JP2848571B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、内視鏡側に接眼部ないし固体撮像装置を持
たずに挿入部先端側から内視鏡基端側に伝達されたイメ
ージを、ケーブルを介してカメラコントロールユニット
側に伝送する内視鏡装置に関する。

［従来の技術と発明が解決しようとする課題］ 内視鏡には、例えば実願平１−13942号、或は特願平
１−191756号に示されている如く、内視鏡側に観察イメ
ージを目視する接眼部ないし該観察イメージを光電変換
して撮像信号を外部のカメラコントロールユニット側に
伝送するための固体撮像装置を持たずに、挿入部先端部
内の対物光学系にて結像されたイメージを挿入部内のイ
メージガイドにて内視鏡基端側に伝達すると共に、この
イメージガイドを内視鏡基端側から外部に延設したユニ
バーサルコード内に挿通して、外部のカメラコントロー
ルユニットに接続可能とし、このカメラコントロールユ
ニットに内設した固体撮像装置まで伝達し該固体撮像装
置にて撮像信号に光電変換し、さらにこの信号をビデオ
信号に処理してモニタに表示するタイプのものが提案さ
れている。この内視鏡には、血管用の如く極細のものに
適用されている。

ところで、医療の分野で内視鏡的観察、処置をする上
で、内視鏡装置には、消毒、滅菌を必要とする清潔域
と、消毒、滅菌を必要としない不潔域とがあり、少なく
とも挿入部側から術手が挿入操作等で手で触れるユニバ
ーサルコードまでを清潔域として確保する必要がある。
したがって、前記した内視鏡装置の場合、カメラコント
ロールユニット側に観察イメージを伝達するイメージガ
イドが挿通されたユニバーサルコードまでを挿入部とと
もに清潔域とする必要がある。

一方、前記イメージガイドとしては、イメージガイド
専用のファイババンドルが用いられており、このイメー
ジガイドファイババンドルは、照明光を伝達供給するた
めのライトガイドファイババンドルに比し高精度である
ためコストが高い。そして、前記のように内視鏡基端か
ら外部に延設されたユニバーサルコードに挿通されてカ
メラコントロールユニットに接続されるイメージガイド
は、内視鏡基端からカメラコントロールユニットまでの
必要最小限の距離として約2m程必要とされている。した
がって、内視鏡挿入部先端から基端までのイメージガイ
ドは必須として、内視鏡基端からカメラコントロールユ
ニットまでの2m程のイメージガイド分コストが余分にか
からざるを得ない。

ところで、前記内視鏡基端からカメラコントロールユ
ニットまでのイメージガイドをなくすべく、内視鏡基端
に着脱自在に接続されるユニバーサルコードのコネクタ
内にイメージを光電変換する固体撮像装置を設け、ユニ
バーサルコード内には撮像信号をカメラコントロールユ
ニットに伝送する信号線を挿通するようにすることが考
えられる。この技術であると、前記内視鏡基端からカメ
ラコントロールユニットまでの約2m程の距離のイメージ
ガイドを省略でき、その分コストの低減を図ることがで
きるが、固体撮像装置を内設したユニバーサルコードの
コネクタ部位は前述した清潔域として消毒、滅菌処理を
する上で不都合である。

本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、内
視鏡側に接眼部ないし固体撮像装置を持たない内視鏡で
あって、内視鏡基端からカメラコントロールユニットま
で従来必要としていたイメージガイドを不要としてコス
トの低減を図ると共に、内視鏡基端に接続されるケーブ
ル上の直接術者が触れる部位を消毒、滅菌処理が可能な
清潔域にできるようにした内視鏡装置を提供することを
目的としている。

［課題を解決するための手段及びその作用］ 前記目的を達成するため本発明による内視鏡装置は、
挿入部先端側から内視鏡基端側までイメージガイドが内
設され、この内視鏡基端のイメージガイドに、カメラコ
ントロールユニット側に接続されるケーブルのコネクタ
を着脱自在に接続可能とし、このコネクタ内に前記イメ
ージガイドにて内視鏡先端側から伝達されたイメージを
光電変換する固体撮像装置を内設する一方、前記ケーブ
ルの少なくとも内視鏡基端側を被覆するカバー部材を内
視鏡基端側に設けている。

この構成で、内視鏡の挿入部先端側からイメージガイ
ドにて内視鏡基端側に伝達された観察イメージは、接続
されるケーブルのコネクタ内の固体撮像装置にて光電変
換されてケーブル内にはこの撮像信号をカメラコントロ
ールユニットに伝送する信号ケーブルが挿通され、した
がってケーブル内のイメージガイドを省略でき、また前
記コネクタを介して内視鏡基端側に接続されるケーブル
は、少なくとも術者が触れる内視鏡基端側は内視鏡とと
もに消毒、滅菌処理されて清潔域とされるカバー部材で
被覆される。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

