JP2851939B2 - エチレン‐プロピレン‐ジエン系ゴム、エラストマー組成物およびその加硫ゴム - Google Patents

エチレン‐プロピレン‐ジエン系ゴム、エラストマー組成物およびその加硫ゴム

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JP2851939B2 JP26802790A JP26802790A JP2851939B2 JP 2851939 B2 JP2851939 B2 JP 2851939B2 JP 26802790 A JP26802790 A JP 26802790A JP 26802790 A JP26802790 A JP 26802790A JP 2851939 B2 JP2851939 B2 JP 2851939B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、エ
ラストマー組成物およびその加硫ゴムに関する。
発明の技術的背景 エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)は、耐
候性、耐オゾン性、耐熱老化性が優れるゴムとして、ウ
エザーストリッピング、ドアグラスランチャンネル、ラ
ジエーターホースなど、自動車部品の静的な部分に多く
用いられている。
一方、タイヤ、防振ゴムといった動的な疲労に対して
機械的強度を必要とする部品の殆どは、NR、SBR、BRな
どの共役ジエン系ゴム、あるいはこれらのブレンド物が
用いられている。
ところで、昨今の自動車の高性能化に伴い、自動車部
品の耐熱老化性や耐候性の向上が望まれている。
しかしながら、EPDMは耐候性、耐オゾン性および耐熱
老化性に優れているものの、耐動的疲労性が悪いため、
EPDMはタイヤやエンジンマウントなどに単独で使用する
ことができなかった。
ところで、特開昭53−22551号公報には、疲労破壊寿
命を改良したエチレン−プロピレンゴム製防振ゴム組成
物として、キシレン溶液として70℃で測定した極限粘度
[η]が1.0以下のエチレン−プロピレン−エチリデン
ノルボルネン三元共重合体10〜50重量%、同じように測
定した極限粘度[η]が3.0以上のエチレン−プロピレ
ン−エチリデンノルボルネン三元共重合体90〜50重量
%、およびゴム100重量部に対して20〜80重量部の伸展
油を混合してなる油展ゴムに、ゴム成分100重量部に対
して5〜90重量部のカーボンブラックおよび0.1〜2重
量部のイオウさらに必要に応じてプロセス油を添加して
なることを特徴とする加硫可能な防振ゴム用組成物が開
示されている。
しかしながら、単に高分子量エチレン−プロピレン−
エチリデンノルボルネン三元共重合体と低分子量エチレ
ン−プロピレン−エチリデンノルボルネン三元共重合体
との組合せだけでは、既存のEPDMが示す耐動的疲労性を
飛躍的に向上させることはできない。
また、EPDMを硫黄で編成させることによって、優れた
機械的強度が付与されることが特公昭51−30582号公
報、特公昭52−777号公報に照会されている。しかしな
がら、これらの公報に開示されている発明は、硫黄およ
び硫黄開始剤を加えることを必須としており、その目的
も高不飽和ゴムとの共加硫性に優れるEPDMを提供するこ
とのみ規定している。また、その共加硫度を不飽和ゴム
とのブレンド後の引張り強さ(Tb)のみで評価してい
る。一方、耐動的疲労性が付与されたかどうかは疲労試
験を行なって初めて評価できるものであり、その意味で
これらの公報には、EPDM単独で耐動的疲労性が優れるEP
DMについては、何ら示唆されていない。上記公報に開示
されている発明は、低不飽和ゴムと高不飽和ゴムとの共
加硫物の製造方法であって、いずれもEPDMの耐動的疲労
性を付与する手法としてではなく、共役ジエン系ゴムの
優れた耐動的疲労性を保ちつつ、耐熱性、耐オゾン性を
付与するものである。
また、耐動的疲労性が最も必要とされる例として、防
振ゴム材料用A11−EPDMに高ムーニーEPDMを用いること
によって、その特性が得られることが「ラバーケミスト
リーテクノロジー,44巻,1971年10月,1043頁」に記載さ
れている。
しかしながら、高分子量EPDMを用いることは同業者が
誰しも考えることであり、最も研究開発が必要なポイン
トは加工性を損なうことなく物性を向上させることであ
る。EPDMの加工性と高分子量化は相反する因子であり、
この両者を両立させる手段は従来、開示されていなかっ
た。
したがって、従来、天然ゴム等の共役ジエン系ゴムや
これらのブレンド物でなければ不可能と考えられてきた
動的で機械的耐久性が必要とされる厳しい条件下での使
用に耐え、かつ優れた耐熱性、耐候性および耐動的疲労
性を付与し得るようなエチレン−プロピレン−ジエン系
ゴム、そのエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムを含有
するエラストマー組成物およびその加硫ゴムの出現が望
まれていた。
発明の目的 本発明は、従来、天然ゴム等の共役ジエン系ゴムやこ
れらのブレンド物でなければ不可能と考えられてきた動
的で機械的耐久性が必要とされる厳しい条件下での使用
に耐え、かつ優れた耐熱性、耐候性および耐動的疲労性
を付与し得るようなエチレン−プロピレン−ジエン系ゴ
ム、そのエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムを含有す
るエラストマー組成物およびその加硫ゴムを提供するこ
とを目的としている。
発明の概要 本発明に係るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
は、エチレン含量が60〜82モル%であり、135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が3.0〜5.0dl/gであり、
