JP2852300B2 - 急速冷凍庫 - Google Patents

急速冷凍庫

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JP2852300B2
JP2852300B2 JP8791993A JP8791993A JP2852300B2 JP 2852300 B2 JP2852300 B2 JP 2852300B2 JP 8791993 A JP8791993 A JP 8791993A JP 8791993 A JP8791993 A JP 8791993A JP 2852300 B2 JP2852300 B2 JP 2852300B2
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KYOEI DENNETSU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は食材を冷凍して保存す
る冷凍庫に関し、更に詳細には、冷却器前面のファンの
回転力により冷凍室内の空気を冷却器内部に還流させな
いため、食材中の水分を自然状態に保持し、冷却器に霜
が着きにくい冷凍庫およびその冷凍方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷凍庫は密閉された庫室内に冷
却器、ファンおよび食材を配置する冷凍室を設けて構成
されている。業務用および家庭用を問わず従来の冷凍庫
は、ファンにより吹き出された冷却空気は冷凍室を経て
冷却器を通過し、再びファンにより吹き出されるという
強制循環方式を採用している。即ち、ファンから吹き出
された乾燥冷却空気は、庫室内の食材を冷却して昇温す
るとともに食材中の水分を強制蒸発させて多湿となる。
この昇温多湿な空気を冷却器に通過還流させて冷却し、
しかも水分を取って冷却器には必然的に霜が着くことに
なる。再び、乾燥冷却した空気をファンにより冷凍室内
に吹き出し、強制循環させる。所定時間経過すると、冷
却器に付着した霜を取るため、冷却器を停止して近傍の
ヒーターにより除霜する。除霜後、再び冷凍動作に入
り、このプロセスを繰り返す。また、ファン前面の吹き
出し口とともに空気を冷却器に誘導する吸い込み口を設
けて、冷凍室内に空気の層流大循環を生じさせている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の冷凍庫
は次のような欠点を有している。第1に、冷凍室内に吹
き込まれる空気は常に乾燥した冷却空気であるため、食
材の表面凍結が生じる前に表面から水分が強制蒸発させ
られ、食材自身が冷凍中に乾燥してしまう。また、凍結
後も乾燥冷気は昇華圧の存在により氷面から水分を取り
去ってゆく。換言すれば、循環空気流が食材中の水分を
抜き取って、冷却器表面に移動凝固させるメカニズムに
なっている。この冷凍食材を解凍すると、冷凍以前の風
味は全く消失している。この対策として、食材を包装し
て冷凍すればよいが、ケーキ等のように包装すると形の
崩れるものは冷凍保存が困難になる。また、冷却器を通
過した乾燥空気に強制的に加湿する装置も考案されてい
るが、装置が複雑化するだけでなく、冷却器に霜の着く
量が増大し、このため冷却効率の低下を招いている。
【0004】第2に、冷却器に吸着凝固する霜を定期的
に除霜する必要があり、ヒーター等の除霜装置を付属し
なければならず、装置の複雑化を招来する。このような
装置的問題だけでなく、冷凍食材中に本質的な問題が生
じる。即ち、除霜中に冷凍室内の温度が上昇すると、冷
凍食材中の微小氷結晶が部分的に融解し、他の微小氷結
晶に吸引されて氷の結晶成長が加速し、大結晶へと成長
する。例えば、食材の細胞内でこの現象が生じると、細
胞の破裂がミクロにしかもマクロな領域で起こり、食材
自身が質的に変化してしまう。冷凍、除霜サイクルの繰
り返しによって長期保存する食材にダメージが大きい。
【0005】第3に、冷凍室内での層流大循環は極めて
整然とした流れであるため、冷却空気と食材との接触時
