JP2862167B2 - 光学活性アミノ酸誘導体の回収方法 - Google Patents

光学活性アミノ酸誘導体の回収方法

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JP2862167B2
JP2862167B2 JP7070787A JP7078795A JP2862167B2 JP 2862167 B2 JP2862167 B2 JP 2862167B2 JP 7070787 A JP7070787 A JP 7070787A JP 7078795 A JP7078795 A JP 7078795A JP 2862167 B2 JP2862167 B2 JP 2862167B2
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    • C07C269/00Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C269/08Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C227/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C227/40Separation; Purification

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペプチド合成反応に用
いた後のアシル成分回収液からの光学活性アミノ酸誘導
体の回収方法に関する。さらに詳しくは、ペプチド合成
反応回収液から、ラセミ化を回避しつつ、未反応の光学
活性アミノ酸誘導体を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ペプチドの合成反応においては高
価なアミノ酸誘導体が大量に使用される。ペプチド鎖の
各伸長反応では、特に固相法では、欠損ペプチドの生成
を防ぎカップリング反応をより完全に行うために、必要
量のアミノ酸誘導体の2〜10倍の過剰量が用いられ
る。従って、工業的ペプチド合成の場合は、コスト低減
のため、高価な原料であるアミノ酸誘導体の回収が重要
な課題となる。しかし、光学活性アミノ酸誘導体は、温
和なアルカリ処理によっても容易にラセミ化し、生理活
性ペプチドの合成原料としての使用に支障を来す。その
ため、これまでのところペプチド合成反応廃液に残存す
る大量の未反応アミノ酸誘導体を回収して再利用する有
効な方法は知られていない。
【0003】本発明者らは、かかるアミノ酸誘導体の回
収を試みたところ、光学活性アミノ酸誘導体のラセミ化
が起こることが分かった。ラセミ化は、例えば9−フル
オレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)−ヒスチ
ジンではD−アミノ酸の含量が38.8%と特に顕著で
あり、またFmoc−チロシン、Fmoc−アスパラギ
ン酸、Fmoc−アルギニン、Fmoc−フェニルアラ
ニン等においてもそれぞれ2.1%、1.8%、1.5
%、1.1%とD−アミノ酸の混在が明瞭に認められ、
従って生物活性ペプチドの合成には再使用できないこと
が明らかとなった(Nokihara ら、American Laborator
ies:41-45,August(1994)) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ペプチド合成反応回収液から未反応光学活性アミノ
酸誘導体をラセミ化を防止しながら効率的に回収する方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラセミ化
を防止する方法を種々検討したところ、カップリングの
ために活性化されたアミノ酸誘導体のカルボキシル基を
加水分解してフリーのカルボキシル基にする過程で、強
アルカリではもちろん、弱アルカリで処理してもラセミ
化は避けられないが、これを酸性下で第三級アミンの存
在下に行えばアミノ酸誘導体活性エステルの加水分解が
起こり、しかもラセミ化が大幅に抑えられることを発見
した。さらに、回収プロセスにおいて反応終了液の回収
後直ちに大過剰の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBt)等を回収液に添加するとラセミ化が殆ど起
こらないことを発見した。本発明はかかる発見に基づき
さらに研究を重ねて完成するに至ったものである。
【0006】即ち、本発明の要旨は、ペプチド合成反応
に用いた後のアシル成分回収液に含まれる未反応の光学
活性アミノ酸誘導体に5〜20倍当量の1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7
−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、3−ヒドロキ
