JP2864975B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2864975B2 JP32354593A JP32354593A JP2864975B2 JP 2864975 B2 JP2864975 B2 JP 2864975B2 JP 32354593 A JP32354593 A JP 32354593A JP 32354593 A JP32354593 A JP 32354593A JP 2864975 B2 JP2864975 B2 JP 2864975B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(エンジン)
のリーン燃焼限界等を含む燃焼状態を評価してエンジン
を制御する内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンへ供給される混合気の
空燃比をリーン化(希薄化)して、希薄燃焼させると、
このリーン燃焼領域でのNOx発生量は、図19に示す
ように、上記のリーン化によって大幅に低下することが
知られている。従って、NOx低減という観点からは、
設定空燃比を更にリーン限界側にしてエンジンを運転す
ることが効果的である。
【0003】そこで、上記のように空燃比をよりリーン
化して希薄燃焼させるリーンバーンエンジンが、燃費向
上とNOx低減の両立を狙って種々提案されている。ま
た、このようなリーンバーンエンジンでは、一般的にリ
ニア空燃比センサ(LAFS)を用いて、空燃比フィー
ドバック制御を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
リーンバーンエンジンでは、エンジンやセンサのバラツ
キあるいは環境要因などを考慮して、目標空燃比を、リ
ーン限界よりも空燃比で1.5〜2程度リッチ側に設定
しており、これにより燃費低減とNOx低減という観点
からは更に改善の余地がある。
【0005】ところで、リーン限界に近づける手法が従
来提案されており、その一手法として、次のような技術
が提案されている。すなわち、筒内圧力(燃焼室内圧
力)を検出し、これらの筒内圧力からエンジンの出力ト
ルクを算出し、この算出値を用いて、燃焼の変動を検出
するもの(特開平2−153243号公報参照)や、燃
焼変動検出結果に基づいて空燃比補正を行なうもの(特
公平3−37021号公報、特公平3−50100号公
報参照)などがある。
【0006】しかしながら、これらの手段では、悪化状
態の検出時ごとにリッチ化およびその後のリーン化を行
なうこととなる。これは、検出された単一の燃焼悪化デ
ータに基づき制御動作を行なうもので、このような手段
では、空燃比のリミットサイクルを生じる可能性があ
り、そのような状態が出現する場合には、ドライバビリ
ティ、燃費、排ガスの限界性能を実現することができな
い。
【0007】このような課題については、制御に際し、
燃焼の変動が確率的なものであるという観点が必要とな
る。本発明は、このような課題に鑑み創案されたもの
で、燃焼変動に相関した2種の制御情報を用いて、エン
ジンを制御できるようにすることにより、ドライバビリ
ティ、燃費、排ガスの限界性能を実現できるようにし
た、内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の内燃
機関の制御装置(請求項1)は、内燃機関の出力状態を
表すパラメータを検出するパラメータ検出手段と、内燃
機関の各燃焼ごとに上記パラメータ値に基づき燃焼変動
に相関した燃焼指標データを演算する燃焼指標データ演
算手段と、該燃焼指標データと燃焼悪化判定用閾値とを
比較し各燃焼ごとに内燃機関の燃焼変動調整要素を制御
するための第1の制御情報を算出する第1の制御情報算
出手段と、設定されたサンプリング期間における上記燃
焼指標データを統計処理して上記燃焼変動調整要素を制
御するための第2の制御情報を算出する第2の制御情報
算出手段と、上記の第1の制御情報および第2の制御情
報を用いて上記燃焼変動要素を制御する制御手段とが設
けられたことを特徴としている。
【0009】また、本発明の内燃機関の制御装置(請求
項2)は、上記第1の制御情報による上記燃焼変動要素
の制御幅より上記第2の制御情報による上記燃焼変動要
素の制御幅が広くなるように上記の第1の制御情報およ
び第2の制御情報のそれぞれに制限値が設けられている
ことを特徴としている。さらに、本発明の内燃機関の制
御装置(請求項3)は、内燃機関の運転状態があらかじ
め設定された第1の運転状態になったことを検出して上
記第1の制御情報算出手段が上記第1の制御情報を算出
するとともに、上記第1の運転状態において更に他の状
況が成立したときに上記第2の制御情報算出手段による
上記第2の制御情報算出が行なわれるように構成された
ことを特徴としている。
【0010】また、本発明の内燃機関の制御装置(請求
項4)は、上記燃焼指標データが燃焼悪化判定用閾値を
燃焼悪化側に超えた場合に制御データを積算しこの積算
データを燃焼悪化指標として求める積算手段が上記第2
の制御情報算出手段に設けられたことを特徴としてい
る。さらに、本発明の内燃機関の制御装置(請求項5)
は、上記パラメータ検出手段が燃焼室内圧力情報を検出
する手段として構成され、且つ、内燃機関の圧縮行程で
の異なった2点における燃焼室内圧力情報を第1燃焼室
内圧力情報および第2燃焼室内圧力情報とし、内燃機関
膨張行程における燃焼室内圧力情報を第3燃焼室内圧力
情報とした場合に、上記燃焼指標データ演算手段が、上
記の第3燃焼室内圧力情報と第1,第2燃焼室内圧力情
報の一方の燃焼室内圧力情報との差および上記の第1,
第2燃焼室内圧力情報の差との比を演算することにより
該燃焼指標データを算出する手段として構成されたこと
を特徴としている。
【0011】また、本発明の内燃機関の制御装置(請求
項6)は、上記パラメータ検出手段が、内燃機関の燃焼
により駆動される回転軸の回転状態を示すデータを検出
する手段として構成されたことを特徴としている。
【0012】
【作用】上述の本発明の内燃機関の制御装置(請求項
1)では、内燃機関の出力状態を表すパラメータがパラ
メータ検出手段により検出され、燃焼指標データ演算手
段により内燃機関の各燃焼ごとに上記パラメータ値に基
づき、燃焼変動に相関した燃焼指標データが演算され
る。そして、燃焼指標データと燃焼悪化判定用閾値とを
比較し各燃焼ごとに内燃機関の燃焼変動調整要素を制御
するための第1の制御情報が第1の制御情報算出手段に
より算出されるとともに、設定されたサンプリング期間
における燃焼指標データを統計処理して、燃焼変動調整
要素を制御するための第2の制御情報が第2の制御情報
算出手段により算出される。さらに、第1および第2の
制御情報を用いて燃焼変動要素が制御手段により制御さ
れる。
【0013】そして、本発明の内燃機関の制御装置(請
求項2)では、第1および第2の制御情報のそれぞれに
設けられた制限値により、第1の制御情報による燃焼変
動要素の制御幅より上記第2の制御情報による燃焼変動
要素の制御幅が広い状態での制御を行なわれる。また、
本発明の内燃機関の制御装置(請求項3)では、内燃機
関の運転状態があらかじめ設定された第1の運転状態に
なったことを検出して第1の制御情報算出手段が上記第
1の制御情報を算出し、第1の運転状態においてさらに
他の状況が成立したときに第2の制御情報算出手段によ
る第2の制御情報算出が行なわれる。
【0014】そして、本発明の内燃機関の制御装置(請
