JP2855588B2 - 動力伝達装置及びカメラ - Google Patents

動力伝達装置及びカメラ

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JP2855588B2
JP2855588B2 JP4087391A JP4087391A JP2855588B2 JP 2855588 B2 JP2855588 B2 JP 2855588B2 JP 4087391 A JP4087391 A JP 4087391A JP 4087391 A JP4087391 A JP 4087391A JP 2855588 B2 JP2855588 B2 JP 2855588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、駆動力を伝達する動
力伝達装置及びカメラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な遊星ギア機構は図20に
示す様に、ある動力で回転する太陽ギア101と、その
太陽ギア101と同じ軸108を中心に該太陽ギア10
1とは無関係に回転するア−ム102、そのア−ム10
2に軸107によって取付けられ、ア−ム102に対し
てスプリング106などによって回転に対して抵抗を受
けて回転し、かつ太陽ギア101に噛み合う様になって
いる遊星ギア103とから成っている。
【0003】これによって遊星ギア103は太陽ギア1
01を中心に回転(公転)し、かつ遊星ギア103は自
身でも回転(自転)することができる。
【0004】 この遊星ギア機構は、カメラなどにおい
ては一般的にはフィルムの巻上げ、巻戻しの動力を伝え
る切換え機構として用いられる。この際、遊星ギア10
3の公転範囲は図33に示す様に360度公転するので
はなく、例えば巻上げ系に動力を伝達するギア104と
巻戻し系に動力を伝達するギア105の2つのギアによ
ってその公転範囲を規制される。但し、実際にはギアど
うしの喰い込みが発生する恐れがあるので、遊星ギア1
03の軸107を突き当て部109,110に当てるこ
とによって遊星ギア103の公転規制を行っている。こ
れによって、太陽ギア101が左回転すれば遊星ギア1
03はギア105と噛み合い、ギア105を実線の矢印
で示す様に左回転させ、逆に太陽ギア101が右回転す
れば、破線の矢印にて示す様にギア104を右回転させ
る。これによって発生する状態を以下に挙げる。
【0005】1)動力をどちらのギア104,105に
切り換えるかは、太陽ギア101の左右回転のみで決ま
る。
【0006】2)動力を伝達されるギア104,105
の回転方向は、それぞれ一方向のみである。つまり、力
としては2系統である。
【0007】 3)動力伝達中、又はギアバックラッシ
ュが無い状態で歯や歯面に発生するテンションが伝達方
向に生じているときには、突き当て部109は軸107
より力F−109を受けている。逆の場合は突き当て部
110が力F−110を受ける。
【0008】 4)図21の状態の様にギア105に動
力伝達中の状態からギア104に遊星ギア103を切り
換える場合には、太陽ギア101の右回転が開始された
直後はバックラッシュが無い状態で歯や歯面に発生する
テンションが取れ力F−109が無くなるまでは遊星ギ
ア103は自転(左回転)のみを行い、後に公転を始め
る。上記2)のように力として2系統である理由は、 a)従来の遊星ギア機構は図21の様に遊星ギア103
の公転範囲をギア104,105が規制している形を取
っているので、遊星ギア103はギア104,105以
外と噛み合わせることはできない。
【0009】b)各ギア104,105の回転方向は、
一方向が動力伝達方向で、他方向が遊星ギアの切り換え
方向であるため、1つのギアでは一方向の力のみ伝えら
れる。
【0010】以上の理由で、力の伝達数としては2系統
になっている。
【0011】これに対し、2系統より多くの力の伝達数
を取るためには、図22の様な遊星ギア機構が考えられ
る。この機構は複数個のギア111a〜111dを円周
上に配置していて(この例では4個としている)、且つ
遊星ギア103の公転を妨げない様に、太陽ギア10
1,遊星ギア103と同一直線の位置関係になってい
る。各ギア111a〜111dそれぞれには遊星ギア1
03の左方向の公転を防止するストッパ112a〜11
2dが進退可能に配置されており、これにより太陽ギア
101の右回転で遊星ギア103が噛み合うギア111
a〜111dを選択し、太陽ギア101の左回転で前記
ストッパ112a〜112dと軸107が突き当たり、
各ギア111a〜111dに力を伝達する。但し、これ
は上記a)の問題を解決しただけで、b)の問題はその
ままである。つまり、ギア111a〜111dの力の伝
達方向が図22の様に一方向のみであり、逆回転には力
を伝えられないことである。
【0012】上記図22の様にギア111a〜111d
を4個使用し、その先のギア列が4本あっても、伝えら
れる力が一方向のみであるので、左右両回転を必要とす
る機構に対しては用いにくい問題があった。そのため、
1本のギア列で左右両回転の力を伝達できるような遊星
ギア機構があれば、1つの動力から太陽ギアを回転さ
せ、複数個のギア列に動力を選択的に左右回転で伝達で
きるようになる。
【0013】その基本的な考えのモデル図を図23に示
す。
【0014】この図は遊星ギア103の公転をストッパ
113a〜113dと114a〜114dで止めること
により、公転の左右両回転を止められるようにし、ギア
111a〜111dに対して、どちらの回転方向にも動
力を伝達できるようにしたものである。
【0015】図23の状態は、太陽ギア101の左回転
の駆動力がギア111aに伝達されている状態を示して
いる。しかし、この状態では、他のギア111b〜11
1dは遊星ギア103とは噛み合っていないため、これ
らのギアの回転を規制するものはない。このため、ギア
111b〜111dの内の例えばギア111cの動力伝
達先の機構が不用意に外力を受けてしまいそうなもの、
例えばカメラにおける焦点距離可変機構であった場合に
は、カメラ外部よりこの機構に何らかの外力が加わるこ
とにより、該機構は勝手に動いてしまう不都合があっ
た。勿論、ギア111aの動力伝達先の機構が不用意に
外力を受けてしまいそうなものであった場合には、動力
伝達終了後に遊星ギア103が他の位置に公転してしま
うと、同様の問題を生じることになる。
【0016】上記のことを解決するには、動力伝達終了
後には、不用意に外力を受けてしまいそうな機構につな
がるギアに、選択的に遊星ギア103を噛み合わせ、こ
の状態を保持するようにする事が考えられる。しかしな
がら、前記選択的に遊星ギア103を噛み合わせる際に
は以下の様な問題を有していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】 図23において、ス
トッパ113a〜113d,114a〜114dは前述
したように遊星ギア103の公転をロックするもので、
遊星ギア103や軸107に対して進退可能な構成とな
っている。ここで、各ストッパ113a〜113d,1
14a〜114dが退避状態にあり、遊星ギア103が
公転可能な場合に、例えば図23の様に遊星ギア103
とギア111aを噛み合わせた状態で遊星ギア103の
公転を停止させて、ギア111aにつながる機構の空転
防止を行う場合を考える。
【0018】 この際、遊星ギア103がギア111a
と確実に噛み合わない状態で公転を停止してしまう場合
も考えられる。この様に遊星ギア103がギア111a
と確実に噛み合っていない、或いは外れているにもかか
わらず噛み合っているものとしてそのまま遊星ギア10
3からギア111aへ噛み合う方向とは逆方向の駆動力
伝達を開始しようとした場合、もはや遊星ギア103が
ギア111aと噛み合う方向には公転しないので、正常
にギア111aへ駆動力が伝達できないといった不都合
が生じる。
【0019】
【0020】
【0021】 本発明は、以上の事情に鑑みなされたも
ので、確実に動力伝達動作を行うことのできる動力伝達
装置及びカメラを提供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、請求項1記載の本発明は、回転により駆動力を伝
達する第1の回転部と、前記第1の回転部の回転に連動