シ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベン
ゾトリアジン(HOObt)またはN−ヒドロキシ−5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HON
B)を該ペプチド合成反応回収液に添加した後、濃縮
し、残留物を第三級アミンを含むpH2〜4の緩衝液で
処理し、次いで酸性下に抽出して精製することを特徴と
する、ペプチド合成反応に用いた後のアシル成分回収液
から光学活性アミノ酸誘導体を回収する方法に関する。
【0007】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明の光学活性アミノ酸誘導体の回収方法は、従来知ら
れているアミノ酸誘導体回収方法においてラセミ化の起
こるプロセスを改良し、回収アミノ酸誘導体の再使用が
可能な回収法として完成させたものである。そして原則
として光学活性アミノ酸誘導体の保護基の種類を問わず
適用が可能である。
【0008】本発明に使用される光学活性アミノ酸誘導
体を含む溶液は、工業的なペプチド合成反応におけるカ
ップリング反応の各ステップから得られるペプチド合成
反応回収液(以下、反応廃液と略す。)である。この反
応廃液中には、通常ペプチド合成カップリング反応に消
費された光学活性アミノ酸誘導体の1倍ないし10倍量
程の光学活性アミノ酸誘導体が未反応のアシル成分とし
て含まれている。この反応廃液は、本発明者らの研究に
よれば、そのまま保存しておくと、室温ではもちろん−
20℃においても経時的にラセミ化が進行する。従っ
て、本発明の光学活性アミノ酸誘導体の回収方法は、反
応廃液を回収した後遅滞なく行うのが好ましい。
【0009】反応廃液は通常メチレンクロライドまたは
ジメチルホルムアミド(DMF)の溶液である。その他
の反応溶媒が使用された場合であっても、本発明のため
の回収原料として用いるのになんら支障はない。
【0010】反応廃液の処理に入る前に、まずHOB
t、HOAt、HOObt、またはHONBを反応廃液
に添加する。これが本発明方法の第1の特徴である。H
OBt等の添加量は、反応廃液中に含まれる光学活性ア
ミノ酸誘導体の5〜20倍当量である。5倍当量未満で
は、ラセミ化防止の効果が充分でない傾向があり、20
倍当量を超えてもそれに見合う効果が得られない。ここ
に使用されるHOBt、HOAt、HOObt、および
HONBはいずれも市販品(例えば、カルビオケム−ノ
バビオケム AG社製、パーセプティブ−ビオサーチ社
製等)を使用することができる。
【0011】次に、HOBt等を添加した反応廃液の溶
媒を留去する。ラセミ化を防止するため、溶媒の留去は
減圧下に室温以下、好ましくは4℃以下で行う。得られ
た残留物を酢酸エチル等の水と2層を形成する有機溶媒
で抽出する。
【0012】得られた抽出液を酸性緩衝液中の第三級ア
ミンで処理して、活性化されている光学活性アミノ酸誘
導体のカルボキシル基を加水分解し、遊離のカルボキシ
ル基とする。これが本発明の第2の特徴である。通常の
方法では、ラセミ化を極小に抑えるべく重炭酸ナトリウ
ム水のような弱アルカリで処理して加水分解を行うが、
この場合は強アルカリで処理する場合に比べてラセミ化
は著しく低下するものの、再使用に耐える程の光学純度
のアミノ酸誘導体を回収することはできない。しかし、
本発明の方法、即ち、大過剰のHOBt等の添加および
酸性下での第三級アミンによる処理では、活性化された
カルボキシル基が完全に加水分解されて遊離のカルボキ
シル基が得られ、しかもペプチド合成に再使用する場合
の障害となるほどのラセミ化は起こらない。
【0013】本発明に使用される第三級アミンとして
は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン等が挙げられる。これらは市販品をそ
のまま使用することができる。かかる第三級アミンは、
通常、pH2〜4の酸性緩衝液中に0.05M〜0.5
M程度の濃度で溶解し、先に得られた抽出液と混ぜ合わ
せ・攪拌することにより光学活性アミノ酸誘導体のカル
ボキシル基の加水分解を行う。
【0014】酸性緩衝液としては、特に制限はないが、
リン酸緩衝液等の無機酸緩衝液が特に好ましい。緩衝液
のpHは4を超えるとラセミ化が起こりやすく、2未満
では、他の酸に敏感な保護基が切断されるおそれが増え
る。
【0015】処理温度は4〜40℃、好ましくは10℃
〜室温である。0℃未満では加水分解反応が遅く、活性
化されたカルボキシル基が加水分解されずに一部残る恐
れがある。40℃を超えるとラセミ化のみならずその他
の副反応も起こりやすくなる。
【0016】こうして得られるカルボキシル基が遊離に
なった光学活性アミノ酸誘導体を単離するには、通常の
抽出・精製法が利用できる。例えば、上記の酸性緩衝液
を水と二層を形成する有機溶媒とよく振り混ぜ、静置し
