができる。
【0012】b) 次にVal−His−Leu−Pr
o−Pro−Proをロイシンアミノペプチダーゼで加
水分解してHis−Leu−Pro−Pro−Proま
たはLeu−Pro−Pro−Proを生成させる。こ
の酵素反応は通常、pH6〜9の緩衝液中、30〜60
℃で1〜24時間行う。緩衝液としては0.05MMg
Cl含有0.1Mトリス塩酸(pH8.6)等を使用す
る。ロイシンアミノペプチダーゼの使用量は基質100
重量部に対し、0.1〜10重量部が適当である。
【0013】反応は例えば100℃で5分間加熱するな
どして終了させる。反応終了液から目的物の単離精製は
カラムクロマトグラフィー、例えば逆相系HPLCなど
によって行うことができる。目的物質の追跡はa)の場
合と同様合成ペプチドのHPLC溶出パターンの比較に
よって行うことができる。
【0014】c) 次にVal−His−Leu−Pr
o−Pro−Pro、His−Leu−Pro−Pro
−ProまたはLeu−Pro−Pro−Proをカル
ボキシペプチダーゼCで加水分解するか、温和な酸加水
分解に付すことにより各C末端Proを1つ外す。この
酵素反応は通常pH4〜7の緩衝液中30〜60℃で1
〜24時間行う。緩衝液としては0.1Mクエン酸緩衝
液等を使用する。カルボキシペプチダーゼCの使用量は
基質100重量部に対し0.1〜10重量部が適当であ
る。反応は例えば100℃で5分間加熱する等して終了
させる。
【0015】酸加水分解は通常、濃度0.1〜6規定の
塩酸等の酸を用い、温度80〜120℃で5〜120分
行う。反応は水酸化ナトリウム水溶液等で中和すること
により終了させる。いずれの場合も反応終了液から目的
物の単離精製はカラムクロマトグラフィー、例えば逆相
系HPLCなどによって行うことができる。目的物質の
追跡はa)の場合と同様合成ペプチドのHPLC溶出パ
ターンの比較によって行うことができる。なお、上記
b)の工程は必要に応じ行う。またb)とc)の工程を
共に行う場合いずれを先に行っても良い。
【0016】上記によって得られるアミノ酸重合度3〜
5のペプチドはACE阻害活性を示す。これらのペプチ
ドをACE阻害剤として使用する場合、これらのペプチ
ドは単独で含有されていても良く、また任意の割合の混
合物として含有されていても良く、さらに加水分解物由
来の他のペプチド、アミノ酸をマイナー成分として含有
していても良い。
【0017】当該ペプチドはそのまま、または通常少な
くとも1つの製剤補助剤と製剤組成物にして使用する。
本発明のペプチドは非経口的(すなわち、静脈注射、直
腸投与等)または経口的にヒトをはじめとする哺乳類に
投与し、各投与方法に適した形態に製剤することができ
る。
【0018】注射剤としての製剤形態は、通常滅菌水水
溶液を包含する。上記形態の製剤はまた緩衝剤・pH調
節剤(リン酸水素ナトリウム、クエン酸等)、等張化剤
(塩化ナトリウム、グルコース等)、保存剤(パラオキ
シ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル
等)等の水以外の他の製薬補助剤を含有することができ
る。該製剤は細菌保持フィルターを通す濾過、組成物へ
の殺菌剤の混入、組成物の照射や加熱によって滅菌する
ことができる。該製薬はまた殺菌固体組成物として製造
し、用時滅菌水等に溶解して使用することもできる。
【0019】経口投与剤は胃腸器官による吸収に適した
形に製剤する。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉
末剤は常用の製剤補助剤、例えば結合剤(シロップ、ア
ラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポ
リビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース
等)、賦形剤(ラクトース、シュガー、コーンスター
チ、リン酸カルシウム、ソルビット、グリシン等)、滑
沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレ
ングリコール、シリカ等)、崩壊剤(ポテトスターチ、
カルボキシメチルセルロース等)、湿潤剤(ラウリル硫
酸ナトリウム等)を包含することができる。錠剤は常法
によりコーティングすることができる。経口液剤は水溶
液等にしたり、ドライプロダクトにすることができる。
そのような経口液剤は常用の添加剤例えば保存剤(p−
ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、ソルビン
酸等)を包含していても良い。
【0020】本発明のACE阻害剤中の本ペプチドの量
は種々変えることができるが、通常1〜100%(w/
w)が適当である。本ACE阻害剤の投与量は有効成分
として0.5〜500mg/kg/dayが適当であ
る。なお、本発明のペプチドの急性毒性はいずれもLD
(ラット、経口投与)>5g/kgである。
【0021】また、本発明のペプチドは多量に摂取して
も生体に悪影響を与えない利点を有することから、その
まま、または種々の栄養分等を加えて、もしくは飲食品
中に含有せしめて血圧降下作用、高血圧予防の機能を持
たせた機能性食品、健康食品として食しても良い。すな
わち、例えば各種ビタミン類、ミネラル類等の栄養分を
加えて、例えば栄養ドリンク、豆乳、スープ等の液状の
