JP2857448B2 - ホットワイヤtig溶接方法及びホットワイヤtig溶接装置ならびにワイヤと母材との接触検出器 - Google Patents

ホットワイヤtig溶接方法及びホットワイヤtig溶接装置ならびにワイヤと母材との接触検出器

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はホットワイヤTIG溶接に係わり、特に、ワイ
ヤに電流をパルス的に通電してワイヤを加熱溶融するホ
ットワイヤTIG溶接方法及び溶接装置に関する。
〔従来の技術〕
第9図に、ホットワイヤTIG溶接法として従来から一
般的に用いられている溶接装置の構成を示す。
TIG溶接トーチ1の中のタングステン電極2と母材3
に直流溶接用のアーク電源4を接続し、アルゴン・シー
ルドガス中でタングステン電極2を負極としてアーク5
を形成する。溶接用の添加ワイヤ6はワイヤ送給装置7
からコンジット8およびそれと連結されたコンタクトチ
ップ9を通って、アーク形成部に導かれて母材3と接触
させる。コンタクトチップ9とワイヤ加熱電源10を接続
し、直流または交流電流を添加ワイヤ6に流してジュー
ル発熱させ、それにより添加ワイヤ6の溶融速度を高め
ている。添加ワイヤ6はTIGトーチ1の先端にあるガス
シールドノズル11の外側から挿入されている。
なお、添加ワイヤ6に通電加熱しないコールドワイヤ
TIG溶接の場合には、第9図のワイヤ加熱電源10を除外
したものと言える。
ところでコールドワイヤTIG溶接する時に、第10図に
示す様に、添加ワイヤ6がアーク5を形成するタングス
テン電極2に対して3mm程度離れてほぼ平行に溶融池12
に向かって送給するようにTIGトーチ13を構成すると、
ワイヤ送給部も含めたトーチ全体の大きさが非常にコン
パクトにまとめられる。
しかし、この様にすると、従来の方法ではワイヤ6の
先端が母材(溶融池)3に接触しているため、ワイヤ6
は母材電位に等しくなるので、たまたまタングステン電
極2と母材3間の距離が5mmなど多少長くした時に、ア
ーク5は母材3からワイヤ6に沿って這上がって最短距
離のワイヤ部分から出るようになり、アーク5およびワ
イヤ6の溶融の安定性を著しく損じ、溶融作業が出来な
くなる。ホットワイヤTIG溶接の場合にも同様である
が、ことにワイヤ6からアーク5が出てワイヤ溶融が著
しく進み溶断された時にもワイヤ通電を継続している
と、アーク電流がワイヤ加熱電源10に流れ、ワイヤ加熱
電源10に悪影響を与える事がある。
従って、従来はこの様な状態を避けるために、出来る
だけワイヤ6をタングステン電極1から離してかつワイ
ヤ先端を母材3上の溶融池12に挿入している。このため
に、例えば第9図に示すワイヤ挿入角度θは60度以下に
せざるを得ず、従ってワイヤ6はトーチ1のガスシール
ドノズル11の外側から挿入するようになり、結局トーチ
まわりの部分は大きくなってしまっていた。また、通
常、ワイヤ6はアークトーチと一体になって動くワイヤ
ガイドあるいはワイヤ用のコンタクトチップ9を通っ
て、アークトーチの斜め横方向から挿入しているので、
アーク長が変化するとワイヤ先端の挿入位置が変化しや
すいと言う問題もあった。この様なTIGトーチをプロセ
スロボットに搭載しても、トーチ周りが大きくて挿入が
困難な場合が多く、適用対象が著しく限定される。これ
らの事もあって、現在のアーク溶接ロボットのほとんど
が非消耗電極アーク溶接で占められ、TIGアーク溶接ロ
ボットは希に使用されている程度である。
ところで、本発明者らは先にこの問題を解決する方法
を提案した(特開昭63−180376号公報)。この発明で
は、ワイヤ6の先端と母材2上の溶融池12とが周期的に
接触と分離を繰返す様にしておき、第11図に示すように
アーク通電はワイヤ6が母材3から離れた期間中、すな
わち接触検出信号が接触の期間中のみ可能とし、ワイヤ
6が母材3に接触するとアーク通電を休止するようにし
