JP2862607B2 - 穴開け加工性に優れた鋼材の製造方法 - Google Patents

穴開け加工性に優れた鋼材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ナット、カラー及び潤滑剤の供給孔を有
するシャフトやピン又は、旋盤、ドリルによる内部加工
を要する各種機械部品等の穴開け加工を必要とする製品
に有利に適合する鋼剤の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 一般に上記した製品の加工は、圧延材を所望の寸法、
形状に仕上げて穴開け加工を施した後、その製品の用途
に応じ、焼入れ法、浸炭法及び窒化法などにて表面の硬
化処理を行っている。
上記の加工に供する鋼材は、圧延材を所望の寸法、形
状に仕上げる際の切断、切削及び研削等の加工性に優
れ、さらに続く穴開け工程での加工性にも優れることが
要求される。
したがって鋼材としては内部欠陥のないことが肝要で
あり、とくに鋼材の中心部にみられる中心偏析は、圧延
材の中心部を通る穴や棒状材の軸方向に延びる穴の加工
において、穴の真直性を阻害することがあり、生産性及
び歩留りの低下をまねく。
このような弊害をもたらす中心偏析は、連続鋳造で得
られる鋳片の場合、特に凝固先端部の凝固収縮のほか、
凝固シェルのバルジングなどによって生じる空隙の真空
吸収力も加わって、凝固先端部にC,P,Sなどの濃化溶鋼
成分が吸込まれる結果、鋳片の断面中心部に正偏析とな
って残るものであり、かかる中心偏析に起因して線材圧
延後の中心偏析部に粒界セメンタイトの析出やミクロ組
織の不均一などが生じる結果、穴加工の真直性に代表さ
れる穴開け加工性が劣化するものである。
かかる中心偏析の防止策として、例えば2次冷却帯域
における電磁撹拌などが試みられたが、セミミクロ偏析
までを軽減するには至ってなく、その効果は十分とはい
えない。
また、鋳片の凝固末期に一対のロールを用いて大圧下
を施すいわゆるインラインリダクション法{鉄と鋼 第
60年(1974)第7号875〜884頁}の適用も試みられた
が、この方法では、未凝固層の大きい鋳片領域における
圧下が不十分な場合には凝固界面に割れが発生し、逆に
圧下が十分である場合には鋳片の厚み中心部に強い負偏
析が生じる等の問題があった。
その他、特開昭49−121738号公報には、鋳片の凝固先
端部付近でロール対による軽圧下を施して、該部分の凝
固収縮量を圧下により補償する方法が、また特開昭52−
54623号公報には、鋳造金型を用いて鋳片の凝固完了点
近傍を大圧下する方法がそれぞれ提案されている。
しかしながらロールによる軽圧下の場合には、複数対
のロールにより数mm/mの圧下を施したとしても、ロール
ピッチ間に生じる凝固収縮やバルジングを十分に防止す
ることができず、また圧下位置が適切でなければかえっ
て中心偏析が悪化する不利があった。他方、鋳造金型を
用いて鋳片の凝固完了点近傍を大圧下する方法は、イン
ラインリダクション法のようなロールによる大圧下に比
べて凝固界面が割れにくく、また負偏析も極力回避する
ことが可能で、セミマクロ偏析まで改善できることが明
らかになっているものの、依然として未凝固層の大きい
鋳片領域における圧下が不十分だと凝固界面に割れが発
生し、逆に圧下が十分すぎると鋳片の中心部に強い負偏
析が生じる不利があり、さらには未凝固層の小さい領域
を圧下してもその効果が得られないことから、最適な圧
下条件を模索しているのが現状である。
従って鋳片に生成する中心偏析を飛躍的に改善するま
でには至ってなく、鋼種や用途によっては鋳片段階にお
いて拡散焼鈍などを施して対処しているのが実状であ
り、大幅なコストアップは免れず、とくに圧延材の中心
部に穴開け加工を施す際の真直性を低下させることが問
題となっている。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、連
続鋳造法を利用する場合であっても、とりわけ中心部の
正偏析の生成を極力低減し、もって穴開け加工時におけ
る真直性の向上を可能ならしめた穴開け加工性に優れた
