JP2858223B2 - ディーゼルパティキュレートフィルタの繊維材及びその製造方法 - Google Patents

ディーゼルパティキュレートフィルタの繊維材及びその製造方法

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JP2858223B2
JP2858223B2 JP6309439A JP30943994A JP2858223B2 JP 2858223 B2 JP2858223 B2 JP 2858223B2 JP 6309439 A JP6309439 A JP 6309439A JP 30943994 A JP30943994 A JP 30943994A JP 2858223 B2 JP2858223 B2 JP 2858223B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,ディーゼルエンジン
から排出される排気ガスを浄化処理するため,排気系に
組み込まれるディーゼルパティキュレートフィルタの繊
維材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,ディーゼルエンジンの排気ガスよ
りカーボン,煤,HC等のパティキュレート即ち粒子状
物質を捕集する排気ガス処理用フィルタの材料として
は,例えば,コーディエライトにより製作されたディー
ゼルパティキュレートフィルタは知られている。また,
フィルタ材料としては,コーディエライトの他,無機繊
維を用いるものが知られている。ディーゼルパティキュ
レートフィルタのフィルタ本体として無機繊維を用いる
ものは,無機繊維材を積層し,無機繊維材を局所的に織
り込んでフェルト化してフィルタ本体を作製しており,
無機繊維材でフィルタ本体を作製したものは,ディーゼ
ルエンジンから排出される排気ガス中のカーボン,スモ
ーク等のパティキュレートをフィルタ本体の表面と内部
で捕捉するので,コーディエライトで作製したハニカム
型フィルタと比較して小型に構成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,本出願人
は,無機質長繊維で作製したディーゼルパティキュレー
トフィルタを開発し,特願平6−114131号として
先に出願した。該ディーゼルパティキュレートフィルタ
は,所定長さに切断された耐熱性の無機質長繊維を水平
方向に不規則に配向して積層し,針打ちして無機質長繊
維を上下方向に絡ませてなるフェルト状体の上下両面
に,耐熱性の金属から成る金網を重ね合わせ,耐熱性の
糸により両面から捕縛したものである。また,前記無機
質長繊維は,Si−Ti−C−O,Si−C−O,Si
−N,SiO,金属から選択された繊維の表面に,炭化
ケイ素,アルミニウム,アルミナのうち少なくとも1種
をコーティングしたもの等が用いられる。
【0004】しかしながら,耐熱性を有するSiC繊
維,Si−Ti−C−O繊維等のセラミックス繊維を用
いて積層してフィルタ状とし,排気ガス中に含まれるカ
ーボン,スモーク等のパティキュレートを捕集するディ
ーゼルパティキュレートフィルタについて,セラミック
ス繊維を積層させる場合,繊維材を交互に織り込まなけ
ればならないが,セラミックス繊維材は折れ易く,積層
してフィルタに成形することが困難である。即ち,フィ
ルタ本体をセラミックス繊維を用いて作製した場合に
は,フィルタ本体を構成するセラミックス繊維材料自体
が脆く,振動や衝撃に対して弱く,破損する恐れがあ
り,製造コストが高くなるという問題があることは勿論
であるが,セラミックス繊維をフェルト化してフィルタ
本体を作製する製造工程やセラミックス繊維材によるデ
ィーゼルパティキュレートフィルタ装置として組み立て
る工程において,セラミックス繊維,特に,SiC系繊
維のヤング率は430GPaと高いため,折れ易く,フ
ィルタを成形する折り曲げ加工中或いは組立中にセラミ
ックス繊維が折れて分離して細かくなり,セラミックス
繊維材を織り込んでフィルタ本体に成形することが困難
であり,しかも分離した繊維が飛散し,作業環境を悪化
させるという問題がある。
【0005】この発明の目的は,上記の課題を解決する
ことであり,ディーゼルエンジンから排気される排気ガ
スを浄化処理するため排気系に組み込んで排気ガスに含
まれるカーボン,煤,HC等のパティキュレートを捕集
