JP2850584B2 - 磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子の製造方法

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JP2850584B2 JP3201120A JP20112091A JP2850584B2 JP 2850584 B2 JP2850584 B2 JP 2850584B2 JP 3201120 A JP3201120 A JP 3201120A JP 20112091 A JP20112091 A JP 20112091A JP 2850584 B2 JP2850584 B2 JP 2850584B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強磁性磁気抵抗効果(以
下、MR効果と略す。)を利用して磁界を検出する磁気
抵抗効果素子(以下、MR素子と略す。)に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】MR素子を、線形応答性を有する高感度
の磁気センサーとして使用する場合には、MR素子に流
すセンス電流とMR素子内のMR効果層の磁化とのなす
角度を45度前後に設定するバイアス手段を具備しなけ
ればならない。上述のバイアス手段として、種々の方法
が開示されているが、この中で特願昭62−31285
9号に開示されたMR素子においては、バイアス磁界発
生用の非晶質軟磁性体層と、非磁性導体層と、MR層
が、基板上にこの順に積層された構造を有している。従
って非晶質軟磁性体層の磁界中熱処理がMR層成膜前に
実施できるため、熱処理条件を自由に設定でき良好なバ
イアス磁界を発生させる非晶質軟磁性体層を得ることが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のMR
素子において、非磁性導体層として種々の金属を用い、
三層構造の作製条件を変化させて多種類のMR素子を作
製し、印加磁界と出力電圧の関係を測定したところ、試
料によっては出力電圧のふらつき、およびバルクハウゼ
ンノイズの著しい増加がみられた。同試料においては、
M−H特性の困難軸ループが大きく開いてショルダーが
みられることから、MR効果層内の一軸磁気異方性が分
散し、磁区構造が乱れていることが原因と考えられる。
従って、安定した出力を保ちバルクハウゼンノイズのみ
られないMR素子を得るためには、MR効果層において
良好な一軸磁気異方性がみられ、M−H特性の困難軸ル
ープに異常がみられない条件を満たす非磁性導体層材料
を選択しなければならない。さらに、作製条件として最
も影響が大きいと考えられる非磁性導体層上にMR層を
成膜する際の成膜基板温度について検討しなければなら
ない。本発明は上記のような点に留意して、磁気異方性
の分散がみられず、安定した出力を有する高性能、高出
力のMR素子を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、バイアス磁界
発生用の非晶質軟磁性体層と、非磁性導体層と、磁気抵
抗効果を有する強磁性体からなる磁気抵抗効果層とを基
板上に順次積層してなる磁気抵抗効果素子の製造方法に
おいて、非磁性導体層としてTiを用い、該非磁性導体
層上に磁気抵抗効果層を成膜する際の基板温度を50〜
250℃の範囲とするか、あるいは非磁性導体層として
Taを用い、該非磁性導体層上に磁気抵抗効果層を成膜
する際の基板温度を50〜150℃の範囲とすることを
特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法である。
【0005】
【作用】非磁性導体層上にMR効果層を成膜する際、基
板温度がある温度以上になると層間に拡散が起こり、軟
磁性を示さない磁性合金層が形成される。この層が持つ
大きく非均一な磁気異方性は、MR効果層の一軸磁気異
方性を分散させ、磁区構造を乱す。この乱れによって外
部磁界に対する素子の応答にヒステリシスや飛びが発生
し、出力が不安定になり、バルクハウゼンノイズが発生
する。従って、望ましくない磁性合金層が形成されにく
い非磁性導体層材料としてTiまたはTaを選び、非磁
性導体層とMR効果層(一般にはNiFe層である。)
の拡散度に応じた成膜基板温度の上限を設定してやるこ
とによって、MR効果層の一軸磁気異方性を乱す拡散層
