JP2854561B2 - ダウン内包物及びその製造方法 - Google Patents

ダウン内包物及びその製造方法

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JP2854561B2 JP18655896A JP18655896A JP2854561B2 JP 2854561 B2 JP2854561 B2 JP 2854561B2 JP 18655896 A JP18655896 A JP 18655896A JP 18655896 A JP18655896 A JP 18655896A JP 2854561 B2 JP2854561 B2 JP 2854561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダウンを内包した
衣料品や寝具に関し、特に、羽軸の突出や羽枝の漏出を
防止できると共に、保温性などを損なうことなくダウン
の使用量を節約できるダウン内包物及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】防寒用の衣料品に使用される保温材とし
ては、その軽さと保温性から、ダウンが最も優れている
とされている。ここで、ダウンとは、狭義には、ガチョ
ウやアヒルなどの水鳥の胸毛や羽毛を意味するが、広義
には、スモールフェザーも含んだ概念である。図8
(a)は、羽軸31と羽枝32からなる狭義のダウン3
0aを図示したものであり、図8(b)は、羽軸31と
羽枝32とからなるスモールフェザー30bを図示した
ものである。ところで、図9のようなダウンジャケット
は、狭義のダウンとスモールフェザーとが混合されて、
図10のような断面構造に構成されている。すなわち、
高密度袋生地33a,33bの中にダウン30が収容さ
れ、高密度袋生地33a,33bの外側には表生地34
と裏生地35とが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダウン
は、その軽さゆえに浮遊しやすいこと、及び、ダウンに
はスモールフェザーも混入していることなどに起因し
て、以下の問題点が生じている。先ず、スモールフェザ
ーの羽軸31が、高密度袋生地33a,33bを突き抜
けて飛び出すことがあり、商品価値を著しく損ねること
があった。この羽軸31は、例え、高密度袋生地33
a,33bを突き抜けなくても、表生地34や裏生地3
5に突き皺34a,35aによる凹凸を生じさせること
があり、この点でも問題であった。一方、羽軸31と分
離した羽枝32の漏出を防止するため、ダウン30は高
密度袋生地33a,33bに包まれているが、それで
も、ステッチ37の針穴38などを通して羽枝32や羽
軸31が漏出するという問題点があった。ここで、羽枝
32などの漏出を防止するため、ステッチ37を設けな
いことも考えられるが、ステッチ37を設けない場合に
は、高密度袋生地33の表面が滑らかであることから、
ダウン36が下方に片寄ってしまうという問題点が生じ
る。この発明は、これらの問題点に着目してなされたも
のであって、ダウンの漏出を確実に防止できると共に、
突き皺による凹凸も生じさせることのないダウン内包物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、縫い上がった後の表生地と、第
1の中袋わたと、第2の中袋わたとを三層に重ね合わせ
た後、注入口の部分を除いて前記三層の周縁部を逢着又
は熱融着して一体化させる工程と、前記注入口を通して
所定量のダウンを吹き込んだ後、前記注入口を縫い閉じ
る工程とを含んで製造されるダウン内包物であって、前
記第1と第2の中袋わたが、綿わた又は合繊わたからな
ることを特徴とする。また、請求項3の発明は、縫い上
がった後の表生地と、第1中袋わたと、第2中袋わたと
を三層に重ね合わせた後、注入口の部分を除いて前記三
層の周縁部を逢着又は熱融着して一体化させる第1工程
と、前記注入口を通して所定量のダウンを吹き込んだ
後、前記注入口を縫い閉じる第2工程とを備え、前記第
1と第2の中袋わたが、綿わた又は合繊わたからなるこ
とを特徴とする。本発明は、わたの特性とダウンの保温
性とを調和させたものであり、羽枝の漏出を防止すると
共に、羽軸による突き皺も解消した優れた商品を製造す
ることができる。そして、請求項1、3の発明とも、中
袋わたとして、合繊わたの表面にラミネートフィルム層
