JP2854402B2 - 吸収冷凍機の吸収蒸発装置 - Google Patents

吸収冷凍機の吸収蒸発装置

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸収冷凍機の吸収蒸発装置に係り、特に、
溶液過冷却部と冷媒吸収部とを分離して構成した吸収装
置において複数段で吸収させるものに好適な吸収冷凍機
の吸収蒸発装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の装置は、例えば、特公昭60−23264号公報に記
載のように、蒸発器からの冷媒蒸気吸収時に発生する吸
収熱で温度上昇した吸収液を、大気に放熱して冷却する
ための吸収液空冷部を、吸収器から吸収液散布手段に至
る吸収液循環経路に設けており、溶液を過冷却する部分
と蒸発器からの冷媒蒸気を溶液に吸収する部分とに分離
した構造となつていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来技術においては、冷媒蒸気の潜熱および吸収熱を
吸収溶液の温度上昇により奪うため、大量の吸収溶液を
再循環して吸収器に散布する必要があつた。このため
に、溶液を循環させるための溶液輸送動力が大幅に増加
するという欠点があつた。
また、吸収溶液を再循環することにより吸収溶液の濃
度が低下して、吸収の圧力差が小さくなるために、吸収
表面積を増大させる必要があり、吸収部の容積が大きく
なるとともに、溶液と冷却媒体との温度差も小さくなる
ために、溶液過冷却部の体積も大きくなるという欠点が
あつた。
第2図は、従来技術における溶液および冷媒の変化を
示すデユーリング線図である。
再生器からの濃度ξの濃溶液は冷却されて蒸発器圧
力Peと平衡な温度のA点に達する。濃溶液はさらに溶液
過冷却部で過冷却されて、過冷却温度TSCのB点に達す
る。B点の溶液に蒸発器からの冷媒蒸気を吸収させる
と、溶液の濃度が薄くなるとともに冷媒蒸気の潜熱によ
り溶液の温度が上昇し、蒸発器の圧力Peと平衡な点E′
に到達する。ところが、実際には溶液の濃度がξとな
るE点まで冷媒蒸気を吸収する必要があり、B点の溶液
の顕熱だけでは不足する。そこで、吸収の完了したE点
の溶液を再循環して過冷却温度TSCまで冷却し、溶液D
とする。溶液Bと溶液Dを必要な割合で混合して溶液C
を作り、これに冷媒蒸気を吸収させることにより、所定
の冷媒蒸気を吸収して、E点に達することができる。
このとき、再循環して増加した溶液量の、もとの溶液
循環量に対する比率Mは、次式で表される。
例えば、蒸発温度を5℃とすると、Pe=5.7mmHgとな
り、ξ=62%,ξ=58%,TSC=33℃の場合は、吸収
の温度効率を70%で考えて、ξ′=58.2%となりM=19
にもなる。このため、溶液輸送動力が大幅に増大してし
まう。また、冷媒吸収の圧力差はPe−PBであつたもの
が、溶液を再循環して吸収溶液の濃度を薄くするために
Pe−PCの減少してしまうので、吸収部の容積が大きくな
つてしまうという欠点がある。さらに、溶液過冷却部で
利用できる温度差は,TA+TSCからTB−TSCと減少し、溶
液過冷却部の体積を大きくなるという問題があつた。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためにな
されたもので、溶液を再循環して散布するための輸送動
力を低減するとともに、冷媒蒸気吸収部および溶液過冷
却部の体積を小形にできる吸収冷凍機の吸収蒸発装置を
提供することを、その目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明に係る吸収冷凍
機の吸収蒸発装置の構成は、冷媒を蒸発する蒸発器と、
溶液を過冷却する手段と蒸発器からの冷媒蒸気を溶液に
吸収する吸収器とを別構成とし、その両者を、溶液を輸
送する手段を有する配管系で作動的に接続した吸収装置
と、からなる吸収式冷凍機の吸収蒸発装置において、溶
液を過冷却する手段と吸収器との組合せからなる吸収装
置と、これに対応する蒸発器とを複数組配設し、冷媒蒸
気を吸収した溶液が、前記溶液を過冷却する手段と吸収
器との組合せからなる各吸収装置を順に送られ、複数段
で吸収が完了するように構成したものである。
また、より詳しくは、上記構成において、溶液が、吸
収器と溶液過冷却手段との組合せからなる複数組の吸収
装置に順に送られて濃度が薄くなるとともに、対応する
各蒸発器には、溶液の流れ方向と逆の順で冷媒あるいは
冷水を送るようにしたものである。
〔作用〕
溶液過冷却手段(溶液過冷却部)と冷媒蒸気を溶液に
吸収する吸収器(冷媒蒸気吸収部)とからなる吸収装置
と、これに対応する蒸発器を複数組設け、溶液をこれら
の複数の組に順に送つて吸収を複数段に分けることによ
り、溶液の温度上昇幅を大きくすることができるので、
溶液の再循環量を減少して、溶液循環のための動力を低
減することができる。
また、吸収の最終段以外では溶液の濃度が濃くなつて
おり、吸収の圧力差が大きくなるので、吸収器の容積を
小さくできる。
さらに、溶液と冷却媒体の温度差も大きくなつて、溶
