JP2864985B2 - トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法 - Google Patents
トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法Info
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Description
成時の還元剤として、あるいはシリル化剤の合成原料と
して有用なトリ(第2級アルキル)シラン化合物を工業
的に有利にかつ容易に高収率で製造することができる新
規なトリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法に
関する。
医薬品や農薬などの合成時の還元剤として、あるいはシ
リル化剤の合成原料として有用なトリ(第2級アルキ
ル)シラン化合物の合成方法としては、(1)トリクロ
ロシランと第2級アルキルリチウムとを反応させる方
法、(2)トリクロロシランと第2級アルキルグリニャ
ール試薬を反応させる方法が知られている。例えば、ト
リ(第2級アルキル)シラン化合物の中でも最も頻繁に
使用されるトリイソプロピルシランにおいては、前者の
方法に関してはJ.Am.Chem.Soc.,69,
1500(1947)に、後者の方法に関してはケミカ
ルアブストラクト84(21):150030hに記載
されている。
は、第2級アルキルリチウムを製造する場合、高融点
(190℃)の金属リチウムを溶融した後、数μmにま
で分散させる必要があるため特殊な装置が必要とされる
ほか、高活性の金属リチウムの取り扱いには十分な注意
が必要とされ、更に、第2級アルキルリチウムは空気と
接触するだけで自然発火するので大量の取り扱いは危険
度が高い、という不利が伴われるため、この前者の方法
は工業的に使用し得る方法ではない。
リニャール試薬は非常に合成しやすく、また自然発火性
もないことにより、前者における問題点は解決されるも
のの、非常に反応速度が遅く、反応完結までに長時間を
要し、第2級アルキル基の種類によってはほとんど目的
物が得られない場合もあるという問題点を有するだけで
なく、反応時に生成する塩の溶解性が低いため、良好に
撹拌するためには大量の溶媒が必要となるという問題点
も有しており、この方法も工業的に使用し得る方法では
ない。
率でトリ(第2級アルキル)シラン化合物を製造するこ
とができる新規製造方法の開発が望まれていた。
たもので、合成が容易で取り扱いが容易な第2級アルキ
ルグリニャール試薬を使用し、工業的に有利にかつ容易
に高収率でトリ(第2級アルキル)シラン化合物を製造
することができる新規製造方法を提供することを目的と
する。
上記問題点を解決するため種々検討を行った結果、下記
一般式(1) R1 MgX …(1) (R1は第2級アルキル基、Xはハロゲン原子を示
す。)で示されるグリニャール試薬と、下記一般式
(2) HSi(OR2)3 …(2) (R2はメチル基又はエチル基を示す。)で示される珪
素化合物とを非プロトン性有機溶媒中で反応させること
により、下記一般式(3) HSiR1 3 …(3) (R1は上記と同様の意味を示す。)で示されるトリ
(第2級アルキル)シラン化合物が容易に高収率で、し
かも非常に少ない溶媒量で製造できることを見い出し、
本発明をなすに至ったものである。
と、本発明のトリ(第2級アルキル)シラン化合物の製
造方法において、その第1の出発原料として使用される
グリニャール試薬は、一般式R1 MgXで示され、この
R1 は具体的にはイソプロピル基、sec−ブチル基、
sec−ペンチル基等の鎖状第2級アルキル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等で示される環状第2級
アルキル基であり、Xは塩素、臭素などのハロゲン原子
とされるものであり、具体的にはイソプロピルマグネシ
ウムクロライド、sec−ブチルマグネシウムクロライ
ド、sec−ペンチルマグネシウムクロライド、シクロ
ペンチルマグネシウムクロライド、シクロヘキシルマグ
ネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムブロマ
イド、シクロペンチルマグネシウムクロライドなどが例
示される。
薬と反応させる第2の出発原料である珪素化合物は、一
般式HSi(OR2)3で示され、このR2はメチル基、
エチル基であって、具体的にはトリメトキシシラン、ト
リエトキシシランである。
薬と式(2)の珪素化合物とを反応させて、一般式
(3)のHSiR1 3(R1は上記と同様の意味を示
す。)で示されるトリ(第2級アルキル)シラン化合物
を製造するものであるが、この場合、式(1)のグリニ
ャール試薬と式(2)の珪素化合物は、前者1モルに対
し後者3〜6モル、特に3〜4モルの割合で使用して反
応させることが好ましい。また、この反応は非プロトン
性有機溶媒中で行われる。この非プロトン性有機溶媒と
しては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化
水素系溶媒などが例示されるが、これらはその1種を単
独で使用しても2種以上の混合溶媒として使用してもよ
い。
は40〜100℃の温度範囲で行うことがよいが、この
反応系に酸素が存在するとこの反応段階でグリニャール
試薬が酸素と反応して収率低下の原因となるので、この
反応は窒素、アルゴン等の不活性雰囲気で行うことがよ
い。
り、反応液からのトリ(第2級アルキル)シラン化合物
の分離、精製は、常法に準じて行うことができる。
ルキル)シラン化合物は、上述したように、式HSiR
1 3で示されるものであり、具体的にはトリイソプロピル
シラン、トリsec−ブチルシラン、トリsec−ペン
チルシラン、トリシクロペンチルシラン、トリシクロヘ
キシルシラン等が例示される。
然発火性がなく、取り扱いが容易な第2級アルキルグリ
ニャール試薬を使用し、少量の溶媒下に短時間かつ高収
率でトリ(第2級アルキル)シラン化合物を製造でき