の形成を阻止し、MR効果層の磁区構造を安定化するこ
とができる。すなわち、安定した出力を持ち、バルクハ
ウゼンノイズの生じない高性能高感度のMR素子が実現
される。なお、MR効果層の成膜基板温度が低すぎる
と、MR効果層の結晶状態が乱れ、比抵抗値が上がるこ
とによって磁気抵抗変化比(以後、MR比と呼ぶ。)が
小さくなってしまい、出力が大幅に低下してしまう。従
って、成膜基板温度に上限値だけでなく下限値も必要と
なる。
【0006】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 図2は、本発明の一実施例を示す図である。図2におい
て、ガラス基板1上にRFスパッタ法を用いて、非晶質
軟磁性体層2となる膜厚50nmのCoZrMoを成膜
した。CoZrMo成膜中には永久磁石を用いて200
エルステッドの磁界を印加し、同膜に一軸磁気異方性を
付与した。成膜後、付与された磁気異方性の容易軸方向
に200エルステッドの磁界を印加しながら、300℃
の熱処理を2時間行い、軟磁性および一軸磁気異方性の
向上を図った。次に同じくRFスパッタ法を用いて、非
磁性導体層3となる膜厚20nmのTiを、前記した非
晶質軟磁性体層2上に成膜した。さらに同じくRFスパ
ッタ法を用いて、MR効果層4となる膜厚40nmのN
82Fe18(wt%)を成膜した。この際の成膜基板温
度は、−50、0、50、100、150、200、2
50、300、350℃の9種類とした。これらの試料
における困難軸方向のM−H特性の測定結果を表1に示
す。表中、困難軸方向のM−H特性をAとしたのは図1
(a)のタイプを示し、Bとしたのは図1(b)のタイ
プを示す。成膜基板温度−50℃から250℃の試料で
は一軸磁気異方性を示す膜特有の良好な困難軸ループが
得られているが、300℃および350℃の試料におい
ては、困難軸ループが大きく開いてショルダーがみられ
ることから、MR効果層すなわちNi82Fe18膜内の一
軸磁気異方性が分散していることがわかる。
【0007】
【表1】 ──────────────────────────────────── 成膜基板温度(℃) −50 0 50 100 150 200 250 300 350 ──────────────────────────────────── 困難軸方向のM−H特性 A A A A A A A B B ────────────────────────────────────
【0008】この積層体上に同じくRFスパッタ法を用
いて、電極層5となる膜厚250nmのAuを成膜し
た。さらに、この積層体上に所定のフォトレジストパタ
ーンを形成し、Arガス雰囲気中でイオンエッチングを
行い、長さ30μm、幅5μmの矩形状、および端子形
状のパターンに加工した。この際のエッチング条件は、
加速電圧500V、Arガス圧力1×10-4Torrで
あった。さらに、フォトレジスト処理および選択化学エ
ッチングによって感磁部分6である矩形状のパターンお
よび電極端子7を形成し、MR素子を作製した。このM
R素子の印加磁界と出力電圧の関係を測定したところ、
成膜基板温度が50℃から250℃の素子においてはバ
ルクハウゼンノイズはほとんどみられなかった。MR比
は1.5%以上であり、出力電圧は十分大きく安定して
いた。一方、成膜基板温度−50℃および0℃の試料に
おいてはMR比は0.8%以下と小さく十分な出力が得
られなかった。また、300℃および350℃の試料に
おいては、MR比は2%以上であり十分大きな出力電圧
が得られたが、バルクハウゼンノイズが観察され、さら
に出力電圧にふらつきがみられた。以上のことから、T
iからなる非磁性導体層上にMR効果層を成膜する際の
基板温度を50℃以上,250℃以下とすることによ
り、出力が安定した、バルクハウゼンノイズのみられな
い高性能高出力のMR素子が得られた。
【0009】実施例2 非磁性導体層として膜厚200オングストロームのTa
を用いたこと以外は全く実施例1と同様にしてMR素子
を作製した。Taからなる非磁性導体層上にMR効果層
を成膜する際の基板温度も同様に、−50、0、50、
100、150、200、250、300、350℃の
9種類とした。これらの試料における困難軸方向のM−
H特性を表2に示す。表中、困難軸方向のM−H特性に
おけるAおよびBは表1と同様である。成膜基板温度−
50℃から150℃の試料では一軸磁気異方性を示す膜
特有の良好な困難軸ループが得られているが、200℃
