JP2867738B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2867738B2
JP2867738B2 JP3124934A JP12493491A JP2867738B2 JP 2867738 B2 JP2867738 B2 JP 2867738B2 JP 3124934 A JP3124934 A JP 3124934A JP 12493491 A JP12493491 A JP 12493491A JP 2867738 B2 JP2867738 B2 JP 2867738B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の変
速制御装置に係り、特に、暖機が未完了等の所定の変速
禁止条件が成立中には該変速禁止条件に対応する変速段
へのシフトを禁止し、暖機完了等該変速禁止条件の不成
立と共に上記変速段へのシフトを許可する車両用自動変
速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定の変速禁止条件の成立中に
は、該変速禁止条件に対応する特定変速段へのシフトを
禁止するように構成した車両用自動変速機が知られてい
る。
【0003】例えば、暖機が完了するまでオーバードラ
イブ段等へのシフトを禁止してエンジン回転速度を高め
に維持し、機関が未だ低温であることに起因する運転性
能の悪化を防止すると共に、暖機を速やかに完了させる
ことを意図したものがある。
【0004】又、所定の高速段へのシフトを禁止する目
的が上述したように運転性能の悪化防止にあることに鑑
み、車両が所定の車速以上になったような場合には機関
の出力が十分大きく、運転性能上特に支障が生じないた
め、燃料消費効率や排気ガス中の有害成分の発生量の抑
制等を考慮して、この所定の高速段へのシフトを解除す
るようにした技術も開示されている(特開昭58−34
257)。
【0005】なお、暖機が完了したか否かは、一般には
機関温度、あるいは機関の冷却水温度が所定値以上に達
したか否かを判断することによって判定している。
【0006】又、特開昭61−228148では、主変
速機と副変速機とを同時又は交互にシフトさせることに
より、多段変速を達成するようにした車両用自動変速機
の変速制御方法において、油温が低いときには達成され
る変速段数を少なく抑えるという技術が開示されてい
る。この特開昭61−228148で開示されている技
術によれば、油温が低い時には、常温時に比べて油圧の
立上がり方がずれる傾向があるものの、変速ショックが
大きくなり易い変速が禁止されるため、運転フィーリン
グを向上させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術にあっては、以下のような問題が発生すること
があった。
【0008】即ち、上記従来の技術では、現在の走行状
態が本来前記高速段となるべき状態であり、且つ暖機が
完了していないが故に、当該高速段へのシフトが禁止さ
れている状態であったときには、暖機が完了すると共に
当該高速段へシフトされることになる。
【0009】このため、例えばアクセル開度が一定で、
車両がいわゆる定常走行状態にあるときであっても、こ
の暖機完了の検出と共に突然(運転者のアクセル操作や
車速の変化とは関係なしに)高速段へのシフトが実行さ
れ、変速ショックが発生することになる。
【0010】一般に、変速は車両の走行状態が変速線図
上の変速点を横切ったときに発生するものであるため、
車速あるいはアクセル開度のいずれかあるいは双方が変
化しているとき(非定常状態)で実行される。
【0011】そのため変速ショックもこの非定常の状態
中にいわばマスキングされ、ドライバーにとってそれ程
違和感とならない。ところが、上述した従来の技術が実
行されるときには、たとえアクセル開度及び車速の双方
が一定であり、車両が極めて安定した状態で走行してい
るときであっても、暖機完了の検出と共に高速段へのシ
フトが実行される。
【0012】従って、運転者の予期せぬ時に実行される
変速であることと相まって、大きな変速ショックとして
感じられてしまう。
【0013】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、暖機完了等の所定の変速禁止条