て有機溶媒層に光学活性アミノ酸誘導体を移行せしめ、
水または食塩水で有機溶媒層をよく洗い、無水硫酸ソー
ダ、硫酸マグネシウム等でよく乾燥した後、有機溶媒を
減圧下に留去し、石油エーテル等を加えて固化あるいは
生成する結晶を濾過して集め、必要があれば適当な溶媒
から再結晶する。また、必要に応じて、クロマトグラフ
ィーで精製する工程を中間に導入してもよい。酸性緩衝
液から光学活性アミノ酸誘導体を抽出するための有機溶
媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレンクロリ
ド、クロロホルム等の比較的極性が大きくかつ水と二層
を形成する溶媒が好ましい。
【0017】本発明の方法によって得られる結晶状また
は固化した光学活性アミノ酸誘導体の光学純度は高く、
実施例に示すように、最もラセミ化しやすいFmoc−
ヒスチジンでさえもL−体の混入は粗結晶で1%未満、
再結晶により0.1%未満となり、Fmoc−フェニル
アラニン、Fmoc−チロシン等では粗結晶で0.5%
未満、再結晶で0.08%未満となる。さらにその他の
よりラセミ化し難いFmoc−アミノ酸の場合は粗結晶
で0.1%未満すなわちDL分析の精度の限界以下であ
り、これらはペプチド合成の原料として再使用するのに
充分な光学純度といえる。これら結晶状の光学活性アミ
ノ酸誘導体の回収率は、アミノ酸誘導体の種類にもよる
が、50〜90モル%である。本発明の方法により、工
業的ペプチド合成法の経済性が大きく改善される。ま
た、資源保護の観点からも大きな前進となる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0019】実施例1 プロトタイプの連続フローセミラージスケールペプチド
自動合成機を用い、Nokiharaらの方法(Americ
an Laboratories : 41-45 August(1984)) に従って行わ
れたペプチド合成カップリング反応の回収液を用いて、
本発明の方法による光学活性アミノ酸誘導体の回収を実
施した。即ち、光学活性アミノ酸誘導体としては最もラ
セミ化のし易いヒスチジン誘導体を選び、Nα−位の保
護基としてFmoc基を、カルボキシル基の活性化にベ
ンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ピロリ
ジノ)ホスホニウム ヘキサフルオロフォスフェート
(PyBOP)を用いて行なったL−NαFmoc−ト
リチル(Trt)ヒスチジンのカップリング反応の回収
液を使用して未反応のL−NαFmoc−トリチル(T
rt)ヒスチジンの回収を行なった。なお、PyBOP
やBOP等のホスホニウム化合物を用いる高効率合成の
回収液は、副生成物であるピリジノ誘導体やヘキサメチ
ルホスホトリアミド等が混在するため、回収は比較的難
しい。
【0020】L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒ
スチジンの回収 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンのカ
ップリングに使用した反応廃液1700mlを回収し
た。この反応廃液は、ジメチルホルムアミド(DMF)
中に、未反応のL−NαFmoc−トリチル(Trt)
ヒスチジンを約32g(52.8mM)(活性エステル
状で含まれるがヒスチジン換算したもの)、PyBOP
を27.5g(52.8mM)、N−メチルモルフォリ
ン(NMM)を79.2.mM含む。回収後、直ちにH
OBt80.9g(528mM)をその反応廃液中に加
え、−20℃で保存した。2日以内に以下の処理を行な
った。
【0021】反応廃液をオイルポンプによる減圧下に2
5℃の水浴中にてロータリエバポレータでDMFを留去
した。得られた残留物に0.05Mトリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH2.25)1000mlを加え、生
じた沈殿を濾取し、水で5回洗浄した後乾燥させた。つ
いでメタノールに溶解し、水を添加して沈殿させた。沈
殿を集め、乾燥したのち、トルエンから再結晶して、L
−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジン22g
を得た。回収率は約70%、光学純度は99.90%e
eであった。
【0022】回収したL−NαFmoc−トリチル(T
rt)ヒスチジンの同定は、薄層クロマトグラフィーお
よび逆相HPLCで単一成分であることを確認した上、
リキッドセカンダリーイオン質量分析(LSIMS)法
により行った。逆相HPLCは、島津製作所製のSyn
ProPepカラム(商標名)RPC18(4.6×1
50mm)を使用した。流速は1.2ml/分、検出は
UV法(215nm)で行った。溶出条件は、A液を
0.05Mトリエチルアミン−リン酸緩衝液(pH2.
