JP2852870B2 - 画像符号化における動ベクトル検出方法と装置 - Google Patents

画像符号化における動ベクトル検出方法と装置

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JP2852870B2 JP18189794A JP18189794A JP2852870B2 JP 2852870 B2 JP2852870 B2 JP 2852870B2 JP 18189794 A JP18189794 A JP 18189794A JP 18189794 A JP18189794 A JP 18189794A JP 2852870 B2 JP2852870 B2 JP 2852870B2
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剛 花村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動画像信号の符号化にお
ける動ベクトル検出方法と装置に関する。具体的には、
動画像信号を高能率符号化して伝送する場合に、動ベク
トル検出のための探索処理量を削減しながら、予測誤差
信号の小さな動き補償を可能とする動ベクトル検出方法
と装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】動画像信号は膨大な情報量を有する。そ
のために動画像信号を高能率に符号化して少ない情報量
で効率的な画像伝送を図る各種の方法が使用されてい
る。この高能率符号化に適用されるものに、画像信号の
フレーム(またはフィールド)間の相関を利用し、時間
的に1つ前に復号されたフレーム(またはフィールド)
から現在のフレーム(またはフィールド)を予測するフ
レーム間予測符号化(またはフィールド間予測符号化)
がある。現在のフレーム(またはフィールド)の画像信
号と1つ前のフレーム(またはフィールド)の画像信号
から得られる予測値との画素毎の差分値を予測誤差デー
タとして求め、得られた予測誤差データのみを符号化し
て伝送する。これにより、符号化して伝送すべき画像の
情報量が低減される。
【0003】しかし、画像中の静止領域ではフレーム間
予測符号化(またはフィールド間予測符号化)は有効だ
が、動領域では大きな予測誤差を生じ画質も劣化する欠
点がある。これを是正する手段として、フレーム間動き
補償予測符号化(またはフィールド間動き補償予測符号
化)が用いられている。フレーム間動き補償予測符号化
(またはフィールド間動き補償予測符号化)では、フレ
ーム間(またはフィールド間)の予測誤差値を求める前
に、現在のフレーム(またはフィールド)の符号化する
部分の1つ前の符号化されたフレーム(またはフィール
ド)との間の移動量である動ベクトルを検出する。
【0004】動ベクトルが得られると、1つ前の復号処
理後のフレーム(またはフィールド)の中で動ベクトル
に従ってずらした位置の現在のフレーム(またはフィー
ルド)の符号化する部分との予測誤差データを求める。
得られた予測誤差データは符号化されて動ベクトルとと
もに受信側に伝送される。
【0005】図4には、フレーム間(またはフィールド
間)動き補償予測符号化における動ベクトル検出の動作
原理を示している。図4において、150は現在のフレ
ーム(またはフィールド)画像であり、フレーム(また
はフィールド)画像の構成を、たとえば16×16画素
毎のブロックに分割する。そこで、ブロック153を動
きベクトルを検出する対象ブロックとすると、このブロ
ック153と1つ前のフレーム(またはフィールド)画
像151内のブロック153と同位置のブロック153
Bよりも水平方向および垂直方向のそれぞれの、たとえ
ば−方向に16画素、+方向に15画素大きいブロッ
ク、すなわちブロック153Bの水平方向の16画素の
前後に16画素および15画素を加えた47画素、同じ
く垂直方向の47画素からなるブロック153Bを中心
に含む47×47画素の探索領域154を、ブロック1
53と最も相関度の高いブロックを探索する領域とす
る。
【0006】この探索領域154内において、ブロック
153を水平方向および垂直方向に、たとえば1画素ず
つ順次ずらして対応する各画素毎の差分を求め、得られ
た差分値からブロック153との相関度を判定するため
の評価値を算出する。評価値としては、たとえば、差分
値の絶対値の和、あるいは差分値の自乗の和を用い、こ
れらの値が小さいほど相関度が大きいとする。評価値算
出の結果、探索領域154内において、たとえばブロッ
ク152において評価値が最小になるとすると、ブロッ
ク153Bの中心からブロック152の中心に向かうベ
クトル159を、ブロック153についての動ベクトル
とする。
【0007】このようにして得られた動ベクトルを用い
て補正したフレーム間(またはフィールド間)の予測誤
差データを符号化して伝送するならば、伝送符号量は動
き補償なしのフレーム間符号化(またはフィールド間符
号化)の場合に比べて低減される。
【0008】一方、通常の動画像信号はインタレース
(飛び越し走査)構造を持っている。インタレース構造
を持つ動画像信号は2枚のフィールドからなるフレーム
を基本構造に持つ、フィールドとは時間間隔がフレーム
の時間間隔の半分で、フィールド画像の縦方向の分解能
がフレーム画像の半分である。フィールドには0から順
に番号をつけるものとし1フレーム内の隣接するフィー
ルド時間順に偶数フィールド、奇数フィールドと呼ぶ。
【0009】フレームとは、隣接する2つのフィールド
画像を水平走査線1本毎に複合し飛び越し走査(インタ
レース)した画像である。そのため縦方向の分解能は1
フィールドの2倍になる。
【0010】インタレースとは、縦方向分解能の1/2
のフィールド画像を時間的に2倍の頻度で走査すること
で、画像のちらつき(フリッカー)を減らしつつ、か
つ、縦方向の分解能をも確保しようとする画像走査方法
である。
【0011】インタレース(飛び越し走査)構造を持っ
た動画像信号の動き補償を効率良く行うために、フレー
ム/フィールド適応切替え動き補償予測符号化が用いら
れる。これは画像中の領域毎にフレーム間動き補償予測
符号化とフィールド間動き補償予測符号化を切替えて使
用するフレーム/フィールド適応切替え動き補償予測符
号化である。フレーム/フィールド適応切替え動き補償
予測符号化では、フレーム間動き補償予測符号化時の予
測誤差データおよび動ベクトル・データと、フィールド
間動き補償予測符号化時の予測誤差データおよび動ベク