から350℃の試料においては、困難軸ループが大きく
開いてショルダーがみられることから、MR効果層すな
わちNi82Fe18膜内の一軸磁気異方性が分散している
ことがわかる。
【0010】
【表2】 ──────────────────────────────────── 成膜基板温度(℃) −50 0 50 100 150 200 250 300 350 ──────────────────────────────────── 困難軸方向のM−H特性 A A A A A B B B B ────────────────────────────────────
【0011】このMR素子の印加磁界と出力電圧の関係
を測定したところ、成膜基板温度が50℃から150℃
の素子においては、MR比は1.5%以上であり、出力
電圧は十分大きく安定していた。一方、成膜基板温度−
50℃および0℃の試料においてはMR比は0.8%以
下と小さく十分な出力が得られなかった。また、200
℃から350℃の試料においては、MR比は1.8%以
上であり十分大きな出力電圧が得られたが、バルクハウ
ゼンノイズが観察され、さらに出力電圧にふらつきが見
られた。以上のことから、Taからなる非磁性導体層上
にMR効果層を成膜する際の基板温度を50℃以上,1
50℃以下とすることにより、出力が安定した、バルク
ハウゼンノイズのみられない高性能高出力のMR素子が
得られた。
【0012】比較例 非磁性導体層として膜厚200オングストロームのV、
Sc、Cr、Zr、Y、Nb、Mo、Hf、Wを用いた
こと以外は全く実施例1と同様にしてMR素子を作製し
た。非磁性導体層上にMR効果層を成膜する際の基板温
度は、−50、50、150、250、350℃の5種
類とした。これらの試料における困難軸方向のM−H特
性を測定したところ、いずれの試料においても図1
(b)に相当する困難軸ループが得られた。すなわちN
82Fe18膜内の一軸磁気異方性が分散していることが
わかる。これらのMR素子において印加磁界と出力電圧
の関係を測定したところ、バルクハウゼンノイズが観察
され、さらに出力電圧にふらつきが見られた。以上のよ
うに、三層構造のMR素子において、非磁性導体層とし
ては、V、Sc、Cr、Zr、Y、Nb、Mo、Hf、
Wのいずれの元素も適していないことがわかる。
【0013】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、MR効果層の一軸磁気異方性を乱す拡散層の形成を
阻止し、MR層の磁区構造を安定化することにより、出
力が安定しており、かつバルクハウゼンノイズのみられ
ない高性能高出力のMR素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MR効果層成膜時の各基板温度における困難軸
方向のM−H特性を示した図である。
【図2】本発明によるMR素子の一実施例を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 非晶質軟磁性体層 3 非磁性導体層 4 MR効果層 5 電極層 6 感磁部分 7 電極端子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイアス磁界発生用の非晶質軟磁性体層
    と、非磁性導体層と、磁気抵抗効果を有する強磁性体か
    らなる磁気抵抗効果層とを基板上に順次積層してなる磁
    気抵抗効果素子の製造方法において、非磁性導体層とし
    てTiを用い、該非磁性導体層上に磁気抵抗効果層を成
    膜する際の基板温度を50〜250℃の範囲とすること
    を特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 バイアス磁界発生用の非晶質軟磁性体層
    と、非磁性導体層と、磁気抵抗効果を有する強磁性体か
    らなる磁気抵抗効果層とを基板上に順次積層してなる磁
    気抵抗効果素子の製造方法において、非磁性導体層とし
    てTaを用い、該非磁性導体層上に磁気抵抗効果層を成
    膜する際の基板温度を50〜150℃の範囲とすること
    を特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
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