液過冷却手段の体積も小さくできる。
第3図は、本発明に係る溶液過冷却手段の吸収器との
組合せからなる吸収装置を3段に分割した場合の溶液お
よび冷媒の変化を示すデユーリング線図である。ただ
し、各吸収段の冷媒蒸発圧力は一定とする。
各段の変化は、第2図に示した1段の場合と同様であ
り、再生器からの濃度ξの溶液はAからBに過冷却さ
れ、濃度ξH2の溶液B2の必要な割合で混合して濃度
ξ′の溶液Cとなり、冷媒蒸気を吸収することにより
濃度が薄くなつて温度が上昇し、A2に達する。以下の段
においても同様の変化が起こり、A2,B2,C2,A3,B3,C3,E
と変化し、濃度はξH2H2′,ξH3H3′,ξ′と
変化していく。
冷媒蒸気の吸収による溶液の温度上昇幅は、C−A2,C
2−A3,C3−E間の温度差であり、最終以外は、第1図の
従来例のD−E間の温度差に比べで大きくなつているの
で、単位溶液量当たりの冷媒吸収量は増加して、溶液の
再循環量を減少させ、溶液輸送動力を低減することがで
きる。
また、各段の入り口溶液の飽和圧力と蒸発圧力Peとの
差は、最終段以外は、第2図に比べて大きくなつてお
り、吸収部の容積を小さくできる。
さらに、溶液の冷却温度差も、最終段以外は、第2図
に比べて大きくなつており、溶液過冷却部の容積を小さ
くすることができる。
また、溶液が複数の溶液過冷却手段と吸収器に順に送
られて濃度が薄くなるとともに、対応する各蒸発器には
これとは逆の順で冷媒あるいは冷水を送り温度を低下さ
せることにより、濃度の高い溶液に対しては低い冷媒蒸
発圧力と蒸発温度を対応させ、濃度の低い溶液に対して
は高い蒸発圧力と蒸発温度を対応させることができるの
で、各段での溶液の温度上昇幅をさらに増大でき、溶液
循環のための動力をさらに低減できる。はた、吸収の圧
力差および溶液と冷却媒体との温度差もさらに大きくな
るので、溶液過冷却手段および吸収器の容積をさらに小
さくできる。
第4図は、本発明に係る溶液過冷却手段と吸収器との
組合せからなる吸収装置と、対応する蒸発器をそれぞれ
3段に分割するとともに、溶液を各吸収器に送る順番と
冷媒あるいは冷水を各蒸発器に送る順番を互いに逆にし
て対向流とした場合の溶液および冷媒の変化を示すデユ
ーリング線図である。
各段の変化は第2の場合と同様であるが、蒸発器の蒸
発温度が各段に送られる毎に低くなるのに対応して、各
段の圧力は溶液の濃度が濃くなるほど低くなつている。
AからBに過例却された溶液はB2の溶液と必要な割合で
混合して溶液Cとなり、冷媒蒸気を吸収することにより
濃度が薄くなつて温度が上昇し、圧力Peに平衡な温度の
点A2に達する。次の段においてもA2,B2,C2と同様の変化
が起こつたのち、供給される冷媒の温度に対応して、第
1段目の圧力Peより高い圧力Pe′に平衡な温度の点A3
達する。さらに3段目において、A3,B3,C3と変化したの
ち、供給される冷媒の温度に対応して、第2段目の圧力
Pe′より高い圧力Pe″に平衡な温度の点Eに達する。
冷媒蒸気の吸収による溶液の温度上昇幅は、C−A2,C
2−A3,C3−E間の温度差であり、第1段目以外はそれぞ
れ第3図の場合より大きくなつているので、溶液の再循
環量をさらに減少させ、溶液輸送動力を低減することが
できる。
また、各段における入り口溶液の飽和圧力と蒸発圧力
との差は、第1段目以外は第3図に比べて大きくなつて
おり、冷媒吸収装置の容積をさらに小さくできる。さら
に、溶液の冷却温度差も、第1段目以外は、第3図に比
べて大きくなつており、溶液過冷却手段の容積をさらに
小さくすることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の各実施例を第1図および第5図ないし
第8図を参照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る吸収冷凍機の吸収
蒸発装置の系統図である。
第1図において、1は第1の吸収器、2は、吸収器1
に対応する第1の蒸発器、3は、溶液過冷却手段に係る
第1の空冷熱交換器、4は、第1の溶液輸送用ポンプ、
5は第2の吸収器、6は、吸収器5に対応する第2の蒸
発器、7は、溶液過冷却手段に係る第2の空冷熱交換
器、8は、第2の溶液輸送用ポンプ、9は第3の吸収
器、10は、吸収器9に対応する第3の蒸発器、11は、溶
液過冷却手段に係る第3の空冷熱交換器、12は、第3の
溶液輸送用ポンプ、13は、再生器(図示せず)から濃溶
液を第1の吸収器1に戻す配管60上に設けた空冷熱交換
器である。
14は、第1の吸収器1の上部に備えた溶液散布手段に
係る第1の溶液スプレー、15はエリミネータ、16は、第
2の吸収器5の上部に備えた溶液散布手段に係る第2の
溶液スプレー、17はエリミネータ、18は、第3の吸収器
9の上部に備えた溶液散布手段に係る第3の溶液スプレ
ー、19はエリミネータ、20は、第1の蒸発器2の上部に
備えた冷媒散布手段に係る第1の冷媒スプレー、21は、
第2の蒸発器6の上部に備えた冷媒散布手段に係る第2
の冷媒スプレー、22は、第3の蒸発器10の上部に備えた
冷媒散布手段に係る第3の冷媒スプレー、23は、冷媒循