食品や各種形状の固形食品、さらには粉末状としてその
ままあるいは各種食品へ添加して用いることもできる。
かかる機能性食品、健康食品としての本発明のACE阻
害剤中の本ペプチドの含有量、及び摂取量は上記製薬に
おけると同様で良い。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。実施例
中、%は重量%を示す。実施例1 各オリゴペプチドの調製とACE阻害活性 a) Val−His−Leu−Pro−Pro−Pr
oの調製 γ−ゼイン0.5gを蒸留水25mlに分散させ、1N
NaOHでpH12に調整しγ−ゼインを溶解させ
た。ついで限外濾過膜としてアミコン社PM−10(分
画分子量10,000)を用いる限外濾過に付し、可溶
化した低分子夾雑物を除去した。内液にpH12のNa
OHを加え全容25mlとし、100℃で30分加熱し
γ−ゼインを変性させた。この処理で低分子化した画分
を除去するため再度上記と同じ限外濾過に付し、内液に
蒸留水を加え全容25mlとし、さらに1N HClで
中性にした。
【0023】全容に対し0.25容の0.05M Ca
Cl含有0.25MトリスHCl緩衝液(pH8.5)
を加え、37℃に保った後、サーモライシン(シグマ
社)18mgを加えた。40時間後、1N HClでp
H1.7に調整して反応を停止させ、前記と同じ限外濾
過に付して通過する低分子を回収した。これを1N N
aOHで中和後、濃縮した濃縮液をセファデックスLH
−20のカラムに添加し蒸留水で溶出させた(溶出条
件:カラム高さ70cm、内径1.6cm、試料添加量
2ml、流速33ml/hr)。
【0024】各画分の少量を用いてHPLCによる溶出
パターンを調べ、合成Val−His−Leu−Pro
−Pro−Proが示す溶出位置と同位置のピークを持
つ画分を回収した(HPLCの溶出条件:カラム ウォ
ーターズ社Radial PAK C−8、10μm、
試料添加量5μl、流速1ml/min、溶出リン酸緩
衝液(10mM KHPO,50mM NaSO,pH
3.0):アセトニトリル=2:3、検出UV210n
m)。
【0025】この画分を5mM緩衝液(pH4.0)で
平衡化したSP−トヨパール650Sカラムに添加し、
0〜0.3M NaClの直線濃度勾配で溶出し、HP
LCにて合成Val−His−Leu−Pro−Pro
−Proと同位置に溶出されるピークを持つ画分を回収
した(SP−トヨパール溶出条件:カラム高さ20c
m、内径1.6cm、流速100ml/hr、溶出5m
M酢酸緩衝液(pH4.0)を含む0〜0.3M Na
Cl。HPLCの溶出条件は前記と同じ)。
【0026】回収した画分を濃縮後、HPLCに付して
合成Val−His−Leu−Pro−Pro−Pro
と同位置のピークのみを分取し、pH2のHClで洗浄
した逆相シリカゲルカラムSepPAK C−18(ウ
ォーターズ社)に吸着させ、pH2のHClで混在する
塩を除去した後、メタノールで溶出させ、アミノ酸分析
を行った(分取時のHPLC溶出条件:試料添加量のみ
25μlで他は最初の場合の条件と同じ)。上記でアミ
ノ酸分析は試料を6N HClに溶解し、真空下110
℃で24時間加熱後アミノ酸分析計により行った。
【0027】この結果Leuを1としたモル比がVal
1.3、His 1.2、Leu1、Pro 3.1
となり、Val−His−Leu−Pro−Pro−P
roが回収できた。また、質量分析の結果は659(M
+1)であり、上記ペプチドの予想分子量と一致した。
【0028】b)Leu−Pro−Pro−Proの調
製 ロイシンアミノペプチダーゼ(ベーリンガーマンハイム
山之内社)(5mg/ml液状)を0.05M MgC
l含有0.1Mトリス塩酸(pH8.6)800μlに
溶解し酵素液とした。300μM Val−His−L
eu−Pro−Pro−Pro 50μlと酵素液20
0μlを混合し、37℃で23時間反応させた。反応
後、反応液よりHPLCで合成Leu−Pro−Pro
−Proと同位置に溶出されるピークを回収しアミノ酸
分析を行った(HPLC溶出条件:使用するリン酸緩衝
液のpHを2.5としたこと、及び試料添加量を10μ
lとした以外は最初の場合の条件と同じ)。この結果L
euを1としたモル比がVal 0.16、Leu
1、His0.19、Pro 2.51となり、Leu
−Pro−Pro−Proが回収できた。
【0029】c)Leu−Pro−Proの調製 6.3mM Leu−Pro−Pro−Pro 200
μlと12N HCl200μlを混合し、100℃で
10分加水分解反応に服せしめた。ついでHPLCによ
る溶出で合成Leu−Pro−Proと同位置のピーク
(3.18mm)を持つ画分が回収できた。(溶出条
件:カラム メルク社 Lichrosorb RP−
SelectB 5μm、流速1ml/min、溶出
リン酸緩衝液(pH2.5):アセトニトリル=5:
1、検出UV210nm)。
【0030】d)Val−His−Leu−Pro−P
roの調製 Val−His−Leu−Pro−Pro−Proより
上記c)と同様にして得た。
【0031】e)ACE阻害活性の測定 以上のようにして得た各ペプチドのACE阻害活性を以
下のごとく測定した。すなわちまず、5gのラビットラ
ングアセトンパウダーを50mlの0.1Mホウ酸ナト
リウム緩衝液(pH8.3)に溶かし、40,000
G、40分の条件下で遠心処理し、その上澄液をさらに
