JP2856835B2 - 漆器素地 - Google Patents

漆器素地

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JP2856835B2
JP2856835B2 JP10742190A JP10742190A JP2856835B2 JP 2856835 B2 JP2856835 B2 JP 2856835B2 JP 10742190 A JP10742190 A JP 10742190A JP 10742190 A JP10742190 A JP 10742190A JP 2856835 B2 JP2856835 B2 JP 2856835B2
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数男 藤井
寛 小笹
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塗装性ならびに成形性の良好な漆器素地に関
する。
〔従来技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来から、台所から食卓用品として盆,椀,膳,重
箱,茶びつなどの漆器類は、その素地として木質材料が
使用されてきたが、近年、量産性や価格面などで、フエ
ノール樹脂やメラミン樹脂,尿素樹脂などの熱硬化性樹
脂が、木材に替って使用されるようになった。これらの
熱硬化性樹脂は、漆との密着性の良好な官能基としてア
ミノ基や水酸基を有しているため、良好な塗装性を有し
ており、容易に厚塗が可能となり、且つ塗装面も均一に
なる利点を有している。しかしながら、これら熱硬化性
樹脂のうち、フェノール樹脂やメラミン樹脂には、衝撃
強度などの機械的強度が一般に弱く、量産性にも難点が
あった。また、尿素樹脂には、取扱いの際、ホルムアル
デヒドの発生にもとづく保健衛生上の問題があるほか、
破損や変形を起し易い欠点があった。
そこで、衝撃強度等の機械的強度の大きい樹脂である
熱可塑性の樹脂を使用することが考えられ、なかでも比
較的安価で、機械的強度の大きいプロピレン系樹脂を使
用することが考えられるが、プロピレン系樹脂は極性に
乏しく漆の密着性が極めて悪く、ほとんど漆器素地とし
て使用に耐えないものであった。
以上から、塗装性や成形性が良好で、量産性もある合
成樹脂製の漆器素地を開発することが、大きな課題であ
った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、以上のような現状に鑑み、籾殻を漆器
素地異の充填材として使用する技術を確立するために永
年に渡って鋭意研究を重ねてきた。その結果、プロピレ
ン系樹脂に籾殻、酸化マグネシウム及び不飽和カルボン
酸又はその無水物とプロピレン系樹脂との反応物を配合
することにより、従来における漆器素地としての各種材
料の欠点を改善し、塗装性ならびに成形性が良好で、量
産性があり、かつ価格も低廉で、漆器素地として充分な
諸物性が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
即ち、本発明は、(a)プロピレン系樹脂,(b)籾
殻,(c)酸化マグネシウム及び(d)不飽和カルボン
酸又はその無水物とプロピレン系樹脂との反応物よりな
る漆器素地である。
尚、本発明における漆器素地とは、漆又は漆に代替す
る塗料の塗布によって漆器として用いられる器具,器
物,道具等をいう。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂としては、公知
の樹脂が何ら制限されず使用し得る。ここでプロピレン
系樹脂とは、プロピレンの単独重合体及びプロピレンと
エチレン,ブテン等の他のα−オレフインとの共重合体
を含む総称である。現在市販されているプロピレン系樹
脂はそのメルトフローレイトが0.1〜50g/10分である
が、本発明にあっては、これらのプロピレン系樹脂を特
に制限なく使用できる。
次に、本発明で用いる籾殻は粉砕して得られる籾殻類
が好ましいが、それらに限定されることなく、要するに
樹脂用充填材として成形加工時に問題の出ない程に小さ
い粒径であれば実質上有効に使用し得る。通常は100μ
以下の細粉である籾殻を用いることが好ましい。籾殻の
配合量は、プロピレン系樹脂及び籾殻の合計を100重量
部としたとき10〜80重量部、好ましくは30〜70重量部で
あることが、漆器素材として良好な物性が得られるため
に好適である。
酸化マグネシウムは、品質を問わず各種のものが使用
できるが、作業性,均一分散性の点より粒径は0.1〜10
μ,好ましくは1〜5μのものが好適である。酸化マグ
ネシウムの配合量は、成形の容易さ及び漆器素地の外観
を良好にするためには籾殻100重量部に対して5〜50重
量部、好ましくは10〜40重量部であることが好ましい。
本発明の漆器素地は、前記した3成分に、さらに、不
飽和カルボン酸又はその無水物とプロピレン系樹脂との
反応物を添加することによって、漆器素地としてより優
れた塗装性,成形品外観,成形性及び物性が得られる。
上記の不飽和カルボン酸又は無水物と熱可塑性樹脂と
の反応物は籾殻とプロピレン系樹脂ならびに塗料との接
着性を高め、耐衝撃性等の物性及び塗料との密着性を向
上させる。不飽和カルボン酸又はその無水物とプロピレ
ン系樹脂との反応物は、一般にはプロピレン系樹脂と不
飽和カルボン酸又はその無水物とのグラフト共重合体と
なっている。
不飽和カルボン酸又はその無水物を具体的に例示すれ
ば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,イタコン
酸,無水マレイン酸,無水イタコン酸等が好適に使用さ
れる。このような不飽和カルボン酸又はその無水物が、
不飽和カルボン酸又はその無水物とプロピレン系樹脂と
の反応物中に0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量
%の範囲で結合したものが本発明で好適に使用される。
このような不飽和カルボン酸又はその無水物とプロピ