するディーゼルパティキュレートフィルタの繊維材にお
いて,フィルタ本体をセラミックス繊維で作製し,セラ
ミックス繊維の製造工程,組立工程等での折損及び使用
過程での劣化による問題を改善するため,セラミックス
繊維材の線材の外周面に対してヤング率の小さいガラス
材をコーティングし,セラミックス繊維材の曲げに対す
る強度をアップし,成形工程中に折れて分散するのを防
止し,作業性を向上させたディーゼルパティキュレート
フィルタの繊維材及びその製造方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は,上記の目的
を達成するために,次のように構成されている。即ち,
この発明は,ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれ
るパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレ
ートフィルタにおいて,セラミックス繊維が積層された
セラミックス繊維積層材と該セラミックス繊維積層材の
外周面にコーティングされたヤング率が小さく且つ前記
セラミックス繊維の線膨張係数とほぼ等しいガラス材か
ら成るガラス層とから構成され,前記パティキュレート
がフェルト状に積層された前記セラミックス繊維積層材
の繊維材間に捕集されることを特徴とするディーゼルパ
ティキュレートフィルタの繊維材に関する。
【0007】また,このディーゼルパティキュレートフ
ィルタの繊維材において,前記セラミックス繊維はSi
C系セラミックス繊維から構成されている。また,前記
ガラス層はMg−Al−Si−O−N,Y−Al−Si
−O−N,Li−Al−Si−O−N等のオキシナイト
ライドガラス材から構成されている。或いは,前記セラ
ミックス繊維は,径の小さいSiC系セラミックス繊維
を撚り合わせて糸状に引き延ばした複合撚り糸から構成
されている。
【0008】又は,この発明は,ディーゼルエンジンの
排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するディ
ーゼルパティキュレートフィルタの繊維材の製造方法に
おいて,セラミックス繊維からセラミックス繊維積層材
を作製すると共に,酸化物ガラスをゾルゲル状にしたス
ラリーを作製し,前記スラリーを前記セラミックス繊維
積層材にコーティングし,これをNH中で加熱して前
記酸化物ガラスを窒化することによって前記セラミック
ス繊維積層材にガラス層を被覆したことを特徴とするデ
ィーゼルパティキュレートフィルタの繊維材の製造方法
に関する。
【0009】或いは,この発明は,ディーゼルエンジン
の排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するデ
ィーゼルパティキュレートフィルタの繊維材の製造方法
において,セラミックス繊維からセラミックス繊維積層
材を作製すると共に,LiO,Al,Al
,SiO及びSiを所定量配合して微粒化
してゾルゲル状にしたスラリーを作製し,前記スラリー
を前記セラミックス繊維積層材にコーティングし,これ
をN中で加熱して前記セラミックス繊維積層材にガラ
ス層を被覆したことを特徴とするディーゼルパティキュ
レートフィルタの繊維材の製造方法に関する。
【0010】
【作用】この発明は,排気ガス中のパティキュレートを
捕集するフィルタ本体が,セラミックス繊維を積層した
セラミックス繊維積層材と該セラミックス繊維積層材の
外周面に被覆したヤング率が小さく且つ前記セラミック
ス繊維の線膨張係数とほぼ等しいガラス材から成るガラ
ス層とから構成したので,セラミックス繊維のみである
と成形時に折れ易いが,前記ガラス層によって前記繊維
材が折れ難くなり,前記繊維材から前記セラミックス繊
維が折れて分離飛散することがなく,折り曲げ,織り込
み工程等の製造工程の作業性を向上させることができ
る。セラミックス繊維積層材をSiC系セラミックス繊
維から構成したので,耐熱性に優れており,耐熱強度を
アップでき,フィルタ本体に排気ガスを通した場合に,
排気ガス中に含まれている黒煙,カーボン,スモーク等
のパティキュレートの捕集効率を向上できる。前記ガラ
ス層は,Mg−Al−Si−O−N,Y−Al−Si−
O−N,Li−Al−Si−O−N等のオキシナイトラ
イドガラス材から作製されているので,SiC系セラミ
ックス繊維材との線膨張係数がほぼ同一であり,熱膨張