間が短く、食材と冷却空気との熱交換率が比較的悪く、
急速冷凍することが困難である。第4に、例えば焼きた
てのパンのように、高温の食材を急冷することは従来出
来なかった。その理由は、冷凍室内に高温の食材を置く
と、循環する冷却空気が直ちに高温化され、この高温空
気が冷却器に還流したとき、冷媒(例えばフロン)が突
沸してコンプレッサーに過負荷を与え、それにより故障
を引き起こすからである。従って、高温食材は大気中で
常温に冷却させた後冷凍するのが常識となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するためになされたものであり、この発明に係わる冷
却器に霜が着きにくい急速冷凍庫の要旨を述べれば、断
熱箱体により密閉された庫室内の一側壁側に冷却器を立
設して冷却室とし、冷却器の前面にファンを配設してそ
の前方の空間部を冷凍室とし、ファンにより冷凍室に吹
き出された冷却空気は流動後前記冷却器内部を通過還流
せずにファンに吸引されて再び冷凍室に吹き出されるよ
うにし、冷却器で冷却された冷気は自然対流により冷却
器の前面に押し出され、ファンにより冷凍室に送り出さ
れる点に特徴を有する。さらに好ましくは、省エネルギ
ー化のために、所定の冷却温度までは冷却器とファンを
駆動して急速冷却し、その後ファンを停止し冷却器だけ
を駆動してその温度を維持する。
【0007】すなわち本発明の急速冷凍庫は、開閉扉を
有する断熱箱体により密閉された庫室と、前記庫室内の
一側壁面に沿って立設された冷却器と、前記冷却器前面
に配設されたファンと、前記ファンの前方の空間部の冷
凍室とを備えた冷凍庫であって、前記ファンは冷凍室に
向かって送風するように設定されているとともに冷却器
内には強制循環空気流を送風せず、前記冷却器で冷却さ
れ自然対流により前面に押し出される冷気を前記ファン
を用いて冷凍室に送り出すことを特徴とする。 前記本発
明の急速冷凍庫においては、冷却器が、正面から見て略
長方形状であり、前記冷却器前面の上半面の略対角線方
向に配設された2個のファンと、前記対角線方向と略平
行で前記冷却器前面の下半面の略対角線方向に配設され
た2個のファンと、前記上半面および下半面は略正方形
でしかもファンは上半面または 下半面の略4分の1の面
積に対応した大きさを有して冷凍室に向かって送風する
ように設定されていることが好ましい。 また前記本発明
の急速冷凍庫においては、冷却器が、正面から見て略
方形状であり、前記冷却器前面の上半面の略対角線方向
に配設された2個のファンと、前記冷却器前面の下半面
の対角線方向に配設された2個のファンと、前記上半面
および下半面は略正方形でしかもファンは上半面または
下半面の略4分の1の面積に対応した大きさを有して冷
凍室に向かって送風するように設定されていることが好
ましい。 また前記本発明の急速冷凍庫においては、冷却
器が、正面から見て略正方形状であり、前記冷却器前面
の略対角線方向に配設された2個のファンと、これらの
ファンは冷却器前面の略4分の1の面積に対応した大き
さを有し冷凍室に向かって送風するように設定されてい
ることが好ましい。 また前記本発明の急速冷凍庫におい
ては、前記両側板の内面に水平方向に複数のガイドレー
ルを設け、このガイドレール間に食材を載置するトレー
を装填し、トレーのファン側の後端には冷風通過用の開
口部が形成され、開閉扉側のトレーの前端は把持板によ
って密閉されることが好ましい。 また前記本発明の急速
冷凍庫においては、冷却器が、庫室内の開閉扉に対向し
た後壁面に沿って床面から天上面へと立設されているこ
とが好ましい。 また前記本発明の急速冷凍庫において
は、冷却器が、庫室内の開閉扉に対向した後壁面に沿っ
て立設され、両側壁板が冷却器と略同じ幅の離間距離を
有して対向配設されていることが好ましい。 また前記本
発明の急速冷凍庫においては、冷却器の背面へ強制循環
空気流を吸引するための吸引口を設けないことが好まし
い。 また前記本発明の急速冷凍庫においては、冷却器お
よびファンを駆動して冷凍室を所定の冷却温度に冷却す