ている。ワイヤ溶融速度を上げようとしてホットワイヤ
が溶接にするときには、ワイヤが母材に接触すると通電
を開始し、そしてワイヤを加熱溶断して母材から分離さ
せるようにしている。
この様にしているので、ワイヤがタングステン電極2
の直ぐ側にあっても、ワイヤ6からアークが発生するこ
とは無くなり、ワイヤ6をタングステン電極2とほぼ平
行に挿入して溶接できるようになった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この発明ではアーク5は安定に形成で
きるものの、毎回ワイヤ6の溶断を発生させる事が必要
で、ホットワイヤ溶接時には溶断に伴ってスパッタが発
生し、直く側にあるタングステン電極2に付着すること
が生じた。このスパッタはかなり細かく、母材3には付
着しないが、タングステン電極2上には次第に蓄積す
る。このようにして電極汚れが次第に増してくると溶接
が困難になってくるので、タングステン電極2の取替え
の頻度が増すと言う問題が新たに発生した。
本発明の目的は、上述の欠点に鑑み、ワイヤ通電サイ
クル毎にワイヤを過熱溶断して溶着金属の形成とワイヤ
先端の母材からの分離を行うホットワイヤ溶接に於い
て、ワイヤ6が母材3から分離する時のスパッタ発生を
激減する溶接方法および溶接装置を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、ワイヤと母材との接触・分離を
繰り返しながらワイヤをパルス電流で加熱するホットワ
イヤTIG溶接において、ワイヤが母材と接触しているか
どうかを検出する装置を提供する事にある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる目的を達成するために本発明は、ワイヤが母材
に接触してからワイヤ通電加熱を開始し、かつワイヤ先
端が母材から分離する前にワイヤ通電を休止し、ワイヤ
通電休止中にワイヤ先端を母材から分離させることを特
徴とする。
さらに、上記目的を達成するため本発明は、ワイヤが
母材と接触しているかどうかをワイヤ電圧とワイヤ電流
とから識別する検出器を用い、毎回ワイヤが母材と接触
している期間を測定し、その平均時間を求め、次の接触
開始でワイヤ通電を始め、そして接触開始してから該平
均時間よりすこし短い時間経過後にワイヤ通電を休止す
るように制御する事を特徴とする。
〔作用〕
スパッタが発生するのは、ワイヤを通る電流でワイヤ
が加熱され溶融し、先端が細く括れて母材から分離する
時に、括れた部分が過熱して爆発的に蒸発、また分離部
分からアークが発生して急激にガスが膨脹する事によ
る。本発明によれば、過熱して爆発的に蒸発する前に通
電を休止しているので爆発的に蒸発することがなく、そ
して分離部分からアークが発生することもない。
〔発明の実施例〕
第1図は本発明によるホットワイヤTIG溶接装置の一
実施例を示す図で、14はアーク電源回路部、15はワイヤ
電源回路部、16はワイヤ送給制御回路、17はそれらを関
連付けて制御する制御回路部で、ホットワイヤTIG溶接
電源18はこれらを一体にして構成されている。そしてホ
ットワイヤTIG溶接電源18の二次側の出力端子はTIGトー
チ13の中のタングステン電極2,ワイヤに通電するコンタ
クトチップ9及び母材3にそれぞれ接続され、またワイ
ヤ送給制御回路16の出力はワイヤ送給装置7に接続され
ている。ワイヤ電流はホール素子からなる電流検出器44
で検出され、またワイヤ電源回路部15の出力端子電圧も
検出されて、制御回路部17に入力されている。
第2図は、第1図の実施例での出力波形などを説明す
る図である。ホットワイヤTIG溶接電源18では、アーク
スタートして間もなくの期間はアーク5にはスタート電
流と呼ばれるやや低めの連続電流が通電される。そして
母材3の溶融が進んで十分に溶融池12が形成されると、
ワイヤ送給を開始し、ワイヤ6が母材3(溶融池12)に