差によって前記セラミックス繊維積層材から前記ガラス
層が剥離することがなく,耐熱性に優れてフィルタ本体
の耐久性をアップできる。
【0011】SiC繊維について破断時の折り曲げ状態
を考えると,SiC繊維の強度は引張強度が3.3GP
aであり,破壊時の伸び率が1.7%である。SiC繊
維材がどの程度のアールRの大きさで破壊するかを調べ
ると,次のようになる。SiC繊維材の曲げアールの半
径をRとし,SiC繊維材の線径dを0.01mmとす
ると,SiC繊維材の伸び率は〔2π(R+d)−2π
R〕/2π(R+d)である。従って, 0.017=〔2π(R+d)−2πR〕/2π(R+d) d/(R+d)=0.017 0.017R=0.983d R=0.57mmとなり,SiC繊維の折り曲げ曲率半
径が0.57mm程度の時にSiC繊維に破断が発生す
ることになる。SiC繊維が破断して折損すると,Si
C繊維を積層して織り込み成形を行うことができなくな
る。そこで,セラミックス繊維に折損が発生しないよう
に,セラミックス繊維の外周面にヤング率の小さなガラ
ス材をコーティングする。また,セラミックス繊維を極
細径にして撚り合わせて糸状にした場合は,折り曲げ時
のRがより一層小さくすることができ,耐加工性が向上
する。従って,撚り糸状セラミックス繊維にガラスコー
ティングを施すと,より効果が向上する。
【0012】例えば,ソーダ石灰ガラスを例にとると,
そのヤング率は73GPa,ソーダ石灰ガラスのファイ
バーの引張強度は4000MPaであるので,この材料
をSiC繊維の外周面にコーティングすれば,強度が増
大し,曲げアールは曲率半径Rが0.17mmまで耐え
ることができる。しかしながら,SiC系繊維にガラス
をコーティングする場合に,温度が高くなり,温度が高
くなると,SiC系繊維とガラスとの線膨張係数が異な
ると剥離が発生し,また,ガラスの耐熱性に問題が発生
する。そこで,この発明によるディーゼルパティキュレ
ートフィルタの繊維材では,上記のような材料が選定さ
れているものである。
【0013】
【実施例】以下,図面を参照して,この発明によるディ
ーゼルパティキュレートフィルタの繊維材及びその製造
方法の実施例を説明する。図1はディーゼルパティキュ
レートフィルタの一実施例を示す断面図,図2は図1の
ディーゼルパティキュレートフィルタに組み込まれた繊
維材のエレメントの一部を示す斜視図,図3はこの発明
による繊維材の一実施例の一部を示す断面斜視図,図4
はこの発明による繊維材の別の実施例の一部を示す断面
斜視図,及び図5は図4の繊維材の一部を示す断面図で
ある。
【0014】この実施例のディーゼルパティキュレート
フィルタは,例えば,ディーゼルエンジンの排気管中に
組み込まれたケース3内に収容して構成され,ディーゼ
ルエンジンから排出される排気ガスがフィルタ本体を矢
印Gで示す方向に横断して流れることによって,排気ガ
ス中に含まれる黒煙,カーボン,煤,HC等のパティキ
ュレートがフィルタ本体でセラミックス繊維間に付着堆
積して捕集され,捕集されたパティキュレートは加熱焼
却してフィルタ本体が再生される。フィルタ本体の再生
については,従来のものと同様に金網に通電してフィル
タ本体を加熱し,フィルタ本体に捕集されているパティ
キュレートを加熱焼却して達成できる。フィルタ本体は
後述の主フィルタ1及びサブフィルタ2を構成し,その
構造は,例えば,円筒形等の筒状,平板状,波状,襞状
等の形状に構成できる。
【0015】この発明によるディーゼルパティキュレー
トフィルタの繊維材は,図3に示すように,単繊維のセ
ラミックス繊維14を積層したセラミックス繊維積層材
12をガラス層13でコーティングして繊維材11を作
製し,該繊維材11をフェルト状に多数積層し,これに
セラミックス繊維14を織り込んでフェルト状に成形す
ることによってフィルタ本体を構成することできる。デ
ィーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるパティキュレ
ートを捕集するフィルタ本体を構成する繊維材11は,
単繊維のセラミックス繊維14が不織布として積層され
たセラミックス繊維積層材12と,該セラミックス繊維
積層材12の外周面19にコーティングされたヤング率
が小さく且つセラミックス繊維14の線膨張係数とほぼ
等しいガラス材から成るガラス層13とから構成されて
いる。繊維材11としては,例えば,セラミックス繊維