トル・データを各々求める。それぞれ得られた予測誤差
データおよび動ベクトル・データを比較し効率の良いも
のを領域毎に選択し、フレーム間動き補償予測とフィー
ルド間動き補償予測の切替えを行う。
【0012】図5,図6および図7にはフレーム間動き
補償予測符号化とフィールド間動き補償符号化における
動ベクトル探索の原理を示している。
【0013】まず図5において、160は現在のフレー
ム画像であり、このフレーム画像160中には2点鎖線
で示す偶数フィールド167と細実線で示す奇数フィー
ルド168が各々交互に存在する。このフレーム画像1
60を交互にフィールドが入り組んだまま、たとえば、
16×16画素毎のブロックに分割する。
【0014】ブロック163を動ベクトルを探索するブ
ロックとし、このブロック163と1つ前のフレーム画
像161内の同位置のブロック163Bよりも水平方向
および垂直方向のそれぞれの、たとえば−方向に16画
素、+方向に15画素大きいブロック、すなわちブロッ
ク163Bを中心に含む47×47画素の探索領域16
4を、最も相関度の高いブロックを探索する領域とし
て、図4を用いて説明した方法によりベクトル169を
得て、これをブロック163についてのフレーム動ベク
トルとする。これがフレーム間動き補償予測符号化のた
めのフレーム動ベクトル検出である。
【0015】また、図6および図7において、現在のフ
レーム160(図5)から偶数フィールド画像170
(図6)と奇数フィールド画像180(図7)を分離し
て、各々のフィールド画像170,180を独立させ
る。分離された2つのフィールドは、水平方向にはフレ
ーム画像160と同じ画素数を持ち、垂直方向にはその
半分のライン数となる。フレーム画像160において1
6×16画素に相当するブロックつまりフィールドにお
いて16×8画素のブロックに分割する。そして、フレ
ーム画像160における探索対象となるブロック163
と同位置にあるブロック173(図6)を偶数フィール
ド・ブロック、ブロック183(図7)を奇数フィール
ド・ブロックと呼ぶ。
【0016】ブロック163Bよりも水平方向および垂
直方向のそれぞれの−方向に16画素、+方向に15画
素大きいブロック、すなわち破線のブロック163Bを
中心に含む47×47画素に相当し、かつ、フレーム1
60から1つ前のフレーム161をさらに2つのフィー
ルドに分割した後の偶数フィールド171中の探索領域
174(図6)と奇数フィールド181中の探索領域1
84(図7)を、最も相関度の高いブロックを探索する
領域とする。そして、図4を用いて説明した方法によ
り、偶数フィールド・ブロック173に対して探索領域
174内で最も相関度の高い領域であるブロック172
を指す動ベクトル179(図6)を得る。同様に奇数フ
ィールド・ブロック183に対して探索領域184内で
最も相関度の高い領域であるブロック182を指す動ベ
クトル189(図7)を得る。
【0017】図8には従来のフレーム/フィールド適応
切替え動き補償予測符号化のための予測信号出力回路の
構成図の一例を示す。11は現信号入力端子であり、画
像符号化の目的となる現在の画像である符号化フレーム
の現画像信号18がデジタル符号で入力される。12は
予測する際に参照する画像信号がデジタル符号で参照画
像信号として入力される参照信号入力端子である。
【0018】参照信号入力端子12に入力された既に復
号された画像信号は、画像メモリ20に一時的に格納さ
れる。この画像メモリ20に格納された画像信号は参照
信号として使用される。
【0019】図9には、画像メモリ20内の内容である
フレーム画像190が示されている。ここで、2点鎖線
で示される197は偶数フィールドに対応する画像信
号、細実線198は奇数フィールドに対応する画像信号
を表わしており、フレーム動ベクトル探索時には必要な
領域内にある偶数フィールド197および奇数フィール
ド198が交互に読み出されて利用される。また、偶数
フィールド197を参照する動ベクトルを探索する際は
探索領域194内にある偶数フィールド197のみを読
み出し利用し、一方、奇数フィールド198を参照する
動ベクトルを探索する際は探索領域194内にある奇数
フィールド198のみを読み出して利用する。探索領域
194は予測誤差データが最小となるブロックを探索す
るあらかじめ定められた領域である(図5〜図7の16
4,174,184に対応)。
【0020】193Bは予測対象であるフレーム画像、
偶数フィールド画像または奇数フィールド画像のブロッ
クの位置に対応するブロックである(図5〜図7の16
3B,173B,183Bに対応)。192は予測誤差
データが最小となるブロックを示している(図5〜図7
の162,172,182に対応)。ブロック193B
の中心からブロック192の中心に向かっている矢印1
99は動ベクトルである(図5〜図7の169,17
9,189に対応)。
【0021】図8のFRVD1Bはフレーム間動き補償
予測用のフレーム動ベクトル検出器であり、探索の対象
である領域194の画像信号を画像メモリ20から画像
信号25として読み出し、また、現画像信号18を受け
て公知の動ベクトル探索技術で動ベクトル199を検出
し、それを動ベクトル情報45として出力する。フレー
ム動ベクトル検出器FRVD1Bから出力される動ベク
トル情報45を受けたフレーム・ブロック読出器FRB
R1では、この動ベクトル情報45に従い、画像メモリ
20から動き補償されたブロック192(図9)の画像
信号35を読出し、画像信号55を出力する。この画像
信号55は予測信号出力器70に入力される。
【0022】また、図8のFIVD1Bは偶偶フィール
ド動ベクトル検出器、FIVD2Bは偶奇フィールド動
ベクトル検出器、FIVD3Bは奇偶フィールド動ベク
トル検出器、FIVD4Bは奇奇フィールド動ベクトル
検出器であり、それらはフィールド動き補償予測用の動
ベクトルの検出をしている。
【0023】偶偶フィールド動ベクトル検出器FIVD
1B、偶奇フィールド動ベクトル検出器FIVD2B、
奇偶フィールド動ベクトル検出器FIVD3Bおよび奇
奇フィールド動ベクトル検出器FIVD4Bでは、それ
ぞれ探索領域194の画像信号を21,22,23およ
び24として読出し、また、現画像信号18のうち対応
するフィールドの画像情報を受けて、公知のフィールド
動ベクトル探索技術で動ベクトルを検出し、動ベクトル
情報41,42,43および44を出力する。ここで、
画像信号21および23は図9の探索領域194中の偶