件の不成立の検出と共に変速の禁止されていた変速段へ
シフトするのを止め、もって車両が安定走行状態にある
ときに変速されるのを防止してドライバーが予期しない
変速ショックが発生しないようにした車両用自動変速機
の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1及び図2
にその要旨を示すように、所定の変速禁止条件が成立中
には該変速禁止条件に対応する特定変速段へのシフトを
禁止し、該変速禁止条件が不成立になると共に前記特定
変速段へのシフトを許可する自動変速機の変速制御装置
において、現在の走行状態が本来前記特定変速段となる
べき変速要求状態か否かを判断する変速要求状態判断手
段と、前記所定の変速禁止条件の成立・不成立を判断す
る変速禁止条件判断手段と、前記変速要求状態下で前記
所定の変速禁止条件が不成立になったときは、一度該変
速要求状態から外れ、再び該変速要求状態となるまで、
前記特定変速段へのシフトの禁止を継続するシフト禁止
手段とを備えたことにより、上記課題を解決したもので
ある。
【0015】なお、図2に示される流れ図は、処理上問
題のない時間間隔毎のタイマ割込み毎に実行される処理
を本発明の一例として想定したものである。
【0016】
【作用】本発明は、例えばアクセル開度や車速が一定で
あり、車両が極めて安定した状態で走行しているとき
に、ドライバの予期せぬタイミングで自動変速機の変速
が生じてしまうと、運転者には不快な変速ショックを与
えてしまうことに着目してなされたものである。
【0017】即ち、所定の変速禁止条件が成立中には該
変速禁止条件に対応する特定変速段へのシフトを禁止
し、該変速禁止条件が不成立になると共に該特定変速段
へのシフトを許可する自動変速機の変速制御装置におい
て、前記所定の変速禁止条件の成立中から不成立への変
化時における不快な変速ショックを低減するためになさ
れたものである。
【0018】前記特開昭58−34257や特開昭61
−228148等、一般に変速禁止条件は種々の目的で
設定されている。しかしながら、本発明の対象となる所
定の変速禁止条件には、エンジンの暖機状態(エンジン
冷却水温やエンジン本体の温度の測定により検出)や、
自動変速機の油圧制御装置の油温等に起因した(運転者
の意思によらない)条件が対応する。
【0019】又、このような本発明の所定の変速禁止条
件には、近接センサや温度センサ等の検出器や油圧ソレ
ノイドバルブ等の制御機器の異常検出に起因した条件も
含まれる。例えば、このような検出器や制御機器の異常
時には、この異常による影響のある変速段への変速を禁
止して、ある程度の車両の走行を確保するというものが
あるが、この異常が軽微で一時的な場合、異常からの回
復時に、この変速禁止が解除される場合にも、本発明が
適用できる。
【0020】本発明においては、現在の走行状態が前記
所定の変速禁止条件に対応する特定変速段となるべき変
速要求状態下で、前記所定の変速禁止条件が成立中から
不成立になったとしても、直ちにこの対応する変速段へ
のシフトを行わないようにしている。
【0021】即ち、このような変速要求状態下で前記所
定の変速禁止条件が不成立になったときは、一度該変速
要求状態から外れ、再び該変速要求状態となるまで、前
記特定変速段へのシフトの禁止を継続するようにしてい
る。
【0022】従って、このような所定の変速禁止条件が
成立中から不成立になったことによるシフトは、運転者
が変速の発生を予測可能な、再び前記変速要求状態に入
ったときに行われる。
【0023】これにより、運転者の予期せぬときに実行
される変速により生じる不快な変速ショックを防止する
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて詳
細に説明する。
【0025】図3に本発明の第1実施例の要旨を、図4
に本発明の第1実施例が適用されるより具体的な車両用
自動変速機の全体概要を示す。
【0026】この自動変速機は、そのトランスミッショ
ン部としてトルクコンバータ20と、オーバードライブ
部40と、前進3段、後進1段のアンダードライブ部6
0とを備える。
【0027】前記トルクコンバータ20は、ポンプ2
1、タービン22、ステータ23、及びロックアップク