こつヨウ素価が8〜35である高分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(A):90〜40重量%、およ
び エチレン含量が60〜82モル%であり、135℃デカリン
中で測定した極限粘度[η]が0.15〜0.8dl/gであり、
かつヨウ素価が8〜35である低分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(B):10〜60重量% からなり、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60〜120の
範囲内にあるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中
に、 硫黄が分散状態で存在しており、かつ動的粘弾性試験
により求めた、加工性と物性の指標であるω(ω2
)が50〜150の範囲内にあることを特徴としている。
また、本発明に係る加硫可能なエラストマー組成物
は、エチレン含量が60〜82モル%であり、135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が3.0〜5.0dl/gであり、
かつヨウ素価が8〜35である高分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(A):90〜40重量%、およ
び エチレン含量が60〜82モル%であり、135℃デカリン
中で測定した極限粘度[η]が0.15〜0.8dl/gであり、
かつヨウ素価が8〜35である低分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(B):10〜60重量% からなり、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60〜120の
範囲内にあるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中
に、 硫黄が分散状態で存在しており、かつ動的粘弾性試験
により求めた、加工性と物性の指標であるω(ω2
)が50〜150の範囲内にあるエチレン−プロピレン−
ジエン系ゴムを含有してなることを特徴としている。
さらに、本発明に係る加硫ゴムは、上記の本発明に係
るエラストマー組成物を加硫してなることを特徴として
いる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るエチレン−プロピレン−ジエン系
ゴム、エラストマー組成物、およびその加硫ゴムについ
て具体的に説明する。
本発明に係るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
は、特定の高分子量エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム(A)と、特定の低分子量エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体ゴム(B)とから構成されるエチレ
ン−プロピレン−ジエン系ゴムおよび硫黄で構成されて
いる。
エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム 本発明で用いられる高分子量エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴム(A)は、エチレンとプロピレンと
非共役ジエンとからなる。
上記の非共役ジエンとしては、具体的には、1,4−ヘ
キサジエン等の鎖状非共役ジエン、エチリデンノルボル
ネン(ENB)、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネ
ン、ジシクロペンテジエン、2−メチルノルボルナジエ
ン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエ
ンが挙げられる。中でも、特にENBが好ましく用いられ
る。
また、本発明で用いられる高分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(A)は、非共役ジエン含量
の一指標であるヨウ素価が8〜35、好ましくは10〜30で
ある。
本発明で用いられる高分子量エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴム(A)は、135℃デカリン中で測定
した極限粘度[η]が2.5〜5.0dl/g、好ましくは3.0〜
4.3dl/gであり、かつエチレン含量が60〜82モル%であ
る。特にエンジンマウントのように低温から高温まで防
振特性変化の少ないことが要求される用途では、エチレ
ン含量が60〜72モル%の範囲内にあることが好ましく、
また常温以上で用いられる用途には機械的強度の高いハ
イエチレンタイプのEPDM、すなわちエチレン含量が70〜
80モル%の範囲内であることが好ましい。
本発明で用いられる低分子量エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴム(B)は、エチレンとプロピレンと
非共役ジエンとからなる。この非共役ジエンは、上記の
高分子量エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
(A)における非共役ジエンと同じであり、特にENBが
好ましく用いられる。
また、本発明で用いられる低分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(B)のヨウ素価も、高分子
量エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A)の
ヨウ素価と同様で、8〜35、好ましくは10〜30である。