接触すると同時に第2図に見られるような溶接時の電流
制御に切替えられる。すなわち、ワイヤ6が母材3に溶
接してからワイヤ通電加熱を開始し、かつワイヤ先端が
母材3から分離する前にワイヤ通電を休止してワイヤ通
電休止中にワイヤ6先端を母材3から分離させ、分離後
にアークを再生している。
第3図は第1図の制御回路17の内部の主要回路構成を
説明するためのブロツク図である。ワイヤ6が母材3に
接触したことを接触検出回路19で検知すると、その出力
信号Tuをアーク通電指令回路20に送り出力信号Taによっ
て直ちにアーク通電停止するよう要請する。同時に出力
信号Tuをワイヤ通電許可期間信号形成回路21にも送り、
そこの出力信号Tpによってワイヤ通電指令回路22に一定
期間ワイヤ通電するよう要請する。次にワイヤ6が母材
3から離れたことを接触検出回路19で検知すると、アー
ク通電指令回路20は出力信号Taによって直ちにアーク通
電を再開するよう指令する。概略、このように制御し
て、第2図のような通電電流の波形を得ている。なお、
ここではアーク電流、ワイヤ電流のON−OFF制御関係の
回路を示した。この他のアーク電流池、ワイヤ電流値を
外部から指示し制御する回路があるが、省略している。
しかし、実際にはワイヤ溶融に関しても様々な外乱が
入るので、それらに対応する制御も含めて、第3図の制
御回路を更に詳細に説明する。ワイヤ電圧Vwとワイヤ電
流Iwを検出して接触検出回路19に入力し、ワイヤ6が母
材3から離れているときH、ワイヤが母材と接触してい
るときLとなる接触信号Tuを形成する。この接触信号Tu
をもとに、ワイヤ通電許可期間信号形成回路21では、ワ
イヤ通電を許可する期間中はH、ワイヤ通電を許可しな
い期間中はLとなる信号Tpを形成し出力する。この信号
TpのHとなる期間は、定常状態では、ワイヤが母材と接
触している期間より少し短くなるように形成されている
ので、ワイヤ通電が終了してからワイヤが母材から分離
する。しかし、ワイヤ速度ほかの変化で、たまたまワイ
ヤ接触中にワイヤが分離することも発生する。ワイヤ通
電しながらワイヤが母材から分離するときには、ワイヤ
電流が急激に減少するので、ワイヤ通電禁止期間設定回
路23では、ワイヤ電流微分回路24からのワイヤ電流微分
出力Iwをもとに、ワイヤ電流が急激に減少し始めると直
ちに出力Tiを一定期間Lにして、ワイヤ電流の通電を停
止させる。これにより、ワイヤがその通電期間中に溶断
して分離する時のスパッタの発生が抑制される。
一方、溶断強制回路25では接触信号Tuを監視し、一定
期間(本実施例では15ms)以上、接触が連続したときに
は、出力信号FuをHにして、ワイヤ電流を連続して通電
するよう要求する。その結果、ワイヤが過熱して溶断が
発生し、ワイヤが母材から分離する。このワイヤ分離時
にも、通電禁止期間設定回路23は動作し、スパッタの発
生を抑制する。
過電流保護回路26は、ワイヤ電流Iwが一定電流以上
(本実施例では500A)になると出力OVCをLにして通電
を急ぎ休止させ、ワイヤ加熱電源内部の電力制御素子の
破壊を防ぐ。また、外部制御信号Scは通電開始・終了を
外部スイツチなどで制御するものである。ワイヤ通電指
令回路22は、これらの信号を集約し、ワイヤ電源回路部
15への駆動信号Twとして出力する。
第4図は、接触検出回路19の構成の詳細を説明するも
のである。ワイヤ電源回路部15の出力端子電圧Vwは、母
材3とワイヤのコンタクトチップ9間すなわちワイヤエ
クステンション間電圧に、途中のケーブルでの電圧降下
も含めた電圧を検出したことになる。この出力端子は高
い抵抗を介して電圧を印加するプルアップ回路27に接続
している。そのためプルアップ回路の出力電圧a1は、ワ
イヤ加熱用の電圧が印加されていない時で、ワイヤ先端
が母材と接触しているときには0V、ワイヤ6先端が母材
3から離れてアークプラズマ中に浮いているときには通
常はプラズマ電位の−4〜−8Vを、そしてワイヤ先端が