求項4)では、燃焼指標データが燃焼悪化判定用閾値を
燃焼悪化側に超えた場合における制御データを、第2の
制御情報算出手段に設けられた積算手段により積算さ
れ、燃焼悪化指標が求められる。さらに、本発明の内燃
機関の制御装置(請求項5)では、上記パラメータ検出
手段で、燃焼室内圧力情報が検出され、且つ、内燃機関
の圧縮行程での異なった2点における燃焼室内圧力情報
を第1燃焼室内圧力情報および第2燃焼室内圧力情報と
し、内燃機関膨張行程における燃焼室内圧力情報を第3
燃焼室内圧力情報とした場合に、上記燃焼指標データ演
算手段で、上記の第3燃焼室内圧力情報と第1,第2燃
焼室内圧力情報の一方の燃焼室内圧力情報との差および
上記の第1,第2燃焼室内圧力情報の差との比が演算さ
れる。
【0015】また、本発明の内燃機関の制御装置(請求
項6)では、上記パラメータ検出手段で、内燃機関の燃
焼により駆動される回転軸の回転状態を示すデータが検
出される。
【0016】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1〜図18は本発明の一実施例としての
内燃機関の制御装置を示すもので、図1,図2はいずれ
もその制御ブロック図、図3は本装置を装備するエンジ
ンシステムの概略構成図、図4〜図10はいずれもその
制御要領を説明するフローチャート、図11は燃焼指標
の算出に用いる圧力計測点を説明する図、図12はリー
ン限界近傍での燃焼変動とクランク角度との関係を説明
する図、図13はリーン限界近傍での燃焼指標とエンジ
ン出力との相関を説明する図、図14は燃焼指標,エン
ジン出力およびエンジン回転数の関係を説明する図、図
15〜18はエンジンの燃焼変動特性を説明する図であ
る。
【0017】さて、本装置を有するエンジンシステム
は、図3のようになるが、この図3において、エンジン
(内燃機関)EGはその燃焼室1に通じる吸気通路2お
よび排気通路3を有しており、吸気通路2と燃焼室1と
は吸気弁4によって連通制御されるとともに、排気通路
3と燃焼室1とは排気弁5によって連通制御されるよう
になっている。
【0018】さらに、吸気通路2には、上流側から順に
エアクリーナ,スロットル弁(いずれも図示せず)およ
び電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)6が設けられてお
り、排気通路3には、その上流側から順に排ガス浄化用
の触媒コンバータおよびマフラ (消音器)(いずれも図
示せず)が設けられている。なお、吸気通路2には、サ
ージタンク2aが設けられており、更にインジェクタ6
は各気筒に対応して吸気ポート部分に設けられている。
【0019】また、吸気通路2と排気通路3との間に
は、排気再循環通路(EGR通路)7が介装されてお
り、このEGR通路7には、電磁式のEGR弁8が介装
されている。なお、18は点火プラグである。さらに、
このエンジンEGを制御するために、種々のセンサが設
けられている。まず、燃焼室1内の圧力(筒内圧力:燃
焼室圧力)を検出する筒内圧センサ17が設けられてお
り、更にクランク角度を検出するクランク角センサ15
(このクランク角センサ15はエンジン回転数を検出す
る回転数センサも兼ねている)が設けられている。
【0020】また、吸気通路2側には、そのエアクリー
ナ配設部分に、吸入空気量をカルマン渦情報から検出す
るエアフローセンサ(吸気量センサ)9,吸入空気温度
を検出する吸気温センサ10および大気圧を検出する大
気圧センサ11が設けられており、そのスロットル弁配
設部分に、スロットル弁の開度を検出するポテンショメ
ータ式のスロットルセンサ12が設けられている。
【0021】さらに、排気通路3側には、触媒コンバー
タの上流側部分に、排ガス中の酸素濃度(O2 濃度)を
検出する空燃比センサ(又はリニア空燃比センサ)13
(以下、単に「O2 センサ13」ということがある)が
設けられている。なお、その他のセンサとして、エンジ
ン冷却水温を検出する水温センサ14や第1気筒(基準
気筒)の上死点を検出するTDCセンサ(気筒判別セン
サ)16も設けられている。
【0022】そして、これらのセンサからの検出信号
は、電子制御ユニット(ECU)20へ入力されるよう
になっているが、このECU20はCPU,ROM,R
AM,適宜の入出力インタフェースをそなえており、こ
のECU20のCPUに、上記の各センサからの検出信
号が入力されると、CPUで所要の演算が施され、この
演算結果に基づく燃料噴射量制御信号(燃料量制御信
号),点火時期制御信号,EGR制御信号が、それぞれ
インジェクタ6,点火プラグ18,EGR弁8へ出力さ
れるようになっている。
【0023】今、燃料噴射制御(空燃比制御)に着目す
ると、ECU20からは後述の手法で演算された燃料噴
射量制御信号がインジェクタ6へ出力されて、この燃料
噴射量制御信号により、インジェクタ6が、燃料噴射時
間Tinj (=Tb ×Kafl ×K×(1+Kfb+Kc )±
Tacc +Td)の間、駆動されるようになっている。こ
こで、Tb は基本駆動時間で、この基本駆動時間Tb
は、エアフローセンサ9およびクランク角センサ15か
ら得られるエンジン1回転あたりの吸入空気量情報に応
じて決定されるものである。
【0024】Kafl はリーン化補正係数で、このリーン
化補正係数Kafl は、エアフローセンサ9等から得られ
るエンジン負荷情報に応じてマップ(記憶手段)から求
められるもので、リーン運転時は「1」よりも小さい値
が設定され、理論空燃比(ストンキオ)時は「1」に設
定される。Kfbはフィードバック補正係数で、このフィ
ードバック補正係数Kfbは後述する燃焼指標Ci に基づ
いて設定される。
【0025】Kc は筒内圧補正係数で、この筒内圧補正
係数Kc は後述する燃焼悪化指標Vc に基づいて設定さ
れる。Kはその他の補正係数で、この補正係数Kとして
は、大気圧センサ11で得られる大気圧に応じて設定さ
れる大気圧補正係数,吸気温センサ10で得られる吸気
温度に応じて設定される吸気温補正係数,水温センサ1
4で得られるエンジン冷却水温に応じて設定されるエン
ジン冷態時補正係数等が考えられる。
【0026】Tacc は加減速補正時間で、この加減速補
正時間Tacc はスロットルセンサ12から得られるエン
ジンの加減速状態に応じて設定される時間である。Td
は無駄時間である。つぎに、本発明で新たに定義した燃
焼指標Ci に基づいて、フィードバック補正係数Kfbを
求める手法について説明する。
【0027】まず、ECU20は、筒内圧センサ17,
クランク角センサ15からの信号より、圧縮行程2点、
膨張行程1点の合計3点の筒内圧力を計測する。すなわ
ち、ECU20は、図1に示すように、圧縮行程2点と
膨張行程1点の合計3点の筒内圧力を計測する筒内圧検
出手段21の機能を有しているが、この筒内圧検出手段
21で、具体的には、吸排気弁閉後の内燃機関圧縮行程
中の上死点前120°での筒内圧力P120B(第1燃
焼室内圧力)およびこの筒内圧力P120Bよりも後の
時期ではあるが点火時期よりも前の時期(上死点前60
°)における内燃機関圧縮行程中の筒内圧力P60B
(第2燃焼室内圧力)と、燃焼がほぼ完了した時点の内
燃機関膨張行程中の上死点後60°での筒内圧力P60
A(第3燃焼室内圧力)との3点の筒内圧力を検出する
のである。なお、上記の圧縮行程2点と膨張行程1点の
合計3点の筒内圧力P120B,P60B,P60Aの
計測点を示すと、図1または図11のようになる。