上記緩衝液で5倍に希釈して、アンジオテンシン変換酵
素液を得た。
【0032】各ペプチド溶液を試験管に0.03ml入
れ、これに基質として、0.25mlのヒプリルヒスチ
ジルロイシン(最終濃度5mM、NaCl 300mM
含む)を添加し、ついで上記アンジオテンシン変換酵素
液0.1mlを加え、37℃で30分間反応させた。そ
の後、1N塩酸0.25mlを添加して反応を停止させ
た後、1.5mlの酢酸エチルを加え、酢酸エチル中に
抽出されたヒプリル酸の228nmでの吸収値を測定
し、これを酵素活性とした。なお、この条件で本発明阻
害剤を含まない場合の228nmの吸収値はほぼ0.3
5であった。このような実験を複数行い、阻害率を次の
式より算出した。
【0033】
【式1】
【0034】A:阻害剤を含まない場合の228nm吸
収値 B:阻害剤添加の場合の228nm吸収値 そして、阻害率50%のときの阻害剤濃度Iを求めた。
結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 Leu−Pro−Proの血圧
降下作用 体重200gのWistar系雄性ラット(日本ラット
(株)、1群5匹)をウレタン1.5g/kg腹腔内投
与により麻酔し、常法に従って総頸動脈圧をトランスデ
ューサー(SCK−590、日本光電(株))を介して
連続的に記録した。下腿静脈より、生理食塩水に溶解し
たLeu−Pro−Proを投与し、その5、15、2
5および35分後にアンジオテンシンI(ヒト配列、シ
グマ社)100ng/kgを繰り返し投与して、前後の
平均血圧の変化を測定した。対照としては、生理食塩水
を投与したものを用いた。結果を表2に示す。本ペプチ
ドは投与5分後のアンジオテンシンIによる昇圧を効果
的に抑制し、その作用は35分後にもなお持続してい
た。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3 静脈注射剤 Leu−Pro−Proを20〜100倍(容積/重
量)の滅菌生理食塩水に溶解し、無菌的にフィルター
(孔径0.45μm)で濾過した濾液を注射剤とする。
【0039】実施例4 錠剤 Leu−Pro−Pro 7部 ヒドロキシプロピルセルロース 1部 ラクトース 10.9部 ポテトスターチ 1部 ステアリン酸マグネシウム 0.1部 ヒドロキシプロピルセルロース1部を含む60%エタノ
ール水溶液20部を調製し、本ペプチド7部およびラク
トース10.9部を加えて充分に混練した後、減圧下で
乾燥し、得られた乾燥物にポテトスターチ1部およびス
テアリン酸マグネシウム0.1部を加えて混和し、打錠
機により製錠する。
【0040】参考例1 γ−ゼインの調製 Esenの方法(J.Cereal Sci.,11
7(1987))に準じて行った。粉砕とうもろこし
(普通種デントコーン)100gに1% 2−メルカプ
トエタノールを含む60%イソプロピルアルコール水5
倍量を加え、60℃で2時間攪拌することにより全ゼイ
ン画分を抽出した。混合物を3,000Gで10分遠心
分離し、上清に等容の蒸留水及び0.02容の3M酢酸
ナトリウム水溶液を加え、少量の酢酸でpH6に合わせ
4℃で一晩静置してαおよびβ−ゼインを沈殿させた。
ついで3,000Gで10分遠心分離し、上清を凍結乾
燥し、乾燥物を少量の蒸留水に分散させ、透析チューブ
を用いて蒸留水に対して透析し、ついで凍結乾燥して、
淡黄色粉末としてγ−ゼイン0.4gを得た。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば優れたACE阻害作用な
らびに血圧降下作用を有するACE阻害剤が提供され
る。本発明のACE阻害剤は食品タンパク質由来のため
大量に摂取しても極めて安全性が高く、従って副作用を
示すこともない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/06 A61K 37/18 (72)発明者 冨塚 登 茨城県つくば市東1丁目1番3号工業技 術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 三吉 新介 千葉県船橋市日の出2丁目20番2号昭産 日の出寮 (72)発明者 福井 史生 千葉県成田市中台1丁目2番117号 審査官 田村 聖子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/55 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Leu−Pro−Proを有効成分とし
    て含有するアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
JP10026490A 1998-01-23 1998-01-23 アンジオテンシン変換酵素阻害剤 Expired - Lifetime JP2873327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10026490A JP2873327B2 (ja) 1998-01-23 1998-01-23 アンジオテンシン変換酵素阻害剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10026490A JP2873327B2 (ja) 1998-01-23 1998-01-23 アンジオテンシン変換酵素阻害剤

