JP2846390B2 - 表面にアミノ基を有する光透過性芳香族ビニル系重合体成型品およびその製造方法 - Google Patents

表面にアミノ基を有する光透過性芳香族ビニル系重合体成型品およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、生理活性物質の固定化に適した芳香族ビニ
ル系重合体成型品およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 表面に生理活性物質を固定化した成型品は細胞培養用
器材、血液浄化用器材などとして広く利用されており、
今後さらに幅広い展開が期待されている重要な物質であ
る。
ポリスチレンに代表される芳香族ビニル系重合体はそ
の優れた光透過性、機械的特性、加工性、および、経済
性のゆえに最も広く使われているプラスチックの一つで
ある。しかし、疎水性である欠点があり、そのため注射
器、血液回路、細胞培養皿といった細胞と直接接触する
用途には適していない。また、生理活性物質を固定化す
るために必要なアミノ基あるいはカルボキシル基を持た
ない。この欠点を改良するための方法として、現在、プ
ラズマ放電処理が行われている。このプラズム放電処理
方法はプラスチックの表面に浅く官能基を入れるもの
で、成型品全体の物理的特性を変化させないで官能基を
入れることのできる手軽な良い方法である。しかし、こ
の方法は細胞培養皿のような単純な形をした成型品には
適用できるものの、複雑な形の成型品の内部、例えば管
や瓶の内面には適用出来ない欠点がある。また、導入さ
れる官能基の化学構造が不明確であるので、その応用に
も限界がある。
一方、ポリスチレン成型品に官能基を導入したものと
して、クロルアセトアミドメチル化ポリスチレン繊維
(特開昭57−12008)が知られているが、ここでは脆い
クロルアセトアミドメチル化ポリスチンレンをポリプロ
ピレンで補強することによって繊維の形状が維持されて
いる。従って、この種の成型品は繊維状のものに限ら
れ、用途も狭い。また、もはやポリスチレンではないの
で、光透過性が失われている。
また、ここで使われている反応方法をシャーレなどの
厚みの大きな成型品に適用しようとした場合、反応の停
止方法に問題がある。例えばシャーレを反応液と接触さ
せた後、成型品を大過剰の冷水中に浸したとき、溶媒に
用いたニトロベンゼンなどが相分離し、未反応部のポリ
スチレンを溶解したり、失透させたりしてしまう欠点が
ある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、、かかる従来技術の問題点に鑑み、注
射器、血液回路、細胞培養皿といった種々の複雑な形状
をし、且つ、その表面に反応性の官能基、とりわけ、第
1級アミノ基を導入した芳香族ビニル系重合体成型品お
よびその製造方法を見出だすべく鋭意検討した結果、本
発明に到達した。
(課題を解決するための手段) このような課題を達成するための本発明の構成は次の
通りの技術的手段からなる。
(1)下記一般式(I)で示される繰り返し単位からな
る芳香族ビニル系重合体成型品の表面の一部または全部
を、 (式中、R1は水素原子またはメチル基を、A1はベンゼン
環を示す。) 下記一般式(II)で示される芳香族ビニル系重合体から
なり、且つ、その膜面に垂直な方向の吸光度が500〜700
ナノメーターの波長の光に対して3以下である膜で被
覆、形成して成る表面にアミノ基を有する光透過性芳香
族ビニル系重合体成型品。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、A1をベンゼン
環を、A2は1,4−ジ置換ベンゼン環を示す。また、n及
びmは、n/(n+m)が0.01以上となる自然数を示
す。) (2)一般式(I)で示される芳香族ビニル系重合体成
型品を、下記一般式(III)に示されるN−メチルロー
ル−α−ハロアシルアミド、モノニトロ化炭化水素およ
び硫酸からなる溶液と接触させた後、低級アルコールま
たは低級脂肪酸で洗浄し、次いで、親水性第3級アミン
と水で処理することを特徴とする上記第(1)記載の表
面にアミノ基を有する光透過性芳香族ビニル系重合体成
型品の製造方法。
(式中、R2は水素原子または低級アルキル基を示し、X
はハロゲン原子を示す。) (3)成型品が、シャーレ、試験管、管、フィルム、細
胞培養用器具、体外循環用カラム、血液保存容器、瓶、
注射筒、カテーテルから選択される一種であることを特