【0028】また、ECU20は、筒内圧検出手段21
で検出された3つの筒内圧力P120B,P60B,P
60Aから次式で定義される燃焼指標Ci を演算する燃
焼指標演算手段22の機能を有している。 Ci =(P60A−P60B)/(P60B−P120
B)・・(1) すなわち、燃焼指標Ci は、P60AとP60Bとの差
と、P60BとP120Bとの差との比で定義されるこ
とになる。
【0029】ここで、この燃焼指標Ci の分母(P60
B−P120B)は、圧縮圧力情報をもつことから、燃
焼室1内への空気量(EGR量も含む)の情報を有する
ことになり、燃焼指標Ci の分子(P60A−P60
B)は膨張圧力変動情報をもつことから、エンジン出力
の情報を有することになり、従って、燃焼指標Ci は、
単位空気量当たりのエンジン出力の情報を有することに
なる。なお、P120Bの代わりに、P150Bを用い
て演算を行なってもよい。
【0030】なお、燃焼指標Ci としては、後述の燃焼
指標データ演算手段101により算出される燃焼指標C
i を用いてもよい。また、ECU20は、燃焼指標演算
手段22で求められた燃焼指標Ci と基準燃焼指標(設
定値:しきい値)Cio との偏差ΔCiを求める比較手
段23の機能を有している。
【0031】さらに、ECU20は、比較手段23で得
られた偏差ΔCiに対して図1に特性Fで示すような不
感帯,重みを付与する変換手段24の機能を有してお
り、更にこの変換手段24の出力F(ΔCi)を累積す
る累積手段25の機能を有しており、更に累積手段25
の出力にリミッタ処理を施すリミッタ手段26の機能も
有しており、このリミッタ手段26の出力に基づいて、
第1の制御係数(第1の制御情報)としてのフィードバ
ック補正係数Kfbが決定されるようになっている。すな
わち、空燃比フィードバック運転中においては、累積手
段25の出力が上限値または下限値を超えない間は、累
積手段25からの累積出力に応じ、累積手段25の出力
が上限値または下限値を超えると、上限値または下限値
に応じて、空燃比が調整されるように、フィードバック
補正係数Kfbが更新されるのである。
【0032】そして、第1の制御係数としてのフィード
バック補正係数Kfbは、リミッタ手段26の制限値によ
り、後述の第2の制御係数(第2の制御情報)としての
統計的学習補正係数Kc に比べ、その制御幅が小さくな
るように構成されており、現在の燃焼状態を表さないノ
イズ等による突発的な燃焼指標Ci の悪化に対し、フィ
ードバック制御の行き過ぎを防止できるようになってい
る。
【0033】また、ECU20は、空燃比フィードバッ
ク運転域(定常運転域)でないとき、フィードバック補
正係数Kfbの更新を停止させるとともに、あらかじめ設
定された第1の運転状態となったことを検出して第1の
制御係数としてのフィードバック制御係数Kfbを算出さ
せるフィードバック判定スイッチ手段27を有してい
る。なお、このフィードバック判定スイッチ手段27
は、フィードバック判定ロジック部27Aとスイッチ部
27Bとを有している。
【0034】ここで、上記の第1の運転状態は次のよう
な運転条件を満たす場合である。 リーンバーン運転状態であること。 エンジン加速度が所定(100rpm/s程度)以下
であること。 アクセル操作速度が所定量(5°/s程度)以下であ
ること。 センサが正常であること。
【0035】このような条件を判定基準として、条件を
満たす場合は、定常運転中であって、リーンフィードバ
ック制御を行なうべき状況にあるため、フィードバック
制御係数Kfbが算出され、この制御係数Kfbにより補正
された燃料噴射が行なわれるようになっている。なお、
上記の条件判定は、フィードバック制御開始時もしくは
所定サイクルごとにリセットされるように構成される。
【0036】ところで、本発明者は、燃焼指標Ci が単
位空気量当たりのエンジン出力の情報を有することを確
かめるために、リーン燃焼限界付近でエンジンを運転し
たときにエンジン出力(あるいはエンジン失火状態)と
上記燃焼指標Ci との関係を調べてみた。図12(a)
は燃焼が安定している場合のクランク角度・燃焼変動特
性、図13(a)は燃焼が安定している場合の燃焼指標
・エンジン出力特性であり、図12(b)はリーン燃焼
限界の場合のクランク角度・燃焼変動特性、図13
(b)はリーン燃焼限界の場合の燃焼指標・エンジン出
力特性であり、図12(c)はリーン燃焼限界を超えた
場合のクランク角度・燃焼変動特性、図13(c)はリ
ーン燃焼限界を超えた場合の燃焼指標・エンジン出力特
性であるが、これらの特性図から次のようなことがわか
る。なお、図12(a)〜(c)には、パラメータ変動
の最大値,最小値特性が示されており、即ち全パラメー
タ変動の包絡特性が示されており、この包絡特性で囲ま
れる面積の小さい方が燃焼が安定している状況を示して
いることになる。
【0037】まず、燃焼が安定している場合は、ほぼ一
定のエンジン出力のところに、ある値Cio(この値Cio
は上記の「しきい値」に相当する)より大きい値の燃焼
指標Ci が集中している。そして、リーン燃焼限界にな
ると、燃焼指標Ci が少し分散しはじめ、リーン燃焼限
界を超えると、エンジン出力が低い部分にまで燃焼指標
Ci が分散し、しかもエンジン出力が低い部分の燃焼指
標Ci はしきい値Cioを下回っていることがわかる。
【0038】これから、燃焼指標Ci がエンジン出力と
強い相関をもっていることがわかり、しかも、燃焼指標
Ci がしきい値Cio を下回るようになると、エンジン
出力が低下して、リーン燃焼限界を超えたという評価を
行なえることがわかる。また、図14は、種々の運転条
件下で、エンジンを運転した場合に、エンジン回転数と
エンジン出力と燃焼指標との関係を示したグラフである
が、このグラフからは、燃焼指標はエンジン負荷状態に
よらずほぼ一定値を示すことがわかるほか、減速時に燃
料をカットして、エンジン出力が低下した場合に、これ
に連動して燃焼指標も低下していることかわかる。
【0039】すなわち、燃焼指標Ci とエンジン出力と
は非常に強い相関があることが実証されたのである。し
たがって、リーン燃焼限界付近では、燃焼指標Ci が小
さいサイクルが現れ始め、リーン限界に近づくと、累積
手段25の出力(偏差の積分情報)が増大してくるが、
これに応じて、空燃比をリッチ化するように、フィード
バック補正係数Kfbを更新すると、失火率が減り、燃焼
指標Ci が再度大きくなって、偏差積分情報の大きさが
減少する。
【0040】このようにして、このECU20は、比較
手段23で得られた偏差ΔCiの累積情報に基づき、こ
の累積情報の大きさが減少する方向に、エンジンの燃焼
変動調整要素としての空燃比調整要素を制御する制御手
段の機能も有することになる。また、上記のような制御
を行なうためには、上記の燃焼指標Ci に基づいて、エ
ンジンの燃焼状態も評価するので、このECU20は、
上記の燃焼指標Ci にに基づいてエンジンの燃焼状態を
評価する評価手段の機能も有していることになる。
【0041】つぎに、本発明で新たに定義した燃焼悪化
指標Vc に基づいて、第2の制御係数としての学習制御
補正係数Kc を求める手法について説明する。ここで、
学習制御補正係数Kc は、燃料噴射時間Tinj の算出に
用いられるが、統計的な燃焼変動を検出して設定するも
のであり、所定のサンプリング期間ごとに更新されるよ
うに構成されている。また、学習制御補正係数Kc の算
出を、前述の第 1の運転状態にあるための判定条件に加