る手段と、冷凍室が所定の冷却温度に冷却された後、フ
ァンを停止して冷却器の断続制御により前記所定の冷却
温度を維持する制御手段を備えたことが好ましい。 また
前記本発明の急速冷凍庫においては、定常状態において
は、冷却器を除霜するためのヒーター入力を必要としな
い。ここで「定常状態」とは、通常に使用 している状態
を示す。しかし、使用者が扉を開けたまま長時間放置し
たり、冷却器に水がかかるなどの異常事態になると、冷
却器に霜がつくこともあるので、この場合は、冷却器を
除霜するためにヒーターを入力しても良い。
【0008】
【作用】この発明は以上のように構成されているから、
冷凍室内の空気と冷却室内の空気とは相互には強制的循
環空気流による熱交換はしない。従って、冷却器とファ
ンの始動時には、冷却器内の冷却空気が冷凍室内に大量
に吹き込まれて、食材表面の水分を瞬時に凍結させて薄
いアイスバリアを表面全体に形成する。冷凍室からの循
空気流は積極的には冷却器に入れず、冷却室の前面に
設けたファンの吸引力で吸い込んで再び冷凍室内に吹き
出し、以後このサイクルを繰り返す。すなわち、冷却室
で冷却された冷気は自然対流により冷却室の下方前面側
に流動し、冷却室の上方にはその分暖気が自然対流によ
り入り、全体として主に自然対流により冷却が行われ
る。自然対流は空気の流れがゆっくりであるので、暖気
が冷却室の上方に入り込んでも冷却器周囲の冷気によっ
て急速に冷却されてしまい、湿気を含む暖気が直接冷却
器に接触することは防止される。したがって冷却器には
霜が付着しにくい。前記冷却室の前面側に流動して押し
出された冷気は、ファンにより冷凍室内に吹き出され
る。これにより、第1に、冷凍室内の空気は食材から蒸
発した水分で直ぐに飽和蒸気圧に達し、この水分で飽和
した空気が冷凍室内を循環するから水分蒸発が止まり、
食材の乾燥はほぼ完全に防止でき、解凍後食材の風味は
ほとんど変化しない。第2に、冷却室内にはファンによ
る強制的循環空気流を送り込まないので、冷凍初期の食
材から比較的多量に発生する水分は積極的には入り込ま
ず、冷却器に霜は着きにくく定常状態においては除霜し
なくても良い。したがって、除霜のためのヒーターによ
る冷凍室内の温度上昇がないので、食材中の微小氷結晶
の結晶成長も無く食材の変成を防止できる。第3に、
却器の容積が通常の冷凍器に比較して大きく、しかもフ
ァンで冷却空気を吹き付けるから食材を急速冷凍でき、
食材中の氷結晶を微小化して食材を自然状態のまま凍結
保存できる。
【0009】第4に、冷凍室内ではファンからの入射流
と壁面またはトレイの杷持板からの反射流とが衝突して
乱流状態になっており、乱流は食材との接触時間が長い
ため熱交換効率が極めて高く、急速冷凍に適している。
第5に、この装置では高温食材を急冷することも容易に
出来る。冷凍室内に高温の食材を置いても、冷凍室内の
高温空気が強制的には冷却器に戻ることはないから、冷
媒の突沸は起こらない。冷凍室空気と冷却室空気の熱交
換は、主として自然対流により行われる。
【0010】
【実施例】図1および図2はこの発明の1実施例を示し
た側面縦断面図および正面縦断面図である。上下の開閉
扉2、2を前面に配置した断熱箱体4により内部空間で
ある庫室6が密閉状に形成される。庫室6の中央には仕
切板8が配置されて、庫室6の前方を上下に2分してい
る。庫室6の後壁面10に沿って床面12から天上面1
4へと冷却器16が立設されている。冷却器16は正面
長方形状であり、縦長:横長は略2:1に設計されてい
る。勿論その縦横比は設計に応じて自由に変更できる。
冷却器16の存在する庫室部分が冷却室18で、その前
方の庫室部分が冷凍室20となり、両室の空気層境界面
は図中一点鎖線で示されている。この実施例では仕切板
8により冷凍室20が上下に2室存在することになる。
冷却器16の前面の上半面および下半面は略正方形状に
なり、上半面の対角線方向に2個のファン22、22が
配置され、同様に下半面の対角線方向にも2個のファン
22、22が配置されている。仕切板8が存在する場合