プラズマの外に出ているときにはプルアップ電圧の−12
Vになる。
この比較回路(1)28では、プルアップ回路27の出力
電圧a1がスレッショールド電圧−3.5Vより0V側にあると
き、ワイヤが母材と接触していると判別し、出力a2をH
にする。ワイヤ電流通電時にはプルアップ回路27の出力
電圧b1は−3.5Vよりマイナス側の電圧となり、ワイヤ加
熱部の出力端子電圧Vwが−4Vよりマイナス側になるの
で、a2はLとなり、ワイヤ接触との判定をしない。そこ
でワイヤ電流Iwを検出し、比較回路(2)29で、ワイヤ
電流が30A以上のとき出力a3をLにして、この時もワイ
ヤ6が接触していると判定する。実際には信号延長回路
30でHに反転しかつ信号の終了時間を0.3ms延長した出
力信号a4にしている。この0.3msの間に、ワイヤ電流は0
Aになり、この後は比較回路(1)28の出力信号a2でワ
イヤ接触状態を判定する。ワイヤ6が接触を開始してか
らワイヤ通電を始める時に、ワイヤ電流Iwが30A以下で
出力端子電圧Vwが−3.5V以上になる場合、例えばワイヤ
加熱電流の流れるケーブルが相当に長くて電圧降下が無
視できなくなるときなど、がある。この場合にはワイヤ
が接触しているにもかかわらず、分離と判定されてしま
う。
この対策として、出力信号a2がLからHになるときに
パルス形成回路31で出力a5を10μs間Hにし、弁別・延
長回路32でa4がLでa5がHのとき出力a6を0.3ms間Hと
する。なおワイヤ通電停止のときには、通常はa2がLか
らHになり出力a5でやはりパルスを出力するが、信号延
長回路30の働きでa4が未だHになっているので、出力a5
はLのままになる。このようにして形成される出力信号
a2,a4,a6をNOR回路33で集約して、その出力TuがLの
時、ワイヤが母材に接触していると判定する。
第5図は、ワイヤ通電許可期間信号形成回路21の内部
構成を示すブロツク図である。接触検出信号Tuはワイヤ
が母材と接触しているときにL、分離しているときには
Hになっている。時間比例信号回路(1)34は、接触検
出信号Tuを入力とし、その出力信号b1はTuがHのときに
は0V、Lになると経過時間に比例して電圧が高くなる。
信号遅延回路(1)35は、接触検出信号Tuを入力と
し、その出力信号b2はTuがHのとき及びLになって一定
期間(本実施例では1ms)経過前まではH、その後はL
となる。そして時間比例信号回路(2)36は、信号遅延
回路(1)35の出力信号b2を入力とし、出力信号b2がH
のときには0V、Lになると経過時間に比例して電圧が高
くなる出力信号b3を形成する。尚、この電圧が上昇する
勾配は、時間比例信号回路(1)34と同等かそれより緩
やかにしている。次にサンプル期間信号回路37の出力b4
は常時はHで、ワイヤ6が母材3から分離すなわち入力
信号TuがLからHになった時から一定期間(本実施例で
は0.1ms)のみLとなる。サンプルホールド回路37はこ
の様にして、ワイヤが母材から分離すなわち信号TuがL
からHになった時から一定時間(本実施例では0.1ms)
のあいだ時間比例信号回路(2)36の出力b3をサンプル
し、その後ホールドして、毎回の接触時間に対応した電
圧b5を出力する、平均化時間回路38の出力信号b7はサン
プル期間信号b4がLからHになる時から一定期間(本実
施例では0.3ms)の間はL、その他の期間はHとなる。
平均化補正回路39は、その詳細を第6図に示すよう
に、抵抗RとコンデンサC及びアナログスイツチSa及び
増幅器Amからなる充放電回路で、平均化時間回路38の出
力b6がLの期間はアナログスイツチSaがオンとなり、サ
ンプルホールド回路37の出力電圧b5を抵抗Rを介してコ
ンデンサCに接続するように構成されている。この様に
して、毎回の接触時間を取り入れながら、そしてこれま
での接触時間の平均を修正しつつ求めた接触時間の平均
に対応した電圧b7を出力する。通電許可信号回路40で