数フィールドの画像情報であり、画像信号22および2
4は図9の探索領域194中の奇数フィールドの画像情
報である。
【0024】41は偶偶の動ベクトル情報、42は偶奇
の動ベクトル情報、43は奇偶の動ベクトル情報、およ
び44は奇奇の動ベクトル情報を各々示している。ま
た、偶偶の動ベクトル情報41は偶数フィールド・ブロ
ックから偶数フィールド中の探索領域に含まれた参照ブ
ロックへの動ベクトルであり、偶奇の動ベクトル情報4
2は偶数フィールド・ブロックから奇数フィールド中の
探索領域に含まれた参照ブロックへの動ベクトルであ
る。奇偶の動ベクトル情報43は奇数フィールド・ブロ
ックから偶数フィールド中の探索領域に含まれた参照ブ
ロックへの動ベクトルであり、奇奇の動ベクトル情報4
4は奇数フィールド・ブロックから奇数フィールド中の
探索領域に含まれた参照ブロックへの動ベクトルであ
る。
【0025】図10には4種類の動ベクトル情報41,
42,43および44を説明するためのフィールド画像
が示されている。これら4種類のフィールドの動ベクト
ル情報41,42,43および44には、探索の対象と
なるブロックと参照するフィールドの違いによって時間
のずれがある。図10中では図面の水平方向は時間軸、
垂直方向は画像の縦軸を表わし、○,×が交互に走査さ
れた各フィールドの走査線である。動ベクトルは、4種
類のフィールド動ベクトルおよびフレーム動ベクトルと
もに、予測フレームと参照フレーム中でのブロック移動
量として扱っている。つまり、各動ベクトルの垂直方向
成分は、フレーム画像(図5の161)の偶数フィール
ドと奇数フィールドが交互に入れ子になった状態での移
動したライン数として定義する。
【0026】時間の間隔については、たとえば、現在の
偶数フィールド画像170(図6)(または奇数フィー
ルド画像180(図7))と参照する偶数フィールド画
像171(図6)(または奇数フィールド画像181
(図7))の間隔がフレーム時間間隔と同じであり、偶
偶の動ベクトル101と奇奇の動ベクトル104は時間
の経過が同位置のフレーム動ベクトルと同一となる。つ
まり、偶偶の動ベクトル101と奇奇の動ベクトル10
4は画像平面上での大きさ、つまりフィールド画像の水
平方向成分、垂直方向成分がフレーム画像の同位置のフ
レーム動ベクトルと同じである。
【0027】一方、偶奇の動ベクトル102は1フィー
ルド時間分だけフレーム動ベクトルに比べて時間経過が
短く、また、奇偶の動ベクトル103は1フィールド時
間分だけフレーム動ベクトルに比べて時間経過が長い。
つまりフレーム画像の同位置のフレーム同ベクトルの大
きさに比較すると、偶奇の動ベクトル102の大きさは
小さく、また、奇偶の動ベクトル103の大きさは大き
い。
【0028】4種類の偶偶フィールド動ベクトル検出器
FIVD1B、偶奇フィールド動ベクトル検出器FIV
D2B、奇偶フィールド動ベクトル検出器FIVD3B
および奇奇フィールド動ベクトル検出器FIVD4Bか
ら出力される動ベクトル情報41,42,43および4
4を受けたフィールド・ブロック読出器FIBR1,F
IBR2,FIBR3およびFIBR4では、それぞれ
の動ベクトル情報41,42,43および44に従い、
画像メモリ20の動き補償されたブロック192(図
9)内の対応するフィールドの画像データを読出し、そ
れぞれ画像信号51,52,53および54を出力し、
それぞれ対応する切替スイッチ61および62に印加さ
れる。
【0029】切替スイッチ61および62内には、それ
ぞれ端子aおよびbがあり、それぞれの端子に印加され
ている予測誤差信号のうち小さい方の予測誤差信号を選
択し、参照するフィールドを切替ている。切替スイッチ
61の端子aには偶数フィールド・ブロック(図6内の
173)を予測するための偶数フィールド参照ブロック
(図10内の115)からの予測信号が印加されてい
る。
【0030】切替スイッチ61の端子bには偶数フィー
ルド・ブロック(図6内の173)を予測するための奇
数フィールド参照ブロック(図10内の116)からの
予測信号が印加されている。切替スイッチ62の端子a
には奇数フィールド・ブロック(図7内の183)を予
測するための偶数フィールド参照ブロック(図10内の
117)からの予測信号が印加されている。切替スイッ
チ62の端子bには奇数フィールド・ブロック(図7内
の183)を予測するための奇数フィールド参照ブロッ
ク(図10内の118)からの予測信号が印加されてい
る。
【0031】参照フィールドの切替スイッチ61は偶数
フィールド・ブロックのためのフィールド切替スイッチ
であり、予測信号候補となる画像信号51および52の
うち小さい方の予測誤差信号である画像信号56を出力
し、これを予測信号出力器70内のフィールド混合器7
1に印加する。一方、参照フィールドの切替スイッチ6
1は奇数フィールド・ブロックのためのフィールド切替
スイッチであり、予測信号候補となる画像信号53およ
び54のうち小さい方の予測誤差信号である画像信号5
7を出力し、これを予測誤差信号出力器70内のフィー
ルド混合器71に印加する。
【0032】予測信号出力器70内のフィールド混合器
71では偶数フィールド、奇数フィールドを走査順に従
って並べ替え、予測対象ブロックに対応する予測信号7
3を構成する。切替スイッチ72には端子a〜cがあ
り、予測モードを図示されてはいない制御信号によって
切替えている。一般には予測信号の誤差データが最小と
なるような予測信号が選択され、それに従うように切替
スイッチ72が切替えられる。
【0033】切替スイッチ72の端子aが選択されるの
は、接地であるフレーム内予測信号74を選んで無信号
を出力しフレーム内予測が行われ、端子bが選択される
と、フィールド混合器71からの予測信号73が選択さ
れてフィールド動き補償予測が行われ、端子cが選択さ
れるとフレーム・ブロック読出器FRBR1からの画像
信号55が選択されてフレーム動き補償予測が行われ
る。
【0034】以上説明した動作によってフレーム/フィ
ールド適応切替え動き補償予測が行われる。
【0035】さらに動ベクトル検出の際、周囲のブロッ
クの動ベクトルを参照し、その動ベクトルが指す点を初
期偏位点とし、その点を中心に通常の探索領域より狭い
範囲を動ベクトル探索領域として処理量を削減する手法
が知られており、たとえば、つぎの文献および公開公報
により開示されている。
【0036】文献1.和田 他“動き量検出における初
期偏位の検討” 昭和60年度電子通信学会総合全国大