環系に備えた冷媒循環ポンプである。
すなわち、第1図に示す吸収冷凍機の吸収蒸発装置
は、吸収器(1,5,9),蒸発器(2,6,10),溶液過冷却
用空冷熱交換器(3,7,11),溶液輸送用ポンプ(4,8,1
2)を、それぞれ配管(61,62,63)により作動的に結合
した吸収蒸発装置の組を3組配置し、これらの間の配置
により作動的に結合したものと、再生器からの濃溶液を
最初に過冷却する空冷熱交換器13および負荷側へ冷媒を
送給する冷媒循環ポンプ23から構成されている。
再生器(図示せず)からの濃度液は、空冷熱交換器13
で過冷却されたのち配管60により第1の吸収器1に導か
れて、溶液スプレー14から散布される。
散布された溶液は微粒化した気液界面を増大し、第1
の蒸発器2からエリミネータ15を通つてきた冷媒蒸気を
吸収して、濃度が薄くなると共に冷媒蒸気の吸収熱によ
り温度が上昇していく。この吸収は第1の吸収器1およ
び第1の蒸発器2内の圧力に平衡な溶液温度および溶液
濃度に達するまで継続する。平衡に達した溶液は配管61
を通つて第1の溶液輸送用ポンプ4に送られ、第1の空
冷熱交換器3に送られて過冷却され、一部は再び第1の
吸収器1へ、残りは第2の吸収器5へと送られる。第1
の吸収器1へ送られた溶液は、途中で空冷熱交換器13で
過冷却された再生器からの溶液と混合して、溶液スプレ
ー14から散布される。
第2の吸収器5へ送られた溶液は、溶液スプレー16か
ら散布されて微粒化し、第2の蒸発器6からエリミネー
タ17を通つて送られてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が
薄くなり温度が上昇する。吸収器5および蒸発器6の器
内圧力に平衡な濃度および温度に達した溶液は、配管62
を通つて第2の溶液輸送用ポンプ8に送られ、第2の空
冷熱交換器7に送られて過冷却され、一部は再び第2の
吸収器5へ、残りは第3の吸収器9へと送られる。第2
の吸収器5へ送られた溶液は、途中で空冷熱交換器3で
過冷却された第1の吸収器1からの溶液と混合して、溶
液スプレー16から散布される。
第3の吸収器9へ送られた溶液は、溶液スプレー18か
ら散布されて微粒化し、第3の蒸発器10からエリミネー
タ19を通つて送られてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が
薄くなり温度が上昇する。吸収器8および蒸発器10の器
内圧力に平衡な濃度および温度に達した溶液は、配管63
を通つて第3の溶液輸送用ポンプ12に送られ、第3の空
冷熱交換器11に送られて過冷却され、一部は再び第3の
吸収器9へ、残りは吸収冷凍機の再生器(図示せず)へ
と送られる。第3の吸収器9へ送られた溶液は、途中で
空冷熱交換器7で過冷却された第2の吸収器5からの溶
液と混合して、溶液スプレー18から散布される。
一方、凝縮器(図示せず)からの冷媒は、配管70を経
て第1の蒸発器2、第2の蒸発器6、第3の蒸発器10へ
三分割されて送られ、それぞれ冷媒スプレー20,21,22か
ら散布されて微粒化し、自己蒸発により冷却されたの
ち、再び配管74により1本にまとめられて冷媒循環ポン
プ23により、例えば室内の冷房装置等の負荷側へ送られ
る。
本実施例では、冷熱の搬送媒体として冷媒を用いてい
るので、室内の冷房装置で加温された冷媒が凝縮器から
の冷媒と混合して、再び各蒸発器に散布される。
以上説明したように本実施例によれば、溶液による冷
媒吸収器を3箇所に設置し、溶液をこれらの吸収器に順
に送つて吸収を3段に分けたので、最終段以外の吸収器
では溶液の濃度が高くなつており、平衡に達するまでの
温度上昇幅を大きくすることができるので、溶液の再循
環量を減少して、溶液循環のための動力を低減すること
ができる。
また、吸収の最終段以外では溶液の濃度が濃くなつて
おり、吸収の圧力差が大きくなるので、吸収器の溶積を
小さくできる。さらに、溶液と冷却媒体の温度差も大き
くなつて、溶液過冷却手段としての空冷熱交換器の体積
も小さくできる。
また、本実施例においては、溶液過冷却部として空冷
熱交換器を用いているので、冷却水配管が不要であり冷
却水の得にくい場所においても作動できるという効果が
ある。
また、本実施例においては、蒸発器として自己蒸発式
のものを用いているので冷水配管が不要であるととも
に、冷媒により直接冷熱を搬送するので、途中の熱交換
による温度落差が不要となつて温度効果率が向上すると
いう効果もある。
次に、第5図は、本発明の他の実施例に係る吸収冷凍
機の吸収蒸発装置の系統図である。図中、第1図と同一
符号のものは同等部分を示している。
第5図の実施例による吸収冷凍機の吸収蒸発装置は、
溶液については第1図の実施例と同様であるが、冷媒に
ついては各段の蒸発器に溶液とは逆の順に直列に流して
対向流にするとともに、各段に冷媒循環ポンプを設けて
冷媒を再循環するようにしたものである。
凝縮器(図示せず)から配管70を経て送られてきた冷
媒は、第3の蒸発器10へ送られ、冷媒スプレー22から散
布されて微粒化し、自己蒸発により冷却されたのち、一
部は第2の蒸発器6へ送られ、残りは配管71,第3の冷