25)、B液をアセトニトリルとするグラディエント法
で溶出した。LSIMSは、クレイトス社製磁場型質量
分析測定装置を用いて測定した。その光学純度は、既に
発表した方法に従い(Nokiharaら、Frontiers and Hori
zones in Amino Acid Research、p391-395、1992) 、島
津CATモデルDLAA−1を用いて測定した。
【0023】実施例2 L−NαFmoc−tブチルチロシンの回収 上記の保護ヒスチジンの回収の場合と同様に、L−Nα
Fmoc−t−ブチルチロシンのカップリングに使用し
た反応廃液約1000mlを回収した。この反応廃液
は、ジメチルホルムアミド(DMF)中で、L−NαF
moc−t−ブチルチロシン15.2g(33.0m
M)を、PyBOP17.2gと、N−メチルモルフォ
リン(NMM)3.63mlとで活性化したものであ
る。回収後、直ちにHOBt50.5g(330mM)
をその反応廃液中に加え、−20℃で保存した。2日以
内に以下の処理を行なった。
【0024】反応廃液をオイルポンプによる減圧下に2
5℃の水浴中にてロータリエバポレータでDMFを留去
した。得られた残留物を酢酸エチル1000mlに溶解
し、0.05Mトリエチルアミン−リン酸緩衝液(pH
2.25)300mlを加え、5分間振り混ぜ、静置し
たのち水層を除去した。これを3回繰り返したのち酢酸
エチル層を分取し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥させた後減圧濃縮し、石油エーテルを添加
して沈殿させた。再結晶はアセトニトリルから行った。
結晶を濾過・乾燥してL−NαFmoc−t−ブチルチ
ロシン7.60gを得た。回収率は50%、光学純度は
99.90%eeであった。
【0025】回収したL−NαFmoc−t−ブチルチ
ロシンの同定は、逆相HPLCで単一成分であることを
確認した上、リキッドセカンダリーイオン質量分析(L
SIMS)により行った。逆相HPLCは、島津製作所
製のSynProPepカラム(商標名)RPC18
(4.6×150mm)を使用した。流速は1.2ml
/分、検出はUV法(215nm)で行った。溶出条件
は、A液を0.05Mトリエチルアミン−リン酸緩衝液
(pH2.25)、B液をアセトニトリルとするグラデ
ィエント法で溶出した。LSIMSは、クレイトス社製
磁場型質量分析測定装置を用いて測定した。その光学純
度は、Nokiharaらの方法(Frontiers and Horizones in
Amino Acid Research、p391-395、1992) に従い、島津
CATモデルDLAA−1を用いて測定した。
【0026】実施例3 L−NαFmoc−フェニルアラニンの回収 上記の保護ヒスチジンの回収の場合と同様に、L−Nα
Fmoc−フェニルアラニンのカップリングに使用した
反応廃液約900mlを回収した。この反応廃液は、ジ
メチルホルムアミド(DMF)中で、L−NαFmoc
−フェニルアラニンを10.2g(26.4mM)、P
yBOPを13.7g、N−メチルモルフォリン(NM
M)を2.90mlとで活性化したものである。
【0027】回収後、直ちにHOBt40.4g(26
4mM)をその反応廃液中に加え、−20℃で保存し
た。2日以内に以下の処理を行なった。反応廃液をオイ
ルポンプによる減圧下に25℃の水浴中にてロータリエ
バポレータでDMFを留去した。得られた残留物を酢酸
エチル1000mlに溶解し、0.05Mトリエチルア
ミン−リン酸緩衝液(pH2.25)300mlと5分
間振り混ぜ、約30分間静置して2層に分離させ酢酸エ
チル層を分取した。この操作を3回繰り返した後、酢酸
エチル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥させた後減圧濃縮し、石油エーテルを添加して沈殿
させ、さらに再結晶を酢酸エチル−石油エーテルより行
った。結晶を濾過・乾燥してL−NαFmoc−フェニ
ルアラニン7.14gを得た。回収率は72%、光学純
度は99.90%eeであった。
【0028】回収したL−NαFmoc−フェニルアラ
ニンの同定は、薄層クロマトグラフィーおよび逆相HP
LCで単一成分であることを確認した上、リキッドセカ
ンダリーイオン質量分析(LSIMS)により行った。
逆相HPLCは、島津製作所製のSynProPepカ
ラム(商標名)RPC18(4.6×150mm)を使
用した。流速は1.2ml/分、検出はUV法(215
nm)で行った。溶出条件は、A液を0.05Mトリエ
チルアミン−リン酸緩衝液(pH2.25)、B液をア
セトニトリルとするグラディエント法で溶出した。LS
IMSは、クレイトス社製磁場型質量分析測定装置を用
いて測定した。その光学純度は、Nokiharaらの方法(Fr
ontiers and Horizones in Amino Acid Research、p391
-395、1992) に従い、島津CATモデルDLAA−1を
用いて測定した。
【0029】実施例4 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンの回