会 1212 1985年3月5日発行 公開公報1.特開昭62−53584 “動画像の動き
量検出方式”
【0037】
【発明が解決しようとする課題】フレーム/フィールド
適応動き補償予測符号化を行う際に必要となる、フレー
ム動ベクトルとフィールド動ベクトルは、各々独立に候
補領域を探索することによって求められている。ところ
が、同一のブロックでは、本来、フレーム動ベクトルと
フィールド動ベクトルは同じ動きを示し、また、周辺の
ブロックでの動ベクトルも考慮に入れれば類推して動ベ
クトルとすることで、すべての探索領域を探索すること
なく動き補償予測するに十分なベクトルが得られるにも
関わらず、独立に候補領域を全部探索して無駄な処理を
行っている。そのために処理量が多く、実際の装置を構
築する際に規模を十分に小さくできないという欠点があ
る。
【0038】たとえば、図8において、フィールド予測
に使うための偶偶の動ベクトル41,偶奇の動ベクトル
42,奇偶の動ベクトル43および奇奇の動ベクトル4
4を得るために、全く独立に探索領域から相関度最大を
与える動ベクトルとして求めている。また、一方でフレ
ーム・ブロックに対する予測のためのフレーム動ベクト
ルも、4つのフィールドの動ベクトル41,42,43
および44とは独立に、探索領域から相関度最大を与え
る動ベクトルを得ている。
【0039】しかし、同じ位置のブロックであるフレー
ムブロック163(図5)、偶数フィールドブロック1
73(図6)および奇数フィールドブロック183(図
7)に対する5種類の動ベクトル、すなわち、フレーム
動ベクトル情報45、偶偶動ベクトル情報41、偶奇動
ベクトル情報42、奇偶動ベクトル情報43および奇奇
動ベクトル情報44は本来ほぼ同じ向きを示すのにも関
わらず、これらを得るために全く独立に候補領域を探索
するという無駄な処理を行って、全体の処理量を増大さ
せているという解決されるべき課題が残されていた。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたものである。インタレース動
画像を入力し、フレーム/フィールド適応動き補償予測
画像符号化に必要となる動ベクトルを探索する装置にお
いて、4種類のフィールド動ベクトルと1種類のフレー
ム動ベクトルの計5種類の動ベクトルのうち、すでに検
出が終っている動ベクトルの中から、同一のブロックお
よび近傍のブロックにおける数個の動ベクトルを候補と
し、候補となる動ベクトルを時間方向の距離を考慮して
伸長または収縮した後、終了していない動ベクトルの探
索においては、従来の探索候補領域の各点についての相
関度を計算することなく候補ベクトルの指す点だけの相
関度を計算し、そのうち最も相関度の高い位置を指して
いる動ベクトルをその検出対象ブロックの動ベクトルと
するようにした。
【0041】
【作用】後段課程の動ベクトル探索において、すでに前
段課程において検出された動ベクトルを候補として選択
し、必要ならば伸縮を施し、これら候補動ベクトルが指
している数個所のブロック位置だけの相関度を計算する
ことによって、動きの量の推定を大きく誤ることなく動
ベクトル検出のための相関度の計算回数を大幅に削減す
ることができるようになった。
【0042】従来例では、たとえばフレーム動ベクトル
を検出する際、水平方向および垂直方向のそれぞれの−
方向に16画素、+方向に15画素大きいブロック、す
なわちブロック163Bを中心に含む47×47画素の
探索領域164内の2209(=47×47)点の異な
る位置のブロック全てに対して相関度を計算し、相関度
を最も大とする動ベクトルを得ることでしか動き量を正
確には推定できなかった。それに対し、本発明によれ
ば、たとえば同位置のブロックとその近傍ブロックの動
きベクトルを参照し、それらから得られるせいぜい数個
の候補動ベクトルの指している位置だけの相関度を計算
すればよく、従来例に比べて動ベクトル検出に費やす処
理量および画像メモリに対するアクセス回数を大幅に減
少させることが可能となった。
【0043】
【実施例】図1には本発明の第1の実施例が示されてい
る。図8に示した構成要素に対応するものには同じ記号
を付している。
【0044】FRVD1はフレーム間動き補償予測用の
フレーム動ベクトル検出器であり、動ベクトル選択・伸
縮器15に対して候補動ベクトル情報17を要求し、そ
の要求に対して得られた複数の候補動ベクトル情報17
および現画像信号18を受けて、候補動ベクトル情報1
7がすでに存在する場合には予測対象ブロック193B
の位置の中心から候補動ベクトル情報17だけずれてい
るブロックの画像信号を画像メモリ20から画像信号2
5として候補動ベクトル分だけを読み出し、公知の相関
度を計算する技術で相関度が最も大となる候補動ベクト
ルを選び出して、そのブロックでの動ベクトルとし、動
ベクトル情報45を出力する。
【0045】一方、たとえば、そのフレームの中の最初
に検出するブロックのように候補動ベクトル情報17を
得られない場合には、従来例を示す図8のフレーム動ベ
クトル検出器FRVD1Bと同様の動作により動ベクト
ル199(図9)を検出し、動ベクトル情報45を出力
する。
【0046】図1のフレーム動ベクトル検出器FRVD
1の動作が図8のフレーム動ベクトル検出器FRVD1
Bの動作と大きく異なる点は、動ベクトル選択・伸縮器
15から送出される複数の候補動ベクトル情報17が存
在する場合であり、この場合は図8の従来例とは異なっ
て、探索領域に含まれた各点に対しては相関度を計算せ
ず、得られた候補動ベクトル情報17が指している位置
だけの相関度を計算する点にある。しかし、候補動ベク
トルが全く得られないときは、図8のフレーム動ベクト
ル検出器FRVD1Bの動作と全く同様の方法、つまり
所望の探索領域に含まれた各点に対して相関度を計算し
動ベクトル検出を行う。このようにして、大幅に処理量
を削減する。
【0047】フレーム動ベクトル検出器FRVD1は動
ベクトル199(図9)を表わす動ベクトル情報45を
出力するが、後に続く別の予測対象ブロックの候補動ベ
クトルとして利用するために動ベクトル情報45として
動ベクトル・メモリ14に送られ、送られた動ベクトル
情報は動ベクトル・メモリ14に蓄えられた後、後段課
程の動ベクトル検出に用いられる。
【0048】FIVD1は偶偶フィールド動ベクトル検
出器、FIVD2は偶奇フィールド動ベクトル検出器、
FIVD3は奇偶フィールド動ベクトル検出器、FIV
D4は奇奇フィールド動ベクトル検出器であり、フィー
ルド間動き補償予測用の動ベクトル検出器として動作す
る。
