JP2847967B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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acid
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孝 西田
重夫 小林
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、柔軟性、耐薬品性、耐油性、耐衝撃性、成
形性に優れたポリアミド樹脂組成物に関し、自動車部品
や各種機械部品等に広く使用できるポリアミド樹脂組成
物を提供するものである。
(背景の技術) ポリアミド樹脂は、成形性、耐油性、耐薬品性、耐熱
性等の特性が優れているので、エンジニアリングプラス
チックとして大きな需要がある。しかしながら、耐衝撃
性、柔軟性等の特性が劣るので、用途が限定されている
のが現状である。
耐衝撃性や柔軟性を改良する多くの提案が為されてい
る。例えば、柔軟性を持たせるために大量の可塑性を添
加したポリアミド樹脂組成物が知られている。耐衝撃性
及び柔軟性を改良したものとして、ナイロン12、各種ナ
イロンの共重合物、ポリアミドエラストマー等の特殊ポ
リアミド樹脂が知られており、さらに、ポリオレフィン
類、スチレン/オレフィン共重合体等を不飽和カルボン
酸等で変性したものを、ポリアミド樹脂に配合した組成
物も知られている。
しかし、このようなポリアミド樹脂組成物に於いて
は、種々の問題点が生じている。上記大量の可塑剤を含
むポリアミド樹脂組成物では、長期間の使用又は高温時
の使用により、可塑剤が流出して柔軟性を失ってしまう
という欠点がある。ナイロン12、各種ナイロンの共重合
物、ポリアミドエラストマー等は、他のエンジニアリン
グプラスチックに比べ高価なので、その使用が制限され
ている。変性ポリオレフィン類、変性スチレン/オレフ
ィン共重合体等を配合する系では、配合量が増すにつれ
て、ポリアミド樹脂の本来持っている優れた特性が失わ
れてしまう。すなわち、成形性が悪くなり、耐油性、耐
薬品性、耐熱性の低下を生じている。
本発明は、上記従来の問題点を解決するために為され
たものであり、その目的は、耐油性、耐薬品性、及び耐
熱性というポリアミド樹脂本来の優れた特性を損なうこ
となく、耐衝撃性及び柔軟性が付与されたポリアミド樹
脂組成物を提供することである。またポリアミド樹脂の
中でもポリキシリレンアジパミドに代表されるキシリレ
ン基含有ポリアミドは優れたガスバリア性、特に耐フロ
ンガス性を有しており、本発明はこの特性をも損なうこ
とがないため、例えば冷媒用のホースなどに最適であ
る。
(発明の開示) 本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド
樹脂、並びに(B)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボ
ン酸誘導体から選ばれた単量体とポリエステルエラスト
マーとを反応させて得られる変性ポリエステルエラスト
マー、を含有しており、そのことによって上記目的が達
成される。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂
(A)と変性ポリエステルエラストマー(B)との重量
比(A)/(B)を95/5〜5/95の範囲で加熱下に混合し
て得られる。
本発明の組成物に含有されるポリアミド組成物(A)
としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナ
イロン6,10、ナイロン6、12、ナイロン6/6,6、ナイロ
ン4,6、ポリキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレ
ンテレフタラミド、ポリフェニレンフタラミド、ポリキ
シレンアジパミド/ヘキサメチレンアジパミド、ポリエ
ステルアミドエラストマー、ポリエーテルアミドエラス
トマー、ダイマー酸共重合ポリアミド等が例示される。
これらは単独で又は混合して用いられ得、あるいは、こ
れらの樹脂を形成するモノマーを用いて得られる共重合
体も用いられる。なおポリアミド樹脂の融点は170℃以
上であることが耐熱性の点から好ましい。通常、ポリア
ミド樹脂は相対粘度(JIS K6810−1970に準じ、98%硫
酸中で測定)が1.8以上であることが好ましく、2.0以上
であることが更に好ましい。
本発明の組成物に含有される変性ポリエステルエラス
トマー(B)の調製に使用されるポリエステルエラスト
マーとしては、ポリエステル−ポリエーテルブロック共