収 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンのカ
ップリングに使用した反応廃液600mlを回収した。
この反応廃液は、ジメチルホルムアミド(DMF)中
に、未反応のL−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒ
スチジンを約8.0g(13.2mM)(活性エステル
状で含まれるがヒスチジン換算したもの)、PyBOP
を6.9g(13.2mM)、N−メチルモルフォリン
(NMM)を14.5.ml含む。回収後、直ちにHO
At18.0g(132mM)をその反応廃液中に加
え、−20℃で保存した。2日以内に以下の処理を行な
った。
【0030】反応廃液をオイルポンプによる減圧下に2
5℃の水浴中にてロータリエバポレータでDMFを留去
した。得られた残留物に0.05Mトリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH2.25)300mlを加え、生じ
た沈殿を濾取し、水で5回洗浄した後乾燥させた。つい
でメタノールに溶解し、水を添加して沈殿させた。沈殿
を集め、乾燥したのち、トルエンから再結晶して、L−
NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジン5.7g
を得た。回収率は約72%、光学純度は99.93%e
eであった。
【0031】回収したL−NαFmoc−トリチル(T
rt)ヒスチジンの同定は、実施例1と同様にして、薄
層クロマトグラフィーおよび逆相HPLCで単一成分で
あることを確認した上、リキッドセカンダリーイオン質
量分析(LSIMS)法により行った。
【0032】実施例5 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンの回
収 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンのカ
ップリングに使用した反応廃液1700mlを回収し
た。この反応廃液は、ジメチルホルムアミド(DMF)
中に、未反応のL−NαFmoc−トリチル(Trt)
ヒスチジンを約6.06g(10.0mM)(活性エス
テル状で含まれるがヒスチジン換算したもの)、PyB
OPを5.21g(10.0mM)、N−メチルモルフ
ォリン(NMM)を1.10ml含む。回収後、直ちに
HOObt12.1g(80mM)をその反応廃液中に
加え、−20℃で保存した。2日以内に以下の処理を行
なった。
【0033】反応廃液をオイルポンプによる減圧下に2
5℃の水浴中にてロータリエバポレータでDMFを留去
した。得られた残留物に0.05Mトリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH2.25)400mlを加え、生じ
た沈殿を濾取し、水で5回洗浄した後乾燥させた。つい
でメタノールに溶解し、水を添加して沈殿させた。沈殿
を集め、乾燥したのち、トルエンから再結晶して、L−
NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジン4.3g
を得た。回収率は約71%、光学純度は99.92%e
eであった。
【0034】回収したL−NαFmoc−トリチル(T
rt)ヒスチジンの同定は、実施例1と同様にして、薄
層クロマトグラフィーおよび逆相HPLCで単一成分で
あることを確認した上、リキッドセカンダリーイオン質
量分析(LSIMS)法により行った。
【0035】実施例6 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンの回
収 L−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジンのカ
ップリングに使用した反応廃液1700mlを回収し
た。この反応廃液は、ジメチルホルムアミド(DMF)
中に、未反応のL−NαFmoc−トリチル(Trt)
ヒスチジンを約32g(52.8mM)(活性エステル
状で含まれるがヒスチジン換算したもの)、PyBOP
を27.5g(52.8mM)、N−メチルモルフォリ
ン(NMM)を79.2.mM含む。回収後、直ちにH
ONB94.6g(528mM)をその反応廃液中に加
え、−20℃で保存した。2日以内に以下の処理を行な
った。
【0036】反応廃液をオイルポンプによる減圧下に2
5℃の水浴中にてロータリエバポレータでDMFを留去
した。得られた残留物に0.05Mトリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH2.25)1000mlを加え、生
じた沈殿を濾取し、水で5回洗浄した後乾燥させた。つ
いでメタノールに溶解し、水を添加して沈殿させた。沈
殿を集め、乾燥したのち、トルエンから再結晶して、L
−NαFmoc−トリチル(Trt)ヒスチジン23g
を得た。回収率は約73%、光学純度は99.92%e
eであった。