第１図ないし第６図は本発明の第１実施例に係り、第
１図は内視鏡基端側とケーブルのコネクタとの接続部を
示す説明断面図、第２図はカバー部材の基端部とカメラ
コントロールユニットのコネクタとの結合状態を示す説
明断面図、第３図はカバー部材を収縮したケーブルコネ
クタを内視鏡基端側に接続しようとする状態を示す説明
図、第４図は接続したケーブルをカバー部材で被覆した
状態を示す説明図、第５図は清潔域と不潔域とを示す説
明図、第６図は内視鏡装置全体を示す説明図である。

この実施例は血管内視鏡装置に本発明を適用したもの
である。

第６図に示すように（血管）内視鏡装置１は、内視鏡
２とカート３上に設置されたローラーポンプ装置４と、
カメラコントロールユニット５と、モニタ６と該モニタ
６の画像を記録するビデオ装置７と、内視鏡２に照明光
を供給する光源装置８とを備えている。

前記ローラーポンプ装置４はカート３上方に設置され
た透明液、例えば生理食塩水の入った液体タンク31より
伸びるチューブ32を図示しないローラーで吸って、透明
液を圧送するようになっている。

前記チューブ32の先端はチャンネル口金13aに接続さ
れており、血管内視鏡２内のチャンネルチューブを通っ
て挿入部９の先端より透明液が噴出される。この透明液
は血管内において血液を排除し、内視鏡２の視野を透明
に保つために用いられるものである。尚、第６図ではチ
ャンネル口金13aに上記チューブ32が直接接続される場
合を示しているが、実開昭61−48701号公報に有るよう
に鉗子栓を用いて送水を行いながら図示しない処置具を
チャンネルチューブ内に挿通させても良い。

また、ローラーポンプ装置４にはフットスイッチ33が
接続されており、術者がフットスイッチ33を踏むことで
送水制御できるようになっている。

前記カート３の下部には絶縁トランス34が設けられて
おり、この絶縁トランス34にはカート３上に設置される
各種電気機器の図示しない電気ソケットが接続されてお
り、血管の内腔観察時に電気機器類の漏れ電流で患者に
電撃を与えぬようになっている。

また、カート３にはトレイ35が設けられており、血管
観察時に必要な各種小物、例えばシリンジ等がおけるよ
うになっている。

尚、第６図中36はイントロデューサであり、経皮的に
挿入部９が体腔内に挿入される場合に使用される。

前記（血管）内視鏡２は、可撓性を有する細長な挿入
部９を有してこの挿入部９の基端部に把持部10を形成し
ている。この内視鏡２は、第１図に示す如く挿入部９の
先端部側から把持部10の端部にかけてライトガイドファ
イババンドル11とイメージガイドファイババンドル12と
を挿通していると共に、挿入部先端部においてライトガ
イドファイババンドル11の出射端側に照明レンズを配設
し、且つイメージガイドファイババンドル12の入射端前
方に対物レンズ系を配設して前記照明レンズにて出射照
明された被検体の反射像を対物レンズ系にてイメージガ
イド12の入射端に観察イメージとして結像し、このイメ
ージを把持部10の端部のイメージガイド後端にまで伝達
するようになっている。また、前記内視鏡２は、把持部
10の側部にチャンネル開口部13を設けて口金13aを装着
し、このチャンネル口金13aから挿入部９の先端にかけ
てチャンネルチューブ14を挿通している。

そして、前記チャンネル口金13aに接着剤等で固定さ
れたチャンネルチューブ14は、その固定位置から「チャ
ンネルチューブ14の耐圧値が該チューブ14内に注入する
流体の圧力を上まわる位置」まで補強チューブ14aにて
補強するか、接着剤等で固めて補強し、破裂しやすい部
位を補強している。

前記内視鏡２基端の把持部10端部には、接続ユニット
15が嵌入されて一対のビス16,16にて固定されている。
把持部10は樹脂にて形成されており、この把持部10の外
周からこれら一対のビス16,16を螺入し、接続ユニット1
5の嵌入部15aの外周に形成したＶ溝15b,15bに前記ビス1
6,16を係入して該Ｖ溝15b,15bを広げる方向の力にて押
接固着している。このように一対のビス16,16とＶ溝15
b,15bとは把持部10及び接続ユニット15の全周に複数箇
所設けている。このように接続ユニット15を把持部10に
固定するのに一対のビスにて固定しているのは、ビスが
１個であると接続ユニット15の開放端に力がかかって割
れが生じる虞れがあるからである。前記のようにビスが
一対であると、一方のビスをつき当て用に用い、他方を
固定用に用いることができ、一対のビス間の接続ユニッ
ト15部位に圧縮力が加わって開放端に力がかからず割れ
に対し強くできる。

このようにして内視鏡把持部10の後端に固定した接続
ユニット15には、ライトガイドファイババンドル11とイ
メージガイドファイババンドル12とが係入され、各々端
面を後端に露呈させていると共に、この部位にケーブル
16のコネクタ17が着脱自在に接続されるようになってい
る。尚、コネクタ17と接続ユニット15とは各々凹凸状の
係合部18にて係合されるようになっている。