ラッチ24を備える。
【0028】ポンプ21は、エンジン1のクランク軸1
0と連結され、タービン22はオーバードライブ部40
における遊星歯車装置のキャリア41に連結されてい
る。
【0029】前記オーバードライブ部40においては、
このキャリア41によって回転可能に支持されたプラネ
タリピニオン42がサンギヤ43及びリングギヤ44と
噛合している。サンギヤ43とキャリア41との間に
は、クラッチC0及び一方向クラッチF0 が設けられて
おり、サンギヤ43とハウジングHu との間には、ブレ
ーキB0 が設けられている。
【0030】前記アンダードライブ部60には、遊星歯
車装置としてフロント側及びリヤ側の2列が備えられて
いる。この遊星歯車装置は、それぞれ共通のサンギヤ6
1、リングギヤ62、63、プラネタリピニオン64、
65、及びキャリア66、67からなる。
【0031】オーバードライブ部40のリングギヤ44
は、クラッチC1 を介して前記リングギヤ62に連結さ
れている。前記リングギヤ44とサンギヤ61との間に
はクラッチC2 が設けられている。前記キャリア66
は、前記リングギヤ63と連結されており、これらキャ
リア66及びリングギヤ63は出力軸70と連結されて
いる。
【0032】一方、前記キャリア67とハウジングHu
との間にはブレーキB3 及び一方向クラッチF2 が設け
られている。サンギヤ61とハウジングHu との間に
は、一方向クラッチF1 を介してブレーキB2 が設けら
れている。サンギヤ61とハウジングHu との間には、
ブレーキB1 が設けられている。
【0033】この自動変速機は、コンピュータ(EC
U)84を備える。コンピュータ84には、エンジン1
の負荷状態を反映しているスロットル開度を検出するス
ロットルセンサ80、及び車速を検出する車速センサ8
2等の信号が入力される。
【0034】コンピュータ84は入力された信号に基づ
いて、予め設定された車速−スロットル開度の変速パタ
ーンに従って油圧制御回路86内のソレノイドバルブS
1 、S2 を駆動・制御する。
【0035】ここで、符号87は水温センサでエンジン
の暖機状態を知るために該エンジンの冷却水温度を検出
する。又、符号99はクラッチC0 の回転数を検出する
C0 センサである。
【0036】この自動変速機は、図5に示されるよう
な、各クラッチ、ブレーキ等の係合の組合せが行われて
変速が実行される。図中のソレノイドバルブSLはトル
クコンバータ20のロックアップクラッチ24の制御の
ために用いられる。ソレノイドバルブSDは特定のクラ
ッチの油圧制御のために用いられる。
【0037】図5において、○印は当該クラッチあるい
はブレーキが係合されていることを示し、◎印は当該一
方向クラッチがエンジン側から車輪側へ動力が伝達され
るときにロック状態となることを示している。
【0038】図6に上記コンピュータ84によって実行
される制御フローを示す。
【0039】この第1実施例では、暖機が完了するまで
第4速段(オーバードライブ段)へのシフトが禁止され
るようになっている。
【0040】又、この図6の処理は、タイマ割込みでほ
ぼ定周期毎に実行される。
【0041】まず、ステップ201では、現在の走行状
態が本来オーバードライブ段となるべき状態であるか否
かが判断される。即ち、スロットル開度θ及び車速N0
から現在の走行状態が本来オーバードライブ段となるべ
き状態であるか否かが判断される。
【0042】もし、現在の走行状態がオーバードライブ
段となるべき状態ではないと判断されたときには、ステ
ップ205に進んでシフト禁止の継続を示すフラグFを
OFFとする。なお、その後はそのままエンド(リセッ
ト)へ進む。
【0043】一方、ステップ201において本来オーバ
ードライブ段となるべき状態であると判断されたときに
は、ステップ202に進んで冷却水温が50℃以上であ
るか否か、即ち暖機が完了したか否かが判定される。
【0044】冷却水温が50℃以下のとき、即ち未だ暖
機が完了してないと判断されたときには、ステップ20
4に進んでシフト禁止継続を示すフラグFがONとさ
れ、その後ステップ207に進んでオーバードライブ走
行の禁止状態を維持する。
【0045】やがて、冷却水温が50℃以上になると、
ステップ202からステップ203へと進むようにな
