JP2859967B2 - ダイカストマシン用スリーブ - Google Patents

ダイカストマシン用スリーブ

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JP2859967B2
JP2859967B2 JP2541291A JP2541291A JP2859967B2 JP 2859967 B2 JP2859967 B2 JP 2859967B2 JP 2541291 A JP2541291 A JP 2541291A JP 2541291 A JP2541291 A JP 2541291A JP 2859967 B2 JP2859967 B2 JP 2859967B2
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sleeve
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titanium
casting machine
ceramics
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知美 副田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム、亜鉛、錫
及び鉛等の非鉄金属(その合金も含む)の鋳造に好適の
ダイカストマシン用スリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、アルミニウム、亜鉛、錫及び鉛等
の非鉄金属を高精度且つ高速度で鋳造できるダイカスト
技術は、自動車、産業機械及び家電機器等の分野におい
て各種部品の重要な生産手段となっている。
【0003】従来、ダイカストマシン用スリーブ(以
下、スリーブという)には、主にJIS SKD61合
金等のダイス鋼が使用されている。また、スリーブの長
寿命化及び製造歩留りの向上を図ると共に、鋳造品の大
型化に対応するために、鋼製の外筒の内側にセラミック
スからなる内筒又はチタン若しくはチタン合金とセラミ
ックスとの複合材料からなる内筒を焼きばめ又は鋳ぐる
みにより設けたスリーブを使用することもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスリーブには以下に示す問題点がある。JIS
SKD61合金等のダイス鋼からなるスリーブにおいて
は、一般的に非鉄金属合金と鉄とは反応しやすいという
性質があるため、スリーブの注湯口底部が著しく溶損す
ると共に、スリーブの内壁も溶損及び摩耗により減少し
てしまう。従って、スリーブを比較的頻繁に交換する必
要があり、スリーブの寿命が短い。また、鋼は熱伝導性
が良好なため、スリーブ内に溶湯が注入されるときに、
溶湯温度が著しく低下してしまう。このときの溶湯の温
度の低下が鋳造品の製造歩留りの低下を招来する。
【0005】一方、セラミックスからなる内筒を鋼製の
外筒に焼きばめたスリーブは、耐溶損性は優れているも
のの、ダイカストマシンが溶湯を射出する瞬間はスリー
ブに極めて大きな衝撃が加えられるため、本来脆い性質
を有するセラミックスからなる内筒が破壊されてしまう
ことがある。そうすると、作業を中断しなければならな
いため、作業性が悪い。また、チタン又はチタン合金と
セラミックスとの複合材料からなる内筒を鋼製の外筒に
焼きばめたスリーブは、耐溶損性、耐衝撃性及び溶湯保
温性は優れているものの、内筒の表面硬度が鋼又はセラ
ミックスに比して低いためスリーブの耐摩耗性が劣り、
使用中に内径が拡大してしまう。そして、スリーブとピ
ストンとの間のクリアランスが大きくなり、鋳造時にフ
ラッシュバックが発生する。これにより、スリーブの寿
命が短縮してしまう。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、非鉄金属の溶湯に対する耐溶損性、耐衝撃
性及び溶湯保温性が優れていると共に、ピストンに対す
る耐摩耗性も優れており、作業性が良好なダイカストマ
シン用スリーブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイカスト
マシン用スリーブは、鋼製の外筒と、この外筒内に嵌入
されチタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料
からなる内筒と、この内筒の内面に設けられたホウ化チ
タン層とを有することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明においては、鋼製の外筒にチタン又はチ
タン合金とセラミックスとの複合材料からなる内筒が嵌
入されている。また、この内筒の内面には、ホウ化チタ
ン層が設けられている。
【0009】このチタン又はチタン合金とセラミックス
との複合材料は、非鉄金属の溶湯に対して優れた耐溶損
性、耐衝撃性及び溶湯保温性を有している。また、溶湯
と直接接触する内筒の内面側に設けられた前記ホウ化チ
タン層は、耐摩耗性が優れている。従って、本発明に係
るダイカストマシン用スリーブは、優れた耐溶損性、耐
摩耗性及び溶湯保温性を有すると共に、耐衝撃性も優れ
ている。また、スリーブの交換頻度を従来に比して低減
できて、作業性が向上する。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0011】先ず、平均粒径が20μmのチタン粉末、
平均粒径が5μmの炭化ケイ素(SiC)粉末及び平均
粒径が15μmのニッケル粉末を、夫々80重量%、1