媒循環ポンプ26により加圧されて凝縮器からの冷媒と混
合したのち、再び蒸発器10に送られる。
第2の蒸発器6へ送られた冷媒は、蒸発器6で冷却さ
れた冷媒の一部と混合して配管72,第2の冷媒循環ポン
プ25により加圧されて、蒸発器6へ送られ、冷媒スプレ
ー21から散布されて微粒化し、自己蒸発により冷却され
たのち、一部は第1の蒸発器2へ送られ、残りは第3の
蒸発器10からの冷媒と混合したのち、配管72により第2
の冷媒循環ポンプ25へ送られる。
第1の蒸発器2へ送られた冷媒は、蒸発器2で冷却さ
れた冷媒の一部と混合して配管73,第1の冷媒循環ポン
プ24により加圧されて、蒸発器2へ送られ、冷媒スプレ
ー20から散布されて微粒化し、自己蒸発により冷却され
たのち、一部は第2の蒸発器6からの冷媒と混合したの
ち、第1の冷媒循環ポンプ24へ送られ、残りは冷媒循環
ポンプ23,配管74により、例えば室内の冷房装置等の負
荷側へ送られる。
本実施例では、冷熱の搬送媒体として冷媒を用いてい
るので、室内の冷房装置で加温された冷媒が凝縮器から
の冷媒と混合して、再び第3の蒸発器10に散布される。
以上説明したように、第5図の実施例によれば、溶液
による冷媒吸収器を3箇所に設置し、溶液をこれらの吸
収器に順に送つて吸収を3段に分けるとともに、吸収器
に対応する3箇所に蒸発器にたいして、溶液とは逆の順
に冷媒を直列に流して、その温度を順次低下されるよう
にしているので、濃度の高い溶液に対しては低い冷媒蒸
発圧力と蒸発温度が対応し、濃度の低い溶液に対しては
高い蒸発圧力と蒸発温度が対応しており、各段において
平衡に達するまでの溶液の温度上昇幅を第1図の実施例
によりさらに大きくすることができる。これにより溶液
の再循環量を減少して、溶液循環のための動力を低減す
ることができる。
また、各段における吸収の圧力差も第1の実施例より
さらに大きくすることができるとともに、溶液冷却の温
度差も第1図の実施例によりさらに大きくすることがで
きるので、冷媒吸収器および溶液過冷却手段を小さくで
きる。
また、冷媒循環ポンプを各段に設けて、冷媒を再循環
するようにしており冷媒散布量を増大できるので、微粒
化した冷媒の気液界面を増加して蒸発を促進し、蒸発器
をコンパクトにすることができるという本実施例特有の
利点もある。
次に、第6図は、本発明のさらに他の実施例に係る吸
収冷凍機の吸収蒸発装置の系統図である。図中、第1図
と同一符号のものは同等部分を示している。
第6図は実施例による吸収冷凍機の吸収蒸発装置が、
先の第1図の実施例と異なる点は、第1の蒸発器2、第
2の蒸発器6、および第3の蒸発器10の内部に冷水用伝
熱管27,28,29を設置するとともに、これらの伝熱管を冷
水の配管(80,81,82)により、直列に接続して、冷水を
第3蒸発器の内部の伝熱管29に最初に送り、次に第2蒸
発器の内部の伝熱管28、そして第3蒸発器の内部の伝熱
管27の順に送るようにしたことである。
蒸発器内のそれぞれの伝熱管の外部には冷媒スプレー
20,21,22から冷媒が散布されて蒸発し、内部の冷水から
熱を奪つて冷却する。これらの伝熱管で冷却された冷水
は、配管83により例えば室内で冷房装置等の負荷側に送
られて室内を冷房したのち、再び循環してきて第3の蒸
発器10の内部の伝熱管29に送られる。
また、蒸発器で蒸発しなかつた冷媒は、配管により1
本にまとめられて冷媒循環ポンプ23Aにより、蒸発器の
冷媒入り口部へ再循環し、凝縮器からの冷媒と合流して
再び蒸発器に散布される。
さらに、溶液過冷却手段として、第1図の空冷熱交換
器2,7,11,13の替わりに、溶液熱交換器30,31,32,33を設
置し、冷却水をこれらの熱交換器に並列に流すようにし
ている。以上のほかは、第1図の実施例と同様である。
以上説明したように、第6図の実施例によれば、溶液
による冷媒吸収器を3箇所に設置し、溶液をこれらの吸
収器に順に送つて吸収を3段に分けるとともに、吸収器
に対応する3箇所の蒸発器内の伝熱管に対して、溶液と
は逆に順に冷水を直列に流して、蒸発温度を順次低下さ
せるようにしているので、濃度の高い溶液に対しては低
い冷媒蒸発圧力と蒸発温度が対応し、濃度の低い溶液に
対しては高い冷媒蒸発圧力と蒸発温度と対応させること
ができ、各段において平衡に達するまでの溶液の温度上
昇幅を第1図の実施例よりさらに大きくすることができ
る。これにより溶液の再循環量を減少して、溶液循環の
ための動力を低減することができる。また、各段におけ
る吸収圧力差を第1図の実施例よりも大きくできるとと
もに、溶液の冷却温度差も第1図の実施例により大きく
なつており、冷媒吸収器および溶液過冷却手段に係る溶
液熱交換器をさらに小さくできる。
また、本実施例においては冷媒の替わりに冷水を使つ
て冷熱を取り出しているので、真空配管である冷媒配管
を長く伸ばす必要がないという利点もある。さらに、溶
液過冷却手段として空冷熱交換器の替わりに溶液熱交換
器を用いているので、全体がコンパクトになるという本
実施例特有の利点もある。
また、本実施例の中では述べていないが、溶液過冷却