して自転及び該第1の回転部の回りを公転する第2の回
転部と、前記第2の回転部が公転することにより係合し
て前記第1の回転部からの駆動力が伝達される動力伝達
部と、前記第2の回転部が公転して前記動力伝達部に動
力を伝達する位置に至ることにより該第2の回転部が公
転してきた方向とは逆方向の公転を規制する規制手段
と、前記第1の回転部を第1の方向に回転させて前記第
2の回転部を公転させ、該第2の回転部が前記規制手段
に規制される公転位置に至ったことを予測して前記第1
の回転部の前記第1の方向の回転を停止させた後、該停
止した状態から前記動力伝達部へ前記第1の回転部の前
記第1の方向とは異なる第2の方向の回転の駆動力の伝
達を開始する際に、前記第1の回転部を前記第1の方向
に回転させた後前記第2の方向に回転させ、前記第1の
回転部の前記第2の方向の回転駆動力を前記動力伝達
部に伝達させる制御手段とを有する動力伝達装置とする
ものである。また、請求項2記載の本発明は、回転によ
り駆動力を伝達する第1の回転部と、前記第1の回転部
の回転に連動して自転及び該第1の回転部の回りを公転
する第2の回転部と、前記第2の回転部が公転すること
により係合して前記第1の回転部からの駆動力が伝達さ
れる動力伝達部と、前記第2の回転部が公転して前記動
力伝達部に動力を伝達する位置に至ることにより該第2
の回転部が公転してきた方向とは逆方向の公転を規制す
る規制手段と、前記第1の回転部を第1の方向に回転さ
せて前記第2の回転部を公転させ、該第2の回転部が前
記規制手段に規制される公転位置に至ったことを予測し
て前記第1の回転部の前記第1の方向の回転を停止させ
た後、該停止した状態から前記動力伝達部へ前記第1の
回転部の前記第1の方向とは異なる第2の方向の回転の
駆動力の伝達を開始する際に、前記第1の回転部を前記
第1の方向に回転させた後前記第2の方向に回転させ、
前記第1の回転部の前記第2の方向の回転の駆動力を前
記動力伝達部に伝達させる制御手段とを有するカメラと
するものである。
【0023】
【0024】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0025】図16は本発明の一実施例の、動力分割装
置を備えたカメラの機械的主要部分のみを示す図であ
る。
【0026】図16において、6は太陽ギア、7は遊星
ギア、9a〜9dは以下に述べる様な動力源となる出力
ギアであり、これらは動力分割装置の一部を成すもので
ある。
【0027】出力ギア9aは、レンズ筒316,カムリ
ング315等のレンズ駆動機構を保持している鏡筒31
4の繰出し,沈胴を行うヘリコイドギア310を図中省
略のギア列310aによって回転させるものである。
【0028】 出力ギア9bは、繰出している鏡筒31
4を本体317に固定させ、沈胴させないようにするバ
ヨネットリング311を図中省略のギア列311aによ
って回転させるものである。
【0029】出力ギア9cは、鏡筒314内のカムリン
グ315を動かしてズ−ムを行うズ−ム駆動ギア312
を図中省略のギア列312aによって回転させるもので
ある。
【0030】 出力ギア9dは、ア−ム309を介して
フィルム給送用遊星ギア304と噛み合っていて、これ
らでフィルム給送用の遊星ギア機構を構成しており、該
出力ギア9d自身が太陽ギアになっている。そして、こ
の出力ギア9dの左或は右回転によりフォ−ク(不図
示)或はスプ−ル305を選択的に回転させることにな
り、フィルムパトロ−ネ313内よりのフィルムFの巻
上げ或はフィルムパトロ−ネ313内ヘの巻戻しが行わ
れる。
【0031】次に、図1乃至図3等を用いて上記の太陽
ギア6,遊星ギア7及び出力ギア9a〜9dを含む動力
分割装置の構成について説明する。なお、これらの図で
は、図面簡略化のため、動力分割に必要な部品(ギア,
スプリング等)のみを示しており、それらを取り付けた
り、位置決めをしたりする地板類は省略してある。
【0032】図1,図3に示される様に遊星ギア7の次
に動力の伝達される出力ギア9a〜9dを円周上に配置
し、遊星ギア7を360度公転できる構成にしている。
なお、本実施例では出力ギアを4個としているが、これ
が4個である必要はなく、2個以上の複数個であればよ
い。
【0033】遊星ギア7は遊星軸8aを中心に回転する
様になっていて、スプリング8bを入れることによって
自転に対しある程度の抵抗を受ける様になっている。上
記遊星軸8aと遊星ギア7は回転ア−ム5に取付けられ
ており、該回転ア−ム5上には太陽ギア6が配置され、
この太陽ギア6は出力軸3の回転によって回転する構成
となっている。
【0034】出力軸3はモ−タ1の動力によって回転す
るが、出力軸3にはある程度の回転力トルクが必要であ
るため、カメラに使用されるモ−タの場合には、減速機
構2を通してその力が出力軸3に伝達される。
【0035】回転ア−ム5と出力軸3は軸受4に回転可
能に固定されていて、回転ア−ム5は軸受4の外側と、
又出力軸3は軸受4の内側で回転摺動する様になってい
る。そしてその軸受4は出力ギア9a〜9dを回転可能
に固定している軸付きの地板(図中省略)にインサ−ト
成形の様な形で一体に成形されている。これによって回
転ア−ム5が太陽ギア6を中心に回転しようとする力
は、遊星ギア7の公転力のみによって発生する。
【0036】 回転ア−ム5には数個の立曲げ部分があ
るが、その中の立曲げ部5aには穴が形成されており、
又回転ア−ム5の上方に配置された回転止めア−ム12
にも穴12bが形成されており、これら穴に挿入される
回転ア−ム用軸13aによって回転止めア−ム12は回
転ア−ム5に対して回転可能に止められている。これに
よって回転止めア−ム12は回転アーム用軸13aを中
心に回転することができ、回転範囲がほぼ水平に近い状
態で回転が行われるのでその先端部12cは上下運動に
近い動きをする。又、回転止めア−ム12には穴12a
が形成されており、この穴12aに前述の遊星軸8aが
貫通した状態になっている(図2の状態)。この状態に
おいて、この穴12aは長穴になっているため、回転止
めア−ム12の上下回転(言い換えると先端部12cの
上下運動)には何ら規制は加えないが、遊星軸8aと一
体となっている回転ア−ム5の水平方向の回転に連動し
て、水平に回転をする。そして、回転ア−ム用軸13a
にはト−ションスプリング13bが通っており、回転止
めア−ム12の先端部12cを上に上げるように付勢し
ている。
【0037】回転止めア−ム12の上方にはパルス板1
4が配置され、そこに形成された穴14bに回転ア−ム
5の立曲げ部5bが貫通かつ固定され、又長穴14aに
は遊星軸8aの切欠き部8dが固定されているため、回
転ア−ム5の水平回転と一体に該パルス板14も水平回
転する。
【0038】パルス板14の上方にはア−ム15が配置
され、ア−ム用軸15bによって回転可能に止められて
いる。又、ア−ム用軸15bは不図示の地板によって固
定されている。このア−ム用軸15bにも上述の回転止
めア−ム12と同様なト−ションバネ15cがかけられ
ており、その付勢方向はア−ム一端部15aが図1,図
2において図中下方に力が向く様になっている。ア−ム
一端部15aには突起15eが固着されていて、パルス
板14に設けられた大穴14cを抜けて回転止めア−ム
12の中心部12dを下に付勢している。
【0039】ア−ム15の他端15dにはプランジャ1
6の可動ヨ−ク16aが配置されており、プランジャ1
6を通電させ可動ヨ−ク16aを図1,図2において図
中下方向に吸引すると、前記突起15eは図中上方に動
く。尚、各ト−ションバネ13b,15cのバネバラン
スの強さは、回転止めア−ム12の上下の動きがア−ム
15の突起15eの動きに連動する様に設定されてい
る。
【0040】ア−ム15の突起15eが回転止めア−ム
12を例えば図1中下方に付勢する際に、その中心を押
す理由と効果を以下に述べる。
【0041】遊星ギア7の公転に連動して水平に回転す
る回転ア−ム5に更に連動して回転する回転止めア−ム
12の水平方向の回転中心は、出力軸3つまりは太陽ギ
ア6の真上(図1において12dの当たり)になる。遊
星ギア7がどの様な位置で公転していても、この回転止
めア−ム12の中心(12d)は回転中心であるため、
回転止めア−ム12が太陽ギア6,遊星ギア7,回転ア
−ム5等に連動してどの様な位置にあっても(例えば図
5〜図9の各(a)等の状態)、同じ条件でそこ(12