【0049】それらは動ベクトル選択・伸縮器15に対
して候補動ベクトル情報17を要求し、その要求に対し
て得られた候補動ベクトル情報17および現画像信号1
8のうち対応するフィールドの画像信号21,22,2
3および24を画像メモリ20より受け、候補動ベクト
ル17がすでに存在する場合には、予測対象のブロック
193B(図9)の中心から候補動ベクトル情報17の
表わす動ベクトル199(図9)だけずれているブロッ
ク192の画像信号を画像メモリ20から探索対象とし
ているフィールドだけをそれぞれ画像信号21,22,
23および24として読み出し、公知の相関度を計算す
る技術で相関度が最も大となる候補動ベクトルを選び出
して、そのブロックでの動ベクトル199とし各々動ベ
クトル情報41,42,43および44を出力してい
る。
【0050】画像信号21および23は探索領域194
中の偶数フィールドの画像情報であり、画像信号22お
よび24は探索領域194中の奇数フィールドの画像情
報である。また、動ベクトル情報41は偶偶の動ベクト
ル情報、動ベクトル情報42は偶奇の動ベクトル情報、
動ベクトル情報43は奇偶の動ベクトル情報、動ベクト
ル44は奇奇の動ベクトル情報を各々示している。
【0051】一方、たとえば、そのフレームの中で最初
に検出するブロックのように候補動ベクトル17が得ら
れない場合には、探索領域194の画像信号を画像信号
21,22,23および24として読み出し、また、現
画像信号18のうち対応するフィールドの画像情報を受
けて、図8の場合と同じく、公知の動ベクトル探索技術
で動ベクトル199を検出し、動ベクトル情報41,4
2,43および44を出力する。
【0052】図1の偶偶フィールド動ベクトル検出器F
IVD1、偶奇フィールド動ベクトル検出器FIVD
2、奇偶フィールド動ベクトル検出器FIVD3および
奇奇フィールド動ベクトル検出器FIVD4が、動作と
して図8のそれぞれ偶偶フィールド動ベクトル検出器F
IVD1B、偶奇フィールド動ベクトル検出器FIVD
2B、奇偶フィールド動ベクトル検出器FIVD3Bお
よび奇奇フィールド動ベクトル検出器FIVD4Bと大
きく異なるのは、動ベクトル選択・伸縮器15から送出
される複数の候補動ベクトル情報17が存在する場合で
ある。
【0053】この場合は探索領域194に含まれた各点
に対しては相関度を計算せず、得られた候補の動ベクト
ル199を表わす候補動ベクトル情報17が指している
位置だけの相関度を計算するから、図8の偶偶フィール
ド動ベクトル検出器FIVD1B、偶奇フィールド動ベ
クトル検出器FIVD2B、奇偶フィールド動ベクトル
検出器FIVD3Bおよび奇奇フィールド動ベクトル検
出器FIVD4Bの各々と全く同様の方法、つまり所望
の探索領域194に含まれた各点に対して相関度を計算
し動ベクトル199の検出を行う。このようにして、大
幅に処理量を削減することができる。
【0054】動ベクトル・メモリ14および動ベクトル
選択・伸縮器15での動作を説明する。5つの動ベクト
ル検出器FIVD1〜4,FRVD1から出力される動
ベクトル情報41,42,43,44および45を受け
た動ベクトル・メモリ14では、これを一旦蓄える。5
つの各動ベクトル検出器FIVD1〜4,FRVD1か
ら動ベクトル選択・伸縮器15に対して候補動ベクトル
情報17の送出の要求があった場合に、動ベクトル選択
・伸縮器15は必要な動ベクトルを動ベクトル・メモリ
14より動ベクトル情報16として選択して読み出し、
必要ならば伸長または収縮し、候補動ベクトル情報17
として出力し、候補動ベクトル情報17の送出の要求の
あった動ベクトル検出器へ送る。
【0055】しかし、5つの動ベクトル検出器FIVD
1〜4,FRVD1から得られた動ベクトル・メモリ1
4内にある動ベクトル情報のうち、候補動ベクトル情報
17の送出の要求があったブロック位置および近傍ブロ
ックにおける既検出動ベクトルが、たとえば、そのフレ
ームの最初のブロックなどのように動ベクトル・メモリ
14内に全く存在しない場合もあり得る。その場合は動
ベクトル情報が存在しないという情報を候補動ベクトル
情報17として出力する。
【0056】図2には動ベクトル選択・伸縮器15での
候補動ベクトル選択のための参照ブロックを示してい
る。動ベクトル選択・伸縮器15では、候補動ベクトル
の伸長または収縮を行う前に候補動ベクトルの選択を行
うが、まず図8の従来例で示した方法で、たとえば図2
中のブロック141を検出対象ブロックとしたときの、
検出対象ブロック141、その上のブロック143、左
のブロック142、右のブロック144、下のブロック
145の5つのブロックを検出対象として、それまでに
すでに検出されている動ベクトル情報16をすべて選択
する。
【0057】動ベクトル選択・伸縮器15で行われる候
補動ベクトルの伸長または収縮の動作について説明す
る。動ベクトル選択・伸縮器15では選択された候補動
ベクトルに対し、候補動ベクトル送出の要求のあった動
ベクトル検出器で必要としている動ベクトルのフィール
ド間距離に合せた伸長または収縮を行う。本発明での動
ベクトルについては、4種類のフィールド動ベクトルお
よび1種類のフレーム動ベクトル共に、予測フレームと
参照フレーム中でのブロック移動量として扱っている。
つまり、各動ベクトルの垂直方向成分は、フレーム画像
(図5の161)の偶数フィールドと奇数フィールドが
交互に入れ子になった状態での移動したライン数として
定義する。
【0058】まず、動ベクトル・メモリ14中に保存さ
れている動ベクトルVr を求めたときに使用された予測
対象フィールドと参照フィールドのフィールド間の時間
間隔または予測対象フレームと参照フレームのフレーム
間の時間間隔をmとし、これから探索しようとしている
予測対象フィールドと参照フィールドのフィールド間の
時間間隔または予測対象フレームと参照フレームのフレ
ーム間の時間間隔をnとした場合、候補動ベクトルVc
は、 Vc =(n/m)Vr とし、この計算結果において所望の動ベクトル精度より
も高い精度が得られる場合には、これを動ベクトル検出
器で所望の動ベクトルの精度になるように端数の切り捨
て、切り上げ、四捨五入などにより丸める。
【0059】より具体的な例について図10を使って説
明する。同図中の偶数検出対象のブロック173に対す
る偶偶動ベクトル101と偶奇動ベクトル102が既に
検出されている状態で、この2つの既検出の動ベクトル
101と102を候補動ベクトルとして利用し、奇数検
出のブロック183の奇数の参照するフィールド画像1