手段である溶液熱交換器への冷却水の流し方を並列では
なく直列にすることにより、流速を増加して熱伝達率を
高くし、熱交換器をコンパクトにすることもできる。
次に、第7図は、本発明のさらに他の実施例に係る吸
収冷凍機の吸収蒸発装置の系統図である。図中、第1図
と同一符号のものは同等部分を示している。
第7図に示す実施例の吸収冷凍機の吸収蒸発装置は、
吸収器(1A,5A,9A),蒸発器(2A,6A,10A)、溶液過冷
却用空冷熱交換器(3A,7A,11A)、溶液輸送用ポンプ(4
A,8A,12A)を、それぞれ配管(61A,62A,63A)により作
動的に結合した吸収蒸発装置の組を3組備え、吸収器と
蒸発器の組合せを高さ方向に3段に積層配置した構成と
なつている。
再生器からの溶液は、空冷熱交換器13で過冷却された
のち配管60によつて第1の吸収器1Aに導かれ、溶液スプ
レー14から散布される。散布された溶液は微粒化して気
液界面を増大し、第1の蒸発器2Aからエリミネータ15を
通つてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が薄くなると共に
冷媒蒸気の吸収熱により温度が上昇していく。この吸収
は第1の吸収器1Aおよび第1の蒸発器2A内の圧力に平衡
な溶液温度および溶液濃度に達するまで継続する。平衡
に達した溶液は配管61Aを通つて溶液冷却用空冷熱交換
器36で冷却されたのち、第1の溶液輸送用ポンプ4Aに送
られ、第1の空冷熱交換器3Aに送られて過冷却され、一
部は再び第1の吸収器1Aへ、残りはその上方に配置され
た第2の吸収器5Aへと送られる。第1の吸収器1Aへ送ら
れた溶液は、途中で空冷熱交換器13と過冷却された再生
器からの溶液と混合して、溶液スプレー14から散布され
る。
第2の吸収器5Aへ送られた溶液は、溶液スプレー16か
ら散布されて微粒化し、第2の蒸発器6Aからエリミネー
タ17を通つて送らてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が薄
くなり温度が上昇する。吸収器5Aおよび蒸発器6Aの器内
圧力に平衡な濃度および温度に達した溶液は、配管62A
を通つて溶液冷却用の空冷熱交換器36で冷却されたの
ち、第2の溶液輸送用ポンプ8Aに送られ、第2の空冷熱
交換器7Aに送られ過冷却され、一部は再び第2の吸収器
5Aへ、残りはの上方に配置された第3の吸収器9Aへと送
られる。第2の吸収器5Aへ送られた溶液は、途中で空冷
熱交換器3Aで過冷却された第1の吸収器1Aからの溶液と
混合して、溶液スプレー16から散布される。
第3の吸収器9Aへ送られた溶液は、溶液スプレー18か
ら散布されて微粒化し、第3の蒸発器10Aからエリミネ
ータ19を通つて送られてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度
が薄くなり温度が上昇する。吸収器9Aおよび蒸発器10A
の器内圧力に平衡な濃度および温度に達した溶液は、配
管63Aを通つて溶液冷却用の空冷熱交換器36で冷却され
たのち、第3の溶液輸送用ポンプ12Aに送られ、一部は
第3の空冷熱交換器11Aに送られて過冷却され、再び第
3の吸収器9Aへ、残りは吸収冷凍機の再生器へと送られ
る。第3の吸収器9Aへ送られた溶液は、途中で空冷熱交
換器7Aで過冷却された第2の吸収器5Aからの溶液と混合
して、溶液スプレー18から散布される。
一方、凝縮器からの冷媒は配管70をを経てまず第3の
蒸発器10Aへ送られ、冷媒スプレー22から散布されて微
粒化し、自己蒸発により冷却されたのち、配管の途中に
設けられたUシール35を介して、器内の圧力差と位置ヘ
ツドの差により、第2の蒸発器6Aに送られる。第2の蒸
発器6Aに送られた冷媒は、冷媒スプレー21から散布され
て微粒化し、自己蒸発により冷却されたのち、配管の途
中に設けられたUシール34を介して、器内の圧力差と位
置ヘッドの差により、第1の蒸発器2Aに送られる。第1
の蒸発器2Aに送られた冷媒は、冷媒スプレー20から散布
されて微粒化し、自己蒸発により冷却されたのち、配管
74により冷媒循環ポンプ23へ送られたのち、例えば室内
の冷房装置へ送られる。
本実施例では、冷熱の搬送媒体として冷媒を用いてい
るので、室内の冷房装置で加温された冷媒が凝縮器から
の冷媒と混合して、再び第3の蒸発器10Aに散布され
る。
以上説明したように、第7図の実施例によれば、溶液
による冷媒吸収器を3箇所に設置し、溶液をこれらの吸
収器に順に送つて吸収を3段に分けるとともに、吸収器
に対応する3箇所の蒸発器にたいして、溶液とは逆の順
に冷媒を直列に流して、その温度を順次低下させるよう
にしているので、濃度の高い溶液に対しては低い冷媒蒸
発圧力と蒸発温度が対応し、濃度の低い溶液に対しては
高い蒸発圧力と、蒸発温度が対応しており、各段におい
て平衡に達するまでの溶液の温度上昇幅を第1図の実施
例よりさらに大きくすることができる。これにより溶液
の再循環量を減少して、溶液循環のための動力を低減す
ることができる。また、各段における吸収の圧力差も第
1図の実施例よりさらに大きくすることができるととも