重合体、ポリエステル型ブロック共重合体等が挙げられ
る。
上記ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体
は、ポリエステルをハードゼグメント、ポリエーテルを
ソフトセグメントとし、両者が交互に繰り返し並んでい
ることにより、ゴム状弾性体の性質を有するブロック共
重合体である。
このようなポリエステル単位を構成する酸及びアルコ
ールは、それぞれ主として芳香族ジカルボン酸、及び炭
素数2〜15のアルキレングリコールである。ジカルボン
酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、エ
チレンビス(p−オキシ安息香酸)、ナフタレンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息
香酸等が挙げられる。アルコールの具体例としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジ
メチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、シクロヘキサンジエタノール、ベンゼンジメタ
ノール、ベンゼンジエタノール等が挙げられる。上記の
酸及びアルコールとしては、繊維形成能を有する程度の
分子量のポリエステルにした場合の融点が、200℃以上
になるものが適している。
上記ブロック共重合体のソフトセグメントであるポリ
エーテル単位は、平均分子量が500〜5000程度のポリオ
キシアルキレングリコールである。このポリオキシアル
キレングリコール単位は、アルキレン基が2〜9個の炭
素原子を有するオキシアルキレン基をモノマー単位とす
る。具体的には、ポリ(オキシエチレン)グリコール、
ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテ
トラメチレン)グリコール等が好適な例として挙げられ
る。ポリエーテルは、単独、ランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体、あるいは2種以上のポリエーテルの混合物
であっても良い。さらに、ポリエーテルの分子鎖中に少
量の脂肪族基、芳香族基等を有していても良い。また、
イオウ、窒素、リン等を有する改質ポリエーテルでもよ
い。
ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体には、
ポリエーテル単位が1〜85重量%、好ましくは5〜80重
量%の割合で、そしてポリエステル単位が99〜15重量
%、好ましくは95〜20重量の割合で含有される。
ポリエステル型ブロック共重合体としては、結晶性芳
香族ポリエステルとラクトン類との反応によって得られ
るものが挙げられる。結晶性芳香族ポリエステルとして
は、エステル結合、又はエステル結合とエーテル結合と
を主として有するポリマーであって、少なくとも一種の
芳香族基を主たる繰り返し単位として有し、分子末端に
水酸基を有するものが挙げられる。この結晶性芳香族ポ
リエステルとしては、高重合度のポリマーを形成した場
合の融点が150℃以上になるものが好ましい。本発明の
ポリアミド樹脂組成物を成形用材料に用いる場合には、
分子量5000以上のポリマーが好ましいが、接着剤やコー
ティング剤に用いる場合には、分子量5000以下のもので
も良い。結晶性芳香族ポリエステルの好適な具体例は、
ホモポリエステル、ポリエステルエーテル、共重合ポリ
エステル、共重合ポリエステルエーテル等に見いだすこ
とができる。ホモポリエステルの例としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が挙げら
れる。ポリエステルエーテルの例としては、ポリエチレ
ンオキシベンゾエート、ポリ−p−フェニレンビスオキ
シエトキシテレフタレート等が挙げられる。共重合ポリ
エステル又は共重合ポリエステルエーテルとしては、主
としてテトラメチレンテレフタレート単位、又はエチレ
ンテレフタレート単位を有し、更に他の共重合成分を有
するポリマーが挙げられる。このような共重合成分とし
ては、テトラメチレンテレフタレート単位、エチレンイ
ソフタレート単位、テトラメチレンアジペート単位、エ
チレンアジペート単位、テトラメチレンセバケート単
位、エチレンセバケート単位、1,4−シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート単位、テトラメチレン−p−
オキシベンゾエート単位、エチレン−p−オキシベンゾ
エート単位等が例示される。共重合ポリエステル及び共
重合ポリエステルエーテルは、テトラメチレンテレフタ