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63185468A Division JP2805032B2 (ja) 1988-07-27 1988-07-27 アンジオテンシン変換酵素阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10212245A JPH10212245A (ja) 1998-08-11
JP2873327B2 true JP2873327B2 (ja) 1999-03-24

Family

ID=12194953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10026490A Expired - Lifetime JP2873327B2 (ja) 1998-01-23 1998-01-23 アンジオテンシン変換酵素阻害剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2873327B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1619957A1 (en) 2003-05-05 2006-02-01 Unilever N.V. Hydrolysed casein product comprising tripeptides ipp and/ or vpp

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4633876B2 (ja) * 1999-11-11 2011-02-16 カルピス株式会社 トリペプチドの製造方法
EP1669463B1 (en) 2003-08-01 2008-10-15 Calpis Co., Ltd. Casein hydrolyzate, process for producing the same and use thereof
AU2004298742B2 (en) * 2003-12-15 2008-07-31 Unilever Plc Peptides having an ace inhibiting effect

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1619957A1 (en) 2003-05-05 2006-02-01 Unilever N.V. Hydrolysed casein product comprising tripeptides ipp and/ or vpp

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10212245A (ja) 1998-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2145630B1 (en) Angiotensin-converting enzyme inhibitory peptides
US20060234942A1 (en) Use of at least one $g(a)62 casein peptide with angiotensin i converting enzyme inhibiting activity for preparing medicines, food products and food complements
JP3091772B2 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド組成物
JP5417405B2 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害性降圧ペプチド組成物の製造方法
JP2008535773A (ja) 単一の酵素工程における血圧降下ペプチド
JP5416964B2 (ja) 新規トリペプチドおよびそれらトリペプチドの製造法、ならびにアンジオテンシン変換酵素阻害物質の製造方法
JP2873327B2 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害剤
JPH04349893A (ja) ペプチド混合物の製造方法
JP2805032B2 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP5456100B2 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害ジペプチド
JP2007297324A (ja) ペプチド及びその製造方法、並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤
AU2006239562B2 (en) Compositions comprising tripeptides inhibiting ace
JP5456144B1 (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害ジペプチド
JP3430176B2 (ja) アンギオテンシン変換酵素阻害ペプチドの精製方法
JP4934369B2 (ja) 血圧低下作用を有するペプチド
KR100367782B1 (ko) 김으로부터 분리한 안지오텐신 전환효소의 활성저해용 펩타이드의 제조방법
JP3972104B2 (ja) 新規なヘクサペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2794094B2 (ja) 新規ペプチド及び血圧降下剤
JP2003128694A (ja) アンジオテンシン変換酵素阻害ペプチド
JP2007297325A (ja) ペプチド及びその製造方法、並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤
KR0150798B1 (ko) 신규 올리고펩티드 및 안지오텐신 변환효소저해제
JP2990354B1 (ja) 新規なペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP3108920B1 (ja) 新規なテトラペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JPH08225593A (ja) 新規なテトラペプチド、ペンタペプチドおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤
JP2866872B2 (ja) 血圧降下剤

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313118

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313118

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 10