る。ステップ203では、シフト禁止継続を示すフラグ
FがONとされているか否かが判断される。
【0046】もしこのフラグFがONとされていた場合
にはステップ207に進んでオーバードライブの禁止が
そのまま維持される。
【0047】このフラグFは、前述したようにステップ
201において車速及びスロットル開度から現在の走行
状態がオーバードライブ段以外、即ち第1速段から第3
速段のいずれかと判定されない限りOFFとならないた
め、冷却水温が50℃以上となったことに起因してオー
バードライブ段へ直ちにシフトされるのが防止される。
【0048】一度オーバードライブ段となるべき状態か
ら外れ、ステップ201で「NO」の判定がなされる
と、ステップ205でシフト禁止継続フラグFがOFF
とされる。そのため、この後にオーバードライブ走行の
条件が満足すると、ステップ201、202、203が
それぞれ「YES」と判断されるため、ステップ206
に進むことができ、オーバードライブ段での走行ができ
るようになる。
【0049】この結果、オーバードライブ段への変速は
通常と全く同じ条件の下でのみ実行されることとなる。
この変速はスロットル開度や車速が変動したことに起因
して実行されるシフトであるため、変速ショックがある
程度マスキングされ、問題となるようなレベルとはなら
ない。
【0050】又、このようないわゆるアクセルペダル及
び車速の変動に基づく変速は、運転者にとって十分予測
できる変速であるため、この意味でも運転者にとって違
和感を与えることはない。
【0051】なお、上記第1実施例においては、所定の
変速禁止条件は暖機未完了であり、暖機が完了したか否
かをエンジンの冷却水温が50℃以上になったか否かを
判断することによって判定するようにしていたが、本発
明における所定変速禁止条件判断手段はこれに限定され
ない。例えば、所定の変速禁止条件がエンジン暖機の未
完了の判定であって、エンジン本体の温度を直接検出す
るものであってもよい。又、冷却水温を利用する場合で
あってもその閾値は50℃に限定されるわけではない。
【0052】又、本発明は、例えば前述の特開昭58−
34257号公報に開示されているような、暖機完了前
であっても車速が所定値以上のときには高速段へのシフ
トを許可するような構成を採用している自動変速機にも
適用が可能である。この場合は、車速が前記所定値以下
であり、且つ現在の走行状態が本来当該高速段となるべ
き状態でありながら暖機が完了していないが故に当該高
速段となっていない状態であるときに本発明が適用され
ることになる。
【0053】図7に本発明の第2実施例が適用されるよ
り具体的な車両用自動変速機の全体概要を示す。
【0054】この図7に示される本発明の第2実施例の
自動変速機は、そのトランスミッション部として、前述
の図4の本発明の第1実施例のトランスミッション部と
そのハード構成が基本的に同一のトランスミッション部
を備えている。
【0055】この図7の自動変速機のトランスミッショ
ン部においては、2つの変速機部を有機的に組合せてよ
り複数段の変速を行うようにしている。又、この図7の
本発明の第2実施例においては、符号60は第1変速機
部を示し、符号40は、第2変速機部を示すものであ
る。
【0056】又、このように第1変速機部60と第2変
速機部40とのそれぞれの変速を組合せて、より多段の
変速を行うようにするため、この図7に示される本発明
の第2実施例においては、油圧制御回路106及びコン
ピュータ(ECU)84で行われる処理内容が、前述の
本発明の第1実施例と一部異っている。
【0057】なお、図7の本発明の第1実施例におい
て、符号1、10、20〜24、40〜44、60〜6
7、70、80、82、87、99、C0 〜C2 、B0
〜B3 、F0 〜F2 、HUは、前述の図4の同符号のも
のと同一のものである。又、図7において、符号110
は運転者の操作したシフトポジションを読取るシフトポ
ジションセンサであり、符号112は自動変速機の油温
を検出する油温センサである。
【0058】この図7の本発明の第2実施例の自動変速
機は、コンピュータ(ECU)84を備える。
【0059】コンピュータ84には、エンジン1の負荷
状態を反映しているスロットル開度を検出するストロッ
トルセンサ80、及び車速を検出する車速センサ82等