徴とする上記第(1)記載の表面にアミノ基を有する光
透過性芳香族ビニル系重合体成型品。
本発明でいう一般式(I)で示される芳香族ビニル系
重合体成型品とはスチレンまたはα−メチルスチレンの
単独重合体もしくはこれらを主成分とする共重合体を成
型したものを意味する。成型品の厚みには特に制限はな
いが、実用に耐える強度を維持するためには、通常、10
0ミクロン以上の厚みを持つものが好ましく用いられ
る。その具体例としては、シャーレ、試験官、管、フィ
ルム、瓶、注射筒、カテーテルなどをあげることができ
る。
本発明でいう一般式(II)で示される芳香族ビニル系
重合体膜とは、一般式(II)で示される芳香族ビニル系
重合体から成る重合体膜であって、且つ、該膜の反対側
に存在する物質の形を確認可能にするに十分な光透過性
を有する膜を意味する。膜の光透過性は主として膜表面
での散乱と膜の吸収によって決まるが、該膜の場合500
〜700ナノメーターの波長の光に対する吸光度が3以下
であることが必要である。この吸光度が小さいほど該成
型品の光透過性が良く、吸光度が1以下であればさらに
好ましい。
本発明の重合体膜の化学構造は一般式(II)で示され
るものなら何でも良く特に制限はないが、n/(n+m)
が小さすぎると定量が困難になり構造が不確実になるの
で、通常0.01以上、より好ましくは0.1以上のものが用
いられる。
本発明の一般式(II)で示される芳香族ビニル系重合
体膜で被覆、形成して成る表面にアミノ基を有する光透
過性芳香族ビニル系重合体成型品の具体例としては、
一般式(I)で示される芳香族ビニル系重合体成型品の
表面を化学処理して一定の深さまで一般式(II)で示さ
れる芳香族ビニル系重合体を形成させたもの、一般式
(I)で示される芳香族ビニル系重合体成型品の表面に
液状の一般式(II)で示される芳香族ビニル系重合体を
コートしたもの、一般式(I)で示される芳香族ビニ
ル系重合体成型品の表面に膜状の一般式(II)で示され
る芳香族ビニル系重合体を張合わせたものが挙げられる
が、とりわけ、の成型品が深さ方に化学構造の不連続
性を持たないため、本質的に耐剥離性が良く、特に好ま
しい。
膜の厚みは、大きくなり過ぎると、光透過性が下がる
とともに、耐摩擦性も下がるので、好ましくない。50ミ
クロン以下、とりわけ、5ミクロン以下が特に好まし
い。
本発明成型品の製造は、特許請求範囲第1項記載の一
般式(I)で示される芳香族ビニル系重合体成型品の必
要部分を、一般式(III)に示されるN−メチロール−
α−ハロアシルアミド、モノニトロ化炭化水素および硫
酸からなる溶液またはこの溶液にさらにパラホルムアル
デヒドを加えた溶液中に、必要時間だけ浸漬した後、低
級アルコールまたは低級脂肪酸で洗浄し、次いで、親水
性第3級アミンおよび水で処理することにより容易に達
成される。この場合、膜の厚みと化学構造一般式(II)
のn/(n+m)はN−メチロール−α−ハロアシルアミ
ドの反応液の組成と反応温度および時間を選択すること
により調整できる。
本発明で用いるN−メチロール−α−ハロアシルアミ
ドとしては一般式(II)で表されるものなら何でも良
く、特に制限はない。その具体例としてN−メチロール
−α−クロルアセトアミド、N−メチロール−α−ブロ
ムアセトアミド、N−メチロール−α−ヨウドアセトア
ミド、N−メチロール−α−クロルプロピオンアミド、
N−メチロール−α−ブロム−n−酪酸アミド、N−メ
チロール−α−ブロム−n−バレリアン酸アミド酸が挙
げられるが、導入後の反応性の高さおよび経済性の点か
ら、とりわけ、R1が水素原子で、Xが塩素原子のもの、
すなわち、N−メチロール−α−クロルアセトアミドが
特に好ましく用いられる。また、モノニトロ化炭化水素
としては1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニ
トロブタン、ニトロメタン、ニトロベンゼン等が好まし
く用いられるが、安全性および反応後の成型品からの除
去の容易さから沸点が低くく、操作の容易なニトロプロ
パンが特に好ましく用いられる。
N−メチロール−α−ハロアシルアミドの使用量には
特に制限はないが、少ない方が成型品の透明性が保持さ
れやすいものの、余り少ないと、反応速度が小さくなり
過ぎ、多すぎると完全に溶解しないので、通常、0.5〜
8%、とりわけ、1〜8%の濃度にして用いられる。ま
た、成型品を傷めずに処理するためには、反応液を均一
溶液として用いることが重要である。