には、上下の対角線方向は同じである必要はないが、仕
切板8が無い場合には同方向の必要がある。1個のファ
ン22のサイズは、例えば上半面の正方形状の略4分の
1に相当するように設計している。図2から明らかなよ
うに、庫室6内の左右の側壁面に沿って側板24、24
が仕切板8を間に挟んで立設されている。側板24、2
4の離間距離は冷却器16の幅と略同じに設計されてい
るが、自由に設計変更できる。側板24、24の内壁面
には水平方向に多数のガイドレール26が設けられ、後
述するトレーを装備できるようになっている。図示しな
いが、ファン22の前面に安全用の格子板や目の荒い網
板を配置してもよい。
【0011】図1および図2の状態の作動を説明する。
冷却器16を動作させてファン22を駆動すると、冷却
室18内の大量の冷却空気が冷凍室20内に吹き込まれ
。吹き込まれた空気は開閉扉2の内面で反射され、こ
の反射空気流と前記入射空気流とが冷凍室20内で衝突
を繰り返し、冷凍室内の空気流はマクロな乱流状態とな
る。図示するように乱流状態で循環する空気流はファン
22の側面および背面から吸引されて再び冷凍室20内
に吹き出されるのである。この発明では、冷却器16の
背面へ空気流を吸引するための吸引口を設けていない。
側板24、24の離間距離が冷却器16の幅と略同じに
設計されているのも、回り込みのための隙間を無くすた
めである。したがって、空気流は冷却器16の前面へと
吹き返り、ファン22により再吸引されて吹き出される
ことになる。冷却室18の冷却器16によって冷却され
た冷気は自然対流により下方前面に押し出され、ファン
22によって冷凍室20に送り出される。冷却室18の
上方には冷気が押し出された分暖気が自然対流により入
り、全体として主に自然対流により冷却が行われる。
冷却室内にはファンによる強制的循環空気流を送り込
まないので、冷凍初期の食材から比較的多量に発生する
水分は積極的には入り込まず、冷凍室内の水蒸気は冷却
器に付着しにくく、冷却器16の除霜装置は不要とな
る。
【0012】吹き込まれた冷却空気は冷凍室20内で昇
温するが、ファン22に吸引される際に境界面付近の冷
却室18内から自然対流により前面に押し出されて来る
冷気と熱交換されて冷却され、ファン22により再び冷
凍室20内へ吹き込まれる。即ち、熱交換は図1の一点
鎖線の近傍で生じる。図2から分かるように、ファン2
2のサイズは冷却器の上半面または下半面の正方形状の
略4分の1位に設計されている。空気循環流を冷却室の
境界面からファンで吸引するには丁度良いサイズであ
る。しかしながら、ファンの馬力ないし容量とも関係
し、ファンのサイズおよび両側板の離間距離は設計変更
することができる。ファン22を対角線方向に2個配置
しているのは、略正方形状の冷凍室20の全面に入射空
気流を吹き付けるためで、逆方向の対角線に設置しても
よい。下側の冷凍室20にも同方向の対角線状に2個の
ファンを配置している。
【0013】この冷凍室20内に食材(図示せず)が置
かれたとき、次のように効果を奏する。始動時の冷却空
気の吹き付けで食材が冷却され始め、やがて短時間内に
食材表面に薄い氷膜、即ちアイスバリアが形成され、同
時に冷凍室20内は食材からの水分蒸発で直ぐにその温
度での飽和蒸気圧に達する。アイスバリアと飽和により
それ以上の水分蒸発は防止され、次第に内部へと凍結が
進行する。また冷凍室20に対して冷却器16の容積が
大きく、しかも4個のファン22で冷却空気を吹き付け
るから食材を急速冷凍でき、食材中の氷結晶を微小化し
て食材を自然状態のまま凍結保存できる。冷却器の除霜
が不要であるからヒーターによる温度上昇もなく、冷凍
室内で食材中の氷結晶のミクロ状態を保持でき、食材の
変成を防止できる。さらに、食材に接する空気流は乱流
であるから、従来の層流に比較して食材との接触時間が
長く食材を急速に冷凍できる。また、焼きたてのパンの
ように高温食材も高温のまま冷凍できる。即ち、冷凍室
20内の空気が高温になっても冷却器16に還流するこ