d)をア−ム15の突起15eで押すことが可能で、回
転止めア−ム12の先端12cを上下に動かすことがで
きる。このため、遊星ギア7の公転を止めて出力ギア9
a〜9dに動力を伝達するために回転止めア−ム12の
先端12cをクラウンストッパ10の切欠きに入れるた
めの動作は、ア−ム15の突起15eが回転止めア−ム
12の回転状態に関係なくその中心(12d)を付勢す
るだけの簡単な機構でよい。
【0042】出力ギア9a〜9dの真上、つまり回転ア
−ム5と回転止めア−ム12の間にはクラウンストッパ
10と抜けストッパ11が不図示の地板に重なった状態
で固定されている。各ストッパ10,11には切欠きが
設けられ、その切欠きの間に回転止めア−ム12の先端
12cが通り抜けられる様な形状となっている。
【0043】更に、図4(図3の部分拡大図)で表して
いる様に、太陽ギア6を中心としてクラウンストッパ1
0の端面10aと10bによる切欠きの角度Z度,抜け
ストッパ11の端面11aと11bによる切欠きの角度
Y度,そして回転止めア−ム12の先端12cの角度X
度が Z>Y>X の関係になる様に形成されている。これによって抜けス
トッパ11の切欠きは、クラウンストッパ10の切欠き
の「ひさし」の様な状態になっている。そして、この切
欠きは出力ギア9a〜9dの上方に位置している。各ス
トッパ10,11の固定される高さ(図2の上下方向の
高さ)は、以下の2つの状態が可能な様に設定されてい
る。つまり、 1)プランジャ16の吸引に連動して回転止めア−ム1
2の先端12cが上方に動いた時は、該回転止めア−ム
12の先端12cは両ストッパ10,11の切欠きとは
かからない(後述する図6参照)。
【0044】2)プランジャ16が吸引を行っていない
場合は、ア−ム15に設けられた突起15eが回転止め
ア−ム12を下に付勢することによってクラウンストッ
パ10の切欠きの端面10aと10bが回転止めア−ム
の先端12cの高さにくる(図2の状態)。
【0045】 これによって、上記1)の状態(後述す
る図6の状態)では、回転ア−ム5とそれに取付けられ
ている部品(回転止めア−ム12,遊星軸8a、パルス
板14等)と遊星ギア7は一体となって軸受4を中心に
して自由に回転でき、出力軸3,太陽ギア6の回転に伴
って遊星ギア7は自由に公転する。この際、遊星ギア7
は円周上に配置された出力ギア9a〜9dと順次噛み合
いながら公転していく。
【0046】又、上記2)の状態になると、回転止めア
−ム12の水平方向の回転はクラウンストッパ10の端
面10a,10bによって規制されるので回転ア−ム5
もそれと一体となっているために回転することができ
ず、遊星ギア7の公転を止めることになる。この状態は
ちょうど図2,図3,図9に相当する。
【0047】公転が上記の様にして規制された遊星ギア
7はそこの位置、つまり各ストッパ10,11の切欠き
の位置で自転をすることになるが、その時はちょうど遊
星ギア7は出力ギア9a〜9dのうちのいずれか1つと
噛み合っていて、ギアトレインを形成するので、太陽ギ
ア6の回転を伝えることが可能になる。その回転方向は
左右どちらでも出力ギア9a〜9dに伝えることができ
る。
【0048】又、クラウンストッパ10には、立曲げ部
10cが形成されており、この立曲げ部10cによって
遊星ギア7は360度以上自由に公転できなくなり、左
右1回転分の公転のみになる。つまり、プランジャ16
の吸引によって回転止めア−ム12の先端12cがクラ
ウンストッパ10と抜けストッパ11の上方に位置し
(後述する図6の状態)、遊星ギア7が自由に公転可能
な状態であっても、立曲げ部10cが回転止めア−ム1
2の先端12cのストッパになるため、公転が止められ
る。これが、図5又は図7に示される状態である。但
し、この位置では前記立曲げ部10cがストッパとして
働くため、遊星ギア7は自転を始めることになるので、
遊星ギア7がどの出力ギア9a〜9dにも噛み合わない
所に該立曲げ部10cは設けられている。
【0049】遊星ギア7が公転する時には、それに伴っ
て回転ア−ム5と遊星軸8aも太陽ギア6を中心に回転
する。そのため、それらと一体となって回転するパルス
板14は遊星ギア7の公転に連動して回転することにな
る。パルス板14には明,暗のパタ−ンが形成されてお
り、その明,暗信号(パルス)がフォトカプラ17及び
後述するパルス信号検出回路22(図17参照)にて検
出されるようになっている。そして、その明,暗のパタ
−ンは、遊星ギア7が出力ギア9a〜9dと噛み合って
いる時とそうでない時とがこのフォトカプラ17(及び
後述するパルス信号検出回路22)の出力で検出できる
様なパタ−ン形状となっている。
【0050】本実施例では、遊星ギア7と出力ギア9a
〜9dのいずれかが噛み合っている時に明信号がくる様
に明パタ−ン14eが、噛み合っていない時に暗信号が
くる様暗パタ−ン14dが、それぞれ形成されている
(図1参照)。出力ギア9a〜9dは本実施例では4つ
にしているので明パタ−ンも4箇所にある。これによっ
て、遊星ギア7の公転位置はフォトカプラ17(及び後
述するパルス信号検出回路22)の出力で判別可能とな
る。
【0051】次に、上記構成における動力分割装置の動
きについて説明する。
【0052】太陽ギア6の回転方向で、図5(a)に示
すように時計回りを「Rv」、反時計回りを「Fw」と
する。これは、遊星ギア7の公転方向、そして各出力ギ
ア9a〜9d,回転ア−ム5及び回転止めア−ム12の
回転方向、更にはモ−タ1の回転方向と同じである。ま
た、遊星ギア7の公転している領域をX及び〜の数
字で表す。これは回転止めア−ム12の先端12cのク
ラウンストッパ10に対する位置を示すことと同じであ
る。又、Xはいずれの出力ギア9a〜9dとも噛み合わ
ない、「初期位置10d」を含む領域である。
【0053】,,,は遊星ギア7と出力ギア9
a〜9bとが噛み合う領域であり、この領域(位置)は
パルス板14の「明」「暗」パルスの変化量をフォトカ
プラ17の出力より検出することによって後述する制御
回路24(図17参照)により判別される。つまり、遊
星ギア7が→→→…(図5(a)→図6(a)→
図7(a)の順)とRv公転すると、フォトカプラ17
からはパルス板14の明,暗パタ−ンを検出することに
よって、図11の様な明,暗信号が出力され、これによ
って「明」の時は遊星ギア7は,,,の領域に
位置し、いずれかの出力ギア9a〜9bと噛み合ってい
る状態であることが分かり、「暗」の時はX,,,
,の領域に位置し、この際はいずれの出力ギア9a
〜9dとも噛み合っていない状態であることが分かる。
【0054】なお、遊星ギア7は、クラウンストッパ1
0の立曲げ部10cと回転止めア−ム12の先端12c
とが当る為、Xからへの領域、又はからXへの領域
へは公転はできないことは既に述べた通りである。
【0055】遊星ギア7を公転させるため、プランジャ
16に通電し、その後公転させた場合に遊星ギア7が
,,,のいずれかの領域にある時にプランジャ
16の通電を止めると、回転止めア−ム12の先端12
cは抜けストッパ11の上に乗った状態になる(図8の
状態)。
【0056】この状態は、回転ア−ム5,回転止めア−
ム12,遊星ギア7,パルス板14等の軸受4を中心と
して回転する部品に関しては位置として不安定な所にあ
る。つまり、何らかの振動等によって、回転止めア−ム
12の先端12cが抜けストッパ11の上をすべり、
,,,の領域の切欠き部分に落ち込んでしまう
(例えば図9の状態)。すると、もともと噛み合ってい
ないはずの遊星ギア7と出力ギア9a〜9dが振動等に
よって噛み合うことになる。これに対し、Xの領域の、
特に「初期位置10d」の範囲は、プランジャ16への
通電をやめて回転止めア−ム12の先端12cがそこに
入ると、他の,,,の領域のクラウンストッパ
10の切欠きと同様に、立曲げ部10cと端面10eの
間に入り込んで遊星ギア7が公転できなくなる(図7
(a)の状態)。しかも、そこには出力ギア9a〜9d
がないので、モ−タ1が回転しても動力は伝わることが
なく、いわゆる「ニュ−トラル」位置として考えること
ができる。
【0057】この様に遊星ギア7がどの出力ギア9a〜
9dとも噛み合わずに公転せずに自転できる「初期位
置」を設けることによって、本装置を安定的に停止させ
ておくことができる。
【0058】ここで、本実施例における動力分割装置の