えて、さらに所定の状況が成立したときに行なわせるべ
く、学習制御判定スイッチ手段201が設けられてい
る。なお、この学習制御判定スイッチ手段201は、学
習制御判定ロジック部201Aとスイッチ部201Bと
をそなえている。
【0042】学習制御判定スイッチ手段201により判
定される所定の状況は、次のとうりである。 リーンバーン運転における前述のフィードバック制御
中であること。 前項の制御が開始されてから256サイクル以上が
経過していること。 ところで、学習制御補正係数Kc を算出すべく、ECU
20は、内燃機関の出力状態を表すパラメータを検出す
るセンサとしての筒内圧センサ17,クランク角センサ
15からの信号より、圧縮行程2点、膨張行程1点の合
計3点の筒内圧力を計測し、パラメータとして用いる。
【0043】すなわち、ECU20は、図2に示すよう
に、圧縮行程2点と膨張行程1点の合計3点の筒内圧力
を計測する筒内圧検出手段21の機能を有しているが、
この筒内圧検出手段21で、行程iにおける、吸排気弁
閉後の内燃機関圧縮行程中の上死点前120°での筒内
圧力P120B(i) (第1燃焼室内圧力)およびこの筒内圧
力P120B(i) よりも後の時期ではあるが点火時期よりも
前の時期(上死点前60°)における内燃機関圧縮行程
中の筒内圧力P60B(i)(第2燃焼室内圧力)と、燃焼が
ほぼ完了した時点の内燃機関膨張行程中の上死点後60
°での筒内圧力P60A(i)(第3燃焼室内圧力)との3点
の筒内圧力を検出するのである。なお、上記の圧縮行程
2点と膨張行程1点の合計3点としては、前述のフィー
ドバック制御に用いる燃焼指標Ci を算出すべく演算手
段22において用いられる、筒内圧力P120B,P6
0B,P60Aの計測点における値を用いてもよい。
【0044】ECU20は、上記の燃焼室内圧力情報P
120B(i) ,P60B(i)と、筒内圧力P60A(i)(第3燃焼室
内圧力)とにより、燃焼変動に相関した燃焼指標データ
Ciを次式(3)により演算する燃焼指標データ演算手
段101をそなえている。 Ci =(P60A(i)−P60B(i))/(P60B(i)−P120B(i) )・・・(1) すなわち、燃焼指標Ci は、P60A(i)とP60B(i)との差
の、P60B(i)とP120B(i) との差に対する比で定義され
ることになる。
【0045】ここで、この燃焼指標Ci の分母(P60B
(i)−P120B(i) )は、圧縮圧力情報をもつことから、
燃焼室1内への空気量(EGR量も含む)の情報を有す
ることになり、燃焼指標Ci の分子(P60A(i)−P60B
(i))は膨張圧力変動情報をもつことから、エンジン出
力の情報を有することになり、従って、燃焼指標Ci
は、単位空気量当たりのエンジン出力の情報を有するこ
とになる。
【0046】ところで、ECU20は、燃焼指標Ci が
燃焼悪化判定用閾値Cthを燃焼悪化側に超えた場合にお
ける制御データを積算して燃焼悪化指標Vc を求める積
算手段102をそなえている。積算手段102で積算さ
れる制御データは、燃焼指標Ci が燃焼悪化判定用閾
値Cthから燃焼悪化側に超える度数で構成されており、
後述の確率的観点からの考察に従った補正すべき燃焼変
動量を反映する燃焼悪化指標Vc が算出されるようにな
っている。
【0047】ここで、燃焼悪化判定用閾値Cthは、体積
効率ηv とエンジン回転数Neとで設定されるマップで
与えられるように構成されている。そして、積算手段1
02で積算される制御データは、燃焼指標Ci が平均
燃焼指標Cavから燃焼悪化側に超える超過量(Cav−C
i )で構成されており、後述の確率的観点からの考察に
従った補正すべき燃焼変動量を反映する燃焼悪化指標V
c が算出されるようになっている。
【0048】すなわち、燃焼の悪化量が重みをつけて積
算させることにより、閾値付近の数値の影響を小さくす
るように構成されている。ここで、平均燃焼指標Cav
は、次の2つの手段のいずれかで設定されるように構成
されている。 (1)過去のデータの平均を予め求めておき、定数とし
て与える。 (2)実時間処理で、100サイクル程度の移動平均を
求める。 (3)時定数の大きい一次フィルタを用いた実時間処理
で求める。
【0049】 Cav(i)=α・Cav(i-1)+(1- α) ・Ci α=0.95 ・・・(2) そして、これらの制御データ,は、制御装置で求め
られる特性によりいずれかが採用されるようになってい
る。さらに、ECU20には、設定されたサンプリング
期間内における燃焼悪化指標Vc に基づき燃焼の良否を
判定する判定手段104が設けられている。
【0050】すなわち、判定手段104は、予め設定さ
れた256サイクル内において蓄積される燃焼悪化指標
Vc に対し、補正係数Kc を決定することで、燃焼悪化
状態を判定するように構成されている。ここで、補正係
数Kc は、つぎのように決定されるようになっている。 〔1〕Vc >Vc0+ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1)+Kr ・( Vc −Vc0−ΔVc) ・・・(3−1) 〔2〕Vc0+ΔVc >Vc >Vc0−ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1) ・・・(3−2) 〔3〕Vc <Vc0−ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1)−Kl・( Vc −Vc0+ΔVc) ・・・(3−3) なお、学習制御用補正係数Kc を0.15>Kc >-0.15 の
範囲に制限すべく、リミッタ手段202が設けられてい
る。なお、Kr はリッチ化係数、Klはリーン化係数で
ある。
【0051】これは、第2の制御係数としての学習制御
用補正係数Kc による制御幅が、フィードバック制御係
数Kfbによる燃料噴射量の制御幅より広く設定されるよ
うに構成されるもので、各制御相互の重みを調整してい
る。これにより、比較的長い時間を対象として算出され
た学習制御補正係数Kc に、所要の重みを与え、安定し
た確実な燃料噴射制御を行なうとともに、比較的軽い重
みのフィードバック制御により、応答性の良いタイムリ
ーな燃料噴射制御も確保するようになっている。
【0052】なお、内燃機関の出力状態を表すパラメー
タとしては、内燃機関の燃焼により駆動される回転軸の
回転状態(例えば回転加速度)を示すデータで構成する
ことができる。ところで、上述の燃焼悪化指標Vc は、
燃焼の変動が確率的なものであるという観点から、次の
ような意義により設定されている。
【0053】すなわち、燃焼変動は実験結果から図15
に示すような変動特性をもっていることを仮定すること
ができ、次式(4),(5)により指数分布に従った確
率で発生する乱数を基準に変動の状況を記述することが
できる。ここで、図15中の横軸はエンジンの平均有効
圧avPi に対する筒内圧Pi の比率Kpt(比率x)をと
り、これに対する燃焼変動の確率密度Prbをとって、燃
焼変動の可能性を示している。
【0054】 Prb(x)=λ・exp(−λ・x) ・・・・(4) Kpt =(1−x・Kprb )/{1−1/(λ・Kprb )}・・・・(5) この燃焼変動特性は、母数λ=5の指数分布で近似する
ことができ、この近似特性は、図16に示すものとな
る。すなわち、燃焼変動の確率密度P(x)は、 P(x)=λ・exp(−λ・x) ・・・・(6) 一方、横軸のPi /avPi は、確率的な変動の大きさを