とがないから冷凍機の故障を引き起こさない。
【0014】図3は食材を載置するトレー30の斜視図
である。トレー30は、底板32の前縁に止板34、両
側縁に規制板36、後縁に杷持板38を垂設して形成さ
れている。杷持板38に取手40が折り返し状態で付設
されている。杷持板38の高さはガイドレール26、2
6間の間隔にほぼ等しく、止板34の高さはそれより低
く設定されている。
【0015】図4はトレー30をガイドレール26、2
6間に装填した状態の冷凍庫の側面縦断面図である。杷
持板38によって前面が密閉状に遮断され、後方は止板
34の上部に開口部42が形成されることが分かる。食
材44がトレーに載置されている。
【0016】図5は図4の要部を拡大した説明図であ
る。冷凍室20内に多数のトレー30を装填すると、図
1の大きな冷凍室20に代わって、トレー30の底板3
2、32と杷持板38によって区画された多数の小冷凍
室46が形成される。ファン22によって小冷凍室46
内に冷却空気が吹き込まれると、杷持板38による反射
流と吹き込まれた入射流とのミクロな衝突で、図1より
も微細な乱流が形成される。同時に、止板34の上端の
エッジで、入射空気流にカルマン渦的な乱流が生起さ
れ、前記衝突乱流の形成を助長する。従って、図1の冷
凍室20と比較して、体積の小さい分だけ小冷凍室46
は早く水蒸気の飽和状態に達し、食材44からの水分蒸
発を遮断できる。また、より微細な乱流により冷却空気
と食材44との熱交換効率は高くなり、冷凍速度を速め
ることができ、よりミクロな微小氷結晶状態に近づくこ
とができる。従って、食材を自然状態のままに保存でき
る。他の作用効果は図1と同じであるから詳細な説明を
省略する。
【0017】この冷凍庫を実際に運転する方法は3工程
からなっている。即ち、食材44を載置したトレー30
を前記冷凍室20内に配置する第一工程と、冷却器16
およびファン22を連続駆動して冷凍室を所定温度に冷
却する第二工程と、その後ファン22を停止して冷却器
16の断続制御により前記所定温度を維持する第三工程
である。図6は、食材44として焼草餅と生草餅を図4
のトレーに載置した場合の実際の運転記録図である。最
終到達温度を−45℃としている。最初に、冷凍室は空
の状態で−45℃まで冷却されている。開閉扉2を解放
してトレー30を装填した後、速やかに開閉扉2を密閉
する。したがって、庫内温度は−22℃まで上昇し、食
材は常温から出発する。冷却器16とファン22を連続
駆動して急速冷凍すると、−1℃から−5℃の最大氷結
晶生成帯を焼草餅は約13分、生草餅は約20分で通過
し、冷却開始後、焼草餅は40分、生草餅は約55分で
−45℃以下に到達する。その時庫内温度は既に−50
℃以下に到達している。その後ファン22を停止して、
温度センサーで常時自動計測しながら、冷凍室温度が−
45℃前後に維持されるように冷却器16を断続的に自
動制御運転させる。即ち、ファン停止時は保冷庫として
機能する。ファンが停止しているから庫室内は自然対流
状態で冷却維持される。しかしながら、食材は完全に凍
結しており、−45℃の低温での昇華圧は極めて小さい
ので、食材からの水分蒸発はほとんど皆無であり、冷却
器16に霜が着くことは無い。焼草餅の方が早く低温に
到達するのは生草餅と比較して水分が少ないからであ
る。ファン22および冷却器16の容量を大きくすれば
冷却速度は更に増大し、いわゆる超高速冷凍も可能であ
る。上記した最大氷結晶生成帯、即ち表面凍結から深部
凍結に至るまでの時間を出来るだけ短縮することが食材
の自然状態の保持に極めて有効であるが、この冷凍庫は
その超高速冷凍の要請に十分に応えることが出来る。
【0018】図7はこの発明の他の実施例を示した正面
縦断面図である。冷却器16は正面が略正方形状であ
り、その対角線方向に2個のファン22、22が配置さ
れている。1個のファン22のサイズは冷却器正面の略
4分の1の大きさであり、2個のファンの送風によって
冷凍室20の全面に冷却空気が吹き込まれる状態にな
る。作用、効果は前記実施例と同様であるから、その詳