に、溶液冷却の温度差も第1図の実施例よりさらに大き
くすることができるので、冷媒吸収器をおよび溶液過冷
却手段を小さくすることができる。
また、本実施例においては、冷媒を蒸発器から次の蒸
発器へ送るのに、器内の圧力差と位置ヘツドの差を使つ
ているので、冷媒循環ポンプを削減できるという本実施
例特有の効果がある。
また、本実施例においては、溶液過冷却部として空冷
熱交換器を用いているので、冷却水配管が不要であり冷
却水の得にくい場所においても作動できるという効果が
ある。
また、本実施例においては、溶液冷却用空冷熱交換器
36を溶液循環ポンプ4,8,12の入り口側に配置したので、
ポンプのキヤビテーシヨンを防止できるという本実施例
特有の効果もある。
さらに、本実施例においては、蒸発器として自己蒸発
式のものを用いているので冷水配管が不要であるととも
に、冷媒により直接冷熱を搬送するので、途中の熱交換
による温度落差が不要となつて温度効率が向上するとい
う効果もある。
次に、第8図は、本発明のさらに他の実施例に係る吸
収冷凍機の吸収蒸発装置の系統図である。図中、第5図
と同一符号のものは同等部分を示している。
第8図に示す吸収冷凍機の吸収蒸発装置は、第5図の
実施例における3組の吸収器と蒸発器の組合せに対応し
て、それぞれの下部に吸収器と蒸発器の組合せを1組づ
つ配置し、これらを配管により作動的に結合したもので
ある。
再生器からの濃度液は、空冷熱交換器13で過冷却され
たのち配管60により第1の吸収器1に導かれて、溶液ス
プレー14から散布される。散布された溶液は微粒化して
気液界面を増大し、第1の蒸発器2からエリミネータ15
を通つてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が薄くなると共
に冷媒蒸気の吸収熱により温度が上昇していく。この吸
収は第1の吸収器1および第1の蒸発器2内の圧力に平
衡な溶液温度および溶液濃度に達するまで継続する。平
衡に達した溶液は配管を通つて、位置ヘツドの差により
下部に配置された吸収器37に導かれて、溶液スプレー39
から散布される。散布された溶液は微粒化して気液界面
を増大し、蒸発器38からエリミネータ41を通つてきた冷
媒蒸気を吸収して、濃度が薄くなると共に冷媒蒸気の吸
収熱により温度が上昇していく。この吸収は吸収器37お
よび蒸発器38内の圧力に平衡な溶液温度および溶液濃度
に達するまで継続する。平衡に達した溶液は配管61Bを
通つて第1の溶液輸送用ポンプ4Bに送られ、第1の空冷
熱交換器3Bに送られて過冷却され、一部は再び第1の吸
収器1へ、残りは第2の吸収器5へと送られる。第1の
吸収器1へ送られた溶液は、途中で空冷熱交換器13で過
冷却された再生器からの溶液と混合して、溶液スプレー
14から散布される。
第2の吸収器5へ送られた溶液は、溶液スプレー16か
ら散布されて微粒化し、第2の蒸発器6からエリミネー
タ17を通つて送られてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が
薄くなり温度が上昇する。吸収器5および蒸発器6の器
内圧力に平衡な濃度および温度に達した溶液は、位置ヘ
ツドの差により下部に配置された吸収器42に導かれて、
溶液スプレー44から散布される。散布された溶液は微粒
化して気液界面を増大し、蒸発器43からエリミネータ46
を通つてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が薄くなると共
に冷媒蒸気の吸収熱により温度が上昇していく。この吸
収は吸収器42および蒸発器43内の圧力に平衡な溶液温度
および溶液濃度に達するまで継続する。平衡に達した溶
液は配管62Bを通つて第2の溶液輸送用ポンプ8Bに送ら
れ、第2の空冷熱交換器7Bに送られて過冷却され、一部
は再び第2の吸収器5へ、残りは第3の吸収器9へと送
られる。第2の吸収器5へ送られた溶液は、途中で空冷
熱交換器3Bで過冷却された第1の吸収装置1からの溶液
と混合して、溶液スプレー16から散布される。
第3の吸収器9へ送られた溶液は、溶液スプレー18か
ら散布されて微粒化し、第3の蒸発器10からエリミネー
タ19を通つて送られてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度が
薄くなり温度が上昇する。吸収器9および蒸発器10の器
内圧力に平衡な濃度および温度に達した溶液は、配管を
通つて、位置ヘツドの差により下部に配置された吸収器
47に導かれて、容器スプレー49から散布される。散布さ
れた溶液は微粒化して気液界面を増大し、蒸発器48から
エリミネータ51を通つてきた冷媒蒸気を吸収して、濃度
が薄くなると共に冷媒蒸気の吸収熱により温度が上昇し
ていく。この吸収は吸収器47および蒸発器48内の圧力に
平衡な溶液温度および溶液濃度に達するまで継続する。
平衡に達した溶液は配管63Bを通つて第3の溶液輸送用
ポンプ12Bに送られ、一部は第3の空冷熱交換器11Bに送
られて過冷却され、再び第3の吸収器9へ、残りは吸収
冷凍機の再生器へ配管64を経て送られる。第3の吸収器