81への動ベクトル104を探索しようとする場合を考
える。
【0060】偶数フィールド画像170と参照する偶数
フィールド画像171は時間的にm′秒離れており、偶
数フィールド画像170と参照する奇数フィールド画像
181は時間的にn′秒離れているものと仮定し、既検
出の偶偶動ベクトル101をV1 、偶奇動ベクトル10
2をV2 とし、これから得られる奇数検出のブロック1
83用の候補動ベクトルをそれぞれVc1およびVc2とす
ると、奇数フィールド画像180と奇数参照するフィー
ルド画像181の時間間隔は偶数フィールド画像170
と参照する偶数フィールド画像171の時間間隔m′と
同じであり、2つの候補動ベクトルVc1およびVc2は、
それぞれ Vc1=(m′/m′)V1 =V1c2=(m′/n′)V2 となる。
【0061】つまり、候補動ベクトルVc1には既検出動
ベクトルV1 をそのまま流用でき、候補動ベクトルVc2
には既検出動ベクトルV2 を伸長または収縮して利用す
る。このようにして候補動ベクトルは必要に応じて伸長
または収縮して利用する。
【0062】そして、たとえば時間間隔がm′=0.0
4(秒)、n′=0.03(秒)のとき、候補動ベクト
ルVc2の画面中での水平方向、垂直方向の各成分は実数
になり、奇奇動ベクトル検出が整数精度の入力しか利用
できない場合には、その候補動ベクトルVc2の各成分の
端数を切り捨て、切り上げあるいは四捨五入などにより
丸めて、整数精度の候補動ベクトル情報17とする。こ
の整数精度は検出対象の要求する精度に変更することは
容易である。
【0063】また、同じ状況で奇数検出のブロック18
3のかわりにフレーム検出のブロック(図5の163)
の動ベクトル検出(図5の169の検出で図1のFRV
D1での検出動作)を行う場合を考える。この場合、検
出対象フレーム(図5の160に対応)と参照フレーム
(図5の161に対応)の時間間隔は、偶数フィールド
画像170と参照する偶数フィールド画像171の時間
間隔m′と同じであり、2つの既検出動ベクトルVc1
よびVc2から得る2つの候補動ベクトルを各々Vc1B
よびVc2B としたとき、それらは、 Vc1B =(m′/m′)V1 =V1c2B =(m′/n′)V2 となる。
【0064】つまり候補動ベクトルVc1B には既検出動
ベクトルV1 をそのまま流用でき、候補動ベクトルV
c2B には既検出動ベクトルV2 を伸長あるいは収縮して
利用する。また、必要があれば所望の動ベクトル精度の
範囲内で、端数を切り捨て、あるいは切り上げまたは四
捨五入などにより、整数値に丸めて候補動ベクトル情報
17とする。なお、計算の途中に用いたフィールド間距
離m′およびn′は時間間隔に相当するもので代用で
き、たとえばフィールド数、フレーム数などを容易に用
いることができる。
【0065】図1において、動ベクトル・メモリ14、
動ベクトル選択・伸縮器15を設けていることも、図8
に示す従来例に比較して大きく異なる点である。従来例
では動ベクトル選択・伸縮器15を具備しないために、
それぞれの動ベクトルを全く独立して検出しなければな
らず、5種類の動ベクトル情報41,42,43,44
および45の検出において、所望の探索領域194に含
まれるすべての画素に対して相関度を計算する必要が生
じ、探索にともなう演算量が莫大なものとなっていた。
【0066】これに対して、図1の本発明では動ベクト
ル・メモリ14、動ベクトル選択・伸縮器15を設け、
既検出のブロックでの動ベクトルを他のブロックで検出
する際の候補動ベクトル情報17とし、候補動ベクトル
情報17が指し示す点のみに対して相関度を計算するだ
けでよく、演算量を大幅に削減できるだけでなく、動ベ
クトルの検出時に動ベクトル情報41,42,43,4
4および45として画像メモリ20から読出す参照点の
画像情報量をも同時に大幅に削減できる。
【0067】ここで、すでに数種類の動ベクトル検出が
終了している状況として、動ベクトル検出器のうち偶偶
フィールド動ベクトル検出器FIVD1、偶奇フィール
ド動ベクトル検出器FIVD2、奇偶フィールド動ベク
トル検出器FIVD3および奇奇フィールド動ベクトル
検出器FIVD4とフレーム動ベクトル検出器FRVD
1の順で各種類の動ベクトル毎ですべての動ベクトルが
検出される例を考える。
【0068】例えば、1画面中で偶偶フィールド動ベク
トル検出器FIVD1および偶奇フィールド動ベクトル
検出器FIVD2での動ベクトル探索がすべて終了して
いる状況で、奇偶フィールドの動ベクトル情報43を奇
偶フィールド動ベクトル検出器FIVD3により検出す
るとき、偶偶フィールドの動ベクトル情報41、偶奇フ
ィールドの動ベクトル情報42を候補動ベクトル情報1
7として参照することができる。
【0069】あらかじめ動ベクトル選択・伸縮器15に
おいて蓄えられた動ベクトル情報41および42のうち
のいくつか、たとえば図2中でブロック141を検出対
象ブロックとしたときの、検出対象ブロック141とそ
の上のブロック143、左のブロック142、右のブロ
ック144、下のブロック145の5つのブロックで検
出された動ベクトル2種類づつ合計10個の動ベクトル
を、動ベクトル・メモリ14から動ベクトル情報16と
して選択し、動ベクトル選択・伸縮器15において候補
動ベクトルとして利用するために時間間隔を考慮して必
要に応じて伸縮する。
【0070】これら伸縮された動ベクトルを候補動ベク
トル情報17として奇偶フィールド動ベクトル検出器F
IVD3に入力する。奇偶フィールド動ベクトル検出器
FIVD3では得られた10個の候補動ベクトルと奇偶
フィールド動ベクトル検出器FIVD3ですでに検出が
終っているベクトル、たとえば、左上から右下に向かっ
て各ブロックの動ベクトルを得ている場合の図2におけ
るブロック142および143での検出結果も、そのま
ま候補動ベクトル情報17に加え合計で12個の動ベク
トルを候補ベクトルとする。そしてこれらの与えられた
12個のベクトルが指す位置のブロックの相関度を公知
の技術を用いてそれぞれ計算し、相関度が最も大となる
候補ベクトルを検出対象の候補動ベクトル情報17とし
て出力する。
【0071】こうすることで相関度を計算しなければな
らない点の数が、探索領域194全体の場合、たとえば
47×47の探索領域ならば2209点必要だったもの
が12点でよく、大幅に計算処理量を削減できる。後続
のブロックおよび残った奇奇フィールド動ベクトル検出
器FIVD4やフレーム動ベクトル検出器FRVD1で