レート単位又はエチレンテレフタレート単位を60モル%
以上含むことが好ましい。
ポリエステル型ブロック共重合体を形成する他方の構
成成分であるラクトン類としては、ε−カプロラクタム
が最も好ましいが、エナントラクトン、カプリロラクト
ン等も用いられる。これらのラクトン類を2種以上用い
てもよい。
ポリエステル型ブロック共重合体は、上記結晶性芳香
族ポリエステルとラクトン類とを、重量比97/3〜5/95の
割合で用い、共重合して得られる。好ましくはこの重量
比を95/5〜30/70とするのがよい。上記共重合に際して
は、必要に応じて触媒を加え、加熱混合して反応進行さ
せる。このようにして得られるポリエステルエラストマ
ー(ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体及び
/又はポリエステル型ブロック共重合体)は、単独で、
又は2種以上混合して用いられ得る。
本発明において、変性ポリエステルエラストマーを得
るために前記ポリエステルエラストマーと反応させる変
性剤は、不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれ
る。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メ
チルテトラヒドロフタル酸、エンド−ビシクロ(2,2,
1)ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック
酸)、メチル−エンドシス−ビシクロ(2,2,1)ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸)
等が例示できる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、
上記の酸の酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エ
ステル等の誘導体が挙げられる。具体的には、塩化マレ
ニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン
酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリ
シジルマレエート等が例示できる。これらの中で、不飽
和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物が好適に
用いられる。特に、マレイン酸、ナジック酸、又はこれ
らの酸無水物が好適である。
これらの変性剤は、ポリエステルエラストマーに対し
て約0.01〜約20重量%、好ましくは約0.02〜約20重量%
の範囲で用いられる。0.01重量%未満ではポリアミド樹
脂組成物の物性の改善効果が小さい。20重量%を越える
とグラフト反応時に、ゲル化が起こり易くなる。
ポリエステルエラストマーに変性剤を反応させる(グ
ラフト共重合する)方法は、特に限定されないが、得ら
れる変性ポリエステルエラストマー中にゲルなどの好ま
しくない成分が含まれないようにすることが望ましい。
また、流動性が低下すると加工性が悪くなるので望まし
くない。具体的には、例えば、上記ポリエステルエラス
トマー、変性剤、及びラジカル発生剤を配合し、溶融混
練することによりグラフト反応が起こり、変性ポリエス
テルエラストマーが得られる。ラジカル発生剤として
は、公知の有機過酸化物又はジアゾ化合物が用いられ得
る。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリル等を例示すること
ができる。ラジカル発生剤の使用量は、ポリエステルエ
ラストマーに対して0.05重量%以上、好ましくは0.1〜
1.5重量%である。
本発明のポリアミド樹脂組成物に於いては、ポリアミ
ド樹脂(A)と変性ポリエステルエラストマー(B)と
の重量比(A)/(B)を95/5〜5/95とするのが好まし
く、更に好ましくは(A)/(B)を90/10〜10/90とす
るのが良い。変性ポリエステルエラストマーの重量比が
95/5より小さくなると、耐衝撃性、柔軟性等が改善され
ない。変性ポリエステルエラストマーの重量比が5/95よ
り大きくなると、耐水性などが低下する。
本発明の組成物には、更に他の添加剤が含有され得
る。添加剤としては、着色剤、安定剤、無機充填剤、有
機充填剤、繊維状強化剤、及びその他の各種助剤が挙げ
られる。通常、ポリアミド樹脂(A)と変性ポリエステ
ルエラストマー(B)とは、加熱下で混合され、上記添
加剤は、混合の初期段階、途中の段階、或いは最終段階
のいずれに於いても添加され得る。上記混合は、従来公
知の装置を用いることができる。例えば、撹拌翼付き反