は、時間比例信号回路(1)34の出力電圧b1と平均化補
正回路39の出力電圧b6と比較し、b1>b6となっている時
のみ出力TpをHにして、その間ワイヤ通電を許可する。
ワイヤ通電許可期間信号形成回路21はこの様な回路から
構成されており、ワイヤ通電が終了してからワイヤ6が
母材3から分離するように機能する。接触時間と通電許
可期間との差は、信号遅延回路(1)35での遅延時間と
時間比例信号回路(1)36と時間比例信号回路(2)36
の勾配の設定で調整し、毎回測定した接触時間の平均の
重みづけは平均化時間b7で調整している。
本発明によるホットワイヤTIG溶接装置18はこの様に
構成されているので、ワイヤ先端が母材3から分離する
前にワイヤ通電を休止し、ワイヤ通電休止中にワイヤ6
先端を母材3から分離させることができ、スパッタを発
生することがほとんど無くなった。
第1図の実施例によるホットワイヤTIG溶接装置18
は、アーク電源回路部14とワイヤ電源回路部17が別々の
2電源を一体化した電源であった。第7図は、本発明の
他の実施例を示すもので、1つのTIGアーク電源41の出
力を分流してワイヤ加熱電源にしている。すなわち、通
常の垂下特性のTIGアーク電源のマイナス出力端子はタ
ングステン電極2と大電流をスイッチングするトランジ
スタ42を介してワイヤに通電するコンタクトチップ9に
接続され、プラス出力端子は母材2に接続する。制御回
路43は原理的には第3図の回路とほぼ同様に機能するも
ので、接触信号Tuをもとにトランジスタ42をON−OFFす
る。
第8図はこの装置における電流波形である。ワイヤ6
が母材3に接触したことを検出すると、トランジスタ42
をONする。すると電源41の電流はワイヤ6でいわば短絡
され、ほとんどがワイヤ6に流れ、アーク5は消滅す
る。このようにしてワイヤが加熱され適当時間経過後に
トランジスタ42をOFFしてワイヤ通電を休止すると、ア
ークが再生して電源41の電流はアークに流れる。ワイヤ
通電休止後にワイヤ6が母材3から分離する。この間、
母材3と接触して母材電位になっているワイヤ6とタン
グステン電極2間にアークが発生することも生じるが、
その期間1ms程度のように短いので、溶接作業の妨げに
はならない。また、本実施例によっても、スパツタが発
生することがほとんど無い。第1図の2電源方式に比べ
て電源は廉価に構成できるが、垂下特性の電源を用いて
いるのでワイヤ電流はアーク電流とほぼ同じとなり、こ
のためワイヤ溶融速度が20g/分程度(軟鋼の場合)まで
の用途に使用している。
〔発明の効果〕
本発明により、添加ワイヤをタングステン電極に極め
て接近させて、溶融池に挿入出来るようになったので、
添加ワイヤをシールドノズル内から送給出来るようにな
り、ホットワイヤTIG溶接用のトーチが小形に構成でき
るようになった。
また、従来法に比較しワイヤ先端の挿入位置をアーク
の中心軸にかなり近づけられるようになった為、溶接進
行方向とワイヤの挿入方向との位置関係の影響が少なく
なり、ワイヤ挿入方向との関係を殆ど気にしないで、溶
接トーチを自在に操作出来るようになった。
又、本溶接法自体は、アーク通電中にはワイヤ通電し
ないので、ホットワイヤTIG溶接の場合にも、溶接作業
性を悪化するとして問題になっているアークの磁気吹き
を生じない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例によるTIG溶接装置の概略構
成図、第2図は、その出力電流波形図、第3図から第6
図までは、第1図の実施例の装置の制御回路を説明する
図、第7図は、本発明の他の実施例によるTIG溶接装置
の概略構成図、第8図は、その出力電流波形図、第9図
は、従来技術のTIG溶接装置の概略構成図、第10図は、
従来技術のTIGトーチの説明図、第11図は、従来技術に
よる出力電流波形図である。 1……TIGトーチ、2……タングステン電極、3……母