前記コネクタ17は、接続ユニット15のイメージガイド
ファイババンドル12端面に対応した位置に、撮像光学系
を含んだ固体撮像装置を内設し、イメージガイドファイ
ババンドル12にて伝達された被検体のイメードを光電変
換するようになっている。この固体撮像装置には、信号
線が接続されており、この信号線はケーブル16内を挿通
され、該ケーブル16後端のカメラコントロールユニット
用コネクタ19に達し、該コネクタ19を介してカメラコン
トロールユニット５に接続されるようになっている。一
方、コネクタ17は、接続ユニット15のライトガイドファ
イババンドル12端面に対応した位置に、ケーブル16内に
挿通されたライトガイドファイババンドルの出射端が臨
むようになっている。

このようにケーブル16内には信号線の他にライトガイ
ドファイババンドルが内設され、該ライトガイドファイ
ババンドルはケーブル後端のカメラコントロールユニッ
ト用コネクタ19の側部から分岐した、分岐ケーブル20内
に延設され、該分岐ケーブル20の端部に設けたライトガ
イドコネクタ21を介して光源装置８に接続されるように
なっている。

前記内視鏡２はそのまま消毒、滅菌処理できて清潔域
とすることができる一方、この内視鏡との基端部である
把持部10に接続されるコネクタ17及びケーブル16は、コ
ネクタ17内に固体撮像装置が内設されている為、そのま
ま消毒、滅菌処理することは困難であり清潔域とするこ
とができない。その為、前記コネクタ17及びケーブル16
を被覆するカバー部材22を内視鏡把持部10を設けてい
る。このカバー部材22は伸縮自在な蛇腹状に形成されて
おり、コネクタ17を接続ユニット15に接続するときには
第３図に示す如く収縮する一方、接続後は第４図に示す
如く伸張してコネクタ17及びケーブル16全体を被覆する
ようになっている。そして、このカバー部材22は第２図
に示すように伸張したときは、その後端部をカメラコン
トロールユニット用コネクタ19に嵌合係止するようにな
っている。この係止は、例えば凹凸状の係止部23にて行
なわれる。

前記カバー部材22は、内視鏡２とともに消毒、滅菌で
きるので、第５図に破線で示すように、コネクタ17及び
ケーブル16を被覆すれば、この部位を清潔域に形成する
ことができる。尚、図示の例ではカバー部材22にてケー
ブル16の全域を被覆しているが、ケーブル16の全域では
なく中途までを被覆してもよい。

第７図は本発明の第２実施例を示す説明図である。

第１実施例では、ライトガイドファイババンドルを内
視鏡基端部とケーブルコネクタ部とで中継し、ケーブル
内にライトガイドを信号線とともに内設しているが、こ
の実施例は内視鏡基端部の把持部10からライトガイドフ
ァイババンドルを外部に延設し、専用のライトガイドコ
ード26に内設したものである。したがって、このライト
ガイドコード26は内視鏡２、カバー部材22とともに消
毒、滅菌可能であり、カバー部材22はコネクタ17及び信
号線を内設したケーブル16を被覆するようになってい
る。

第８図及び第９図は本発明の第３実施例を示す説明図
である。

この実施例は、第２実施例に示すライトガイドコード
26を、内視鏡把持部10に対し着脱自在としたもので、こ
のライトガイドコード26が滅菌可能ならば第２実施例と
同じに信号用ケーブル16のみをカバー部材22で被覆すれ
ばよいし、滅菌不可能ならば両者を別々のカバー部材2
2、22で被覆すればよい。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、内視鏡側に接眼
部ないし固体撮像装置を持たない内視鏡であって、内視
鏡基端からカメラコントロールユニットまで従来必要と
していたイメージガイドを不要としてコストの低減を図
ると共に、内視鏡基端に接続されるケーブル上の直接術
者が触れる部位を消毒、滅菌処理が可能な清潔域にでき
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本発明の第１実施例に係り、第１
図は内視鏡基端側とケーブルのコネクタとの接続部を示
す説明断面図、第２図はカバー部材の基端部とカメラコ
ントロールユニットのコネクタとの結合状態を示す説明
断面図、第３図はカバー部材を収縮したケーブルコネク
タを内視鏡基端側に接続しようとする状態を示す説明
図、第４図は接続したケーブルをカバー部材で被覆した
状態を示す説明図、第５図は清潔域と不潔域とを示す説
明図、第６図は内視鏡装置全体を示す説明図、第７図は
第２実施例を、第８図及び第９図は第３実施例を示す説
明図である。 ２……内視鏡、９……挿入部 10……把持部 12……イメージガイドファイババンドル 15……接続ユニット、16……ケーブル 17……コネクタ、22……カバー部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入部先端側から内視鏡基端側までイメー
   ジガイドを設けた内視鏡において、この内視鏡基端のイ
   メージガイド部に、カメラコントロールユニット側に接
   続されるケーブルのコネクタを着脱自在に接続可能と
   し、このコネクタ内に前記イメージガイドにて内視鏡先
   端側から伝達されるイメージを光電変換する固体撮像装
   置を設ける一方、前記ケーブルに固体撮像装置にて変換
   された撮像信号を前記カメラコントロールユニット側に
   伝送する信号線を挿通すると共に、前記ケーブルの少な
   くとも内視鏡基端側を被覆するカバー部材を内視鏡基端
   側に設けたことを特徴とする内視鏡装置。