る。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
及び滴下ロートを備えた1リットルのフラスコ中に金属
マグネシウム36.5g(1.5モル)、テトラヒドロ
フラン450ml及び少量のヨウ素を仕込み、窒素ガス
雰囲気下に滴下ロートよりイソプロピルクロライド11
7.8g(1.5モル)を内温40〜50℃で2時間滴
下し、更に55℃で1時間攪拌したところ、グリニャー
ル試薬としてイソプロピルマグネシウムクロライドが得
られた。
メトキシシラン59.9g(0.49モル)を室温下1
時間で滴下した後、還流下3時間攪拌し、反応させた。
この反応液をガスクロマトグラフィーにて分析した結
果、ケイ素成分としてジイソプロピルメトキシシランと
トリイソプロピルシランが2:98の比で検出された。
分液操作により上層の有機層を分離し、蒸留により82
〜85℃/15mmHgの留分を分取することにより、
62.7gのトリイソプロピルシランを得た。収率8
0.8%。
ットルのフラスコに代えた以外は実施例1と同様にして
グリニャール試薬としてイソプロピルマグネシウムクロ
ライドを合成した。
クロロシラン66.3g(0.49モル)を室温下に滴
下したところ、滴下途中で生成した塩のため攪拌不能と
なった。そこで、テトラヒドロフランを450ml追加
し、トータル2時間で全量を滴下した後、還流下3時間
攪拌し、反応させた。この反応液をガスクロマトグラフ
ィーにて分析した結果、ケイ素成分としてジイソプロピ
ルメトキシシランとトリイソプロピルシランが21:7
9の比で検出された。
により上層の有機層を分離し、蒸留により82〜85℃
/15mmHgの留分を分取することにより、39.7
gのトリイソプロピルシランを得た。収率51.2%。
及び滴下ロートを備えた1リットルのフラスコ中に金属
マグネシウム36.5g(1.5モル)、テトラヒドロ
フラン450ml及び少量のヨウ素を仕込み、窒素ガス
雰囲気下に滴下ロートよりシクロヘキシルクロライド1
77.9g(1.5モル)を内温40〜50℃で2時間
滴下し、更に55℃で1時間攪拌したところ、グリニャ
ール試薬としてシクロヘキシルマグネシウムクロライド
が得られた。
メトキシシラン59.9g(0.49モル)を室温下1
時間で滴下した後、還流下10時間攪拌し、反応させ
た。この反応液をガスクロマトグラフィーにて分析した
結果、ケイ素成分としてジシクロヘキシルメトキシシラ
ンとトリシクロヘキシルシランが9:91の比で検出さ
れた。
分液操作により上層の有機層を分離し、蒸留により82
〜85℃/15mmHgの留分を分取することにより、
98.5gのトリシクロヘキシルシランを得た。収率7
2.2%。
以外は実施例2と同様にしてグリニャール試薬としてシ
クロヘキシルマグネシウムクロライドを合成した。
クロロシラン66.3g(0.49モル)を室温下に滴
下したところ、滴下途中で生成した塩のため攪拌不能と
なった。そこで、テトラヒドロフランを450ml追加
し、トータル2時間で全量を滴下した後、還流下3時間
攪拌し、反応させた。この反応液をガスクロマトグラフ
ィーにて分析した結果、ケイ素成分としてジシクロヘキ
シルメトキシシランとトリシクロヘキシルシランが7
2:28の比で検出され、反応は非常に遅いことが分か
った。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1) R1 MgX …(1) (R1は第2級アルキル基、Xはハロゲン原子を示
す。)で示されるグリニャール試薬と、下記一般式
(2) HSi(OR2)3 …(2) (R2はメチル基又はエチル基を示す。)で示される珪
素化合物とを有機溶媒中で反応させることを特徴とする
下記一般式(3) HSiR1 3 …(3) (R1は上記と同様の意味を示す。)で示されるトリ
(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11032394A JP2864985B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法 |
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JP11032394A JP2864985B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07291977A JPH07291977A (ja) | 1995-11-07 |
JP2864985B2 true JP2864985B2 (ja) | 1999-03-08 |
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ID=14532822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11032394A Expired - Fee Related JP2864985B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
CN103204869B (zh) * | 2013-04-16 | 2015-05-27 | 扬州三友合成化工有限公司 | 一种高纯度三异丙基硅烷的合成方法 |
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1994
- 1994-04-26 JP JP11032394A patent/JP2864985B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
CAS ABSTRACT,84:150030 |
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JPH07291977A (ja) | 1995-11-07 |
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