本発明においては、高分子量エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴム(A)と低分子量エチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(B)との非共役ジエン含量の差、す
なわちヨウ素価の差が大きくなる程、加硫速度が不均一
となり、強度物性および圧縮永久ひずみ(CS)などのセ
ットに悪影響を及ぼす傾向があるため、低分子量エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(B)のヨウ素価
は、可及的に高分子量エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム(A)のヨウ素価と読一となるように選択す
ることが好ましい。
また、本発明で用いられる低分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(B)は、135℃デカリン中
で測定した極限粘度[η]が0.15〜0.8dl/g、好ましく
は0.2〜0.4dl/gであり、かつエチレン含量が60〜82モル
%である。特にエンジマウントのように低温から高温ま
で防振特性変化の少ないことが要求される用途では、エ
チレン含量が60〜72モル%の範囲内にあることが好まし
く、また常温以上で用いられる用途には機械的強度の高
いハイエチレンタイプのEPDM、すなわちエチレン含量が
70〜80モル%の範囲内であることが好ましい。
低分子量エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
は、極限粘度[η]が0.15dl/g以下になると、パラフィ
ン系あるいはナフテン系の軟化剤の性状と等しくなるた
め、機械的強度および疲労寿命の向上効果は望めない。
上記のような高分子量エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム(A)と低分子量エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴム(B)とからなるエチレン−プロピ
レン−ジエン系ゴムを含有しているエラストマー組成物
が未加硫状態にあるとき、低分子量エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体ゴム(B)は、エチレン−プロピレ
ン−ジエン系ゴムの分子量分布を広げ、また軟化剤の役
割を果たすため、本発明に係るエラストマー組成物は、
高分子量エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
(A)が有する高強度および優れた耐動的疲労性を保持
することができる。
また上記エラストマー組成物が加硫状態にあるとき、
低分子量エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
(B)は、自ら加硫に関与しているため、ゴム強度を向
上させるとともに、応力緩和効果により耐動的疲労性を
高める効果がある。
配合割合 本発明では、高分子量エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム(A)は、高分子量エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体ゴム(A)および低分子量エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム(B)の合計量100重
量%に対して90〜40重量%、好ましくは85〜60重量%の
量で用いられ、低分子量エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム(B)は、上記(A)および(B)の合計
量100重量%に対して10〜60重量%、好ましくは15〜40
重量%の量で用いられる。
上記のような高分子量エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム(A)と低分子量エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体ゴム(B)とから構成される本発明に係
るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムは、ムーニー粘
度ML1+4(100℃)が60〜120、好ましくは80〜100であ
る。
ムーニー粘度ML1+4(100℃)が上記のような範囲内に
あるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムは、バンバリ
ーミキサーによる混練性が良好である。
本発明者らは、耐動的疲労性に優れるEPDMを規定すべ
く、動的粘弾性試験(歪率10%、温度190℃、試料台;
パラレルプレート、周波数;1.58×10-2rad/S〜5×102r
ad/S)において、横軸に周波数をとり、縦軸に複素弾性
率Gをとり、G=1E6に対応する周波数をω
し、またG=1E5に対応する周波数をωとしてω
=ω2と定義し、このωの指標をもってEPDMの加
工性や物性の状態を表現することにした。この指標ω
は、EPDMの側鎖や絡み合い、組成分布、分子量分布に影
響するため、この指標を用いることによって、加工性や
物性の状態をうまく表現することができる。本発明に係
るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムは、ωが50〜
150の範囲内にあるため、特に混練性と物性とのバラン
スに優れている。ωが上記のような範囲内にあるエチ
レン−プロピレン−ジエン系ゴムは、混練性に優れるだ
けでなく、耐亀裂成長性および耐熱老化性に優れている
ため、動的な用途に用いることができる。
硫黄 本発明においては、硫黄は、エチレン−プロピレン−
ジエン系ゴム中に、分散状態で存在している。