の検出も同様に行う。
【0072】なお、以上の図1を中心とした説明では、
5種類の動ベクトルを検出する順番は、偶偶フィールド
動ベクトル検出器FIVD1、偶奇フィールド動ベクト
ル検出器FIVD2、奇偶フィールド動ベクトル検出器
FIVD3および奇奇フィールド動ベクトル検出器FI
VD4とフレーム動ベクトル検出器FRVD1の順序以
外に任意に選ぶことができる。また、検出を終了してい
る動ベクトルのうち全ての種類を使わず一部分だけを利
用することも容易にできる。さらに、図2にある参照す
るブロック位置は、ブロック141,142,143,
144および145のうちの1つまたは複数個に候補を
減らすことができるし、ここに示さないブロックを用い
て候補を増加することもできる。そして、検出途中の種
類の動ベクトルの検出結果を使う場合もブロック14
2,143以外の検出の終了しているブロックでの結果
を候補に追加することもできる。
【0073】図3には本発明の他の実施例が示されてい
る。図1に示した構成要素に対応するものについては同
じ記号を付したので、図1の構成および機能と異なる点
について説明する。
【0074】図3においては、動ベクトル・メモリ14
に入力する動ベクトル情報を偶偶の動ベクトル情報4
1、奇奇の動ベクトル情報44だけに限定し、候補動ベ
クトル情報17をフレーム動ベクトル探索にのみ利用す
るためにフレーム動ベクトル検出器FRVD1にのみ印
加するようにした場合である。図3の実施例では、ま
ず、4種類の偶偶フィールド動ベクトル検出器FIVD
1、偶奇フィールド動ベクトル検出器FIVD2、奇偶
フィールド動ベクトル検出器FIVD3および奇奇フィ
ールド動ベクトル検出器FIVD4での検出は、従来例
で行われている探索領域内のすべての点に対して相関度
を計算する方法を用いて検出する。
【0075】最後に残されたフレーム動ベクトルの探索
では、図2のブロック141,142,143,144
および145で検出された偶偶動ベクトル情報41と奇
奇動ベクトル情報44を伸縮し、図3の動ベクトル選択
・伸縮器15から候補動ベクトル情報17として出力
し、また、フレーム動ベクトル探索の途中で検出された
ブロック142,143でのフレーム動ベクトル2個を
得、合計12個の候補動ベクトル情報17のそれぞれが
指すブロックと検出対象ブロックとの相関度を求め、相
関度が最も大となる候補動ベクトルを検出した動ベクト
ル情報45とする。
【0076】以上の図3に関する説明では、候補動ベク
トルとして参照する動ベクトルの種類を限定した場合に
ついて説明した。この他にも候補動ベクトルの参照を限
定する実施例はいくつも存在し、図示してはいないが、
たとえば、動ベクトル・メモリ14に動ベクトル情報4
5を入力し、4種類のフィールドの動ベクトル情報4
1,42,43,および44の検出をこの候補動ベクト
ル情報17を用いて行う構成としたりすることも可能
で、これは図1の動ベクトル・メモリ14への動ベクト
ルの流れや、動ベクトル選択・伸縮器15からの候補動
ベクトル情報17を送出する先の動ベクトル検出器を限
定して構成すれば容易に実現可能である。
【0077】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による動ベクトル検出方法と装置を用いると、従来例に
よる場合に比べて、検出処理および画像メモリへのアク
セス回数を大幅に低減することができることから、画像
信号の符号化処理時間およびハードウェア規模を小さく
できる。したがって本発明の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路構成図である。
【図2】本発明における候補動ベクトル選択のための参
照ブロックを説明する原理図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す回路構成図である。
【図4】従来の動ベクトル検出の動作原理を説明するた
めのフレーム画像図である。
【図5】従来のフレーム予測を説明するためのフレーム
画像図である。
【図6】従来のフィールド予測を説明するための偶数フ
ィールド画像図である。
【図7】従来のフィールド予測を説明するための奇数フ
ィールド画像図である。
【図8】従来の実施例を示す回路構成図である。
【図9】図1および図3の構成要素である画像メモリの
内容を示す内部構成図である。
【図10】従来のフィールド動ベクトルの時間関係を説
明するフィールド画像図である。
【符号の説明】 11 現信号入力端子 12 参照信号入力端子 13 予測信号出力端子 14 動ベクトルメモリ 15 動ベクトル選択・伸縮器 16 動ベクトル情報 17 候補動ベクトル情報 18 現画像信号 21〜25,31〜35 画像信号 41〜45 動ベクトル情報 51〜57 画像信号 61,62 切替スイッチ 70 予測信号出力器 71 フィールド混合器 72 切替スイッチ 73 フィールド予測信号 74 フレーム内予測信号 101〜104 動ベクトル 115〜118,141〜145 ブロック 150,151 画像 152,153,153B ブロック 154 探索領域 159 動ベクトル 160,161 フレーム画像 162,163,163B ブロック 164 探索領域 167 偶数フィールド 168 奇数フィールド 169 動ベクトル 170,171 偶数フィールド画像 172,173,173B ブロック 174 探索領域 179 動ベクトル 180,181 奇数フィールド画像 182,183,183B ブロック 184 探索領域 189 動ベクトル 190 フレーム画像 192,193B ブロック 194 探索領域 197 偶数フィールド 198 奇数フィールド 199 動ベクトル FIBR1〜FIBR4 フィールドブロック読出器 FIVD1,FIVD1B 偶偶フィールド動ベクトル
検出器 FIVD2,FIVD2B 偶奇フィールド動ベクトル
検出器 FIVD3,FIVD3B 奇偶フィールド動ベクトル
検出器 FIVD4,FIVD4B 奇奇フィールド動ベクトル
検出器 FRBR1 フレームブロック読出器 FRVD1,FRVD1B フレーム動ベクトル検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−41861(JP,A) 特開 平6−78298(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 7/24 - 7/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インタレース動画像の現画像(18)と