基本的な動きは、『太陽ギア6の回りを公転する遊星ギ
ア7が公転しながらその回りを円周上に取り囲んでいる
任意の出力ギア9a〜9dの所で公転をやめ、自転のみ
をして太陽ギア6の動力を出力ギア9a〜9dに伝え
る』というものであるが、その一連の動作の概略を以下
に述べる。
【0059】先ず、プランジャ16への通電がなされる
と、回転止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠
きから外れ、遊星ギア7が自由に公転可能な状態とな
る。次に、モ−タ1を回転させて遊星ギア7を任意の方
向に公転させる。この際、これに伴ってパルス板14も
回転することになり、よって次に該パルス板14の回転
量をフォトカプラ17の出力によって検出、つまりパル
ス板14の回転により生じる明,暗のパルスをカウント
することにより、遊星ギア7がX〜のどこに位置する
かを検知する。そして、動力を伝えたい出力ギア9a〜
9dの所まで遊星ギア7が公転したことを検知したら、
上記のプランジャ16の通電をOFFし、回転止めア−
ム12の先端12cをクラウンストッパ10の切欠きに
入れ、遊星ギア7の公転を規制する。次いで、モ−タ1
の回転を出力ギア9a〜9dに伝えて任意の出力ギア9
a〜9dに動力を伝達する。
【0060】なお、詳細は後述「入りの動作」及び「抜
けの動作」のところで行うが、パルス板14は遊星ギア
7の公転に伴って回転するため、遊星ギア7の公転位置
をフォトカプラ17の出力(明,暗のパルスの変化量)
によって判別しているが、前記「動力を伝えたい出力ギ
ア9a〜9dの所まで遊星ギア7が公転したことを検知
したら、プランジャ16の通電をOFF」する動作部分
においては、遊星ギア7が出力ギア9a〜9dとどの様
に噛み合っているか、又は回転止めア−ム12の先端1
2cがクラウンストッパ10や抜けストッパ11に対し
てどの様な位置にあるかを判別する必要があり、それを
「明」から「暗」のパルスの立下がり、「暗」から
「明」のパルスの立上がりによって判別している。すな
わち、パルス板14とフォトカプラ17とを使うことに
よって、「明」「暗」のパルスの変化量をカウントする
以外に、該パルスの立上がり,立下がりを検出すること
ができ、これによりモ−タ1やプランジャ16の制御を
行い、回転止めア−ム12のクラウンストッパ10の切
欠きへの「入り」や切欠きからの「抜け」の細かな動作
制御を行っている。
【0061】次に、「初期位置出し」について述べる。
【0062】遊星ギア7の公転している位置がX〜の
どこの領域かを知るために、パルス板14とフォトカプ
ラ17を用いているが、その信号は図11の様に明と暗
の2つだけである為、それによって検出できるのは検出
を開始してから遊星ギア7がどれくらい公転したか、つ
まり、何カウント目のパルス信号かという変化量のみで
ある。そのため、本装置が立上がった時点では遊星ギア
7が居た場所(初期状態)を知ることはできない。この
ため『どの様な状態であっても、必ず「初期位置10
d」を割り出す』動作を本装置が立上がった時点で行う
ように制御される。この動作を「初期位置出し」と呼
ぶ。
【0063】動きとしては、プランジャ16を通電し、
遊星ギア7を公転可能とし遊星ギア7を無条件にFw公
転方向へ突き当たるまで、つまりの領域に持ってい
き、その後にパルス変化をカウントしながら「初期位置
10d」までRv公転させ、プランジャ16とモ−タ1
の通電を止め、そこで遊星ギア7を安定的に止めておく
ことである。この状態はXの領域、詳しくはクラウンス
トッパ10の初期位置10dの位置になるので、そこか
らはフォトカプラ17とパルス板14との組み合わせに
よる「明」,「暗」信号によって、遊星ギア7がX〜
の領域のどこに位置するかが検出できる。
【0064】この時に重要な点としては、遊星ギア7の
公転時に左右両公転規制の突き当て部ともなる、クラウ
ンストッパ10の立曲げ部10cと回転止めア−ム12
の先端12cとの位置が、上述の様に、遊星ギア7がど
の出力ギア9a〜9dとも噛み合わない関係になってい
ることである(図5(a)と図7(a)の状態)。
【0065】「初期位置出し」を行う場合は、 ・本装置の立上がり時に遊星ギア7がX〜までのどの
領域に位置するかが判断できない時 ・後述する「動力伝達先の選択ミス」の時、つまり本装
置の後述の制御回路24が記憶しているはずの遊星ギア
7の位置と実際に遊星ギア7のいる位置とに食い違いが
生じた時 等であるので、元々の遊星ギア7の位置がわからないた
めに、その後の遊星ギア7の公転位置を検出するために
パルス板14とフォトカプラ17を用いて相対変化によ
る位置検出を行っても、その位置は何等意味を持たな
い。
【0066】 そのため、「初期位置出し」前半の動作
としては、プランジャ16の通電後はパルス変化を検出
することなく、つまりFw回転させて、遊星ギア7を
の領域(図5(a)の状態)まで、つまりFw公転で突
き当たるまで公転させている。この時のモ−タ1の回転
時間は遊星ギア7が〜Xへ、又はX〜へ一公転する
のに十分なだけの時間(例えば「500msec 」)をとっ
て、ただモ−タ1を無条件にFw回転させて回転止めア
−ム12の先端12cをクラウンストッパ10の立曲げ
部10cに突き当てているだけである。但し、後述する
「抜けの動作」にもあるように、条件によっては遊星ギ
ア7はRv公転を最初に行わないと自由に公転出来ない
ケ−スがあるので、場合によってはまず上記の様な一定
時間モ−タ1をRv回転させて遊星ギア7をXの位置
(図7(a)の状態)までRv公転させた後に、Fw公
転させて遊星ギア7をの領域で突き当てている。
【0067】この状態になれば、遊星ギア7はの領域
に居るものとして考えることができる。この状態以降
は、遊星ギア7の公転位置は従来通りパルス板14とフ
ォトカプラ17とで明暗変化を検出しながら決定してい
く。
【0068】そのため、「初期位置出し」後半の動作と
しては、プランジャ16は前半の状態のまま通電を行
い、モ−タ1はRv回転させ、遊星ギア7をからXの
領域までパルス変化を検出しながら公転させていく。前
半の動作では遊星ギア7は正常にの領域に位置し、且
つ後半の動作では正常にからXの領域まで遊星ギア7
が公転できれば、「暗」から「明」、「明」から「暗」
のパルス変化が各4回検出できる筈である。
【0069】この様に、遊星ギア7の公転の突き当て位
置で、遊星ギア7がどの出力9a〜9dとも噛み合わな
い状態になる様な規制部材(立曲げ部10c)を設け、
そこを公転せずに自転できる中立箇所(ニュ−トラル位
置)としたことによって、遊星ギア7を公転させる時
に、特に公転位置検出ができない場合などはモ−タ1を
一定時間回転させても出力ギア9a〜9dと噛み合うこ
ともなく突き当て位置で自転させることができ、不用意
に動力を伝達する事なく突き当て位置となる中立位置
(ニュ−トラル位置、特にクラウンストッパ10の初期
位置10d)を探すことができる。
【0070】この「初期位置出し」の効果を以下に述べ
る。
【0071】この「初期位置出し」動作には遊星ギア7
が、→→→→→→→→Xへと各領域へ
確実に公転できるかどうかの確認の動作も含まれている
ので、本装置が正常に動くかどうかのチェックの機能を
持っている。つまり、上述の様に遊星ギア7が一公転
(ここではRv公転)できれば、図11の様な「明」か
ら「暗」、「暗」から「明」の各4回のパルス変化を検
出するので、もし、この各4回のパルス変化が検出され
なければ、遊星ギア7が正常に公転できていないことに
なり、動力分割装置の機構不良であることが分かる。
【0072】この様に、遊星ギア7の公転位置検出をパ
ルス信号等の相対変化量で行う様な本装置においては、
「初期位置出し」動作によって、遊星ギア7の公転位置
を割り出す際に、モ−タ1を無条件に一方向に一定時間
通電し、突き当て動作を行った後、次で逆方向に通電し
たときに、規定数のパルス信号が出力されているかを検
出することによって、本装置の作動チェックを同時に行
うことができる。
【0073】また、本装置の立上がり時における「初期
位置出し」動作(遊星ギア7が、X〜の間と各領域へ
確実に公転できるか否かのチェックを兼ねた)以外にも
「初期位置出し」動作を行う場合がある。すなわち、動
力を伝達している機構25a〜25d(図17参照)に
はそれぞれそれらの動きをフィ−ドバックする駆動信号
26a〜25d(図17参照)を発生する回路部が備わ