すなわち、上記のような高分子量エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体ゴム(A)と低分子量エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体ゴム(B)とをただ単に組み
合わせただけのエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
(EPDM)を用いても、本発明の目的とする耐動的疲労性
に優れたエラストマー組成物は得られない。もっとも、
上記組み合わせだけからなる耐動的疲労性の向上効果
は、油展された高分子量エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴムと比較すれば充分その効果が認められる。
しかしながら、上記のような組み合わせだけからなるEP
DMを用いたエラストマー組成物は、天然ゴム(NR)のよ
うなジエン系ゴムと比較すると、耐動的疲労性に著しく
劣っている。
そこで、本発明者らは、鋭意研究し、高分子量エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A)と低分子量
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(B)とか
らなるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中に、あら
かじめ硫黄を分散させ、しかる後に、適当量のカーボン
ブラック、軟化剤および他の充填剤を配合、混練したと
ころ、これまでの常識をはるかに超える優れた耐動的疲
労性を示すエラストマー組成物が得られることを見出し
た。
上記エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中に硫黄を
分散させる方法としては、たとえば溶液状態のエチレン
−プロピレン−ジエン系ゴムに硫黄を添加し、その後脱
溶媒する方法、あるいは固体状態のエチレン−プロピレ
ン−ジエン系ゴムに硫黄をニーダーやインターナルミキ
サーなどを用いて練り込む方法がある。また硫黄を分散
させる際の温度は、好ましくは90〜160℃、さらに好ま
しくは110〜150℃の範囲内である。
本発明では、硫黄は上記エチレン−プロピレン−ジエ
ン系ゴム100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは
0.3〜3.0重量部の量で用いられる。
本発明に係るエラストマー組成物は、上記のような本
発明に係るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムを含有
してなり、軟化剤、さらには、後述する加硫ゴムの製造
の際に用いられる無機充填剤などの充填剤を含んでいて
もよい。
加硫ゴムの製造 本発明に係るエラストマー組成物から加硫ゴムを得る
には、通常一般のゴムを加硫するときと同様に、後述す
る方法で未加硫の配合ゴム(エラストマー組成物)を一
度調整し、次いで、この配合ゴムを意図する形状に成形
した後加硫を行なえばよい。
本発明に係る加硫ゴムを製造する際に、意図する加硫
ゴムの用途、それに基づく性能に応じて、上記硫黄含有
のエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムの他に、軟化
剤、無機充填剤などの充填剤の種類および配合量、さら
には加硫促進剤の種類および配合量、そして加硫ゴムを
製造する工程が適宜選択される。
上記軟化剤としては、通常、ゴムに用いられる軟化剤
が用いられるが、具体的には、プロセスオイル、潤滑
油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、
ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールター
ルピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ
油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;
サブ;密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸お
よび脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレ
ン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などが用
いられる。なかでも石油系軟化剤が好ましく用いられ、
特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
また無機充填剤としては、具体的には、SRF、GPF、FE
F、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカーボンブラック、
微粉ケイ酸、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、タルク、クレーなどが挙げられる。本発明におい
て、無機充填剤は、硫黄を含有していないエチレン−プ
ロピレン−ジエン系ゴム100重量部に対して20〜150重量
部、好ましくは30〜100重量部、さらに好ましくは40〜8
0重量部の量で用いられる。無機充填剤を上記のような
範囲内の量で用いることによって、耐摩耗性および耐動
的疲労性に優れたエラストマー組成物および加硫ゴムが
得られる。
本発明では、加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進
剤としては、具体的には、N−シクロヘキシル−2−ベ
ンゾチアゾール−スルフェンアミド、N−オキシジエチ
レン−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド、N,N
−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾール−スルフェン
アミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4
−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2
−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチア
ゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフィド等のチアゾー
ル系化合物;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグア
ニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル・バ
イ・グアナイド、ジフェニルグアニジン・フタレート等
のグアニジン系化合物;アセトアルデヒド−アニリン反
応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチ
レンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物
等のアルデヒド−アミンまたはアルデヒド−アンモニア
系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン
系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジ
ブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソト
リルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチル
チウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスル
フィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブ
チルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテ
トラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニ
ルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカル
バミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチ
オカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチ
ルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;その
他、亜鉛華などの化合物が用いられる。
上記加硫促進剤は、硫黄を含有していないエチレン−
プロピレン−ジエン系ゴム100重量部に対して、0.1〜20
重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられ
る。
未加硫の配合ゴムは、以下の方法により調製される。
すなわちバンバリーミキサーなどのミキサー類を用い
て、本発明に係るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴ
ム、軟化剤、無機充填剤などの充填剤を80〜170℃の温
度で3〜10分間混練し、次いで、オープンロールなどの
ロール類を用いて、必要に応じて加硫促進剤を追加混合
し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、混練
物を押出し、リボン状またはシート状の配合ゴムを調製
する。
このように調製された配合ゴムは、押出成形機、カレ
ンダーロール、またはプレスにより意図する形状に成形
され、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入し、
150〜270℃の温度で1〜30分間加熱し、加硫ゴムとす
る。このような加硫を行なう際に、金型を用いてもよい
し、また金型を用いなくてもよい。金型を用いない場合
には、成形、加硫の工程は通常、連続的に実施される。
加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビ
ーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどを
用いることができる。
発明の効果 本発明に係るエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
は、特定の高分子量エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム(A)および特定の低分子量エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(B)を特定の割合で含み、
かつムーニー粘度ML1+4(100℃)が60〜120の範囲内に
あるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中に、特定量
の硫黄が分散状態で存在し、かつω(ω2)が50
〜150の範囲内にあるため、従来、天然ゴム等の共役ジ
エン系ゴムやこれらのブレンド物でなければ不可能と考
えられてきた動的で機械的耐久性が必要とされる厳しい
条件下での使用に耐え、かつ優れた耐熱性、耐候性およ
び耐動的疲労性を付与し得る効果がある。
また、本発明に係るエラストマー組成物は、上記のよ
うな効果を有するエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
を含有してなるので、従来、天然ゴム等の共役ジエン系
ゴムやこれらのブレンド物でなければ不可能と考えられ
てきた動的で機械的耐久性が必要とされる厳しい条件下