応装置、一軸或いは二軸スクリュー押出機、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練装置
を、単独或いは組み合わせて使用することができる。加
熱混合の温度は、ポリアミド樹脂(A)及び変性ポリエ
ステルエラストマー(B)の融点以上とすることが好ま
しい。
なお、本発明で用いられる変性ポリエステルエラスト
マー(B)は、ポリエステルエラストマーに、不飽和カ
ルボン酸及びその誘導体から選ばれる変性剤をグラフト
反応させて得られ、これとポリアミド樹脂(A)とが加
熱下に混合されることにより、上記グラフト反応したカ
ルボン酸及びその誘導体と、ポリアミド樹脂のアミノ末
端基とが一部反応するものと推測される。この反応によ
って、ポリアミド樹脂と変性ポリエステルエラストマー
との均一相溶分散が促進されるものと推測される。この
ようにしてポリアミド樹脂の優れた特性を保持したま
ま、柔軟性や耐衝撃性等を付加することができる。
なお本発明生成物をシート、チューブなどに成形する
際、本発明組成物のみの一層構造や、ポリアミド層と変
性ポリエステルエラストマー層を含む多層構造、本発明
組成物層とさらに変性ポリエステルエラストマー層また
はポリアミド層を含む多層構造など、用途に応じて種々
の構造を選択できる。
(発明を実施するための最良の形態) 以下に実施例を用いて本発明を具体的に示すが、これ
らでもって本発明が限定されるものではない。
なお、本実施例ではポリアミド樹脂として、相対粘度
2.53(98%硫酸中;1g/ml、25℃)のナイロン6、相対粘
度2.51のナイロン6,6、及び相対粘度2.10のポリメタキ
シリレンアジパミド(MXD−6)を用い、これらを100℃
で16時間真空乾燥して使用した。
ポリエステルエラストマーとしては、 ポリテトラメチレングリコールとポリテトラメチレン
テレフタレートとのポリエーテル−ポリエステルエラス
トマー(東洋紡績社製ペルプレンP150B)、及び ポリカプロラクトンとポリテトラメチレンテレフタレ
ートとのポリエステル型ブロック共重合体(東洋紡績社
製ペルプレンS−1000) を用いた。
(実施例1〜10) (A)変性ポリエステルエラストマーの調製 及びの無水マレイン酸変性ポリエステルエラスト
マー(それぞれ′及び′とする)を、次のようにし
て合成した。
又はを100重量部、無水マレイン酸0.5重量部、ジ
クミールパーオキサイド0.3重量部をミキサーで均一に
混合した。この混合物を30mm二軸押出機に供給し、シリ
ンダー温度200〜230℃で、無水マレイン酸変性反応を行
った。このようにして得られた反応生成物を、80℃にて
12時間真空乾燥機で乾燥して変性ポリエステルエラスト
マー′及び′を得た。
(B)ポリアミド樹脂組成物の評価 上記のポリアミド樹脂と、(A)で得られた変性ポリ
エステルエラストマー′又は′とを、第一表に示す
比率でドライブレンドした後、30mmφ二軸押出機を用い
てペレットを製造した。そのときのシリンダー温度は、
ナイロン6の場合には250℃、ナイロン6,6の場合には28
0℃、MXD−6の場合には260℃である。得られたペレッ
トは、70℃にて16時間真空乾燥した。
上記のようにして得られたポリアミド樹脂組成物のペ
レットを用いて、JIS−K6301に記載の3号ダンベル試験
片を調製した。この試験片を用い、JIS−K6301の方法に
より引張り試験を行った。まず、この試験片を500mm/mi
nのクロスヘッドスピードで伸長し、破断されたときの
荷重(kg)を測定した。その値を初期断面積(cm2)で
割った値を引張り強度とした。初期の試料の長さに対応
する破断したときの試料の伸びを引張り伸度(%)とし
た。
耐油性テストは、100℃のJIS−3号油中に、新たに調
製した上記引張試験片を70時間浸した後、引張り試験を
行って、引張り強度及び引張り伸度の変化を調べること
によって行った。
第2表に引張り試験及び耐油性テストの結果を示す。
(比較例1〜2) エチレン−プロピレン共重合物(日本合成ゴム社製JS
REP911P)を用いて、実施例1〜6と同様にグラフト反
応処理を行ない、変性処理共重合物′を調製した。こ
の変性処理共重合体′とポリアミド樹脂とを第1表に
示す割合で使用し、実施例1〜8と同様に加熱混合して
ペレットを調製した。このペレットを使用して試験片を
調製し、各試験を行った。その結果を第2表に示す。
(比較例3〜10) 実施例1〜8で用いた、未変性のポリエステルエラス
トマー又はとポリアミド樹脂とを第1表に示す割合
で使用し、実施例1〜8と同様に加熱混合してペレット
を調製した。このペレットを使用して試験片を調製し、
各試験を行った。その結果を第2表に示す。