細は省略する。
【0019】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、この発明の技術的思想を逸脱しない範囲におけ
る種々の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含
するものである。
【0020】
【発明の効果】この発明は上記のように構成されている
から、次のような効果を奏する。冷却室の冷却器によっ
て冷却された冷気は自然対流により下方前面に押し出さ
れ、ファンによって冷凍室に送り出される。冷却室の上
方には冷気が押し出された分暖気が自然対流により入
り、全体として主に自然対流により冷却が行われる。冷
却室内にはファンによる強制的循環空気流を送り込まな
いので、冷凍初期の食材から比較的多量に発生する水分
は積極的には入り込まず、冷凍室内の水蒸気は冷却器に
付着しにくい。また、始動時の冷却空気の吹き付けで食
材表面に薄い氷膜、即ちアイスバリアが形成され、同時
に冷凍室内は食材からの水分蒸発で直ぐに飽和に達す
る。アイスバリアと飽和によりそれ以上の水分蒸発は防
止され、食材の変質が起こらない状態で次第に内部へと
凍結が進行する。また冷却器の容積が比較的大きく、し
もファンで冷却空気を吹き付けるから食材を急速冷凍
でき、食材中の氷結晶を微小化して食材を自然状態のま
ま凍結保存できる。冷却器の除霜が不要であるからヒー
ターによる温度上昇もなく、冷凍室内で食材中の氷結晶
のミクロ状態を保持でき、食材の変成を防止できる。さ
らに、食材に接する空気流は乱流であるから、従来の層
流に比較して食材との接触時間が長く食材を効率よく急
速に冷凍できる。また、焼きたてのパンのように高温食
材も高温のまま冷凍できる。即ち、冷凍室内の空気が高
温になっても冷却器に還流することがないから冷凍機の
故障を引き起こさない等、産業上極めて有益な冷凍庫お
よび冷凍方法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例を示した側面縦断面図であ
る。
【図2】この発明の1実施例を示した正面縦断面図であ
る。
【図3】食材を載置するトレーの斜視図である。
【図4】トレーをガイドレール間に装填した状態の冷凍
庫の側面縦断面図である。
【図5】図4の要部を拡大した説明図である。
【図6】食材をトレーに載置した場合の実際の運転記録
図である。
【図7】この発明の他の実施例を示した正面縦断面図で
ある。
【符号の説明】
2 開閉扉 4 断熱箱体 6 庫室 8 仕切板 10 後壁面 12 床面 14 天上面 16 冷却器 18 冷却室 20 冷凍室 22 ファン 24 側板 26 ガイドレール 30 トレー 32 底板 34 止板 36 規制板 38 杷持板 40 取手 42 開口部 44 食材 46 小冷凍室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−45665(JP,U) 実開 昭59−96572(JP,U) 実開 昭52−126467(JP,U) 実開 昭62−122280(JP,U) 実開 昭57−3993(JP,U) 特公 昭59−9040(JP,B2) 特公 昭58−48825(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25D 11/04 F25D 17/06 F25D 21/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉扉を有する断熱箱体により密閉され
    た庫室と、前記庫室内の壁面に沿って立設された冷却
    器と、前記冷却器前面に配設されたファンと、前記ファ
    ンの前方の空間部の冷凍室とを備えた冷凍庫であって、
    前記ファンは冷凍室に向かって送風するように設定され
    ているとともに冷却器内には強制循環空気流を送風せ
    ず、前記冷却器で冷却され自然対流により前面に押し出
    される冷気を前記ファンを用いて冷凍室に送り出すよう