鋼材の有利な製造方法を提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) すなわちこの発明は、 C:0.2〜1.0wt% Si:0.1〜1.5wt%および Mn:0.3〜2.0wt% を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる溶
鋼を連続鋳造し、その際、鋳片内部溶鋼が凝固を完了す
るクレータエンド近傍にて、取鍋中溶鋼のC含有量
(C0)に対する鋳片軸心部におけるC含有量(C)の比
C/Coが0.70〜0.80未満となる鍛圧加工を施し、ついで熱
間圧延にて、太棒または棒鋼とすることを特徴とする穴
開け加工性に優れた鋼材の製造方法である。
(作用) まず、この発明において溶鋼の成分組成を上記の範囲
に限定した理由について説明する。
C:0.2〜1.0% 主に機械部品に用いることから加工後の強度を保証す
る必要があり、C量は0.2%を下限とした。一方C量を
高めるほど高強度の鋼線を得ることができるが、反面で
高C化は材料を脆化させ加工中の断線発生頻度を高め
る。特に1.0%を超えると線材圧延後の制御冷却中に、
旧オーステナイト粒界に網目状のセメンタイトが析出
し、その後の伸線加工性などを大きく阻害するので、上
限は1.0%に定めた。
Si:0.1〜1.5% Siは、脱酸剤といてだけでなく、マトリックスの強化
を図る上で有用な元素であり、少なくとも0.1%を必要
とする。一方Siは、Cの活量を上げる作用があり、特に
1.5%を超えて含有すると脱炭層の生成が顕著となって
表面硬さが不十分になり、脱炭層を除去する工程が必要
になる上、歩留りの低下をもまねく。かかる理由からSi
の含有量は0.1〜1.5%の範囲とした。
Mn:0.3〜2.0% Mnは、Siと同様、脱酸剤として作用するだけでなく、
鋼の脆化をもたらすSを固定し、またさらには焼入性を
向上させて強度及び延性を高める上でも有用な元素であ
るが、含有量が0.3%に満たないとその添加効果に乏し
く、一方2.0%を超えると高価となるばかりか熱間圧延
後の制御冷却あるいは加工途中の熱処理工程においてミ
クロマルテンサイト組織の生成を促し、穴開け加工性を
害するので、0.3〜2.0%の範囲で添加するものとした。
さてこの発明では、上述したような好適成分組成にな
る溶鋼の連続鋳造に際し、鋳片の内部溶鋼が凝固を完了
するクレータエンド近傍にて鍛圧加工を施すことによっ
て、取鍋中溶鋼のC含有量(Co)に対する鋳片軸心部に
おけるC含有量(C)の比C/Coを0.70〜0.80未満に制御
する。
ここに鍛圧加工によってC/Co比の制御が可能な理由
は、次のとおりである。
すなわち内部溶鋼の凝固末期には、Cの濃化が進んだ
溶鋼がクレータエンド近傍に存在するため、そのまま凝
固すれば中心偏析となるわけであるが、凝固前に鍛圧加
工を施すと、かようなC濃化溶鋼は上方に押し出される
結果、中心部におけるC濃度はさほど上昇することはな
い。従って鍛圧加工の実施時期をCの濃化程度に応じて
調節すれば、鋳片軸心部におけるC含有量を調整できる
わけである。
次にこの発明に従い連続鋳造鋳片に連続的に鍛圧加工
を行ったもの、ならびに鍛圧加工を行わない従来法に従
い得たもの、を棒鋼に圧延した後、その軸心部をドリル
によって穴開け加工した際のドリル寿命を調べたとこ
ろ、鍛圧加工を行ったものは、鍛圧加工を行わないもの
に比べて1.2〜1.5倍にまでドリル寿命を延ばすことがで
きた。
さらに同様に鍛圧加工を行ったもの、ならびに鍛圧加
工を行わない従来法に従い得たものから、鋳片軸心部の
C/Co比が種々に異なる鋼材を採取し、棒鋼に圧延した
後、その軸心部をドリルによって穴開け加工した際のド
リルの真直性について調べたところ、C/Co比が0.70未満
の負偏析率の大きい場合、および逆にC/Co比が0.80以上
の場合にはいずれも、ドリルの真直性が低下する。この
理由は、負偏析率が大きくなるとドリルの振れを誘発す
ること、また偏析率が大きい場合は成分濃化差を生じた
部分の境界で負偏析側にドリルが逃げること等が原因と
考えられる。
従ってこの発明では、鍛圧加工によって制御すべき鋳
片軸心部におけるC/Co比を0.70〜0.80未満の範囲に限定
したのである。
なお、好ましい鍛圧加工法としては、発明者らが先に
特開昭60−82257号公報において開示した連続鍛圧法が
ある。
また上記したこの発明法に従う鍛圧加工法により、C/