表す係数εを用いて、筒内圧を正規化したものに相当し
ており、次式(7)で表される。
【0055】 Pi /avPi =(1−ε・x)/(1−ε/x) ・・・・(7) ここで、a=λ/(λ−ε),b=λ・ε/(λ−ε)
とすると、 Pi /avPi =a−b・x ・・・・(8) と表すことができる。図16における特性で示されるよ
うに、右方に位置する特性ほど確率密度が低く、燃焼状
態が悪化する状況にある。
【0056】ここで、図16の境界Aより右方に至った
場合を、燃焼が悪化する場合であると判定するものとし
て、燃焼悪化判定用閾値Pi /avPi =0.9とする。
一方、燃焼変動covを確率を用いて表現すると、次の
ように表される。まず、Pi /avPi の分散V(Pi /
avPi )は、 V(Pi /avPi )=b2 /λ 2 ・・・・(9) Pi /avPi の標準偏差σ(Pi /avPi )は、 σ(Pi /avPi )={V(Pi /avPi )}1/2 =b/λ ・・・・(10) したがって、 cov=σ(Pi /avPi )=b/λ =ε/(λ−ε)・・・・(11) そして、筒内圧と燃焼指標との間には良い相関があるこ
とがわかっているので、Pi /avPi を、燃焼指標を正
規化したものに相当するCi /avCi でおきかえて考え
る。燃焼悪化指標Vc を確率を用いて表現すると、制御
テータの燃焼悪化指標Vc は、Ci /avCi ≦Cth/
avCi が成立する確率である。
【0057】ここで、Cth/avCi は燃焼指標の閾値
で、0.9の値がとられる。また、xの閾値をx0 とす
ると、燃焼悪化指標Vc は燃焼変動の確率密度P(x)
を閾値x0 から1/εまで積分したものとなる。ここ
で、1/εは、Ci /avCi =a−b・x=0のときの
xの値で、前に置き換えたa=λ/(λ−ε),b=λ
・ε/(λ−ε)を代入して求められる。
【0058】したがって、制御データについては、
【0059】
【数1】
【0060】ここで、x0 =(a−Cth/avCi )/b ={λ−(λ−ε)・Cth/avCi }/λ・ε を代入すると、Vc は次のようになる。 Vc =-exp(−λ/ε)+exp〔{(λ−ε)・Cth/av
Ci −λ}/ε〕・・・・(12−2) この燃焼悪化指標Vc を、燃焼変動COVに対し、εを
変化させることによりプロットすると、図17に示すよ
うになる。
【0061】すなわち、図17は、横軸に燃焼変動CO
Vをとり、燃焼悪化指標Vc を縦軸にとって、相互の関
係を示すもので、同図に表されるように、良好な線型関
係を持っているということができる。したがって、燃焼
悪化指標Vc と燃焼変動COVとの間には、良好な相関
関係があり、燃焼悪化指標Vc を燃焼変動に対する制御
要素として採用し、フィードバック制御を行なうことに
より、確率的に安定した的確な制御が行なわれる。
【0062】一方、制御データについて燃焼悪化指標
Vc はCi <Cthとなる確率にCav−Ciをかけたも
のであり、これを考慮して算出するとつぎのようにな
る。平均燃焼指標を正規化したものをCav/avCi とす
ると、
【0063】
【数2】
【0064】ここで、Cav/avCi =1,Ci /avCi
=a−b・xであるから、Vc は次のようになる。
【0065】
【数3】
【0066】この燃焼悪化指標Vc についても、燃焼変
動COVに対し、εを変化させることによりプロットす
ると、図18に示すようになる。すなわち、図18は、
横軸に燃焼変動COVをとり、燃焼悪化指標Vc を縦軸
にとって、相互の関係を示すもので、同図に表されるよ
うに、良好な線型関係を持っているということができ
る。
【0067】したがって、燃焼悪化指標Vc と燃焼変動
COVとの間には、良好な相関関係があり、燃焼悪化指
標Vc を燃焼変動に対する制御要素として採用し、フィ
ードバック制御を行なうことにより、確率的に安定した
的確な制御が行なわれる。次に、上記のフィードバック
補正係数Kfbの演算を中心にした燃料噴射制御につい
て、更に図4〜図7のフローチャートを用いて説明す
る。
【0068】まず、図4のステップA1において、図5
〜図7のようにして読み込んだ3つの筒内圧力P120
B,P60B,P60Aをロードする。即ち、筒内圧力
P120Bは上死点前120°のクランク割込み毎に読
み込まれ(図5のステップB1)、筒内圧力P60Bは
上死点前60°のクランク割込み毎に読み込まれ(図6
のステップC1)、筒内圧力P60Aは上死点後60°
のクランク割込み毎に読み込まれる(図7のステップD
1)。
【0069】その後は、図4のステップA2で、上記
(1)式に基づき、燃焼指標Ci を演算し、ステップA
3で、偏差ΔCi を求め、空燃比フィードバック許容運
転状態であれば、ステップA4のYESルートをとっ
て、ステップA5で、偏差ΔCiの累積情報に基づいて
フィードバック補正係数Kfbを求め、その後は基本駆動
時間TB やその他の補正係数を演算して、燃料噴射時間
inj を求めて(ステップA7)、この燃料噴射時間T
inj でインジェクタ6を駆動するのである(ステップA
8)。
【0070】なお、インジェクタ6の駆動に当たって
は、後述のごとく、図9,10のフローチャートに沿っ
た統計的学習制御との調整が行なわれる。そして、この
場合、燃焼指標Ci が所定のしきい値Cioを下回ったと
きに、その差を積分し、積分値に応じてフィードバック
補正係数Kfbを増やして、空燃比をリッチ化するので、
リーン燃焼限界に近い状態でエンジンを運転することが
できる。これにより、燃費の向上およびNOxの低減に
大いに寄与するものである。
【0071】また、上記の燃焼指標Ci を利用すること
による利点は次のとおりである。 (1)筒内圧力の計測点が3点と少ないため、燃焼指標
Ci を求めるための演算量が少なくて済む。 (2)燃焼指標Ci を求める際に使用する式((1)
式)の分母および分子の両方に圧力差分を用いているの
で、筒内圧力のゼロ点較正用の演算が不要になる。
【0072】(3)燃焼指標Ci を求めるのに、分母お
よび分子の比を用いているので、筒内圧力のゲイン管理
が不要になる。 (4)燃焼指標Ci は単位空気量当たりエンジン出力情
報を有しているので、燃焼指標Ci をエンジン負荷によ
らずほぼ一定の値にすることができる。なお、空燃比フ
ィードバック許容運転状態でない場合は、ステップA4
のNOルートをとって、ステップA6で、フィードバッ
ク補正係数Kfbを「1」にし、その後は基本駆動時間T
B やその他の補正係数を演算して、燃料噴射時間Tinj
を求めて(ステップA7)、この燃料噴射時間Tinj
インジェクタ6を駆動する(ステップA8)。
【0073】なお、燃料噴射時間Tinj の演算は各気筒
毎に行なわれるので、上記の燃料噴射制御は各気筒毎に
行なわれる。このように本実施例では、少ない検出筒内
圧力情報を用いて定義される燃焼指標Ci を創設して、
この燃焼指標Ci を用いて、エンジンの燃焼状態を簡便
に評価できることに着目して、上記の燃焼状態評価手法
を利用することにより、エンジンの燃焼変動調整要素と
しての空燃比調整要素を制御して、エンジンの燃焼状態
を制御できるので、簡便にリーン燃焼限界制御を実現す
ることができ、これにより燃費の向上およびNOx低減
におおいに寄与するものである。
【0074】なお、上記燃焼指標Ci を用いて、リッチ
燃焼限界を評価して、リッチ燃焼限界制御を行なうこと
も理論的には可能である。また、燃焼指標Ci と設定値