での使用に耐え、かつ優れた耐熱性、耐候性および耐動
的疲労性に優れるという効果があり、また上記のような
効果を有する加硫ゴムを提供することができる。
さらに、本発明に係る加硫ゴムは、引張強さ(TB)、
引張伸び(EB)のバラツキがほとんどなく、また疲労試
験結果のバラツキも少ないため、実製品製造時に求めら
れる品質の安定化という効果も有する。
本発明に係るエラストマー組成物から得られる加硫ゴ
ムは、上記のような効果を有するので、タイヤ、自動車
部品、一般工業用部品、土木建材用品などの用途に広く
用いられる。とりわけ、従来ジエン系ゴム、特に天然ゴ
ムあるいはそのブレンド物でなければ使用できないと考
えられてきた、マフラーハンガー、ベルト、防振ゴム、
エンジンマウント、空気入りのタイヤのトレッド、空気
入りタイヤサイドウォール、ホワイトサイドウォールな
どに好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における加硫シートの評価
試験方法は、以下のとおりである。
(1)引張り試験 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301に記載されてい
る3号形ダンベル試験片を得、該試験片を用いて同JIS
K 6301 3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、
引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、引張破
断点応力TBおよび引張破断点伸びEBを測定した。
(2)耐熱老化性 耐熱老化性は、JIS K 6301−1975の6.5に従い、下記
の破断点応力の保持率、破断点伸びの保持率およびJIS
A硬度の変化で評価する。
(i)シートの縦方向からJIS K 6301のダンベル1号型
引張り試験片を打ち抜き、この試験片を120℃、72時間
放置した後、室温に戻し、200mm/分の速度で引張り試験
を行ない、破断点応力(T Baged)および破断点伸び(E
Baged)を測定する。一方、熱老化前のサンプルの破断
点応力(T Borig)および破断点伸び(E Borig)をあら
かじめ測定しておき、破断点応力の保持率および破断点
伸びの保持率を算出する。
破断点応力の保持率[%]=(T Baged/T Borig)×1
00 破断点伸びの保持率[%]=(E Baged/E Borig)×1
00 (ii)JIS A硬度(JIS K 6301)の変化 AH=H2−H1 ここに、AHはJIS A硬度の変化、H1は加硫前の硬さ、H
1は加硫後の硬さを示す。
(3)屈曲による亀裂成長性(屈曲試験) 屈曲による亀裂成長性は、ASTM D 813に準じてデマッ
チャ式試験機(回転数300rpm)を用い、測定サンプル3
本についてそれぞれ測定温度40℃で加硫ゴムシートが切
断するまで屈曲を繰り返し、その切断時の屈曲回数の平
均値をもって評価した。
(4)耐久試験(モンサント疲労試験) 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301に記載されてい
る3号形ダンベル試験片を得、この試験片20本について
それぞれ伸長率を20%とし、測定温度40℃、回転速度30
0rpmの条件で伸長疲労させ、そのダンベル切断時の回数
の平均値をもって耐久性の指標とした。
(5)発熱試験 ASTM D 623に準じて、グッドリッチ(Goodrich)のフ
レキソメーター(flexometer)を用い、荷重15lb、スト
ローク6.9mmの条件で発熱試験を行ない、上昇温度(変
化温度)T2−T1=ΔTを測定した。なお測定に供した試
験片の数は2個であり、実験開始温度は37℃である。
実施例1 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]3.6dl/g、ヨウ素価20の高分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム70重量%およびエチレン含量70モル%、135
℃デカリン中で測定した極限粘度[η]0.24dl/g、ヨウ
素価20の低分子量エチレン−プロピレン−5−エチレデ
ン−2−ノルボルネン共重合体ゴム30重量%からなる、
ムーニー粘度ML1+4(100℃)82、ωr80のエチレン−プ
ロピレン−ジエン系ゴム(以下、EPDM−1と称す)100
重量部と、硫黄0.75重量部とのニーダーを用いて130
℃、3分間、熱を加えながらシェアを加えて混練し、硫
黄を分散させた。
次いで、硫黄を分散させたエチレン−プロピレン系ゴ
ムに、ステアリン酸1重量部と、亜鉛華1号5重量部
と、FEF−HSカーボン[新日鉄化学社製、ニテロン #1
0]60重量部と、オイル[富士興産(株)製、P−300]
10重量部とを容量4.3バンバリーミキサー(神戸製鋼
所社製)で混練した。
このようにして得られた混練物に、14インチロールで
加硫促進剤として商品名ノクセラーM[大内新興化学工
業(株)製]1.5重量部、商品名ノクセラーDM[大内新
興化学工業(株)製]1.5重量部および商品名ノクセラ
ーTT[大内新興化学工業(株)製]0.5重量部を加え
て、ロールでの混合時間が4分間、オープンロールの表
面温度が前ロールで50℃、後ロールで60℃、回転数が前
ロールで16rpm、後ロールで18rpmの条件で混練した後、
シート状に分出して150℃で30分間プレスし、厚み2mmの
加硫シートを得、この加硫シートについて、引張り試
験、耐熱老化試験、屈曲試験、耐久試験および発熱試験
を行なった。
結果を表1に示す。
比較例1 天然ゴム(NR)[RSS 1号]70重量部と、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)[旭化成工業(株)製、商品名
タフデン1530]30重量部と、ステアリン酸1重量部と、
亜鉛華1号5重量部と、FEF−HSカーボン[新日鉄化学