9へ送られた溶液は、途中で空冷熱交換器7Bで過冷却さ
れた第2の吸収器5からの溶液と混合して、溶液スプレ
ー18から散布される。
一方、凝縮器から配管70Bを経て供給された冷媒はま
ず蒸発器38,蒸発器43,蒸発器48へ三分割されて送られ、
それぞれ冷媒スプレー40,45,50から散布されて微粒化
し、自己蒸発により冷却されたのち、再び配管により1
本にまとめられて、冷媒循環ポンプ52により第3の蒸発
器10へ送られる。
第3の蒸発器10へ送られた冷媒は、冷媒スプレー22か
ら散布されて微粒化し、自己蒸発により冷却されたの
ち、一部は第2の蒸発器6へ送られ、残りは第3の冷媒
循環ポンプ26により加圧されて凝縮器からの冷媒と混合
したのち、再び蒸発器10に送られる。
第2の蒸発器6へ送られた冷媒は、蒸発器6で冷却さ
れた冷媒の一部と混合して冷媒循環ポンプ25により加圧
されて、蒸発器6へ送られ、冷媒スプレー21から散布さ
れて微粒化し、自己蒸発により冷却されたのち、一部は
第1の蒸発器2へ送られ、残りは第3の蒸発器10からの
冷媒と混合したのち、第2の冷媒循環ポンプ25へ送られ
る。
第1の蒸発器2へ送られた冷媒は、蒸発器2で冷却さ
れた冷媒の一部と混合して冷媒循環ポンプ24により加圧
されて、蒸発器2へ送られ、冷媒スプレー20から散布さ
れて微粒化し、自己蒸発により冷媒されたのち、一部は
第2の蒸発器6からの冷媒と混合したのち、第1の冷媒
循環ポンプ24へ送られ、残りは冷媒循環ポンプ23によ
り、配管74Bを経て室内の冷房装置等の負荷側へ送られ
る。
以上説明したように、第8図の実施例によれば、第5
図の実施例と同様の溶液による冷媒の吸収を3段に分
け、それぞれの段の吸収の後半部分を分離して、冷媒を
最初に供給して圧力が最も高くなつている蒸発器に対応
させたので、各段の吸収圧力がより高くなり、平衡に達
するまでの温度上昇幅を大きくすることができるので、
溶液の再循環量をさらに減少して、溶液循環のための動
力を低減することができる。また、吸収の圧力差も大き
くなるので、吸収器の容積を小さくできる。さらに、溶
液と冷却媒体の温度差も大きくなつて、溶液過冷却手段
としての空冷熱交換器の体積も小さくできる。
また、本実施例においては、溶液過冷却部として空気
冷熱交換器を用いているので、冷却水配管が不要であり
冷却水の得にくい場所においても作動できるという効果
がある。
さらに、本実施例においては、蒸発器として自己蒸発
式のものを用いているので冷水配管が不要であるととも
に、冷媒により直接冷熱を搬送するので、途中の熱交換
による温度落差が不要となつて温度効率が向上するとい
う効果がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、溶液を過冷却する手段と蒸発器から
の冷媒蒸気を溶液に吸収する吸収器とを別構成とし、そ
の両者を、溶液を輸送する手段を有する配管系で作動的
に接続するとともに、この溶液を過冷却する手段と吸収
器との組合せからなる吸収装置と、これに対応する蒸発
器とを複数組配設し、冷媒蒸気を吸収した溶液が、前記
複数組の吸収装置を順に送られて、複数段で吸収を完了
するようにしたので、各段での溶液の温度上昇幅を大き
くして、単位溶液当りの冷媒吸収量を増加でき、溶液の
再循環量を減少して、溶液循環のための動力を低減でき
る。はた、各段における吸収の圧力差が大きくなるの
で、吸収装置の容積を小さくできる。さらに、溶液と冷
却媒体の温度差も大きくなつて、溶液過冷却手段の体積
も小さくすることができる。
また、本発明によれば、溶液が前記複数組の吸収装置
に順に送られて濃度が薄くなるとともに、対応する各蒸
発器にはこれとは逆の順で冷媒を送り温度を低下させる
ようにしたので、濃度の高い溶液に対しては低い冷媒蒸
発圧力と蒸発温度が対応し、濃度の低い溶液に対しては
高い冷媒蒸発圧力と蒸発温度を対応させることができ、
各段での溶液の温度上昇幅をさらに増大でき、溶液循環
のための動力をさらに低減できる。また、吸収の圧力差
および溶液と冷却媒体の温度差もさらに大きくなるの
で、吸収部および蒸発部の容積をさらに小さくできる。
すなわち、本発明によれば、溶液を再循環して散布す
るための輸送動力を低減するとともに、冷媒蒸気吸収部
および溶液過冷却部の体積を小形にできる吸収冷凍機の
吸収蒸発装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る吸収冷凍機の吸収蒸
発装置の系統図、第2図は、従来技術における溶液およ
び冷媒の変化を示すデユーリング線図、第3図は、本発
明による溶液および冷媒の変化を示すデユーリング線
図、第4図は、本発明による他の溶液および冷媒の変化
を示すデユーリング線図、第5図は、本発明の他の実施
例に係る吸収冷凍機の吸収蒸発装置の系統図、第6図
は、本発明のさらに他の実施例に係る吸収冷凍機の吸収
蒸発装置の系統図、第7図は、本発明のさらに他の実施
例に係る吸収冷凍機の吸収蒸発装置の系統図、第8図
は、本発明のさらに他の実施例に係る吸収冷凍機の吸収
蒸発装置の系統図である。 1,1A……第1の吸収器、2,2A……第1の蒸発器、3,3A,3