    にし、冷却器の形状を正面から見て略長方形とし、前記
    冷却器前面の上半面の略対角線方向に配設された2個の
    ファンと、前記対角線方向と略平行で前記冷却器前面の
    下半面の略対角線方向に配設された2個のファンと、前
    記上半面および下半面は略正方形でしかもファンは上半
    面または下半面の略4分の1の面積に対応した大きさを
    有して冷凍室に向かって送風するように設定したことを
    特徴とする急速冷凍庫。
  2. 【請求項2】 開閉扉を有する断熱箱体により密閉され
    た庫室と、前記庫室内の後壁面に沿って立設された冷却
    器と、前記冷却器前面に配設されたファンと、前記ファ
    ンの前方の空間部の冷凍室とを備えた冷凍庫であって、
    前記ファンは冷凍室に向かって送風するように設定され
    ているとともに冷却器内には強制循環空気流を送風せ
    ず、前記冷却器で冷却され自然対流により前面に押し出
    される冷気を前記ファンを用いて冷凍室に送り出すよう
    にし、冷却器の形状を正面から見て略長方形とし、前記
    冷却器前面の上半面の略対角線方向に配設された2個の
    ファンと、前記冷却器前面の下半面の対角線方向に配設
    された2個のファンと、前記上半面および下半面は略正
    方形でしかもファンは上半面または下半面の略4分の1
    の面積に対応した大きさを有して冷凍室に向かって送風
    するように設定したことを特徴とする急速冷凍庫
  3. 【請求項3】 開閉扉を有する断熱箱体により密閉され
    た庫室と、前記庫室内の後壁面に沿って立設された冷却
    器と、前記冷却器前面に配設されたファンと、前記ファ
    ンの前方の空間部の冷凍室とを備えた冷凍庫であって、
    前記ファンは冷凍室に向かって送風するように設定され
    ているとともに冷却器内には強制循環空気流を送風せ
    ず、前記冷却器で冷却され自然対流により前面に押し出
    される冷気を前記ファンを用いて冷凍室に送り出すよう
    にし、冷却器の形状を正面から見て 略正方形とし、前記
    冷却器前面の略対角線方向に配設された2個のファン
    と、これらのファンは冷却器前面の略4分の1の面積に
    対応した大きさを有し冷凍室に向かって送風するように
    設定されてなる請求項1に記載の急速冷凍庫。
  4. 【請求項4】 前記両側板の内面に水平方向に複数のガ
    イドレールを設け、このガイドレール間に食材を載置す
    るトレーを装填し、トレーのファン側の後端には冷風通
    過用の開口部が形成され、開閉扉側のトレーの前端は把
    持板によって密閉される請求項1〜のいずれかに記載
    の急速冷凍庫。
  5. 【請求項5】 冷却器が、庫室内の開閉扉に対向した後
    壁面に沿って床面から天上面へと立設されてなる請求項
    1〜のいずれかに記載の急速冷凍庫。
  6. 【請求項6】 冷却器が、庫室内の開閉扉に対向した後
    壁面に沿って立設され、両側壁板が冷却器と略同じ幅の
    離間距離を有して対向配設されてなる請求項1〜のい
    ずれかに記載の急速冷凍庫。
  7. 【請求項7】 冷却器の背面へ強制循環空気流を吸引す
    るための吸引口を設けていない請求項1〜のいずれか
    に記載の急速冷凍庫。
  8. 【請求項8】 冷却器およびファンを駆動して冷凍室を
    所定の冷却温度に冷却する手段と、冷凍室が所定の冷却
    温度に冷却された後、ファンを停止して冷却器の断続制
    御により前記所定の冷却温度を維持する制御手段を備え
    た請求項1〜のいずれかに記載の急速冷凍庫。
  9. 【請求項9】 定常状態においては、冷却器を除霜する
    ためのヒーター入力を必要としない請求項1〜のいず
    れかに記載の急速冷凍庫。
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