の信号が入力される。
【0060】コンピュータ84は、入力された信号に基
づいて、図11を用いて後述する予め設定された車速−
スロットル開度の変速パターンに従って油圧制御回路1
06内のソレノイドバルブS1 〜S3 を駆動・制御す
る。
【0061】この結果、図8に示されるような、各クラ
ッチ、ブレーキ等の係合の組合せが行われて変速が実行
される。
【0062】なお、図7のソレノイドバルブSLは、ト
ルクコンバータ20のロックアップクラッチ24の制御
のために用いられる。
【0063】図8において、○は当該クラッチあるいは
ブレーキ等が係合されていることを示し、◎は、当該一
方向クラッチがエンジン側から車輪側へ動力が伝達され
るときにロック状態となることを示し、×印は当該クラ
ッチあるいはブレーキあるいは一方向クラッチの解放状
態を示している。
【0064】この本発明の第2実施例では、自動変速機
の作動油が低温のうちは、中間段(図8に示される第2
速段)を禁止するようにしている。
【0065】即ち、油温が低いときにおいては、第1速
段からのアップシフトは第2速段へは行わず、所定の条
件で第3速段へ変速する。又、第3速段からのダウンシ
フトは、第2速段へは行わず、所定の条件で第1速段へ
変速する。
【0066】これは、作動油が低温のときにおいては、
第2速段から第3速段へのアップシフトの変速制御が比
較的困難で変速ショックが大きくなり易いためである。
【0067】なお、この本発明の第2実施例における第
2速段への変速の禁止の制御の基本的な考え方は、回転
センサ等の軽微な一時的な故障で所定の中間段等を禁止
する場合にも同様に適用できる。
【0068】図9に上記コンピュータ84によって実行
される制御フローを示す。
【0069】先ず、ステップ401では、自動変速機の
作動油の油温Tを、油温センサ112を用いて検出す
る。
【0070】ステップ402では、ステップ401で検
出された油温Tを所定の禁止レベルTo と比較する。即
ち油温Tが禁止レベルTo 以下である場合は、自動変速
機の作動油が未だ低温であるとし、ステップ407へ進
む。一方、油温Tが禁止レベルTo よりも高い場合に
は、ステップ403へ進む。
【0071】ステップ403では、シフト禁止フラグF
がセットされているか判定する。このシフト禁止フラグ
Fは、自動変速機の作動油温がTo 以下のときにはセッ
ト(“1”に対応)され、作動油温がTo を超え、且
つ、新たに第2速段へのダウンシフトが判定された時に
はリセット(“0”に対応)され、この後はリセットさ
れたままとなる。
【0072】このステップ403でシフト禁止フラグF
が“1”と判定されると次にはステップ404へ進む。
一方、このステップ403でシフト禁止フラグFが
“0”であると判定されると、次にステップ409へ進
む。
【0073】ステップ404では、エンジン1の負荷状
態を反映しているスロットル開度を検出するスロットル
センサ80からの信号の入力により、エンジン負荷を検
出する。
【0074】ステップ405では、車速センサ82によ
り、この自動変速機が搭載されている車両の走行速度を
検出する。
【0075】ステップ406では、前述のステップ40
4で検出されたスロットル開度即ちエンジン負荷と、前
述のステップ405で検出された車速とに従って、第2
速段へのダウンシフトを行うべき状態となっているか判
定する。なお、この判定は、後述する図11の変速点に
従ったものである。
【0076】ステップ406で第2速段へのダウンシフ
トを行うべき状態であると判定された場合には、次にス
テップ407へ進む。一方、ステップ406で2速への
ダウンシフトをするべき状態ではないと判定された場合
には、次にステップ409へ進む。
【0077】ステップ407では、図11を用いて後述
する2速禁止変速点設定を行う。
【0078】ステップ407に続いて、ステップ408
では、シフト禁止フラグFをセット(“1”)し、この
図9に示されるフローを全て完了する。
【0079】一方、ステップ409では、図11を用い
て後述する2速許可変速点設定を行う。
【0080】ステップ409に続いて、ステップ410
では、シフト禁止フラグFをリセット(“0”)し、こ
の図9の制御フローで示される処理を完了する。