なお実施例7〜10で得られた組成物の耐フロンガス性
を下記測定法に従ってフロン22の透過量として測定した
結果、実施例7および10では0.01g/cm2year以下、実施
例8は全くなし、実施例9は0.15g/cm2yearであり、非
常に優れていることが判る。
フロン22の透過量の測定法: 樹脂組成物を厚さ0.5mmのフィルムに成形し、該フィ
ルムをセットしたガス透過用セルをオイルバスに沈め、
80℃まで加熱し、圧力が約40kg/cm2を示すようになって
から、マノメーターを接続して透過速度が一定になった
ときの透過量を求め、一年分について算出した。
第2表から明らかなように、実施例1〜8のポリアミ
ド樹脂組成物を用いて調製した試験片は、比較例1〜10
のそれに比べて、引張り強度及び引張り伸度が大きくな
っている。耐油性テストに於いても、実施例1〜8のポ
リアミド樹脂組成物を用いて調製した試験片は、比較例
1〜10それに比べ、油浸せき後の引張り強度及び引張り
伸度の変化は小さくなっている。特に、比較例1及び2
に於いては、試験片の測定が不可能なほど引張り強度が
低下してる。比較例1及び2に於いてはポリオレフィン
共重合物を用いているために、比較例3〜8においては
未変性のポリエステルエラストマーを用いているため
に、ポリアミド樹脂との相溶性が悪くなっているものと
考察される。
これらの実施例及び比較例の成形品の表面の光沢性の
比較も行った。実施例の成形品では表面の光沢性が優
れ、耐油性テスト後に於いても優れた光沢性を保持して
いた。それに対して比較例では、成形品の初期の表面の
光沢性は悪く、耐油テスト後の表面の光沢性は更に悪く
なった。このように本実施例の成形品は、表面の光沢性
に置いても優れていることが明らかとなった。
(産業上の利用可能性) 本発明のポリアミド樹脂組成物は柔軟性、耐薬品性、
耐油性、成形性に優れ、耐衝撃性、引張強度、引張伸度
等の機械的特性も良く、成形品の表面の光沢性も優れて
おり、またエンジニアリングプラスチック用成型品、繊
維、フィルム、シート等に変形することも可能である。
具体的にはチューブ、ホース、ベルト等の押出成型品か
ら消音ギア等の射出成形品に至るまで種々に成形できる
ので、自動車、電気部品、その他幅広い分野に用いるこ
とができる。
なおポリアミドとしてポリキシリレンアジパミドを用
いた場合は、耐フロンガス性および耐水透過性が良好で
あるため冷媒用のホースとして特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/08 C08L 77/00 - 77/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、並びに(B)不飽
    和カルボン酸及び不飽和カルボン酸誘導体から選ばれた
    単量体とポリエステルエラストマーとを反応させて得ら
    れる変性ポリエステルエラストマー、を含有するポリア
    ミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリアミドがポリキシリレンアジパミドで
    ある請求の範囲第1項記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリエステルエラストマーがポリテトラメ
    チレングリコールとポリテトラメチレンテレフタレート
    とのポリエーテルポリエステルエラストマーである請求
    の範囲第1項記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリエステルエラストマーがポリカプロラ
    クトンとポリテトラメチレンテレフタレートとのポリエ
    ステル型ブロック共重合体である請求の範囲第1項記載
    のポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】不飽和カルボン酸が無水マレイン酸である
    請求の範囲第1項記載のポリアミド樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009509883A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 エム・アンド・キユー・パツケージング・コーポレーシヨン 熱可塑性エラストマーフィルム
KR101220670B1 (ko) * 2005-09-21 2013-01-09 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 폴리아미드 연신 필름

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