っているので、・出力ギア9a〜9dが各機構25a〜
25dへ動力を伝達している時に、その駆動信号26a
〜26dが来なかった場合・動力を伝える必要のない機
構25a〜25dから駆動信号26a〜26dがた場合
等の分割先の選択ミスの様な場合においても、「初期位
置出し」を行うことによって、再度選択をやり直すこと
ができる。
【0074】 このように「初期位置出し」の動作が必
要な理由は、前述の様に遊星ギア7の公転位置をフォト
カプラ17とパルス板14との組み合わせによる相対変
化量で検出しているためである。本装置に、遊星ギア7
の公転位置を絶対位置で検出し得る様な機構を持たせれ
ば、上記の「初期位置出し」動作は必要なくなるが、そ
れにより本装置をより複雑に、より大きくしなければな
らなくなる。
【0075】 また、この「初期位置出し」動作後は、
遊星ギア7は確実にXの領域、詳しくはクラウンストッ
パ10の立曲げ部10dの領域に位置するため、そこか
らはフォトカプラ17とパルス板14との組み合わせに
よって、明暗信号を検出しながら遊星ギア7がどの出力
ギア9a〜9dと噛み合っているかを判別させれば、確
実な分割動作が可能となる。そのため、どの出力ギア9
a〜9dと噛み合っているかを明暗信号の相対変化のみ
で判別する本実施例においては、各動力分割動作毎に
「初期位置出し」を行い、確実な動力伝達先の選択動作
を行えば、該装置としての信頼性も向上するが、動力伝
達先を変化させる毎に「初期位置出し」を行っていて
は、その動作自体は実際の動力伝達の行為ではなく切換
え動作であるために、一連の動作としては非常に時間が
かかってしまうことになる。
【0076】このため、出力ギア9a〜9dに連続して
動力を伝達する動きではなく、ある程度時間がかかって
も問題ないような動作の場合には、できるだけ「初期位
置出し」動作を行う様にして、該装置としての信頼性を
上げることができる。
【0077】この様に、相対変化量のみで位置検出を行
う装置で、特に「初期位置出し」動作の設定がされてい
るものにおいて、この「初期位置出し」動作が制御全体
に支障を与えない動作部分においては、動力伝達先の変
更毎に積極的に「初期位置出し」動作を行うことによ
り、装置全体の制御の信頼性を向上させることができ
る。
【0078】次に、上記「動力分割装置の基本的な動
き」で説明した様に、プランジャ16のON,OFFに
よって回転止めア−ム12の先端12cをクラウンスト
ッパ10の切欠きに入れたり、抜いたり(外したり)し
ているが、そのタイミングをとっているパルス板14の
「明」「暗」信号によってモ−タ1やプランジャ16も
細かな動きを行って、この切欠きに入れたり或は抜いた
りする動作の助けをしている。その「抜けの動作」と
「入りの動作」を以下に説明する。
【0079】先ず、「抜けの動作」について説明する。
【0080】 クラウンストッパ10の上には、その形
状とよく似た形の抜けストッパ11がある。これはクラ
ウンストッパ10にならった形状になっているが、前述
の図4において説明した様にその切欠きの角度の大きさ
が、 Z>Y>X になる様に設定されている。これが「抜けの動作」に必
要な条件となる。
【0081】図12の(a)は、図3,図8(a)に示
されている様なL方向から紙面に対して上方向を上とし
て本実施例を見た場合のモデル図である。クラウンスト
ッパ10と抜けストッパ11、そして回転止めア−ム1
2の先端12cの関係を表していて、又回転止めア−ム
12の先端12cがクラウンストッパ10や抜けストッ
パ11の切欠きと噛み合ったり、外れたり時の動きの軌
跡を破線で示している。又、この破線は、回転止めア−
ム12、回転ア−ム5、遊星ギア7等の回転に連動して
回転するパルス板14の明パタ−ン14eや暗パタ−ン
14dをフォトカプラ17が検出する時の信号も同時に
表していて、太破線が「明」信号で遊星ギア7が,
,,のいずれかの領域にあることを、そして細破
線が「暗」信号で遊星ギア7がX,,,,のい
ずれかの領域にあることをそれぞれ示している。また、
図13(a)(b)は上記「抜けの動作」を行う際のモ
−タ1の回転方向、プランジャ16の吸引のタイミン
グ、パルス板14のパタ−ンをフォトカプラ17が検出
した時の「明」「暗」信号の変化を示したタイミングチ
ャ−トであって、前記図12(a)(b)にそれぞれ対
応している。
【0082】図9は遊星ギア7がの領域にあり、出力
ギア9bの「Fw」回転の動力伝達を行っている状態を
示している(図9(b)参照)。この時は遊星ギア7の
「Fw」方向の公転しよとする力は回転止めア−ム12
がクラウンストッパ10の切欠き(端面10a)にかか
っていることで止められている。この状態から出力ギア
9bの動力伝達をやめ、他の出力ギア(9a,9c或は
9d)へ遊星ギア7を公転させようとする場合の作動に
ついて述べると、先ずそのためにはプランジャ16への
通電を開始して回転止めア−ム12の先端12cをクラ
ウンストッパ10の切欠きから外そうとする。しかし、
回転止めア−ム12の先端12cとクラウンストッパ1
0の切欠き(端面10a)の各端面との摩擦によりその
先端12cが上にもち上がらない場合がある。これは、
プランジャ16の吸引後遊星ギア7の「Rv」自転つま
りモ−タ1の「Fw」回転を続けても、又止めても同じ
ことである。
【0083】 つまり、遊星ギア7の「Rv」自転が続
けられていれば、回転止めア−ム12の先端12cとク
ラウンストッパ10の切欠き(端面10a)とは、常に
突当った状態になっているし、遊星ギア7の自転、つま
りモ−タ1の回転を止めても、ギア列のバックラッシュ
が無い状態で歯や歯面に発生するテンションが生じてい
るため、回転止めア−ム12の先端12cはクラウンス
トッパの切欠き部10aに片寄せ付勢されている状態に
なっているからである。
【0084】 従って、プランジャ16の吸引後、一旦
モ−タ1を逆回転「Rv」させてバックラッシュが無い
状態で歯や歯面に発生するテンションを取り除き、回転
止めア−ム12の先端12cとクラウンストッパ10の
切欠き(端面10a)の摩擦をとり、摩擦がなくなった
ら、クラウンストッパ10の切欠き(端面10a)から
外れる様にしなければならない。しかし、その摩擦力も
大小差があり、回転止めア−ム12をもち上げようとす
るト−ションバネ13bの強さも、ア−ム用ト−ション
バネ15cやプランジャ16の吸引力等のバネバランス
により一概には強く設定できない。その対策として抜け
ストッパ11を用いる。つまり、該抜けストッパ11に
より、ア−ム15についている突起15eが上り、回転
止めア−ム12を下に押さなくなっても、切欠き(端面
10a)と先端12cとの接触が完全になくなり、摩擦
がなくなるまで、回転止めア−ム12の先端12cが抜
けストッパ11に引っ掛かる様にしてある(図9
(a),図10(a)(b)参照)。
【0085】以上の動きを図12(a)で説明する。
【0086】 前述の通り、図12は図8(a)のL方
向から見た図である。摩擦等の影響により、遊星ギア7
がRv方向に公転開始して初めて回転止めア−ムの先端
12cがクラウンストッパ10から外れる様にする必要
があり、逆に言換えれば遊星ギア7のRv公転が始まる
までは、絶対にクラウンストッパ10から外れない様に
する必要があり、その役目を抜けストッパ11が果す。
そして、その役目を果すためには、前述した様な角度
(Z>Y>X)の関係が重要となる。但し、図12にお
いては角度は横方向の幅で表している。
【0087】なお、この装置には回転止めア−ム12の
先端12cがクラウウンストッパ10と抜けストッパ1
1から外れたこと、つまり上にもち上がったことを知る
検出装置はついていない。その役目をパルス板14の
「明」「暗」信号が代って行う。
【0088】つまり、図12(a)と図13(a)にお
いて、クラウンストッパ10と回転止めア−ム12が噛
み合っている時、例えば図10では「明」信号(の領
域)が検出されるが、プランジャ16の吸引の後、ある
間隔をおいてモ−タ1のRv回転が行われ、図中の破線
の軌跡通りに抜けストッパ11の端面11aと11bの
間を通って回転止めア−ム12が外れれば、回転ア−ム
5は「Rv」回転をはじめ、その結果、図中201で示
す「暗」信号(の領域にあるという信号)が検出さ
れ、クラウンストッパ10から外れたことが間接的に分
かる。その信号の後に新たに遊星ギア7の公転させる方