積層材12が8μmであり,ガラス層13が2μmであ
る。
【0016】又は,この発明によるディーゼルパティキ
ュレートフィルタの繊維材は,図4及び図5に示すよう
に,極細径のセラミックス繊維14を撚り合わせて糸状
に引き延ばした複合撚り糸20から成るセラミックス繊
維積層材12と,該セラミックス繊維積層材12の外周
面19にコーティングされたヤング率が小さく且つセラ
ミックス繊維14の線膨張係数とほぼ等しいガラス材か
ら成るガラス層13とから構成されている。セラミック
ス繊維14を撚り合わせて糸状の複合撚り糸20に構成
した場合は,折り曲げ時のRをより一層小さくすること
ができ,耐加工性が向上する。更に,複合撚り糸にガラ
スコーティングを施すと一層効果が向上する。
【0017】セラミックス繊維14は,耐熱性に優れて
いるSiC系セラミックス繊維から構成されている。セ
ラミックス繊維14を構成するSiC系セラミックスと
しては,Si−C−O,Si−Ti−C−O,Si−C
がある。セラミックス繊維14としては,SiC系セラ
ミックスの他にアルミナ(Al)又はジルコニア
(ZrO)を含んでいてもよいものである。また,ガ
ラス層13は,耐熱性に優れており,ヤング率が小さ
く,しかもセラミックス繊維14の線膨張係数にほぼ等
しい線膨張係数を有しているMg−Al−Si−O−
N,Y−Al−Si−O−N,Li−Al−Si−O−
N等のオキシナイトライドガラス材から構成されてい
る。
【0018】次に,このディーゼルパティキュレートフ
ィルタの繊維材の製造方法の一実施例について説明す
る。このディーゼルパティキュレートフィルタの繊維材
11の製造方法において,単繊維から成るセラミックス
繊維14(又は複合撚り糸20)からセラミックス繊維
積層材12を作製すると共に,酸化物ガラスをゾルゲル
状にしたスラリーを作製し,該スラリーをセラミックス
繊維積層材12にコーティングし,これをNH中で加
熱して酸化物ガラスを窒化することによって,セラミッ
クス繊維積層材12にガラス層13をコーティングした
ものである。この製造方法では,セラミックス繊維14
からセラミックス繊維積層材12を作製するには,不織
布のセラミックス繊維14を束にして撚り上げながら引
出して紐状のセラミックス繊維積層材12に形成する。
次いで,紐状のセラミックス繊維積層材12に酸化物ガ
ラスを塗布するには,セラミックス繊維積層材12をゾ
ルゲル状にした酸化物ガラスのスラリー中に浸漬して通
過させる。それによって,セラミックス繊維積層材12
の外周面19にスラリーがコーティングされた状態にな
り,これをNH中の加熱炉に通してスラリーを窒化さ
せ,セラミックス繊維積層材12の外周面19にガラス
層13を形成させて繊維材11を作製する。繊維材11
からフィルタ本体を作製するには,繊維材11を積層す
ると共に,その積層体に対して繊維材11を織り込んで
フェルト状フィルタに成形し,該フェルト状フィルタを
蛇腹状,円筒状等の所定の形状に成形してフィルタ本体
2を作製する。
【0019】ガラス層13として,Mg−Al−Si−
O−Nのガラスを用いる場合には,酸化物ガラスの配合
割合は,MgO:15,Al:37,SiO
28,Si:20の割合で配合してスラリーを作
製すればよい。又は,Y−Al−Si−O−Nのガラス
を用いる場合には,酸化物ガラスの配合割合は,Al:
10,Y:15,Si:15,O:40,N:6の割合
で配合してスラリーを作製すればよい。Mg−Al−S
i−O−N,Y−Al−Si−O−N等のオキシナイト
ライドガラス材は,耐熱性に優れており,それらの融点
は1500℃以上であり,1000℃での強度を十分に
確保できる。しかも,セラミックス繊維14の線膨張係
数にほぼ等しい線膨張係数を有している。即ち,Mg−
Al−Si−O−Nのガラスは,線膨張係数α=4.7
〜5.7×10−6/℃であり,Nの含有量を増加させ
ると,α=4.1〜4.7×10−6/℃に低下させ,
SiC系セラミックス繊維の線膨張係数に近づくことが
できる。また,Y−Al−Si−O−Nのガラスは,N
の含有量が6%の時,線膨張係数α=4×10−6/℃
である。
【0020】次に,このディーゼルパティキュレートフ
ィルタの繊維材の製造方法の別の実施例について説明す
る。このディーゼルパティキュレートフィルタの繊維材
11の製造方法において,Li−Al−Si−O−Nの