    参照画像(21〜25)とを受けて、複数種類のフィー
    ルド動ベクトル(41〜44)と1つのフレーム動ベク
    トル(45)とを検出する画像符号化における動ベクト
    ル検出方法において、 前記複数種類のフィールド動ベクトル(41〜44)と
    前記1つのフレーム動ベクトル(45)のうちのすくな
    くとも1つの動ベクトルがすでに検出されているときに
    は(14)、 前記すでに検出されている動ベクトルの指すブロックお
    よびその近傍の所定のブロックを指す動ベクトルを選択
    し(15)、 前記選択された動ベクトルを前記現画像(18)と前記
    参照画像(21〜25)との間の時間方向の距離を計算
    して伸縮処理し候補動ベクトル(17)とし(15)、 前記複数種類のフィールド動ベクトル(41〜44)と
    前記1つのフレーム動ベクトル(45)のうちのすくな
    くとも1つの動ベクトルを検出するときには、前記候補
    動ベクトル(17)の指す点の画素だけの相関度を計算
    し、前記候補動ベクトル(17)のうち前記相関度が最
    大となる点を指した前記候補動ベクトルを検出されるべ
    き動ベクトル(41〜45)とする画像符号化における
    動ベクトル検出方法。
  2. 【請求項2】 インタレース動画像の現画像(18)と
    参照画像(21〜25)とを受けて、偶偶フィールド動
    ベクトル(41)と、偶奇フィールド動ベクトル(4
    2)と、奇偶フィールド動ベクトル(43)と、奇奇フ
    ィールド動ベクトル(44)と、フレーム動ベクトル
    (45)とを検出する画像符号化における動ベクトル検
    出方法において、 前記偶偶フィールド動ベクトル(41)と前記奇奇フィ
    ールド動ベクトル(44)のうちのすくなくとも一方の
    動ベクトルがすでに検出されているときには(14)、 前記すでに検出されている動ベクトルの指すブロックお
    よびその近傍の所定のブロックを指す動ベクトルを選択
    し(15)、 前記選択された動ベクトルを前記現画像(18)と前記
    参照画像(21〜25)との間の時間方向の距離を計算
    して伸縮処理し候補動ベクトル(17)とし(15)、 前記偶偶フィールド動ベクトル(41)と、前記偶奇フ
    ィールド動ベクトル(42)と、前記奇偶フィールド動
    ベクトル(43)と前記奇奇フィールド動ベクトル(4
    4)と前記フレーム動ベクトル(45)のうちのすくな
    くとも1つの動ベクトルを検出するときには、前記候補
    動ベクトル(17)の指す点の画素だけの相関度を計算
    し、前記候補動ベクトル(17)のうち前記相関度が最
    大となる点を指した前記候補動ベクトルを検出されるべ
    き動ベクトル(41〜44,45)とする画像符号化に
    おける動ベクトル検出方法。
  3. 【請求項3】 前記伸縮処理において、十分な精度が得
    られているときには、所望の精度内で丸め処理をして前
    記候補動ベクトル(17)を得るようにした(15)請
    求項1および2の画像符号化における動ベクトル検出方
    法。
  4. 【請求項4】 インタレース動画像の現画像(18)と
    参照画像(21〜24)とを受けて複数種類のフィール
    ド動ベクトル(41〜44)を検出するためのフィール
    ド動ベクトル検出手段(FIVD1〜4)と、 前記インタレース動画像の現画像(18)と参照画像
    (25)を受けて1つのフレーム動ベクトル(45)を
    検出するためのフレーム動ベクトル検出手段(FRVD
    1)とを含む画像符号化における動ベクトル検出装置に
    おいて、 前記複数種類のフィールド動ベクトル(41〜44)お
    よび前記フレーム動ベクトル(45)のうちのすくなく
    とも1つの動ベクトルを記憶するための動ベクトル・メ
    モリ手段(14)と、 前記動ベクトル・メモリ手段に記憶された動ベクトルの
    指すブロックおよびその近傍の所定のブロックを指す動
    ベクトルを選択するための動ベクトル選択手段(15)
    と、 前記選択された動ベクトルを前記現画像(18)と前記
    参照画像(21〜25)との間の時間方向の距離を計算
    して伸縮処理し候補動ベクトル(17)を出力するため
    の動ベクトル伸縮手段(15)とを具備し、 前記フィールド動ベクトル検出手段(FIVD1〜4)
    と前記フレーム動ベクトル検出手段(FRVD1)のう
    ちのすくなくとも1つが、前記候補動ベクトル(17)
    の指す点の画素だけの相関度を計算し、前記候補動ベク
    トル(17)のうち前記相関度が最大となる点を指した
    前記候補動ベクトルを検出されるべき動ベクトル(41
    〜45)として出力する画像符号化における動ベクトル
    検出装置。
  5. 【請求項5】 前記フィールド動ベクトル検出手段が、 偶偶フィールド動ベクトル(41)を検出するための偶
    偶フィールド動ベクトル検出手段(FIVD1)と、 偶奇フィールド動ベクトル(42)を検出するための偶
    奇フィールド動ベクトル検出手段(FIVD2)と、 奇偶フィールド動ベクトル(43)を検出するための奇
    偶フィールド動ベクトル検出手段(FIVD3)と、 奇奇フィールド動ベクトル(44)を検出するための奇
    奇フィールド動ベクトル検出手段(FIVD4)とを含
    み、 前記動ベクトル・メモリ手段が、 前記偶偶フィールド動ベクトル(41)と前記奇奇フィ
    ールド動ベクトル(44)のうちのすくなくとも一方の
    動ベクトルを記憶する請求項4の画像符号化における動
    ベクトル検出装置。
  6. 【請求項6】 前記動ベクトル伸縮手段が、前記伸縮処
    理において、十分な精度が得られているときには、所望
    の精度内で丸め処理をして前記候補動ベクトル(17)
    を出力する請求項4および5の画像符号化における動ベ
    クトル検出装置。
JP18189794A 1994-07-11 1994-07-11 画像符号化における動ベクトル検出方法と装置 Expired - Lifetime JP2852870B2 (ja)

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