Co比を0.70〜0.80未満に制御した鋳片を、熱間圧延によ
り棒鋼にし、これらの棒鋼のうち、横断面における中心
部78.5mm2中の最高硬さとマトリックスの平均硬さとの
比が種々のものについて穴開け加工を行ったところ、ド
リル寿命及び真直度は、硬さ比が1.1を超えると急激に
低下することが判明した。
(実施例) 第1表に示す化学組成になる溶鋼(記号A〜H)を27
0×340mmのモールドで連続鋳造し、引き抜き中の鋳片に
対し、鋳片内部の溶鋼が凝固を完了するクレータエンド
近傍にて、鋳片軸心部のC/Co比:0.80を目標として連続
的に鍛圧加工を施し、C/Co比を0.70〜1.05の範囲に制御
してブルームを製造した。その後、分塊及び鋼片ミルに
よって150×150mmのビレットに熱間圧延した。さらに棒
鋼ミルにて40mmφの棒鋼に熱間圧延した。
一方比較材は、従来工程どうり、連続鋳造後、鍛圧加
工を行わずに同様に棒鋼圧延までを行った。
なお出鋼時の溶鋼加熱度は、すべて25〜30℃の範囲で
鋳込んだ。また分塊圧延から棒鋼圧延までの熱間圧延温
度は、この発明に従って得られた鋼材及び比較材共に同
一温度履歴となるよう配慮した。
これらの圧延棒鋼の諸特性について調べた結果を第2
表に示す。
ここに引張試験片は、ビレットの両端部及び中間部の
位置における圧延材から連続サンプリングした合計30本
の平均値で示す。その他の特性については、引張試験片
の直近から採取したものについて調査した結果を示して
いる。なおセンタースポットはその程度を問わず有無で
表した。
同表より明らかなように、この発明に従って得られた
鋼材は中心偏析を示すセンタースポットは全く認められ
ず、またミクロマルテンサイトや粒界セメンタイトの析
出もない。
これに対し比較材にはいずれも、センタースポットが
認められた。
このような差異は絞りに表れ、いずれの鋼材において
も適合例の方が明らかに高い値を示す。
次に得られた棒鋼において、その中心軸へ向かうドリ
ル穴開け加工を施した際のドリル寿命について調べた結
果を、第1図に示す。
同図に示すように、鋼種Aの鍛圧加工を施さないもの
でのドリル寿命を100としたとき、いずれの鋼種におい
てもは鍛圧加工を施したものが長寿命を示し有利であっ
た。
また第2図に、上記のドリル穴開け加工を施した際の
ドリルの真直性について調べた結果を、C/Coとの関係と
して示すように、真直性はC/Coが0.7〜0.80未満の範囲
において最も高くなり、一方0.80以上で低下した。
(発明の効果) この発明に従い、連続鋳造時に鍛圧加工を連続的に付
与し鋳片軸心部のC/Coを制御することによって、特に熱
間圧延後の鋼材の穴開け加工における真直性が向上され
た、穴開け加工性の優れた鋼材を提供でき、同時に穴開
け加工に使用するドリル寿命を延ばすことも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、各鋼種別の圧延棒鋼とドリル寿命との関係を
示したグラフ、 第2図は、圧延棒鋼のC/Co比とドリル真直性との関係を
示したグラフ、 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−84237(JP,A) 特開 昭62−238327(JP,A) 特開 昭60−82257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/128 350 C21D 8/00 - 8/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.2〜1.0wt% Si:0.1〜1.5wt%および Mn:0.3〜2.0wt% を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる溶
    鋼を連続鋳造し、その際、鋳片内部溶鋼が凝固を完了す
    るクレータエンド近傍にて、取鍋中溶鋼のC含有量(C
    o)に対する鋳片軸心部におけるC含有量(C)の比C/C
    oが0.70〜0.80未満となる鍛圧加工を施し、ついで熱間
    圧延にて、太棒または棒鋼とすることを特徴とする穴開
    け加工性に優れた鋼材の製造方法。
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