ガラスを用いてSiC系セラミックス繊維14(又は複
合撚り糸20)から成るセラミックス繊維積層材12に
ガラス層13を形成することができる。Li−Al−S
i−O−Nのガラス材は,耐熱性に優れており,その融
点は1500℃以上であり,1000℃での強度を十分
に確保できる。この実施例では,原料の配合割合は,L
O:6,Al:24,AlF:2,SiO
:48,Si:20の割合で配合してスラリー
を作製すればよい。Li−Al−Si−O−Nのガラス
は,線膨張係数αは3.2×10−6/℃である。この
実施例では,SiC系セラミックス繊維14からセラミ
ックス繊維積層材12を作製すると共に,LiO,A
,AlF,SiO及びSiを上記の
配合割合で混合して微粒化し,これをゾルゲル状にした
スラリーを作製し,該スラリーをセラミックス繊維積層
材12にコーティングし,これを千数百度のN中で加
熱してセラミックス繊維積層材12にガラス層13を被
覆して繊維材11を作製することができる。繊維材11
をフィルタ本体に成形するのは,上記実施例と同様にし
て作製することができる。
【0021】この発明によるディーゼルパティキュレー
トフィルタの繊維材は,例えば,図1に示すディーゼル
パティキュレートフィルタに組み込んで使用できる。こ
のディーゼルパティキュレートフィルタは,ケース3内
にパティキュレートを捕集できる上記の繊維材11から
成るフィルタ本体で構成された主フィルタ1とサブフィ
ルタ2とが排気ガス流れ方向にバイパス筒体4によって
分離され,排気ガス流れに並列に入口15から出口16
に延びるように配置されている。ケース3と主フィルタ
1との間には,主フィルタ1からケース3を通じて外部
に放熱するのを防止するため遮熱材5が配置されてい
る。主フィルタ1は,排気ガス通路22に配置され,排
気ガス入口15側の主フィルタ1の外周端部は遮蔽プレ
ート28で閉鎖され,排気ガス出口16側の主フィルタ
1の端面はプレート状シートフィルタ24で閉鎖されて
いる。主フィルタ1の内側には,主フィルタ1とサブフ
ィルタ2との排気ガス流れを遮断すると共に遮熱するバ
イパス筒体4が配置され,バイパス筒体4の内側にサブ
フィルタ2が配置されている。主フィルタ1及びバイパ
ス筒体4は,複数本の支柱18によってケース3に支持
固定され,サブフィルタ2はバイパス筒体4に複数本の
支柱17によって支持固定されている。また,主フィル
タ1の中央部にバイパス筒体4を介在して主フィルタ1
に対して排気ガス流れに並列にサブフィルタ2が配置さ
れている。
【0022】主フィルタ1の表面に配置されたヒータ6
は,主フィルタ1に捕集されたパティキュレートを加熱
燃焼させるために,コントローラ10の指令で通電制御
されるように構成されている。ヒータ6は,排気ガス通
路22の主フィルタ1の流入側の全面にわたって延びて
おり,電極端子9を通じてコントローラ10に接続され
ている。ヒータ6は,Ni系金属で金網に作製すること
が好ましく,主フィルタ1とサブフィルタ2との表面に
対して均一に加熱できる。
【0023】また,サブフィルタ2の排気ガス流入側に
はサブフィルタ2の流入口を開閉するバイパス弁7が配
置されている。バイパス弁7は,コントローラ10の指
令で駆動されるアクチュエータ8によって開閉作動され
る。バイパス弁7には,サブフィルタ2の再生のため,
僅かな排気ガスが漏洩する通孔を形成してもよく,又
は,バイパス弁7自体を漏洩するようにバイパス通路2
1に配設してもよい。ケース3内には排気ガス圧又はパ
ティキュレート捕集量を検出するセンサーが設けられ,
該センサーによって検出された排気ガス圧又は捕集量の
情報はコントローラ10に入力されるように構成されて
いる。更に,コントローラ10には,エンジン作動状
態,即ち,エンジン回転数を検出する回転センサー,エ
ンジン負荷を検出する負荷センサー,排気ガス温度を検
出する温度センサー等が設けられている。コントローラ
10は,エンジン作動状態のこれらの検出信号を受け
て,エンジン作動状態に対応して予め決定されている排
気ガス圧又は捕集量の検出値に対応してバイパス弁7の
開放タイミング即ち主フィルタ1の再生タイミングを制
御するように構成されている。
【0024】このディーゼルパティキュレートフィルタ
は,上記のように構成されており,次のように作動す
る。ディーゼルエンジンが駆動され,排気ガスが排気管
を通じて排気ガス通路22に送り込まれる。この時,バ