8重量%及び2重量%の割合で均一に混合した。そし
て、この混合物をゴム型に密封し、加圧力が1トン/c
2 の条件で冷間静水圧プレス(CIP)加工を施し
て、筒状の圧粉体を得た。
【0012】次に、この圧粉体を真空度が10-5Tor
r、温度が1350℃の真空炉内で焼結した。次に、こ
の焼結体を旋盤加工して、上記組成の複合材料からなる
スリーブ内筒を得た。
【0013】次に、このスリーブ内筒をカソードとし、
黒鉛るつぼ(電解槽)をアノードとして、スリーブ内筒
に電解ホウ化処理を施し、内筒内面にホウ化チタン層を
形成した。この場合に、処理条件は、溶融塩浴電解質と
して溶融無水ホウ砂(Na247 )を使用し、処理
温度が1200K、処理時間が50ks、電流密度が5
00A/m2 である。
【0014】次いで、この内面にホウ化チタン層を設け
た内筒を鋼製の外筒に焼きばめた。これにより、本発明
の実施例に係るスリーブを得た。
【0015】一方、比較例1及び比較例2として、夫々
従来のダイス鋼(JISSKD61合金)製のスリーブ
及びセラミックス(窒化ケイ素)からなる内筒を鋼製の
外筒に焼きばめたスリーブを用意した。また、比較例3
として、ホウ化チタン層が設けられていない以外は実施
例と同一の複合材料からなる内筒を鋼製の外筒に焼きば
めたスリーブも用意した。
【0016】これらの実施例及び比較例のスリーブにつ
いて、以下に示す試験を実施した。 硬度試験 スリーブの内面のマイクロビッカース硬度を測定した。
【0017】引張試験 スリーブの内筒の伸びを測定した。
【0018】実用試験 コールドチャンバー用ダイカストマシン(能力250ト
ン)にスリーブを取り付け、アルミニウム合金(JIS
ADC12合金)溶湯にて自動車用エンジンカバーを
鋳造した。そして、10000ショット後のスリーブの
溶損摩耗状況を調べた。
【0019】これらの試験結果を下記表1にまとめて示
す。但し、溶損状況は、最大溶損量が0.1mm以下の
場合を◎、0.3mm以下の場合を○、0.3mmを超
えた場合を△で示した。
【0020】
【表1】
【0021】この表1から明らかなように、本発明の実
施例に係るスリーブは、硬度が高いと共に、10000
ショット後の溶損量が0.1mm以下と極めて少なく、
ダイカストマシン用スリーブとして優れた特性を示し
た。一方、ダイス鋼からなる比較例1は溶損量が多く、
セラミックスの内筒を備えた比較例2のスリーブには割
れが発生した。また、ホウ化チタン層が設けられていな
い複合材の内筒を備えた比較例3のスリーブは、硬度が
低いと共に、比較例1ほどではないものの、溶損量が多
かった。
【0022】なお、本発明において使用可能なセラミッ
クスは、上述のSiCに限定されるものではなく、Cr
23 、TiO2 、ZrO2 、MgO及びY23 等の
酸化物系セラミックス、Si34 、TiN、BN及び
AlN等の窒化物系セラミックス、TiC、B4 C及び
CrC2 等の炭化物系セラミックス、ZrB2 及びTi
2 等のホウ化物系セラミックス並びにサイアロン等、
種々のものを使用することができる。また、これらのセ
ラミックスを2種類以上混合して使用することもでき
る。更に、上述の実施例においては、ホウ化チタン層を
溶融塩浴電解法により形成したが、例えばCVD(化学
気相成長)法、粉末パック法及び溶融塩浸漬法等の方法
によっても、内筒内面にホウ化チタン層を形成すること
ができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るダイカ
ストマシン用スリーブは、鋼からなる外筒及びこの外筒
に嵌入されチタン又はチタン合金とセラミックスとの複
合材料からなる内筒により構成されており、前記内筒に
はその内面にホウ化チタン層が設けられているから、耐
溶損性、耐摩擦性及び溶湯保温性が優れていると共に、
耐衝撃性が優れており、作業性が良好なスリーブを得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 17/20 B22F 5/12 B22F 7/00 C22C 14/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製の外筒と、この外筒内に嵌入されチ
    タン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料からな
    る内筒と、この内筒の内面に設けられたホウ化チタン層
    とを有することを特徴とするダイカストマシン用スリー
    ブ。
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JPH04251650A JPH04251650A (ja) 1992-09-08
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WO1995034394A1 (fr) * 1994-06-14 1995-12-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Manchon pour machine a couler sous pression et machine a couler sous pression utilisant ledit manchon
JP3616840B2 (ja) * 1997-08-08 2005-02-02 株式会社鷺宮製作所 導電率計

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