を設けた加工綿を用いることができ、この場合には、更
に保温性や防水性に優れた商品を提供することができ
る。なお、ダウン内包物とは、典型的には、防寒用の衣
料であるが、羽毛布団やシャラフザックなどの生活用品
も含まれる。
【0005】
【発明の実施の態様】以下、ダウンジャケットを製造す
る場合を例にして、本発明を更に詳細に説明する。 縫い上がった表生地1と、第1中袋わた2aと、第2
中袋わた2bとを三層に重ね合わせた後、注入口3の部
分を除いて三層の周縁部4を縫い合わせて全体を一体化
させる。図1は、中袋わた2a,2bを縫着した後の後
身頃を図示したものであるが、前身頃や袖身頃について
も、全く同様に、中袋わた2a,2bを縫着する。中袋
わた2a,2bには、綿わたを用いることができるが、
これに限定される必要はなく、合繊わたを用いても良
い。そして、合繊わたを用いる場合には、合成繊維の表
生地1と、合繊わたの中袋わた2a,2bとを、高周波
熱を利用して熱融着させることができるので作業効率が
高まる。 表生地1と、中袋わた2a,2bとが一体化された
ら、次に、注入口3を上にして、第1と第2の中袋わた
2a,2bの間に、所定量のダウンを吹き込む。図2
は、この作業状態を図示したものであり、注入口3から
注入パイプ5を挿入し、注入パイプ5を適宜に移動させ
つつダウンを均等に注入している状態を示している。所
定量のダウンが注入されたら、その後、注入口3を縫い
閉じれば、ダウン内包式中綿が完成する。図3は、この
ダウン内包式中綿の断面構造を図示したものであり、表
生地1、第1中袋わた2a、ダウン6、及び、第2中袋
わた2bからなる4層構造物の周縁部4が完全に逢着さ
れている状態を示している。 ダウン内包式中綿が完成したら、次に、必要に応じて
表ステッチ7を設け、最後に、裏生地8を縫い付ける
(図4参照)。このようにして完成した前身頃、後身
頃、袖身頃を組み立てれば、図9に示すようなダウンジ
ャケットが完成する。
【0006】以上のようにして製造されるダウンジャケ
ットでは、ダウン6が、中袋わた2a,2bの中に収容
されているので、綿わたや合繊わたの絡まりとその厚み
などによって、ダウンの羽軸6Aの硬さが吸収されるこ
とになり、表生地1や裏生地8に突き皺が生じることは
ない。なお、表生地1にステッチ7を入れた場合でも、
中袋わた2の針穴9は、綿わたや合繊わたの弾性によっ
て塞がれるので、ダウンの羽枝6Bなどが漏出すること
がない。また、ダウン6は、綿わたや合繊わたに引っ掛
かって良く絡みつく性質があるので、ダウン使用量があ
まり多くない場合には、仕切りのステッチ7を設けなく
てもダウンが下方に片寄ることがない。図5は、仕切り
のステッチ7を設けない状態の断面構造を図示したもの
である。なお、綿わたや合繊わたは、高密度繊維と比較
して通気性が高いので、むれが生じる恐れがない。ま
た、中袋わた2a,2bの分だけダウンの使用量を節約
することができるが、ダウンの使用量が減っても、保温
性を損なうことはない。
【0007】以上、綿わたや合繊わたを用いる場合につ
いて説明したが、中袋わた2a,2bとして、図6に示
す二層構造のラミネート加工綿を用いても良い。このラ
ミネート加工綿は、合成繊維綿20の表面にウレタンな
どのフィルム21を積層したものであり、フィルム21
には、気体は通すが水の通過は阻止する微細な通気穴が
設けられている。このようなラミネート加工綿を用いれ
ば、ダウンの質や量に関わらず、羽軸の突き抜けや突き
皺の発生をより確実に防止することができる。また、通
気性を損なうことなく、保温性や防水性を更に向上させ
ることができる。更にまた、デザイン的な要請から表ス
テッチを設けた場合でも、針穴9は、フィルム21の弾
性によって塞がれるので、ダウンの羽枝6Bなどが漏出
することがない。なお、2つの中袋わた2a,2bは、
図示の方向に重合されるので、フィルム21の冷たい感
触が身体10に伝わることはない。
【0008】仕切りステッチを設けない場合には、図7
(a)に示すように、中袋わた2a,2bの間に網状の
シート11を重ねれば良い。そして、中袋わた2aと網
状シート11との間に、ダウン6を吹き込む。この構成
によれば、ダウン6は、中袋わた2aの合成繊維綿20
と網状シート11とに良く絡むので、ダウン6が下方に
片寄る事をさらに効果的に防止することができる。な
お、網状シート11の材料は特に限定されないが、伸縮