Cioとの偏差ΔCi の累積情報の代わりに、偏差ΔCi
そのものを用いて、この偏差ΔCi の大きさが減少する
方向に、エンジンを制御するようにしてもよい。
【0075】さらに、筒内圧力計測点として、上死点前
120°,上死点前60°,上死点後60°のほか、エ
ンジンの圧縮行程での異なった2点における第1筒内圧
力および第2筒内圧力と、内燃機関膨張行程における第
3筒内圧力との3点を計測してもよく、又、燃焼指標
を、上記の第3筒内圧力と第1,第2筒内圧力の一方の
筒内圧力との差および上記の第1,第2筒内圧力の差と
の比で定義してもよい。このようにして定義した燃焼指
標を用いても、前記の場合と同様にして、エンジンの燃
焼状態を評価して、エンジンの燃焼状態の制御が可能で
ある。
【0076】また、燃焼指標としきい値との比較結果に
基づき、燃焼変動調整要素としての空燃比に代えて、又
は空燃比に加えて、燃焼変動調整要素としてのEGR量
を制御してもよい。ついで、燃焼悪化指標Vc および補
正係数Kc の演算を中心にした統計的学習による燃料噴
射制御について、図8のフローチャートを用いて説明す
る。
【0077】まず、ステップS1において、エンジンの
行程に同期した割り込みが実行され、ステップS2以下
の処理が実行される。ステップS2においては、計測さ
れた3つの筒内圧力P120B(i) ,P60B(i),P60A(i)を
ロードする。即ち、筒内圧力P120B(i) は上死点前12
0°のクランク割込み毎に読み込まれ、筒内圧力P60B
(i)は上死点前60°のクランク割込み毎に読み込ま
れ、筒内圧力P60A(i)は上死点後60°のクランク割込
み毎に読み込まれる。
【0078】なお、本ステップにおける筒内圧力の読み
込みは、前述のフィードバック制御におけるP120
B,P60B,P60Aについて行なうように構成する
こともできる。ついで、ステップS4において、燃焼指
標データ演算手段101による燃焼指標Ci の算出が次
式により行なわれる。 Ci =(P60A(i)−P60B(i))/(P60B(i)−P120B(i) )・・・(1) さらに、ステップS5において、燃焼指標Ci が燃焼悪
化判定用閾値Cthよりも小さいかどうかが判断され、小
さくない場合には、燃焼状態が悪化した状態にないた
め、「NO」ルートを通じステップS6のリターン動作
が行なわれて、次の演算サイクルに待機する状態とな
る。
【0079】一方、燃焼指標Ci が燃焼悪化判定用閾値
Cthよりも小さくなっている場合には、燃焼状態が悪化
した状態にあるため、「YES」ルートを通じステップ
S7の動作が実行される。ステップS7では、積算手段
102の積算により燃焼悪化指標Vc の演算が行なわれ
るが、この演算は、制御データ,のいずれかの、当
該装置で採用されているものについて行なわれる。
【0080】まず制御データが採用されている場合に
は、前回のステップS7の実行により算出された燃焼悪
化指標Vc に、度数を1加える次式の演算が行なわれ
る。 Vc = Vc + 1 これにより、燃焼指標Ci が所定の燃焼悪化判定用閾値
Cthから燃焼悪化側に超えた度数が積算されることにな
る。
【0081】また、制御データが採用されている場合
には、前回のステップS7の実行により算出された燃焼
悪化指標Vc に対し、燃焼指標C(i) が平均燃焼指標C
avから燃焼悪化側に超える超過量(Cav−Ci )を加算
される。 Vc = Vc + (Cav−Ci ) これにより、燃焼の悪化量が重みをつけて積算され、閾
値付近の数値の影響を小さくする状態での燃焼悪化指標
Vc が算出される。
【0082】なお、この燃焼悪化指標Vc は、前述の確
率的観点からの考察に従った補正すべき燃焼変動量を反
映するものであって、燃焼悪化の確率を考慮した状態で
算出されることとなる。したがって、この燃焼悪化指標
Vc に基づき燃料噴射量の補正を行なうことにより、燃
焼悪化の確率に対応した燃料噴射制御が安定して行なわ
れる。
【0083】そして、ステップS8において演算サイク
ルが256サイクルを超えたかどうかが判断され、超え
ていない場合は、「NO」ルートを通じステップS9の
リターン動作が行なわれて、次の演算サイクルを待機す
る状態となる。また、演算サイクルが256サイクルを
超えた場合は、所定のサンプリング期間を経過した状態
にあるため、「YES」ルートを通じステップS10以
下の補正動作が実行される。
【0084】まず、ステップS10において、補正係数
Kc(j)が次のように設定される。 (1)Vc >Vc0+ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1)+Kr ・( Vc −Vc0−ΔVc) (2)Vc0+ΔVc >Vc >Vc0−ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1) (3)Vc <Vc0−ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1)−Kl・( Vc −Vc0+ΔVc) そして、設定された補正係数Kc(j)による噴射燃料の補
正が行なわれる(ステップS11)。
【0085】燃料噴射制御は、ECU20からの燃料噴
射量制御信号によるインジェクタ6の燃料噴射時間T
inj を制御することにより行なわれるが、この燃料噴射
時間T inj は次式により算出される。 Tinj =Tb ×K×(Kfb+Kc +1)×Kafl ±Tac
c +Td この式におけるKc が上述の補正係数Kc(j)であり、-
0.1から0.1 の間で設定されるKc(j)により、燃料噴射
時間Tinj が所望の状態に調整され、的確な燃料噴射制
御が行なわれる。
【0086】すなわち、燃焼悪化の確率に対応して算出
される燃焼悪化指標Vc に基づき、燃料噴射量の補正が
行なわれ、燃焼悪化の確率に対応した燃料噴射制御が安
定して行なわれる。なお、燃焼悪化指標Vc は、ステッ
プS12においてリセットされ、次の演算サイクルを待
機する状態となる。
【0087】このように本実施例では、燃料噴射制御に
用いられる燃焼悪化指標Vc が、内燃機関の燃焼変動に
対し良い線型の相関を持っており、学習制御を行なうに
当たって正確な補正が行なわれ、的確な燃料噴射量の補
正が的確に行なわれる。これにより、従来、単一の燃焼
悪化検出により行なわれていた補正を行なわず、確率的
に確実な燃焼悪化に対応するようになるため、空燃比の
リミットサイクルの発生を防止できるようになり、リー
ンバーンエンジンにおいて、ドライバビリティ、燃費、
排ガスの限界性能を大幅に向上させることができるよう
になる。
【0088】また、燃焼変動を統計的に処理する場合に
は、一般に著しく多数の計測データを必要とし、エンジ
ンECUの処理能力では的確な制御を行なえないが、本
実施例によれば、従来のエンジンECU能力によっても
十分な実時間処理による制御を行なうことができる。ま
た、簡便にリーン燃焼限界制御を実現することができ、
これにより燃費の向上およびNOx低減におおいに寄与
するものである。
【0089】そして、前述のフィードバック制御のため
の制御係数Kfb、学習制御のための制御係数Kc 、およ
び燃料噴射時間Tinj の算出実行について、相互の関係
を図9,10のフローチャートに沿い説明する。まず、
ステップSS1において燃焼指標Ci が算出され、つい
でステップSS2において、前述のリーンフィードバッ
ク制御判定条件〜に対する判断がフィードバック判
定スイッチ手段27により行なわれる。