B……第1の空冷熱交換器、4,4A,4B……第1の溶液輸送
用ポンプ、5,5A……第2の吸収器、6,6A……第2の蒸発
器、7,7A,7B……第2の空冷熱交換器、8,8A,8B……第2
の溶液輸送用ポンプ、9,9A……第3の吸収器、10,10A…
…第3の蒸発器、11,11A,11B……第3の空冷熱交換器、
12,12A,12B……第3の溶液輸送用ポンプ、13……空冷熱
交換器、14……第1の溶液スプレー、16……第2の溶液
スプレー、18……第3の溶液スプレー、15,17,19……エ
リミネータ、20……第1の冷媒スプレー、21……第2の
冷媒スプレー、22……第3の冷媒スプレー、24……第1
の冷媒循環ポンプ、25……第2の冷媒循環ポンプ、26…
…第3の冷媒循環ポンプ、27,28,29……冷水用伝熱管、
34,35……Uシール、36……空冷熱交換器、37,42,47…
…吸収器、38,43,48……蒸発器、39,44,49……溶液スプ
レー、40,45,50……冷媒スプレー、41,46,51……エリミ
ネータ、52……冷媒循環ポンプ。
フロントページの続き (72)発明者 坂口 晴一郎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 功刀 能文 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 平2−118368(JP,A) 特開 平1−285750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 15/00 301 F25B 15/00 303

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷媒を蒸発する蒸発器と、 溶液を過冷却する手段と蒸発器からの冷媒蒸気を溶液に
    吸収する吸収器とを別構成とし、その両者を、溶液を輸
    送する手段を有する配管系で作動的に接続した吸収装置
    と、 からなる吸収式冷凍機の吸収蒸発装置において、 溶液を過冷却する手段と吸収器との組合せからなる吸収
    装置と、これに対応する蒸発器とを複数組配設し、 冷媒蒸気を吸収した溶液が、前記溶液を過冷却する手段
    と吸収器との組合せからなる各吸収装置を順に送られ、
    複数段で吸収が完了するように構成した ことを特徴とする吸収冷凍機の吸収蒸発装置。
  2. 【請求項2】冷媒を蒸発する蒸発器と、 溶液を過冷却する手段と蒸発器からの冷媒蒸気を溶液に
    吸収する吸収器とを別構成とし、その両者を、溶液を輸
    送する手段を有する配管系で作動的に接続した吸収装置
    と、 からなる吸収式冷凍機の吸収蒸発装置において、 吸収器と該吸収器に対応する蒸発器とをエリミネータを
    介して同一シエル内に設け、 蒸発器側には、上部に凝縮器からの冷媒の散布手段を備
    え、下部に負荷側への冷媒配管系を接続するようにし、 吸収器側には、上部に溶液循環系に接続する溶液散布手
    段を備え、下部に溶液循環系を接続し、この溶液循環系
    に溶液輸送用ポンプと溶液過冷却用の空冷熱交換器とを
    具備して吸収蒸発装置を構成し、 この吸収蒸発装置を溶液の流れの順に複数組作動的に配
    設し、 冷媒蒸気を吸収した溶液が、前記溶液過冷却用の空冷熱
    交換器と吸収器との組合せからなる吸収装置を順に送ら
    れ、複数段で吸収が完了するようにした ことを特徴とする吸収冷凍機の吸収蒸発装置。
  3. 【請求項3】溶液が、吸収器と溶液過冷却手段との組合
    せからなる複数組の吸収装置に順に送られて濃度が薄く
    なるとともに、対応する各蒸発器には、溶液の流れ方向
    と逆の順で冷媒を送るように、冷媒循環系を構成した ことを特徴とする請求項1または2記載のいずれかの吸
    収冷凍機の吸収蒸発装置。
  4. 【請求項4】溶液が、吸収器と溶液過冷却手段との組合
    せからなる複数組の吸収装置に順に送られて濃度が薄く
    なるとともに、対応する各蒸発器には、溶液の流れ方向
    と逆の順で冷水を送るように、各蒸発器に冷水伝熱管を
    設けて冷水管を直列に接続した ことを特徴とする請求項1または2記載のいずれかの吸
    収冷凍機の吸収蒸発装置。
  5. 【請求項5】吸収器と該吸収器に対応する蒸発器とをエ
    リミネータを介して同一シエル内に設けたものを複数段
    積層し、 各段シエルから各段の溶液循環ポンプ,空冷熱交換器へ
    接続する複数の溶液循環系を、前記溶液循環ポンプの入
    口側で、他の冷却熱交換器を通過せしめるように構成し
    た ことを特徴とする請求項2記載の吸収冷凍機の吸収蒸発
    装置。
  6. 【請求項6】冷媒管を、各段シエルに対して、圧力差お
    よび位置ヘツドの差によつて直列に接続するようにUシ
    ール部を設けたことを特徴とする請求項5記載の吸収冷
    凍機の吸収蒸発装置。
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