社製、ニテロン #10]50重量部と、オイル[富士興産
(株)製、P−300]40重量部とを容量4.3バンバリー
ミキサー(神戸製鋼所社製)で混練した。
このようにして得られた混練物に、硫黄1重量部およ
び加硫促進剤[大内新興化学工業(株)製、ノクセラー
CZ]3重量部を加えてロールで混練した後、シート状
に分出して150℃で30分間プレスし、厚み2mmの加硫シー
トを得、この加硫シートの評価を行なった。
結果を表1に示す。
比較例2 実施例1のEPDM−1 100重量部と、ステアリン酸1重
量部と、亜鉛華1号5重量部と、FEF−HSカーボン[新
日鉄化学社製、ニテロン #10]50重量部と、オイル
[富士興産(株)製、P−300]10重量部とを容量4.3
バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)で混練した。
このようにして得られた混練物に、14インチロールで
硫黄0.75重量部および加硫促進剤として商品名ノクセラ
ーM[大内新興化学工業(株)製]1.5重量部、商品名
ノクセラーDM[大内新興化学工業(株)製]1.5重量部
および商品名ノクセラーTT[大内新興化学工業(株)
製]0.5重量部を加えて、ロールでの混合時間が4分
間、オープンロールの表面温度が前ロールで50℃、後ロ
ールで60℃、回転数が前ロールで16rpm、後ロールで18r
pmの条件で混練した後、シート状に分出して150℃で30
分間プレスし、厚み2mmの加硫シートを得、この加硫シ
ートの評価を行なった。
結果を表1に示す。
比較例3 比較例2において、実施例1のEPDM−1の代わりに、
EPDM−1を構成する高分子量エチレン−プロピレン−5
−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(ωr:20
0以上)を用いた、オイルの配合量を60重量部とした以
外は、比較例2と同様にして、厚み2mmの加硫シートを
得、この加硫シートの評価を行なった。
結果を表1に示す。
比較例4 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]2.5dl/g、ヨウ素価20の高分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン2−ノルボルネン共重
合体ゴム70重量%およびエチレン含量70モル%、135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]0.3dl/g、ヨウ素
価20の低分子量エチレン−プロピレン−5−エチリデン
−2−ノルボルネン共重合体ゴム30重量%からなるエチ
レン−プロピレン−ジエン系ゴム100重量部と、硫黄2.0
重量部とをニーダーを用いて130℃、3分間、熱を加え
ながらシェアを加えて混練し、硫黄を分散させた。
次いで、硫黄を分散させたエチレン−プロピレン系ゴ
ムに、ステアリン酸1重量部と、亜鉛華1号5重量部
と、FEF−HSカーボン[旭カーボン(株)製、60HG]60
重量部と、オイル[富士興産(株)製、P−300]60重
量部とを容量4.3バンバリーミキサー[(株)神戸製
鋼所製]で混練した。
このようにして得られた混練物に、14インチロールで
加硫促進剤として商品名ノクセラーM[大内新興化学工
業(株)製]0.5重量部および商品名ノクセラーTT[大
内新興化学工業(株)製]1.5重量部を加えて、ロール
での混合時間が4分間、オープンロールの表面温度が前
ロールで50℃、後ロールで60℃、回転数が前ロールで16
rpm、後ロールで18rpmの条件で混練した後、シート状に
分出して150℃で20分間プレスし、厚み2mmの加硫シート
を得、この加硫シートについて、引張り試験、硬度試験
(JIS A硬度)、耐久試験、発熱試験を行なった。
また、上記の各配合物を加圧式ニーダー(東伸産業社
製、型式TDI−5型)に投入して、蒸気加熱下で混合し
た後、得られた混合物を、前ロール(ロール:寺川製作
所製、8″φ×20″L蒸気加熱水冷式自動温調型)に巻
き付け、切り返しを左右4回行ない、1分後にこの混合
物のロール加工性を評価した。なお、前ロールと後ロー
ルとの間隔は0.6mmである。
[ロール加工性の表示方法] E:優れている(Excellent) G:良好である(Good) F:普通(Fair) P:劣る(Poor) VP:かなり劣る(Very Poor) [表示基準] 1)1回目の切り返し後にロールに巻き付けられた混練
物を評価する。
Eの下限……最初から穴がない。
Gの下限……2〜5mmφの小さな穴が約10ヶ以内、10m
mφ前後の穴が数個以内である。
Fの下限……ロール面でつながっている部分が50%以
上である。
Pの下限……混練物の大部分が垂れ下がっていて、一
部だけでロールに巻き付いている。
VPの上限……手を添えないと混練物がロールから外れ
る。
2)2、3、4回目の各切り返し後にロールに巻き付け
られた混練物を評価する。
Eの下限……バッギングの傾向が全く見られない。完
全な密着性がある。
Gの下限……見かけ上、混練物がロールに密着して離
れることはないが、ロール上部で一部波打つ。
スリップ等で仮にバッギングを起こしても自力で回復
するが、人力の1回の修正で元に複する。
Fの下限……前ロールの下半分の外周面においては、
混練物は密着しているが、この外周面を通り過ぎるとロ
ール上部までの範囲では混練物の密着性が悪く、一部波
打つ。
Pの下限……バッギングを起こすが時々修正を加える
ことにより、混練物がロールから垂れ下がるのを防止す
ることができる。
VPの上限……バッギングを起こし、常に修正を加えな
いと、混練物がロールから垂れ下がる。
上記の結果を表2に示す。
実施例2および3 比較例4において、比較例4の高分子量エチレン−プ
ロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体