モノニトロ化炭化水素の濃度は反応液が均一溶液にな
るよう70%以下の範囲で用いることが、好ましい。モノ
ニトロ化炭化水素の濃度は高いほど成型品の膨潤が大き
くなるため反応速度が大きくなる。
ハロアシルアミドメチル化反応液の調製温度はN−メ
チロール化合物の分解を避けるため、零下5℃から10℃
の範囲が望ましく、また、ハロアシルアミドメチル化反
応液と成型品との接触温度は副反応を避けるため、0℃
から20℃の範囲が望ましい。
成型品中にα−ハロアシルアミドメチル基が導入され
る深さおよび量は、勿論、反応温度および反応液の組
成、とりわけ、N−メチロール化合物の濃度に依存す
る。
本発明のN−メチロールハロアシルアミドの反応液で
処理した成型品の洗浄に用いられる低級アルコールおよ
び低級脂肪酸としては硫酸で分解されず、硫酸およびモ
ノニトロ化炭化水素と混ざるものであれば何でも良く、
特に制限はない。その具体例としてメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルセロ
ソルブ等の低級アルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン
酸等の低級脂肪酸類があげられる。また、これらの使用
温度は低いほうで、硫酸の溶媒和熱による温度上昇を避
けることができ、従って、クロルアセトアミドメチル基
の分解を避けることができるので好ましい。通常零下30
℃〜20℃の範囲の温度が好まく用いられる。
本発明で用いる親水性第3級アミンとしては親水性の
第3級アミンなら何でも良く、特に制限はない。その具
体例としてN,N−ジメチルアミノエタノール、N、N−
ジメチルアミノ−2−プロパノール、N、N−ジメチル
アミノ−3−プロパノール、N、N−ジメチルアミノエ
タノール、N、N−ジメチルアミノ−2−ブタノール、
トリメチルアミン等が挙げられるが、反応性の高さおよ
び経済性の点から、とりわけ、N、N−ジメチルアミノ
エタノールが優れている。溶媒は必ずしも必要ではない
が、ポリスチレンを溶解せず、第3級アミンを溶解せ
ず、且つ、中性の溶媒ならば使用することができる。溶
媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、メチルセロソルブ等の低級アルコ
ール類、およびジメチルスルホキサイドが適している。
本発明で行なう親水性第3級アミンと水による加水分
解処理としては、表面がハロアセトアミドメチル基を導
入された成型品を、水溶液で温めるか、親水性第3
級アミンの溶液で処理した後、水に浸すことにより達成
される。この際、成型品の変型や失透を防ぐため、70℃
以下の温度で行うことが重要である。
本発明の成型品の表面に存在するアミノメチル基は、
成型品の細胞親和性の向上に役立つだけでなく、その反
応性を利用して直接生理活性物質の固定化に利用するこ
とができることができる。
本発明の成型品の用途としては、該成型品の表面に抗
血栓剤、抗生物質、抗体等の生理活性物質を固定化する
ことによって血液回路、カテーテル、注射器、細胞培養
用器具、体外循環用カラム、血液保存容器等への利用が
あげられる。
(発明の効果) 本発明の成型品は、表面の官能基が明確であるの
で、生理活性物質を明確な化学結合で固定化できるこ
と、一般式(I)で示される芳香族ビニル系重合体部
分が容易に溶媒で抽出除去できるので、固定化後、固定
化密度、化学構造等が明確に解析できること、成型品
全体としてポリスチレンの機械的性質が維持されている
ので、切削・接着等の加工ができること、光透過性が
あるので、使用時に内部の様子が視覚的にわかること等
の利点を有する。
また、本発明の成型品の製造方法の有用性は、任意
の形状の成型品が製造できること、安価なポリスチレ
ンが使用できること、化学構造上、不連続性がないの
で、耐剥離性が優れている成型品を製造できること等の
利点を有する。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお、実施例中の評価方法は、以下に従った。
1.一般式(II)で示される芳香族ビニル系重合体膜の化
学的解析 成型品を塩化メチレンでソックスレー抽出すると不溶
性の膜が得られるので、これを真空乾燥し、重量を量
り、赤外線吸収スペクトル測定等を行った。
2.赤外線吸収スペクトル 島津フーリエ変換赤外分光光度計FTIR−4300を用いKB
r錠剤法で測定した。
3.成型品の光透過性の測定 島津分光光度計UV2100を用い、500ナノメーターで板