イパス弁7は閉鎖状態であり,排気ガスは入口15から
排気ガス通路22に送り込まれ,排気ガス通路22から
主フィルタ1を通過し,主フィルタ1で排気ガス中に含
まれるすす,カーボン,スモーク等のパティキュレート
が捕集され,クリーンな排気ガスは出口16へと排出さ
れている。捕集されたパティキュレートは主フィルタ1
に堆積する。一方,コントローラ10は,各センサーか
らの検出信号を受け,それらの検出値からエンジン作動
状態を判断し,予め設定されているパティキュレートの
捕集量になるとアクチュエータ8を作動してバイパス弁
7を開放させる制御を行う。バイパス弁7が開放して排
気ガスがサブフィルタ2側へ流れると共に,主フィルタ
1の金網ヒータ6がコントローラ10の指令で電極端子
9を通じて金網ヒータ6に電流を流し,金網ヒータ6は
加熱されて主フィルタ1が加熱され,捕集されているパ
ティキュレートが加熱焼却される。即ち,パティキュレ
ートは主フィルタ1を通過する微量の排気ガスに含まれ
る空気を使用してCO,HOに変化して焼却され,
ガスになって出口16から放出される。
【0025】主フィルタ1の再生時には,最初は排気ガ
スのほとんどがサブフィルタ2を流れ,主フィルタ1に
は微量の排気ガスが流れるが,主フィルタ1の再生処理
が進行するに従って,主フィルタ1の空気通過抵抗値が
段々小さくなり,サブフィルタ2に排気ガス中のパティ
キュレートが捕集されてサブフィルタ2の空気通過抵抗
値が段々大きくなる。それ故に,主フィルタ1の再生処
理の進行につれて主フィルタ1とサブフィルタ2との空
気通過抵抗のバランスによって主フィルタ1側へ排気ガ
スが流れるようになる。主フィルタ1の再生が完了する
と,コントローラ10はアクチュエータ8を作動してバ
イパス弁7を閉鎖する指令を発する。バイパス弁7が閉
鎖すると,排気ガスは排気ガス通路22から主フィルタ
1を通過するようになり,通常の排気ガス処理,即ち,
主フィルタ1によるパティキュレートの捕集処理にな
る。その間に,サブフィルタ2は排気ガス中のパティキ
ュレートを捕集してサブフィルタ2にパティキュレート
が堆積された状態になる。そこで,バイパス弁7の閉鎖
後直ちにサブフィルタ2に設けたヒータ6に通電し,サ
ブフィルタ2に捕集されたパティキュレートを焼却すれ
ば良く,バイパス弁7を通じて漏洩する排気ガスに含ま
れている空気を利用して燃焼し,サブフィルタ2が再生
される。
【0026】繊維材11から成るフィルタ本体として
は,図2に示すようなフィルタエレメント26に構成す
ることができる。フィルタエレメント26は,半径方向
に予め定められた長さで順次折り曲げられて襞状に形成
され,その襞形状が筒状に形成されている。ヒータ6に
ついては,フィルタエレメント26の端部の一部領域の
みに図示しているが,該端部の全面からヒータ6を突出
させて金網端子を構成できるものである。
【0027】
【発明の効果】この発明によるディーゼルパティキュレ
ートフィルタの繊維材及びその製造方法は,上記のよう
に構成されており,次のような効果を有する。即ち,こ
のディーゼルパティキュレートフィルタの繊維材は,セ
ラミックス繊維が積層されたセラミックス繊維積層材と
その外周面にコーティングされたガラス層とから構成さ
れているので,前記ガラス層はヤング率が小さく且つ前
記セラミックス繊維の線膨張係数とほぼ等しいガラス材
を選定でき,熱による伸縮での熱膨張差が小さくなり,
前記セラミックス繊維積層材と前記ガラス層とのコーテ
ィングの接合面が剥離することがなく,前記ガラス層で
前記セラミックス繊維積層材の引張強度をアップさせる
ことができ,繊維材の織り込み成形を可能にし,繊維材
で所望の形状のフィルタ本体を形成することができる。
即ち,前記セラミックス繊維積層材のセラミックスの脆
さが前記ガラス層によってカバーされて繊維材が折れ難
くなり,繊維材から折れてセラミックス繊維が分離飛散
することがなく,例えば,フェルト状に成形或いはそれ
を襞状に折り曲げて成形した場合の歩留りを向上させる
ことができると共に,フィルタの成形作業性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明による繊維材を組み込んだディ
ーゼルパティキュレートフィルタの一実施例を示す断面
図である。
【図2】この発明による繊維材で作製したフィルタ本体
のエレメントの一実施例を示す斜視図である。