【0081】この図9の制御フローによれば、自動変速
機の作動油温の高低により、設定が一部変更される後述
する図11に示される変速点を得ることができる。
【0082】図10は、本発明の第2実施例のコンピュ
ータ84によって実行される第2の制御フローである。
【0083】この図10の第2の制御フローにいて得ら
れる処理内容は、前述の図9の第1の制御フローの処理
内容と同一のもである。
【0084】この図10の第2の制御フローにおいて
は、前述の図2の本発明の要旨を示す制御フローや、更
には前述の図6に示される本発明の第1実施例の制御フ
ローとの対応が容易になるようにされている。
【0085】又、この図10の第2実施例の第2の制御
フローは、シフト禁止フラグFの論理状態の設定方法等
において、第1の制御フローとほぼ同一の処理内容とな
っている。
【0086】即ち、この図10の本発明の第2実施例の
第2制御フローにおいても、自動変速機の作動油の高低
により、設定が一部変更される後述する図11に示され
る変速点を得ることができる。
【0087】即ち、この第2の制御フローにおいて、作
動油の温度がTo 以上となった後に新たに2速へのシフ
トダウンすると判定された時以降はシフト禁止フラグF
は常にリセットされており、且つ、第2速段へのシフト
ダウンするべきであると判定されている状態で作動油が
初めてTo 以上になるようなときには、シフト禁止フラ
グFはセットされている。
【0088】図11は、本発明の第2実施例の変速点を
示す車速−スロットル開度のグラフである。
【0089】この図11に示される変速点は、前述の図
9の制御フローと図10の制御フローとに共通である。
【0090】この図11において、実線はアップシフト
時の変速点を示し、破線はダウンシフト時の変速点を示
す。
【0091】又、太い実線は第1速段から第2速段への
アップシフトの変速点を示している。又、太い破線は第
3速段から第2速段へのダウンシフトの変速点を示して
おり、この太い破線は前述の図9の制御フローのステッ
プ406及び図10のステップ503に対応する。
【0092】本発明の第2実施例の自動変速機において
は、自動変速機の作動油温がTo 以下のときには第2速
段への変速は禁止される。
【0093】従って、作動油がTo よりも低いときに
は、図11の太い実線で示される変速点や太い破線で示
される変速点は用いられない。その結果、低油温時に
は、第2速段から第3速段へのアップシフトはなく、第
3速段へのアップシフトは第1速段から実行される。同
様に、低温時には、第2速段から第1速段へのダウンシ
フトはなく、第1速段へは第3速段からダウンシフトさ
れる。
【0094】例えば、自動変速機の作動油温がTo 以下
のときに、車速の状態とスロットル開度の状態とが図1
1の符号*Aの領域内であるときに、この作動油温が上
昇しても、第3速段から第2速段へのダウンシフトは行
われず、第3速段から第1速段へのダウンシフトも行わ
れない。
【0095】この後、車速が一端上昇して符号*Bの領
域に入った後、再び車速が低下して符号*Aの領域にな
った場合には、本実施例においては、第3速段から第2
速段へのダウンシフトが行われる。
【0096】あるいは、車速の状態とスロットル開度の
状態が符号*Aの領域内で作動油がTo 以上となり、第
3速段から第2速段への変速が禁止されている時に、符
号*Cの領域に入ると、第3速段から第1速段へのダウ
ンシフトが行われる。
【0097】なお、このような図11の太い実線や太い
破線に関する変速点の変更(設定)は、図9の制御フロ
ーのステップ407あるいは409や、図10の制御フ
ローのステップ509あるいはステップ510で行われ
る。
【0098】このように本発明の第2実施例によれば、
自動変速機の作動油温がTo を超えたときの第2速段へ
のダウンシフトやアップシフトは、スロットル開度や車
速が変動した時点で行われる。従って、このようなアク
セルペダルや車速の変動に基づく変速は、運転者にとっ
て十分予測できる変速であるため、この意味でも運転者
にとって違和感を与えることはない。
【0099】なお、上記第2実施例においては、第2速
段への変速を禁止するものであるが、本発明はこれに限
定するもではない。又、この第2実施例では、変速禁止
条件が自動変速機の作動油がTo 以下のときとされた