材、5……アーク、6……添加ワイヤ、14……アーク電
源回路部、15……ワイヤ電源回路部、16……ワイヤ送給
制御回路、17……制御回路部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 雅弘 神奈川県横浜市磯子区磯子1丁目2番10 号 バブコツク日立株式会社横浜工場内 (56)参考文献 特開 昭58−3784(JP,A) 特開 昭63−144872(JP,A) 特開 昭63−13672(JP,A) 特開 昭63−180376(JP,A) 実開 昭60−166469(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/167,9/095,9/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TIGアーク用電源、TIGアーク用トーチ、添
    加ワイヤ送給装置及びワイヤ加熱電源を備え、 5Hz以上の周期でワイヤ先端が母材と接触・分離を繰り
    返すようにし、 ワイヤ先端が母材と接触してからワイヤ通電を開始し、 ワイヤ先端が母材から分離する前にワイヤ通電を休止す
    る ようにしたホットワイヤTIG溶接方法。
  2. 【請求項2】TIGアーク用電源、TIGアーク用トーチ、添
    加ワイヤ送給装置及びワイヤ加熱電源を備えたホットワ
    イヤTIG溶接装置に於いて、 ワイヤに通電して加熱溶融し、ワイヤの先端が溶融池と
    周期的に接触・分離を繰り返すようにする手段と、 ワイヤ端子電圧、ワイヤ電流波形からワイヤ先端が母材
    と接触しているか否かを検出する手段と、 ワイヤと母材が接触している期間を計測する計時手段
    と、 接触時間を繰り返して測定した結果に基づいて、次の接
    触期間中にその接触期間より少し短いワイヤ通電期間と
    なるようにワイヤ通電期間を定めるワイヤ通電許可期間
    設定手段と、 前記ワイヤ通電許可期間設定手段からの出力信号を受け
    て、出力制御手段に制御信号を出力する制御信号出力手
    段 とを備えた事を特徴とするホットワイヤTIG溶接装置。
  3. 【請求項3】アーク通電はワイヤが母材から離れた期間
    中にのみ可能とし、ワイヤが母材に接触している期間中
    はアーク通電を休止するアーク電流出力制御回路を設け
    た事を特徴とする請求項(2)記載のホットワイヤTIG
    溶接装置。
  4. 【請求項4】アーク通電はワイヤ通電を休止している期
    間中のみ行うように動作するアーク電流出力制御回路を
    設けた事を特徴とする請求項(2)記載のホットワイヤ
    TIG溶接装置。
  5. 【請求項5】ワイヤが母材に接触しているときには、60
    A以下の低いアーク電流とし、ワイヤが母材から離れて
    いるときには高いアーク電流とするアーク電流制御装置
    を備えたことを特徴とする請求項(2)記載のホットワ
    イヤTIG溶接装置。
  6. 【請求項6】ワイヤ加熱電流を非通電状態にしておいた
    ときのワイヤ電圧が−2Vないし0Vになる事からワイヤが
    母材に接触開始したことを検知する手段と、 ワイヤが母材に接触開始したことを検知してから0ない
    し1msの間にワイヤ通電を開始する手段と、 所定の通電期間経過後にワイヤ電流の通電を停止する手
    段と、 該所定の通電期間経過前にワイヤ電流が急減し始めると
    直ちにワイヤ電流の通電を停止する手段と、 ワイヤ電流が通電中はワイヤが母材と接触していると判
    断する手段と、 ワイヤ通電停止後にワイヤ電圧が−2V以上になったこと
    からワイヤが母材から分離したことを検知する手段 とを備えたことを特徴とするワイヤと母材との接触検出
    器。
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