レン系樹脂との反応物の使用量は、前記した原料(a)
(b)及び(c)の合計量100重量部に対して3〜20重
量部の範囲であることが好ましい。
本発明の漆器素地には、必要により有機過酸化物を配
合することにより、籾殻を充填することによって低下す
る流動性を向上させ、成形性,成形品外観を向上させる
ことができる。有機過酸化物は特に限定されず公知のも
のが使用出来るが、一般にはハイドロパーオキサイド
類,ジアルキルパーオキサイド類,ジアシルパーオキサ
イド類,ケトンパーオキサイド類,アルキルパーエステ
ル類,パーオキシジカーボネート類等が1種もしくは2
種以上混合して使用される。有機過酸化物の使用量は、
前記した原料(a)(b)及び(c)の合計量100重量
部に対して0.005〜0.1重量部の範囲であることが好まし
い。
本発明の漆器素地には、上記成分の他に必要に応じて
滑剤,核剤,無機充填剤,籾殻以外の有機充填材,帯電
防止剤,着色剤,難燃剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,
可塑剤等の補助的添加剤を加えることができる。
本発明に於ける前記各成分の混合は特に制限されるも
のではなく、公知の混合装置をそのまま採用して実施す
ることが出来る。例えば、目的に応じた混合比率で高速
混合機、タンブラー,リボンミキサー等公知の混合機を
用いて混合すればよい。また上記混合において各成分の
混合添加順序は特に制限されるものではなく必要に応じ
て同時又は適宜順次混合すればよい。
本発明の漆器素地の射出成形機,圧縮成形機等の成形
加工機により種々の形状のものを得ることが出来る。
このようにして得られた漆器素地は、漆又は漆に代替
する塗料、例えば、アクリル系塗料やウレタン系塗料が
塗布されて漆器となる。
〔効果〕
本発明の漆器素地は、成形時のガス発生が抑制される
ために臭気がなく、しかも成形性,成形品の外観及び塗
装性が極めて良好である。
さらに、本発明の漆器素地は、従来のフエノール樹脂
やメラミン樹脂に比べて耐衝撃性が高い。
また、本発明の漆器素地の成形においては、成形機や
金型等の腐食が防止される。従って、成形機や金型を耐
腐食性の高い特殊鋼で製作したり、防食メツキ加工した
りすることは不要である。本発明は、このような効果も
併せて有する。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的に説明するため実施例を示すが
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例における原料は下記のとおりである。
1)プロピレン系樹脂 メルトフローレートが23g/10分のプロピレン−エチレ
ンブロツク共重合体(商品名:徳山ポリプロPN670)を
用いた。
2)籾殻(島田商会:商品名ゴールデンパウダー 120S
120メツシユ全通) 3)塩基性充填材 酸化マグネシウム(宇部化学(株)製 活性酸化マグ
ネシウム・パウダーU−180−P 平均粒径 2.8μm)
酸化カルシウム(白石カルシウム(株)製Bell−C.M.L
(E)平均粒径 4.0μm)炭酸カルシウム(白石工業
(株)製 ホワイトンP−30 平均粒径 3.0μm)水
酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製試薬 平均粒径
5.0μm) 4)有機過酸化物 1,3−ビス(ターシヤリーブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン 実施例の結果は以下の方法で測定あるいは評価した。
1)塗装性 射出成形機(日本製鋼製 130z)を用いて、原料混合
物を成形温度180℃、成形時間18秒にて肉厚3mm,縦127m
m,横127mmの板状物に成形した。得られた板状物にアン
ダーコート材として、(株)アサヒペン製のオレフイツ
クスP4700を塗布し、仕上げに(株)アサヒペン製のオ
レフイツクスP6001の黒を塗った。塗装面は1mmの碁盤目
模様に切込み、その上にセロテープを貼り、セロテープ
剥離にともない、塗膜が剥離するか否かを見て、密着強
度を判定し、以下の基準で評価した。
2)成形品外観 塗装性の測定において、整形した板状物の外観を目視
にて判断し、以下の基準で評価した。
3)成形品臭気 塗装性の測定において成形した板状物の臭気の有無を
判断し、以下の基準で評価した。
4)錆発生シヨツト数 塗装性の測定における成形と同様にして板状物を成形
し、金型表面及び突出しピンへの錆の発生するシヨツト
数を目視にて判断した。
5)密度 JIS K7112に準拠 6)メルトフローレート JIS K6758(230℃)に準拠 7)アイゾツト衝撃強度 JIS K7110に準拠(ノツチ
付) 実施例及び比較例 プロピレン系樹脂,籾殻,塩基性充填剤,マレイン酸
グラフトポリプロピレン樹脂,有機過酸化物を第1表に
示す混合割合(いずれも重量部)で、高速混合機(川田
製作所製 SMG−100)にて1分間混和し、池貝鉄工所製
二軸押出機(ウインザー池貝 RC−100ベント式)を用
いてあらかじめペレツト化した。該ペレツトを用い、射
出成形して得た成形品の塗装性,成形品外観,成形品臭
気,射出成形により行った金型腐食テスト結果及びテス
トピース金型を用い、射出成形して得られた成形品の諸
物性を測定した結果を第1表に示した。
また、比較のためフエノール樹脂とメラミン樹脂につ
いてプレス成形により実施例と同様の大きさの成形品を
作製し、その諸物性を測定した。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 3/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)プロピレン系樹脂,(B)籾殻,
    (c)酸化マグネシウム及び(d)不飽和カルボン酸又
    はその無水物とプロピレン系樹脂との反応物よりなる漆
    器素地。
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