が、本発明の変速禁止条件はこれに限定されず、例えば
自動変速機の所定の回転メンバの回転速度を検出する回
転センサ等の軽微で一時的な故障により、所定の変速段
への変速を禁止するという変速禁止条件であってもよ
い。
【0100】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ア
クセル開度、車速が一定で車両が安定した走行状態であ
るときに暖機完了等の所定の変速禁止条件の不成立の検
出と共に変速の禁止されていた変速段へのシフトが実行
され、大きな変速ショックが発生するのを防止すること
ができるようになる。
【0101】又、運転者の意図せぬときに突然変速ショ
ックが発生し、当該運転者が違和感を覚えるのを未然に
防止することもできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の要旨を示すブロック図であ
る。
【図2】図2は、本発明の要旨を示す流図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施例の要旨を示すブロ
ック図である。
【図4】図4は、前記第1実施例が適用される車両用自
動変速機の概略構成図である。
【図5】図5は、前記第1実施例の自動変速機の摩擦係
合装置の係合・解放状態を示す線図である。
【図6】図6は、前記第1実施例の自動変速機において
実行される制御フローを示す流れ図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施例が適用される車両
用自動変速機の概略構成図である。
【図8】図8は、前記第2実施例の自動変速機の摩擦係
合装置の係合・解放状態を示す線図である。
【図9】図9は、前記第2実施例の自動変速機において
実行される第1の制御フローを示す流れ図である。
【図10】図10は、前記第2実施例の自動変速機にお
いて実行される第2の制御フローを示す流れ図である。
【図11】図11は、前記第2実施例の自動変速機の変
速点を示す車速−スロットル開度のグラフである。
【符号の説明】
1…エンジン、 80…スロットルセンサ、 82…車速センサ、 84…コンピュータ、 87…エンジン冷却水温センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大坪 秀顕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 浅原 則己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−119427(JP,A) 特開 平2−253052(JP,A) 特開 平2−225872(JP,A) 特開 昭58−203255(JP,A) 特開 昭58−34257(JP,A) 特開 昭61−228148(JP,A) 特開 昭62−177356(JP,A) 特開 平2−296066(JP,A) 特開 平2−296067(JP,A) 特開 平2−266158(JP,A) 特開 昭62−103225(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 16/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の変速禁止条件が成立中には該変速禁
    止条件に対応する特定変速段へのシフトを禁止し、該変
    速禁止条件が不成立になると共に前記特定変速段へのシ
    フトを許可する自動変速機の変速制御装置において、現
    在の走行状態が本来前記特定変速段となるべき変速要求
    状態か否かを判断する変速要求状態判断手段と、前記所
    定の変速禁止条件の成立、不成立を判断する変速禁止条
    件判断手段と、前記変速要求状態下で前記所定の変速禁
    止条件が不成立になったときは、一度該変速要求状態か
    ら外れ、再び該変速要求状態となるまで、前記特定変速
    段へのシフトの禁止を継続するシフト禁止手段と、を備
    えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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