【図3】この発明による繊維材の一実施例である単繊維
の一部を示す一部断面の斜視図である。
【図4】この発明による繊維材の別の実施例である複合
撚り糸の一部を示す一部断面の斜視図である。
【図5】図4の複合撚り糸から成る繊維材の一部を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 主フィルタ(フィルタ本体) 2 サブフィルタ(フィルタ本体) 11 繊維材 12 セラミックス繊維積層材 13 ガラス層 14 セラミックス繊維 19 外周面 20 複合撚り糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01N 3/02 301 F01N 3/02 301Z ZAB ZAB D06M 17/00 J

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの排気ガス中に含ま
    れるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュ
    レートフィルタにおいて,セラミックス繊維が積層され
    たセラミックス繊維積層材と該セラミックス繊維積層材
    の外周面にコーティングされたヤング率が小さく且つ前
    記セラミックス繊維の線膨張係数とほぼ等しいガラス材
    から成るガラス層とから構成され,前記パティキュレー
    トがフェルト状に積層された前記セラミックス繊維積層
    材の繊維材間に捕集されることを特徴とするディーゼル
    パティキュレートフィルタの繊維材。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス繊維はSiC系セラミ
    ックス繊維から構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のディーゼルパティキュレートフィルタの繊維
    材。
  3. 【請求項3】 前記ガラス層はMg−Al−Si−O−
    N,Y−Al−Si−O−N,Li−Al−Si−O−
    N等のオキシナイトライドガラス材から構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルパティキ
    ュレートフィルタの繊維材。
  4. 【請求項4】 前記セラミックス繊維は径の小さいSi
    C系セラミックス繊維を撚り合わせて糸状に引き延ばし
    た複合撚り糸から構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載のディーゼルパティキュレートフィルタの繊
    維材。
  5. 【請求項5】 ディーゼルエンジンの排気ガス中に含ま
    れるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュ
    レートフィルタの繊維材の製造方法において,セラミッ
    クス繊維からセラミックス繊維積層材を作製すると共
    に,酸化物ガラスをゾルゲル状にしたスラリーを作製
    し,前記スラリーを前記セラミックス繊維積層材にコー
    ティングし,これをNH中で加熱して前記酸化物ガラ
    スを窒化することによって前記セラミックス繊維積層材
    にガラス層を被覆したことを特徴とするディーゼルパテ
    ィキュレートフィルタの繊維材の製造方法。
  6. 【請求項6】 ディーゼルエンジンの排気ガス中に含ま
    れるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュ
    レートフィルタの繊維材の製造方法において,セラミッ
    クス繊維からセラミックス繊維積層材を作製すると共
    に,LiO,Al,AlF,SiO及びS
    を所定量配合して微粒化してゾルゲル状にした
    スラリーを作製し,前記スラリーを前記セラミックス繊
    維積層材にコーティングし,これをN中で加熱して前
    記セラミックス繊維積層材にガラス層を被覆したことを
    特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタの繊維
    材の製造方法。
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