状成型品に垂直方向の吸光度を測定した。対照として同
じ厚さのポリスチレン板状成型品の吸光度を測定し、両
者の下をA500とした。従って、その値が小さいほど成型
品の光透過性が高いことになる。
実施例1. 1−ニトロプロパン500mlと硫酸272mlの混合溶液を0
℃に冷却し、20.4gのN−メチロール−α−クロルアセ
トアミドを加え、0〜10℃で溶解した。
この溶液を10℃に昇温したのち、φ3.5cm×1.2cmHの
ポリスチレン製培養皿(厚み 1mm)50個に9mlずつ入
れ、室温で1hr反応させた。反応液を捨て、培養皿を零
下20℃のメタノールに浸し、さらにメタノールおよび水
で洗った後、真空乾燥して、内部表面だけクロルアセト
アミドメチル化された中間体成型品Aを得た。この成型
品のA500は0.050であった。
上記で得た成型品A1個を塩化メチレンでソックスレー
抽出したところ、薄膜状の不溶物3.1mgが得られた。培
養皿の反応面の表面積は21.1cm2であるので、反応物の
厚みは大体1.5μと考えられる。また、この不溶物の赤
外線吸収スペクトルでは、1659cm-1(アミド−I)およ
び1529cm-1(アミド−II)に第一級アミド基の強い吸収
および3297cm-1にアミドN−H基の中程度の吸収が認め
られたことからその構造を確認した。
上記で得た中間体成型品A40個を、2000mlの10%ジメ
チルアミノエタノール・ジメチルスルホキサイド溶液中
に浸し、室温で18hr静置した後、2000mlの10%ジメチル
アミノエタノール水溶液中、70℃で2hr加熱した。成型
品を洗浄後、乾燥して、本発明の成型品Bを得た。この
成型品のA500は0.050であった。
上記本発明の成型品B1個を、塩化メチレンでソックス
レー抽出したところ、薄膜状の不溶物2.3mgが得られ
た。この不溶物の赤外線吸収スペクトルでは、成型品A
で認められた1659cm-1(アミド−I)および1529cm
-1(アミド−II)の第一級アミド基の強い吸収cm-1が完
全に消失していたことからその構造を確認した。
上記本発明の成型品B1個を200mlの水に浸し、N/100−
塩酸でpH5〜6に調整した後、0.2mg/mlのグルクロン酸
ナトリウム水溶液5mlと1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩8mgを加え、
室温で48hr静置した。母液中のグルクロン酸の濃度はフ
ェノール硫酸法による分析から、0.122mg/mlであったこ
とから0.391mg固定化されたことが確認された。また、
成型品上のグルクロン酸はN/40−NaOHで洗浄しても溶出
の無いことを確認した。
実施例2 1−ニトロプロパン148mlと硫酸81mlの混合溶液を0
℃に冷却し、3gのN−メチロール−α−クロルアセトア
ミドを加え、0〜10℃で溶解した。
この溶液を10℃に昇温したのち、φ8.6cm×1.2cmHの
ポリスチレン製培養皿(厚み1mm)6個に35mlずつ入
れ、室温で1hr反応させた。反応液を捨て、培養皿を零
下20℃のメタノールに浸し、さらにメタノールおよび水
で洗った後、真空乾燥して、内部表面だけクロルアセト
アミドメチル化された中間体成型品Cを得た。
上記で得た成型品C1個を、塩化メチレンでソックスレ
ー抽出したところ、薄膜状の不溶物6.5mgが得られた。
培養皿の反応面の表面積は74.3cm2であるので、反応物
の厚みは本体0.87μと考えられる。また、この不溶物の
赤外線吸収スペクトルでは、1659cm-1(アミド−I)お
よび1529cm-1(アミド−II)に第一級アミド基の強い吸
収および3297cm-1にアミドN−H基の中程度の吸収が認
められたことからその構造を確認した。
上記で得た成型品C5個を、1000mlの10%ジメチルアミ
ノエタノール・ジメチルスルホキサイド溶液中に浸し、
室温で18hr静置した後、2000mlの10%ジメチルアミノエ
タノール水溶液中、70℃で2hr加熱した。成型品の水洗
後、乾燥して、本発明の成型品Dを得た。この成型品の
A500は0.036であった。
上記本発明の成型品D1個を、塩化エチレンでソックス
レー抽出したところ、薄膜状の不溶物5mgが得られた。
この不溶物の赤外線吸収スペクトルでは、成型品Cで認
められた1659cm-1(アミド−I)および1529cm-1(アミ
ド−II)の第一級アミド基の強い吸収cm-1が完全に消失
していたことからその構造を確認した。