【0090】この判断において、フィードバック制御条
件が成立していない場合は「NO」ルートをとり、ステ
ップSS3〜ステップSS5が実行されて、ステップS
S23に至る。ステップSS3からステップSS5は、
タイマ、学習フラグ、フィードバック制御補正係数Kfb
をリセットするもので、フィードバック制御補正係数K
fbを更新しない状態で、ステップSS23において、従
前通りの補正係数Kfbによる燃料噴射量設定が行なわれ
る。
【0091】一方、リーンフィードバック制御条件が成
立している場合は「YES」ルートをとり、ステップS
S6において学習制御条件が成立しているかどうかが判
断される。判断は、前述の判定条件,により行なわ
れ、成立していない場合は、「NO」ルートを通じてス
テップSS24において学習開始フラグがリセットされ
るとともに、ステップSS19以下のフィードバック制
御ステップが実行される。
【0092】学習制御条件が成立している場合には、ス
テップSS7において学習開始フラグがセットされてい
るかどうかが判断され、初めてステップSS7に至った
場合は学習開始フラグがセットされていないため、ステ
ップSS8〜ステップSS10が実行される。ステップ
SS8〜ステップSS10において、学習開始フラグが
セットされるとともに、燃焼悪化指標Vc が「0」にリ
セットされ、さらにサンプリングの回数をカウントする
変数Nが「0」にリセットされる。
【0093】このリセット動作が行なわれた後、次のサ
イクルには、ステップSS7から「YES」ルートをと
り、ステップSS11以下の学習制御が行なわれる。ス
テップSS11では、燃焼指標Ci が燃焼悪化判定用閾
値Cthから燃焼悪化側に超えているかどうかが判断さ
れ、超えている場合には、燃焼が悪化しているため、ス
テップSS12で燃焼悪化指標Vc の演算が行なわれ
る。
【0094】ここで、燃焼悪化指標Vc の演算は、本実
施例の装置が前述の制御データを採用している場合、
超過度数の積算が積算手段102により行なわれる。 Vc(j) =Vc(j) +1 また、燃焼悪化指標Vc の演算は、本実施例の装置が前
述の制御データを採用している場合、平均燃焼指数C
avと燃焼指標Ci との差、いわゆる燃焼指標Ci が平均
燃焼指数Cavを超過している量を、従前の燃焼悪化指標
Vc に加算する演算が積算手段102により行なわれ
る。これは、燃焼指標Ci の燃焼悪化指標Vc に対する
超過量を積分する演算に相当する。
【0095】Vc(j) =Vc(j) +( Cav−Ci(j)) なお、この場合は、ステップSS25において予めCav
が算出され、この演算の後、ステップSS12が実行さ
れる。ところで、ステップSS11において「NO」ル
ートをとった場合は、燃焼状態が良好であるため、燃焼
悪化指標Vc に関する演算を行なわないで、ステップS
S13に至る。
【0096】ステップSS13では、カウンタNが「2
56」に達したかどうかが判断される。これは、学習制
御にかかる燃焼指標Ci の算出サイクルが、所定の回数
に達したかどうかを判断されるもので、所定の回数に達
するとステップSS15以下が実行される。所定の回数
に達しない場合は、ステップSS14においてカウンタ
Nを更新し、フィードバック制御を行なうステップSS
19に至る。
【0097】ところで、ステップSS15においては、
判定手段104により、燃焼悪化指標Vc から学習制御
用補正係数Kc が下記のように決定される。 〔1〕Vc >Vc0+ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1)+Kr ・( Vc −Vc0−ΔVc) 〔2〕Vc0+ΔVc >Vc >Vc0−ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1) 〔3〕Vc <Vc0−ΔVc のとき、 Kc(j)= Kc(j-1)−Kl・( Vc −Vc0+ΔVc) そして、ステップSS16において、リミッタ手段20
2により上下限クリップ動作が行なわれ、学習制御補正
係数Kc が0.15>Kc >-0.15 の範囲を超える場合は、
上限もしくは下限の値に丸められる。
【0098】ついで、ステップSS17において燃焼悪
化指標Vc が「0」にリセットされ、ステップSS18
において、N=1とされて、学習制御に関するステップ
が終了する。このあとステップSS19からのフィード
バック制御に関するステップが実行され、まず、燃焼指
標Ci の基準燃焼指標Ci0に対する偏差ΔCi(j)が算出
される。ついで、偏差ΔCi(j)の重み付け処理が行なわ
れ、ΔAF(j) が算出される(ステップSS19,SS
20)。
【0099】そして、ステップSS21において、フィ
ードバック制御補正係数Kfbが次式により算出される。 Kfb(j) =Kfb(j) +ΔAF(j) 算出されたフィードバック制御補正係数Kfb(j) は、リ
ミッタ手段26により上下限クリップ動作が行なわれ、
所定の範囲を超える場合は、上限もしくは下限の値に丸
められる(ステップSS22)。
【0100】これにより、フィードバック制御制御用補
正係数Kfb(j) の設定が完了し、ステップSS23にお
ける燃料噴射時間Tinj の算出が行なわれる。この際に
おいて、学習制御用補正係数Kc としては、ステップS
S16における値が採用され、算出された燃料噴射時間
Tinj は、学習制御用の補正とフィードバック制御用の
補正との双方を行なった状態で値であり、この値による
燃料噴射が行なわれる。
【0101】このように、学習制御用の補正とフィード
バック制御用の補正とが所要の重みを持った状態で行な
われることにより、良好な燃料噴射制御が安定して行な
われる。また、燃焼限界制御によるドライバビリティ、
燃費、排ガスの限界運転が実現される。
【0102】さらに、統計的な燃焼変動を学習するた
め、リーン運転開始の当初から、限界空燃比での運転が
可能となる。
【0103】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の内燃機関
の制御装置によれば、次のような効果ないし利点が得ら
れる。 (1)統計処理した制御データによる燃焼変動要素制御
により、統計的な燃焼変動を学習することができるよう
になり、リーン運転開始の当初から限界空燃比で運転可
能となる。 (2)燃焼限界制御による、ドライバビリティ、燃費、
排ガスの限界運転が実現可能となる。 (3)統計処理による学習制御と、燃焼変動に即応した
フィードバック制御とを、所要の重みで行なえるように
なり、確実な燃料噴射制御と、反応の早い制御との双方
を行ないうるようになる。 (4)燃焼悪化に対応して算出される燃焼悪化指標に基
づき、燃料噴射量の補正が行ないうるようになり、燃焼
悪化に対応した燃料噴射制御が安定して行なわれる。 (5)燃料噴射制御に用いられる燃焼悪化指標を、内燃
機関の燃焼変動に対し良い線型の相関を持つものにする
ことにより、学習制御を行なうに当たって正確な補正を
行なえるようになり、的確な燃料噴射量の補正を安定し
て行ないうるようになる。 (6)単一の燃焼悪化検出による補正を行なわず、確率
的な燃焼悪化への対応を行なうことにより、学習制御を
確実に行なえるようになって、空燃比A/Fのリミット
サイクルの発生を防止できるようになり、リーンバーン
エンジンにおいて、ドライバビリティ、燃費、排ガスの
限界性能を大幅に向上させることができるようになる。 (7)燃焼変動を統計的に処理する場合には、一般に著