向、つまりは次に動力を伝えなければならない出力ギア
9a〜9dの方向にモ−タ1を回転させる。但し、例え
ば図12(b)の様にクラウンストッパ10と回転止め
ア−ム17との摩擦を取除く方向の回転(「Fw」)と
抜けストッパ11から抜けた後に遊星ギア7の公転する
方向(「Fw」)が同じならばモ−タ1は同一方向の回
転なので、一連の動作としてよいのでモ−タ1を止める
必要はない。
【0089】又、図13(a)(b)に表している様
に、プランジャ16の吸引後、ある時間207をおいて
から、モ−タ1の回転を始めているが、この時間が短す
ぎると、プランジャ16の吸引時間の長さによっては、
ア−ム15の突起15eが上がる前に遊星ギア7が公転
を始めてしまうので、回転止めア−ム12の先端12c
が抜けストッパ11の切欠きの端面11aから端面11
bへ移るだけで、クラウンストッパ10から抜けない場
合がでてくる。この分の余裕を考えたのが吸引と回転開
始の207で示したタイムラグである。
【0090】以上が、ある出力ギア(ここでは9b)へ
の動力伝達を終えてから、次の出力ギア9a,9c或は
9d)へ、遊星ギア7が切換わり始めるまでの「抜けの
動作」の説明である。
【0091】 この様に抜けストッパ11をつけること
によって、本装置のバネバランスやプランジャ16の特
性、そしてクラウンストッパ10、回転止めア−ム12
の部品形状による摩擦力の変化やバックラッシュが無い
状態で歯や歯面に発生するテンションの量等を厳重に管
理する必要がなく、動力伝達後の切換えの動作を確実に
行うことが可能となる。
【0092】次に、希望の出力ギア9a〜9dの所で遊
星ギア7の公転を止めて動力を伝達し始める、つまり回
転止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠きに入
る「入りの動作」について、図14,図15により説明
する。尚、図14,図15は前記図12と図13と同様
の関係にある。
【0093】なお、「入りの動作」においては抜けスト
ッパ11自体は必要ではないが、クラウンストッパ10
の上にあっても「入りの動作」の障害にはならない。
【0094】 例えば図9に示す様にの領域に遊星ギ
ア7を止めようとした時に、の領域の方向からFw公
転で遊星ギア7が公転し、プランジャ16の吸引を止め
ることによって、クラウンストッパ10と回転止めア−
ム12でその公転が止められ、出力ギア9bに動力が伝
達される時の状態を図14(a)(b)は表している。
但し、図14(a)と図14(b)との違いは、の領
域にある出力ギア9bをどちらの回転で回すかである。
図14(a)は遊星ギア7を介して出力ギア9bをRv
回転させようとする際のもので、この時は回転止めア−
ム12の先端12cはクラウンストッパ10の切欠き
(端面10b)で止められる。逆に図14(b)は出力
ギア9bをFw回転させようとする際のもので、この時
は切欠き(端面10a)で止められる。この様に「抜け
の動作」同様、この「入りの動作」においてもその入り
方に2通りある。それは以下の理由からである。
【0095】1)遊星ギア7の公転方向とこれから動力
を伝達しようとする出力ギア9a〜9dの回転方向を同
じにしなければならない。
【0096】2)クラウンストッパ10の切欠きに回転
止めア−ム12の先端部12cが入ったかを直接検出す
る装置がない。
【0097】以下、図14(a)及び図15(a)を用
いてこの「入りの動作」について説明する。
【0098】の領域の方向からプランジャ16を吸引
した状態で遊星ギア7をFw公転させると、の領域で
の「暗」信号203からの領域に入り、「明」信号2
08になる。このままプランジャ16の吸引を続け、遊
星ギア7のFw公転を続けると、の領域からも外れ、
の領域を示す「暗」信号202が検出される。その信
号を受け、モ−タ1をRv回転、つまり遊星ギア7のR
v公転を開始する。すると、の領域に入ったことが分
かる「明」信号204が検出されるので、その信号によ
ってプランジャ16の吸引を止める。この時の状態は、
回転止めア−ム12の先端12cが抜けストッパ11に
乗っている(図8の状態)。この際、回転止めア−ム1
2と抜けストッパ11とは面当り(205の場所で)を
して、こすれながら回転することになるが、この摩擦力
が遊星ギア7の公転力よりも大きいと、回転ア−ム5や
回転止めア−ム12等の回転も止ってしまう恐れがあ
る。そのため、プランジャ16の吸引を止めるタイミン
グ、言換えるとパルス板14の明パタ−ン14eの角度
の開き量、即ち,,,の領域の広さを以下の様
に決める必要がある。
【0099】 『図6の様にの領域の端に遊星ギア7
があっても、正規の噛み合い位置やギア間隔ではないが
必ず出力ギア9bとは噛み合っている。』 上の様にし
ておけば、遊星ギア7がの領域にあれば、遊星ギア7
はスプリング8bから生じる公転力ではなく、太陽ギア
6や出力ギア9bとの噛み合いによって「自転」しなが
ら「公転」する。これによって、回転止めア−ム12と
抜けストッパ11との面当りによる摩擦に関係なく遊星
ギア7はRv公転する。すると、回転止めア−ム12の
先端12cは確実に抜けストッパ11の切欠き(端面1
1a,11b)の隙間を通り、クラウンストッパ10の
切欠き(端面10b)に止められる。そして、それによ
って遊星ギア7のRv公転が止められると同時に自転の
みが開始されるので、出力ギア9bはRV回転を始め
る。この様に、「遊星ギア7の公転方向(図14(a)
のRv公転)と出力ギア9の希望の回転方向を同じ」に
しておけば、プランジャ16の吸引停止からクラウンス
トッパ10によって公転が止められ、出力ギア9a〜9
dが回転を始めるまで、全てモ−タ1は同一回転であれ
ばよく、の領域からの領域に移った時の「暗」から
「明」への切換わり信号204を検出しておけば、「ク
ラウンストッパ10の切欠きに回転止めア−ム12の先
端12cが入ったか」を間接的ではあるが確実に検出し
たことになる。
【0100】又、図14(b),図15(b)は遊星ギ
ア7の公転方向と出力ギア9a〜9dの回転方向とが同
じ場合の図であるが、これは上述の伝達先の出力ギア9
a〜9bと噛み合ったことを意味する信号204の
「暗」→「明」信号の状態以降と同じ動きをする。その
時の信号は図14(b),図15(b)においては信号
204´となっている。
【0101】以上が「入りの動作」の説明である。
【0102】この様に「入りの動作」の際には、分割先
の出力ギア9a〜9dの動力伝達(回転)方向と、遊星
ギア7の公転方向を同じにしておけば、モ−タ1の回転
方向を変える必要がないので、出力ギア9a〜9dが逆
回転することがなく、伝達先の機構が逆動作をすること
はない。そして分割先選択を確実に行うことができる。
【0103】図17は、図16に示した、図1乃至図1
5により説明した本実施例装置を備えたカメラの、回路
ブロック及び機械的要部の概略を示すものである。
【0104】 図中、21はプランジャ16のON,O
FFを行うプランジャ駆動回路、22はフォトカプラ1
7の出力パルスを検出するパルス信号検出回路、23は
図1等に示したモ−タ1のON,OFF及びRv,Fw
の回転制御を行うモ−タ駆動回路であり、これらは制御
回路24により制御される。9a〜9dは前出の出力ギ
アであり、これらの動力は図16にて説明した様に各ギ
ア列(図中省略、太線で示す)等によって各機構(鏡筒
駆動系やフィルム給送駆動系)25a〜25dへ伝達さ
れ、その駆動信号26a〜26dは前記制御回路24へ
フィ−ドバックされる。また、27は前述したア−ム1
5,回転止めア−ム12,クラウンストッパ10,抜け
ストッパ11等の遊星ギア公転ロック機構である。
【0105】また、ANDは2入力のアンドゲ−トで、
その入力端子には、ズ−ム用のテレスイッチ(TELE
−SW)及びワイドスイッチ(WIDE−SW)の状態
信号が入力される。FFはRSフリップフロップで、そ
の入力端子(ロ−アクティブ)には、前記アンドゲ−ド
ANDの出力信号及びカメラのレリ−ズスイッチ(レリ
−ズSW)の状態信号が入力される。
【0106】次に、前記制御回路24の本発明に係る部
分の動作説明に入る前に、その概要を以下に述べる。
【0107】遊星ギア7を任意の一つの出力ギア9a〜
9dと噛み合ったままモ−タ1を止めておくことによ
り、それから先のギア列が空転することはなく、動力伝
達先の機構をロックさせることができ、不要な動きを止