性の良い材料を選択すれば、身体10の動きに対応でき
て好ましい。
【0009】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、綿わ
た又は合繊わたからなる中袋わたでダウンを包んでいる
ので、以下に列記した優れた効果を発揮する。 中袋わたがクッションの役目を果して、羽軸の突出や
突き皺の発生を防止できるので、外観が平滑でソフトな
衣料を実現することができる。 ダウンは、中袋わたに引っかかって絡むので、仕切り
用のステッチを設けなくても、ダウンの片寄りを防止す
ることができる。一方、デザイン上の要請から、表生地
にステッチを設けた場合でも、針穴は繊維の弾性で塞が
れるので、羽枝が縫い目穴から漏出する恐れはない。 従来までのように高密度織物を用いる必要がないの
で、従来より通気性に優れた衣料品や寝具を実現するこ
とができる。 綿わたや合繊わたを用いるので、その分だけ、ダウン
の使用量を節約することができ、この場合でも、わたと
ダウンの特性により、保温効果が損なわれることがな
い。このようにダウンの消費量を節約できるので、稀少
な水鳥の乱獲を抑制することが可能となり、ひいては、
自然保護にも貢献することができる。 従来は、羽軸の突出などを防止するため、表生地の織
り密度に制約があったが、本発明では、中袋わたによっ
て羽枝などの漏出を完全に防止できるので、表生地の選
択に制約がなくなった。 中袋わたに合繊わたを用いる場合には、高周波による
熱融着を用いることができるので、作業効率が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】中袋わたを縫着した後の前身頃を図示したもの
である。
【図2】中袋わたの間にダウンを吹き込む作業状態を図
示したものである。
【図3】ダウン内包式中綿の断面構造を図示したもので
ある。
【図4】完成したダウンジャケットの断面構造を図示し
たものである。
【図5】ステッチを設けないダウンジャケットの断面構
造を図示したものである。
【図6】フィルムをラミネートした合繊わたを用いたダ
ウンジャケットの断面構造を図示したものである。
【図7】網状シートを用いるダウンジャケットの断面構
造を図示したものである。
【図8】狭義のダウンとスモールフェザーを図示したも
のである。
【図9】ダウンジャケットの外観を図示したものであ
る。
【図10】従来のダウンジャケットの断面構造を図示し
たものである。
【符号の説明】
1 表生地 2a 第1の中袋わた 2b 第2の中袋わた 3 注入口 4 周縁部 6 ダウン 20 合繊繊維綿 21 ラミネートフィルム

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫い上がった後の表生地と、第1の中袋
    わたと、第2の中袋わたとを三層に重ね合わせた後、注
    入口の部分を除いて前記三層の周縁部を逢着又は熱融着
    して一体化させる工程と、前記注入口を通して所定量の
    ダウンを吹き込んだ後、前記注入口を縫い閉じる工程と
    を含んで製造されるダウン内包物であって、 前記第1と第2の中袋わたが、綿わた又は合繊わたから
    なることを特徴とするダウン内包物。
  2. 【請求項2】 前記合繊わたには、その表面にラミネー
    トフィルム層が設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載のダウン内包物。
  3. 【請求項3】 縫い上がった後の表生地と、第1中袋わ
    たと、第2中袋わたとを三層に重ね合わせた後、注入口
    の部分を除いて前記三層の周縁部を逢着又は熱融着して
    一体化させる第1工程と、 前記注入口を通して所定量のダウンを吹き込んだ後、前
    記注入口を縫い閉じる第2工程とを備え、 前記第1と第2の中袋わたが、綿わた又は合繊わたから
    なることを特徴とするダウン内包物の製造方法。
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WO2012132033A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 蝶理株式会社 羽毛用ストレッチ中生地、これを用いた羽毛用ストレッチ中袋及びダウンプルーフ構造体
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