しく多数の計測データを必要とし、エンジン制御用コン
ピュータの処理能力では的確な制御を行なえないが、燃
焼悪化指標を導入することにより、従来のエンジン制御
用コンピュータ能力によっても十分な実時間処理による
制御を行なうことができる。 (8)簡便にリーン燃焼限界制御を実現することがで
き、これにより燃費の向上およびNOx低減におおいに
寄与するものである。 (9)筒内圧力のゼロ点較正用の演算が不要になり、し
かも筒内圧力のゲイン管理も不要にすることができ、こ
れにより簡便にエンジンの燃焼状態を評価できるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す制御ブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例を示す制御ブロック図であ
る。
【図3】本装置を装備するエンジンシステムの概略構成
図である。
【図4】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図5】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図6】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図7】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図8】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図9】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロー
チャートである。
【図10】本発明の一実施例の制御要領を説明するフロ
ーチャートである。
【図11】燃焼指標の算出に用いる圧力計測点を説明す
る図である。
【図12】リーン限界近傍での燃焼変動とクランク角度
との関係を説明する図である。
【図13】リーン限界近傍での燃焼指標とエンジン出力
との相関を説明する図である。
【図14】燃焼指標,エンジン出力およびエンジン回転
数の関係を説明する図である。
【図15】エンジンの燃焼変動特性を説明する図であ
る。
【図16】エンジンの燃焼変動特性を説明する図であ
る。
【図17】エンジンの燃焼変動特性を説明する図であ
る。
【図18】エンジンの燃焼変動特性を説明する図であ
る。
【図19】空燃比と燃焼変動,NOx量との関係を説明
する図である。
【符号の説明】
1 燃焼室 2 吸気通路 2a サージタンク 3 排気通路 4 吸気弁 5 排気弁 6 インジェクタ 7 EGR通路 8 EGR弁 9 エアフローセンサ 10 吸気温センサ 11 大気圧センサ 12 スロットルセンサ 13 O2 センサ 14 水温センサ 15 クランク角センサ 16 TDCセンサ 17 筒内圧センサ 18 点火プラグ 20 ECU 21 筒内圧検出手段 22 燃焼指標演算手段 23 比較手段 24 変換手段 25 累積手段 26 リミッタ手段 27 フィードバック判定スイッチ手段 27A フィードバック判定ロジック部 27B スイッチ部 101 燃焼指標データ演算手段 102 積算手段 104 判定手段 201 学習制御判定スイッチ手段 201A 学習制御判定ロジック部 201B スイッチ部 202 リミッタ手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−153243(JP,A) 特開 平3−37021(JP,A) 特開 平3−50100(JP,A) 特開 昭61−96150(JP,A) 特開 平5−231210(JP,A) 特開 昭63−174548(JP,A) 特開 平2−49955(JP,A) 特開 平3−202660(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 45/00 368 F02D 45/00 301 F02D 45/00 358 F02D 45/00 362 F02D 41/14 330

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力状態を表すパラメータを
    検出するパラメータ検出手段と、 内燃機関の各燃焼ごとに上記パラメータ値に基づき燃焼
    変動に相関した燃焼指標データを演算する燃焼指標デー
    タ演算手段と、 該燃焼指標データと燃焼悪化判定用閾値とを比較し各燃
    焼ごとに内燃機関の燃焼変動調整要素を制御するための
    第1の制御情報を算出する第1の制御情報算出手段と、 設定されたサンプリング期間における上記燃焼指標デー
    タを統計処理して上記燃焼変動調整要素を制御するため
    の第2の制御情報を算出する第2の制御情報算出手段
    と、 上記の第1の制御情報および第2の制御情報を用いて上
    記燃焼変動要素を制御する制御手段とが設けられたこと
    を特徴とする、内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の制御情報による上記燃焼変動
    要素の制御幅より上記第2の制御情報による上記燃焼変
    動要素の制御幅が広くなるように上記の第1の制御情報
    および第2の制御情報のそれぞれに制限値が設けられて
    いることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の運転状態があらかじめ設定さ
    れた第1の運転状態になったことを検出して上記第1の
    制御情報算出手段が上記第1の制御情報を算出するとと
    もに、上記第1の運転状態において更に他の状況が成立
    したときに上記第2の制御情報算出手段による上記第2
    の制御情報算出が行なわれるように構成されたことを特
    徴とする、請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】 上記燃焼指標データが燃焼悪化判定用閾
    値を燃焼悪化側に超えた場合に制御データを積算しこの
    積算データを燃焼悪化指標として求める積算手段が上記
    第2の制御情報算出手段に設けられたことを特徴とす
    る、請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  5. 【請求項5】 上記パラメータ検出手段が燃焼室内圧力
    情報を検出する手段として構成され、 且つ、内燃機関の圧縮行程での異なった2点における燃
    焼室内圧力情報を第1燃焼室内圧力情報および第2燃焼
    室内圧力情報とし、内燃機関膨張行程における燃焼室内
    圧力情報を第3燃焼室内圧力情報とした場合に、 上記燃焼指標データ演算手段が、 上記の第3燃焼室内圧力情報と第1,第2燃焼室内圧力
    情報の一方の燃焼室内圧力情報との差および上記の第
    1,第2燃焼室内圧力情報の差との比を演算することに
    より該燃焼指標データを算出する手段として構成された
    ことを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 上記パラメータ検出手段が、内燃機関の
    燃焼により駆動される回転軸の回転状態を示すデータを
    検出する手段として構成されたことを特徴とする、請求
    項1記載の内燃機関の制御装置。
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