【0037】回収したL−NαFmoc−トリチル(T
rt)ヒスチジンの同定は、実施例1と同様にして、薄
層クロマトグラフィーおよび逆相HPLCで単一成分で
あることを確認した上、リキッドセカンダリーイオン質
量分析(LSIMS)法により行った。
【0038】実施例7 L−Nα−tert−ブチルオキシカルボニル(Bo
c)−フェニルアラニンの回収 前記の保護フェニルアラニンの回収の場合と同様に、L
−NαBoc−フェニルアラニンのカップリングに使用
した反応廃液約900mlを回収した。この反応廃液
は、メチレンクロライド中で、L−NαBoc−フェニ
ルアラニン2.65g(10.0mM)を、PyBOP
4.66gおよびN−メチルモルフォリン(NMM)
1.10mlで活性化したものである。
【0039】回収後、直ちにHOBt6.75g(50
mM)をその反応廃液中に加え、−20℃で保存した。
2日以内に以下の処理を行なった。反応廃液をオイルポ
ンプによる減圧下に25℃の水浴中にてロータリエバポ
レータでDMFを留去した。得られた残留物を酢酸エチ
ル500mlに溶解し、0.05Mトリエチルアミン−
リン酸緩衝液(pH2.25)200mlと5分間振り
混ぜ、約30分間静置して2層に分離させ酢酸エチル層
を分取した。この操作を3回繰り返した後、酢酸エチル
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥さ
せた後減圧濃縮し、石油エーテルを添加して沈殿させ、
さらに再結晶を酢酸エチル−石油エーテルより行った。
結晶を濾過・乾燥してL−NαBoc−フェニルアラニ
ン7.50gを得た。回収率は75%、光学純度は9
9.92%eeであった。
【0040】回収したL−NαBoc−フェニルアラニ
ンの同定は、薄層クロマトグラフィーおよび逆相HPL
Cで単一成分であることを確認した上、リキッドセカン
ダリーイオン質量分析(LSIMS)により行った。逆
相HPLCは、島津製作所製のSynProPepカラ
ム(商標名)RPC18(4.6×150mm)を使用
した。流速は1.2ml/分、検出はUV法(215n
m)で行った。溶出条件は、A液を0.05Mトリエチ
ルアミン−リン酸緩衝液(pH2.25)、B液をアセ
トニトリルとするグラディエント法で溶出した。LSI
MSは、クレイトス社製磁場型質量分析測定装置を用い
て測定した。その光学純度は、Nokiharaらの方法(Fron
tiers and Horizones in Amino Acid Research、p391-3
95、1992) に従い、島津CATモデルDLAA−1を用
いて測定した。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、従来
廃棄されていた工業的ペプチド合成の際に生成するペプ
チド合成反応に用いた後のアシル成分回収液から光学活
性アミノ酸誘導体を光学活性を保持したまま回収し、工
業的ペプチド合成に再使用することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 207/16 C07D 207/16 209/20 209/20 233/64 101 233/64 101 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 227/30 C07B 57/00 370 C07C 227/40 C07C 229/24 C07C 229/36 C07D 207/16 C07D 209/20 C07D 233/64 101 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド合成反応に用いた後のアシル成
    分回収液に含まれる未反応の光学活性アミノ酸誘導体に
    5〜20倍当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
    (HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリア
    ゾール(HOAt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−
    3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(H
    OObt)またはN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
    2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)を該ペプチド
    合成反応回収液に添加した後、濃縮し、残留物を第三級
    アミンを含むpH2〜4の緩衝液で処理し、次いで酸性
    下に抽出して精製することを特徴とする、ペプチド合成
    反応に用いた後のアシル成分回収液から光学活性アミノ
    酸誘導体を回収する方法。
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