実施例3 1−ニトロプロパン98.3gと硫酸53.4gの混合溶液を0
℃に冷却し、7.0gのN−メチロール−α−クロルアセト
アミドを加え、0〜10℃で溶解した。
この溶液を10℃に昇温したのち、φ3.5cm×1.2cmHの
ポリスチレン製培養皿(厚み 1mm)26個に9mlずつ入
れ、室温で1hr反応させた。反応液を捨て、培養皿を零
下20℃のメタノールに浸し、さらにメタノールおよび水
で洗った後、真空乾燥して、内部表面だけクロルアセト
アミドメチル化された中間体成型品Eを得た。この成型
品のE500は0.940であった。
上記で得た成型品A1個を塩化メチレンでソックスレー
抽出したところ、薄膜状の不溶物7.0mgが得られた。培
養皿の反応面の表面積は21.1cm2であるので、反応物の
厚みは大体3.3μと考えられる。また、この不溶物の構
造は赤外線吸収スペクトルにより確認した。
上記で得た中間体成型品E20個を、2000mlの10%ジメ
チルアミノエタノール・ジメチルスルホキサイド溶液中
に浸し、室温で18hr静置した後、2000mlの10%ジメチル
アミノエタノール水溶液中、70℃で2hr加熱した。成型
品を水洗後、乾燥して、本発明の成型品Fを得た。この
成型品のA500は0.490であった。
上記本発明の成型品F1個を、塩化メチレンでソックス
レー抽出したところ、薄膜状の不溶物2.3mgが得られ
た。この不溶物の赤外線吸収スペクトルでは、成型品E
認められた1659cm-1(アミド−I)および1529cm-1(ア
ミド−II)の第一級アミド基の強い吸収cm-1が完全に消
失していたことからその構造を確認した。
実施例4 ポリスチンレン製細胞培養用マルチプレート12Fおよ
び24F(住友ベークライト製)の各ホールに実施例1の
反応液を5mlおよび2.5mlずつ入れ、室温で2〜60min.反
応させた。反応液を捨て、零下20℃のメタノールに投
じ、実施例1と同様に処理して、内部表面だけクロルア
セトアミドメチル化された中間体成型品を得た。これを
実施例1と同様に10%ジメチルアミノエタノール・ジメ
チルスルホキシド溶液および10%ジメチルアミノエタノ
ール水溶液で処理して本発明の成型品を得た。この成型
品のA500は0.490であった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示される繰り返し単位
    からなる芳香族ビニル系重合体成型品の表面の一部また
    は全部を、 (式中、R1は水素原子またはメチル基を、A1はベンゼン
    環を示す。) 下記一般式(II)で示される芳香族ビニル系重合体から
    なり、且つ、その膜面に垂直な方向の吸光度が500〜700
    ナノメーターの波長の光に対して3以下である膜で被
    覆、形成して成る表面にアミノ基を有する光透過性芳香
    族ビニル系重合体成型品。 (式中、R1は水素原子またはメチル基を、A1をベンゼン
    環を、A2は1,4−ジ置換ベンゼン環を示す。また、n及
    びmは、n/(n+m)が0.01以上となる自然数を示
    す。)
  2. 【請求項2】一般式(I)で示される芳香族ビニル系重
    合体成型品を、下記一般式(III)に示されるN−メチ
    ルロール−α−ハロアシルアミド、モノニトロ化炭化水
    素および硫酸からなる溶液と接触させた後、低級アルコ
    ールまたは低級脂肪酸で洗浄し、次いで、親水性第3級
    アミンと水で処理することを特徴とする請求項第(1)
    項記載の表面にアミノ基を有する光透過性芳香族ビニル
    系重合体成型品の製造方法。 (式中、R2は水素原子または低級アルキル基を示し、X
    はハロゲン原子を示す。)
  3. 【請求項3】成型品は、シャーレ、試験管、管、フィル
    ム、細胞培養用器具、体外循環用カラム、血液保存容
    器、瓶、注射筒、カテーテルから選択される一種である
    ことを特徴とする請求項第(1)項記載の表面にアミノ
    基を有する光透過性芳香族ビニル系重合体成型品。
JP3137990A 1990-02-14 1990-02-14 表面にアミノ基を有する光透過性芳香族ビニル系重合体成型品およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2846390B2 (ja)

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