ゴムの代わりに、 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η」3.0dl/g、ヨウ素価20の高分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム、 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]4.6dl/g、ヨウ素価20の高分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム、 をそれぞれ実施例2、実施例3で用いたこと以外は、
比較例4と同様にして、厚み2mmの加硫シートを得、こ
の加硫シートの評価を行なった。
結果を表2に示す。
比較例5 比較例4において、比較例4の高分子量エチレン−プ
ロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体
ゴムの代わりに、 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]5.2dl/g、ヨウ素価20の高分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム を用いたこと以外は、比較例4と同様にして、厚み2m
mの加硫シートを得、この加硫シートの評価を行なっ
た。
結果を表2に示す。
比較例6および7 比較例4において、比較例4の高分子量エチレン−プ
ロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体
ゴムの代わりに、 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]4.6dl/g、ヨウ素価20の高分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴムを用い、 また比較例4の低分子量エチレン−プロピレン−5−
エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムの代わり
に、 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]0.10dl/g、ヨウ素価20の低分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム、 エチレン含量70モル%、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]1.0dl/g、ヨウ素価20の低分子量エチレ
ン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム をそれぞれ比較例6、比較例7で用いたこと以外は、
比較例4と同様にして、厚さ2mmの加硫シートを得、こ
の加硫シートの評価を行なった。
結果を表2に示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含量が60〜82モル%であり、135
    ℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.0〜5.0dl/g
    であり、かつヨウ素価が8〜35である高分子量エチレン
    −プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A):90〜40重量
    %、および エチレン含量が60〜82モル%であり、135℃デカリン中
    で測定した極限粘度[η]が0.15〜0.8dl/gであり、か
    つヨウ素価が8〜35である低分子量エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体ゴム(B):10〜60重量% からなり、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60〜120の範
    囲内にあるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中に、 硫黄が分散状態で存在しており、かつ動的粘弾性試験に
    より求めた、加工性と物性の指標であるω(ω2/
    ω)が50〜150の範囲内にあることを特徴とするエチ
    レン−プロピレン−ジエン系ゴム。
  2. 【請求項2】エチレン含量が60〜82モル%であり、135
    ℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.0〜5.0dl/g
    であり、かつヨウ素価が8〜35である高分子量エチレン
    −プロピレン−ジエン共重合体ゴム(A):90〜40重量
    %、および エチレン含量が60〜82モル%であり、135℃デカリン中
    で測定した極限粘度[η]が0.15〜0.8dl/gであり、か
    つヨウ素価が8〜35である低分子量エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体ゴム(B):10〜60重量% からなり、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が60〜120の範
    囲内にあるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム中に、 硫黄が分散状態で存在しており、かつ動的粘弾性試験に
    より求めた、加工性と物性の指標であるω(ω2/
    ω)が50〜150の範囲内にあるエチレン−プロピレン
    −ジエン系ゴムを含有していることを特徴とする加硫可
    能なエラストマー組成物。
  3. 【請求項3】請求項第2項に記載のエラストマー組成物
    を加硫してなることを特徴とする加硫ゴム。
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