められる効果があるが、本実施例ではこの処置の一例と
して、通常撮影時(メインスイッチON時)に行うよう
にしている。つまり、メインスイッチON時には、ズ−
ム駆動ギア312につながる出力ギア9cに遊星ギア7
が噛み合ったままにしておき、ズ−ミング動作はそのま
まモ−タ1の「Fw」「Rw」回転だけを行い、そして
レリ−ズ後フィルム巻上げ時は一旦巻上げ動作の為に遊
星ギア7をフィルム給送駆動系につながる出力ギア9d
と噛み合わせ巻上げを行うが、終了後は再び出力ギア9
cと遊星ギア7を噛み合わせる様にしている。
【0108】この様な動作が必要な理由は、メインスイ
ッチON時において、カメラの各機構部分で不用意に触
ることができるのは、図16において鏡筒314とズ−
ム鏡筒316であり、且つ触って動いてしまうのがズ−
ム鏡筒316であるからである。この状態では鏡筒31
4はバヨネットリング311によって固定されているた
め動かない。
【0109】次に、この様なギアロックにおける実際の
フィルム給送とズ−ム動作使用時のズ−ム駆動ギア31
2のギアロックについて図19を用いて説明する。
【0110】メインスイッチON時には、遊星ギア7は
ズ−ム駆動ギア312につながる出力ギア9cに噛み合
っておくようにしておき、図16に示したズ−ム鏡筒3
16が外からの力によって動かないようにしている。こ
こで、モ−タ1(太陽ギア6)の「Fw」回転がズ−ム
のテレ方向通電又はフィルム巻戻し方向で、「Rv」回
転がワイド方向通電又はフィルム巻上げ方向になってい
るものとする。
【0111】通常は遊星ギア7は出力ギア9cと噛み合
っていて、モ−タ1の回転によってズ−ム動作を行う
が、例えばそのズ−ム駆動方法がテレ側片寄せ通電で制
御するような場合には、ズ−ム動作終了時には、回転止
めア−ム12の先端12cはクラウンストッパ10の切
欠きの「Fw」側、つまり図19に示す端面10a−1
に突き当たって止められている。
【0112】そして、レリ−ズ動作が行われた場合に
は、遊星ギア7は「Rv」公転で分割先選択動作を行い
ながらそのままの公転方向で出力ギア9dに噛み合い、
また回転止めア−ム12はクラウンストッパ10の切欠
き(端面10b−2)に突き当たり、その後遊星ギア7
の「Rv」回転が出力ギア9dに伝わり、フィルム給送
用遊星ギア304を介してフィルム巻上げ動作が行われ
る。
【0113】また、上記のフィルム巻上げ動作終了後
は、遊星ギア7はズ−ム駆動を行う出力ギア9cの空転
を防止するために分割先選択動作を行いながら出力ギア
9cと噛み合い、この噛み合った時点でモ−タ1の回転
は止められる。この時の動きとしては、遊星ギア7が
「Fw」公転しながら出力ギア9cと噛み合い、そして
回転止めア−ム12の先端12cがクラウンストッパ1
0の切欠きの端面10a−1と10b−1の間に入り込
んだ時点で、モ−タ1の回転は止めなければならない。
【0114】しかし、本実施例においては、遊星ギア7
の公転位置の検出とその公転の規制及び解除を行うプラ
ンジャ16のON,OFFのタイミングを取る信号の検
出を共にパルス板14とフォトカプラ17で行っている
ため、「入りの動作」で説明している様に、遊星ギア7
の公転による分割先選択動作とその後の動力伝達先の回
転動作を連続して行わなければならない。
【0115】 すると、遊星ギア7の公転が停止したこ
と、言換えれば回転止めア−ム12の先端12cがクラ
ウンストッパ10の切欠きの端面10a−1と10b
1の間に入り込んだことを予測制御してモ−タ1の回転
を止めなければならない。この場合には、モ−タ1の停
止タイミングによって3つのケ−スがある。
【0116】1)遊星ギア7の公転が止められたと同時
にモ−タ1も停止する。
【0117】2)遊星ギア7の「Fw」公転が止められ
た後もモ−タ1の回転が止まらず、出力ギア9cをテレ
側駆動方向(「Fw」回転)に回転させてしまい、ズ−
ム鏡筒316が動いてしまう。
【0118】3)遊星ギア7の公転が止められる前にモ
−タ1の回転が停止してしまい、回転止めア−ム12の
先端12cが抜けストッパ11に乗った状態(図19の
状態)のままになり、遊星ギア7は公転不能になってし
まう。
【0119】上記の1)の場合には何等支障がないが、
2)の場合にはフィルム巻上げ動作毎にズ−ム鏡筒31
6が動いてしまい、使用上不都合である。このため、出
来るだけ短いタイミングでモ−タ1の回転を止めなけれ
ばならないが、すると上記3)の場合が発生する恐れが
ある。この3)の場合はフィルム給送終了後はカメラと
しては見た目は通常だが、その後ズ−ム動作を行うと、 a)テレ方向駆動の場合は遊星ギア7は回転止めア−ム
12の先端12cがクラウンストッパ10の切欠きに入
るまで「Fw」公転して、その後は通常のテレ側駆動動
作が行える。
【0120】b)ワイド方向駆動動作の場合には、遊星
ギア7は「Rv」公転を行いながら出力ギア9dと噛み
合ってしまい、そのまま出力ギア9dをフィルム巻上げ
方向に回転させてしまう。
【0121】上記のb)の場合は正常な動きではない。
その対策として本実施例では以下の様な制御を行う。
【0122】 つまり、フィルム給送終了後は上記2)
の場合が発生しない様なタイミングでモ−タ1の回転を
停止する代りに、最悪は上記3)の場合になっているも
のとして、ワイド方向駆動の信号が来た場合には、わず
かの時間モ−タ1を「Fw」回転させて遊星ギア7を
「Fw」公転させ、該遊星ギア7が出力ギア9cと噛み
合って回転止めア−ム12の先端12cがクラウンスト
ッパ10の切欠きの端面10a−1と10b−1の間に
入り込み、公転が止められるようにした後、モ−タ1を
ワイド駆動方向の「Rv」回転させるようにする。この
場合、モ−タ1を「Fw」回転させるわずかな時間と
は、図19の状態から回転止めア−ム12の先端12c
がクラウンストッパ10の切欠き(端面10a−1と
0b−1の間に)入るタイミングより長く、遊星ギア7
の公転が自転に変わり、ズ−ム鏡筒であるところのレン
ズ筒316までのギア列のバックラッシュがテレ駆動方
向に片寄せられてレンズ筒316がテレ方向に動き出す
タイミングより短くなければならない。
【0123】この様にズ−ム機構へのギアロックのよう
な場合、つまりレンズ筒316がテレ端とワイド端の例
えばミドル位置にあり、該レンズ筒316をこのズ−ム
位置で動かさないようにギアロックをかける動作を行っ
た場合に、遊星ギア7の公転規制(ギアロック)が正常
に行われていないことを想定して(図19の様に回転止
めア−ム12の先端12cが抜けストッパ11に乗った
状態にあると想定して)、動力伝達開始前に、必ず回転
止めア−ム12がクラウンストッパ10の切欠きに入り
込むような制御を入れることによって、ギアロック機構
の信頼性を向上させることができる。
【0124】また、上記の事を達成する為には、『通常
のレリ−ズ動作後のフィルム巻上げが終了してから動力
分割先がズ−ム機構側、つまり出力ギア9dから9cに
切り換わった後』にワイド方向駆動の信号が来たことを
判別する必要があるが(前の動作が同じズ−ミングの時
は一瞬テレ側に駆動する必要はない)、この前の動作状
態を知らしめる為の回路部分が、図17に示した、アン
ドゲ−トAND及びRSフリップフロップFFである。
【0125】つまり、TELE−SW又はWIDE−S
WがONされ、ズ−ミング動作が行われると、アンドゲ
−トANDの出力は“L”レベルに反転し、RSフリッ
プフロップFFはセットされ、そのQ出力ZMは“H”
レベルにセットされる。又、レリ−ズ動作が行われると
レリ−ズSWがONするので、RSフリップフロップF
Fはセットされ、そのQ出力ZMは“L”レベルにリセ
ットされる。よって、ワイドズ−ミング動作時に出力Z
Mをチェックし、“H”レベルであれば前の動作はズ−
ミング動作であったことになるし、“L”レベルであれ
ば前の動作が通常のレリ−ズ動作であったことが判別で
きる。
【0126】 次に、上述した部分の制御回路24の動
作を図18のフロ−チャ−トにより説明する。このフロ
−へは、図示せぬメインフロ−における「WIDEズ−
ミング」動作部分においてここへジャンプする形で進め
られる。「ステップ221」 モ−タ1の回転方向Mを
「Rv」に設定する。「ステップ222」 前の動作が
ズ−ミング動作であったかレリ−ズ動作であったかを前
述したRSフリップフロップFFの出力ZMより判別す
る。この結果、「ZM=H」つまり前の動作がズ−ミン
グ動作であった場合にはステップ227へ進む。また、
「ZM=L」つまり前の動作がレリ−ズ動作であった場
合には、ステップ223へと進む。「ステップ223」
モ−タ1を「Fw」回転させるため、モ−タ1の回転
方向を「M=Fw」に設定する。「ステップ224」
内部タイマをスタ−トさせる。「ステップ225」 モ
−タ1を「Fw」回転させて遊星ギア7を「Fw」公転
させる。「ステップ226」 前記タイマが一定時間を
計時したか否かを判別し、計時し終えていなければステ
ップ225へ戻る。その後一定時間が経過したこと判別
すると、遊星ギア7が出力ギア9cと噛み合って回転止
めア−ム12の先端12cがクラウンストッパ10の切
欠きの端面10a−1と10b−1の間に入り込み、公
転が止められる状態になったとしてステップ227へ進
む。「ステップ227」 WIDEズ−ミングを行う為
にモ−タ1の「Rv」回転させる。「ステップ228」
WIDE端にレンズ筒316が達したか否かを図示せ
ぬスイッチの状態より判別し、WIDE端に達していな
ければステップ229へ進み、達していればステップ2
30へ進む。「ステップ229」 WIDE−SWがO
NかOFFかを判別し、ONのままであればステップ2
28へ戻る。「ステップ230」 ここではWIDE端
に達したか或は所望とされるWIDEズ−ム位置に達し
てWIDE−SWがOFFされたとして、モ−タ1への
通電を停止する。
【0127】 本実施例によれば、ズ−ム鏡筒であると
ころのレンズ筒316が外力により自由に作動可能なテ
レ端とワイド端の間にあり、ズ−ム鏡筒316をこの位
置で動かさないようにするためにギアロックをかける動
作を行ったが、図19に示す様に遊星ギア7のギアロッ
クが正常に行われていないことを想定して、ワイド方向
への動力伝達開始前に、必ず回転止めア−ム12がク
ラウンストッパ10の切欠きに入り込むような制御を行
う様にしている為、ギアロック機構の信頼性を向上させ
ることができる。つまり、ワイド駆動動作時に誤ってフ
ィルム給送用の出力ギア9dと噛み合ってフィルム巻上
げが行われてしまうといったことを防止することができ
る。
【0128】 (発明と実施例の対応) 以上の実施例
において、太陽ギア6が本発明の第1の回転部に、遊星
ギア7が本発明の第2の回転部に、出力ギア9cが本発
明の動力伝達部に、クラウンストッパ10の切欠きの端
面10b−1が本発明の規制手段に、図18のステップ
220〜227を実行する制御回路24が本発明の制御
手段に、それぞれ相当する。
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、確実に動力伝達動作を行うことのできる動力伝達装
及びカメラを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカメラの動力分割装置
の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示すカメラの動力分割装置
の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すカメラの動力分割装置
の平面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるクラウンストッパ、
抜けストッパ及び回転止めア−ムの形状について説明す
る部分拡大図である。
【図5】本発明の一実施例において遊星ギアがの領域
に位置する状態の平面及び側面を示す図である。
【図6】本発明の一実施例において遊星ギアがから
の領域に切り換える際の状態の平面及び側面を示す図で
ある。
【図7】本発明の一実施例において遊星ギアがXの領域
に位置する状態の平面及び側面を示す図である。
【図8】本発明の一実施例において遊星ギアがの領域
に入る直前の状態の平面及び側面を示す図である。
【図9】本発明の一実施例において遊星ギアがの領域
に位置する状態の平面及び側面を示す図である。
【図10】本発明の一実施例において遊星ギアがある領
域から抜け出る直前の状態の平面及び側面を示す図であ
る。
【図11】本発明の一実施例において遊星ギアの位置信
号となるパルス波形について説明する図である。
【図12】本発明の一実施例において「抜けの動作」の
説明を助けるための図である。
【図13】図12の動作時のタイミングチャ−トであ
る。
【図14】本発明の一実施例において「入りの動作」の
説明を助けるための図である。
【図15】図14の動作時のタイミングチャ−トであ
る。
【図16】本発明の一実施例のカメラの機械的概略構成
を示す横断面図である。
【図17】本発明の一実施例のカメラの要部構成を示す
回路ブロック図である。
【図18】図17の制御回路24の本発明に係る部分の
動作の一例を示すフロ−チャ−トである。
【図19】本発明の一実施例における主要部分について
説明するための要部構成を示す平面図である。
【図20】従来の一般的な遊星ギア機構について説明す
る図である。
【図21】従来の動力伝達が2系統の遊星ギア機構につ
いて示す平面図である。
【図22】従来の動力伝達が4系統4方向の遊星ギア機
構について示す平面図である。
【図23】従来の動力伝達が4系統8方向の遊星ギア機
構について示す平面図である。
【符合の説明】
1 モ−タ 5 回転ア−ム 6 太陽ギア 7 遊星ギア 9a〜9d 出力ギア 10 クラウンストッパ 11 抜けストッパ 12 回転止めア−ム 14 パルス板 15 ア−ム 16 プランジャ 24 制御回路 304 フィルム給送用遊星ギア 314 鏡筒 315 カムリング 316 レンズ筒 AND アンドゲ−ト FF RSフリップフロップ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転により駆動力を伝達する第1の回転
    部と、前記第1の回転部の回転に連動して自転及び該第
    1の回転部の回りを公転する第2の回転部と、前記第2
    の回転部が公転することにより係合して前記第1の回転
    部からの駆動力が伝達される動力伝達部と、前記第2の
    回転部が公転して前記動力伝達部に動力を伝達する位置
    に至ることにより該第2の回転部が公転してきた方向と
    は逆方向の公転を規制する規制手段と、前記第1の回転
    部を第1の方向に回転させて前記第2の回転部を公転さ
    せ、該第2の回転部が前記規制手段に規制される公転位
    置に至ったことを予測して前記第1の回転部の前記第1
    の方向の回転を停止させた後、該停止した状態から前記
    動力伝達部へ前記第1の回転部の前記第1の方向とは異
    なる第2の方向の回転の駆動力の伝達を開始する際に、
    前記第1の回転部を前記第1の方向に回転させた後前記
    第2の方向に回転させ、前記第1の回転部の前記第2
    方向の回転駆動力を前記動力伝達部に伝達させる制御
    手段とを有することを特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 回転により駆動力を伝達する第1の回転
    部と、前記第1の回転部の回転に連動して自転及び該第
    1の回転部の回りを公転する第2の回転部と、前記第2
    の回転部が公転することにより係合して前記第1の回転
    部からの駆動力が伝達される動力伝達部と、前記第2の
    回転部が公転して前記動力伝達部に動力を伝達する位置
    に至ることにより該第2の回転部が公転してきた方向と
    は逆方向の公転を規制する規制手段と、前記第1の回転
    部を第1の方向に回転させて前記第2の回転部を公転さ
    せ、該第2の回転部が前記規制手段に規制される公転位
    置に至ったことを予測して前記第1の回転部の前記第1
    の方向の回転を停止させた後、該停止した状態から前記
    動力伝達部へ前記第1の回転部の前記第1の方向とは異
    なる第2の方向の回転の駆動力の伝達を開始する際に、
    前記第1の回転部を前記第1の方向に回転させた後前記
    第2の方向に回転させ、前記第1の回転部の前記第2の
    方向の回転の駆動力を前記動力伝達部に伝達させる制御
    手段とを有することを特徴とするカメラ。
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